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顔料分散剤およびこれを含む顔料組成物
説明

顔料分散剤およびこれを含む顔料組成物

【課題】インキなどの製造に際し、インキ中などに分散した顔料粒子の凝集を防止し、流動性に優れ、安定したインキなどの製造を可能にする顔料分散剤の提供。
【解決手段】一般式(I)の化合物からなることを特徴とする顔料分散剤およびそれを用いた顔料組成物。


(R〜Rは、H、ハロゲンまたはアルキル基、Mは、H、金属、アンモニウム基またはアミン基、nは、0.1〜3の数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料分散剤およびそれを用いた顔料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顔料を、塗料、グラビアインキ、オフセットインキなどのビヒクルに混合分散させる際には、顔料を安定してビヒクル中に分散させることが難しく、ビヒクル中に一旦分散した微細な顔料粒子は、そのビヒクル中で凝集する傾向があり、その結果、顔料が分散されたビヒクルの粘度の上昇、或いは該顔料が分散されたビヒクルを使用したインキや塗料の着色力の低下や塗膜のグロスの低下などを生ずることとなる。
【0003】
例えば、カラーフィルター用顔料分散液は、その顔料分が通常5〜10質量%の範囲にあるにも拘らず、その分散状態は顔料粒子同士が凝集せず、かつ5〜20mPa・s程度の低粘度で貯蔵安定性に優れたものでなければならない。これらの問題点を解決するために、特許文献1や特許文献2では、緑色顔料に対しフタロシアニンブルー系顔料の誘導体、赤色顔料に対しアンサンスロン系顔料の誘導体を顔料の分散剤として添加することにより顔料の凝集を防ぎ、均一な顔料分散液を得ることができる旨を提案している。
【特許文献1】特開昭60−237403号公報
【特許文献2】特開昭60−247603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、液晶表示装置もパーソナルコンピューターのモニターからカラーテレビジョンのカラーディスプレー用にと拡大し、カラーフィルターに対してもさらなる性能向上の要請が高まり、着色画素の透明性の改善や、着色画素の透過光のコントラストのアップや、着色画素の顔料分を高める必要が生じてきた。しかしながら、上記顔料誘導体を使用する方法では、顔料の分散性向上による着色画素の透明性の改良や、顔料濃度が高くなることによる粘度の増大および貯蔵安定性の低下を防止することは困難であり、これらの改善が要望されている。
【0005】
従って、本発明の目的は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記用具用インキ、カラーフィルター用着色剤などの製造に際し、これらのインキ中などに分散した顔料粒子の凝集を防止し、流動性に優れ、安定した上記インキなどの製造を可能にする顔料分散剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.下記の一般式(I)で表される化合物からなることを特徴とする顔料分散剤。

