説明

頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤および含窒素環状置換基を有するモルヒナン誘導体

本発明は、一般式(I)


[式中Rはメチル、シクロプロピルメチルなど、RおよびRはヒドロキシ、メトキシ、アセトキシなど、Y、Zは共に原子価結合、共に−C(=O)−など、Xは環構造の一部になる炭素数2から5の炭素鎖(うち一つは酸素、硫黄、窒素に置換していてもよい)など、(Rは置換または無置換のベンゼン縮合環、カルボニル基など、Rは水素などR10、R11は結合して−O−など、Rは水素など]で表される含窒素環状構造を有するモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩、およぴ該誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分とする頻尿または尿失禁の治療または予防剤、さらに該疾患のための治療または予防方法、該疾患のための使用を提供する。
本発明の化合物は、副作用が分離された新規な頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤として、さらに該疾患のための治療または予防方法、該疾患のための使用に有用である。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)

[式中Rは水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数6から8のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数3から7のアルケニル、フラニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、チエニルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)、またはピリジルアルキル(アルキル部の炭素数は1から5)を表し、R、Rはそれぞれ別個に水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、炭素数3から7のアルケニロキシ、炭素数7から13のアラルキロキシ、または炭素数1から5のアルカノイロキシを表し、Y、Zは独立して原子価結合、または−C(=O)−を表し、−X−は環構造の一部になる炭素数2から7の炭素鎖(ただしそのうち1以上の炭素原子が窒素、酸素、または硫黄原子で置き換わっていてもよく、炭素鎖には不飽和結合が含まれていてもよい)を表し、kは0から8の整数を表し、Rは含窒素環状構造上のk個の置換基であり、それぞれ別個にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル炭素数7から13のシクロアルキルアルキル、炭素数6から12のアリール、炭素数7から13のアラルキル、炭素数7から13のアラルキロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、(CHN(R)CORを表すか、k個のRのうち、同一の炭素原子または硫黄原子に結合した2個のRが一つの酸素原子となってカルボニル基またはスルホキシド基を、同一の炭素原子に結合した2個のRが一つの硫黄原子となってチオカルボニル基を、同一の硫黄原子に結合した4個のRが2個の酸素原子となりスルホン基を表すか、またはk個のRのうち隣接する炭素にそれぞれ置換する2個のRが一緒になって無置換または1以上の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環、ピリジン縮合環、ナフタレン縮合環、シクロプロパン縮合環、シクロブタン縮合環、シクロペンタン縮合環、シクロペンテン縮合環、シクロヘキサン縮合環、シクロヘキセン縮合環、シクロヘプタン縮合環、またはシクロヘプテン縮合環を表し、Rはそれぞれ別個に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭素数6から12のアリール、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、(CHN(R)CORを表し、Rは水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数1から5のアルケニル、炭素数7から13のアラルキル、炭素数1から3のヒドロキシアルキル、(CHOR、または(CHCOを表し、R10、R11は結合して−O−、−S−、または−CH−を表すか、または、R10が水素で、R11が水素、ヒドロキシ、炭素数1から5のアルコキシ、または炭素数1から5のアルカノイロキシを表し、pは0から5の整数を表し、Rは水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数3から7のアルケニル、炭素数6から12のアリール、または炭素数7から13のアラルキルを表し、R、Rはそれぞれ別個に水素、炭素数1から5のアルキル、または炭素数7から13のアラルキルを表す]で示される含窒素環状置換基を有するモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩を有効成分として含有する頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項2】
一般式(I)において、Y、Zのどちらか一方のみが−C(=O)−であり、他方は原子価結合である請求項1記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項3】
一般式(I)において、Y、Zがともに−C(=O)−である請求項1記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項4】
