説明

顕微鏡システムおよび照明強度調整方法

【課題】明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができる顕微鏡システムおよび照明強度調整方法を提供すること。
【解決手段】標本が載置されるステージ21と、少なくともステージ21上の標本Sからの観察光を集光する対物レンズ23と、標本Sに照射する明視野観察用の照明光である明視野照明光を射出する明視野照明部25と、標本Sに照射する暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を射出する暗視野照明部26と、明視野照明光および暗視野照明光の少なくとも一方の照明強度を、他方の照明強度に応じて調整する照明強度制御部742と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、照明光を標本に照射し、標本が反射した光をもとに生成された標本像を取得する顕微鏡システムおよびこの顕微鏡システムに用いられる照明光の照明強度を調整する照明強度調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、医学や生物学等の分野では、細胞等の観察に、標本を照明して観察する顕微鏡装置を有する顕微鏡システムが用いられている。また、工業分野においても、金属組織等の品質管理や、新素材の研究開発、電子デバイスや磁気ヘッドの検査等、種々の用途で顕微鏡装置が利用されている。顕微鏡システムによる標本の観察は、目視によるものの他、CCDカメラ等の撮像素子を用いて標本像を撮像し、モニタ表示する構成を有するものが知られている。
【0003】
また、顕微鏡システムによる観察方法として、明視野観察と暗視野観察とが挙げられる。明視野観察は、最も一般的な観察方法であって、標本に対し、対物レンズの光軸と平行な方向に照明光を照明して透過率や反射率の違いや色の違いによって、像のコントラストを取得して標本像を形成し、観察者がこの標本像を観察する。一方、暗視野観察は、対物レンズの光軸に対して傾斜した照明光を標本に照明し、標本から透過または反射した光(観察光)を取得して標本像を形成し、観察者がこの標本像を観察する。暗視野観察では、標本を透過して屈折した屈折光、または標本から反射されて散乱した散乱光を観察光として標本像を形成する。
【0004】
明視野観察および暗視野観察を標本に応じて適宜使い分けて観察する、または同一標本に対して両観察方法により観察することによって、標本の拡大観察や形状の観察を行うことができる。特に、暗視野観察では、明視野で見え難いコントラストの低い標本に対して、コントラストを付与することができるため、例えば工業分野において標本上の傷等の凹凸形状の観察を行うことに適している。
【0005】
上述した明視野観察および暗視野観察を行うことができる顕微鏡システムとして、明視野照明系と暗視野照明系とを有するウエハ欠陥検査装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。このウエハ欠陥検査装置では、明視野照明系と暗視野照明系との使用照明系を切り替え、または同時に使用することによってそれぞれの照明系から得られる標本像を観察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−149169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、明視野照明光と暗視野照明光とを同時に照明する際、2つの照明系の光量を調整する必要がある。しかしながら、上述したウエハ欠陥検査装置では、明視野照明光と暗視野照明光とを同時に照明する際の照明強度調整についての具体的な記載はなかった。また、観察者が手動で調整する場合、所望の照明強度(光量)に調整するのに困難を要する場合があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができる顕微鏡システムおよび照明強度調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる顕微鏡システムは、標本が載置されるステージと、少なくとも前記ステージ上の前記標本からの観察光を集光する対物レンズと、前記標本に照射する明視野観察用の照明光である明視野照明光を射出する明視野照明部と、前記標本に照射する暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を射出する暗視野照明部と、前記明視野照明光および前記暗視野照明光の少なくとも一方の照明強度を、他方の照明強度に応じて調整する照明強度制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる顕微鏡システムは、上記発明において、前記明視野照明光および前記暗視野照明光によってそれぞれ照射された前記標本を撮像する撮像部をさらに備え、前記照明強度制御部は、前記撮像部が前記明視野照明光および前記暗視野照明光によって照射された前記標本をそれぞれ撮像した際の露光時間の比に応じて少なくとも一方の照明光の照明強度を調整することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる顕微鏡システムは、上記発明において、前記照明強度制御部は、露光時間の短い方の照明光の照明強度を調整することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる顕微鏡システムは、上記発明において、前記明視野照明光の照明強度と前記暗視野照明光の照明強度との比率を指示入力する入力部をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる顕微鏡システムは、上記発明において、前記入力部は、外部からの物体の接触位置に応じた入力を受け付けるタッチパネルであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる照明強度調整方法は、標本が載置されるステージ上の前記標本に対して暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を照射して撮像する暗視野撮像ステップと、前記標本に対して明視野観察用の照明光である明視野照明光を照射して撮像する明視野撮像ステップと、前記暗視野撮像ステップおよび前記明視野撮像ステップによってそれぞれ撮像された際の各露光時間の比に応じて、少なくとも一方の照明光の照明強度を、他方の照明光の照明強度に応じて調整する照明強度調整ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、明視野照明部および暗視野照明部から射出する各照明光の少なくとも一方の照明光の照明強度を、他方の照明光の照明強度に応じて調整するようにしたので、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡システムの構成の一例を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡システムの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡システムの表示入力部の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡システムが行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2の変形例にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡システムの表示入力部の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかる顕微鏡システムの構成の一例を示す概念図である。図2は、本実施の形態1にかかる顕微鏡システムの機能構成を示すブロック図である。なお、図1および図2において、顕微鏡システム1が載置される平面をXY平面とし、XY平面と垂直な方向をZ方向として説明する。
【0019】
図1および図2に示すように、顕微鏡システム1は、標本Sを観察する顕微鏡装置2と、顕微鏡装置2を駆動制御する顕微鏡制御部3と、顕微鏡装置2を介して標本Sを撮像して画像データを生成する撮像装置4と、撮像装置4の駆動を制御する撮像制御部5と、制御端末7を介して撮像装置4が撮像した画像データに対応する画像を表示するとともに、顕微鏡システム1の各種の操作の入力を受け付ける表示入力部6と、顕微鏡制御部3、撮像制御部5および表示入力部6を制御する制御端末7と、を備える。顕微鏡装置2、顕微鏡制御部3、撮像装置4、撮像制御部5、表示入力部6および制御端末7は、データが送受信可能に有線または無線で接続されている。
【0020】
顕微鏡装置2は、標本Sが載置されるステージ21と、側面視略C字状をなし、ステージ21を支持するとともに、レボルバ22を介して対物レンズ23を保持する顕微鏡本体部24と、標本Sに照射する明視野観察用の照明光である明視野照明光を射出する明視野照明部25と、顕微鏡本体部24に設けられ、標本Sに照射する暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を射出する暗視野照明部26と、を備える。
【0021】
ステージ21は、XYZ方向に移動自在に構成されている。ステージ21は、モータ211によってXY平面内で移動自在である。ステージ21は、顕微鏡制御部3の制御のもと、図示しないXY位置の原点センサによってXY平面における所定の原点位置を検出し、この原点位置を基点としてモータ211の駆動量が制御されることによって、標本S上の観察箇所を移動する。ステージ21は、観察時のX位置およびY位置に関する位置信号(XY座標)を顕微鏡制御部3に出力する。また、ステージ21は、モータ212によってZ方向に移動自在である。ステージ21は、顕微鏡制御部3の制御のもと、図示しないZ位置の原点センサによってステージ21のZ方向における所定の原点位置を検出し、この原点位置を基点としてモータ212の駆動量が制御されることによって、所定の高さ範囲内の任意のZ位置に標本Sを焦準移動させる。ステージ21は、観察時のZ位置に関する位置信号を顕微鏡制御部3に出力する。なお、焦準移動はステージをZ方向に動かすだけでなく、対物レンズ23または対物レンズ23を含む観察光学系を上下動させることで行ってもよい。
【0022】