(但し、式(I)中のR1、R2、R3は同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であり、Mは水素原子、金属、アンモニウム基またはアミン基であり、nはスルホン基の平均導入個数であり、0.1〜3の数である。)
【0007】
2.顔料と分散剤とからなる顔料組成物において、分散剤が前記1に記載の顔料分散剤であることを特徴とする顔料組成物。
3.分散剤の配合割合が、顔料100質量部に対して0.05〜40質量部である前記2に記載の顔料組成物。
4.顔料が、有機顔料である前記2に記載の顔料組成物。
5.顔料が、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Red 208、C.I.Pigment Red 242、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Green 7およびC.I.Pigment Green 36から選ばれる顔料である前記2に記載の顔料組成物。
【0008】
6.グラビア印刷インキ用着色剤である前記2に記載の顔料組成物。
7.塗料用着色剤である前記2に記載の顔料組成物。
8.カラーフィルター用着色剤である前記2に記載の顔料組成物。
9.感光性樹脂ワニス中に前記2に記載の顔料組成物が含有されている前記8に記載のカラーフィルター用着色剤。
【発明の効果】
【0009】
以上の本発明によれば、本発明の顔料分散剤は、印刷インキ、各種塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキなどの各用途での全てのビヒクルに対し、有機顔料、無機顔料を含めた全ての顔料において、インキおよび塗料などの流動性を著しく改善し、顔料粒子の凝集を防止し、優れた光沢と鮮明性を示す着色された物品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の顔料分散剤は、その構造中に、黄色〜赤紫色のアントラキノニルアミノトリアジン構造を有することに特徴があり、本発明の顔料分散剤は種々の顔料に対する優れた親和性を有しており、広範囲の顔料の分散に使用可能である。また、本発明の顔料分散剤は優れた顔料分散効果を有していることにより、種々の用途において使用される着色剤の製造に使用することができる。
【0011】
本発明で使用し、主として本発明を特徴づける分散剤である前記一般式(I)化合物の合成について1例を挙げると、例えば、C.I.Pigment Yellow 147を従来公知の方法に従って、濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、三酸化イオウなどと反応させてスルホン化し、前記一般式(I)で表される化合物(M=H)を得ることができる。また、前記一般式(I)で表される化合物(M=H)を用いて、従来公知の方法によりその金属塩或いはそのアンモニウム塩、若しくはアミン塩を得ることができる。
【0012】
本発明の顔料分散剤の顔料に対する配合割合は、顔料100質量部に対して、0.05〜40質量部の割合が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10質量部の割合である。分散剤の配合割合が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が十分に得られにくくなる。また、分散剤の配合割合が多すぎると、多く用いただけの効果が得られず、逆にその結果得られた顔料組成物を使用した塗料やインキのビヒクルの諸物性の低下をもたらし、さらには、分散剤自体の持つ色によって、分散されるべき顔料の色相が大きく変化してしまう。
【0013】
本発明の顔料分散剤の使用によって分散効果が得られる顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジアントラキノニル系顔料、イソインドリン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、アンサンスロン系顔料、ピランスロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、建染染料系顔料、塩基性染料系顔料などの有機顔料、および酸化チタン、カーボンブラック、紺青、群青、弁柄、鉄黒、亜鉛華、黄鉛、複合酸化物顔料などの無機顔料が挙げられる。
【0014】
これらの中でも特に、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Red 208、C.I.Pigment Red 242、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Green 7およびC.I.Pigment Green 36から選ばれる顔料が好ましい。
【0015】
また、本発明の顔料分散剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、次のような方法が挙げられる。
1.顔料と分散剤とを予め公知の方法で混合し、得られた顔料組成物をビヒクルなどに添加して顔料をビヒクル中に分散させる。
2.ビヒクルなどに顔料を分散させる際、ビヒクルなどに顔料と分散剤を所定の割合で別々に添加してビヒクル中に分散させる。
3.顔料と分散剤をそれぞれ別々にビヒクルなどに分散させた後、得られた各分散液を所定の割合で混合する。
4.ビヒクルなどに顔料を分散させて得られた分散液に、分散剤を所定の割合で添加して顔料を分散させる。
などの方法があり、いずれの方法においても目的とする顔料分散効果が得られる。ただし、より効果的には上記1または2の方法が好ましい。
【0016】
本発明の顔料分散剤を含んだ顔料組成物は、顔料と分散剤とを従来公知の種々の方法により混合して製造することができ、製造方法は特に限定されない。例えば、顔料粉末と分散剤の粉末とを分散機を使用せずに混合する方法;顔料と分散剤とをニーダー、ロール、アトライターなどの各種分散機で機械的に混合する方法;水系または有機溶剤系などの顔料のサスペンションに、本発明の顔料分散剤を溶解または微分散させた液を添加および混合し、顔料表面に分散剤を均一に沈着させる方法;硫酸などの強い溶解力を持つ溶媒に顔料および分散剤を溶解した後、水などの貧溶剤によって両者を共析出させる方法などがある。このように、顔料組成物を調製する場合、溶液、スラリー、ペーストおよび粉末などの形態で使用してもよく、いずれの形態でも本発明の効果を発現させることができる。
【0017】
また、本発明の顔料分散剤は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができるだけでなく、従来公知の分散剤、例えば、ロジン、高分子分散剤、界面活性剤または極性基を導入した顔料誘導体などと併用することもできる。本発明の顔料組成物の用途は、特に限定されず、例えば、各種印刷インキ、塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記用具用インキ、カラーフィルターなどの種々の用途に、着色剤として用いることができる。特に、本発明の顔料組成物は、顔料の高分散性が要求されるカラーフィルター用着色剤として有用である。
【0018】
一般に、カラーフィルター用着色剤は、顔料を、例えば、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂など、或いは不飽和ポリエステル系樹脂などの感光性樹脂ワニスまたはこれらにさらに反応希釈剤としてのモノマーが加えられたワニスに高分散させて製造される。その際、本発明の顔料分散剤を使用するか、または本発明の顔料組成物を使用することで、分散安定性が高く、高透過率のカラーフィルター用着色剤が得られる。
【0019】
例えば、特開平10−338832号公報には、顔料に、顔料誘導体およびカチオン性高分子分散剤を配合して、カラーフィルター用着色剤として使用することが記載されているが、上記顔料誘導体に代えて本発明の顔料分散剤を使用することにより、顔料の分散安定性が高くかつ透過率の高いカラーフィルター用着色剤を製造することができる。
【実施例】
【0020】
次に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中の「部」または「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]
C.I.Pigment Yellow 147 45部を20%発煙硫酸335部に30℃以下で添加し、60〜65℃で6時間反応させ、スルホン化を行った。その後、この反応混合物を氷水4000部に析出させて、ろ過、水洗を繰り返した。乾燥し、硫黄の元素分析の結果より1分子あたり平均0.9個のスルホン基が導入されている下記の分散剤(A)43部を得た。

