説明

顕微鏡システム

【課題】観察に有効な部位やダメージの情報を提供し得る顕微鏡システムを提供する。
【解決手段】蛍光顕微鏡システム10は、蛍光顕微鏡20と制御ユニット40と操作部60とモニター70とを有している。蛍光顕微鏡20は、横方向に2次元的に移動可能なステージ31と、ステージ31の上方に配置された対物レンズ24と、対物レンズ24を介して試料80の画像を取得する撮像ユニット26と、ステージ31の移動を検出するセンサー35とを備えている。制御ユニット40は、センサー35が検出したステージ31の各位置における滞在時間を計測するタイマー47を有している。制御ユニット40は、センサー35の検出結果およびタイマー47の計測結果に基づき、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせてモニター70に表示させる機能を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージを備えた顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡システムを使用した試料観察は、ステージ上の置かれた試料上のごく限られた範囲のみを観察している。このため、顕微鏡本体に対してステージを横方向に2次元的に移動させて試料の様々な部位を観察する。また、目的とする標本が顕微鏡の視野内にない場合には、ステージを移動させながら観察を行ない、目的とする標本を探す必要がある。
【0003】
このように顕微鏡本体に対してステージが移動する経路を観察方法や試料に応じて適切にルート取りすることは顕微鏡観察において重要であり、いくつかの技術が提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−59193号公報は、顕微鏡のスライドガラス上の観察領域の移動経路を表示して、観察漏れの領域を顕在化する技術を開示している。
【0005】
また、特開平6−3597号公報は、試料の全体像上でポインティングデバイスを用いて撮像位置を指定し、その位置に電動ステージを自動的に移動させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−59193号公報
【特許文献2】特開平6−3597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の技術は、試料のどの部位が有効な観察成果を与え、試料のどの部位が有効な観察成果を与えなかったかを示唆する情報を観察者に提供していない。また、観察時に試料に照射される光(蛍光顕微鏡における励起光や、光学顕微鏡の照明光など)や他の物理的エネルギー(電子顕微鏡における電子線、コンタクトモードにおける原子間力顕微鏡のプローブによる接触など)が試料に与えるダメージに対する考慮がなく、どの部位にどの程度のダメージを与えたかを示唆する情報を観察者に提供していない。
【0008】
本発明の目的は、上記課題のいくつかに対応する顕微鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による顕微鏡システムは、少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、前記ステージの移動を検出するセンサーと、前記ステージの各移動位置における滞在時間を計測するタイマーと、画像を表示する表示装置と、前記センサーの検出結果および前記タイマーの計測結果に基づき、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットとを具備する。
【0010】
本発明による別の顕微鏡システムは、少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、少なくとも前記ステージの移動経路と前記移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報を記録する記録媒体と、画像を表示する表示装置と、前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットとを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、観察に有効な部位やダメージに関する情報を提供し得る顕微鏡システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の蛍光顕微鏡システムの構成を示している。
【図2】正立型の蛍光顕微鏡システムにおける観察領域の概要を示している。
【図3】倒立型の蛍光顕微鏡システムにおける観察領域の概要を示している。
【図4】標本を入れたシャーレを示している。
【図5】低拡大観察領域と中拡大観察領域の画像上に重ねて表示された高拡大観察領域を表す画像の移動の軌跡を示している。
【図6】図5中の中拡大観察領域を拡大して示している。
【図7】ステージの移動経路をリアルタイムで表示する全体的な流れを示している。
【図8】図7に示した手法とは異なる手法によりステージの移動経路を表示する全体的な流れを示している。
【図9】過去の移動経路に沿う区間を有するステージの移動経路を示している。
【図10】3つの移動経路から滞在時間によって重み付けして算出された観察候補位置を示している。
