顕微鏡および顕微鏡鏡筒
【課題】縮めた場合に遮光部材の相互の壁が接し、屈曲部の位置がずれて醜く歪むことのない蛇腹形式の遮光部材を有する顕微鏡および顕微鏡鏡筒を提供する。
【解決手段】リフト固定部材17と、リフト固定部材17に対して移動可能なリフト移動部材16と、リフト固定部材17とリフト移動部材16との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材18を備えており、遮光部材18の屈曲部18aが壁部18bよりも肉薄であり、この肉薄の屈曲部18aで折り畳まれる。
【解決手段】リフト固定部材17と、リフト固定部材17に対して移動可能なリフト移動部材16と、リフト固定部材17とリフト移動部材16との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材18を備えており、遮光部材18の屈曲部18aが壁部18bよりも肉薄であり、この肉薄の屈曲部18aで折り畳まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡および顕微鏡鏡筒に関し、詳しくは、蛇腹形状の遮光部材を有する顕微鏡および顕微鏡鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
蛇腹形状の遮光部材を用いた顕微鏡が知られている。例えば、特許文献1には、固定部としての蛍光顕微鏡ステージと、移動部としての対物レンズの間に、この間を遮光するための蛇腹形状の遮光部材を備えた蛍光顕微鏡が開示されている。この遮光部材は、観察対象である試料に対して外光を遮断するためのものであり、試料と対物レンズ間の距離が変化しても確実に遮光するために蛇腹形状となっている。また、特許文献2には、自動車の車軸に装着される等速ジョイントブーツや、シフトレバーに装着される樹脂製ブーツが開示されており、この樹脂製ブーツは蛇腹形式を採用しており、蛇腹部の谷部を隣り合う山部の厚みと同じかそれよりも厚くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345718号公報
【特許文献2】特開2006−308002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顕微鏡では、ユーザの様々な体型や検査姿勢に応じて、観察の視点位置の高さや角度を調整できることが要請されている。このため、接眼部の設けられている鏡筒部が、テレスコピック動作、リフト動作、ティルティング動作を行えるようにしたものもある。ここで、テレスコピック動作は鏡筒部がユーザの視線方向(水平方向)に対して前後移動する伸縮動作であり、リフト動作は鏡筒部が上下移動する伸縮動作であり、この伸縮動作に応じて接眼部が上下移動する。また、ティルティング動作は接眼部の角度を調整する動作である。テレスコピック動作やリフト動作の際には、鏡筒の一部が伸縮するため、伸縮が最大に延びた状態や最小に縮んだ状態のいずれの状態であっても、観察画像の劣化を防止するために、観察像の光路を覆って遮光状態にする必要がある。
【0005】
このため、可動領域の全域を硬質カバー部品で遮光することが考えられる。しかし、この方法では、可動側カバーと固定側カバーを常に重なりあうように構成する必要があり、外観が一回り大きくなってしまうという問題がある。また、リフト動作によって下方に移動させると、カバー部材が鏡筒内部に入り込み、テレスコピック方向(水平方向)に向いている光路を遮断してしまう。従って、硬質カバー部品による遮光は顕微鏡においては適していない。
【0006】
硬質カバー部品以外の遮光部材として、特許文献1に示されるような蛇腹形状の遮光部材を利用することが考えられる。この場合、小柄な観察者から大柄な観察者までが観察できるようにするため、観察の視点位置の調整量を大きくする必要があり、伸縮動作のストロークを長くすることが要求される。また、小柄な観察者が観察しやすい状態にするためには、視点位置をできるだけ低くすることが要求されるため、最小の状態では密着状態にすることが必要となる。そのため、動作ストロークを長くするほど遮光部材は大型化し、鏡筒を縮めた際に遮光部材を小さく収納することが困難となる。例えば、動作ストロークが50mmあり、最も縮んだ状態で遮光部材の収納スペースが10mmしかなければ、1/5に縮めなければならない。このため、遮光部材を蛇腹形状とした場合には、蛇腹部が密着するほど畳み込むことが必要となる。
【0007】
安価な蛇腹形状の遮光部材として、ゴムによる成型品がある。遮光部材は外側から見える部材であり、伸縮動作のどの位置においても醜く歪むことなく、美しく変化することが望ましい。前述の特許文献1において開示された蛇腹形式の遮光部材は、蛇腹部材が密着するほど折り畳むことまでは考慮されていない。この遮光部材を均一な肉厚のゴム製で構成すると、小さく縮めた場合には、図16に示すように、遮光部材25の屈曲部25aが大きく膨らんだり、また屈曲部25a同士の位置がずれて醜く歪んでしまい外観の品位を損なってしまう。
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、縮めた場合に遮光部材の相互の壁が接し、屈曲部の位置がずれて醜く歪むことのない蛇腹形式の遮光部材を有する顕微鏡および顕微鏡鏡筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる顕微鏡は、固定部と、上記固定部に対して移動可能な移動部と、上記固定部と上記移動部との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材と、を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄である。
【0010】
第2の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、上記遮光部材は、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包している。
第3の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、上記遮光部材は、上面および下面が上記壁部よりも肉厚である。
第4の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、互いに向き合う面に凸部を設けている。
【0011】
第5の発明に係わる顕微鏡鏡筒は、伸縮機構を備えた顕微鏡鏡筒において、上記伸縮機構によって伸縮する蛇腹形状の遮光部材を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上記上面および下面が上記壁部よりも肉厚である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、遮光部材の屈曲部を壁部よりも肉薄に形成している。このため、遮光部材を最小状態に密着させたり、伸ばした際に、屈曲部が確実に曲げ伸ばされ、特に、密着させた状態でも壁部に変形が生ずることがなく、蛇腹の形状を美しく保つことができる。
【0013】
第2の発明によれば、遮光部材の上面が蛇腹形状の外観上の山折り頂点の幅で形成され、上面に概ね沿う形状の板材を内包している。このため、蛇腹形状の遮光部材を伸縮させた場合に、均等に力が遮光部材にかかるようにすることができ、外から見て美しい伸縮動作を行う。
【0014】
