順送り変速歯車装置
【課題】コンパクトかつ簡易で、平滑な移動を特徴とし、かつ遅れた終点の到達を可能にする歯車装置を提供する。
【解決手段】順送り変速歯車装置は、少なくとも1個の平歯車1,2と、平歯車1,2と噛合する歯付き構造体3,4とを備えている。平歯車1,2は、1本の曲線に沿って配列された複数の歯11を備え、曲線は90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する曲率半径を備えている。曲線は螺線、特に対数螺線であることが好ましい。
【解決手段】順送り変速歯車装置は、少なくとも1個の平歯車1,2と、平歯車1,2と噛合する歯付き構造体3,4とを備えている。平歯車1,2は、1本の曲線に沿って配列された複数の歯11を備え、曲線は90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する曲率半径を備えている。曲線は螺線、特に対数螺線であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載されているような順送り変速歯車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
順送り変速歯車装置は、例えば車両のための、特に自動車のための操舵装置に用いられている。操舵ハンドルの回転は、ラックに噛合している歯車に操舵軸を介して伝達される。このようにして歯車が駆動されると、車輪を左右に動かすラックを歯車が移動させる。順送り変速操舵装置、すなわち順送り変速歯車装置により、操舵ハンドルが回されると、変速比は操舵ハンドルの中央領域における最大値から減少せしめられる。このことは、直線前進時の操舵ハンドルの位置においては、操舵ハンドルを比較的大きく回しても車輪の方向変化は小さく、操舵ハンドルが既に大きく回されているときには、操舵ハンドルを比較的小さく回しても、車輪の方向が大きく方向が変化することを意味する。このことは、駐車時または曲がりくねった道路をドライブするときには特に望ましい。
【0003】
従来技術において、順送り変速動作が得られる歯車装置に関する問題解決に多くの努力がなされている。しかしながら、これらの歯車装置は比較的複雑な構造を有し、したがって、製造および保守に費用を要するものであった。また、多数の部品からなる歯車装置の欠点は、望ましくないバックラッシュを呈することが多く、あるいは我慢しなければならないトルク変動が存在した。これに加えて、比較的早く引返し点に達する欠点もあった。
【0004】
特許文献1には、1個の歯車と1個のラックからなる可変変速比を備えた自動車の操舵歯車が開示されている。この構成においては、非円形に形成された歯車が偏心して取り付けられている。
【0005】
特許文献2には、一対の楕円形歯車を備えた小角度操舵装置が提案されている。
【特許文献1】独国特許出願公開第146 769 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第13 809 A39号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特に車両用操舵装置のための比較的小型でコンパクトな順送り変速歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、請求項1の特徴部分によって解決される。
【0008】
本発明による順送り変速歯車装置は、少なくとも1個の平歯車と、この平歯車と噛合する歯付き構造体または歯車構造体とを備えている。上記平歯車は、1本の曲線に沿って配列された複数の歯を備えている。上記曲線の曲率半径は、90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する。
【0009】
上記平歯車の複数の歯は、1本の曲線に沿って配列され、この曲線の曲率半径は90°を超える角度範囲に亘って単調に増大するが、上記平歯車の残りの周縁部分は直線的に形成されている。しかしながら、上記残りの周縁部分、またはその少なくとも一部分が、一定または減少する曲率半径を備えていてもよい。上述に教示された範囲内でさらなる実施の形態が可能なことは言うまでもない。
【0010】
一つの好ましい実施の形態においては、単調に増大する曲率半径を備えた曲線が、少なくとも部分的に螺線であり、その中心点は上記平歯車の回転軸線に一致するのが好ましい。
【0011】
この螺線は、中心点からの距離が各回転毎に同一因数だけ増大する対数螺線であることが好ましい。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記歯付き構造体が勾配を有する少なくとも1個のラックである。ラックの数は、平歯車の数に対応することが好ましい。
【0013】
上記ラックは、平歯車の形状に応じて直線勾配または曲線勾配を備えたものに形成される。対数的な平歯車の湾曲部分の場合、協働するラック部分は直線的に形成されるのが好ましい。円形の平歯車の湾曲部分の場合、この円形に湾曲した部分の中心点が平歯車の回転軸線上に位置していれば、協働するラック部分は直線的かつ水平に延びるように形成される。平歯車の湾曲部分が他の輪郭を有する場合、協働するラック部分は、対応する勾配を有し、および/または湾曲している。
【0014】
平歯車もしくはピニオンと歯付き構造体とが対応して適合していることによって、回転運動の終点は、双方向において平歯車、もしくはピニオンもしくは操舵軸の3/4 回転以前に回転運動の終点に達することはなく、その結果、操舵軸は一方の終点から他方の終点まで1回転半回転することが可能である。これは特に、互いに少なくとも部分的に相後かつ平行にずれて配置された少なくとも2個のラック上を走行する2個以上のピニオンを用いることによって達成される。この構成は、トルク変動が生じないというさらなる利点を提供する。
【0015】
歯車およびラックがそれぞれ特殊な形状を有することによって、順送り変速操舵装置を得るのにさらなる部品は必要としない。したがって、操舵軸は直接ピニオンに取り付けることができ、その結果、バックラッシュがゼロの歯車装置を得ることができる。
【0016】
別の実施の形態においては、歯付き構造体が、1本の曲線に沿って配列された複数の歯を備えた第2の平歯車であり、この平歯車の曲線の曲率半径は、90°を超える角度範囲に亘って単調に増大している。この曲線は対数螺線に対応することが好ましい。第1の平歯車は、操舵軸であることが好ましい駆動軸に連結可能である。上記第2の平歯車は、一般的なラックアンドピニオン機構を駆動するのが好ましい被駆動軸に連結可能である。この実施の形態は、本発明による順送り変速歯車装置を用いて、簡単かつ費用効果の良い方法で、車両の性能を高めることができるという利点を有する。
【0017】
本発明による順送り変速歯車装置は、一様なトルク特性を備えている。個々の部品の対称的な配置によって、あるいは複数の平歯車に対して互いにずれた平行な3個の走行区間を利用することによって、対称的なエッジ走行が実現可能である。
【0018】
本発明による順送り変速歯車装置は、自動車の車両操舵装置に特に適している。この装置は、通常の道路を走行する車両およびスポーツ車両の双方に適している。
【0019】
操舵歯車がその中央位置にあるときに平歯車の歯付き構造体に接触または噛合する部位においては、複数の歯が配列されている上記曲線の曲率半径が最小である。この結果、変速比は、中央位置から比較的小さい偏位をもって緩やかに変化し、かつ平歯車と噛合するラックが、急な側面を伴ったサイクロイド形状を有する必要があることを回避することができる。
