説明

音が出る本

【課題】複数箇所から複数の音を出す事が可能な音が出る本を提供する事。
【解決手段】小片側アンテナ識別情報と小片側アンテナとを有する小片と、前記小片側アンテナと通信して前記小片側アンテナ識別情報を受信する支持台紙側アンテナと、前記支持台紙側アンテナが少なくとも2つ設けられた支持台紙と、前記支持台紙に設けられた冊子体と、冊子体の開かれている頁の頁情報を作成する頁情報作成手段と、音を記憶する音記憶手段と、前記音記憶手段に記憶されている音を再生する音再生手段と、前記小片側アンテナと通信した前記支持台紙側アンテナを識別して、支持台紙側アンテナ識別情報を作成する支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と、前記支持台紙側アンテナ識別情報、前記小片側アンテナ識別情報、及び、頁情報に基づき、前記音記憶手段から音を選択し、前記音再生手段で再生する音計算手段を有することを特徴とする音が出る本である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音が出る本に関し、更に詳細には、小片を冊子体(例えば本、書籍、雑誌、パンフレット、カタログ、小冊子などがあるが、これに限定しない)に接触させることによって音が出る本に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、小片を冊子体に近づけることによって音が出る本が存在する。例えば、特許文献1には、音楽或いは言語を記憶したICメモリ、圧電スピーカー、バッテリー、及び、磁気感知スイッチからなる音声発生手段を、厚みを有する表紙内に組み込み、また、該表紙の一部にはケースを形成し、このケース内に動物等の具象物の形状を模した小片を収納するとともに、この小片の少なくとも一部を磁性体にて構成し、磁性体を有する小片を表紙と接触させることによって、磁気感知スイッチが機動し、ICメモリに記憶された音楽や言葉等が小片から発せられることを特徴とする音が出る本が開示されている。
【0003】
しかし、引用文献1が開示する音が出る本では、面白さに欠けるという問題点を有していた。すなわち、引用文献1が開示する音が出る本では、表紙の内側に音声発生手段を組み込んでいるため、音が出る部分は表紙のみである。更に、磁性体を有する小片を表紙と接触させることによって、磁気感知スイッチが起動し、ICメモリに記憶された音楽や言葉等が小片から発せられるため、音の出る部分から1種類の音が出るのみである。よって、面白さに欠け、飽き易い本となっていた。
【特許文献1】実開昭60−129998号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、複数箇所から音を出すことができ、かつ、複数の音を出す事が可能な音が出る本を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本願発明の請求項1は小片側アンテナ識別情報を記憶する小片側アンテナ識別情報記憶手段と、前記小片側アンテナ識別情報記憶手段に設けられた小片側アンテナと、を有する小片と、前記小片側アンテナと通信して前記小片側アンテナ識別情報を受信する支持台紙側アンテナと、前記支持台紙側アンテナが少なくとも2つ設けられた支持台紙と、前記支持台紙に設けられた冊子体と、冊子体の開かれている頁の頁情報を作成する頁情報作成手段と、音を記憶する音記憶手段と、前記音記憶手段に記憶されている音を再生する音再生手段と、前記小片側アンテナと通信した前記支持台紙側アンテナを識別して、支持台紙側アンテナ識別情報を作成する支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と、前記支持台紙側アンテナ識別情報、前記小片側アンテナ識別情報、及び、前記頁情報計算手段が認識した頁情報に基づき、前記音記憶手段から音を選択し、前記音再生手段で再生する音計算手段と、を有することを特徴とする音が出る本である。
【0006】
また、本願発明の請求項2は、隣接する前記支持台紙側アンテナの間の距離は冊子体の厚みの2倍以上である事を特徴とする請求項1記載の音が出る本である。
【0007】
また本願発明の請求項3は、前記音記憶手段に記憶されている音は、音声であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音が出る本である。
【0008】
また本願発明の請求項4は、前記小片が少なくとも2つあることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一つに記載の音が出る本である。
【0009】
また、本願発明の請求項5は、前記小片は、前記音記憶手段が記憶する音と対応した形状を有している事を特徴とする請求項1乃至請求項4何れか一つに記載の音が出る本である
【0010】
また本願発明の請求項6は、前記小片側アンテナは、小片が前記冊子体と接触する面の近傍に設けられている事を特徴とする請求項1又は請求項5何れか一つに記載の音が出る本である。
【発明の効果】
【0011】
すなわち、本願請求項1記載の発明では、小片側アンテナ識別情報を記憶する小片側アンテナ識別情報記憶手段と、前記小片側アンテナ識別情報記憶手段に設けられた小片側アンテナと、を有する小片と、前記小片側アンテナと通信して前記小片側アンテナ識別情報を受信する支持台紙側アンテナと、前記支持台紙側アンテナが少なくとも2つ設けられた支持台紙と、前記支持台紙に設けられた冊子体と、冊子体の開かれている頁の頁情報を作成する頁情報作成手段と、音を記憶する音記憶手段と、前記音記憶手段に記憶されている音を再生する音再生手段と、前記小片側アンテナと通信した前記支持台紙側アンテナを識別して、支持台紙側アンテナ識別情報を作成する支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と、前記支持台紙側アンテナ識別情報、前記小片側アンテナ識別情報、及び、前記頁情報計算手段が認識した頁情報に基づき、前記音記憶手段から音を選択し、前記音再生手段で再生する音計算手段と、を有するため、複数箇所から音を出すことができ、かつ、複数の音を出す事が可能になる。つまり、本願発明では、支持台紙にすくなくとも2つの支持台紙側アンテナが設けられているため、複数箇所から音を出すことが可能になる。また、音計算手段が、支持台紙側アンテナ識別情報、小片側アンテナ識別情報、及び、頁情報に基づき、音記憶手段から音を選択して音再生手段で再生するため、複数の音を出す事が可能になるのである。
【0012】
ここで、本願発明の音が出る本において、音が出る構造を簡単に説明すると、本願発明では、小片に、小片側識別情報記憶手段と小片側アンテナが設けられており、また、支持台紙には支持台紙側アンテナが設けられている。更に、支持台紙には、支持台紙に重なるように冊子体が設けられており、また冊子体には、冊子体のうち、現在開かれている頁がどこであるのかを示す情報である頁情報(例えば、頁番号等があるがこれに限定しない。)を作成する頁情報作成手段が設けられている。まず、冊子体の任意の頁を開くことによって、頁情報作成手段が起動し、どの頁を開いているのかを示す情報である頁情報が作成される。そして、小片を冊子体に近づけることによって、小片側アンテナと支持台紙側アンテナが通信し、小片側アンテナから支持台紙側アンテナへと、小片側アンテナ識別情報が送信される。また、小片側アンテナと支持台紙側アンテナが通信すると、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段が機動して、支持台紙に設けられた少なくとも2つの支持台紙側アンテナのうち、どの支持台紙側アンテナが小片側アンテナと通信したのかを識別し、小片側アンテナと通信した支持台紙側アンテナの支持台紙側アンテナ識別情報を作成する。
【0013】
このように、頁を開く事によって頁情報作成手段によって作成された頁情報と、小片側アンテナと通信することによって支持台紙側アンテナ識別情報作成手段で作成された支持台紙側アンテナ識別情報と、支持台紙側アンテナと通信する事によって送信された小片側アンテナ識別情報とが、音計算手段に送られる。そして音計算手段が、頁情報、支持台紙側アンテナ識別情報、及び、小片側アンテナ識別情報に基づいて、音記憶手段から音を選択し、音再生手段で音を再生させるのである。