第3の発明によれば、遮光部材の上面および下面を壁部よりも肉厚にしている。このため、上面および下面は固定されて伸縮することがなく、蛇腹形状の遮光部材のみが、外から見て美しい伸縮動作を行う。
【0015】
第4の発明によれば、互いに向き合う面に凸部を設けている。このため、遮光部材が縮められた際に、凸部によって隙間が生じ、壁同士の密着面積が減少することから、長期間放置後の初動作においてもスムースな動作となる。
【0016】
第5の発明によれば、屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面が蛇腹形状の外観上の山折り頂点の幅で形成され、上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上面および下面が上記壁部よりも肉厚に形成した遮光部材を備えている。このため、遮光部材を伸縮させた際に、屈曲部が確実に曲げ伸ばされ、壁部に変形が生ずることがなく、蛇腹の形状を美しく保つことができ、また外から見て美しい伸縮動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の外観を示す図であって、(a)は顕微鏡の左側面図であり、(b)は顕微鏡の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最小サイズにした際の外観図を示す図であって、(a)は左側面図であり、(b)は正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最大サイズにした際の外観図を示す図であって、(a)は左側面図であり、(b)は正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最小限サイズにした場合における図2(b)のA−A断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒および双眼部をテレスコピック伸展状態にした場合における図2(b)のA−A方向と同方向に沿っての断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒および双眼部をリフト伸展状態にした場合における図2(b)のA−A方向と同方向に沿っての部分断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の外観斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の一部を断面図とした斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、図6のB部分における遮光部材の部分断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材を折り畳んだ際の部分断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の外観側面図であり、(a)は遮光部材を伸展させた場合であり、(b)は遮光部材を折り畳んだ場合である。
【図13】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の遮光部材の変形例1であり、部分断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の遮光部材の変形例2であり、部分断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の変形例2に示す遮光部材を折り畳んだ状態における部分断面図である。
【図16】従来における顕微鏡の遮光部材を折り畳んだ際の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に従って本発明を適用した顕微鏡を用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の外観図であって、図1(a)は左側面図であり、図1(b)は正面図である。ベース101は照明光学系が配置されており、観察試料を照明する。支柱102は、ベース101と直交しており、この支柱102にはベース101と略並行に支持アーム107が一体に構成されている。これらのベース101、支柱102、支持アーム107によってコ字形状の基本構造が形成されている。ベース101上にはステージ103が設けられており、このステージ103上に観察試料が載置可能である。
【0019】
支持アーム107には、レボルバ保持部材106が設けられている。このレボルバ保持部材106の底部には回転自在なレボルバ105が配置されており、このレボルバ105には対物レンズ104が装着可能である。レボルバ保持部材106内には、アフォーカル光学系が配置されており、このアフォーカル光学系の光軸は対物レンズ104の光軸と一致している。
【0020】
支持アーム107の上部には、内部にアフォーカル光学系を有する鏡筒部111が設けられている。レボルバ保持部材106内の光学系の出射部と、鏡筒部111の光学系の入射部において、光軸が一致している。鏡筒部111には、リフトハンドル13が設けられており、このリフトハンドル13を回動操作することにより、リフト動作、すなわち鏡筒部111に対する双眼部112の上下方向の高さを調節することができる。また、鏡筒部111は、後述するように、テレスコピック方向(水平方法)に伸展させることができる。
【0021】
鏡筒部111の上部には、鏡筒部111内の光学系によって形成される光学像を2つの光学像に分割するための光学系を有する双眼部112が設けられている。この双眼部112の端部には、左右一対の接眼レンズ113が配置されている。また、この双眼部112はその保持部において角度が可変である。
【0022】
次に、鏡筒部111および双眼部112の構成について、図2ないし図6を用いて説明する。図2および図3は鏡筒部111および双眼部112の外観図であり、図2はテレスコピック動作によって水平方向のサイズを最小限にすると共に、リフト動作によって上下方向のサイズを最小限に縮小した状態を示す。また、図3はテレスコピック動作によって水平方向サイズを最大限に伸展すると共に、リフト動作によって上下方向のサイズを最大限に伸展した状態を示す。
【0023】
図4は、図2(b)のA−A方向に沿っての断面図であり、テレスコピック動作およびリフト動作の両動作によって、最小限サイズにした状態である。図5は、図4の最小限サイズにした状態からテレスコピック伸展状態にした場合におけるA−Aと同方向に沿っての断面図である。図6は、最小限サイズまたはテレスコピック状態から、リフト伸展状態にした場合であり、A−A方向と同方向に沿った部分断面図である。
【0024】
鏡筒部111は、テレスコピック固定部材8とテレスコピック移動部材9から構成されている。テレスコピック固定部材8は、支持アーム107に固定され、テレスコピック移動部材9はテレスコピック固定部材8に、あり機構等により摺動自在に嵌合しており、矢印10の方向に移動可能である。テレスコピック固定部材8内には、レボルバ保持部材106内の光学系によって伝達された観察像の光束が通過する入射部1と、これらの光束を反射するためのミラー2a、2b、2cが設けられている。
【0025】
入射部1はレンズを含んでおり、このレンズによってレボルバ保持部材106からの観察像は平行光束とされる。なお、ミラー2a、2b、2cは、プリズム等、他の反射部材によって構成しても勿論かまわない。また、ミラー2a等のテレスコピック固定部材8に固定されている部材は、テレスコピック固定部材8と一体の後ろカバー24によって覆われている。