一般式(I)において、Rが水素、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数6から8のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、または炭素数3から7のアルケニルであり、隣接する炭素にそれぞれ置換する2個のRが一緒になって無置換または1以上の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環、ピリジン縮合環、ナフタレン縮合環、シクロプロパン縮合環、シクロブタン縮合環、シクロペンタン縮合環、シクロペンテン縮合環、シクロヘキサン縮合環、シクロヘキセン縮合環、シクロヘプタン縮合環、もしくはシクロヘプテン縮合環を形成する請求項3記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項5】
一般式(I)において、Rが水素、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、アリル、またはプレニルであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、kが0から6の整数であり、2個のRが一緒になって無置換または1から4個の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環であり、Rがそれぞれ別個に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フェニル、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、または(CHN(R)CORであり、pが0から5の整数であり、Rが水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルであり、R、Rがそれぞれ別個に水素、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであり、Rが水素、またはメチルであり、R10、R11が結合して−O−であるか、またはR10が水素で、R11が水素、ヒドロキシ、またはメトキシである請求項3記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項6】
一般式(I)において、Y、Zがともに原子価結合である請求項1記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項7】
一般式(I)において、Rが水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数7から13のアラルキル、フラニルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)、チエニルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)、またはピリジルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)であり、隣接する炭素にそれぞれ置換する2個のRが一緒になって無置換または1以上の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環、ピリジン縮合環、ナフタレン縮合環、シクロプロパン縮合環、シクロブタン縮合環、シクロペンタン縮合環、シクロペンテン縮合環、シクロヘキサン縮合環、シクロヘキセン縮合環、シクロヘプタン縮合環、もしくはシクロヘプテン縮合環を形成する請求項6記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項8】
一般式(I)において、Rが水素、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、2−フラニルメチル、2−フラニルエチル、2−フラニルプロピル、3−フラニルメチル、3−フラニルエチル、3−フラニルプロピル、2−チオフェニルメチル、2−チオフェニルエチル、2−チオフェニルプロピル、3−チオフェニルメチル、3−チオフェニルエチル、3−チオフェニルプロピル、2−ピリジニルメチル、2−ピリジニルエチル、2−ピリジニルプロピル、3−ピリジニルメチル、3−ピリジニルエチル、3−ピリジニルプロピル、4−ピリジニルメチル、4−ピリジニルエチル、または4−ピリジニルプロピルであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、kが0から6の整数であり、2個のRが一緒になって無置換または1から4個の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環であり、他のRがそれぞれ別個に、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであるか、同一の炭素原子に結合した2個のRが一つの酸素原子となったカルボニル基であり、Rがそれぞれ別個に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フェニル、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、または(CHN(R)CORであり、pが0から5の整数であり、Rは水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルであり、R、Rがそれぞれ別個に水素、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであり、Rが水素、またはメチルであり、R10、R11が結合して−O−であるか、またはR10が水素で、R11が水素、ヒドロキシ、またはメトキシである請求項6記載の頻尿もしくは尿失禁の治療または予防剤。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の含窒素環状置換基を有するモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩を用いた頻尿、尿意切迫もしくは尿失禁のための治療または予防方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載の含窒素環状置換基を有するモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩を用いた頻尿、尿意切迫もしくは尿失禁のための使用。
【請求項11】
一般式(II)