【0014】
以上のように本願発明では、支持台紙側アンテナ識別情報、小片側アンテナ識別情報、及び、頁情報に基づいて、音記憶手段から音を選択し、音再生手段で音を再生させるため、支持台紙側アンテナ識別情報、小片側アンテナ識別情報、及び、頁情報ごとに異なる音を発生させる事が可能であり、複数の音を出す事が可能である。例えば、小片側アンテナと通信する支持台紙側アンテナが同じであっても、通信した際に開いている頁によって異なる音を出すことが可能である。また、支持台紙側アンテナが少なくとも2つ設けられている支持台紙に、冊子体が設けられているため、冊子体の1つの頁のうち、少なくとも2箇所から音を出す事が可能である。なお、支持台紙に設けられた支持台紙側アンテナの支持台紙側アンテナ識別情報を、互いに異なるものにする事によって、支持台紙側アンテナ毎にそれぞれ異なる音を出すことが可能になる点は言うまでも無い。結局本願発明では、支持台紙側アンテナの設けられた位置と、支持台紙側アンテナと小片側アンテナを通信させた際に開いている頁によって異なる音を出す事が可能であるため、面白みのある本を提供する事が可能になる。
【0015】
また本願発明の音が出る本は、支持台紙に冊子体を設けるため、コストを下げて製造する事が可能である。すなわち、特許文献1が開示するように、表紙内にICメモリ等の音発生手段を組み込む場合では、冊子体と音発生手段と別々に作成することができないため、製造コストが上がってしまうという問題を有している。つまり、特許文献1が開示している音が出る本では、表紙内にICメモリ等の音発生手段を組みこまれているため、製本する前にICメモリ等の音発生手段を組み込む必要があり、冊子体と音発生手段を直列に製造しなければならない。しかし、本願発明の音が出る本では、支持台紙側アンテナと小片側アンテナとが通信することによって音が出るため、支持台紙に冊子体を設けることで、音が出る本を製造する事が可能である。よって、支持台紙、頁情報作成手段、音記憶手段、音再生手段、支持台紙側アンテナ識別情報、および、音計算手段を有する音発生手段と、冊子体とを別々に製造した後に冊子体と支持台紙とを重ね合わせて音が出る本を製造する事が可能になり、作業を並列に行なう事が可能である。よって、製造コストを抑える事が可能である。
【0016】
ここで、小片とは、小片側アンテナ識別情報記憶手段と、小片側アンテナとが設けられたものである。なお、小片は、小片側アンテナ識別情報記憶手段と、小片側アンテナとを有していれば、本願発明の音が出る本の目的に応じて任意の形状を採用する事が可能であり、例えば、三角錐や三角柱や四角錐や四角柱や四面体や多角錐や多角柱や多面体や直方体や立方体や球等の図形であっても良いし、また、動物や人の形状であってもよいが、これらに限定するわけではない。また、小片は、立体に限定する必要は無く、例えば、シート状物を任意の形状にくりぬいた平面のものでもよい。また、小片の大きさは、小片側アンテナ識別情報記憶手段と、小片側アンテナとを有する事が可能であれば、任意の大きさを採用する事が可能であるが、例えば、あまりにも小片を大きくしてしまった結果、支持台紙側アンテナと通信させようとした際に位置を特定し難くなってしまったり、支持台紙側アンテナと通信させようとすると冊子体が小片によって覆い隠されてしまうようになると、扱い難い音が出る本になるため、小片の大きさは、冊子体よりも小さく、かつ、小片側アンテナ識別情報と小片側アンテナとを有する事が可能な大きさである事が好ましい。より具体的に説明すると、一般的な小片側アンテナ識別情報記憶手段は1辺が2mm以上の四角形である事が多く、また、一般的な小片側アンテナは1辺が5mm以上の四角形である事が多いため、小片側アンテナは、少なくとも、1辺が5mm以上の正方形を有する事が可能な大きさにする必要がある。また、冊子体に設けられている絵柄に小片を近づけたり絵柄と小片とを接触させて、小片側アンテナと支持台紙側アンテナとを通信させる事によって音が出るため、絵柄に小片を近づけたり絵柄と小片とを接触させた際に小片側アンテナと支持台紙側アンテナとが通信し易くするために、小片のうち、絵柄と接触する部分は、冊子体に設けられた絵柄と略同じ、若しくは、冊子体に設けられた絵柄よりも小さくするのが好ましい。このように絵柄と接触する部分を、冊子体に設けられた絵柄と略同じ、若しくは、冊子体に設けられた絵柄よりも小さくすることによって、小片を絵柄が設けられている位置に合わせやすくなるため、小片側アンテナと支持台紙側アンテナとを通信し易くすることが可能になる。しかし、これに限定する必要は無く、小片は任意の大きさを採用する事が可能であり、たとえば、絵柄よりも大きくする事も可能である。なお、小片と絵柄は関連していても良いし、関連していなくても良く、本願発明の音の出る本の目的に応じて任意に設定する事が可能である。例えば、本願発明の音が出る本を絵柄の上に絵柄が示す小片を置くという幼児用の単語学習張とする場合は、絵柄と小片とを関連させる必要があるし、また例えば、本願発明の音が出る本を、絵柄の上にアメリカ人の服装をした小片を置いて英語を学習するという英単語学習長とする場合は、絵柄と小片ととを関連させなくても良くなる。なおこれらに限定する必要は無く、小片は音が出る本の目的に応じて任意の形状、大きさを採用することが可能である。
【0017】
また、頁情報作成手段とは、冊子体のうち、開かれている頁がどこであるのかを示す頁情報を作成する手段である。また、頁情報とは、冊子体の開いている頁がどこであるのかを示す情報であり、開いている頁を識別する情報である。例えば、開いている頁の頁番号や開いている頁の位置情報や開いている頁の内容等があげられるがこれらに限定する必要は無い。なお、頁番号を頁情報とする際は、冊子体を開いた際の右側の頁の頁番号にするのか、若しくは、左側の頁の頁番号にするのかは任意に定める事が可能である。
【0018】
また、音とは、空気等の媒質の振動によって生ずる波であればいずれのものでもよく、例えば、音楽や、音声や、動物の鳴声や、楽器の音や、物音や、足音などが挙げられるがこれに限定するわけではない。また音と絵柄とは、関連していても良いし、関連していなくてもよい。ここで、音と絵柄とが関連している場合とは、冊子体に設けられた絵柄に小片を近づけたり接触させたりした際に出る音が、冊子体に設けられた絵柄から想定される音である場合である。逆に、音と絵柄とが関連していない場合とは、子体に設けられた絵柄に小片を近づけたり接触させたりした際に出る音が、冊子体に設けられた絵柄から想定されない音である場合である。例えば、冊子体に蛙の絵を設け、そこに小片を近づけたり、接触させたりすると、蛙の鳴声が出たり、蛙に関連する音楽が出るようにすれば、音と絵柄とを関連させる事となるし、逆に、冊子体に三角形の図形が設けられており、そこに小片を近づけたり、接触させたりすると、蛙の鳴声が出たり、蛙に関連する音楽が出るようにすれば、音と絵柄とを関連させない事となる。なお、本願発明において絵柄とは、文字や、図形や、記号や、これらの組み合わせ等いずれのものでもよく、例えば、具体的な概念を駆動させるものであってもよいし、逆に、具体的な概念を駆動させない抽象画や模様などであってもよい。
【0019】
また、本願請求項2記載の発明によれば、隣接する支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナとの間の距離を冊子体の厚みの2倍以上であるため、誤作動を防ぐことが可能になる。
【0020】