【0026】
テレスコピック移動部材9内には、ミラー4、リフト部11、カバー12が設けられている。ミラー4は、光路3に沿った観察像の光束を双眼部112の方向に反射する。ミラー4は、ミラー2a、2b、2cと同様、プリズム等の他の反射部材でも構わない。リフト部11は、詳しくは図6を用いて後述するが、リフトハンドル13の回動操作に応じて、双眼部112を上下方向に移動させるための伸縮機構である。
【0027】
カバー12は、リフト部11を覆っており、テレスコピック移動部材9と一体に構成されている。カバー12を矢印10の方向に引っ張ることにより、鏡筒部111は伸展状態となり(図3、図5参照)、カバー12を押しこむことにより縮小状態(図2、図4参照)となる。したがって、カバー12を操作することによりテレスコピック動作を行うことができる。また、テレスコピック動作によって伸展状態となった場合であっても、カバー12は、後ろカバー24と常に重なっており(図5参照)、外部からの光を遮光している。
【0028】
双眼部112は、双眼保持部6、双眼部7および接眼レンズ113とから構成されている。双眼保持部6の内部には、図示しないミラーが2か所に設けられており、この2か所で光路5は折り曲げられている。また、双眼保持部6は、鏡筒部111に対する双眼部7の角度を所定の範囲で調整でき、この角度調整に伴って、前述の2か所のミラーでの反射角度が変化し、鏡筒部111からの観察像の光束が光路5を通って双眼部7に伝達される。双眼部7は、光路5を通って入射した観察像の光束を左右2つの光束に分割する。接眼レンズ113は、2つに分割された光束の各光路上に設けられており、ユーザがこの接眼レンズ113を介して観察像を観察する。
【0029】
リフト部11は、図6に示すように、ピニオンギア14、ラック15、リフト移動部材16、リフト固定部材17により構成されている。ピニオンギア14は、リフトハンドル13(図1、図2参照)の軸に形成されており、リフト固定部材17に回転自在に軸支されている。また、ピニオンギア14はラック15と噛み合っており、ラック15はリフト移動部材16にネジによって固着されている。リフト移動部材16はリフト固定部材17と摺動可能に嵌合されており、接眼保持部6を回動自在に保持している。
【0030】
また、リフト移動部材16は、遮光部材18の上面18cと板材20を固定している。このため、観察者がリフトハンドル13を回動させると、ラック15、リフト移動部材16が矢印19の方向にリフト動作を行う。遮光部材18はリフト動作に併せて伸縮する。なお、リフト固定部材17は、テレスコピック移動部材9に固定されており、テレスコピック移動部材9がいずれの位置にあっても、リフト部11によるリフト機構は動作可能となっている。また、リフト動作によって光路5の長さが変化しても、観察像光束の光路はアフォーカル光学系によって構成されていることから、観察像には影響を与えることがない。
【0031】
次に、遮光部材18の詳細な構成について、図7ないし図10を用いて説明する。図7は遮光部材18の外観斜視図であり、図8は遮光部材18の一部を断面図とした斜視図である。また、図9は遮光部材18の取り付け状態を示すために、カバー12の近傍を一部断面とした斜視図である。図10は、図6に示すBの部分についての部分断面図であり、遮光部材18の蛇腹形状の詳細を示す。
【0032】
遮光部材18は、ゴムまたはエラストマーなどの弾性体の成形品であり、伸展状態および縮小状態のいずれの状態であっても同等の負荷がかかるように、伸展状態と縮小状態の略中間状態で成形される。遮光部材18の下面18eには、複数の孔18fが設けられており、図9に示すように、テレスコピック移動部材9とリフト固定部材17の突起形状に孔18fを嵌め込み固定している。このため遮光部材18は簡単に取り外しを行うことができる。また、遮光部材18の全周を均一に固定するために、下面18eはカバー12によって、テレスコピック移動部材9とフィルと固定部材17に押し付けられている。
【0033】
遮光部18の上面18cの外周部18dは、略正方形または略長方形で形成され、中間の蛇腹部の山折り頂点の外周部も略同形状で形成されている。遮光部材18の上面18cは、外周部18dに概ね沿う形状の板材20を内包している(図8参照)。板材20の材質は、金属若しくは樹脂等であって、硬質なものであればよい。なお、板材20は、遮光部材18の成形後に下面18eから、蛇腹部分を引っ張り伸ばしながら、図示の位置に設置する。板材20と遮光部材18の上面18cは、図6に示すように、リフト移動部材16に固定されており、また遮光部材18の下面18eは、リフト固定部材17に固定されていることから、リフト動作に応じて、遮光部材18の蛇腹形状は伸縮する。なお、上面18cの外周部18dと板材20の形状は、略円形または楕円等の形状であってもよい。
【0034】
遮光部材18の屈曲部18aの谷側には、図10に示すように、肉薄形状を設けており、壁部18bよりも薄くなっている。ここで、屈曲部18aの肉薄部の厚さをa、壁部18bの厚さをb、上面18c(または下面18e)の厚さをc(e)とすると、これらの厚さa、b、cは次のような関係が望ましい。
(1/3)b≦a≦(2/3)b ・・・ (1)
(3/2)b≦c(e)≦3b ・・・ (2)
【0035】
したがって、屈曲部18aの厚さは、壁部18bの1/3から2/3程度が望ましく、特に壁部18bの1/2が最適である。また、上面18cと下面18eの厚さは、壁部18bの厚さよりも厚く、1.5倍から3倍程度が望ましい。上面18cおよび下面18eの厚さを壁部18bよりも厚くしているのは、蛇腹部分が伸縮する際に、上面18cおよび下面18eにおいて遮光部材18を確実に保持するためである。なお、本実施形態においては、上面18cと下面18eの厚さは同じにしているが、壁部18bの厚さよりも厚ければ、両者の厚さは同じでなくてもよい。上面18cは板材20によって補強されることから、上面18cの方が下面18eよりも薄くても構わない。
【0036】
次に、本実施形態における動作について説明する。まず、テレスコピック動作について説明する。テレスコピック動作は、前述したように鏡筒部111をテレスコピック方向(水平方向)に伸展または縮小させる動作である。ユーザがカバー12の部分を把持し矢印10(図2、図4参照)の方向に引っ張ると、テレスコピック固定部材8に対してテレスコピック移動部材9が矢印10の方向に移動し、テレスコピック移動部材9と一体に移動可能な双眼部112も矢印10の方向に移動し、鏡筒部111が伸展する(図5参照)。この場合、鏡筒部111内の光路3の伸縮する部分は、アフォーカル光学系で構成されていることから、光路長が変化しても観察像に影響しない。ユーザがカバー12の部分を把持し矢印10と反対方向に押し込むと、テレスコピック移動部材9は反対方向に移動し、鏡筒部111は縮小する(図2、図4参照)。
【0037】
続いて、リフト動作について説明する。リフト動作は前述したように鏡筒部内の移動部材が上下移動する伸縮動作であり、この伸縮動作に応じて双眼部112が上下移動する。ユーザがリフトハンドル13を回転操作すると、ピニオンギア14が回転し、これと噛合するラック15が上方向または下方向に移動する。ラック15が上下いずれかに移動すると、これと一体に構成されたリフト移動部材16も上下に移動し、リフト移動部材16によって保持されている双眼部112も上下に移動する。すなわち、リフトハンドル13の回転操作に応じて、双眼部112が上下に移動するリフト動作が実行される。
