説明

音響表面波でもって動作する電子的なモジュール

本発明は、音響表面波でもって動作する電子的なモジュールに関する。このモジュールには非対称的な入力側と、有利には対称的な出力側と、少なくとも1つの終端トランスデューサおよび少なくとも1つの結合トランスデューサを有するDMS(DMS=ダブルモードSAW)トラックと、少なくとも2つの直列トランスデューサを有する2ポート共振器とが設けられている。DMSトラックの結合トランスデューサは2ポート共振器のトランスデューサのうちの1つとそれぞれ直列に接続されている。本発明のようにトラックを相互接続して使用することにより、バンドパスフィルタの阻止領域における高い抑制での僅かな挿入減衰を達成すること、モジュール構造のために必要とされる面積を僅かに保つこと、また場合によっては同時にフィルタにおけるバランの機能を実現することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響表面波でもって動作するモジュール、殊に共振器が埋め込まれているネットワーク構造を有するフィルタに関する。
【0002】
移動通信の端末装置のフロントエンド、例えば移動電話においては、HF領域におけるバンドパスフィルタとして今日では主にSAWフィルタ(SAW=音響表面波)が使用されている。これらは実質的にリアクタンスフィルタまたはDMS(DMS=ダブルモードSAW)フィルタとして構成されている。
【0003】
移動通信の端末装置に使用できるフィルタは、有効信号の挿入減衰が可能な限り僅かであるべきとされる。現在の変調方法の使用は送信経路ないし受信経路において用いられているフィルタに、従来のSAWフィルタに比べて高い選択性ないし逆の帯域の抑制を要求する。
【0004】
例えばリアクタンス素子、殊にSAW技術でもって実施されている1ポート共振器を備えたDMSフィルタの相互接続が公知であり、このような相互接続は挿入減衰が僅かであるという点で優れている。つまり、例えばDE198 18 038 Aから、直列または並列に相互接続されている2つのDMSフィルタが入力側または出力側においてリアクタンス素子と直列に相互接続されているDMSフィルタが公知である。
【0005】
刊行物DE100 07 178 A1から、音響的に結合されている2つの直列トランスデューサを備えた2ポート共振器が接続されているDMSフィルタが公知であり、この刊行物においては直列トランスデューサがそれぞれDMSフィルタのトランスデューサのうちの1つと直列に接続されている。ここでは回路の複数の直列分岐が、対称的に構成されている入力側と対称的に構成されている出力側との間において相互接続されている。
【0006】
本発明の課題は、対称的なポートと非対称的なポートと僅かな挿入減衰とを有する、音響表面波でもって動作するモジュールを提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば請求項1記載のモジュールでもって解決される。本発明の有利な実施形態は従属請求項から得られる。
【0008】
本発明は、圧電性の基板およびこの基板上に配置されているモジュール構造を有する、音響表面波でもって動作するモジュールを提供する。モジュールは非対称な第1の電気的なポート(有利には入力ポート)と第2の電気的なポート(有利には出力ポート)を備えた信号線路を有する。本発明によるモジュールは第1の部分フィルタおよび第2の部分フィルタを包含し、これらの部分フィルタは第1の電気的なポートと第2の電気的なポートとの間において相前後して相互に接続されている。第2のポートは有利には対称的であり(バランスが取れており)、すなわち2つの信号供給端子でもって構成されている。第2の電気的なポートが非対称的(バランスがとれていない、シングルエンド)に構成されていることも可能である。
【0009】
第1の部分フィルタは、音響的なトラックに配置されており、かつ信号線路において相前後してまたは相互に並列に接続されている、すなわち信号線路においてそれぞれ直列に接続されている、第1の直列トランスデューサおよび第2の直列トランスデューサを包含し、この際第1の直列トランスデューサおよび第2の直列トランスデューサは音響的に結合されている。
【0010】
第2の部分フィルタはDMSトラックを包含し、このDMSトラックは第1の結合トランスデューサおよび信号線路における終端トランスデューサを有する。本発明の有利な変形形態においては、DMSトラックが付加的に第2の結合トランスデューサを有する。
【0011】
本発明の有利な変形形態においては、各トラックは両側が反射器によって挟まれている。
【0012】
DMSトラックの第1の結合トランスデューサおよび/または第2の結合トランスデューサは本発明の有利な実施形態においては、(それぞれが)直列トランスデューサのうちの少なくとも1つと直列に接続されている。第2の電気的なポートは有利にはDMSトラックの終端トランスデューサに接続されている。
【0013】