つまり、本願発明では、支持台紙に重なるように冊子体が設けられている。よって、冊子体のどの頁を開いた場合であっても、支持台紙側アンテナと小片側アンテナとの通信が可能になるように、支持台紙側アンテナの通信距離は、少なくとも冊子体の厚みと略同じ、若しくは、冊子体の厚みよりも長くなるように設定される事が多い。しかし、支持台紙には少なくとも2つの支持台紙側アンテナが設けられるため、例えば、本願請求項1記載の発明に包含される形態である、支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナを近づけた結果、隣接する支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナとの距離が、支持台紙側アンテナの通信距離よりも短くなってしまった場合では、ある支持台紙側アンテナと通信させようとして小片を近づけた際に、他の支持台紙側アンテナと通信してしまい、希望した音とは異なる音が出てしまうことがある。しかし、本願請求項2記載の発明では、隣接する支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナとを冊子体の厚みの2倍以上離しているため、通信しようとしている支持台紙側アンテナに小片側アンテナを近づけた際に、他の支持台紙側アンテナと通信してしまう事を防ぐ事が可能になり、希望した音を安定して提供する事が可能になる。
【0021】
ここで、冊子体の厚みとは、冊子体を閉じた際に、冊子体の最も外側に位置する頁の一点から最も外側に位置する頁と対向して最も外側に位置する頁に向けて伸ばした垂線が、前記最も外側に位置する頁と対向して最も外側に位置する頁との交点までの距離である。換言すれば、最も外側に位置する頁である表表紙の外側の面から、最も外側に位置する頁と対向して最も外側に位置する頁である裏表紙の外側の面までの距離である。なお、外側の面とは、表表紙の面及び、裏表紙の面のうち、本文と接する面と対向する面のことである。
【0022】
また、隣接する支持台紙側アンテナの間の距離とは、支持台紙側アンテナの略中央から、隣り合う支持台紙側アンテナの略中央までの距離である。また、支持台紙側アンテナの通信距離とは、支持台紙側アンテナが小片側アンテナと通信可能な距離のことである。つまり、支持台紙側アンテナは、通常支持台紙側アンテナから一定距離電波を発しており、この発した電波の端点から支持台紙側アンテナまでの距離である。なお、支持台紙側アンテナの長さによって通信距離を変更する事が可能である。また、持台紙側アンテナの略中央から、隣り合う支持台紙側アンテナの略中央までの距離は、冊子体の厚みの2倍以上で、支持台紙側アンテナの通信距離が重ならないように設けたほうがより好ましい。具体的には、支持台紙側アンテナの通信距離を、冊子体の厚みよりも若干長くし、隣り合う支持台紙側アンテナとの間の距離を支持台紙側アンテナの通信距離の2倍以上にすれば、冊子体のどの頁を開いても小片側アンテナと支持台紙側アンテナとを通信さえる事が可能になり、かつ、誤作動を防ぐ事が可能になるため好ましいがこれに限定するわけではない。なお、支持台紙側アンテナの通信距離は、1cn以上8cm以下であることが多く、また、冊子体の厚みは、5mm以上35mm以下である事が多いため、隣接する支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナとの距離は、5cm以上、より好ましくは7cm以上であれば、冊子体のどの頁を開いても小片側アンテナと支持台紙側アンテナとを通信さえる事が可能になり、かつ、誤作動を防ぐ事が可能になるため好ましいがこれに限定するわけではない。
【0023】
また、本願請求項3記載の発明によれば、一つの頁の少なくとも2箇所から音がでて、かつ、その音が音声であるため、より面白みのある単語学習長や絵本等を提供する事が可能になる。例えば、一つの箇所から日本語が、他の箇所から英語がでるようにすれば、楽しみながら単語を学習する事が可能な単語学習用の音が出る本を提供する事が可能になる。また、例えば、一つの箇所からある登場人物のセリフが、他の箇所から別の登場人物のセリフが出るようにすれば、より面白みのある音が出る本を提供する事が可能になる。なお、これらに限定する必要はない。
【0024】
また、本願請求項4記載の発明によれば、小片が少なくとも2つ以上あるため、より面白みのある音が出る本を提供することが可能になる。つまり、本願発明では、支持台紙側アンテナ識別情報、頁情報、及び、小片側アンテナ識別情報ごとに音を変えることが可能であるため、小片が少なくとも2つあることによって、同じ頁の同じ場所であっても置く小片を変えることで、異なる音を出すことが可能になり、より面白みのある音が出る本を提供することが可能になる。更に、小片が少なくとも2つ存在するため、本願発明の音が出る本から出る音の種類をより多くする事が可能になる。よって、例えば、本願発明の音記憶手段に記憶される音を音声にして単語学習用の音が出る本とした際に、1冊の音が出る本によってより多くの単語を学習する事が可能になる。
【0025】
例えば、本願請求項3記載の発明に包含される形態である、一つの箇所から日本語が、他の箇所から英語がでるようにした場合では、一つの箇所から一つの音声しか出ないため、学習できる単語の数が限定されてしまう。しかし、小片を少なくとも2つすることによって、同じ支持台紙側アンテナであっても小片を変えることで違う音を出すことが可能になるため、学習できる単語の数を増やすことが可能になり、冊子体の厚みは変えなくても、より多くの単語を学習する事が可能になる。
【0026】
また、本願請求項5記載の発明によれば、前記小片が、音記憶手段に記憶されている音と対応した形状を有しているため、音と形状を結びつけて学習する事が可能である。特に、音記憶手段に音声を記憶させた単語学習用の音が出る本にした際に、小片を音記憶手段に記憶されている音に対応させた形状にする事によって、どの言葉を学習しているのかの区別がし易くなり、より効果的に学習する事が可能になる。
【0027】
なお、小片が音と対応した形状を有しているとは、小片が音と関連した形状をしているということである。例えば、音が英語である場合に、小片がアメリカやイギリス等のように英語を連想させる形状を有していたり、また例えば、音が動物の鳴声である場合に、小片がその動物の形状を有していたり、また例えば、音が音楽である場合に、小片がその音楽を表す形状を有している場合等があげられるがこれらに限定する必要は無い。また小片は、少なくとも小片の一部が音と関連している部分を有していれば良く、小片全体が音と関連した形状をしていることに限定するわけではない。
【0028】
また、本願請求項6記載の発明では、小片側アンテナが、小片のうち冊子体と接触する面の近傍に設けられているため、小片側アンテナと通信する支持台紙側アンテナの通信距離を短くする事が可能になる。その結果、隣り合う支持台紙側アンテナとの距離を最小にする事が可能になり、支持台紙により多くの支持台紙側アンテナを設ける事が可能になる。
【0029】
すなわち、本願請求項1記載の発明に包含される形態である、小片側アンテナが、小片のうち冊子体と接触する面とは離れた位置に設けられている場合では、小片と冊子体とを接触させた際に小片側アンテナと支持台紙側アンテナが通信するように、支持台紙側アンテナの通信距離を長くしなければならない。しかし、支持台紙側アンテナの通信距離が長くなると、誤作動を防ぐために、隣り合う支持台紙側アンテナと支持台紙側アンテナの間の距離を長くする必要が生じ、その結果、支持台紙に小片側アンテナを設ける数が限定されてしまう。本願請求項6記載の発明では、小片側アンテナを小片の、最も冊子体寄りに設けているため、支持台紙側アンテナの通信距離を短くする事が可能になり、その結果、誤作動を防ぎながらもより多くの支持台紙側アンテナを支持台紙に設ける事が可能になり、より面白みのある音が出る本を提供する事が可能になる。
【0030】
ここで、小片のうち冊子体と接触する面の近傍とは、小片のうち、最も冊子体に近い部分の近傍であれば、小片の形状によって任意に定める事が可能である。例えば、小片が人の形をしたものであって足の裏部分が冊子体と接触する場合であれば、小片側アンテナを足の裏近傍に設ける事によって、通信距離を最も短くする事が可能になり、より面白みのある音が出る本を提供する事が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本願発明を図面に基づき詳細に説明する。
【0032】
