説明

頭髪洗浄組成物

【課題】使用後の乾燥時における髪のなめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても泡立ちや洗浄効果に優れた頭髪洗浄組成物の提供。
【解決手段】ブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜15質量%と、ココイルメチルタウリンナトリウム0.1〜20質量%と、特定のアミドアミン型両性界面活性剤0.1〜15質量%とを含むことを特徴とする頭髪洗浄組成物。ブロック型アルキレンオキシド誘導体として、POB(30)POE(30)トリメチルグリセリルエーテルが例示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭髪洗浄組成物、特に有効成分としてブロック型アルキレンオキシド誘導体を含む、頭髪洗浄組成物の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪洗浄組成物の代表的な態様であるヘアシャンプーは、一般にアニオン界面活性剤を多量に含んでいるので、頭髪を洗浄すると汚れの他に頭髪表面の皮脂やその他の油分が同時に洗い落とされてしまう。そのため頭髪の感触が悪くなり、パサツキが起こり、櫛通り性が悪くなるといった悪影響が生じてくる。また、頭皮の油分も除去されるので、ふけが発生しやすくなるという傾向がみられる。
【0003】
これらの欠点を解消するために、従来、ヘアシャンプー基剤に油分等を配合し、頭髪洗髪中に油分を補給する方法が従来から採用されてきた。配合する油分としては、例えばラノリン誘導体、脂肪酸エステル、蛋白質、シリコーン等が採用されている。
しかしながら、前記の欠点を解消するための充分な量の油分を配合しようとすると、基剤の安定性が低下する等の問題が生じる場合があった。また、何らかの方法で多量の油分を安定に配合させたとしても、ヘアシャンプー本来の機能である起泡効果や洗浄効果が劣ったものになってしまうといった問題がみられた。さらに使用後のなめらかさ等の使用感触において、さらなる向上が求められていた。
【0004】
一方、コンディショニング性を付与する目的で、第4級窒素含有水溶性ポリマーを配合することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら第4級窒素含有水溶性ポリマーを配合した場合、すすぎ中のなめらかさは向上させることはできるが、タオルドライ後及び乾燥時については、髪のなめらかさ、しなやかさ等の向上効果が十分に認められず、逆に、これらを多量に配合した場合は、乾燥時における髪のゴワツキ、ヘアフライ(乾燥)等につながる傾向があり、その改善が望まれていた。
【0005】
また近年、シリコーン油、アルコール、および樹脂等を配合したヘアスタイリング剤が市販されており、その剤型はジェル状、ムース状、液状、スプレー状、固形状等様々な種類が存在する。そのためヘアスタイリング剤を塗布した後に髪を洗うと、シリコーン油、アルコール等が原因で、頭髪洗浄料が本来有する泡立ちや洗浄効果が阻害されてしまう傾向があった。その対応としてポリオキシエチレンジカルボン酸エステルの配合(例えば、特許文献2を参照)、及びアルキレンオキシド誘導体を配合する方法(例えば、特許文献3を参照)等が知られている。
しかしながらこれらのいずれの方法によっても、洗髪乾燥後の髪のごわつき感、櫛通りが十分とは言えず、更なる改善が望まれていた。
【0006】
【特許文献1】特開昭55−38813号公報
【特許文献2】特開2001−226234号公報
【特許文献3】特開2003−160449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の事情に鑑み行われたものであり、その課題は使用後の乾燥時における髪の感触、特になめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても、泡立ちや洗浄効果に優れた頭髪洗浄組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体とココイルメチルタウリンナトリウムと、特定のアミドアミン型両性界面活性剤を頭髪洗浄組成物に配合することにより、使用後の乾燥時における髪の感触、特になめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても、優れた泡立ちや洗浄効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明の頭髪洗浄組成物は、下記の式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜15質量%と、ココイルメチルタウリンナトリウム0.1〜20質量%と、下記の式(II)または(III)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤0.1〜15質量%とを含むことを特徴とする。
【化4】

(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×k、b×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基、炭素数3〜6のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、0≦a×k≦100、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし(a+c)×k>1である。式(I)中の全オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対する、式(I)中の全オキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【化5】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;lは1〜3の整数を表わす)を表し;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;m及びnは各々1〜3の整数を表す。)
【化6】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;rは1〜3の整数を表わす)を表わし;Rは水素原子または(CHCOOY(ここでYはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;sは1〜3の整数を表わす)を表わし;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;p、qは1〜3の整数を表わす。)
【0010】
前記頭髪洗浄組成物において、上記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることが好適である。
また、前記頭髪洗浄組成物において、上記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のaが0であり、AOとEOの付加順序が、式中のYに対して、(AO)−(EO)であることが好適である。