【0020】
曲線の曲率半径は、最小から出発して少なくとも90°、特に少なくとも180°の角度範囲に亘って単調に増大するのがよい。このことは、この角度範囲を越えても変速比の変化が一様であることを可能にする。
【0021】
操舵歯車の中央位置においては、平歯車の回転軸線と、平歯車の歯付き構造体との接触点との間の距離は、この領域における操舵車輪に対する操舵歯車の応答が最も遅くなるように、最小であることが好ましい。
【0022】
さらなる効果的な実施の形態は、従属請求項から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に示された本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1aおよび図1bを参照すると、例えば自動車に用いられる、本発明による順送り変速歯車装置の第1の実施の形態が示されている。この歯車装置は、共通の回転軸線12の周りで回転可能な少なくとも2個の、好ましくは3個の平歯車1,2を備えている。このため、上記平歯車1,2は、操舵ハンドル軸(不図示)に連結されている。操舵ハンドル軸は、その都度、車両の操舵ハンドルを用いて所望の回転位置に回動される。
【0025】
上記平歯車1,2のそれぞれは、ラック3,4,5の形態の歯付き機構と噛合って、ラック3,4,5に沿って転動する。その結果、水平であることが好ましい直線に沿って回転軸線12が移動せしめられるか、あるいはラック3,4,5がそれらの長手方向にそれぞれ移動せしめられる。随意的に設けられる第3のラック5は、図1bにおいて、第1および第2のラック3,4よりも薄く示されている。
【0026】
図1aにおいては、平歯車1,2が、ラック3,4,5に沿った数箇所の転動位置P1,P2,P3およびP4に示されている。
【0027】
平歯車1,2は、曲線10(図2a参照)に沿って配列された複数の歯11を備えている。この曲線10は、この曲線の、すなわち平歯車1,2の90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する曲率半径rを有する。
【0028】
本実施の形態においては、曲線10上で180°を超え、360°未満の角度範囲に亘って歯が配列されており、平歯車1,2の残りの周縁部分には歯が形成されていない。図1aおよび図1bに示された実施の形態においては、約270°の周縁部分が歯を備え、平歯車の周縁の残りの部分13は直線に形成されている。この構成における曲線10の中心点は、平歯車1,2に関して一定の位置にあるのが好ましく、さらに平歯車1,2の回転軸線12に一致するのが好ましい。
【0029】
ここに示されている実施の形態においては、曲線10は螺線、特に平歯車1,2の回転軸線12に一致するのが好ましい対数螺線である。
【0030】
本実施の形態に使用されている2個ないし3個の平歯車1,2は、それぞれ同数の歯および同一の曲線形状を有する。特にその他の点においても同一に形成されている。しかしながら、第1および第2の平歯車1,2は、異なる位置に配置され、かつ互いに鏡面対称関係にある。これら平歯車の最長の曲率半径rを有する部位は180°反対方向を向いているが、最短の曲率半径rを有する部位は同一方向を向いている。このことは、図1aの位置P1およびP4から良く認識することができる。第3の平歯車は第1の平歯車と並列に配置され、かつ第1の平歯車1と同一方向を向いている。したがって、第3の平歯車が第1の平歯車1と重なっているので、図1aでは見えない。
【0031】
平歯車1,2およびラック3,4,5の個々の歯の側面形状は、個々の平歯車1,2が、最小の摩擦および雑音を伴いながらラック3,4,5上を平滑に転動し得るように理想化されている。しかしながら、このことは当業者周知の事項であり、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0032】
本実施の形態におけるラック3,4,5は、直線的でかつ勾配を有している。この勾配により、平歯車の回転軸線が一定の高さを保ちながら、平歯車がラック上を転動するのを可能にしている。ラックは互いに平行に、かつ少なくとも一部分が前後に並んで配置されている。この配置において、第1および第3のラック3,5は互いに隣接して並列に配置されている。これらは同一に形成され、かつ同一の勾配を有している。この2個のラックの間に第2のラック4が配置され、その始端は、第1および第3のラック3,5の終端とオーバーラップしている。この第2のラック4は同一の勾配を有するが、第1および第3のラック3,5に対して反対方向に傾斜しているのが好ましい。ラック3,4,5は遷移部Uにおいてそれぞれ頂点を形成している。
【0033】
操舵ハンドルの中央位置、したがって平歯車1,2の中央位置は、位置P4、すなわち平歯車1,2がラック3,4,5の頂点にあるのが好ましい。操舵ハンドルを左に回すと、平歯車1,2は位置P3,P2,P1を通過する。この過程において、第1および、存在する場合の第3の平歯車1が、対応する第1および第3のラック3,5に噛合する。それらの回動位置に応じて平歯車1は、曲線10の曲率半径が単調に増大するように構成されているので、ラックに線接触または点接触する。換言すれば、位置P4においては、ラックに噛合する平歯車の歯に最小の曲率半径が与えられ、位置P1においてラックに噛合する平歯車の歯に最大の曲率半径が与えられている。中間の第2の平歯車2はラックに噛合せずに空転する。この非噛合状態は図1dから特に明らかである。
【0034】
平歯車1,2とラック3,4,5とが操舵ハンドルの中央位置において、すなわち位置P4において噛合するときには、上記曲線の曲率半径rは最小である。しかしながら、この曲線の最小の曲率半径は、この曲線または歯と回転軸線12との間の最短距離よりも大きいことが好ましく、その結果、操舵ハンドルがその中央位置から回動されるときには、歯車の変速比が小さくなる。
【0035】
操舵ハンドルを右に回すと、第1および第3の平歯車1は噛合せず、第2の平歯車2が対応するラック4に噛合する。この場合も、平歯車2は、中央位置P4から、最小の曲率半径から最大の曲率半径まで転動する。図1dから明らかなように、一方の平歯車がラックに噛合するが、他方の平歯車(単数または複数)は噛合しない。
【0036】
位置P4から位置P1までの転動によって齎される移動行程が図1cに示されている。図から明らかなように、単調に増大する移動行程は270°の角度範囲に亘って達成される。このことは、歯車装置の終端にまで達するまで操舵ハンドルが270°回動可能なことを意味する。操舵ハンドルは双方向に同じように回動可能であるため、双方向の終端に達するまで1回転半回動することが可能である。
【0037】
図3a〜図3cを参照すると、2個の平歯車1,2と2個のラック3,4とを用いた、本発明による歯車装置の第2の実施の形態が示されている。図3aにおいては、2個の平歯車1,2が中央位置P4および最外位置P1に示されている。この場合、平歯車1,2の歯は、約180°の角度範囲Aに亘って対数螺線に沿って配列されている。90°を超える隣接する角度範囲においては、曲線は、単調に増大する曲率半径の特徴を有するが、この曲線はもはや対数螺線に従わない。残りの角度範囲における周縁は直線的に形成されている。この構成において、平歯車1,2は、操舵ハンドルの中立位置において、すなわち第1および第2のラック3,4の頂点領域において、対数螺線の形状を有する範囲が最初に転動されるように回転軸線12に取り付けられている。