レボルバ22は、顕微鏡本体部24に対してスライド自在または回転自在に設けられ、対物レンズ23を標本Sの上方に配置する。レボルバ22は、電動レボルバ等を用いて構成される。レボルバ22は、マウンタ221によって倍率(観察倍率)が異なる複数の対物レンズ23を保持する。レボルバ22は、観察光の光路上に挿入されて標本Sの観察に用いる対物レンズ23を択一的に切換えるため、マウンタ221をスライドまたは回転させるレボルバモータ222と、レボルバ22の接続状態等を検出するレボルバ検出部223と、を有する。
【0023】
レボルバモータ222は、顕微鏡制御部3の制御のもと、マウンタ221をスライドまたは回転させる。レボルバ検出部223は、レボルバ22が顕微鏡本体部24に接続されていることを検知するレボルバ接続センサ(図示せず)と、対物レンズ23が観察光の光路上に挿入された対物レンズ23の種類を識別するレボルバセンサ(図示せず)と、対物レンズ23が観察光の光路上に挿入されたことを検知する移動完了センサ(図示せず)と、を有する。レボルバ検出部223は、各種センサが検出した検出結果を顕微鏡制御部3へ出力する。
【0024】
なお、レボルバ22に代えて、ノーズピースを用いる構成であってもよい。ノーズピースは、対物レンズの光軸に直交する方向にスライド自在に設けられたスライダを介して、所望の対物レンズ23を標本Sの上方に配置することができる。ノーズピースは、スライダによって倍率(観察倍率)が異なる複数の対物レンズ23(23a,23b)を保持する。ノーズピースは、顕微鏡制御部3の制御のもと、スライダをX方向にスライドさせることによって、観察光の光路上に挿入されて標本Sの観察に用いる対物レンズ23を択一的に切換えることができる。
【0025】
対物レンズ23は、たとえば1倍,2倍,4倍の比較的倍率の低い対物レンズ23a(以下、「低倍対物レンズ23a」という)と、10倍,20倍,40倍の低倍対物レンズ23aの倍率に対して高倍率である対物レンズ23b(以下、「高倍対物レンズ23b」という)とを少なくとも一つずつマウンタ221に装着される。なお、低倍対物レンズ23aおよび高倍対物レンズ23bの倍率は一例であり、高倍対物レンズ23bが低倍対物レンズ23aに対して高ければよい。
【0026】
顕微鏡本体部24は、ファイバー251を介して明視野照明部25から射出された照明光L1(以下、「明視野照明光L1」という)を集光する照明レンズ241と、明視野照明光L1の光路を対物レンズ23の光軸に沿って偏向させるハーフミラー242と、対物レンズ23およびハーフミラー242を介して入射される標本Sの反射光を集光して観察像を結像する結像レンズ243とが内部に設けられている。
【0027】
なお、ハーフミラー242と対物レンズ23との間に、標本Sを拡大するズームレンズ機構を有することが好ましい。ズームレンズ機構は、例えばズームレンズ群およびズームレンズ群を駆動するズームレンズモータ等を用いて構成される。ズームレンズモータは、顕微鏡制御部3の制御のもと、ズームレンズ群を光軸方向に沿って移動させることにより、ズームレンズ機構の倍率を変更することができる。
【0028】
明視野照明部25は、ハロゲンランプ、キセノンランプまたはLED(Light Emitting Diode)等の光源を用いることによって構成される。明視野照明部25は、ファイバー251を介して標本Sの観察像を形成するための明視野照明光L1を顕微鏡本体部24に出射する。
【0029】
明視野照明光L1は、照明レンズ241、ハーフミラー242および対物レンズ23を経て標本Sに照射される。標本Sで反射した反射光L2(以下、「観察光L2」という)は、対物レンズ23、ハーフミラー242および結像レンズ243を経て撮像装置4に入射する。
【0030】
暗視野照明部26は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプまたはLED等の複数の光源が環状に配置されたリング照明を用いて実現され、リング状の内部空間に明視野照明光L1が通過するように配設される。暗視野照明部26は、対物レンズ23の光軸に対して傾斜した平行光束を標本Sに照射する(以下、この光を「暗視野照明光L3」という)。標本Sが反射した反射光または標本Sから反射された散乱光(以下、「観察光L4」という)は、対物レンズ23、ハーフミラー242および結像レンズ243を経て撮像装置4に入射する。
【0031】
図3は、本実施の形態1にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。明視野照明部25の光源25aから射出された明視野照明光L1は、上述したように、照明レンズ241、ハーフミラー242および対物レンズ23を経て標本Sに照射される。また、暗視野照明部26から射出された暗視野照明光L3は、上述したように、対物レンズ23を経て標本Sに照射される。
【0032】
また、対物レンズ23は、ハーフミラー242によって対物レンズ23の光軸に沿って偏向させられた明視野照明光L1を集光して平行光束として標本Sに射出するとともに、標本Sから反射した光を集光する集光レンズ231と、暗視野照明部26から射出された暗視野照明光L3を対物レンズ23の光軸に対して傾斜させて標本Sに射出する放物ミラー232と、を有する。