【0011】
前記頭髪洗浄組成物は、ヘアシャンプーであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜15質量%とココイルメチルタウリンナトリウム0.1〜20質量%と、特定のアミドアミン型両性界面活性剤0.1〜15質量%とを頭髪洗浄組成物に配合することにより、使用後の乾燥時における髪の感触、特になめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても優れた泡立ちや洗浄効果を有する頭髪洗浄組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明において、「頭髪洗浄組成物」とは、頭皮頭髪において使用する、洗浄効果が認められる組成物を意味するものであり、頭髪の洗浄作用がない、単なるヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等は除外するものとする。ただし、本発明の「頭髪洗浄組成物」の範囲は、その頭髪洗浄組成物の洗浄効果があるか否かによって区別されるものであり、商品名によって区別されるものではない。例えば、洗浄作用が認められる、リンスインシャンプー等も本発明の「頭髪洗浄組成物」に含まれる。
<ブロック型アルキレンオキシド誘導体>
本発明にかかる頭髪洗浄組成物は、下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を含むものである。
【化7】

【0014】
上記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であり、kは前記多価アルコールの水酸基数であり3〜6である。3〜6個の水酸基を有する化合物としては、k=3であるグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキシレングリコール、k=4であるエリスリトール、ペンタエリスリトール、k=5であるキシリトール、k=6であるソルビトール、イノシトールが挙げられる。本発明にかかる頭髪洗浄組成物に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、前記の3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの1種または2種以上の混合物の水酸基を除いた残基を基本骨格とする。
本発明において、Yが3〜4個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基であることがより好ましく、すなわち、3≦k≦4を満たすことが好適である。kが2以下であると、頭髪洗浄組成物に配合した場合に使用後の乾燥時におけるなめらかさが劣る傾向にあり、kが7以上であるとべたつき感を生じる傾向にある。
【0015】
EOは、炭素数2のオキシエチレン基である。AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基であり、さらに好ましくはオキシブチレン基である。
【0016】
b×kはAOの平均付加モル数であり、1≦b×k≦100、好ましくは3≦b×k≦70である。a×k及びc×kはEOの平均付加モル数であり、0≦a×k≦100、0≦c×k≦100であり、好ましくは3≦a×k≦70、3≦c×k≦70である。また、前記式(I)中の全オキシエチレン基の平均付加モル数の好ましい範囲は、1<(a+c)×k≦200であり、さらに好ましくは6≦(a+c)×k≦140である。AOは本発明にかかるブロック型アルキレンオキシド誘導体において疎水性部位となり、b×kが0であると、頭髪洗浄組成物に配合した場合に安定性に劣る傾向にあり、100を越えると使用後の乾燥時になめらか感に劣る傾向がある。また、a×kもしくはc×kが0であると、頭髪洗浄組成物に配合した場合に安定性に劣る傾向にあり、100を越えるとべたつき感を生じる傾向にある。
【0017】
前記式(I)中のAOとEOの合計に対する前記式(I)中の全EOの割合は10〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%である。10質量%より小さいと使用後の乾燥時になめらか感に劣る傾向にあり、80質量%より大きいとべたつき感が生じる傾向にある。
また、AOとEOの付加形態はブロック状であり、付加順序は式中のYに対して、(AO)−(EO)の順、(EO)−(AO)の順、(EO)−(AO)−(EO)の順のいずれであってもよい。本発明においては、式中のYに対して(AO)−(EO)の順であることが特に好ましい。式中のYに対して(AO)−(EO)の順となる場合、式中のaは0であることに相当する。
【0018】
Rは炭素数1〜4の炭化水素基で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。本発明においてはメチル基、エチル基であることが好ましい。炭素数が5より大きいと、使用後の乾燥時になめらか感に劣る傾向にある。また、本発明にかかる頭髪洗浄組成物に配合されるブロック型アルキレンオキシド誘導体において、Rは1分子中、同一であっても又は異なっていてもよく、1分子中において同一のRを有するブッロク型アルキレンオキシド誘導体1種、または異なるRを有する2種以上の混合物であってもよい。
【0019】
本発明にかかる頭髪洗浄組成物に配合されるアルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOB(30)POE(30)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリメチルエーテル、POB(17)POE(28)グリセリルトリメチルエーテル、POB(27)POE(45)グリセリルトリメチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリメチルエーテル、POB(22)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(19)POE(55)グリセリルトリメチルエーテル、POB(40)POE(80)グリセリルトリメチルエーテル、POB(80)POE(40)グリセリルトリメチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(35)グリセリルトリエチルエーテル、POB(14)POE(34)グリセリルトリエチルエーテル、POB(30)POE(30)グリセリルトリプロピルエーテル、POE(30)POP(30)グリセリルトリメチルエーテル、POE(35)POP(40)グリセリルトリメチルエーテル、POE(41)POP(48)グリセリルトリメチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
【0020】