本発明の有利な変形形態においては、第1、第2および第3の音響的なトラックが設けられている。第1の音響的なトラックは少なくとも1つのトランスデューサ(並列トランスデューサ)または相互に音響的に結合されている複数の並列トランスデューサを包含する。第2の音響的なトラックは第1の直列トランスデューサおよび第2の直列トランスデューサを有し、これらの直列トランスデューサは相互に音響的に結合されている。第3の音響的なトラックはDMSトラックとして構成されており、また殊に少なくとも2つの結合トランスデューサと、これらの結合トランスデューサの間に配置されている少なくとも1つの終端トランスデューサとを有する。この場合、直列トランスデューサないし1つまたは複数の並列トランスデューサがラダー型装置において接続されている。このラダー型装置においては直列トランスデューサが(それぞれ)ラダー型装置の直列共振器を形成し、1つまたは複数の並列トランスデューサがそれぞれラダー型装置の並列共振器を形成する、すなわち信号線路に並列に基準電位(有利にはアース)に接続されている。第1の電気的なポート(入力ポート)の信号供給端子は第2の音響的なトラックに接続されている。第2の音響的なポート(出力ポート)はDMSトラックの終端トランスデューサに接続されている。本発明の全ての実施形態においては、2つの電気的なポートの入力側および出力側へのそれぞれの対応付けを交換することも可能である。
【0014】
本発明の別の実施形態においては、DMSトラックの終端トランスデューサは相互に電気的に接続されている少なくとも2つの部分トランスデューサを有し、これらの部分トランスデューサは第2の電気的なポートの端子の間において直列に接続されている。
【0015】
有利な実施形態においては、DMSトラックはさらなる結合トランスデューサおよび/または終端トランスデューサを有し、結合トランスデューサおよび終端トランスデューサは相互に音響的に結合されており、且つ少なくとも部分的に交互に配置されている。
【0016】
本発明によるモジュールは、2つのDMSトラックを備えた慣例のDMSフィルタに比べて挿入減衰が少ないという点で優れている。本発明は、1つのDMSトラックと接続されている殊に面積が節約されたラダー型構造を提供し、伝達関数の殊に急峻な傾斜、したがって高い選択性を有する。さらには、同等の寸法設計のトランスデューサを備えた公知の電気音響的なモジュールの場合よりも高いないし十分なミラー周波数抑制が達成される。
【0017】
以下では本発明を実施例および付属の図面に基づき詳細に説明する。ここで図面は単に説明のために使用されるものであり、また縮尺通りに示されていない。同一の素子または同様に作用する素子は同一の参照番号でもって表されている。
【0018】
図1は概略的に表された本発明によるモジュールを示し(図1a)、また相応の等価回路図として表された本発明によるモジュールを示し(図1b)、
図1cから図7は出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態を示し、
図8から図11は入力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態を示す。
【0019】
図1は本発明によるモジュールの原理的な構造を示す。モジュールは第1の音響的なトラックS1、第2の音響的なトラックS2およびDMSトラックS3を有し、これらのトラックは相互に電気的に接続されている。第1の音響的なトラックおよび第2の音響的なトラックは第1の部分フィルタを形成し、この第3の音響的なトラックは第2の部分フィルタを形成する。
【0020】
第1のトラックS1は並列トランスデューサW1を有し、この並列トランスデューサW1は反射器R11とR12との間に配置されている。第2の音響的なトラックS2は第1の直列トランスデューサW21と、この第1の直列トランスデューサW21と音響的に結合されている第2の直列トランスデューサW22とを包含し、これらのトランスデューサはトラックのそれぞれの端部である両側が反射器R21およびR22によって挟まれている。第1の直列トランスデューサW21は入力ポートの信号供給端子P1に接続されている。直列トランスデューサW21およびW22はそれぞれ、ラダー型装置の第1の基本素子および第2の基本素子の直列分岐に配置されている、ないし並列トランスデューサW1はラダー型装置の並列分岐に接続されている。トランスデューサW21、W22およびW1はこの実施例において、それ自体公知のラダー型装置のT素子を形成する。そのようにして形成されたラダー型構造はさらにDMSトラックS3の結合トランスデューサAW31、AW32と電気的に接続されている。DMSトラックの結合トランスデューサAW31、AW32は終端トランスデューサMW3と音響的に結合されている。終端トランスデューサMW3は出力ポートの端子P21、P22と接続されている。出力ポートはここでは対称的で電気的なポートとして実施されている。DMSトラックは両側が反射器R31、R32によって挟まれている。