【0033】
顕微鏡制御部3は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、制御端末7の制御のもと、顕微鏡装置2を構成する各部の動作を統括的に制御する。具体的には、顕微鏡制御部3は、レボルバモータ222を駆動することにより、マウンタ221をスライドまたは回転させて観察光L2の光路上に配置する対物レンズ23を切換える切換処理、モータ211またはモータ212を駆動することにより、ステージ21の駆動処理、および標本Sの観察に伴う顕微鏡装置2の各部の調整を行う調整処理等を行う。また、顕微鏡制御部3は、制御端末7の制御のもと、明視野照明部25および暗視野照明部26の光量の調整を行う。顕微鏡制御部3は、顕微鏡装置2を構成する各部の状態、たとえばステージ21の位置情報(XY位置、Z位置)およびレボルバ22に装着された対物レンズ23の種類情報等を制御端末7に出力する。
【0034】
撮像装置4は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子41を用いて構成される。撮像装置4は、撮像制御部5の制御のもと、結像レンズ243を経て入射された標本Sの観察像を撮像して標本Sの画像データを連続して生成する。撮像装置4は、カメラケーブルを介して生成した標本Sの画像データを制御端末7へ出力する。なお、本実施の形態では、撮像装置4が撮像部として機能する。
【0035】
撮像制御部5は、CPU等を用いて構成され、撮像装置4の動作を制御する。具体的には、撮像制御部5は、撮像装置4の自動ゲイン制御のON/OFF切換処理、ゲインの設定処理およびフレームレートの設定処理等を行って撮像装置4の撮影動作を制御する。撮像制御部5は、AE処理部51と、AF処理部52と、を有する。
【0036】
AE処理部51(AE:Automatic Exposure)は、撮像装置4が生成した画像データに基づいて、撮像装置4の露出条件を自動的に設定する。具体的には、AE処理部51は、制御端末7を介して取得した画像データから輝度を算出し、算出した輝度に基づいて撮像装置4の露出条件、たとえば露光時間を決定することで撮像装置4の自動露出を行う。
【0037】
AF処理部52は、撮像装置4が生成した画像データに基づいて、撮像装置4のピントを自動的に調整する。具体的には、AF処理部52は、画像データに含まれるコントラストを評価し、合焦している合焦位置(焦点位置)を検出することにより、撮像装置4のピントを自動的に調整する。なお、AF処理部52は、画像データに基づいて、ステージ21の各Z位置における画像のコントラストを評価することにより、合焦している焦点位置(Z位置)を検出してもよい。
【0038】
表示入力部6は、制御端末7との通信を行う表示通信部61と、画像を表示する表示部62と、外部からの物体の接触に応じた位置信号を出力するタッチパネル63と、を有する。
【0039】
表示通信部61は、制御端末7との通信を行うための通信インターフェースである。表示通信部61は、制御端末7から出力される画像データを表示部62へ出力する。
【0040】
表示部62は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示部62は、表示通信部61を介して入力される画像データに対応する画像を表示する。表示部62は、顕微鏡システム1の各種操作情報等を表示する。
【0041】
タッチパネル63は、表示部62の表示画面上に設けられ、外部からの物体の接触位置に応じた入力を受け付ける。具体的には、タッチパネル63は、ユーザが表示部62に表示される操作アイコンに従ってタッチ(接触)した位置を検出し、この検出したタッチ位置に応じた位置信号を、表示通信部61を介して制御端末7へ出力する。たとえば、図4に示すように、タッチパネル63は、表示部62が、顕微鏡システム1の各種操作情報や、撮像装置4によって連続して生成された画像データに対応するライブ画像、または撮像装置4によって撮像した撮像画像を画像表示領域A1内で表示することで、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)として機能する。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式および光学方式等がある。本実施の形態1では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
【0042】
制御端末7は、顕微鏡制御部3、撮像制御部5および表示入力部6との通信を行う制御通信部71と、顕微鏡システム1の各種情報を記憶する記憶部73と、顕微鏡システム1の各部の駆動を指示する駆動指示信号の入力を受け付ける入力部72と、顕微鏡システム1の各部を制御する制御部74と、を備える。
【0043】
制御通信部71は、顕微鏡制御部3、撮像制御部5および表示入力部6それぞれとの通信を行うための通信インターフェースである。また、制御通信部71は、カメラケーブルを介して撮像装置4から出力される画像データを制御部74へ出力する。
【0044】
入力部72は、キーボード、マウス、ジョイスティックおよび各種スイッチ等を用いて構成され、各種スイッチの操作入力に応じた操作信号を制御部74に出力する。