本発明にかかる頭髪洗浄組成物に配合されるアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している多価アルコールに対して、エチレンオキシドおよび炭素数3〜6のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
【0021】
本発明にかかる頭髪洗浄組成物において、上述の特定構造を有するアルキレンオキシド誘導体の配合量は、組成物全量中0.01〜15質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。0.01質量%未満では配合による効果の発現が十分ではない場合があり、また15質量%を超えると使用後の乾燥時にごわつき感を生じる場合がある。
【0022】
<ココイルメチルタウリンナトリウム>
本発明にかかる頭髪洗浄組成物には、界面活性剤としてココイルメチルタウリンナトリウムを配合することが好ましい。ココイルメチルタウリンナトリウムの配合量は頭髪洗浄組成物全量中0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。0.1質量%未満ではスタイリング剤を塗布した頭髪に対して洗髪した場合、泡立ちが劣る傾向があり、また20質量%を超えて配合すると、使用後の乾燥時にきしみ若しくはぬめり感を生じる場合がある。
【0023】
<アミドアミン型両性界面活性剤>
本発明にかかる頭髪洗浄組成物には、界面活性剤としてさらにアミドアミン型両性界面活性剤を配合することが好ましい。本発明で用いるアミドアミン型両性界面活性剤は、下記一般式(II)および(III)で示される。
【化8】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;lは1〜3の整数を表わす)を表し;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;m及びnは各々1〜3の整数を表す。)
【化9】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;rは1〜3の整数を表わす)を表わし;Rは水素原子または(CHCOOY(ここでYはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;sは1〜3の整数を表わす)を表わし;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;p、qは1〜3の整数を表わす。)
【0024】
上記式(II)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤において、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし、RCOとしては、例えばC19CO、C1123CO、C1327CO、C1531CO、C1735CO、C1325CO、C1529CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が挙げられる。また、Zは水素原子または(CHCOOYである。Zが(CHCOOYの場合、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし、具体的にはリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。また、lは1〜3の整数である。
さらに、Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。また、m及びnは各々1〜3の整数である。
【0025】
上記式(II)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤として、具体的にはN−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ミリストイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−パルミトイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンマグネシウム等が挙げられる。
【0026】
また、上記式(III)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤において、上記式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし、RCOとしては、例えばC19CO、C1123CO、C1327CO、C1531CO、C1735CO、C1325CO、C1529CO、ココヤシ脂肪酸残基、パームヤシ脂肪酸残基等が挙げられる。Zは水素原子または(CHCOOYである。また、Rは水素原子または(CHCOOYである。
が(CHCOOYの場合、あるいはRが(CHCOOYの場合、Y、Yはそれぞれアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし、具体的にはリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。rおよびsはそれぞれ1〜3の整数である。
さらに、Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし、具体的にはリチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示される。pおよびqはそれぞれ1〜3の整数である。
【0027】
上記式(III)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤として、具体的にはN−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ミリストイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−パルミトイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ステアロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンカルシウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミンマグネシウム、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシメチル)エチレンジアミントリエタノールアミン等が挙げられる。
【0028】
本発明にかかる頭髪洗浄組成物において、上記式(II)および(III)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤の配合量は、頭髪組成物全量中0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。0.1質量%未満ではスタイリング剤を塗布した頭髪に対して洗髪した場合に洗浄効果が十分に発揮されない場合があり、また20質量%を超えて配合すると、使用後の乾燥時にぬめり感を生じる場合がある。
【0029】