【0021】
第1の音響的なトラックS1に、(それぞれが)ラダー型装置の並列分岐に配置されており、有利には音響的に相互に結合されている別の並列トランスデューサW1を設けることが可能である。また第2の音響的なトラックS2が、相互に音響的に結合されており、且つ(それぞれが)信号線路の直列分岐、例えばそれぞれがラダー型装置の異なる基本素子の直列分岐に配置されている2つ以上の直列トランスデューサを有することも可能である。前述の直列トランスデューサが(それぞれ)DMSトラックの結合トランスデューサAW31、AW32と電気的に直列に接続されていることも可能である。
【0022】
さらに本発明によれば、別のDMSトラックをDMSトラックS3とカスケード接続することが可能である。また入力側には、音響的に相互に結合されていて両側が反射器によって挟まれている直列トランスデューサを備えた、信号線路において直列に接続されている別の音響的なトラックを配置することも可能である。
【0023】
図1bには図1aによる構成素子に対応する等価回路図が示されている。
【0024】
図1cにおいては直列トランスデューサW21ないしW22が、入力ポートとDMSトラックの結合トランスデューサAW31、AW32との間の直列回路を形成する。第1の直列トランスデューサW21は入力ポートに接続されている。第1の直列トランスデューサW21と音響的に結合されている第2の直列共振器は一方では第1の直列トランスデューサW21に接続されており、他方ではDMSトラックの結合トランスデューサAW31、AW32に接続されている。
【0025】
図2は本発明の別な有利な実施例を示す。ここでは入力ポートが並列トランスデューサW1に接続されている。ここで並列トランスデューサW1に並列に、一方では第2の直列トランスデューサW22とDMSトラックの結合トランスデューサAW31の直列回路が接続されており、他方では第1の直列トランスデューサW21とDMSトラックの第2の結合トランスデューサAW32の直列回路が接続されている。
【0026】
図3には本発明によるモジュールの別の変形形態が示されている。第2の音響的なトラックは第1の直列トランスデューサW21、第2の直列トランスデューサW22および第3の直列トランスデューサW23を有する。第2の音響的なトラックの第1の直列トランスデューサW21はDMSトラックの第1の結合トランスデューサAW31と電気的に接続されている。第2の音響的なトラックの第3の直列トランスデューサW23はDMSトラックの結合トランスデューサAW32と電気的に接続されている。入力ポートの信号供給端子P1は第2の音響的なトラックの第2の直列トランスデューサW22に接続されている。第2の直列トランスデューサW22に直列に、第1の直列トランスデューサW21および第3の直列トランスデューサW23が接続されており、この際後者の2つの直列トランスデューサは相互に並列に接続されている。
【0027】
図4は、信号供給端子P2を備えた非対称な電気的なポートとして実施されている出力ポートを有する、本発明によるモジュールの変形形態を示す。
【0028】
入力ポートの信号供給端子P1を図5に示されているように、第2の音響的なトラックの直列トランスデューサW21とW23との間に配置されている反射器R23に接続することができる。反射器は殊に、この反射器を挟んでいる直列トランスデューサの間の音響的な結合の調節を可能にする。
【0029】
図6に示されている本発明によるモジュールにおいては、終端トランスデューサMW3の代わりに部分トランスデューサMW31ないしMW32が使用されている。部分トランスデューサMW31およびMW32は出力ポートの端子P21とP22との間において、信号が端子P21ないしP22において電気的に逆位相であるように直列に接続されている。部分トランスデューサMW31およびMW32の直列回路は分割されたトランスデューサに相当し、この変形形態においてはトランスデューサが分割されていない場合に比べて、電極指の数が同じであればおよそファクタ4高まったトランスデューサインピーダンスを達成することに成功する。
【0030】
変形形態においては、第1(または第2)の音響的なトラックにおいて並んで設けられているトランスデューサの間に反射器が配置されている。音響的に結合されているトランスデューサの間に配置されている反射器によって、例えば音響的な結合を変化させることが達成される。図7では、第2の音響的なトラックにおいて反射器R24が直列トランスデューサW21とW22との間に配置されている、ないしは反射器R25が直列トランスデューサW22とW23との間に配置されている。反射器はそれぞれを相互に接続する金属ストリップを有することができる。金属ストリップがそれぞれの反射器を相互に接続していないことも可能である。
【0031】