【図11】3つの移動経路から評価値によって重み付けして算出された観察候補位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態として、蛍光顕微鏡を含む顕微鏡システムについて説明する。蛍光顕微鏡観察下では励起光による試料の劣化が発生するため、蛍光顕微鏡システムは本発明の有効な適用分野である。しかし、本発明は、例えば光学顕微鏡、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡など、蛍光顕微鏡以外の顕微鏡を含む顕微鏡システムにも適用されてよい。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の蛍光顕微鏡システムの構成を示している。
【0015】
蛍光顕微鏡システム10は、蛍光画像を取得する蛍光顕微鏡20と、蛍光顕微鏡20を制御する制御ユニット40と、制御情報を入力するための操作部60と、画像を表示するモニター70とを有している。
【0016】
蛍光顕微鏡20は、正立型の落射蛍光顕微鏡であり、試料80を載置するステージ31と、ステージ31の上方に配置された対物レンズ24と、励起のための光を発する励起光源21と、励起フィルター22と、ダイクロイックミラー23と、吸収フィルター25と、対物レンズ24を介して試料80の画像を取得する撮像ユニット26とを備えている。
【0017】
対物レンズ24は、観察に使用される対物レンズを代表的に表している。対物レンズ24は、互いに切り換え可能に配置された一般に倍率の異なる複数の対物レンズのうちのひとつであり、観察倍率に応じて観察光路上に選択的に配置された適切な倍率の対物レンズを表している。
【0018】
励起フィルター22は、励起光源21から発せられた光のうち、特定波長域の光だけを選択的に透過し、それ以外の光を遮断する特性を有している。ダイクロイックミラー23は、励起フィルター22を透過した励起光は反射するが、試料80から発せられた蛍光は透過する特性を有している。吸収フィルター25は、ダイクロイックミラー23を透過した光のうち、特定波長域の光だけを選択的に透過し、それ以外の光を遮断する特性を有している。
【0019】
励起光源21から放射された光は、励起フィルター22によって励起に好適な波長に限定された後、ダイクロイックミラー23で反射され、対物レンズ24を透過して試料80に照射される。試料80から発せられた蛍光は、対物レンズ24を通り、ダイクロイックミラー23を透過して、吸収フィルター25によって観察に有効な波長成分のみに限定された後、撮像ユニット26に入射して観察画像として撮像される。
【0020】
ステージ31は、試料80の様々な個所を観察するために、蛍光顕微鏡本体(不図示)に固定されたベース32に対して、対物レンズ24の光軸を横切る方向に、例えば対物レンズ24の光軸に垂直な横方向に2次元的に移動可能になっている。ステージ31の横方向の移動は送り機構33,34によって行なわれる。送り機構33,34は、例えば、超音波モーターを使用した送り機構で構成される。もちろん、送り機構33,34は、超音波モーターを使用したものに限られることなく、精密ボールネジなどの他の機構を使用した送り機構で構成されてもよい。
【0021】
蛍光顕微鏡20はまた、ステージ31の移動(変位)を2次元的に検出するセンサー35を備えている。センサー35は、例えば、ステージ31側に設けられた発光素子(不図示)と受光素子(不図示)と、ベース32側に設けられた2次元周期パターン(不図示)とで構成される。発光素子は、2次元周期パターンに向けて光を発し、受光素子は、2次元周期パターンで反射された光の強度を反映した信号を出力する。受光素子から出力される信号は、ベース32に対するステージ31の移動を反映して変動するので、その強弱変化(例えばピーク)をカウントすることによって、ベース32に対するステージ31の移動を検出することができる。言い換えれば、特定の基準位置に対するステージ31の相対位置を検出することができる。
【0022】
ステージ31はまた、フォーカシングのために、対物レンズ24の光軸に平行な縦方向にも移動可能になっている。ステージ31の縦方向の移動は送り機構(不図示)によって行なわれる。この送り機構は、送り機構33,34と同様の送り機構で構成されてよい。蛍光顕微鏡20は、フォーカシングのために、ステージ31を縦方向に移動させる構成に代えて、対物レンズ24を縦方向に移動させる構成であってもよい。
【0023】
制御ユニット40は、CPUを含む電子回路から成る制御回路41と、撮像ユニット26からの画像信号を加工処理する画像処理回路44と、励起光源21に適正な値の電圧・電流を供給する光源駆動回路43と、制御回路41で実行されるプログラムを格納するROM42を有している。制御ユニット40は、ステージ31の位置制御のために、センサー35の出力からステージ31の位置を2次元XY座標値として検出するステージ位置検出回路46と、送り機構33,34に駆動信号を供給するステージ駆動回路45を有している。制御ユニット40はまた、操作部60とのインターフェースをとり指令のコード化をする操作IF回路49や、画像信号をモニター70に適した画像信号(例えばNTSC方式の信号)に加工する画像出力回路50も有している。さらに制御ユニット40は、撮像した観察画像やステージ31の移動履歴を記録する記録媒体としてのHDD48や、センサー35が検出したステージ31の各位置における滞在時間を計測するタイマー47も有している。