【0038】
リフト動作の際、上面18cが引き上げられると、図10に示すように、屈曲部18aの谷側の肉厚が壁部18bよりも薄くしていることから、壁部18bが変形することなく、確実に屈曲部18aが曲げ伸ばされる。また、上面18cが引き下げられる場合は、遮光部材18の向かい合う壁部18b同士が密着するほど縮めても、図11に示すように、屈曲部18aが異常に盛り上がるような変形が発生しない。
【0039】
また、リフト動作で遮光部材18が引き上げられる際には、図12(a)に示すように、板材20が上面18cの全体を引っ張り上げるように作動する。遮光部材18が押下げられる際には、図12(b)に示すように、板材20が壁部18bの全体を押し下げるように作動する。このため、どの側面方向から見ても壁部18bは均一に上下移動を行う。また、上面18cと下面18eは、壁部18bよりも厚くしているので、伸縮動作を行うことはない。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態における遮光部材は、屈曲部18aが壁部18bよりも肉薄に形成している。このため、安価な蛇腹形式でありながら、上下に伸縮する際に、屈曲部18aが曲げ伸ばされ壁部18bが変形することがなく、蛇腹部の形状をきれいに保つことができる。特に、壁部18b同士が密着するほど縮めた場合であっても、屈曲部18aの異常な変形が発生しない。従来の遮光部材では、図16に示すように、屈曲部の厚さが壁部と略同じであるか、厚く形成されていることから、壁部18bを密着するほど縮めた場合には、屈曲部で異常に盛り上がっていたが、本実施形態においては、このような変形が発生することがない。
【0041】
また、本実施形態においては、上面18cに概ね沿う形状の板材20を内包するようにしている。このため、上下に伸縮する際に、上面18cが変形することがなく、蛇腹部が変形する。また、遮光部材18をどの方向から見ても均一に上下移動させることができ、複数の段状に形成された蛇腹の稜線をきれいに保つことができる。
【0042】
(変形例1)
遮光部材18の変形例1として、図13に遮光部材21を示す。本発明の一実施形態においては、屈曲部18aは屈曲部の谷側に設けていたが、本変形例においては、屈曲部の山側を肉薄部とし、屈曲部21aを設けている。この屈曲部21aの厚さは、壁部21bの厚さよりも薄くなっている。屈曲部21aの厚さは、一実施形態の場合と同様、壁部21bの厚さの1/3から2/3程度であり、1/2が最適である。本変形例の作用および効果は一実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
(変形例2)
また遮光部材18の変形例2として、図14、図15に凸部を有する遮光部材22を示す。本発明の一実施形態においては、壁部18bの互いに向き合う面は平面のみであった。本変形例では、壁部22bの互いに向き合う平面に、凸部として略半球状のリブ22gを複数個、設けている。リブ22gは、本変形例では、壁部22bの厚さの1/2程度としているが、壁部22bの材質等を勘案して最適になるように適宜変更してもよい。またリブ22gは、蛇腹部が密着状態まで折り畳まれた際に、向かい合うリブ22b同士が接触しないように、位置をずらしている。なお、本変形例においては、凸部の形状を略半球状としているが、これに限らず、円筒状や円錐状等、平面より突出する形状であればよい。
【0044】
本変形例においても、屈曲部22aの厚さを壁部22bの厚さよりも薄くなるようにしているので、本発明の一実施形態と同様、上下に伸縮する際に、屈曲部22aが曲げ伸ばされ壁部22bが変形することがない。また、本発明の一実施形態における作用に加えて、本変形例においては、蛇腹部が折り畳まれた際に、リブ22gが向かい合う壁部22bと接触し、多数の隙間23が生じ、壁同士の密着面積が減少する。このため、蛇腹形状に折り畳まれ、密着状態で長期間放置した後、リフト動作を実行する際に、壁部同士が貼り付くことを防止でき、長期間放置後の初動作においてもスムースな動作となり、製品の品位を損なうことがない。特に、遮光部材22をゴム等の弾性体で構成した場合には、この効果が顕著に発揮される。
【0045】
以上、説明したように、本発明の一実施形態や変形例においては、遮光部材の屈曲部18a、21a、22aが、壁部18b、21b、22bよりも肉薄にしている。このため、伸縮機構を動作させた際に、蛇腹状の遮光部材18、21、22の異常な変形を防止することができ、外観に好適な美しい形状を保つことができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、鏡筒部111におけるリフト動作を行う部分に蛇腹形式の遮光部材に対して、本発明を適用した例を説明した。しかしこれに限らず、例えば特許文献1に開示されているように、ステージと対物レンズ間等、固定部材と移動部材の間、もしくは相互の間の距離が変化する部材間であれば、本発明を適用することができる。
【0047】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・入射部、2・・・ミラー、3・・・光路、4・・・ミラー、5・・・光路、6・・・双眼保持部、7・・・双眼部、8・・・テレスコピック固定部材、9・・・テレスコピック移動部材、10・・・矢印(移動方向)、11・・・リフト部、12・・・カバー、13・・・リフトハンドル、14・・・ピニオンギア、15・・・ラック、16・・・リフト移動部材、17・・・リフト固定部材、18・・・遮光部材、18a・・・屈曲部、18b・・・壁部、18c・・・上面、18d・・・山折り頂点、18e・・・下面、18f・・・孔、19・・・矢印(移動方向)、20・・・板材、21・・・遮光部材、21a・・・屈曲部、21b・・・壁部、22・・・遮光部材、22a・・・屈曲部、22b・・・壁部、22g・・・リブ、23・・・隙間、24・・・後ろカバー、25・・・遮光部材、25a・・・屈曲部、101・・・ベース、102・・・支柱、103・・・ステージ、104・・・対物レンズ、105・・・レボルバ、106・・・レボルバ保持部材、107・・・支持アーム、111・・・鏡筒部、112・・・双眼部、113・・・接眼レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡および顕微鏡鏡筒に関し、詳しくは、蛇腹形状の遮光部材を有する顕微鏡および顕微鏡鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
蛇腹形状の遮光部材を用いた顕微鏡が知られている。例えば、特許文献1には、固定部としての蛍光顕微鏡ステージと、移動部としての対物レンズの間に、この間を遮光するための蛇腹形状の遮光部材を備えた蛍光顕微鏡が開示されている。この遮光部材は、観察対象である試料に対して外光を遮断するためのものであり、試料と対物レンズ間の距離が変化しても確実に遮光するために蛇腹形状となっている。また、特許文献2には、自動車の車軸に装着される等速ジョイントブーツや、シフトレバーに装着される樹脂製ブーツが開示されており、この樹脂製ブーツは蛇腹形式を採用しており、蛇腹部の谷部を隣り合う山部の厚みと同じかそれよりも厚くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−345718号公報