【0038】
ラック3,4は、平歯車1,2の形状に合わせて、最初に、すなわち頂点から出発して、直線的に下降するように形成され、その後は下降するが曲がった曲線Kになっている。
【0039】
図3cには、操舵角度の関数としての移動行程が再び示されている。図1a〜図1cに示された第1の実施の形態と比較すると、180°〜270°の角度範囲におけるグラフの曲がり方が弱い。
【0040】
図4a〜図4cを参照すると、1個のみの平歯車1および1個のみのラック3を備えた実施の形態が示されており、平歯車1が中央位置P4および両外端位置の一方P1に示されている。平歯車1の複数の歯11は、その中央位置から出発して平歯車1の正負の回転に関して対称的な曲線上に配列されている。歯11は、2組の歯群14,15に組分けすることができる。各歯群14,15に曲線10が割り当てられ、2本の曲線10はそれぞれ180°の角度範囲に拡がっている。これらは、回転軸線12が位置する平面に関して鏡面対称に配置されており、かつ回転軸線12に一致するのが好ましい同一の中心点を備えている。しかしながら、これらは反対方向に配置されている。これによって、歯車1は、一方の曲線から他方の曲線に連続的に移行し、双方の曲線の最大半径と最小半径とがそれぞれ一致する「卵型」になる。もし歯車1の2本の曲線がそれぞれ対数螺線であれば、ラック3は、頂点としての中立位置から出発して双方向へ傾斜した直線に形成される。図4cから明らかなように、各側への変位は180°であるが、この歯車機構は部品点数が最少であるという特徴があり、したがって、かなり小型になり、場所をとらない。さらに安価に製造することができる。
【0041】
図5a〜図5cを参照すると、2個の平歯車1,6と、少なくとも部分的に前後に並びかつ平行に偏位して配置された3個のラック3,7,8とを備えている。歯車1,6は3位置P1,P2、P4に示されている。第1の歯車1は、図4aに示された実施の形態と同様の歯車であり、第1の歯車1に所属するラック3は直線的に形成され、かつ双方向へ勾配を有している。第2の歯車6の歯は円または楕円上に配列されている。この歯車6は2個のラック7,8と噛合する。これらラック7,8の歯は水平かつ直線的に配列されている。共通に取り付けられた歯車は、中央位置P4から出発して右方または左方へ転動することができる。図5aにおいては、左方への転動に関して個々の位置が示されている。先ず最初に、勾配を有するラック3に螺線歯車1が噛合し、円形歯車6は噛合せずに空転する。180°転動した位置で、勾配を有するラック3の端部に達し、螺線歯車1は空転する。それと引き換えに、2個のラック3,7がオーバーラップする部分を有していることにより、円形歯車6が引き継いで、さらに少なくとも90°の角度範囲に亘って第1の直線ラック7と噛合する。右方への転動においては、第1の直線ラック7の延長線上に長手方向に離れて配置されている第2の直線ラック8に円形歯車6が噛合する。図5cから明らかなように、この構成における終点は、各方向の転動に関して270°以前には到達せず、180°〜270°の操舵角度範囲における移動行程は直線的である。より大きい変位のためには、円形歯車および直線的ラックに代えて、例えば図3a〜図3cに示された実施の形態を用いて説明されたような適当な曲線形状を用いることによって、移動行程の特性が選択可能である。これに加えて、この構成の変型においては、数回の回転を可能にするように、ラックの水平に形成された部分が必要に応じて延長される。この変型は特に商用車に適している。
【0042】
図6a〜図6cを参照すると、図5a〜図5cに示された実施の形態にほぼ対応する実施の形態が示されている。しかしながら、この場合は、2個の直線的ラックが独立したユニットとして形成されてなく、勾配を有するラックに対し一体にされ、または少なくとも連結されている。このため、ラックは、少なくとも1箇所の、この場合は2箇所の幅広部分7′,8′と、中間の幅狭部分3′とを備えている。操舵軸、従って歯車1,6の回転位置に応じて、螺線形歯車1が幅狭部分3′に噛合するか、あるいは円形歯車6が幅広部分7′,8′の一方に噛合する。図6bにおいては、ラックがその両端部においてどのように拡幅されているかが明らかである。この形状は、1個の円形歯車6に代えて、螺線形歯車1の両側にそれぞれ配置された2個の円形歯車を用いるときに推奨される。この構成も、エッジの対称的な転動を保証する。
【0043】
ラックの頂点は、種々の方法で構成することができる。図7aおよび図7bには第1の変型が示されている。この変型においては、頂点には1個の中央歯30が設けられ、この実施の形態においては2個のラックに、また3個のラックが備えられている場合には、3個のラックのすべてに、このような1個の中央歯30が設けられている。この構成は、平滑な転動を可能にする。
【0044】
図2aおよび図2bには、ラックの頂点の構成の第2の変型が示されている。この変型においては、中央歯が設けられておらず、その代わりに、各ラックの端部が、斜めに配置された1個の歯31を備えており、その歯31の、同じラックの隣の歯に対する角度および間隔は、このラックの残りの複数の歯の配列に対応する。この構成においては、一方のラックが、他方のラックが始まる以前に終わり、すなわち、オーバーラップする歯が存在しない。この変型は製作が簡単である。
【0045】
図8aおよび図8bによる頂点の構成においては、双方のラックが上述の実施の形態と同じに形成され、すなわち最上位の二つの歯31が斜めに配置され、かつ残りの複数の歯に対応する。しかしながらこの場合は、隣接するラックの最上位の二つの歯31がオーバーラップしている。この変型は、やはり製作が簡単であるが、図2aおよび図2bに示された変型よりもピニオンの転動が平滑であるという利点を有する。
【0046】
図9aおよび図9bを参照すると、特に歯付き構造体がラックではなく、さらなる平歯車、すなわち被駆動歯車9であることによって、前述の実施の形態とは異なる実施の形態が示されている。平歯車1は駆動軸、すなわち操舵軸L(一部のみが示されている)を介して操舵ハンドルに連結され、駆動歯車に対応する。被駆動歯車9は被駆動軸Aを介して、通常のラックアンドピニオン機構のピニオンRおよびラックZに連結されている。
【0047】
駆動歯車1は、図4aに示された歯車と同一形状を有するのが好ましく、したがって再び詳細には説明しない。この駆動歯車1はその複数の歯11によって、図4aに示された歯車と同様の形状に形成されているのが好ましい、したがって駆動歯車1と同一形状の曲線および同一歯数を備えているのが好ましい被駆動歯車9に噛合している。2個の平歯車1,9は同一構成を有し、それぞれ2本の対数螺線、または曲線の曲率半径が90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する限り他の形状の曲線を備え、相補性を有するのが好ましい。ここに示された実施の形態において、上記曲線の中心点は、対応する歯車の回転軸線と一致している。ところで、図9aおよび図9bに示された駆動歯車1および被駆動歯車9の回転位置は、操舵ハンドルの中央位置に対応しているのではなく、180°回転させた位置である。
【0048】