【0024】
蛍光顕微鏡20は、蛍光観察のほかに、位相差観察や微分干渉観察などの他の観察も可能であってよい。このため、励起フィルター22とダイクロイックミラー23と吸収フィルター25は、必要に応じて、光路上から外されたり、他の光学要素と置き換えられたりされてよい。
【0025】
図2は、正立型の蛍光顕微鏡システムにおける観察領域の概要を示している。
【0026】
低拡大観察領域92は、試料80を低倍率で観察した場合にモニター70に表示される領域である。多くの場合、低拡大観察領域92の中に試料80の全景または大部分が表示されるような倍率が選択される。例えば、観察者はまず低拡大観察領域92の画像で試料上での観察領域の目安をつける。
【0027】
中拡大観察領域93は、試料80を中倍率で観察した場合にモニター70に表示される領域である。例えば、観察者は具体的な観察位置を中拡大観察領域93の画像から決定する。
【0028】
高拡大観察領域94は、試料80を高倍率で観察した場合にモニター70に表示される領域である。多くの場合、この高倍率で目的とする観察作業が行われる。
【0029】
表示領域91は、ステージ31を移動させることにより高拡大観察領域94が移動可能な範囲全体に対応する。
【0030】
図3は、倒立型の蛍光顕微鏡システムにおける観察領域の概要を示している。図3に示すように、倒立型の蛍光顕微鏡システムにおいても、観察領域の関係は正立型の蛍光顕微鏡システムと同じである。
【0031】
[観察経路の表示方法]
次に、蛍光顕微鏡システム10で行なわれる観察経路の表示方法を説明する。
【0032】
生細胞の観察には、図4に示されるように、試料80として、標本82を入れたシャーレ81がよく使用される。シャーレ81に入った標本82を観察する場合、どこに標本82が分布しているかを確認するのは時間の掛かる作業である。地図のない森をさまよっているようなもので、どこを探索したか(通ったか)、今どこにいるかがわからなくなることがある。また、一度観察した場所に戻るのも容易ではない。また、蛍光観察では励起光により標本82がダメージを受ける。そのため、無駄な観察(励起光照射)は避けねばならない。そのためには、励起光がどこにどれだけ照射されたかを一目で認識できる表現が必要である。
【0033】
このため、蛍光顕微鏡システム10は、ステージ31の横方向の移動経路をモニター70に表示する。ステージ31の移動経路は、図5や図6に示されるように、低拡大観察領域92や中拡大観察領域93の画像上に重ねて表示された高拡大観察領域94を表す画像の移動の軌跡として表現される。つまり、本実施形態においては、ステージ31の移動経路と高拡大観察領域94の移動経路はほぼ同義語である。表示されるステージ31の移動経路の幅は、高拡大観察領域94の大きさに対応する幅であることが、観察済みの領域を直感的に理解する上で好ましい。しかし、これ以外にも、モニター70の解像度との関係で、ステージ31の移動経路の幅を適宜選択してもよい。
【0034】
より詳しくは、制御ユニット40は、センサー35の検出結果およびタイマー47の計測結果に基づき、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせてモニター70に表示させる機能を有している。移動経路上の各位置における滞在時間が長くなるほど当該移動経路部分の表示の色が濃くなり、滞在時間が短くなるほど当該移動経路部分の色が薄くなるようにしている。これ以外にも、滞在時間に応じて、色を異ならせる、輝度を異ならせる、移動経路の表示幅を異ならせるなど、様々な表示方法が可能である。
【0035】
ステージ31の移動経路を表示する全体的な流れを図7に示す。まず、ステージ31の位置を検出する。次に、検出した位置における滞在時間を計測する。続いて、検出したステージ31の位置と計測した滞在時間に基づき、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する。
【0036】
ステージ31の移動経路の表示のために制御ユニット40で行なわれる処理を図6の例について説明する。制御回路41は、HDD48に記録されている中拡大観察領域93の画像を読み出し、これを画像出力回路50を介してモニター70に出力し、モニター70に画像を表示させる。ステージ位置検出回路46は、センサー35の出力からステージ31のXY座標値を算出して制御回路41に出力し、制御回路41は、ステージ31のXY座標値に基づいて、中拡大観察領域93の画像上における高拡大観察領域94の位置を求める。タイマー47は、ステージ31のその位置における滞在時間を計測する。制御回路41は、中拡大観察領域93の画像の適切な位置に、高拡大観察領域94を表す画像を滞在時間に応じて濃度で重ねた画像を形成し、これを画像出力回路50を介してモニター70に出力し、モニター70に画像を表示させる。高拡大観察領域94を表す画像は、例えば、滞在時間が長くなるほど表示色の濃度が高い。
【0037】