図8においては、第2の部分フィルタ(DMSトラック)が第1のポート(入力ポート)側に配置されている。DMSトラックの終端トランスデューサMW3は信号線路と直列に接続されており、また結合トランスデューサAW31、AW32と音響的に結合されている。DMSトラックの終端トランスデューサMW3と、トランスデューサW1および反射器R11、R12を包含する直列共振器とは第1のポートの信号供給端子P1と基準電位(アース)との間に直列に接続されている。第1の結合トランスデューサAW31は第1の信号供給端子P21と基準電位(アース)との間において第1の直列トランスデューサW21と直列に接続されており、第2の結合トランスデューサAW32は第2の信号供給端子P22と基準電位(アース)との間において第2の直列トランスデューサW22と直列に接続されている。第2のポートの第1の端子P21は第1の直列トランスデューサW21に接続されており、また第2のポートの第2の端子P22は第2の直列トランスデューサW22に接続されている。
【0032】
図9に示されている本発明によるモジュールの実施形態においては、第1の直列トランスデューサW21と第2の直列トランスデューサW22との間に、これら2つのトランスデューサ間の音響的な結合を制御するための反射器R23が配置されている。
【0033】
図10に示されている概略的な別の実施例においては、DMSトラックが入力側に配置されている2つの終端トランスデューサMW31およびMW32を有する。終端トランスデューサMW31およびMW32は信号線路の直列分岐に配置されており、且つ相互に並列に接続されている。結合トランスデューサAW31およびAW32はここでは、終端トランスデューサMW31、MW32の間に並んで配置されている。結合トランスデューサAW31、AW32は例えば、電気的に逆位相の信号を供給するように相互に接続されている、トランスデューサの部分トランスデューサとして構成されている。トランスデューサW21、AW31、AW32およびW22は第2のポートの第1の端子P21と第2の端子P22との間に相前後して接続されており、第1の直列トランスデューサW21は第2のポートの第1の端子P21に接続されており、第2の直列トランスデューサW22は第2のポートの第2の端子P22に接続されている。
【0034】
図11は本発明の別の有利な実施例を示す。第1の電気的なポートの信号供給端子P1は終端トランスデューサMW31、MW32に接続されている。終端トランスデューサMW31、MW32は他方では基準電位に接続されている。結合トランスデューサAW31、AW32と直列トランスデューサW21、W22との相互接続は図10の説明に対応する。第2の電気的なポートは、両側が反射器R41、R42によって挟まれている第1のトランスデューサW41および第2のトランスデューサW42を備えた別の音響的なトラックに接続されている。第2のポートの第1の端子P21は第1のトランスデューサW41に接続されており、第2のポートの第2の端子P22は第2のトランスデューサW42に接続されている。第1のトランスデューサW41および第2のトランスデューサW42は相互に音響的に結合されており、且つ直列に接続されている。
【0035】
一方の側(有利には入力側)に非対称的な電気的なポートを備え、それとは反対の側(有利には出力側)に対称的な電気的なポートを備える本発明によるモジュールは、フィルタの機能に加えてバランの機能を充足しているという利点を有する。この解決手段は移動無線装置においては非常に有利である。何故ならば本発明によるモジュールを用いることにより、(大部分は離散的なモジュールとして実施されている)バランを省略することによって、ないしバラン機能を端末装置のレベルにおけるフロントエンドフィルタに集積することによって面積を節約することができ、また損失を僅かなレベルに保つことが達成される。
【0036】
図面は本発明をより良く説明できるようにするために、本発明を概略的に表しているに過ぎない。したがって図面に表されているものは縮尺通りではなく、また外観の幾何学的な構成も単に概略的に表しているに過ぎない。本発明は図面に示した詳細に制限されているものではなく、前述の変形形態ならびに請求項の範囲内で考えられる別の実施形態も包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】概略的に表された本発明によるモジュール。
【図1b】相応の代替回路図として表された本発明によるモジュール。