図1は、本願発明における音が出る本の正面図であり、1は音が出る本、2は小片、3は本部分、4は小片A、5は小片B、6は本体台紙、7は冊子体、8は厚紙台紙、9は支持台紙、10は音発生手段、11は表表紙、12は本文、13は裏表紙、14は冊子体7の小口、15は音発生装置10の縦方向の長さ、16は冊子体の縦方向の長さ、17は音発生装置10の高さ、18は冊子体7と厚紙台紙8と支持台紙9とをあわせた高さ、19は小片側アンテナである。なお図1において点線部分は、音の出る本を図1の角度から見た際に見えないが、存在する部分である。
【0033】
図1において、音が出る本1は、小片2と本部分3によって構成されている。小片2は2つ存在し、黒い髪と黒い目をし、日本の国旗が描かれているシャツを着ている小片A4と、金色の髪と青い目をし、アメリカの国旗が描かれているシャツを着ている小片B5で構成されている。それぞれの小片には、胴体部分の下部の内側に小片側アンテナ19を有している。
【0034】
また本部分3は、本体台紙6の片側に設けられた冊子体7と厚紙台紙8と支持台紙9と、本体台紙の残りの片側に設けられた音発生装置10とによって構成されている。本体台紙6は、冊子体7、厚紙台紙8、支持台紙9、及び、音発生装置10を支える役割を果たしており、厚紙台紙8と音発生装置10とを横に並べた大きさと略同じ大きさに形成されている。また本体台紙6の上には、厚紙台紙7と音発生装置10が並べて設けられおり、厚紙台紙8の上には、支持台紙9が、面と面が合わさるように設けられている。また、冊子体7は、表表紙11と本文12と裏表紙13を有しており、裏表紙13と支持台紙9が重なるように、支持台紙9の上に設けられている。また、冊子体7の小口14側の本体台紙6の上には、音発生装置10が設けられている。本実施の形態では、音発生装置10は、縦方向の長さ15が冊子体の縦方向の長さ16と略同じ長さで、高さ17が冊子体と厚紙台紙11と支持台紙12とをあわせた厚み18と同じになるように形成されたプラスチック製の箱であり、その内部に頁情報作成手段と、音記憶手段と、音再生手段と、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と、音計算手段とを有している。また、本実施の形態では、冊子体7と厚紙台紙8と支持台紙9とをあわせた高さ18が、音発生装置10の厚みと略一致するように厚紙台紙8を形成して、音発生装置10と冊子体7との高さを略揃えており、製造中に音が出る本1を重ねても、重さが一箇所に集まった結果、その部分に傷や凹みが形成されてしまうという事を防ぐ事を可能にしている。
【0035】
なお本実施の形態では、頁情報作成手段、音記憶手段、音再生手段、支持台紙側識別情報作成手段、及び、音計算手段が、冊子体7の横に設けられた音発生装置10の中に設けられているがこれに限定する必要は無く、頁情報作成手段、音記憶手段、音再生手段、支持台紙側識別情報作成手段、及び、音計算手段は、それぞれ任意の場所に設ける事が可能である。例えば、音記憶手段、音再生手段、支持台紙側識別情報作成手段、及び、音計算手段等を支持台紙の下に設け、頁情情報作成装置を冊子体7の小口14側に設けることも可能である。なおこれに限定するわけではない。
【0036】
更に、本実施の形態では、冊子体7の裏表紙13と支持台紙9が重なっているため、音が出るのは裏表紙13側に位置する頁のみであるがこれに限定する必要は無く、例えば、裏表紙13と表表紙11の両方に支持台紙9を設けることも可能であるし、また、表表紙11に支持台紙9を設けることも可能であり、任意の部分に設ける事が可能である。
【0037】
また、図1において、厚紙台紙8は、本願発明の音が出る本1の厚みを一定にする役割を担っており、本実施の形態では、冊子体7の大きさよりも弱冠大きい大きさで、かつ、冊子体7と重ね合わせた際に音発生装置10と略同じ厚みにすることが可能な厚みになるように形成した発砲スチロールを採用している。なお、厚紙台紙8は、例えば冊子体7が音発生装置10と同じ厚みである場合や、音発生装置10と冊子体7とを横に並べないような場合では使用しなくてもよい。また、本実施の形態では、厚紙台紙8に発泡スチロールを採用したがこれに限定する必要は無く、厚みを一定にする事が可能であれば任意のものを採用する事が可能である。しかし。音が出る本1を軽くして持ち運び易くする事が可能になるように、軽い材料を採用する事が好ましく、さらには、冊子体7よりも軽い方がより好ましいがこれに限定するわけではない。
【0038】
図2は、図1における音が出る本の支持台紙9の拡大概念図である。図1と同じ番号を付したものは同じものであるため、説明を割愛し、20は支持台紙側アンテナ、21は下支持台紙、22は上支持台紙、23は支持台紙側アンテナを収納可能な貫通孔、24は支持台紙アンテナ用の基盤、25はケーブル、26はケーブル用貫通孔である。
【0039】
図2において、支持台紙12は、厚紙台紙11の上に設けられており、支持台紙側アンテナ20を支持する役割を担っている。また、本実施の形態では、支持台紙12は、下支持台紙21と上支持台紙22の2枚の台紙が重なったものである。下支持台紙21は支持台紙側アンテナ20を支持する役割を果たし、また、上支持台紙22は下支持台紙21に設けられた支持台紙側アンテナ20を保護する役割を果たしている。
【0040】
下支持台紙21は、厚さが略2mmのボール紙よりなる、冊子体7と略同じ大きさの矩形をしており、厚紙台紙8と接する面とは対向する面に横に3列、縦に3行の合計9個の支持台紙側アンテナ20が均等に設けられている。また上支持台紙22は、厚さが略2mmのボール紙よりなる、冊子体10と略同じ大きさの矩形をしており、下支持台紙21の上に重ねられている。また上支持台紙22には、支持台紙側アンテナ20が収納可能な貫通孔23が、下支持台紙21に設けられた支持台紙側アンテナ20と対応する位置に合計9個設けられており、下支持台紙21と重ね合わせた際は貫通孔に支持台紙側アンテナ20が収まるようになっている。
【0041】
なお、本実施の形態では、支持台紙9は下支持台紙21と上支持台紙22の2つの支持台紙を重ね合わせたものを採用しているがこれに限定する必要は無く、例えば、支持台紙9は一枚であってもよい。なお、一般的に本は、運送時や店頭販売時に積み重ねられるため、重さによって支持台紙側アンテナ20に傷がついたり凹みが形成されてしまう事を防ぐ事が可能になるように、支持台紙9を、支持台紙側アンテナ20の厚みよりも厚くし、かつ、支持台紙側アンテナ20を保護可能になるように形成する事が好ましく、例えば、本実施の形態のように、支持台紙側アンテナ20よりも厚みを有する支持台紙9を2枚使用して上支持台紙22に貫通孔23を設けて積み重ねた際でも支持台紙側アンテナ20に重みがかからないようにしたり、また例えば、支持台紙9を1枚にする場合は、支持台紙側アンテナ20よりも厚みを厚くし、かつ、支持台紙側アンテナ20が収まる穴を設けこの穴の中に支持台紙側アンテナ20を納めて、重ね合わせた際に支持台紙側アンテナ20に重みがかからないようにしたほうが好ましいが、これらに限定することなく、支持台紙9は任意の厚みを採用する事が可能であるし、任意のやり方を採用して支持台紙側アンテナ20を支持台紙9に設ける事が可能である。例えば、支持台紙9の厚みを支持台紙側アンテナ20の厚みよりも薄くすることも可能であり、このようにする場合は、例えば、冊子体7の表紙に凹部を設け、凹部に支持台紙側アンテナ20が収納されるようにずれば、支持台紙側アンテナ20に傷や凹み等が形成されないため好ましいが、これに限定するわけではない。
【0042】
また、本実施の形態では、支持台紙9にボール紙を採用したがこれに限定する必要はなく、支持台紙9には任意のものを採用する事が可能である。ただあまりにも重い材料を採用すると、持ち運びが困難になる可能性があるため、軽い材料が好ましいが、あまりにもやわらかい材料を支持台紙9に採用すると、音が出る本1を重ねた際に、支持台紙9がやわらかすぎて平行が保たれなくなったり、支持台紙側アンテナ20に歪み等が生じる場合が考えられるため、支持台紙には弾力性のある軽い材料を採用する事が好ましく、更には紙を採用する事が好ましい。支持台紙9に紙を採用する事によって、冊子体7と支持台紙9とがあたかも一体となっているようにする事が可能になる上、紙のクッション性によって支持台紙側アンテナ20を保護する事が可能になる。また、支持台紙9に紙を採用する場合は、冊子体7の表紙と略同じ種類の紙を使用し、冊子体の表紙に設けられた絵柄と連続するような絵柄を支持台紙9の冊子体7と重なる面とは対向する面に設ければ、より冊子体7と一体となっているようにする事が可能になるため好ましいがこれに限定するわけではない。