図6は、高拡大観察領域94がP01からP10まで移動した場合の移動経路の例である。移動経路のP01からP02までの部分は他の部分に比較して濃い色となっているが、これは滞在時間が長い(じっくりと観察した)ことを示す。また、P04からP07までの間においても部分的に色が濃い部分P05,P06があるが、これは、移動途中で停止して観察し、また移動したことを示している。このような場合は、関心を引く標本が存在したことを示し、付近にも良好な標本がある可能性が高い。
【0038】
ここでは、移動経路をリアルタイムに表示する手法について説明したが、表示の手法はこれに限らない。別の手法では、蛍光顕微鏡システム10は、ステージ31の移動経路と移動経路上の各位置における滞在時間をHDD48(記録媒体)に履歴として記録する。この情報を読み出し、読み出した情報を用いて、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて、図6のような表示をする。
【0039】
利用可能な記録媒体上の情報は、ステージ31の移動経路と移動経路上の各位置における滞在時間を記録した情報に限定されない。例えば、操作部60から入力された移動指令の履歴や、送り機構33,34の駆動履歴など、ステージ31の移動経路と移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報ならばよい。
【0040】
このような手法によりステージ31の移動経路を表示する全体的な流れを図8に示す。まず、少なくともステージ31の移動経路と移動経路上の各位置における滞在時間を取得可能な情報を記録媒体から読み出す。続いて、記録媒体から読み出した情報を用いて、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する。
【0041】
このように、蛍光顕微鏡システム10は、ステージ31の移動経路を、移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせてモニター70に表示しているので、どの位置を頻繁に観察したか、どの位置を長時間観察したかを明瞭に理解できる。また、観察した部分が観察によって受けたダメージの大きさを推定できる。大きなダメージを受けた部分は蛍光を発しない場合もある。そのような場合、頻繁に観察した部分の近くにまだ観察していない良質な状態の標本がある可能性が高いので、頻繁に観察した部分の近くを観察するとよい。このように、滞在時間情報を含む経路情報は効率良い観察の良いガイドとなる。
【0042】
[観察経路の経路設定]
次に、蛍光顕微鏡システム10で行なわれる観察経路の経路設定(ルーティング)を説明する。
【0043】
制御回路41は、ステージ31の移動経路を取得可能な情報、例えばHDD48に記録されたステージ31の移動履歴の情報を用いて、現在の位置から別の離間した位置へステージ31を移動させる経路を設定する機能を有している。
【0044】
制御回路41は、例えば、現在の位置から別の離間した位置へステージ31を移動させる経路として、現在の位置と移動先の位置とを直線で結んだ経路よりも道のりは長くてもステージ31の過去の移動経路と重複する区間を有する経路を設定する。
【0045】
このような移動経路を含むステージ31の移動経路を図6に示す。図6において、高拡大観察領域をP07からP10まで移動させるステージ31の移動経路が制御回路41によって設定された経路である。この移動経路はP07ーP08一P09一P10となっており、高拡大観察領域P07と高拡大観察領域P10を直線で結んだ経路になっていない。これは、道のりは長くなるが、ステージ31の過去の移動経路と重複する区間(高拡大観察領域P08から高拡大観察領域P09まで)を有する経路である。
【0046】
具体的には、現在の高拡大観察領域と移動先の高拡大観察領域を直線で結んだ経路が過去の経路と交差する場合は、その交差位置から、過去の経路上で移動先の高拡大観察領域との距離が最も近い位置までは、過去の移動経路と重畳する経路を通るように経路を設定する。つまり、現在の高拡大観察領域と移動先の高拡大観察領域を直線で結んだ経路が過去の経路と交差する場合は、(1)現在の高拡大観察領域、(2)移動先の高拡大観察領域へ直進する経路と過去の経路との交差位置、(3)過去の経路上で移動先の高拡大観察領域との距離が最も近い位置、(4)移動先の高拡大観察領域を順に結んだ経路を設定する。
【0047】
別の経路の例として、図6において、P07一P06一P05一P04一P09一P10の経路を設定してもよい。
【0048】
過去の移動経路上の標本は、励起光の照射により既にダメージを受けている。このように、ステージ31の過去の移動経路と重複する区間を有する経路を設定することにより、既にダメージを受けている部分をなるべく通り、ダメージを受けていない部分をなるべく通らずに移動でき、不必要に標本にダメージを与えるのを避けることができる。
【0049】
制御回路41は、別の例として、現在の位置から別の離間した位置へステージ31を移動させる経路として、現在の位置と移動先の位置とを直線で結んだ経路よりも道のりは長くてもステージ31の過去の移動経路に沿う区間を有する経路を設定する。
【0050】
このようなステージ31の移動経路を図9に示す。図9において、高拡大観察領域をP07からP10まで移動させるステージ31の移動経路が制御回路41によって設定された経路である。この移動経路はP07ーP08一P09一P10となっており、高拡大観察領域P07と高拡大観察領域P10を直線で結んだ経路になっていない。これは、道のりは長くなるが、ステージ31の過去の移動経路に沿う区間(高拡大観察領域P08から高拡大観察領域P09まで)を有する経路である。