【0045】
記憶部73は、制御端末7の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリおよびRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部73は、顕微鏡システム1に実行させる各種プログラム、プログラムの実行中に使用される各種データを記憶する。また、記憶部73は、制御部74の処理中の情報を一次的に記憶する。記憶部73は、撮像装置4が撮像した画像データを記憶する画像データ記憶部731を有する。また、記憶部73は、表示入力部6のタッチパネル63から入力される接触位置を示す位置信号を一時的に記憶する。なお、記憶部73は、外部から装着されるメモリカード等を用いて構成されてもよい。
【0046】
制御部74は、CPU等を用いて構成され、入力部72およびタッチパネル63からの駆動指示信号、位置信号および切換信号等に応じて顕微鏡システム1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って顕微鏡システム1の動作を統括的に制御する。
【0047】
また、制御部74は、画像処理部741と、照明強度制御部742と、駆動制御部743と、表示制御部744と、を有する。
【0048】
画像処理部741は、制御通信部71を介して入力される画像データに対して、所定の画像処理を施して表示部62で表示する表示画像を生成する。具体的には、画像処理部741は、画像データに対して、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、同時化処理、カラーマトリクス演算処理、γ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む画像処理を行う。画像処理部741は、画像データを所定の方式、たとえばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で圧縮し、圧縮した画像データを画像データ記憶部731へ出力する。
【0049】
照明強度制御部742は、明視野照明部25および暗視野照明部26の照明強度の調整を行うための制御信号を顕微鏡制御部3に対して出力して、明視野照明部25および暗視野照明部26の照明強度を制御する。
【0050】
駆動制御部743は、タッチパネル63が位置信号を出力してから停止したとき、記憶部73が記憶する位置情報を取得し、この位置情報に基づいて、顕微鏡装置2を構成する電動ユニットを駆動する駆動信号を出力する。
【0051】
表示制御部744は、表示部62の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部744は、画像データ記憶部731が記憶する複数の画像データの各々の画像を、制御通信部71、表示通信部61を介して表示部62に表示させる。表示制御部744は、顕微鏡システム1の各々の動作に関する操作情報、たとえば、ステージ21の操作情報等を、制御通信部71、表示通信部61を介して表示部62に表示させる。
【0052】
このように構成された顕微鏡システム1は、制御部74の制御のもと、撮像装置4で撮像された標本Sの画像データを、制御通信部71、表示通信部61を介して表示部62に表示することによってユーザに標本Sの画像を観察させることができる。さらに、顕微鏡システム1は、入力部72やタッチパネル63から入力される信号に基づいて、制御部74が顕微鏡システム1の各部に指示信号や駆動信号を出力することにより、顕微鏡装置2および撮像装置4が駆動する。
【0053】
つぎに、照明強度調整方法について説明する。図5は、本実施の形態1にかかる顕微鏡システム1が行う照明強度調整処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下の処理では、明視野照明光および暗視野照明光の明るさが1:1となるように照明強度を調整するものとして説明する。
【0054】
まず、制御部74は、撮像制御部5にステージ21上の標本Sに対して暗視野撮像処理を行わせて、この撮像処理における露光時間である暗視野露光時間tをAE処理部51から取得する(ステップS101)。その後、制御部74は、撮像制御部5にステージ21上の標本Sに対して明視野撮像処理を行わせて、この撮像処理における露光時間である明視野露光時間tをAE処理部51から取得する(ステップS102)。なお、暗視野撮像処理および明視野撮像処理は、この順番が逆であってもよい。
【0055】
ここで、AE露光時間は、例えば画像データに含まれる被写体の輝度情報と、撮像素子41の撮影感度と、設定値とに基づいて算出される。なお、設定値は、1つのフレームに対応する輝度の平均値に対応する値であってもよいし、最も高い輝度値に対応する値であってよいし、所定領域の平均輝度値に対応する値であってもよい。また、ステップS101における暗視野撮像処理とステップS102における明視野撮像処理とでAE時間算出方式を切り替えてもよい。
【0056】