【図1c】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図2】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図3】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図4】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図5】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図6】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図7】出力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図8】入力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図9】入力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図10】入力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。
【図11】入力側にDMSトラックが配置されている本発明によるモジュールの有利な実施形態。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響表面波でもって動作するモジュールにおいて、
圧電性の基板を包含し、該基板上には、
−信号供給端子(P1)を有する非対称的に構成されている第1の電気的なポートと、第2の電気的なポートとを備えた信号線路が配置されており、
−前記第1のポートと前記第2のポートとの間に直列に接続されている、第1の部分フィルタおよび第2の部分フィルタが配置されており、
−前記第1の部分フィルタは第1の直列トランスデューサ(W21)および第2の直列トランスデューサ(W22)を有し、直列トランスデューサ(W21,W22)は音響的なトラック(S2)に配置されており、
−前記第1の直列トランスデューサ(W21)および前記第2の直列トランスデューサ(W22)は前記信号線路の直列分岐に配置されており、
−前記第1の直列トランスデューサ(W21)および前記第2の直列トランスデューサ(W22)は相互の音響的に結合されており、
−前記第2の部分フィルタはDMSトラック(S3)を包含し、該DMSトラック(S3)は第1の結合トランスデューサ(AW31)と、前記信号線路における終端トランスデューサ(MW3)とを有することを特徴とする、音響表面波でもって動作するモジュール
【請求項2】
前記DMSトラックは第2の結合トランスデューサ(AW32)を有する、請求項1記載のモジュール。
【請求項3】
前記終端トランスデューサ(MW3)は前記結合トランスデューサ(AW31,AW32)の間に配置されている、請求項2記載のモジュール。
【請求項4】
各トラックは両側が反射器によって挟まれている、請求項1から3までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項5】
前記第1の部分フィルタの前記音響的なトラック(S2)には、前記信号線路の直列分岐に配置されており、且つ前記DMSトラックの前記結合トランスデューサ(AW31,AW32)と電気的に直列に接続されている別の直列トランスデューサが設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項6】
前記DMSトラックには別の結合トランスデューサおよび/または別の終端トランスデューサが設けられており、該結合トランスデューサおよび該終端トランスデューサは少なくとも部分的に交互に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項7】
前記直列トランスデューサ(W21,W22)の間にはそれぞれ反射器(R23)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項8】
前記第2のポートは対称的であり、且つ第1の端子(P21)および第2の端子(P22)を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項9】
前記第1の直列トランスデューサ(W21)と前記第2の直列トランスデューサ(W22)との間には反射器(R23)が配置されており、前記第1のポートの前記信号供給端子(P1)は該反射器(R23)に接続されている、請求項7記載のモジュール。
【請求項10】
前記第2のポートも非対称的である、請求項1から7または9のいずれか1項記載のモジュール。
【請求項11】
前記第1の部分フィルタは前記第1のポートと接続されており、
前記第2のポートは前記DMSトラックの前記終端トランスデューサ(MW3)に接続されており、
前記DMSトラックの前記第1の結合トランスデューサ(AW31)および/または前記第2の結合トランスデューサ(AW32)は、前記直列トランスデューサ(W21,W22)のうちの少なくとも1つと直列に接続されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項12】
前記第1の部分フィルタは前記第1のポートと接続されている別の音響的なトラック(
S1)を有し、該別の音響的なトラック(S1)は、信号線路とアースとの間に接続されている並列トランスデューサ(W1)を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項13】