【0051】
過去の移動経路上において滞在時間が短い表示の部分は関心を引く標本が存在しない領域と認識できる。観察しながら移動する場合、その領域は観察せずに、その近く領域、例えば画角分ずれたくらいの領域を観察したい。ステージ31の過去の移動経路に沿う区間を有する経路を設定することにより、すでに観察した領域の近くを観察しながら高拡大観察領域を移動先に移動でき、不必要な個所を重複して観察するのを避けることができる。
【0052】
あるいは、過去の移動経路上において滞在時間が長い表示の部分は関心を引く標本が存在する領域と認識できる。その領域の近くにも関心を引く標本が存在する確率が高い。このため、観察済みの領域は避けて、その近く領域、例えば画角分ずれたくらいの領域を積極的に観察したい。ステージ31の過去の移動経路に沿う区間を有する経路を設定することにより、すでに観察した領域の近くに位置する関心を引く標本の存在確率の高い領域を観察しながら高拡大観察領域を移動先に移動できる。
【0053】
このように観察済みの領域を避けて高拡大観察領域を移動させることは有用である。
【0054】
ステージ31は、マニュアル(ハンドル)操作によって移動されてもよい。その場合、現在の高拡大観察領域が過去の経路に重複したときに警報を鳴らしたり、色を変えて警告したりしてもよい。
【0055】
[観察候補位置の算出]
次に、蛍光顕微鏡システム10で行なわれる観察候補位置の算出を説明する。
【0056】
制御回路41は、HDD48に記録された情報を用いて、これまでのステージ31の複数の移動経路から今後の観察候補位置を算出する機能を有している。
【0057】
図10は、低拡大観察領域92中にある3つの中拡大観察領域93A,93B,93Cにおいてそれぞれ観察が行われ、その結果、3つの移動経路が形成されたことを示している。例えば、生細胞の観察などにおいては、標本を均一に分布させることは困難であり、限られた範囲に標本が多く集まる場合が多い。図10において、中拡大観察領域93A,93B,93Cには有効な標本が分布していたため、結果として、この領域を細かく観察して図示するような観察経路が形成されている。このような場合、今までに観察した経路を解析することによって、有効な標本のある領域を推定できる。例えば、図10の場合では、左上に関心を引く有効な標本が集中しており、それ以外の領域(右下など)には有効な標本がある可能性は低い。
【0058】
制御回路41は、例えば、移動経路が中央にくるように設定した中拡大観察領域93A,93B,93Cの重心座標Pgを、有効な標本が存在する可能性の高い今後の観察候補位置として算出する。あるいは、各移動経路上の高拡大観察領域の重心座標を今後の観察候補位置として算出してもよい。算出方法は、これらの例に限定されるものではなく、周知な適切な手法が適用されてよい。
【0059】
制御回路41はまた、より観察候補位置の精度を向上するために、様々な重み付けをした重心座標Pwを今後の観察候補位置として算出してもよい。例えば、移動経路上の滞在時間によって重み付けをしてよい。滞在時間を使用した重み付けの式を次式(1)に示す。
【0060】
【数1】

ここで、Pは時刻iにおける座標、tPiは座標Piでの滞在時間、nは経路グリッド総数、CPは重み付き重心座標である。
【0061】
別の例では、画像の観察結果の評価値を画像処理で認識して、その量や数をカウントして重み付けしてもよい。ここで評価値とは、どれだけ有効な標本かを示す値であり、例えば、目的標本と認識できる特徴を数値化した値である。具体的にはテンプレートマッチングで一致と判定した数や、条件を満たす円形度を持った領域の数などである。評価値を使用した重み付けの式を次式(2)に示す。
【0062】
【数2】

ここで、Pは時刻iにおける座標、FPiは座標Piでの特徴量、nは経路グリッド総数、CPは重み付き重心座標である。
【0063】
これらの重み付けは択一的または組み合わせて使用してよい。重み付け方法は、これらの例に限定されるものではなく、周知な適切な手法が適用されてよい。
【0064】
図11は、観察結果の評価値としての特徴量Pcによって重み付けをした例を示す。特徴量Pcは、目標と近い特徴の度合いにより、目標と近いほど色が濃くなっている。
【0065】
制御回路41はさらに、他の観察方法によって与えられた別の評価値を用いて今後の観察候補位置を算出してもよい。例えば、図11において、中拡大観察領域93Dは、位相差観察などの他の観察方法によって、関心を引く標本が存在しないと判断された領域であり、この中拡大観察領域93Dには、マイナスの評価値が与えられている。このため、今度の観察候補位置は、中拡大観察領域93Dから離れた位置として算出される。
【0066】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含む。
【0067】
この明細書は以下の各項に記す発明を開示する。