[式中、R、R、R、R、R10、R11は前記定義に同じであり、R4’、X’、Y’、Z’、k’は前記R、X、Y、Z、kと同一の定義を表すが、Y’、Z’が同時に原子価結合でX’が−(CH−、−(CH−、−(CH−O−(CH−の場合k’は1以上でなければならず、また、Y’、Z’が同時に−C(=O)−でX’が2個の炭素よりなる環構造構成鎖の場合k’は1以上でなければならず、中でも(R4’)k’がベンゼン縮合環である場合は、該ベンゼン環はRで置換されていなければならない]で示される含窒素環状置換基を有するモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項12】
一般式(II)において、Y’、Z’のどちらか一方のみが−C(=O)−であり、他方は原子価結合である請求項11記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項13】
一般式(II)において、Y’、Z’がともに−C(=O)−である請求項11記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項14】
一般式(II)において、Rが水素、炭素数4から7のシクロアルキルアルキル、炭素数6から8のシクロアルケニルアルキル、炭素数6から12のアリール、または炭素数3から7のアルケニルを表し、隣接する炭素にそれぞれ置換する2個のR4’が一緒になって無置換または1以上の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環、ピリジン縮合環、ナフタレン縮合環、シクロプロパン縮合環、シクロブタン縮合環、シクロペンタン縮合環、シクロペンテン縮合環、シクロヘキサン縮合環、シクロヘキセン縮合環、シクロヘプタン縮合環、もしくはシクロヘプテン縮合環を形成する請求項13記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項15】
一般式(II)において、Rが水素、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、アリル、またはプレニルであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、k’が0から6の整数であり、2個のR4’が一緒になって無置換または1から4個の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環であり、Rがそれぞれ別個に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フェニル、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、または(CHN(R)CORであり、pが0から5の整数であり、Rが水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルであり、R、Rがそれぞれ別個に水素、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであり、Rが水素、またはメチルであり、R10、R11が結合して−O−であるか、またはR10が水素で、R11が水素、ヒドロキシ、またはメトキシである請求項13記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項16】
一般式(II)において、Y’、Z’がともに原子価結合である請求項11記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項17】
一般式(II)において、Rが水素、炭素数1から5のアルキル、炭素数7から13のアラルキル、フラニルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)、チエニルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)、またはピリジルアルキル(ただしアルキル部の炭素数は1から5)であり、隣接する炭素にそれぞれ置換する2個のR4’が一緒になって無置換または1以上の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環、ピリジン縮合環、ナフタレン縮合環、シクロプロパン縮合環、シクロブタン縮合環、シクロペンタン縮合環、シクロペンテン縮合環、シクロヘキサン縮合環、シクロヘキセン縮合環、シクロヘプタン縮合環、もしくはシクロヘプテン縮合環を形成する請求項16記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項18】
一般式(II)において、Rが水素、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、2−フラニルメチル、2−フラニルエチル、2−フラニルプロピル、3−フラニルメチル、3−フラニルエチル、3−フラニルプロピル、2−チオフェニルメチル、2−チオフェニルエチル、2−チオフェニルプロピル、3−チオフェニルメチル、3−チオフェニルエチル、3−チオフェニルプロピル、2−ピリジニルメチル、2−ピリジニルエチル、2−ピリジニルプロピル、3−ピリジニルメチル、3−ピリジニルエチル、3−ピリジニルプロピル、4−ピリジニルメチル、4−ピリジニルエチル、または4−ピリジニルプロピルであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アリルオキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、Rが、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、アセトキシまたはプロピオノキシであり、k’が0から6の整数であり、2個のR4’が一緒になって無置換または1から4個の置換基Rで置換されたベンゼン縮合環であり、他のR4’がそれぞれ別個に、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであるか、同一の炭素原子に結合した2個のR4’が一つの酸素原子となったカルボニル基であり、Rがそれぞれ別個に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ニトロ、メチル、エチル、プロピル、ベンジル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、フェニル、イソチオシアナト、SR、SOR、SO、(CHOR、(CHCOR、(CHCO、SONR、CONR、(CHNR、または(CHN(R)CORであり、pが0から5の整数であり、Rは水素、メチル、エチル、プロピル、またはフェニルであり、R、Rがそれぞれ別個に水素、メチル、エチル、プロピル、またはベンジルであり、Rが水素、またはメチルであり、R10、R11が結合して−O−であるか、またはR10が水素で、R11が水素、ヒドロキシ、またはメトキシである請求項16記載のモルヒナン誘導体、またはその薬理学的に許容される酸付加塩。
【請求項19】
請求項11から18のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する医薬。
【請求項20】
請求項11から18のいずれか1項に記載のモルヒナン誘導体またはその薬理学的に許容される酸付加塩を含有する医薬組成物。

【国際公開番号】WO2004/033457
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【発行日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542845(P2004−542845)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012890
【国際出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】