制御部74は、暗視野露光時間tおよび明視野露光時間tを取得すると、照明強度を調整するよう照明強度制御部742に指示する。照明強度制御部742は、暗視野露光時間tおよび明視野露光時間tを比較して、どちらの露光時間が長いかを判断する(ステップS103)。ここで、照明強度制御部742は、明視野露光時間tが暗視野露光時間tと比して長いと判断した場合(ステップS103:Yes)、暗視野照明光L3の照明強度を調整する(ステップS104)。
【0057】
一方、照明強度制御部742は、暗視野露光時間tが明視野露光時間tと比して長いと判断した場合(ステップS103:No)、明視野照明光L1の照明強度を調整する(ステップS105)。
【0058】
ここで、照明強度の調整について説明する。照明強度制御部742は、例えば、明視野露光時間tが暗視野露光時間tと比して長い場合、暗視野露光時間tと明視野露光時間tとの比(t/t)を算出する。照明強度制御部742は、この比(t/t)に応じて、光源から射出される光量を減少させて暗視野照明部26の照明強度を小さくする。また、照明強度制御部742は、暗視野露光時間tが明視野露光時間tと比して長い場合であっても同様に、明視野露光時間tと暗視野露光時間tとの比(t/t)を算出し、この比(t/t)に応じて、光源から射出される光量を減少させて明視野照明部25の照明強度を小さくする。
【0059】
制御部74は、ステップS104またはステップS105において照明強度制御部742が照明強度の調整を行った後、調整後の明視野照明光L1および暗視野照明光L3を用いて両照明同時照射処理を行う(ステップS106)。
【0060】
上述した照明強度調整処理によって、明視野照明光および暗視野照明光を標本に対して同時に照明する際に、露光時間の比に応じて、一方の照明光の照明強度を相対的に小さくして(照明光を暗くして)、明視野照明光および暗視野照明光の明るさを揃えることで、自動的に照明強度の調整を行うことができる。なお、照明強度の調整は、例えば光源に対して出力する電力を調整する。
【0061】
上述した本実施の形態1によれば、明視野照明光と暗視野照明光との露光時間の比に応じて、露光時間の短い方の照明強度を相対的に小さくするようにしたので、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができる。これにより、明視野照明光と暗視野照明光とを同時に照射した標本を観察するうえで、最も適した照明強度において標本の観察を行うことが可能となる。
【0062】
また、上述した本実施の形態1によれば、明視野照明光と暗視野照明光とを最も適した照明強度で照射して標本像を取得するため、明視野照明光および暗視野照明光の一方の照明光による標本像から全焦点画像や3次元画像を構築する場合に比して、一段と鮮明な画像を得ることができる。特に、対物レンズの光軸に対して傾斜した面を有する標本の全焦点画像や3次元画像を構築する場合、暗視野照明系を用いることで一層鮮明な画像を得ることができる。
【0063】
なお、上述した照明強度調整処理では、明視野照明光および暗視野照明光の明るさが1:1となるようにするものとして説明したが、観察者が予め調整比率を設定し、この設定された比率をもとに、上述した照明強度調整処理を行うようにしてもよいし、サンプルに応じて調整比率をそれぞれ設定するものであってもよい。この場合、設定された調整比率と上述した露光時間の比とを用いて照明強度を調整する。
【0064】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。図6は、本実施の形態2にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。本実施の形態2は、上述した実施の形態1にかかる顕微鏡システムに対して照明系のみ異なり、顕微鏡システムの構成は上述した実施の形態1にかかる顕微鏡システムと同様の構成を有する。このため、以下においては、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡システムによる照明系および光学系について説明する。なお、図3等で上述したものと同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0065】
本実施の形態2にかかる顕微鏡システムは、図3等に示す複数の光源が環状に配置されたリング状の暗視野照明部26に代えて、上述した明視野照明部25の光源25aのように、光源27aを有する暗視野照明部27を備える。
【0066】
また、本実施の形態2にかかる顕微鏡システムは、暗視野照明部27から射出される照明光(以下、「暗視野照明光L5」という)を集光する照明レンズ244と、略円板状をなし、中心部が開口したリング状のリングミラー245と、を備える。リングミラー245は、照明レンズ244によって集光された暗視野照明光L5のうち端部側の光を反射するとともに、中心部の開口で明視野照明部25から射出された照明光L1が通過する位置に設けられる。
【0067】
リングミラー245によって対物レンズ23の光軸に沿って偏向された暗視野照明光L5は、放物ミラー232により対物レンズ23の光軸に対して傾斜して標本Sに射出される。
【0068】
