説明

音声再生装置及びその制御方法

【課題】 平面型テレビジョン受像機の前面に配置されたメインスピーカと、背面に配置されたサブスピーカを搭載した音声再生システムにおいて、設置する際の壁面との距離や、壁面の音響反射特性が変化しても、反射音の影響による干渉や特性変動の少ない音声再生を可能にする。
【解決手段】 サブスピーカが出力した音声と、その反射音を電気信号に変換するマイクを有し、
サブスピーカに供給される音声信号と、マイクが出力する電気信号を比較し、音響反射特性を分析する分析部を有し、
分析結果に応じて、サブスピーカおよびメインスピーカに供給される音声信号の位相を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射音の音響特性を分析することにより、複数のスピーカの出力特性を制御する音声再生装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、低音再生用スピーカから出力される音は比較的指向性がないことを利用し、低音再生用のスピーカを側面に配置し、高音再生用のスピーカを正面に配置したスピーカ装置が知られている。このような配置とすることにより、良好な低音再生を実現し、かつ横幅を抑えたテレビジョン受像機用スピーカ装置が実現できる(特許文献1参照)。
【0003】
また、測定音場に再生された測定信号を複数の指向軸を有する指向性マイクで収音し、方向毎に分析する音場測定装置が知られている。これにより、部屋の反射音成分を分析して、音場の空間性に関する拡がり感や残響感、音像の定位感などが評価できる(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平06−105257号公報
【特許文献2】特開2007−225482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のテレビジョン用受像機スピーカにおいては、スピーカユニットがテレビジョン用受像機の背面には配置されていないので、壁からの反射音を利用した音響システムとはならない。
【0005】
特許文献2の音場測定装置においては、マイクに複数の指向軸をもたせるためマイクの構成が複雑となる。また、マイクを聴取位置に配置して測定する必要があるため配線が長くなるとともに、装置全体が大型化して、取り扱いが煩雑になるという課題がある。マイクをリモコンなどの聴取位置にあるものに搭載することも可能であるが、この場合にはリモコン内にマイク増幅器やAD変換機が配置されるとともに、測定した多量のデータを送信する必要があり、リモコンの回路規模が大幅に増大する。また、リモコンがテーブルなどの平面に置かれると、マイクの特性に影響を与えるため、正確な測定が困難であるという課題がある。
【0006】
本発明は、背面にスピーカを配置して壁からの反射音を利用した音響システムであって、コンパクトな構成で反射音の音響特性を分析可能とした音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の音声再生装置は、
第1のスピーカと、前記第1のスピーカとは異なる位置に配置された第2のスピーカとを有する音声再生装置であって、
前記第2のスピーカから出力される音声を入力して電気信号に変換するマイクと、
前記第2のスピーカに供給される第2の音声信号と前記マイクが出力する電気信号とから前記第2のスピーカから出力される音声の反射音の反射時間を検出する分析部と、
前記反射時間に基いて、前記第1のスピーカに供給される第1の音声信号及び前記第2の音声信号のうち少なくとも何れかの音声信号の位相を補正する位相補正部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の音声再生装置を搭載した平面型テレビジョン受像機が壁の前に設置された場合、壁面との距離や、壁面の音響反射特性が変化しても、反射音の影響による干渉や特性変動の少ない良好な音声再生が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の音声再生装置のブロック図である。
【0011】
入力部16に入力された入力音声信号は、高域濾波部12と低域濾波部13にそれぞれ入力される。
【0012】
制御部9の制御に基づいて、入力音声信号の、高域濾波部12は高域を、
低域濾波部13は低域をそれぞれフィルタリングして出力する。
【0013】
位相補正部11は、制御部9の制御に基づいて、高域濾波部12の出力の位相を補正する。位相補正部11は低域濾波部13の出力の位相を補正する構成としても良し、両方の出力の位相を補正してもよい。
【0014】
第1の音量調整部7は、制御部9の制御に基づいて、位相補正部11の出力振幅を調整する。