1.少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、前記ステージの移動を検出するセンサーと、前記ステージの各移動位置における滞在時間を計測するタイマーと、画像を表示する表示装置と、前記センサーの検出結果および前記タイマーの計測結果に基づき、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットとを具備する顕微鏡システム。
2.顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を表示する移動経路表示方法であり、前記ステージの位置を検出し、前記検出した位置における滞在時間を計測し、前記検出した位置と前記計測した滞在時間に基づき、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する顕微鏡システムのステージの移動経路表示方法。
3.少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、少なくとも前記ステージの移動経路と前記移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報を記録する記録媒体と、画像を表示する表示装置と、前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットとを具備する顕微鏡システム。
4.顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を表示する移動経路表示方法であり、少なくとも前記ステージの移動経路と前記移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報を読み出し、前記読み出した情報を用いて、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する顕微鏡システムのステージの移動経路表示方法。
5.少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、少なくとも前記ステージの過去の移動経路を取得可能な情報を記録する記録媒体と、前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、現在の位置から別の離間した位置へ前記ステージを移動させる経路を設定する機能を有する制御ユニットとを具備する顕微鏡システム。
6.前記制御ユニットは、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路と重複する区間を有するように設定する第5項に記載の顕微鏡システム。
7.前記制御ユニットは、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路に沿う区間を有するように設定する第5項に記載の顕微鏡システム。
8.顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を設定する方法であり、少なくとも前記ステージの過去の移動経路を取得可能な情報を読み出し、前記読み出した情報を用いて、現在の位置から別の離間した位置へ前記ステージを移動させる経路を設定する顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
9.前記経路の設定において、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路と重複する区間を有する第8項に記載の顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
10.前記経路の設定において、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路に沿う区間を有する第8項に記載の顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
11.少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、少なくとも前記ステージの移動経路を取得可能な情報を記録する記録媒体と、前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、前記ステージの移動経路から今後の観察候補位置を算出する制御ユニットとを具備する顕微鏡システム。
12.前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における滞在時間をも取得可能なものであり、前記制御ユニットは、前記滞在時間によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第11項に記載の顕微鏡システム。
13.前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における観察結果の評価値をも取得可能なものであり、前記制御ユニットは、前記観察結果の評価値によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第11項に記載の顕微鏡システム。
14.前記制御ユニットは、前記ステージの移動経路の重心位置を観察候補位置とする第11,12,13項のいずれかひとつに記載の顕微鏡システム。