【0021】
[合成例2]
合成例1の水ペースト49部(固形分15.0部)を水500部に加えて充分にリスラリー化し、テトラエチルアンモニウムクロリド9.5部を加えて10分攪拌し、10%水酸化ナトリウム水溶液にて徐々に弱酸性まで中和して、3時間攪拌後に濾過して、充分に水洗し下記の分散剤(B)18部を得た。

【0022】
[合成例3]
合成例1においてC.I.Pigment Yellow 147の代わりにフェニル基のオルト位にメチル基が置換されたアントラキノニルアミノトリアジンを用い、同様にして下記の分散剤(C)を得た。

【0023】
[合成例4]
さらに、分散剤(C)とテトラエチルアンモニウムクロリドを合成例1と同様に反応させ、下記の分散剤(D)を得た。

【0024】
[実施例1〜4]
本発明の顔料分散剤の効果を評価するために、下記配合(1)のグラビアインキを作製した。
配合(1)
・顔料 9.5部
・分散剤(A)〜(D) 0.5部
・硝化綿ワニス 16.0部
・ポリアミドワニス 20.0部
・シンナー 54.0部
顔料としてナフトールAS系モノアゾ顔料(C.I.Pigment Red 146)を用い、それぞれ合成例1〜4で得られた分散剤(A)(実施例1)、(B)(実施例2)、(C)(実施例3)、および(D)(実施例4)を使用して、上記の配合成分を容器に入れ、ガラスビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、4種のグラビア用ポリアミドインキ(1)〜(4)を作製した。
【0025】
[比較例1]
分散剤を使用せずにC.I.Pigment Red 146を10.0部使用する以外は、実施例1〜4と同様の操作を行なって、分散剤が未添加のグラビア用ポリアミドインキを作製した。
【0026】
[実施例5(顔料組成物(1)の調製)]
水1,000部にC.I.Pigment Red 146を19.0部を加えて分散し、スラリー化する。そこに、水50部に合成例1で得られた分散剤(A)1.0部および苛性ソーダ0.1部を分散させてスラリー化したものを加える。その混合スラリーを70℃まで加熱し、pHを4〜5に補正する。20分間撹拌した後、濾過、乾燥、粉砕して、本発明の顔料組成物(1)を19.9部得た。
実施例1の配合(1)の顔料および分散剤の全量を、上記の顔料組成物(1)10.0部に代え、その他は実施例1と同様にしてグラビア用ポリアミドインキ(5)を作製した。
【0027】
[実施例6〜8(顔料組成物(2)〜(4)の調製)]
分散剤(A)の代わりに、それぞれ合成例2〜4で得られた分散剤(B)〜(D)を用いる以外は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(2)〜(4)を得た。実施例1の配合(1)の顔料および分散剤の全量を、それぞれ上記の顔料組成物(2)〜(4)10.0部に代え、その他は実施例1と同様にしてグラビア用ポリアミドインキ(6)〜(8)を作製した。
【0028】
実施例1〜8のグラビア用ポリアミドインキの粘度および該インキを塗布した展色面のグロスを、比較例1のインキの場合と比較した。それぞれのインキの粘度および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例1のインキとの相対比較を行なった。
粘度:B型粘度計を用いて、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:バーコーター(巻線の太さ0.15mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、下記の指標で表記した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
以上の結果を表1に示す。
【0029】