【0015】
第2の音量調整部8は、制御部9の制御に基づいて、低域濾波部13の出力振幅を調整する。
【0016】
第1の増幅部4は、第1の音量調整部7の出力を、メインスピーカ1(第1のスピーカに相当)が駆動できる出力レベルに増幅する。
【0017】
第2の増幅部5は、第2の音量調整部8の出力を、サブスピーカ2(第2のスピーカに相当)が駆動できる出力レベルに増幅する。
【0018】
第3の増幅部6は、マイク3の出力を、分析部10が分析できる出力レベルに増幅する。
【0019】
メインスピーカ1は、第1の増幅部4の出力である高域音声信号(第1の音声信号に相当)を可聴音に変換する。
【0020】
サブスピーカ2は、第2の増幅部5の出力である低域音声信号(第2の音声信号に相当)を可聴音に変換する。
【0021】
マイク3は、サブスピーカ2が出力する音声、およびその反射音を入力して、電気信号に変換する。
【0022】
分析部10は、第3の増幅部6の出力と、第2の増幅部5の出力を比較し、サブスピーカの位置からサブスピーカの出力音声を反射する物体までの距離や音響反射特性を分析する。
【0023】
制御部9は、分析部10の分析結果に応じて、メインスピーカ1及びサブスピーカ2が出力する音声の周波数特性、位相特性、振幅特性を調節する。
【0024】
以下、図2に示す本発明の音声再生装置の処理フロー図を用いて、音声再生装置の動作について詳細に説明する。
【0025】
電源投入により処理が開始されると、第2の音量調整部8の出力調整値が特定の値に設定される(S1)。その結果、入力信号のうち低域濾波された信号が第2の増幅部5により増幅され、サブスピーカ2から出力される。
【0026】
サブスピーカ2から出力された低域音声は、周囲に反射して反射音となる。マイク3により電気信号に変換された反射音は、分析部10により第2の増幅部5が出力する低域濾波信号と比較されて反射時間が算出される(S2)。
【0027】
制御部は、反射時間に基いて、聴取者に直接到達するメインスピーカ1の出力信号と、反射音となって到達するサブスピーカ2の出力信号が、位相差によって干渉しないよう、位相補正部11の特性を設定する(S3)。
【0028】
さらに分析部10は、マイク3の出力信号と、第2の増幅部5が出力する低域濾波信号とを比較して、反射音の音圧レベルと振幅周波数特性を分析する(S4)。
【0029】
制御部9は、音圧レベルと振幅周波数特性に応じて、反射音の音圧レベルが高いもしくは低域成分が多い場合には、低音過多となることを防ぐために、第2の音量調整部8の設定音量を小さくする(S5)。さらに、反射音に特定周波数成分が多い場合には、その周波数が過多となることを防ぐために、高域濾波部12と低域濾波部13のカットオフ周波数を調整する(S6)。以上の処理により、メインスピーカ1とサブスピーカ2の出力特性が適正に調整される。
【0030】
図3は、本発明の音声再生装置を、テレビジョン受像機に適用した場合の構成図である。サブスピーカ2が出力する信号の反射音を、効率良く電気信号に変換するために、マイク3をサブスピーカ2の近傍に配置している。
【0031】
図2のフローチャートを再度参照して、テレビジョン受像機の動作を説明する。平面型テレビジョン受像機が背面に壁がある状態で設置され、メインスピーカ1は、平面型テレビジョン受像機の前面側に、サブスピーカ2は背面側に配置される。
【0032】
信号出力処理(S1)により、サブスピーカ2から出力された音声は、テレビジョン受信機後部の背面にある壁面を反射し反射音となり、マイク3へ入力する。反射音は、反射時間分析処理(S2)により、壁面との距離によって変化する反射音到達経路25の長さが算出される。制御部9には反射音到達経路25の長さに応じて、直接到達経路26と反射到達経路27の経路長の差を算出するための経路長差テーブルが記憶されている。
【0033】
経路長差テーブルを用いて、聴取者へ直接到達するメインスピーカ1の出力音声と、反射して到達するサブスピーカ2の出力音声が、経路長の差に起因する位相差による干渉を起こさないよう、出力音声の位相が調整される(S3)。
【0034】
具体的には、図4(A)に示したように、直接到達経路26と反射到達経路27とで、音声が打ち消されるように干渉する場合には、図4(B)に示すように、互いに同位相となるようメインスピーカ1の出力音声の位相が補正される。
【0035】
次に反射周波数特性分析処理(S4)により、壁面の音響反射率、反射周波数特性、およびサブスピーカ2と壁面の距離と空間波長の関係により変化する反射音の音圧レベルと周波数特性が分析される。
【0036】
図5は、反射周波数特性分析処理(S4)の分析結果に応じて、音量調整制御処理(S5)および濾波特性制御処理(S6)によって設定される音声の再生特性例である。
【0037】