上述した実施の形態においては、上記曲線の中心点がそれぞれ歯車の回転軸線に一致している。さらに、この回転軸線は歯車の取付け軸線でもある。これらは好ましい実施の形態である。しかしながら、歯車を別の態様で取り付けること、あるいは、回転軸線を曲線の中心点かられるように配置することも可能である。上述のように、対数螺線は好ましい曲線の形状ではあるが、歯車に噛合するラックまたはさらなる歯車が、対応する適合した形状を有する限り、少なくとも90°の角度範囲を超える角度範囲に亘って曲率半径が単調に増大するものを含むその他の曲線も可能である。さらに、個々の実施の形態の組み合わせも可能であり、それらもこの明細書に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第1の実施の形態の概略的側面図
【図1b】図1aに示された複数のラックの平面図
【図1c】図1aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図1d】2個のラックを備えた、図1aに示された歯車装置の変型の斜視図
【図2a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第1の変型との詳細図
【図2b】図2aのラックを上方から見た詳細図
【図3a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第2の実施の形態の概略的側面図
【図3b】図3aに示された複数のラックの平面図
【図3c】図3aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図4a】1個の歯車と1個のラックとを備えた本発明による歯車装置の第3の実施の形態の概略的側面図
【図4b】図4aに示されたラックの平面図
【図4c】図4aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図5a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第4の実施の形態の概略的側面図
【図5b】図5aに示されたラックの平面図
【図5c】図5aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図6a】複数の歯車と1個のラックとを備えた本発明による歯車装置の第5の実施の形態の概略的側面図
【図6b】図6aに示されたラックの平面図
【図6c】図6aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図7a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第2の変型との詳細図
【図7b】図7aのラックを上方から見た詳細図
【図8a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第3の変型との詳細図
【図8b】図8aのラックを上方から見た詳細図
【図9a】本発明による歯車装置の第6の実施の形態の斜視図
【図9b】図9aの歯車を側方から見た概略図
【符号の説明】
【0050】
1 第1の平歯車
10 曲線
11 歯
12 回転軸線
13 残りの部分
14 第1の歯群
15 第2の歯群
2 第2の平歯車
3 第1のラック
3′ 幅狭部分
30 中央の歯
31 歯
4 第2のラック
5 第3のラック
6 円形歯車
7 第1の直線ラック
7′ 幅広部分
8 第2の直線ラック
8′ 幅広部分
9 被駆動歯車
A 被駆動軸
L 操舵軸
R ピニオン
Z ラック
r 曲率半径
P1,P2,P3,P4 転動位置
U オーバーラップ部分
K 湾曲線
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに記載されているような順送り変速歯車装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
順送り変速歯車装置は、例えば車両のための、特に自動車のための操舵装置に用いられている。操舵ハンドルの回転は、ラックに噛合している歯車に操舵軸を介して伝達される。このようにして歯車が駆動されると、車輪を左右に動かすラックを歯車が移動させる。順送り変速操舵装置、すなわち順送り変速歯車装置により、操舵ハンドルが回されると、変速比は操舵ハンドルの中央領域における最大値から減少せしめられる。このことは、直線前進時の操舵ハンドルの位置においては、操舵ハンドルを比較的大きく回しても車輪の方向変化は小さく、操舵ハンドルが既に大きく回されているときには、操舵ハンドルを比較的小さく回しても、車輪の方向が大きく方向が変化することを意味する。このことは、駐車時または曲がりくねった道路をドライブするときには特に望ましい。
【0003】
従来技術において、順送り変速動作が得られる歯車装置に関する問題解決に多くの努力がなされている。しかしながら、これらの歯車装置は比較的複雑な構造を有し、したがって、製造および保守に費用を要するものであった。また、多数の部品からなる歯車装置の欠点は、望ましくないバックラッシュを呈することが多く、あるいは我慢しなければならないトルク変動が存在した。これに加えて、比較的早く引返し点に達する欠点もあった。
【0004】
特許文献1には、1個の歯車と1個のラックからなる可変変速比を備えた自動車の操舵歯車が開示されている。この構成においては、非円形に形成された歯車が偏心して取り付けられている。
【0005】
特許文献2には、一対の楕円形歯車を備えた小角度操舵装置が提案されている。
【特許文献1】独国特許出願公開第146 769 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第13 809 A39号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特に車両用操舵装置のための比較的小型でコンパクトな順送り変速歯車装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、請求項1の特徴部分によって解決される。
【0008】
本発明による順送り変速歯車装置は、少なくとも1個の平歯車と、この平歯車と噛合する歯付き構造体または歯車構造体とを備えている。上記平歯車は、1本の曲線に沿って配列された複数の歯を備えている。上記曲線の曲率半径は、90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する。
【0009】
上記平歯車の複数の歯は、1本の曲線に沿って配列され、この曲線の曲率半径は90°を超える角度範囲に亘って単調に増大するが、上記平歯車の残りの周縁部分は直線的に形成されている。しかしながら、上記残りの周縁部分、またはその少なくとも一部分が、一定または減少する曲率半径を備えていてもよい。上述に教示された範囲内でさらなる実施の形態が可能なことは言うまでもない。
【0010】
一つの好ましい実施の形態においては、単調に増大する曲率半径を備えた曲線が、少なくとも部分的に螺線であり、その中心点は上記平歯車の回転軸線に一致するのが好ましい。
【0011】
この螺線は、中心点からの距離が各回転毎に同一因数だけ増大する対数螺線であることが好ましい。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記歯付き構造体が勾配を有する少なくとも1個のラックである。ラックの数は、平歯車の数に対応することが好ましい。
【0013】