本発明にかかる頭髪洗浄組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬部外品の頭髪洗浄組成物に用いられる成分を適宜配合することができる。以下に具体的な配合可能成分を列挙する。上記特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体とココイルメチルタウリンナトリウムと特定のアミドアミン型両性界面活性剤を好適な配合量範囲内で含む組成物に、さらに下記成分の1種又は2種以上とを配合して本発明の頭髪洗浄組成物を調製することができる。
【0030】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0031】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0032】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0033】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0034】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0035】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0036】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0037】
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0038】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0039】
また、本発明にかかる頭髪洗浄組成物には、前述以外の各種界面活性剤を本発明の効果を損ねない範囲で配合してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0040】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N'−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0041】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0042】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0043】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0044】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0045】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0046】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0047】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4'−フェニル-ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4'−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;2−メトキシ−2'−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0048】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0049】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POEテトラハイドロフルフリルアルコール;POPブチルエーテル;POP・POEブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POPグリセリンエーテル;POPグリセリンエーテルリン酸;POP・POEペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0050】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0051】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0052】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0053】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0054】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0055】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β−ブトキシエステル、ミノキシジル又はその類縁体、ビタミンE類、γ−オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN−オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体等);各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等);抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
【0056】
本発明の頭髪洗浄組成物は、頭髪の洗浄を目的として頭皮頭髪に適用されるものを意味し、その剤型も水溶液系、乳化系、ゲル系など幅広い形態をとり得る。
【実施例1】
【0057】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%で示す。
まず最初に、以下の実施例で用いた頭髪洗浄組成物の評価方法について説明する。頭髪洗浄組成物は、ヘアスタイリング剤(N−メタクリロイルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(商品名;ユカフォーマーSM);20%、エタノール;30%、プロピレングリコール;5%、精製水;45%)を塗布して2時間後の頭髪に対して適用した。
また、コントロールとして用いた頭髪洗浄組成物(シャンプー)の組成は以下の通りである。
コントロールシャンプーの組成
成 分 (質量%)
(1)ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10.0
(2)ヤシ脂肪酸モノタエノールアミド 2.0
(3)安息香酸ナトリウム 0.5
(4)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
(5)香料 適量
(6)精製水 残余
【0058】
評価(1):洗髪乾燥後の頭髪のなめらかさ