【特許文献2】特開2006−308002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顕微鏡では、ユーザの様々な体型や検査姿勢に応じて、観察の視点位置の高さや角度を調整できることが要請されている。このため、接眼部の設けられている鏡筒部が、テレスコピック動作、リフト動作、ティルティング動作を行えるようにしたものもある。ここで、テレスコピック動作は鏡筒部がユーザの視線方向(水平方向)に対して前後移動する伸縮動作であり、リフト動作は鏡筒部が上下移動する伸縮動作であり、この伸縮動作に応じて接眼部が上下移動する。また、ティルティング動作は接眼部の角度を調整する動作である。テレスコピック動作やリフト動作の際には、鏡筒の一部が伸縮するため、伸縮が最大に延びた状態や最小に縮んだ状態のいずれの状態であっても、観察画像の劣化を防止するために、観察像の光路を覆って遮光状態にする必要がある。
【0005】
このため、可動領域の全域を硬質カバー部品で遮光することが考えられる。しかし、この方法では、可動側カバーと固定側カバーを常に重なりあうように構成する必要があり、外観が一回り大きくなってしまうという問題がある。また、リフト動作によって下方に移動させると、カバー部材が鏡筒内部に入り込み、テレスコピック方向(水平方向)に向いている光路を遮断してしまう。従って、硬質カバー部品による遮光は顕微鏡においては適していない。
【0006】
硬質カバー部品以外の遮光部材として、特許文献1に示されるような蛇腹形状の遮光部材を利用することが考えられる。この場合、小柄な観察者から大柄な観察者までが観察できるようにするため、観察の視点位置の調整量を大きくする必要があり、伸縮動作のストロークを長くすることが要求される。また、小柄な観察者が観察しやすい状態にするためには、視点位置をできるだけ低くすることが要求されるため、最小の状態では密着状態にすることが必要となる。そのため、動作ストロークを長くするほど遮光部材は大型化し、鏡筒を縮めた際に遮光部材を小さく収納することが困難となる。例えば、動作ストロークが50mmあり、最も縮んだ状態で遮光部材の収納スペースが10mmしかなければ、1/5に縮めなければならない。このため、遮光部材を蛇腹形状とした場合には、蛇腹部が密着するほど畳み込むことが必要となる。
【0007】
安価な蛇腹形状の遮光部材として、ゴムによる成型品がある。遮光部材は外側から見える部材であり、伸縮動作のどの位置においても醜く歪むことなく、美しく変化することが望ましい。前述の特許文献1において開示された蛇腹形式の遮光部材は、蛇腹部材が密着するほど折り畳むことまでは考慮されていない。この遮光部材を均一な肉厚のゴム製で構成すると、小さく縮めた場合には、図16に示すように、遮光部材25の屈曲部25aが大きく膨らんだり、また屈曲部25a同士の位置がずれて醜く歪んでしまい外観の品位を損なってしまう。
【0008】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、縮めた場合に遮光部材の相互の壁が接し、屈曲部の位置がずれて醜く歪むことのない蛇腹形式の遮光部材を有する顕微鏡および顕微鏡鏡筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる顕微鏡は、固定部と、上記固定部に対して移動可能な移動部と、上記固定部と上記移動部との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材と、を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄である。
【0010】
第2の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、上記遮光部材は、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包している。
第3の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、上記遮光部材は、上面および下面が上記壁部よりも肉厚である。
第4の発明に係わる顕微鏡は、上記第1の発明において、互いに向き合う面に凸部を設けている。
【0011】
第5の発明に係わる顕微鏡鏡筒は、伸縮機構を備えた顕微鏡鏡筒において、上記伸縮機構によって伸縮する蛇腹形状の遮光部材を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上記上面および下面が上記壁部よりも肉厚である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、遮光部材の屈曲部を壁部よりも肉薄に形成している。このため、遮光部材を最小状態に密着させたり、伸ばした際に、屈曲部が確実に曲げ伸ばされ、特に、密着させた状態でも壁部に変形が生ずることがなく、蛇腹の形状を美しく保つことができる。
【0013】
第2の発明によれば、遮光部材の上面が蛇腹形状の外観上の山折り頂点の幅で形成され、上面に概ね沿う形状の板材を内包している。このため、蛇腹形状の遮光部材を伸縮させた場合に、均等に力が遮光部材にかかるようにすることができ、外から見て美しい伸縮動作を行う。
【0014】
第3の発明によれば、遮光部材の上面および下面を壁部よりも肉厚にしている。このため、上面および下面は固定されて伸縮することがなく、蛇腹形状の遮光部材のみが、外から見て美しい伸縮動作を行う。
【0015】
第4の発明によれば、互いに向き合う面に凸部を設けている。このため、遮光部材が縮められた際に、凸部によって隙間が生じ、壁同士の密着面積が減少することから、長期間放置後の初動作においてもスムースな動作となる。
【0016】
第5の発明によれば、屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面が蛇腹形状の外観上の山折り頂点の幅で形成され、上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上面および下面が上記壁部よりも肉厚に形成した遮光部材を備えている。このため、遮光部材を伸縮させた際に、屈曲部が確実に曲げ伸ばされ、壁部に変形が生ずることがなく、蛇腹の形状を美しく保つことができ、また外から見て美しい伸縮動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の外観を示す図であって、(a)は顕微鏡の左側面図であり、(b)は顕微鏡の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最小サイズにした際の外観図を示す図であって、(a)は左側面図であり、(b)は正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最大サイズにした際の外観図を示す図であって、(a)は左側面図であり、(b)は正面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒部および双眼部を最小限サイズにした場合における図2(b)のA−A断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒および双眼部をテレスコピック伸展状態にした場合における図2(b)のA−A方向と同方向に沿っての断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、鏡筒および双眼部をリフト伸展状態にした場合における図2(b)のA−A方向と同方向に沿っての部分断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の外観斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の一部を断面図とした斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の取り付け状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、図6のB部分における遮光部材の部分断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材を折り畳んだ際の部分断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡において、遮光部材の外観側面図であり、(a)は遮光部材を伸展させた場合であり、(b)は遮光部材を折り畳んだ場合である。