上記ラックは、平歯車の形状に応じて直線勾配または曲線勾配を備えたものに形成される。対数的な平歯車の湾曲部分の場合、協働するラック部分は直線的に形成されるのが好ましい。円形の平歯車の湾曲部分の場合、この円形に湾曲した部分の中心点が平歯車の回転軸線上に位置していれば、協働するラック部分は直線的かつ水平に延びるように形成される。平歯車の湾曲部分が他の輪郭を有する場合、協働するラック部分は、対応する勾配を有し、および/または湾曲している。
【0014】
平歯車もしくはピニオンと歯付き構造体とが対応して適合していることによって、回転運動の終点は、双方向において平歯車、もしくはピニオンもしくは操舵軸の3/4 回転以前に回転運動の終点に達することはなく、その結果、操舵軸は一方の終点から他方の終点まで1回転半回転することが可能である。これは特に、互いに少なくとも部分的に相後かつ平行にずれて配置された少なくとも2個のラック上を走行する2個以上のピニオンを用いることによって達成される。この構成は、トルク変動が生じないというさらなる利点を提供する。
【0015】
歯車およびラックがそれぞれ特殊な形状を有することによって、順送り変速操舵装置を得るのにさらなる部品は必要としない。したがって、操舵軸は直接ピニオンに取り付けることができ、その結果、バックラッシュがゼロの歯車装置を得ることができる。
【0016】
別の実施の形態においては、歯付き構造体が、1本の曲線に沿って配列された複数の歯を備えた第2の平歯車であり、この平歯車の曲線の曲率半径は、90°を超える角度範囲に亘って単調に増大している。この曲線は対数螺線に対応することが好ましい。第1の平歯車は、操舵軸であることが好ましい駆動軸に連結可能である。上記第2の平歯車は、一般的なラックアンドピニオン機構を駆動するのが好ましい被駆動軸に連結可能である。この実施の形態は、本発明による順送り変速歯車装置を用いて、簡単かつ費用効果の良い方法で、車両の性能を高めることができるという利点を有する。
【0017】
本発明による順送り変速歯車装置は、一様なトルク特性を備えている。個々の部品の対称的な配置によって、あるいは複数の平歯車に対して互いにずれた平行な3個の走行区間を利用することによって、対称的なエッジ走行が実現可能である。
【0018】
本発明による順送り変速歯車装置は、自動車の車両操舵装置に特に適している。この装置は、通常の道路を走行する車両およびスポーツ車両の双方に適している。
【0019】
操舵歯車がその中央位置にあるときに平歯車の歯付き構造体に接触または噛合する部位においては、複数の歯が配列されている上記曲線の曲率半径が最小である。この結果、変速比は、中央位置から比較的小さい偏位をもって緩やかに変化し、かつ平歯車と噛合するラックが、急な側面を伴ったサイクロイド形状を有する必要があることを回避することができる。
【0020】
曲線の曲率半径は、最小から出発して少なくとも90°、特に少なくとも180°の角度範囲に亘って単調に増大するのがよい。このことは、この角度範囲を越えても変速比の変化が一様であることを可能にする。
【0021】
操舵歯車の中央位置においては、平歯車の回転軸線と、平歯車の歯付き構造体との接触点との間の距離は、この領域における操舵車輪に対する操舵歯車の応答が最も遅くなるように、最小であることが好ましい。
【0022】
さらなる効果的な実施の形態は、従属請求項から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面に示された本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
図1aおよび図1bを参照すると、例えば自動車に用いられる、本発明による順送り変速歯車装置の第1の実施の形態が示されている。この歯車装置は、共通の回転軸線12の周りで回転可能な少なくとも2個の、好ましくは3個の平歯車1,2を備えている。このため、上記平歯車1,2は、操舵ハンドル軸(不図示)に連結されている。操舵ハンドル軸は、その都度、車両の操舵ハンドルを用いて所望の回転位置に回動される。
【0025】
上記平歯車1,2のそれぞれは、ラック3,4,5の形態の歯付き機構と噛合って、ラック3,4,5に沿って転動する。その結果、水平であることが好ましい直線に沿って回転軸線12が移動せしめられるか、あるいはラック3,4,5がそれらの長手方向にそれぞれ移動せしめられる。随意的に設けられる第3のラック5は、図1bにおいて、第1および第2のラック3,4よりも薄く示されている。
【0026】
図1aにおいては、平歯車1,2が、ラック3,4,5に沿った数箇所の転動位置P1,P2,P3およびP4に示されている。
【0027】
平歯車1,2は、曲線10(図2a参照)に沿って配列された複数の歯11を備えている。この曲線10は、この曲線の、すなわち平歯車1,2の90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する曲率半径rを有する。
【0028】
本実施の形態においては、曲線10上で180°を超え、360°未満の角度範囲に亘って歯が配列されており、平歯車1,2の残りの周縁部分には歯が形成されていない。図1aおよび図1bに示された実施の形態においては、約270°の周縁部分が歯を備え、平歯車の周縁の残りの部分13は直線に形成されている。この構成における曲線10の中心点は、平歯車1,2に関して一定の位置にあるのが好ましく、さらに平歯車1,2の回転軸線12に一致するのが好ましい。
【0029】
ここに示されている実施の形態においては、曲線10は螺線、特に平歯車1,2の回転軸線12に一致するのが好ましい対数螺線である。
【0030】
本実施の形態に使用されている2個ないし3個の平歯車1,2は、それぞれ同数の歯および同一の曲線形状を有する。特にその他の点においても同一に形成されている。しかしながら、第1および第2の平歯車1,2は、異なる位置に配置され、かつ互いに鏡面対称関係にある。これら平歯車の最長の曲率半径rを有する部位は180°反対方向を向いているが、最短の曲率半径rを有する部位は同一方向を向いている。このことは、図1aの位置P1およびP4から良く認識することができる。第3の平歯車は第1の平歯車と並列に配置され、かつ第1の平歯車1と同一方向を向いている。したがって、第3の平歯車が第1の平歯車1と重なっているので、図1aでは見えない。
【0031】
平歯車1,2およびラック3,4,5の個々の歯の側面形状は、個々の平歯車1,2が、最小の摩擦および雑音を伴いながらラック3,4,5上を平滑に転動し得るように理想化されている。しかしながら、このことは当業者周知の事項であり、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0032】
本実施の形態におけるラック3,4,5は、直線的でかつ勾配を有している。この勾配により、平歯車の回転軸線が一定の高さを保ちながら、平歯車がラック上を転動するのを可能にしている。ラックは互いに平行に、かつ少なくとも一部分が前後に並んで配置されている。この配置において、第1および第3のラック3,5は互いに隣接して並列に配置されている。これらは同一に形成され、かつ同一の勾配を有している。この2個のラックの間に第2のラック4が配置され、その始端は、第1および第3のラック3,5の終端とオーバーラップしている。この第2のラック4は同一の勾配を有するが、第1および第3のラック3,5に対して反対方向に傾斜しているのが好ましい。ラック3,4,5は遷移部Uにおいてそれぞれ頂点を形成している。