前記第1の部分フィルタには、前記第1のポートと接続されている複数の音響的なトラック(S1)に配置されており、相互に音響的に結合されている複数の並列トランスデューサ(W1)が設けられており、該並列トランスデューサ(W1)はそれぞれ信号線路とアースとの間に接続されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項14】
前記DMSトラックの前記終端トランスデューサ(MW3)は、電気的に相互に接続されている少なくとも2つの部分トランスデューサを有し、該部分トランスデューサは前記第2のポートの端子の間において直列に接続されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項15】
前記第1のポートの信号供給端子(P1)は前記直列トランスデューサ(W21,W22)のうちの少なくとも1つに接続されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項16】
前記第1の部分フィルタは別の音響的なトラックを有し、該音響的なトラックは少なくとも1つの直列トランスデューサを有し、前記第1のポートと接続されており、前記信号線路に配置されている、請求項1から15までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項17】
前記第2の部分フィルタは前記第1のポート側に配置されており、
前記第2のポートの前記第1の端子(P21)は前記第1の直列トランスデューサ(W21)に接続されており、前記第2のポートの前記第2の端子(P22)は前記第2の直列トランスデューサ(W22)に接続されており、
前記DMSトラックの前記終端トランスデューサ(MW3)は前記第2のポート(P1)に接続されている信号線路に配置されており、
前記DMSトラックの前記第1の結合トランスデューサ(AW31)は前記第1の直列トランスデューサ(W21)に直列に接続されており、
前記DMSトラックの前記第2の結合トランスデューサ(AW32)は前記第2の直列トランスデューサ(W22)と直列に接続されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のモジュール。
【請求項18】
前記DMSトラックは少なくとも2つの終端トランスデューサ(MW31,MW32)を有し、前記DMSトラックの前記第1の結合トランスデューサ(AW31)および前記DMSトラックの前記第2の結合トランスデューサ(AW32)は前記終端トランスデューサ(MW31,MW32)の間に配置されており、
前記第1の結合トランスデューサ(AW31)および前記第2の結合トランスデューサ(AW32)は並んで配置されており、且つ相互に直列に接続されている、請求項17記載のモジュール。
【請求項19】
前記第1のポートと前記終端トランスデューサ(MW3,MW31,MW32)との間には直列共振器が接続されており、該直列共振器はトランスデューサ(W1)と、該トランスデューサ(W1)の両側を挟んでいる反射器(R11,R12)とを有する、請求項17または18記載のモジュール。
【請求項20】
前記第2のポートは、両側が反射器(R41、R42)によって挟まれている、第1のトランスデューサ(W41)および第2のトランスデューサ(W42)を備えた別の音響的なトラックに接続されており、前記第2のポートの前記第1の端子(P21)は前記第1のトランスデューサ(W41)に接続されており、前記第2のポートの前記第2の端子(P22)は前記第2のトランスデューサ(W42)に接続されており、前記第1のトランスデューサ(W41)と前記第2のトランスデューサ(W42)とは相互に音響的に結合されている、請求項17から19までのいずれか1項記載のモジュール。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2006−514460(P2006−514460A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−567759(P2004−567759)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014351
【国際公開番号】WO2004/070947
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(300002160)エプコス アクチエンゲゼルシャフト (318)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【住所又は居所原語表記】St.−Martin−Strasse 53, D−81669 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】