図5(a)のように、音声の反射レベルがほとんど周波数に依存しない場合は、サブスピーカとメインスピーカの信号レベルを等しくし、クロスオーバーレベルは中間値に設定される。
【0038】
図5(b)のように、反射音の低域成分が多い場合、又は音圧レベルが高い場合には、低音過多とならないように、第2の音量調整部8は、低域音声信号の信号レベルが小さくなるように入力信号を変調する。図5(c)のように、反射音に特定周波数成分が多い場合には、その周波数の音声が過多とならないように、制御部9は、高域濾波部12と低域濾波部13のカットオフ周波数を調整する。その結果、高域音声信号及び低域音声信号の周波数特性のクロスオーバーレベルが低レベル側に変調される。
【0039】
以上はステレオ構成のうち、右側のチャンネルのみの処理である。左側のチャンネルについては、第2のメインスピーカ17、第2のサブスピーカ22、第2のマイク28により、右側のチャンネルとは独立して同様の処理がなされる。左右のチャンネルについて独立して処理されるため、図6に示すように、テレビジョン受像機を壁面とが並行ではない状態で配置した場合であっても、本発明は容易に適用可能である。
【0040】
また、左右のチャンネルにおける反射音マイク到達経路25の長さの違いから、壁面との角度を算出することにより、より高精度な補正をすることも可能である。
【実施例2】
【0041】
以下、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
【0042】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【0043】
測定に使用する基準信号を出力する基準信号発生部14と、制御部9の制御に基づいて、低域濾波部13と基準信号発生部14のいずれかの出力を選択して低域音声信号を出力する選択部15を有することを特徴とする。選択部15に係わる動作以外の動作については、実施例1と同様である。
【0044】
電源投入により、制御部9は、基準信号発生部14の出力を選択するよう選択部15を制御する。その後、基準信号を用いて、図2のフローチャートに従った補正処理が、実施例1と同様に行われる。補正処理が終了した後、制御部9は、基準信号から低域濾波部13の出力信号に切り換えるように選択部15を制御する。
【0045】
基準信号は、時間的に一定振幅の信号レベルで、信号レベルの周波数依存性のない信号や信号レベルが周波数に比例する信号を用いることができる。
【0046】
本実施例では、信号レベルの安定した基準信号を用いて補正処理が行われるので、さらに精度の高い補正が可能となる。
【実施例3】
【0047】
以下、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
【0048】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【0049】
図9は、第3の実施形態における音声再生装置をテレビジョン受像機に適用した場合の構成図である。
【0050】
ステレオ信号の左右チャンネルに対応して、第1の入力部16と第2の入力部22を有する、2.1チャンネルの構成である。サブスピーカ2は両チャンネル入力の低域を再生するサブウーハとし、第1のメインスピーカ1は右チャンネル入力の高域を、第2のメインスピーカ17は左チャンネル入力の高域を再生する。
【0051】
選択部15により基準信号出力が選択されると、第2の実施例同様に、信号出力処理(S1)、反射時間分析処理(S2)されて、反射音マイク到達経路25の長さが認識されたのち、制御部9により、直接到達経路26と反射到達経路27が算出される。この算出結果に応じて位相制御処理(S3)されたのち、反射周波数特性分析処理(S4)、音量調整制御処理(S5)、濾波特性制御処理(S6)される。
【0052】
第1の入力部16および第2の入力部22から入力された音声信号は、低域濾波部13によりモノラルの低域信号に変換される。低域濾波信号出力処理(S7)により、左右の低域信号がサブスピーカ2から出力される。音の方向感覚は低域であるほど鈍感であるため、モノラルによる再生でも聴感上のステレオの分離には影響が少なく再生される。
【0053】
また、サブスピーカ2およびマイク3をそれぞれひとつづつで構成できるとともに、一連の処理を一度行うことにより反射音の影響による干渉や特性変動の少ないステレオ音声再生が可能となる。
【実施例4】
【0054】
以下、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
【0055】
図10は、本発明の第4の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【0056】