【0033】
操舵ハンドルの中央位置、したがって平歯車1,2の中央位置は、位置P4、すなわち平歯車1,2がラック3,4,5の頂点にあるのが好ましい。操舵ハンドルを左に回すと、平歯車1,2は位置P3,P2,P1を通過する。この過程において、第1および、存在する場合の第3の平歯車1が、対応する第1および第3のラック3,5に噛合する。それらの回動位置に応じて平歯車1は、曲線10の曲率半径が単調に増大するように構成されているので、ラックに線接触または点接触する。換言すれば、位置P4においては、ラックに噛合する平歯車の歯に最小の曲率半径が与えられ、位置P1においてラックに噛合する平歯車の歯に最大の曲率半径が与えられている。中間の第2の平歯車2はラックに噛合せずに空転する。この非噛合状態は図1dから特に明らかである。
【0034】
平歯車1,2とラック3,4,5とが操舵ハンドルの中央位置において、すなわち位置P4において噛合するときには、上記曲線の曲率半径rは最小である。しかしながら、この曲線の最小の曲率半径は、この曲線または歯と回転軸線12との間の最短距離よりも大きいことが好ましく、その結果、操舵ハンドルがその中央位置から回動されるときには、歯車の変速比が小さくなる。
【0035】
操舵ハンドルを右に回すと、第1および第3の平歯車1は噛合せず、第2の平歯車2が対応するラック4に噛合する。この場合も、平歯車2は、中央位置P4から、最小の曲率半径から最大の曲率半径まで転動する。図1dから明らかなように、一方の平歯車がラックに噛合するが、他方の平歯車(単数または複数)は噛合しない。
【0036】
位置P4から位置P1までの転動によって齎される移動行程が図1cに示されている。図から明らかなように、単調に増大する移動行程は270°の角度範囲に亘って達成される。このことは、歯車装置の終端にまで達するまで操舵ハンドルが270°回動可能なことを意味する。操舵ハンドルは双方向に同じように回動可能であるため、双方向の終端に達するまで1回転半回動することが可能である。
【0037】
図3a〜図3cを参照すると、2個の平歯車1,2と2個のラック3,4とを用いた、本発明による歯車装置の第2の実施の形態が示されている。図3aにおいては、2個の平歯車1,2が中央位置P4および最外位置P1に示されている。この場合、平歯車1,2の歯は、約180°の角度範囲Aに亘って対数螺線に沿って配列されている。90°を超える隣接する角度範囲においては、曲線は、単調に増大する曲率半径の特徴を有するが、この曲線はもはや対数螺線に従わない。残りの角度範囲における周縁は直線的に形成されている。この構成において、平歯車1,2は、操舵ハンドルの中立位置において、すなわち第1および第2のラック3,4の頂点領域において、対数螺線の形状を有する範囲が最初に転動されるように回転軸線12に取り付けられている。
【0038】
ラック3,4は、平歯車1,2の形状に合わせて、最初に、すなわち頂点から出発して、直線的に下降するように形成され、その後は下降するが曲がった曲線Kになっている。
【0039】
図3cには、操舵角度の関数としての移動行程が再び示されている。図1a〜図1cに示された第1の実施の形態と比較すると、180°〜270°の角度範囲におけるグラフの曲がり方が弱い。
【0040】
図4a〜図4cを参照すると、1個のみの平歯車1および1個のみのラック3を備えた実施の形態が示されており、平歯車1が中央位置P4および両外端位置の一方P1に示されている。平歯車1の複数の歯11は、その中央位置から出発して平歯車1の正負の回転に関して対称的な曲線上に配列されている。歯11は、2組の歯群14,15に組分けすることができる。各歯群14,15に曲線10が割り当てられ、2本の曲線10はそれぞれ180°の角度範囲に拡がっている。これらは、回転軸線12が位置する平面に関して鏡面対称に配置されており、かつ回転軸線12に一致するのが好ましい同一の中心点を備えている。しかしながら、これらは反対方向に配置されている。これによって、歯車1は、一方の曲線から他方の曲線に連続的に移行し、双方の曲線の最大半径と最小半径とがそれぞれ一致する「卵型」になる。もし歯車1の2本の曲線がそれぞれ対数螺線であれば、ラック3は、頂点としての中立位置から出発して双方向へ傾斜した直線に形成される。図4cから明らかなように、各側への変位は180°であるが、この歯車機構は部品点数が最少であるという特徴があり、したがって、かなり小型になり、場所をとらない。さらに安価に製造することができる。
【0041】
図5a〜図5cを参照すると、2個の平歯車1,6と、少なくとも部分的に前後に並びかつ平行に偏位して配置された3個のラック3,7,8とを備えている。歯車1,6は3位置P1,P2、P4に示されている。第1の歯車1は、図4aに示された実施の形態と同様の歯車であり、第1の歯車1に所属するラック3は直線的に形成され、かつ双方向へ勾配を有している。第2の歯車6の歯は円または楕円上に配列されている。この歯車6は2個のラック7,8と噛合する。これらラック7,8の歯は水平かつ直線的に配列されている。共通に取り付けられた歯車は、中央位置P4から出発して右方または左方へ転動することができる。図5aにおいては、左方への転動に関して個々の位置が示されている。先ず最初に、勾配を有するラック3に螺線歯車1が噛合し、円形歯車6は噛合せずに空転する。180°転動した位置で、勾配を有するラック3の端部に達し、螺線歯車1は空転する。それと引き換えに、2個のラック3,7がオーバーラップする部分を有していることにより、円形歯車6が引き継いで、さらに少なくとも90°の角度範囲に亘って第1の直線ラック7と噛合する。右方への転動においては、第1の直線ラック7の延長線上に長手方向に離れて配置されている第2の直線ラック8に円形歯車6が噛合する。図5cから明らかなように、この構成における終点は、各方向の転動に関して270°以前には到達せず、180°〜270°の操舵角度範囲における移動行程は直線的である。より大きい変位のためには、円形歯車および直線的ラックに代えて、例えば図3a〜図3cに示された実施の形態を用いて説明されたような適当な曲線形状を用いることによって、移動行程の特性が選択可能である。これに加えて、この構成の変型においては、数回の回転を可能にするように、ラックの水平に形成された部分が必要に応じて延長される。この変型は特に商用車に適している。
【0042】
図6a〜図6cを参照すると、図5a〜図5cに示された実施の形態にほぼ対応する実施の形態が示されている。しかしながら、この場合は、2個の直線的ラックが独立したユニットとして形成されてなく、勾配を有するラックに対し一体にされ、または少なくとも連結されている。このため、ラックは、少なくとも1箇所の、この場合は2箇所の幅広部分7′,8′と、中間の幅狭部分3′とを備えている。操舵軸、従って歯車1,6の回転位置に応じて、螺線形歯車1が幅狭部分3′に噛合するか、あるいは円形歯車6が幅広部分7′,8′の一方に噛合する。図6bにおいては、ラックがその両端部においてどのように拡幅されているかが明らかである。この形状は、1個の円形歯車6に代えて、螺線形歯車1の両側にそれぞれ配置された2個の円形歯車を用いるときに推奨される。この構成も、エッジの対称的な転動を保証する。
【0043】
ラックの頂点は、種々の方法で構成することができる。図7aおよび図7bには第1の変型が示されている。この変型においては、頂点には1個の中央歯30が設けられ、この実施の形態においては2個のラックに、また3個のラックが備えられている場合には、3個のラックのすべてに、このような1個の中央歯30が設けられている。この構成は、平滑な転動を可能にする。