【0043】
また、本実施の形態では、上支持台紙22の、下支持台紙21と重なる面とは対向する面に、略全面に接着剤を設け、接着剤によって上支持台紙22と冊子体7とを貼着している。また、上支持台紙22の、下支持台紙21と重なる面には、貫通孔23を除いて接着剤を設けて、下支持台紙21と貼着しているがこれに限定する必要は無く、任意のやり方を採用して支持台紙9の上に冊子体7を設ける事が可能である。例えば、支持台紙9の冊子体7と重なる面には、支持台紙9の周辺のみに接着剤を設けて冊子体7と貼着するようにしても良いし、また例えば、接着剤を用いずに粘着テープ等で冊子体7と支持台紙9とを貼着してもよく、任意のやり方を採用する事が可能である。しかし、例えば、支持台紙9の略全面と、冊子体7の略全面とが貼着するように、支持台紙9に冊子体7を設けない場合では、音が出る本を手に取った状態で遊んだり、ひざに乗せた状態で遊んだ際に、支持台紙9と冊子体7とが離れてしまい、支持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19とが通信しなくなってしまう場合が考えられるため、支持台紙9の略全面と、冊子体7の略全面とが貼着するように、支持台紙9に冊子体7を設ける事が好ましいが、これに限定する必要は無い。なお、略全面とは、全面が好ましいが、支持台紙9と冊子体7が離れる事を防ぐ事が可能であれば全面でなくてもよい。
【0044】
また、支持台紙側アンテナ20は、下支持台紙21に設けられ、小片側アンテナ19と通信して小片側アンテナ識別情報を受信する役割を担うものである。本実施の形態では、一片が略2cmの正方形の形をしており、厚みは略2mmである。そして横3列、縦3行、合計9個、均等に下支持台紙21に設けられた支持台紙アンテナ用の基盤24の上に、渦巻き状に支持台紙側アンテナ20がそれぞれ設けられている。また支持台紙側アンテナ20が設けられた下支持台紙21には、支持台紙側アンテナ20の近傍に小さな貫通孔26がそれぞれ形成されており、この貫通孔26に支持台紙側アンテナ20と支持台紙側アンテナ識別情報作成手段とを結ぶケーブル25が通っている。つまり支持台紙側アンテナ20にそれぞれ設けられたケーブル25が、支持台紙側アンテナ20近傍にそれぞれ設けられた貫通孔26を通って、下支持台紙21の支持台紙側アンテナ20が設けられた面とは対向する面側で支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と連結しているのである。
【0045】
図3は図1の音が出る本の小片が有している小片側アンテナと小片側アンテナ識別情報記憶手段の拡大正面図である。
図3において、図1、図2と同じ番号を付したものは同じものであるため、説明を割愛し、30は小片側アンテナ用の基盤、31は小片側アンテナ識別情報記憶手段である。
【0046】
図3において、小片側アンテナ19は基盤30の上に渦巻状に設けられている。また、小片側アンテナ19には小片側アンテナ識別情報記憶手段31が設けられており、小片A4の小片側アンテナ識別情報記憶手段31は『1』という小片側アンテナ識別情報を記憶しており、小片B5の小片側アンテナ識別情報記憶手段31は『2』という小片側アンテナ識別情報をそれぞれ記憶している。なお、本実施の形態では、小片側アンテナ識別情報は数字であるが、これに限定する必要はなく、音計算手段が小片であることを区別する事が可能であれば、任意のものを採用する事が可能であり、例えば記号や図形であっても良いし、また例えば『日本人』や『Japanese』等のように名前であってもよく、任意のものを採用する事が可能である。また、小片側アンテナ識別情報記憶手段31に記憶する識別情報は、本実施の形態のように小片ごとに異なるようにすることに限定する必要は無く、例えば小片側アンテナ識別情報を同じにしたり、また例えば小片側アンテナ識別情報が同じ小片と異なる小片とが混在したりする事も可能であり、音が出る本1の目的に応じて任意の形態を採用する事が可能である。更に小片側アンテナ19、及び、小片側アンテナ識別情報記憶手段31は、例えばICタグやRFタグ等、市販のものを採用する事が可能である。
【0047】
また小片側アンテナ19を設ける位置は任意の場所を採用する事が可能であり、本実施の形態のように胴体部分の下部の内側に限定する必要は無い。なお、小片側アンテナ19を小片2の外側に設けると、小片側アンテナ19が外れてしまう場合も考えられるため、小片側アンテナ19は小片2の内側に設ける事が好ましいがこれに限定する必要は無い。また本実施の形態では、小片2は内部が空洞になるプラスチックで形成されているがこれに限定する必要は無く、小片側アンテナ19を設ける事が可能であれば、任意の材料で形成する事が可能であり、例えば、紙や発砲スチロールや木等を採用する事が可能であるがこれに限定するわけではない。
【0048】
図4は図1の音が出る本の任意の頁を開いた状態を示した概念図である。図4において図1〜図3と同じ番号を付したものは同じものであるため、説明を割愛し、35は凸部、36は上面、37は溝、38は矢印部、39は矢印部38の中央、40は絵柄、41は音再生手段、42は小孔である。
【0049】
図4において、支持台紙9の上に設けられた冊子体7は、小口14に頁毎に長さの異なる凸部35を有しており、小口14を表紙から見ると、最初の頁から最後の頁までが階段状になっている。また、冊子体7の小口14側には音発生装置10が設けられており、音発生装置10は、頁情報作成手段、音記憶手段、音再生手段、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段、及び、音計算手段を有している。
【0050】
頁情報作成手段は、音発生装置10の、本体台紙6とは対向する面である上面36の小口14側に、上下方向に設けられた溝37と、前記溝37を移動する矢印部38と、前記矢印部38の位置から頁情報を計算する頁情報計算装置(図示しない)を有している。矢印部38は、先端が冊子体7の小口14の方向を向いており、冊子体7の各頁が小口14側に有している凸部35を押さえて、矢印部38によって押さえられた凸部35を有する頁より下に存在する頁を開くことを防ぐ役割を果たしている。よって、矢印部38によって押さえられた凸部35を有する頁より下に存在する頁を開く際は、矢印部38を地側にずらして矢印部38によって押さえられる凸部35を変える事によって可能になる。逆に、矢印分32によって抑えられた凸部35を有する頁よりも上に存在する頁を開く際は、矢印部38を天側にずらして矢印部35によって押さえられる凸部35を変える事によって可能になる。また矢印部38の中央39には、矢印部38と頁情報計算装置とを結ぶ棒が前記溝37を通って設けられており、頁情報計算装置は、前記棒を通じて矢印部38の位置を把握し、この位置から現在開かれている頁の頁情報である頁番号を計算している。よって例えば、矢印部38が溝の最も上に位置している場合は、頁番号が1であると判断し、矢印部が3つ目の凸部を抑えている位置にある場合は、頁番号が3であると判断する。
【0051】
なお、本実施の形態では、冊子体の全ての頁において音が鳴るため、全ての頁が凸部を有しているがこれに限定する必要は無く、少なくとも音が鳴る頁が凸部を有していればよい。また、本実施の形態では、頁情報作成手段を、天地方向に設けられた溝37と、前記溝37を移動する矢印部38と、前記矢印部38の位置から頁情報を計算する頁情報計算装置とを有するものにしたがこれに限定する必要は無く、頁情報作成手段は、現在開いている頁の情報である頁情報を作成する事が可能であれば任意のものを採用する事が可能である。また、後述するように別の実施の形態を採用する事も可能であるがこれらに限定するわけではない。