図11は、第4の実施形態における音声再生装置をテレビジョン受像機に適用した場合の構成図である。
【0057】
第1のサブスピーカ2とは異なる位置に第2のサブスピーカ22が配置されている。制御部9の制御に基づいて、第1のサブスピーカ2と第2のサブスピーカ22のいずれかを選択して第2の増幅部5の出力を供給する第2の選択部23を有することを特徴とする。
【0058】
第1の選択部15により基準信号出力が選択されると、第2の実施例同様に、図2で示したフローチャートに従って動作する。反射時間分析処理(S2)の結果、反射時間が一定時間以内であるか、反射周波数特性分析処理(S4)の結果、反射レベルが一定の範囲以外であることを検出すると、制御部9はテレビジョン受像機が壁掛け状態で使用されていると判断する。このとき、第2の選択部23は、第2のサブスピーカ22を選択する。さらに、位相補正部11の特性、第2の音量調整部8の音量、高域濾波部12と低域濾波部13のカットオフ周波数が、第2のサブスピーカ22の特性に適した設定に切り換えられる。
【0059】
このとき、音の方向感覚は低域であるほど鈍感であるため、モノラルによる再生でも聴感上のステレオの分離には影響が少なく再生される。
【0060】
以上の処理により、テレビジョン受像機が壁掛け状態で使用された場合であっても、第2のサブスピーカ22の出力により適切に音声信号補正される。壁面とサブスピーカ2の間にある程度の間隔がある状態で使用された場合には、その距離や、壁面の音響反射特性が変化しても、反射音の影響による干渉や特性変動の少ない音声再生が可能となる。
【実施例5】
【0061】
以下、本発明に係る第5の実施形態について説明する。
【0062】
図12は、本発明の第5の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【0063】
図13は、第5の実施形態における音声再生装置をテレビジョン受像機に適用した場合の構成図である。
【0064】
実施例4と同様に、
第1のサブスピーカ2とは異なる位置に、第2のサブスピーカ22が配置されている。選択部23に変えて、第2の増幅部5の出力バランスを調整するバランス調整部24を有することを特徴とする。
【0065】
実施例4と同様、図2のフローチャートに従って、補正処理が行われる。
【0066】
反射時間分析処理(S2)の結果、反射時間が長いほど又は、反射周波数特性分析処理(S4)の結果、反射レベルが低いほど、制御部9は壁面の反射を利用した再生が困難であるか、又は壁面がないと判断する。このとき、第2のサブスピーカ22の再生レベルを上げる。音の方向感覚は低域であるほど鈍感であるため、モノラルによる再生でも聴感上のステレオの分離には影響が少なく再生される。
【0067】
また、第2のサブスピーカ22の再生レベルに応じて、位相補正部11の特性、第2の音量調整部8の設定音量、高域濾波部12と低域濾波部13のカットオフ周波数を調整してもよい。
【0068】
以上の処理により、テレビジョン受像機が、サブスピーカ2による壁面の反射を利用した再生が困難な状態で使用された場合であっても、第2のサブスピーカ22の出力により補正される。サブスピーカ2の背後にある程度の反射特性の壁面がある状態で使用された場合にはその距離や、壁面の音響反射特性が変化しても、反射音の影響による干渉や特性変動の少ない音声再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置の処理フロー図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置を搭載したテレビジョン受像機の模式図である。
【図4】本発明の出力音声の位相を説明するための説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る音声再生装置の再生特性例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る音声再生装置を搭載したテレビジョン受像機を壁面と並行ではない状態で配置した場合の模式図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置を搭載したテレビジョン受像機の模式図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る音声再生装置を搭載したテレビジョン受像機の模式図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る音声再生装置のブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る音声再生装置を搭載したテレビジョン受像機の模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1 メインスピーカ