【0030】
表1に示したように、本発明の顔料分散剤(A)〜(D)を添加した実施例1〜8のインキ(1)〜(8)において優れた顔料の分散効果が認められた。これらのインキ(1)〜(8)は1週間放置後に粘度を測定しても、比較例1のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められなかった。また、顔料組成物としてではなく、ビヒクルに顔料と分散剤を別々に添加したものを混合して分散させた場合にも、上記と同様に充分な顔料分散剤の効果が得られた。
【0031】
[実施例9〜12(顔料組成物(5)〜(8))]
C.I.Pigment Red 146の代わりにジケトピロロピロール顔料(C.I.Pigment Red 254)を用い、それぞれ分散剤(A)〜(D)を用いた他は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(5)〜(8)を得た。
【0032】
[実施例13〜16(顔料組成物(9)〜(12))]
C.I.Pigment Red 146の代わりに銅フタロシアニングリーン顔料(C.I.Pigment Green 36)を用い、それぞれ分散剤(A)〜(D)を用いた他は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(9)〜(12)を得た。
【0033】
以上の顔料組成物(5)〜(12)をそれぞれ用い、分散剤の効果を評価するために、下記配合(2)のグラビア用ウレタンインキを作製した。
配合(2)
・顔料組成物(5)〜(12) 10.0部
・硝化綿ワニス 5.0部
・ポリウレタンワニス 35.0部
・シンナー 50.0部
上記の配合成分を容器に入れ、スチールボールを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、実施例9〜16グラビア用ウレタンインキ(9)〜(16)を作製した。
【0034】
[比較例2および3]
顔料組成物(5)および(9)に代えて、それぞれC.I.Pigment Red 254(比較例2)およびC.I.Pigment Green 36(比較例3)を用いる以外は、実施例9および13と同様にして分散剤が未添加の2種のグラビア用ウレタンインキを作製した。
【0035】
実施例9〜16のインキの粘度および展色面のグロスを、比較例2および3のインキの場合と比較した。展色面のグロスおよびインキの粘度は、前記グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に測定し、比較例2および3のインキの場合と相対評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0036】

【0037】
表2に示したように、グラビア用ポリアミドインキの場合と同様に、本発明の顔料分散剤(A)〜(D)のいずれを添加した場合においても、若干差はあるが分散効果が認められた。実施例のインキを1週間放置後に粘度を測定しても、比較例のインキの場合に比べて、粘度の上昇は殆ど認められなかった。
【0038】
[実施例17〜20(顔料組成物(13)〜(16)の調製)]
C.I.Pigment Red 146の代わりにC.I.Pigment Red 177を用い、分散剤としてそれぞれ分散剤(A)〜(D)を用いた他は、実施例5と同様の操作を繰り返し、顔料組成物(13)〜(16)を得た。
【0039】
これらの顔料組成物(13)〜(16)を用い、分散剤の効果を評価するために下記配合(3)の塗料を作製した。
配合(3)
・顔料組成物(13)〜(16) 6.0部
・アクリルワニス 46.6部
・メラミンワニス 20.0部
・シンナー 30.0部
上記の配合成分を容器に入れて、ガラスビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、塗料を作製した。
【0040】
[比較例4]
顔料組成物(13)10.0部の代わりに、C.I.Pigment Red 177を10.0部用いること以外は、実施例17と同様の操作を行なって、分散剤が未添加の塗料を作製した。
【0041】
これらの塗料の粘度、および展色および焼き付けた後の塗面のグロスを、比較例の塗料の場合と比較した。塗料の粘度および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例の塗料との相対比較を行なった。
粘度:B型粘度計を用い、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:アプリケーター(6ミル)を使用して、アート紙上に展色し、焼き付けた後の塗面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、下記の指標で表示した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
以上の結果を表3に示す。
【0042】