【0052】
冊子体7の各頁には絵柄40が設けられており、本実施の形態では、絵柄40は、下支持台紙21に設けられた支持台紙側アンテナ20に対応するように、横に3つ、縦に3つ、合計9つの絵柄40がオフセット印刷によって設けられている。なお本実施の形態は、絵柄40をオフセット印刷によって設けたが、任意の方法を採用して設ける事が可能であり、例えば、グラビア印刷やスクリーン印刷を採用する事も可能であるし、また手書きでも受けても良い。なおこれらに限定するわけではない。また、絵柄40は平面であることに限定する必要は無く、ポップアップや立体が直接置かれる等のように立体であってもよい。
【0053】
また絵柄40は、その一つ一つが名詞や動作を表すものであり、小片A4を絵柄40と接触させると絵柄40の日本語による音声が、小片B5を絵柄40と接触させると絵柄40の英語による音声が音再生手段41から出る。例えば、月の絵柄40と小片A4を接触させると日本語で『月』という音声が音再生手段41から出、同様に、月の絵柄40と小片B5を接触させると英語で『Moon』という音声が音再生手段41から出る。なお本実施の形態では、音再生手段41は、音発生装置10の上面の天部分に設けられた小孔42の下に設けられており、小孔42によって音再生手段41から出る音がこもるのを防いでいる。
【0054】
図5は、図1の音が出る本の絵柄部分を拡大した拡大正面図である。
なお図5において点線部分は、音の出る本を図5の角度から見た際に見えないが、存在する支持台紙アンテナ用の基盤、支持台紙側アンテナ20、ケーブル23、及び、ケーブル用の貫通孔22である。
【0055】
図5において、図1〜図4と同じ番号を付したものは同じものであるため、説明を割愛し、45は絵柄40の中央、46は支持台紙側アンテナ20の中央、47は支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲、48は支持台紙側アンテナ20の通信距離、49は絵柄40の縦方向の長さ、50は絵柄40の横方向の長さ、51は支持台紙側アンテナ20の中央46から隣接する支持台紙側アンテナ20の中央46までの距離である。
【0056】
図5において、絵柄40は、下支持台紙21に設けられた支持台紙側アンテナ20に対応するように、横に3つ、縦に3つ、合計9つの絵柄40がオフセット印刷によって設けられている。また、絵柄40は、絵柄40の中央45が支持台紙側アンテナ20の中央46と略一致するように各頁に設けられており、更に、対応する支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47と絵柄が略一致するように設けられている。具体的には、支持台紙側アンテナ20の通信距離48が略3cmであるため、絵柄は、縦方向の長さ49が6cm、横方向の長さ50が6cmの正方形をしている。このように、絵柄40を、絵柄40と対応する支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47と略一致するように設ける事によって、換言すれば、他の支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47に入らないように絵柄40を設ける事によって、通信しようとしている支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47に小片を置く事が可能になり、誤作動を防ぐ事が可能になるため好ましいがこれに限定するわけではない。ここで、支支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47とは、支持台紙側アンテナ20の中央46から通信距離48を半径とした球の上半分の半球の範囲である。よって例えば、印刷方式等で平面に絵柄40を設ける場合では支持台紙側アンテナ20の中央46から通信距離48を半径とした円が通信可能な範囲47ということになり、また例えば、ポップアップや立体の物体のように立体の絵柄40を支持台紙側アンテナ20と対応する位置に設ける場合では支持台紙側アンテナ20の中心46から通信距離48を半径とした球の上半分の半球の範囲となる。なお、本実施の形態では、冊子体の厚みは1.5cmであり、支持台紙側アンテナ20の中央46から隣接する支持台紙側アンテナ20の中央46までの距離51は略8cmであるため、冊子体7のどの頁を開いても支持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19が通信可能であり、かつ、誤作動を防ぐ事が可能である。
【0057】
なお、本実施の形態では、冊子体7の厚みを1.5cmにし、隣接する支持台紙側アンテナ20との間の距離51を8cmとしたがこれに限定する必要は無く、任意の値を採用する事が可能である。また、本実施の形態では、支持台紙側アンテナ20の通信距離48を略3cmにしたが、これに限定する必要は無く任意の値を採用する事が可能である。しかし、任意の頁を開いて、支持台紙側アンテナ20と小片側ア19ンテナ5とを通信させようとした際に支持台紙側アンテナ20の通信距離48が短い場合では、小片側アンテナ19と通信不可能になってしまうため、支持台紙側アンテナ20の通信距離48は、少なくとも、小片側アンテナ19と接触するようにした頁に届くことが可能な距離に設定する事が好ましく、さらには、冊子体7の厚みと略同じ、若しくは、冊子体7の厚みよりも弱冠長くなるように設定すると、どの頁を開いても小片側アンテナ19と通信可能になるためより好ましいがこれに限定する必要は無く、任意の値を採用する事が可能である。
【0058】
また、本実施の形態では、支持台紙側アンテナ20にそれぞれ対応するように絵柄40を設けたがこれに限定する必要は無く、例えば、支持台紙側アンテナ20と対応する場所以外のところにも設けるというように、絵柄40は任意に設ける事が可能である。例えば、頁全面に絵柄40である背景を設け、小片を置いて支持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19とを通信させる部分に『ここに小片をおいてください』という説明や音符等のような、小片2を置くように誘導可能な絵柄40である文字や記号や絵等を設けることも可能である。なお、頁全面に背景を儲け、小片2を置くように誘導可能な文字や記号や絵等を設ける場合であっても、他の支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47に文字や記号や絵等が入らないように設けたほうが誤作動を防げるために好ましいがこれに限定するわけではない。また支持台紙側アンテナ20と対応する位置に設けられる絵柄40は他の支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47に入らなければ、任意の大きさで設ける事が可能であり、対応する支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47より大きくても良いし、支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47と略同じであってもよいし、逆に、支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47より小さくても良い。なお、対応する支持台紙側アンテナ20と確実に通信する事が可能になるため、小片を置くことになる絵柄28は、対応する支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲47よりも小さくい方が好ましいが、これに限定する必要は無い。
【0059】
図6は図1の音が出る本の構成を示すブロック図である。図6において、図1〜図5と同じ番号を付したものは同じものであるため説明を割愛し、55は支持台紙側アンテナ識別情報作成手段、56は音記憶手段、57は頁情報作成手段、58は音計算手段である。
【0060】