洗髪後に自然乾燥し、その後の髪のなめらかさについて、専門パネラー10名により、以下に示す試験例の頭髪洗浄組成物、及び上記コントロールシャンプーを実使用してもらい、下記点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロールシャンプーを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い評価結果とした。
採点基準
+3:コントロールシャンプーに比べて、非常になめらかと感じる。
+2:コントロールシャンプーに比べて、なめらかと感じる。
+1:コントロールシャンプーに比べて、ややなめらかと感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロールシャンプーに比べて、なめらかとあまり感じない。
−2:コントロールシャンプーに比べて、なめらかと感じない。
−3:コントロールシャンプーに比べて、なめらかと全く感じない。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0059】
評価(2):洗髪乾燥後の頭髪のごわつきのなさ
洗髪後に自然乾燥し、その後の頭髪のごわつきのなさについて、専門パネラー10名により、以下に示す試験例の頭髪洗浄組成物、及び上記コントロールシャンプーを実使用してもらい、下記点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロールシャンプーを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い評価結果とした。
採点基準
+3:コントロールシャンプーに比べて、ごわつきを全く感じない。
+2:コントロールシャンプーに比べて、ごわつきを感じない。
+1:コントロールシャンプーに比べて、ごわつきをあまり感じない。
0:どちらともいえない。
−1:コントロールシャンプーに比べて、ややごわつきを感じる。
−2:コントロールシャンプーに比べて、ごわつきを感じる。
−3:コントロールシャンプーに比べて、非常にごわつきを感じる。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0060】
評価(3):洗髪乾燥後の櫛通りのよさ
洗髪後に自然乾燥し、その後の頭髪の櫛通りのよさについて、専門パネラー10名により、以下に示す試験例の頭髪洗浄組成物、及び上記コントロールシャンプーを実使用してもらい、下記点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロールシャンプーを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い評価結果とした。
採点基準
+3:コントロールシャンプーに比べて、非常に櫛通りが良いと感じる。
+2:コントロールシャンプーに比べて、櫛通りが良いと感じる。
+1:コントロールシャンプーに比べて、やや櫛通りが良いと感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロールシャンプーに比べて、やや櫛通りが良くないと感じる。
−2:コントロールシャンプーに比べて、櫛通りが良くないと感じる。
−3:コントロールシャンプーに比べて、非常に櫛通りが良くないと感じる。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0061】
評価(4):起泡力試験
70ppmの塩化カルシウム水溶液に、下記試験例の各処方を2%ずつ溶かし、この溶液それぞれ400mLをミキサーで攪拌して60秒後の泡の高さを計測し、これを起泡力とした。評価基準は以下の通りである。
評価基準
A:2400mL以上
B:2000mL以上、2400mL未満
C:1500mL以上、2000mL未満
D:1500mL未満
【0062】
評価(5):洗髪中の泡立ち
洗髪中の泡立ちについて、専門パネラー10名により、以下に示す試験例の頭髪洗浄組成物、及び上記コントロールシャンプーを実使用してもらい、下記点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロールシャンプーを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い評価結果とした。
採点基準
+3:コントロールシャンプーに比べて、非常に泡立ちが良いと感じる。
+2:コントロールシャンプーに比べて、泡立ちが良いと感じる。
+1:コントロールシャンプーに比べて、やや泡立ちが良いと感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロールシャンプーに比べて、やや泡立ちが良くないと感じる。
−2:コントロールシャンプーに比べて、泡立ちが良くないと感じる。
−3:コントロールシャンプーに比べて、非常に泡立ちが良くないと感じる。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0063】
評価(6):洗浄効果
洗髪後に頭髪の洗浄効果について、専門パネラー10名により、以下に示す試験例の頭髪洗浄組成物、及び上記コントロールシャンプーを実使用してもらい、下記点数判定を行ってもらう。ここで、点数判定は、コントロールシャンプーを0として実施する。なお、各パネルによる点数の総和をパネル人数で割った平均値を算出し、下記評価基準に従い評価結果とした。
採点基準
+3:コントロールシャンプーに比べて、非常に洗浄効果があると感じる。
+2:コントロールシャンプーに比べて、洗浄効果があると感じる。
+1:コントロールシャンプーに比べて、やや洗浄効果があると感じる。
0:どちらともいえない。
−1:コントロールシャンプーに比べて、やや洗浄効果が劣ると感じる。
−2:コントロールシャンプーに比べて、洗浄効果が劣ると感じる。
−3:コントロールシャンプーに比べて、非常に洗浄効果が劣ると感じる。
評価基準
A:パネル10名の平均値が、+1.5点以上
B:パネル10名の平均値が、0点以上+1.5点未満以上
C:パネル10名の平均値が、−1.5点以上0点未満
D:パネル10名の平均値が、−1.5点未満
【0064】
下記表に示す配合組成において、頭髪洗浄組成物を常法により調製し、前記評価項目(1)〜(6)について評価試験を行った。
まず最初に、従来のシャンプーに配合される特定成分を配合した組成物と、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した頭髪洗浄組成物との比較試験結果を下記表1に示す。
なお、下記表中のブロック型アルキレンオキシド誘導体は、以下の式(IV)の構造を有するものとする。例えば、a+c+e=30、b+d+f=30の場合は、(BO)30(EO)30と表記する。
【化10】

【0065】
【表1】

【0066】
上記表1の結果から明らかなように、従来シャンプー品に、使用後の頭髪のなめらさかの向上のために配合されるコハク酸ジエトキシエチル、サクシノグルカンを含む試験例1〜3は、コントロールシャンプーに比べて良好な使用性を有するものの、十分に満足いくものではない。さらに、洗浄効果にも改善すべき点がみられた。