【0043】
表3に示したように、前記の結果と同様に、本発明の顔料分散剤の効果が認められた。上記実施例の塗料を、酸化チタンにより作製した白塗料で濃度を1/10に希釈した淡彩色塗料を作製し、顔料の凝集状態を観察したが、顔料の色分かれや沈降などは認められなかった。
【0044】
[実施例21〜24]
それぞれ顔料組成物(1)〜(4)を用い、分散剤の効果を評価するために、下記配合(4)のカラーフィルター用着色剤を作製した。
配合(4)
・顔料組成物(1)〜(4) 20.0部
・ポリアクリル酸樹脂 30.0部
・シンナー 50.0部
上記配合成分を容器に入れ、ジルコニアビーズを加えてペイントコンディショナーにて分散させ、カラーフィルター用着色剤を作製した。
【0045】
[比較例5]
顔料組成物(1)20.0部のかわりに、C.I.Pigment Red 146を20.0部用いること以外は、実施例21と同様の操作を行なって、分散剤が未添加のカラーフィルター用着色組成物を作製した。
【0046】
前記実施例および比較例のカラーフィルター用着色剤の流動性と展色面のグロスを比較例の場合と比較した。着色剤の流動性および展色面のグロスは、下記の方法に従って測定し、比較例の場合と相対評価を行なった。
流動性:B型粘度計を用いて、室温(25℃)、30rpmの条件で測定した。
グロス:バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、下記の指標で表記した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
以上の結果を表4に示す。
【0047】

【0048】
表4に示したように、本発明の顔料分散剤を用いた着色剤は、比較例の場合と比較して、高流動特性を示し、本発明の顔料分散剤の効果が認められた。
【0049】
さらに、本発明の顔料分散剤を添加した顔料を、オフセットインキなどの印刷インキ、ニトロセルロースラッカー、メラミンアルキッド塗料などの各種塗料、塩化ビニール樹脂などの合成樹脂の着色などに使用したが、いずれの場合も顔料は凝集を起こさず、良好な分散性を示した。また、最近、高分散性が特に要求されている電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキなどの製造に本発明の顔料分散剤を用いたが、これらの場合にも本発明の顔料分散剤による優れた分散性の効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の顔料分散剤は、印刷インキ(オフセットインキ、グラビアインキなど)、各種塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用乾式トナーまたは湿式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキなどの各用途でのすべてのビヒクルに対し、有機顔料、無機顔料を含めた全ての顔料において、インキおよび塗料などの流動性を著しく改善し、顔料粒子の凝集を防止し、優れた光沢と鮮明性を示す着色された物品を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式(I)で表される化合物からなることを特徴とする顔料分散剤。

(但し、式(I)中のR1、R2、R3は同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基であり、Mは水素原子、金属、アンモニウム基またはアミン基であり、nはスルホン基の平均導入個数であり、0.1〜3の数である。)
【請求項2】
顔料と分散剤とからなる顔料組成物において、分散剤が請求項1に記載の顔料分散剤であることを特徴とする顔料組成物。
【請求項3】
分散剤の配合割合が、顔料100質量部に対して0.05〜40質量部である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項4】
顔料が、有機顔料である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項5】
顔料が、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 177、C.I.Pigment Red 208、C.I.Pigment Red 242、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow 139、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Green 7およびC.I.Pigment Green 36から選ばれる顔料である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項6】
グラビア印刷インキ用着色剤である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項7】
塗料用着色剤である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項8】
カラーフィルター用着色剤である請求項2に記載の顔料組成物。
【請求項9】
感光性樹脂ワニス中に請求項2に記載の顔料組成物が含有されている請求項8に記載のカラーフィルター用着色剤。

【公開番号】特開2006−299050(P2006−299050A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121747(P2005−121747)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【Fターム(参考)】