上述した本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、明視野照明光と暗視野照明光との露光時間の比に応じて、露光時間の短い方の照明強度を相対的に小さくするようにしたので、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができる。これにより、明視野照明光と暗視野照明光とを同時に照射した標本を観察するうえで、最も適した照明強度において標本の観察を行うことが可能となる。
【0069】
また、上述した本実施の形態2によれば、暗視野照明用の光源が顕微鏡本体部の外部に設けられるため、光源を交換する場合、顕微鏡本体部の内部を開放して光源の交換を行う必要がないため、光源の交換にかかる処理を一段と容易にすることができる。
【0070】
図7は、本実施の形態2の変形例にかかる顕微鏡システムの光学系および照明系を示す模式図である。図7に示す変形例のように、照明強度制御部742が行う照明強度の調整を、光源の光量を調整することに代えて、光の透過量を調節可能な可変NDフィルタ246aおよび246bを用いて調整してもよい。
【0071】
照明強度制御部742は、上述したように、照明光の照明強度を調整する場合、明視野照明光と暗視野照明光との露光時間の比に応じて一方の照明光の照明強度の調整を行う。照明強度制御部742は、調整対象の照明光側の可変NDフィルタ246aまたは可変NDフィルタ246bを制御して透過量を調節し、照明強度を調整する。
【0072】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。図8は、本実施の形態3にかかる顕微鏡システムの表示入力部の一例を示す図である。本実施の形態3にかかる顕微鏡システムは、上述した実施の形態にかかる顕微鏡システムによる表示部62の表示態様のみ異なり、顕微鏡システムの構成は上述した実施の形態にかかる顕微鏡システムと同様の構成を有する。このため、以下においては、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡システムによる表示部62の表示態様のみ説明する。
【0073】
タッチパネル63aは、表示部62が、撮像装置4によって連続して生成された画像データに対応するライブ画像、または撮像装置4によって撮像した撮像画像を画像表示領域A1内に表示することで、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)として機能する。ここで、表示部62は、画像表示領域A1内に、撮像画像に対して明視野照明による明視野効果および暗視野照明による暗視野効果の比率を調整するスライダ64を表示する。
【0074】
照明強度制御部742は、観察者からの入力操作によって移動したスライダ64の位置に応じて、明視野照明光または暗視野照明光の照明強度を調整する。例えば、スライダ64が明視野効果側に位置する場合は、画像表示領域に表示された画像の明視野効果の比率(暗視野照明光に対する明視野照明光の照明強度の比率)を大きくする。なお、照明強度は、一方の照明強度を固定して他方の照明強度を小さくしてもよいし、一方の照明強度を固定して他方の照明強度を大きくしてもよいし、比率に合わせて相対的に両方の照明強度を調整してもよい。
【0075】
ここで、スライダ64が明視野効果と暗視野効果との中間位置にある場合、明視野照明および暗視野照明の照明強度は、上述した照明強度調整処理によって調整された最適な照明強度となっている。
【0076】
上述した本実施の形態3によれば、実施の形態1と同様、明視野照明光と暗視野照明光との露光時間の比に応じて、露光時間の短い方の照明強度を相対的に小さくするようにしたので、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うことができるとともに、観察者が、照明強度が最適化された状態の画像から直感的に明視野照明光と暗視野照明光との照明強度の比率を調整して標本像の観察を行うことができる。このとき、照明強度が最適化された状態の画像をスタートとして照明強度の調整を行うことができるため、標本像の確認作業にかかる時間を短縮させることも可能となる。
【0077】
なお、観察者による明視野効果と暗視野効果との調整を行う手段がGUIであるものとして説明したが、マウス等によってスライダを操作して入力指示を行なうものであってよいし、調節つまみ、入力ボタン等の機械的な構成を用いて入力指示を行なうものであってもよい。この場合、入力部72が、調節つまみ、入力ボタン等による入力に応じて、照明強度制御部742に指示情報を出力する。
【0078】
また、観察者が予めスライダ64の位置を移動させて明視野効果と暗視野効果との調整比率を設定し、この設定された比率をもとに、上述した照明強度調整処理を行うようにしてもよい。
【0079】
なお、上述した実施の形態において、暗視野照明光の光源は、白色ではなく、他の色であってもよい。このとき、標本に応じた色、例えば標本の色に対する補色等、明視野照明光に対して識別容易な色(補色等)であることが好ましい。
【0080】
また、上述した実施の形態において、暗視野照明光は、常時点灯するものであってよいし、所定間隔で点滅するようにしてもよい。ここで、所定間隔は、例えば撮像のフレーム間隔に応じた間隔である。所定間隔で点滅させることによって、明視野照明による標本像との識別を一段と容易なものとすることができる。特に、標本上に傷等の凹凸形状がある場合、暗視野照明光を点滅させることによって、この凹凸形状が点滅するため、凹凸形状の識別が容易となる。暗視野照明光を点滅させる場合、AE機能をオフにし、露光時間を固定することが好ましい。