【図13】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の遮光部材の変形例1であり、部分断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の遮光部材の変形例2であり、部分断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の変形例2に示す遮光部材を折り畳んだ状態における部分断面図である。
【図16】従来における顕微鏡の遮光部材を折り畳んだ際の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に従って本発明を適用した顕微鏡を用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる顕微鏡の外観図であって、図1(a)は左側面図であり、図1(b)は正面図である。ベース101は照明光学系が配置されており、観察試料を照明する。支柱102は、ベース101と直交しており、この支柱102にはベース101と略並行に支持アーム107が一体に構成されている。これらのベース101、支柱102、支持アーム107によってコ字形状の基本構造が形成されている。ベース101上にはステージ103が設けられており、このステージ103上に観察試料が載置可能である。
【0019】
支持アーム107には、レボルバ保持部材106が設けられている。このレボルバ保持部材106の底部には回転自在なレボルバ105が配置されており、このレボルバ105には対物レンズ104が装着可能である。レボルバ保持部材106内には、アフォーカル光学系が配置されており、このアフォーカル光学系の光軸は対物レンズ104の光軸と一致している。
【0020】
支持アーム107の上部には、内部にアフォーカル光学系を有する鏡筒部111が設けられている。レボルバ保持部材106内の光学系の出射部と、鏡筒部111の光学系の入射部において、光軸が一致している。鏡筒部111には、リフトハンドル13が設けられており、このリフトハンドル13を回動操作することにより、リフト動作、すなわち鏡筒部111に対する双眼部112の上下方向の高さを調節することができる。また、鏡筒部111は、後述するように、テレスコピック方向(水平方法)に伸展させることができる。
【0021】
鏡筒部111の上部には、鏡筒部111内の光学系によって形成される光学像を2つの光学像に分割するための光学系を有する双眼部112が設けられている。この双眼部112の端部には、左右一対の接眼レンズ113が配置されている。また、この双眼部112はその保持部において角度が可変である。
【0022】
次に、鏡筒部111および双眼部112の構成について、図2ないし図6を用いて説明する。図2および図3は鏡筒部111および双眼部112の外観図であり、図2はテレスコピック動作によって水平方向のサイズを最小限にすると共に、リフト動作によって上下方向のサイズを最小限に縮小した状態を示す。また、図3はテレスコピック動作によって水平方向サイズを最大限に伸展すると共に、リフト動作によって上下方向のサイズを最大限に伸展した状態を示す。
【0023】
図4は、図2(b)のA−A方向に沿っての断面図であり、テレスコピック動作およびリフト動作の両動作によって、最小限サイズにした状態である。図5は、図4の最小限サイズにした状態からテレスコピック伸展状態にした場合におけるA−Aと同方向に沿っての断面図である。図6は、最小限サイズまたはテレスコピック状態から、リフト伸展状態にした場合であり、A−A方向と同方向に沿った部分断面図である。
【0024】
鏡筒部111は、テレスコピック固定部材8とテレスコピック移動部材9から構成されている。テレスコピック固定部材8は、支持アーム107に固定され、テレスコピック移動部材9はテレスコピック固定部材8に、あり機構等により摺動自在に嵌合しており、矢印10の方向に移動可能である。テレスコピック固定部材8内には、レボルバ保持部材106内の光学系によって伝達された観察像の光束が通過する入射部1と、これらの光束を反射するためのミラー2a、2b、2cが設けられている。
【0025】
入射部1はレンズを含んでおり、このレンズによってレボルバ保持部材106からの観察像は平行光束とされる。なお、ミラー2a、2b、2cは、プリズム等、他の反射部材によって構成しても勿論かまわない。また、ミラー2a等のテレスコピック固定部材8に固定されている部材は、テレスコピック固定部材8と一体の後ろカバー24によって覆われている。
【0026】
テレスコピック移動部材9内には、ミラー4、リフト部11、カバー12が設けられている。ミラー4は、光路3に沿った観察像の光束を双眼部112の方向に反射する。ミラー4は、ミラー2a、2b、2cと同様、プリズム等の他の反射部材でも構わない。リフト部11は、詳しくは図6を用いて後述するが、リフトハンドル13の回動操作に応じて、双眼部112を上下方向に移動させるための伸縮機構である。
【0027】
カバー12は、リフト部11を覆っており、テレスコピック移動部材9と一体に構成されている。カバー12を矢印10の方向に引っ張ることにより、鏡筒部111は伸展状態となり(図3、図5参照)、カバー12を押しこむことにより縮小状態(図2、図4参照)となる。したがって、カバー12を操作することによりテレスコピック動作を行うことができる。また、テレスコピック動作によって伸展状態となった場合であっても、カバー12は、後ろカバー24と常に重なっており(図5参照)、外部からの光を遮光している。
【0028】
双眼部112は、双眼保持部6、双眼部7および接眼レンズ113とから構成されている。双眼保持部6の内部には、図示しないミラーが2か所に設けられており、この2か所で光路5は折り曲げられている。また、双眼保持部6は、鏡筒部111に対する双眼部7の角度を所定の範囲で調整でき、この角度調整に伴って、前述の2か所のミラーでの反射角度が変化し、鏡筒部111からの観察像の光束が光路5を通って双眼部7に伝達される。双眼部7は、光路5を通って入射した観察像の光束を左右2つの光束に分割する。接眼レンズ113は、2つに分割された光束の各光路上に設けられており、ユーザがこの接眼レンズ113を介して観察像を観察する。
【0029】