【0044】
図2aおよび図2bには、ラックの頂点の構成の第2の変型が示されている。この変型においては、中央歯が設けられておらず、その代わりに、各ラックの端部が、斜めに配置された1個の歯31を備えており、その歯31の、同じラックの隣の歯に対する角度および間隔は、このラックの残りの複数の歯の配列に対応する。この構成においては、一方のラックが、他方のラックが始まる以前に終わり、すなわち、オーバーラップする歯が存在しない。この変型は製作が簡単である。
【0045】
図8aおよび図8bによる頂点の構成においては、双方のラックが上述の実施の形態と同じに形成され、すなわち最上位の二つの歯31が斜めに配置され、かつ残りの複数の歯に対応する。しかしながらこの場合は、隣接するラックの最上位の二つの歯31がオーバーラップしている。この変型は、やはり製作が簡単であるが、図2aおよび図2bに示された変型よりもピニオンの転動が平滑であるという利点を有する。
【0046】
図9aおよび図9bを参照すると、特に歯付き構造体がラックではなく、さらなる平歯車、すなわち被駆動歯車9であることによって、前述の実施の形態とは異なる実施の形態が示されている。平歯車1は駆動軸、すなわち操舵軸L(一部のみが示されている)を介して操舵ハンドルに連結され、駆動歯車に対応する。被駆動歯車9は被駆動軸Aを介して、通常のラックアンドピニオン機構のピニオンRおよびラックZに連結されている。
【0047】
駆動歯車1は、図4aに示された歯車と同一形状を有するのが好ましく、したがって再び詳細には説明しない。この駆動歯車1はその複数の歯11によって、図4aに示された歯車と同様の形状に形成されているのが好ましい、したがって駆動歯車1と同一形状の曲線および同一歯数を備えているのが好ましい被駆動歯車9に噛合している。2個の平歯車1,9は同一構成を有し、それぞれ2本の対数螺線、または曲線の曲率半径が90°を超える角度範囲に亘って単調に増大する限り他の形状の曲線を備え、相補性を有するのが好ましい。ここに示された実施の形態において、上記曲線の中心点は、対応する歯車の回転軸線と一致している。ところで、図9aおよび図9bに示された駆動歯車1および被駆動歯車9の回転位置は、操舵ハンドルの中央位置に対応しているのではなく、180°回転させた位置である。
【0048】
上述した実施の形態においては、上記曲線の中心点がそれぞれ歯車の回転軸線に一致している。さらに、この回転軸線は歯車の取付け軸線でもある。これらは好ましい実施の形態である。しかしながら、歯車を別の態様で取り付けること、あるいは、回転軸線を曲線の中心点かられるように配置することも可能である。上述のように、対数螺線は好ましい曲線の形状ではあるが、歯車に噛合するラックまたはさらなる歯車が、対応する適合した形状を有する限り、少なくとも90°の角度範囲を超える角度範囲に亘って曲率半径が単調に増大するものを含むその他の曲線も可能である。さらに、個々の実施の形態の組み合わせも可能であり、それらもこの明細書に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第1の実施の形態の概略的側面図
【図1b】図1aに示された複数のラックの平面図
【図1c】図1aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図1d】2個のラックを備えた、図1aに示された歯車装置の変型の斜視図
【図2a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第1の変型との詳細図
【図2b】図2aのラックを上方から見た詳細図
【図3a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第2の実施の形態の概略的側面図
【図3b】図3aに示された複数のラックの平面図
【図3c】図3aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図4a】1個の歯車と1個のラックとを備えた本発明による歯車装置の第3の実施の形態の概略的側面図
【図4b】図4aに示されたラックの平面図
【図4c】図4aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図5a】複数の歯車と複数のラックとを備えた本発明による歯車装置の第4の実施の形態の概略的側面図
【図5b】図5aに示されたラックの平面図
【図5c】図5aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図6a】複数の歯車と1個のラックとを備えた本発明による歯車装置の第5の実施の形態の概略的側面図
【図6b】図6aに示されたラックの平面図
【図6c】図6aに示された歯車装置の進行をプロットしたグラフ
【図7a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第2の変型との詳細図
【図7b】図7aのラックを上方から見た詳細図
【図8a】1個の歯車と、頂点領域におけるラックの第3の変型との詳細図
【図8b】図8aのラックを上方から見た詳細図
【図9a】本発明による歯車装置の第6の実施の形態の斜視図
【図9b】図9aの歯車を側方から見た概略図
【符号の説明】
【0050】
1 第1の平歯車
10 曲線
11 歯
12 回転軸線
13 残りの部分
14 第1の歯群
15 第2の歯群
2 第2の平歯車
3 第1のラック
3′ 幅狭部分
30 中央の歯
31 歯
4 第2のラック
5 第3のラック
6 円形歯車
7 第1の直線ラック
7′ 幅広部分
8 第2の直線ラック
8′ 幅広部分
9 被駆動歯車
A 被駆動軸
L 操舵軸
R ピニオン
Z ラック
r 曲率半径
P1,P2,P3,P4 転動位置
U オーバーラップ部分
K 湾曲線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵用歯車装置である順送り変速歯車装置であって、第2の平歯車(2)が第1の平歯車(1)と第3の平歯車との間に配置された、共通の回転軸線(12)の周りで回転可能である前記第1、前記第2および前記第3の平歯車(1,2)と、
少なくとも一部分が前後に並びかつ平行に配置された、第1のラック(3)、第2のラック(4)および第3のラック(5)と備え、
前記第1の平歯車(1)が前記第1のラック(3)に噛合するように適合され、前記第2の平歯車(2)が前記第2のラック(4)に噛合するように適合され、前記第3の平歯車(3)が前記第3のラック(5)に噛合するように適合されており、
前記第3の平歯車は、前記第1の平歯車(1)と一致し、前後に並びかつ平行となるように、前記共通の回転軸線(12)に配置され、
前記第1のラック(3)および前記第3のラック(5)が同一に形成されていることを特徴とする歯車装置。
【請求項2】
前記操舵用歯車装置の第1の部分において、前記第1の平歯車(1)が前記第3のラック(3)に噛合し、かつ前記第3の平歯車が前記第3のラック(5)に噛合し、かつ前記第2の平歯車(2)は噛合せずに空転し、
前記操舵用歯車装置の第2の部分において、前記第2の平歯車(2)が前記第2のラック(4)に噛合し、かつ前記第1および第3の歯車(1)が空転することを特徴とする請求項1記載の歯車装置。
【請求項3】