また、CHO−[(EO)10/(PO)10]CHで表されるアルキレンオキシド誘導体を配合した試験例4および5では、概ね良好は評価結果が得られた。しかしならが、それとは異なる構造である、特定のブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した試験例6では、さらに良好な評価結果が得られた。
【0067】
以上の結果より、特定構造のアルキレンオキシド誘導体を配合すると、特に洗髪後のなめらかさ、ごわつきのなさ等の使用感において極めて優れた結果が得られることが明らかとなった。
そこで、本発明者らは配合するアルキレンオキシド誘導体について検討を行った。その結果を下記表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
上記表2の結果から明らかなように、オキシエチレン部のみであるアルキレンオキシド誘導体配合の試験例13は、洗髪後のなめらかさ、ごわつき、泡立ち、洗浄効果の点が劣り、またオキシブチレン部のみであるアルキレンオキシド誘導体配合試験例14は、ごわつき、泡立ちの点で劣るものであった。
さらにアルキレンオキシド誘導体の末端が水素であるものを配合した試験例15では、洗髪後のなめらかさ、ごわつき、櫛通りの点が十分ではない。またランダム型のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例16)、洗髪後の髪のごわつきが認められた。
【0070】
一方、試験例7〜12に配合される各種ブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した試験例においては、(1)〜(6)のいずれの評価において優れたものであった。特に試験例7〜10は、洗髪後のなめらかさ、ごわつきのなさにおいて極めて優れたものであった。
次に、頭髪洗浄組成物における界面活性剤の種類による影響について検討した。その結果を下記表3に示す。
【0071】
【表3】

【0072】
上記表3の結果から明らかなように、特定のブロック型アルキレンオキシド誘導体と、各種アニオン性界面活性剤を組み合わせた場合(試験例17〜20)、特に洗髪乾燥後のごわつき感において劣る結果となった。ただし、アニオン性界面活性剤としてココイルメチルタウリンナトリウムを用いた場合には、使用感の評価が優れることは、前記表1及び2の結果から明らかである。
試験例22のように、ココイルメチルタウリンナトリウムを配合しても両性界面活性剤を配合しない場合には、ごわつき感が改善されなかった。また、ココイルメチルタウリンナトリウムと両性界面活性剤を配合し、特定のブロック型アルキレンオキシド誘導体無配合の場合には(試験例21)、評価全体が劣るものであった。
【0073】
以上の結果から、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体とココイルメチルタウリン、さらに両性界面活性剤を配合した場合、使用後の乾燥時における髪の感触、特になめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても泡立ちや洗浄効果が良好であることが分かった。
次に、頭髪洗浄組成物における特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体の好適な配合量の検討結果を下記表4に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
上記表4の結果より、特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、0.01質量%程度から認められるが、特に顕著に認められるのは0.1質量%以上である。ただし20.0質量%以上になると、やや洗髪乾燥後ごわつきが若干生じ始めるので、10質量%程度までの配合が特に好ましい。したがって特定構造を有するブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、0.01〜15.0質量%、更には0.1〜10.0質量%が好適である。
【0076】
以下、前述の試験例の頭髪洗浄組成物に配合した各種アルキレンオキシド誘導体の一部の合成例を示す。
<合成例1>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)トリメチルグリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が49、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.008であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0077】
<合成例2>
ポリオキシエチレン(57モル)トリメチルグリセリルエーテル(アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド2508gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が66、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.60.009であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【0078】
<合成例3>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)グリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
【0079】
<合成例4>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)トリブチルグリセリルエーテル(ブロック型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gを滴下させ、2時間攪拌した。続いて、滴下装置によりエチレンオキシド1320gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム800gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化ブチル1200gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が50、アルキレンオキシド誘導体1の水酸基価が1.5、末端ブチル基数に対する水素原子数の割合は0.03であり、ほぼ完全に水素原子がブチル基に変換されている。
【0080】
<合成例5>
ポリオキシブチレン(30モル)ポリオキシエチレン(30モル)グリセリルエーテル(ランダム型アルキレンオキシド誘導体)の合成