リフト部11は、図6に示すように、ピニオンギア14、ラック15、リフト移動部材16、リフト固定部材17により構成されている。ピニオンギア14は、リフトハンドル13(図1、図2参照)の軸に形成されており、リフト固定部材17に回転自在に軸支されている。また、ピニオンギア14はラック15と噛み合っており、ラック15はリフト移動部材16にネジによって固着されている。リフト移動部材16はリフト固定部材17と摺動可能に嵌合されており、接眼保持部6を回動自在に保持している。
【0030】
また、リフト移動部材16は、遮光部材18の上面18cと板材20を固定している。このため、観察者がリフトハンドル13を回動させると、ラック15、リフト移動部材16が矢印19の方向にリフト動作を行う。遮光部材18はリフト動作に併せて伸縮する。なお、リフト固定部材17は、テレスコピック移動部材9に固定されており、テレスコピック移動部材9がいずれの位置にあっても、リフト部11によるリフト機構は動作可能となっている。また、リフト動作によって光路5の長さが変化しても、観察像光束の光路はアフォーカル光学系によって構成されていることから、観察像には影響を与えることがない。
【0031】
次に、遮光部材18の詳細な構成について、図7ないし図10を用いて説明する。図7は遮光部材18の外観斜視図であり、図8は遮光部材18の一部を断面図とした斜視図である。また、図9は遮光部材18の取り付け状態を示すために、カバー12の近傍を一部断面とした斜視図である。図10は、図6に示すBの部分についての部分断面図であり、遮光部材18の蛇腹形状の詳細を示す。
【0032】
遮光部材18は、ゴムまたはエラストマーなどの弾性体の成形品であり、伸展状態および縮小状態のいずれの状態であっても同等の負荷がかかるように、伸展状態と縮小状態の略中間状態で成形される。遮光部材18の下面18eには、複数の孔18fが設けられており、図9に示すように、テレスコピック移動部材9とリフト固定部材17の突起形状に孔18fを嵌め込み固定している。このため遮光部材18は簡単に取り外しを行うことができる。また、遮光部材18の全周を均一に固定するために、下面18eはカバー12によって、テレスコピック移動部材9とフィルと固定部材17に押し付けられている。
【0033】
遮光部18の上面18cの外周部18dは、略正方形または略長方形で形成され、中間の蛇腹部の山折り頂点の外周部も略同形状で形成されている。遮光部材18の上面18cは、外周部18dに概ね沿う形状の板材20を内包している(図8参照)。板材20の材質は、金属若しくは樹脂等であって、硬質なものであればよい。なお、板材20は、遮光部材18の成形後に下面18eから、蛇腹部分を引っ張り伸ばしながら、図示の位置に設置する。板材20と遮光部材18の上面18cは、図6に示すように、リフト移動部材16に固定されており、また遮光部材18の下面18eは、リフト固定部材17に固定されていることから、リフト動作に応じて、遮光部材18の蛇腹形状は伸縮する。なお、上面18cの外周部18dと板材20の形状は、略円形または楕円等の形状であってもよい。
【0034】
遮光部材18の屈曲部18aの谷側には、図10に示すように、肉薄形状を設けており、壁部18bよりも薄くなっている。ここで、屈曲部18aの肉薄部の厚さをa、壁部18bの厚さをb、上面18c(または下面18e)の厚さをc(e)とすると、これらの厚さa、b、cは次のような関係が望ましい。
(1/3)b≦a≦(2/3)b ・・・ (1)
(3/2)b≦c(e)≦3b ・・・ (2)
【0035】
したがって、屈曲部18aの厚さは、壁部18bの1/3から2/3程度が望ましく、特に壁部18bの1/2が最適である。また、上面18cと下面18eの厚さは、壁部18bの厚さよりも厚く、1.5倍から3倍程度が望ましい。上面18cおよび下面18eの厚さを壁部18bよりも厚くしているのは、蛇腹部分が伸縮する際に、上面18cおよび下面18eにおいて遮光部材18を確実に保持するためである。なお、本実施形態においては、上面18cと下面18eの厚さは同じにしているが、壁部18bの厚さよりも厚ければ、両者の厚さは同じでなくてもよい。上面18cは板材20によって補強されることから、上面18cの方が下面18eよりも薄くても構わない。
【0036】
次に、本実施形態における動作について説明する。まず、テレスコピック動作について説明する。テレスコピック動作は、前述したように鏡筒部111をテレスコピック方向(水平方向)に伸展または縮小させる動作である。ユーザがカバー12の部分を把持し矢印10(図2、図4参照)の方向に引っ張ると、テレスコピック固定部材8に対してテレスコピック移動部材9が矢印10の方向に移動し、テレスコピック移動部材9と一体に移動可能な双眼部112も矢印10の方向に移動し、鏡筒部111が伸展する(図5参照)。この場合、鏡筒部111内の光路3の伸縮する部分は、アフォーカル光学系で構成されていることから、光路長が変化しても観察像に影響しない。ユーザがカバー12の部分を把持し矢印10と反対方向に押し込むと、テレスコピック移動部材9は反対方向に移動し、鏡筒部111は縮小する(図2、図4参照)。
【0037】
続いて、リフト動作について説明する。リフト動作は前述したように鏡筒部内の移動部材が上下移動する伸縮動作であり、この伸縮動作に応じて双眼部112が上下移動する。ユーザがリフトハンドル13を回転操作すると、ピニオンギア14が回転し、これと噛合するラック15が上方向または下方向に移動する。ラック15が上下いずれかに移動すると、これと一体に構成されたリフト移動部材16も上下に移動し、リフト移動部材16によって保持されている双眼部112も上下に移動する。すなわち、リフトハンドル13の回転操作に応じて、双眼部112が上下に移動するリフト動作が実行される。
【0038】
リフト動作の際、上面18cが引き上げられると、図10に示すように、屈曲部18aの谷側の肉厚が壁部18bよりも薄くしていることから、壁部18bが変形することなく、確実に屈曲部18aが曲げ伸ばされる。また、上面18cが引き下げられる場合は、遮光部材18の向かい合う壁部18b同士が密着するほど縮めても、図11に示すように、屈曲部18aが異常に盛り上がるような変形が発生しない。
【0039】
また、リフト動作で遮光部材18が引き上げられる際には、図12(a)に示すように、板材20が上面18cの全体を引っ張り上げるように作動する。遮光部材18が押下げられる際には、図12(b)に示すように、板材20が壁部18bの全体を押し下げるように作動する。このため、どの側面方向から見ても壁部18bは均一に上下移動を行う。また、上面18cと下面18eは、壁部18bよりも厚くしているので、伸縮動作を行うことはない。
【0040】
以上、説明したように、本実施形態における遮光部材は、屈曲部18aが壁部18bよりも肉薄に形成している。このため、安価な蛇腹形式でありながら、上下に伸縮する際に、屈曲部18aが曲げ伸ばされ壁部18bが変形することがなく、蛇腹部の形状をきれいに保つことができる。特に、壁部18b同士が密着するほど縮めた場合であっても、屈曲部18aの異常な変形が発生しない。従来の遮光部材では、図16に示すように、屈曲部の厚さが壁部と略同じであるか、厚く形成されていることから、壁部18bを密着するほど縮めた場合には、屈曲部で異常に盛り上がっていたが、本実施形態においては、このような変形が発生することがない。
【0041】
また、本実施形態においては、上面18cに概ね沿う形状の板材20を内包するようにしている。このため、上下に伸縮する際に、上面18cが変形することがなく、蛇腹部が変形する。また、遮光部材18をどの方向から見ても均一に上下移動させることができ、複数の段状に形成された蛇腹の稜線をきれいに保つことができる。