図6において、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55は、どの支持台紙側アンテナ20が小片側アンテナ19と通信したのかを判断し、その支持台紙側アンテナ20の識別情報を作成する役割を担っており、本実施の形態では、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55は音発生装置10に設けられ、支持台紙側アンテナ20とそれぞれケーブル25で繋がっている。なお、ケーブル25は、下支持台紙9と厚紙台紙8との間を通って、音発生装置10に設けられている支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55と繋がっている。またそれぞれの支持台紙側アンテナ20は、常に通信可能な状態を維持しており、冊子体7の任意の頁の支持台紙側アンテナ20が設けられている位置と対応した絵柄40に小片が置かれて小片側アンテナ19と支持台紙側20アンテナが通信すると、支持台紙側アンテナ20が小片側アンテナ識別情報を受信すると共に、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55がケーブル25を通じてどの支持台紙側アンテナが通信したのかを認識し、支持台紙側アンテナ識別情報を作成する。本実施の形態では、支持台紙側アンテナ識別情報は、どのケーブル25が反応したかというケーブル25の情報であり、具体的には、各ケーブル25に付与された番号である。つまり、支持台紙に9個設けられた支持台紙側アンテナ20のうち、左上の支持台紙側アンテナ20に設けられたケーブル25から、『1』という支持台紙側アンテナ識別情報が付与され、一番左下に『9』という支持台紙側アンテナ識別情報が付与されている。なお、本実施の形態では、支持台紙側アンテナ識別情報を、どのケーブル25が反応したかというケーブル25の情報、具体的には、ケーブル25に定義付けられた番号としたがこれに限定する必要は無く、どの支持台紙側アンテナ20が小片側アンテナ19と通信したのかを判断する事が可能であれば、任意に設定する事が可能であり、例えば、支持台紙側アンテナ識別情報をアルファベットや記号や名前などにすること等が可能である。なおこれらに限定するわけではない。なお、支持台紙側アンテナ20と支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55は、ケーブルで結ぶことに限定する必要は無く、例えば、無線で通信するようにしてもよい。
【0061】
音記憶手段56は、本願発明の音が出る本において出る全ての音を記憶する役割を果たしている。本実施の形態では音発生装置10の箱の中に設けられており、各頁に設けられた絵柄40の日本語の音声と、英語の音声とを記憶している。なお、本実施の形態では、音記憶手段は音発生装置10の内部に固定されているが、これに限定する必要は無く、音を記憶する事が可能であれば任意の場所に設ける事が可能であり、例えば、音発生装置10に取り外し可能に設けることも可能である。また、音記憶手段56に記憶されている各音は、表題情報を有しており、例えば、『つき』という日本語の音声は『3−1−1』という表題情報を有しており、また『Moon』という英語の音声は、『3−2−1』という表題情報を有している。なお表題情報とは、頁情報、小片側アンテナ識別情報、及び、支持台紙側アンテナ識別情報の組み合わせであり、任意に設定することが可能である。なお本実施の形態では、全ての頁、全ての小片2、及び、全ての支持台紙側アンテナ20から音が出るため、音記憶手段は、全ての頁情報、全ての小片側アンテナ識別情報、及び、全ての支持台紙側アンテナ識別情報を組み合わせた数を記憶しているがこれに限定する必要は無く、音記憶手段56が記憶する音の数は本願発明の音が出る本の目的に合わせて任意に設定する事が可能である。例えば、本願発明の音が出る本を、各頁に設けられた複数の絵柄の一つで正解の音がで、残りの絵柄では音が出ないというクイズ用の本とした場合では、各頁に設けられた複数の絵柄の一つから音が出ればよいため、音記憶手段が記憶する音は、全ての頁情報、全ての小片側アンテナ識別情報、及び、全ての支持台紙側アンテナ識別情報を組み合わせた数ではなく、全ての頁情報、全ての小片側アンテナ識別情報、及び、正解の支持台紙側アンテナ識別情報を組み合わせた数となる。
【0062】
また音再生手段41は、頁情報、小片側アンテナ識別情報、及び、支持台紙側アンテナ識別情報に基づいて音記憶手段56から選択された音を再生する役割を果たしている。本実施の形態では、音再生手段41は、音発生装置10に設けられており図示されない。なお、本実施の形態では、音再生手段41を音発生装置10に設けたがこれに限定する必要は無く、任意の場所に設ける事が可能であり、例えば、音発生装置10の外に設けることも可能である。なおこれらに限定する必要は無く、任意の場所に設ける事が可能である。
【0063】
音計算手段58は、小片側アンテナ19と通信した支持台紙側アンテナ20が受信した小片側アンテナ識別情報と、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55によって作成された支持台紙側アンテナ識別情報と、頁情報作成手段57によって作成された頁情報に基づいて音記憶手段から音を選択し、音再生手段41によって再生させる役割を担っており、音発生装置10に設けられており図示されない。
【0064】
ここで、本実施の形態の音が出る本において音が出るまでを説明すると、例えば、矢印部38をずらして上から3つ目の凸部を押さえて3頁を開くと、頁情報作成手段57が矢印部38の位置より頁情報を作成し、『3』という頁情報を音計算手段58に送る。そして、小片A4を頁に設けられた左上の絵柄40に近づけると、支持台紙側アンテナ20と小片A4が有する小片側アンテナ19とが通信して、支持台紙側アンテナ20が、小片側アンテナ識別情報である『1』という小片側アンテナ識別情報を受信し、音計算手段58に送る。また、支持台紙側アンテナ識別情報55は、支持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19とが通信すると、どの支持台紙側アンテナ20が通信したのかを認識し、『1』という支持台紙側アンテナ識別情報を作成して音計算手段58に送る。音計算手段55は、頁情報作成手段57により作成された『1』と、支持台紙側アンテナ20より受信した小片側アンテナ識別情報である『1』と、支持台紙側アンテナ識別情報作成手段55より受信した『1』に基づいて、『3−1−1』という表題情報を有する音である『月』という音声を音記憶手段56から選択し、音再生手段41に『月』と再生させるのである。以上、本願発明の実施例である各図について説明したが、本発明はこの実施例にのみに限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。例えば、図1に示した頁計算手段は、図7に示すように、磁気を利用して頁を計算する事も可能である。
【0065】
図7は、本願発明の音が出る本における頁情報作成手段の別の実施の形態を示す正面図である。なお、図7において点線部分は、音の出る本を図7の角度から見た際に見えないが、存在する部分である。図7において(a)は本願発明の音がでる本の別の実施の形態の本部分のみを示す正面図、(b)は(a)の冊子体と磁性体支持台紙のみの拡大正面図である。
図7において、図1〜図6と同じ番号を付したものは同じものであるため、説明を割愛し、60は磁性体支持台紙、61は冊子体、62は磁性体、63は冊子体の小口、64は表表紙である。
【0066】