【0081】
また、上述した実施の形態において、図5に示す照明強度調整処理において、ステップS101およびS102で行う各撮像処理では、撮像時の光量が、設定される照明強度の最高値であることが好ましい。これにより、光源としての最大照明強度において最適化された状態の画像を得ることができる。
【0082】
また、上述した実施の形態では、顕微鏡装置、撮像装置、表示入力部および制御端末を備えた顕微鏡システムを例に説明したが、たとえば明視野照明部と暗視野照明部とを有し、標本を拡大する対物レンズ、対物レンズを介して標本を撮像する撮像機能および画像を表示する表示機能を備えた撮像装置、たとえばビデオマイクロスコープ等であっても、本発明を適用することができる。
【0083】
また、上述した実施の形態では、顕微鏡装置として正立型顕微鏡装置を例に説明したが、たとえば倒立型顕微鏡装置であっても本発明を適用することができる。さらに、顕微鏡装置を組み込んだライン装置といった各種システムにも、本発明を適用することができる。
【0084】
また、上述した実施の形態では、表示入力部と制御端末とが別々に構成されていたが、たとえば表示入力部と制御端末とが一体的に形成された携帯型端末であってもよい。
【0085】
以上のように、本発明にかかる顕微鏡システムおよび照明強度調整方法は、明視野照明系と暗視野照明系とを同時に使用する場合の照明強度調整を自動的に行うのに有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 顕微鏡システム
2 顕微鏡装置
3 顕微鏡制御部
4 撮像装置
5 撮像制御部
6 表示入力部
7 制御端末
21 ステージ
22 レボルバ
23 対物レンズ
24 顕微鏡本体部
25 明視野照明部
26,27 暗視野照明部
41 撮像素子
51 AE処理部
52 AF処理部
61 表示通信部
62 表示部
63 タッチパネル
71 制御通信部
72 入力部
73 記憶部
74 制御部
211,212 モータ
222 レボルバモータ
231 集光レンズ
232 放物ミラー
241,244 照明レンズ
242 ハーフミラー
243 結像レンズ
245 リングミラー
246a,246b 可変NDフィルタ
251 ファイバー
731 画像データ記憶部
732 位置情報記憶部
741 画像処理部
742 照明強度制御部
743 駆動制御部
744 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標本が載置されるステージと、
少なくとも前記ステージ上の前記標本からの観察光を集光する対物レンズと、
前記標本に照射する明視野観察用の照明光である明視野照明光を射出する明視野照明部と、
前記標本に照射する暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を射出する暗視野照明部と、
前記明視野照明光および前記暗視野照明光の少なくとも一方の照明強度を、他方の照明強度に応じて調整する照明強度制御部と、
を備えたことを特徴とする顕微鏡システム。
【請求項2】
前記明視野照明光および前記暗視野照明光によってそれぞれ照射された前記標本を撮像する撮像部をさらに備え、
前記照明強度制御部は、前記撮像部が前記明視野照明光および前記暗視野照明光によって照射された前記標本をそれぞれ撮像した際の露光時間の比に応じて少なくとも一方の照明光の照明強度を調整することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項3】
前記照明強度制御部は、露光時間の短い方の照明光の照明強度を調整することを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡システム。
【請求項4】
前記明視野照明光の照明強度と前記暗視野照明光の照明強度との比率を指示入力する入力部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の顕微鏡システム。
【請求項5】
前記入力部は、外部からの物体の接触位置に応じた入力を受け付けるタッチパネルであることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡システム。
【請求項6】
標本が載置されるステージ上の前記標本に対して暗視野観察用の照明光である暗視野照明光を照射して撮像する暗視野撮像ステップと、
前記標本に対して明視野観察用の照明光である明視野照明光を照射して撮像する明視野撮像ステップと、
前記暗視野撮像ステップおよび前記明視野撮像ステップによってそれぞれ撮像された際の各露光時間の比に応じて、少なくとも一方の照明光の照明強度を、他方の照明光の照明強度に応じて調整する照明強度調整ステップと、
を含むことを特徴とする照明強度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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