2 サブスピーカ
3 マイク
4 第1の増幅部
5 第2の増幅部
6 第3の増幅部
7 第1の音量調整部
8 第2の音量調整部
9 制御部
10 分析部
11 位相補正部
12 高域濾波部
13 低域濾波部
14 基準信号発生部
15 選択部
16 入力部
17 第2のメインスピーカ
18 第4の増幅部
19 第3の音量調整部
20 第2の高域濾波部
21 第2の入力部
22 第2のサブスピーカ
23 第2の選択部
24 バランス調整部
25 反射音マイク到達経路
26 直接到達経路
27 反射到達経路
28 第2のマイク
S1 信号出力処理
S2 反射時間分析処理
S3 位相制御処理
S4 反射周波数特性分析処理
S5 音量調整制御処理
S6 濾波特性制御処理
S7 低域濾波信号出力処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスピーカと、前記第1のスピーカとは異なる位置に配置された第2のスピーカとを有する音声再生装置であって、
前記第2のスピーカから出力される音声を入力して電気信号に変換するマイクと、
前記第2のスピーカに供給される第2の音声信号と前記マイクが出力する電気信号とから前記第2のスピーカから出力される音声の反射音の反射時間を検出する分析部と、
前記反射時間に基いて、前記第1のスピーカに供給される第1の音声信号及び前記第2の音声信号のうち少なくとも何れかの音声信号の位相を補正する位相補正部とを有することを特徴とする音声再生装置。
【請求項2】
前記音声再生装置は、背面に壁面が位置するように設置されたときに、前記第1のスピーカは前面側に配置され、前記第2のスピーカは背面側に配置され、前記反射音は、前記第2のスピーカから出力されて前記壁面で反射された音声であることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記位相補正部は、前記第1のスピーカから出力される音声と、前記第2のスピーカから出力され前記壁面で反射された音声とが同位相となるように、前記第1のスピーカに供給される音声信号の位相を補正することを特徴とする請求項2記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記第1の音声信号の信号レベルを変調する第1の音量調整部と、前記第2の音声信号の信号レベルを変調する第2の音量調整部とをさらに有し、
前記分析部は、前記反射音の周波数特性を検出し、
前記第1の音量調整部及び前記第2の音量調整部の少なくとも何れかは、前記反射音の周波数特性に基いて、前記第1の音声信号の信号レベル及び前記第2の音声信号の信号レベルのうち少なくとも何れかを変調することを特徴とする請求項1又は2記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記第1の音声信号は入力音声信号の高域濾波部を通した音声信号であり、前記第2の音声信号は前記入力音声信号の低域濾波部を通した音声信号であることを特徴とする請求項1又は2記載の音声再生装置。
【請求項6】
前記反射音の周波数特性に基いて、前記第1の音声信号及び前記第2の音声信号の周波数特性のクロスオーバーレベルを変調するように、前記高域濾波部及び前記低域濾波部を制御する制御部をさらに有することを特徴とする請求項5記載の音声再生装置。
【請求項7】
一定振幅の基準信号を発生する基準信号発生部と、
前記基準信号と前記低域濾波部を通した音声信号とを選択して、前記第2の音声信号を出力する選択部とをさらに有することを特徴とする請求項5記載の音声再生装置。
【請求項8】
第1のスピーカと、前記第1のスピーカとは異なる位置に配置された第2のスピーカとを有する音声再生装置の制御方法であって、
前記第2のスピーカから出力される音声を入力して電気信号に変換するステップと、
前記第2のスピーカに供給される第2の音声信号と前記電気信号とから前記第2のスピーカから出力される音声の反射音の位相差を検出するステップと、
前記位相差に基いて、前記第1のスピーカに供給される第1の音声信号及び前記第2の音声信号のうち少なくとも何れかの音声信号の位相を補正するステップとを有することを特徴とする音声再生装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−188474(P2009−188474A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23471(P2008−23471)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】