【0042】
(変形例1)
遮光部材18の変形例1として、図13に遮光部材21を示す。本発明の一実施形態においては、屈曲部18aは屈曲部の谷側に設けていたが、本変形例においては、屈曲部の山側を肉薄部とし、屈曲部21aを設けている。この屈曲部21aの厚さは、壁部21bの厚さよりも薄くなっている。屈曲部21aの厚さは、一実施形態の場合と同様、壁部21bの厚さの1/3から2/3程度であり、1/2が最適である。本変形例の作用および効果は一実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
(変形例2)
また遮光部材18の変形例2として、図14、図15に凸部を有する遮光部材22を示す。本発明の一実施形態においては、壁部18bの互いに向き合う面は平面のみであった。本変形例では、壁部22bの互いに向き合う平面に、凸部として略半球状のリブ22gを複数個、設けている。リブ22gは、本変形例では、壁部22bの厚さの1/2程度としているが、壁部22bの材質等を勘案して最適になるように適宜変更してもよい。またリブ22gは、蛇腹部が密着状態まで折り畳まれた際に、向かい合うリブ22b同士が接触しないように、位置をずらしている。なお、本変形例においては、凸部の形状を略半球状としているが、これに限らず、円筒状や円錐状等、平面より突出する形状であればよい。
【0044】
本変形例においても、屈曲部22aの厚さを壁部22bの厚さよりも薄くなるようにしているので、本発明の一実施形態と同様、上下に伸縮する際に、屈曲部22aが曲げ伸ばされ壁部22bが変形することがない。また、本発明の一実施形態における作用に加えて、本変形例においては、蛇腹部が折り畳まれた際に、リブ22gが向かい合う壁部22bと接触し、多数の隙間23が生じ、壁同士の密着面積が減少する。このため、蛇腹形状に折り畳まれ、密着状態で長期間放置した後、リフト動作を実行する際に、壁部同士が貼り付くことを防止でき、長期間放置後の初動作においてもスムースな動作となり、製品の品位を損なうことがない。特に、遮光部材22をゴム等の弾性体で構成した場合には、この効果が顕著に発揮される。
【0045】
以上、説明したように、本発明の一実施形態や変形例においては、遮光部材の屈曲部18a、21a、22aが、壁部18b、21b、22bよりも肉薄にしている。このため、伸縮機構を動作させた際に、蛇腹状の遮光部材18、21、22の異常な変形を防止することができ、外観に好適な美しい形状を保つことができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、鏡筒部111におけるリフト動作を行う部分に蛇腹形式の遮光部材に対して、本発明を適用した例を説明した。しかしこれに限らず、例えば特許文献1に開示されているように、ステージと対物レンズ間等、固定部材と移動部材の間、もしくは相互の間の距離が変化する部材間であれば、本発明を適用することができる。
【0047】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・入射部、2・・・ミラー、3・・・光路、4・・・ミラー、5・・・光路、6・・・双眼保持部、7・・・双眼部、8・・・テレスコピック固定部材、9・・・テレスコピック移動部材、10・・・矢印(移動方向)、11・・・リフト部、12・・・カバー、13・・・リフトハンドル、14・・・ピニオンギア、15・・・ラック、16・・・リフト移動部材、17・・・リフト固定部材、18・・・遮光部材、18a・・・屈曲部、18b・・・壁部、18c・・・上面、18d・・・山折り頂点、18e・・・下面、18f・・・孔、19・・・矢印(移動方向)、20・・・板材、21・・・遮光部材、21a・・・屈曲部、21b・・・壁部、22・・・遮光部材、22a・・・屈曲部、22b・・・壁部、22g・・・リブ、23・・・隙間、24・・・後ろカバー、25・・・遮光部材、25a・・・屈曲部、101・・・ベース、102・・・支柱、103・・・ステージ、104・・・対物レンズ、105・・・レボルバ、106・・・レボルバ保持部材、107・・・支持アーム、111・・・鏡筒部、112・・・双眼部、113・・・接眼レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部と、
上記固定部に対して移動可能な移動部と、
上記固定部と上記移動部との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材と、
を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であることを特徴とする顕微鏡。
【請求項2】
上記遮光部材は、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包していることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
上記遮光部材は、上面および下面が上記壁部よりも肉厚であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
上記遮光部材は、互いに向き合う面に凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項5】
伸縮機構を備えた顕微鏡鏡筒において、
上記伸縮機構によって伸縮する蛇腹形状の遮光部材を備え、
上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上記上面および下面が上記壁部よりも肉厚であることを特徴とする顕微鏡鏡筒。
【請求項1】
固定部と、
上記固定部に対して移動可能な移動部と、
上記固定部と上記移動部との間に設けられ、蛇腹状の伸縮自在な遮光部材と、
を備え、上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であることを特徴とする顕微鏡。
【請求項2】
上記遮光部材は、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包していることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
上記遮光部材は、上面および下面が上記壁部よりも肉厚であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
上記遮光部材は、互いに向き合う面に凸部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項5】
伸縮機構を備えた顕微鏡鏡筒において、
上記伸縮機構によって伸縮する蛇腹形状の遮光部材を備え、
上記遮光部材の屈曲部が壁部よりも肉薄であり、上面の外周部が略正方形または略長方形で形成され、上記上面に概ね沿う形状の板材を内包しており、上記上面および下面が上記壁部よりも肉厚であることを特徴とする顕微鏡鏡筒。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−107303(P2011−107303A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260739(P2009−260739)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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