前記第1の平歯車(1)および前記第2の平歯車(2)は前記共通の回転軸線(12)上で互いに鏡面対象であることを特徴とする請求項1または2記載の歯車装置。
【請求項4】
前記第1および前記第3のラック(3,5)は同一勾配を有し、かつ前記第2のラック(4)は、前記第1および前記第3のラック(3,5)の勾配とは反対の勾配を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項5】
最小の曲率半径(r)を有する前記第1の平歯車(1)の領域および最小の曲率半径(r)を有する前記第2の平歯車の領域が同一方向に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項6】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項歯車装置。
【請求項7】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備え、
前記操舵歯車の中央位置(P4)において、前記共通の回転軸線(12)と、前記平歯車(1,2)が噛合する前記ラック(3,4,5)を伴う前記平歯車(1,2)の接触範囲との間の距離が最小であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項8】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備え、
前記操舵歯車の中央位置(P4)において、前記平歯車(1,2)が、該平歯車(1,2)が噛合する前記ラック(3,4,5)に接触する領域において最小の曲率半径(r)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項9】
前記複数の歯(11)が、180°を超えかつ360°未満の角度範囲に亘って前記曲線(10)上に配列され、かつ前記平歯車(1,2)の残りの周縁部分は歯なしに形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項10】
前記曲線の曲率半径(r)は、前記最小の曲率半径から出発して、少なくとも180°の角度範囲に亘って単調に増大することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項1】
車両の操舵用歯車装置である順送り変速歯車装置であって、第2の平歯車(2)が第1の平歯車(1)と第3の平歯車との間に配置された、共通の回転軸線(12)の周りで回転可能である前記第1、前記第2および前記第3の平歯車(1,2)と、
少なくとも一部分が前後に並びかつ平行に配置された、第1のラック(3)、第2のラック(4)および第3のラック(5)と備え、
前記第1の平歯車(1)が前記第1のラック(3)に噛合するように適合され、前記第2の平歯車(2)が前記第2のラック(4)に噛合するように適合され、前記第3の平歯車(3)が前記第3のラック(5)に噛合するように適合されており、
前記第3の平歯車は、前記第1の平歯車(1)と一致し、前後に並びかつ平行となるように、前記共通の回転軸線(12)に配置され、
前記第1のラック(3)および前記第3のラック(5)が同一に形成されていることを特徴とする歯車装置。
【請求項2】
前記操舵用歯車装置の第1の部分において、前記第1の平歯車(1)が前記第3のラック(3)に噛合し、かつ前記第3の平歯車が前記第3のラック(5)に噛合し、かつ前記第2の平歯車(2)は噛合せずに空転し、
前記操舵用歯車装置の第2の部分において、前記第2の平歯車(2)が前記第2のラック(4)に噛合し、かつ前記第1および第3の歯車(1)が空転することを特徴とする請求項1記載の歯車装置。
【請求項3】
前記第1の平歯車(1)および前記第2の平歯車(2)は前記共通の回転軸線(12)上で互いに鏡面対象であることを特徴とする請求項1または2記載の歯車装置。
【請求項4】
前記第1および前記第3のラック(3,5)は同一勾配を有し、かつ前記第2のラック(4)は、前記第1および前記第3のラック(3,5)の勾配とは反対の勾配を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項5】
最小の曲率半径(r)を有する前記第1の平歯車(1)の領域および最小の曲率半径(r)を有する前記第2の平歯車の領域が同一方向に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項6】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項歯車装置。
【請求項7】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備え、
前記操舵歯車の中央位置(P4)において、前記共通の回転軸線(12)と、前記平歯車(1,2)が噛合する前記ラック(3,4,5)を伴う前記平歯車(1,2)の接触範囲との間の距離が最小であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項8】
少なくとも一つの前記平歯車(1,2)が、90°を超える角度範囲に亘って単調に増加する曲率半径(r)を有する曲線(10)に沿って配列された複数の歯(11)を備え、
前記操舵歯車の中央位置(P4)において、前記平歯車(1,2)が、該平歯車(1,2)が噛合する前記ラック(3,4,5)に接触する領域において最小の曲率半径(r)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項9】
前記複数の歯(11)が、180°を超えかつ360°未満の角度範囲に亘って前記曲線(10)上に配列され、かつ前記平歯車(1,2)の残りの周縁部分は歯なしに形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項記載の歯車装置。
【請求項10】
前記曲線の曲率半径(r)は、前記最小の曲率半径から出発して、少なくとも180°の角度範囲に亘って単調に増大することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項記載の歯車装置。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【公開番号】特開2013−40687(P2013−40687A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−222969(P2012−222969)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2007−552560(P2007−552560)の分割
【原出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(507251309)
【氏名又は名称原語表記】BLESS, Werner M.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2007−552560(P2007−552560)の分割
【原出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(507251309)
【氏名又は名称原語表記】BLESS, Werner M.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]