グリセリン92gと触媒として水酸化カリウム18gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド2160gとエチレンオキシド1320gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム400gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル300gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7に調整し、含有する水分を除去するため減圧−0.088MPa(ゲージ圧)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ランダム型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が47、得られたランダム型アルキレンオキシド誘導体5の化合物の水酸基価が0.5、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.011であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
【実施例2】
【0081】
以下に本発明の頭髪洗浄組成物の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。なお、常法によって調製した下記の頭髪洗浄組成物は、使用後の乾燥時における髪の感触、特になめらかさ、ごわつきのなさに優れ、スタイリング剤を塗布した頭髪に対しても泡立ちや洗浄効果が良好であった。
【0082】
処方例1:ヘアシャンプー
(配合成分) (質量%)
POB(30)POE(30)トリブチルグリセリルエーテル 3.0
【化11】

(上記式(IV)中、a+c+e=30、b+d+f=30、R,R,RはCであり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
ココイルメチルタウリンナトリウム 20.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 3.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 4.0
エチレングリコールジステアレート 2.5
1,3−ブチレングリコール 1.0
安息香酸ナトリウム 0.5
色剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
【0083】
処方例2:ヘアシャンプー
(配合成分) (質量%)
POB(30)POE(30)トリメチルグリセリルエーテル 8.0
(上記式(IV)中、a+c+e=30、b+d+f=30、R,R,RはCHであり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
ココイルメチルタウリンナトリウム 12.0
ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインナトリウム 7.0
カチオン化セルロースエーテル 2.0
色剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
【0084】
処方例3:ヘアシャンプー
(配合成分) (質量%)
POB(30)POE(35)トリエチルグリセリルエーテル 7.0
(上記式(IV)中、a+c+e=30、b+d+f=30、R,R,RはCであり、BOはオキシブチレン基、EOはオキシエチレン基を示す。)
ココイルメチルタウリンナトリウム 8.0
N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム 8.0
エチレングリコールジステアレート 2.5
ジプロピレングリコール 3.0
安息香酸ナトリウム 0.5
香料 適 量
精製水 残 余

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.01〜15質量%と、ココイルメチルタウリンナトリウム0.1〜20質量%と、下記の式(II)または(IIII)で示されるアミドアミン型両性界面活性剤0.1〜15質量%とを含むことを特徴とする頭髪洗浄組成物。
【化1】

(式中、Yは3〜6個の水酸基を有する多価アルコールの水酸基を除いた残基、kは前記多価アルコールの水酸基数、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜6のオキシアルキレン基でそれぞれブロック状に付加されている。a×k、b×kおよびc×kはそれぞれオキシエチレン基、炭素数3〜6のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数であり、0≦a×k≦100、1≦b×k≦100、0≦c×k≦100、ただし(a+c)×k>1である。式(I)中の全オキシエチレン基と炭素数3〜6のオキシアルキレン基の合計に対する、式(I)中の全オキシエチレン基の割合は、10〜80質量%である。Rは炭素数1〜4の炭化水素基である。)
【化2】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;lは1〜3の整数を表わす)を表し;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;m及びnは各々1〜3の整数を表す。)
【化3】

(式中、Rは平均炭素原子数7〜19の飽和または不飽和の炭化水素基を表わし;Zは水素原子または(CHCOOY(ここで、Yはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;rは1〜3の整数を表わす)を表わし;Rは水素原子または(CHCOOY(ここでYはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;sは1〜3の整数を表わす)を表わし;Mはアルカリ金属類、アルカリ土類金属類または有機アミン類を表わし;p、qは1〜3の整数を表わす。)
【請求項2】
請求項1に記載の頭髪洗浄組成物において、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のAO基がオキシブチレン基であることを特徴とする頭髪洗浄組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の頭髪洗浄組成物において、前記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体のaが0であり、AOとEOの付加順序が、式中のYに対して、(AO)−(EO)であることを特徴とする頭髪洗浄組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の頭髪洗浄組成物がヘアシャンプーであることを特徴とする頭髪洗浄組成物。

【公開番号】特開2008−133214(P2008−133214A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320151(P2006−320151)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】