図7において、頁情報作成手段は、支持台紙9の上に設けられた磁性体支持台紙と、磁性体台紙の上に設けられた冊子体が有する磁性体と、音発生装置に設けられた頁情報計算装置とを有している。冊子体61は、1つの頁が、2枚の紙を張り合わせた合紙によって形成されており、張り合わされた2枚の紙の間に、略円形に形成されたシート状の磁性体62を有している。なお、磁性体62は、2枚の紙を張り合わせる工程で、一緒に設けることが可能である。また磁性体62は、頁毎に上下方向に位置がずれるように、冊子体61の小口63近傍に設けられており、本実施の形態では、表表紙64に最も近い頁に設けられた磁性体62が、上下方向の最も上に位置し、また、表表紙64に最も近い頁の隣の頁は、表表紙64に最も近い頁に設けられた磁性体62よりも下に位置しており、冊子体を閉じた際に、各頁に設けられた磁性体62が重ならないように設けられている。なお本実施の形態では、全ての頁で音が出るため、全ての頁に磁性体62を設けたがこれ限定する必要は無く、磁性体62は少なくとも音が出る頁が有していれば良く、全ての頁に設けなくても良い。なお、磁性体62は、合紙の間に設けることに限定するわけではなく、頁の任意の場所に設ける事が可能である。例えば、合紙ではない1枚の紙のみの頁に設けることも可能である。合紙ではない頁に磁性体を設ける場合は、磁性体が見えるようになるため、例えば、頁に設けられた絵柄と略一致するような絵柄を磁性体に設けたり、磁性体を外れ難くするとよいがこれに限定するわけではなく、任意に設ける事が可能である。なお、磁性体をどのように設けた場合であっても、磁性体同士が重ならないように設ける必要がある。
【0067】
磁性体支持台紙60は支持台紙9と冊子体61の間に設けられており、冊子体61の各頁に設けられた磁性体62と対応する位置にそれぞれ磁性体62を有している。なお、本実施の形態では磁性体支持台紙60に設けられた磁性体62と冊子体61の各頁に設けられた磁性体62は同じものであり、直径が略1cm、厚さが略1mmのシート状の磁性体62である。なおこれに限定する必要は無く、磁性体62は任意の形状及び任意の厚みを採用する事が可能であるし、冊子体61に設けられる磁性体62と、磁性体支持台紙60に設けられる磁性体62とを変えることも可能である。ただし、あまりにも磁性体62が大きくなってしまうと、支持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19の通信に影響が出るため、磁性体62は、持台紙側アンテナ20と小片側アンテナ19の通信に影響が出ない大きさが好ましく、具体的には、直径が3cm以下の円、より好ましくは、1.5cm以下の円である事が好ましいがこれに限定するわけではない。
【0068】
磁性体支持台紙60に設けられた磁性体62には、図示しないがケーブルがそれぞれ設けられており、音発生装置10に設けられた頁情報計算装置と繋がっている。頁情報計算装置は、ケーブルによって磁性体支持台紙60に設けられた複数の磁性体62のうち、冊子体61に設けられている磁性体62と繋がっている磁性体62はどれかを判断して頁情報を作成する。例えば本実施の形態で説明すると、磁性体支持台紙60に設けられた全ての磁性体62が冊子体61に設けられている磁性体62と繋がっている場合は、冊子体61は閉じた状態であると認識し、頁情報計算装置は頁情報を作成しない。また、上から3つの磁性体が全て繋がっておらず、4つ目以降が全て繋がっている場合は、3頁が開かれていると認識し、『3』という頁情報を作成し、音計算手段58へと頁情報を伝える。
【0069】
なお、本実施の形態では磁性体62は小口63側に設けられているが、これに限定するわけではなく、磁性体同士が重ならなければ、任意の場所に設ける事が可能である。しかし、支持台紙側アンテナ20と重なる場所に設けてしまうと小片側アンテナ20との通信に支障が出てしまうため支持台紙側アンテナ20とは重ならない場所に設ける必要がある。更に、頁情報計算装置により近くなる位置に設けたほうが磁性体支持台紙60に設けられるケーブルを短くする事が可能になるため好ましいがこれ院限定するわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本願発明における音が出る本の正面図である。
【図2】図1における音が出る本の支持台紙9の拡大概念図である。
【図3】図1の音が出る本の小片が有している小片側アンテナと小片側アンテナ識別情報記憶手段の拡大正面図である。
【図4】図1の音が出る本の任意の頁を開いた状態を示した概念図である。
【図5】図1の音が出る本の絵柄部分を拡大した拡大正面図である。
【図6】図1の音が出る本の構成を示すブロック図である。
【図7】本願発明の音が出る本における頁情報作成手段の別の実施の形態を示す正面図である。図7(a)は本願発明の音がでる本の別の実施の本部分のみを形態を示す正面図である。図7(b)は(a)の冊子体と磁性体支持台紙のみの拡大正面図である。
【符号の説明】
【0071】
1…音が出る本、2…小片、3…本部分、4…小片A、5…小片B、6…本体台紙、7…冊子体、8…厚紙台紙、9…支持台紙、10…音発生手段、11…表表紙、12…本文、13…裏表紙、14…冊子体7の小口、15…音発生装置10の縦方向の長さ、16…冊子体の縦方向の長さ、17…音発生装置10の高さ、18…冊子体7と厚紙台紙8と支持台紙9とをあわせた高さ、19…小片側アンテナ、20…支持台紙側アンテナ、21…下支持台紙、22…上支持台紙、23…支持台紙側アンテナを収納可能な貫通孔、24…支持台紙アンテナ用の基盤、25…ケーブル、26…ケーブル用貫通孔、30…小片側アンテナ用の基盤、31…小片側アンテナ識別情報記憶手段、35…凸部、36…上面、37…溝、38…矢印部、39…矢印部38の中央、40…絵柄、41…音再生手段、42…小孔、45…絵柄40の中央、46…支持台紙側アンテナ20の中央、47…支持台紙側アンテナ20の通信可能な範囲、48…支持台紙側アンテナ20の通信距離、49…絵柄40の縦方向の長さ、50…絵柄40の横方向の長さ、51…支持台紙側アンテナ20の中央46から隣接する支持台紙側アンテナ20の中央46までの距離、55…支持台紙側アンテナ識別情報作成手段、56…音記憶手段、57…頁情報作成手段、58…音計算手段、60…磁性体支持台紙、61…冊子体、62…磁性体、63…冊子体の小口、64…表表紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小片側アンテナ識別情報を記憶する小片側アンテナ識別情報記憶手段と、前記小片側アンテナ識別情報記憶手段に設けられた小片側アンテナと、を有する小片と、
前記小片側アンテナと通信して前記小片側アンテナ識別情報を受信する支持台紙側アンテナと、
前記支持台紙側アンテナが少なくとも2つ設けられた支持台紙と、
前記支持台紙に設けられた冊子体と、
冊子体の開かれている頁の頁情報を作成する頁情報作成手段と、
音を記憶する音記憶手段と、
前記音記憶手段に記憶されている音を再生する音再生手段と、
前記小片側アンテナと通信した前記支持台紙側アンテナを識別して、支持台紙側アンテナ識別情報を作成する支持台紙側アンテナ識別情報作成手段と、
前記支持台紙側アンテナ識別情報、前記小片側アンテナ識別情報、及び、前記頁情報計算手段が認識した頁情報に基づき、前記音記憶手段から音を選択し、前記音再生手段で再生する音計算手段と、
を有することを特徴とする音が出る本。
【請求項2】
隣接する前記支持台紙側アンテナの間の距離は冊子体の厚みの2倍以上である事を特徴とする請求項1記載の音が出る本。
【請求項3】
前記音記憶手段に記憶されている音は、音声であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音が出る本。
【請求項4】
前記小片が少なくとも2つあることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一つに記載の音が出る本。
【請求項5】
前記小片は、前記音記憶手段が記憶する音と対応した形状を有している事を特徴とする請求項1乃至請求項4何れか一つに記載の音が出る本。
【請求項6】
前記小片側アンテナは、小片が前記冊子体と接触する面の近傍に設けられている事を特徴とする請求項1又は請求項5何れか一つに記載の音が出る本。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−212311(P2006−212311A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30175(P2005−30175)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】