15.前記制御ユニットは、さらに、他の観察方法に基づいて与えられた別の評価値を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第13項に記載の顕微鏡システム。
16.少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージを有する顕微鏡システムにおいて、今後の観察候補位置を算出する方法であり、少なくとも前記ステージの移動経路を取得可能な情報を読み出し、前記読み出した情報を用いて、前記ステージの移動経路から今後の観察候補位置を算出する顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
17.前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における滞在時間をも取得可能なものであり、前記滞在時間によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第16項に記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
18.前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における観察画像の評価値をも取得可能なものであり、前記観察画像の評価値によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第16項に記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
19.前記前記ステージの移動経路の重心位置を観察候補位置とする第16,17,18項のいずれかひとつに記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
20.さらに、他の観察方法に基づいて与えられた別の評価値を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する第18項に記載の顕微鏡システム。
【符号の説明】
【0068】
10…蛍光顕微鏡システム、20…蛍光顕微鏡、21…励起光源、22…励起フィルター、23…ダイクロイックミラー、24…対物レンズ、25…吸収フィルター、26…撮像ユニット、31…ステージ、32…ベース、33…送り機構、34…送り機構、35…センサー、40…制御ユニット、41…制御回路、42…ROM、43…光源駆動回路、44…画像処理回路、45…ステージ駆動回路、46…ステージ位置検出回路、47…タイマー、49…操作IF回路、50…画像出力回路、60…操作部、70…モニター、80…試料、81…シャーレ、82…標本、91…表示領域、92…低拡大観察領域、93,93A,93B,93C,93D…中拡大観察領域、94…高拡大観察領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、
前記ステージの移動を検出するセンサーと、
前記ステージの各移動位置における滞在時間を計測するタイマーと、
画像を表示する表示装置と、
前記センサーの検出結果および前記タイマーの計測結果に基づき、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットと
を具備する顕微鏡システム。
【請求項2】
顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を表示する移動経路表示方法であり、
前記ステージの位置を検出し、
前記検出した位置における滞在時間を計測し、
前記検出した位置と前記計測した滞在時間に基づき、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する顕微鏡システムのステージの移動経路表示方法。
【請求項3】
少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、
少なくとも前記ステージの移動経路と前記移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報を記録する記録媒体と、
画像を表示する表示装置と、
前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて前記表示装置に表示させる制御ユニットと
を具備する顕微鏡システム。
【請求項4】
顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を表示する移動経路表示方法であり、
少なくとも前記ステージの移動経路と前記移動経路上の各位置における滞在時間とを取得可能な情報を読み出し、
前記読み出した情報を用いて、前記ステージの移動経路を、前記移動経路上の各位置における表示態様を当該位置における滞在時間に応じて異ならせて表示する
顕微鏡システムのステージの移動経路表示方法。
【請求項5】
少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、
少なくとも前記ステージの過去の移動経路を取得可能な情報を記録する記録媒体と、
前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、現在の位置から別の離間した位置へ前記ステージを移動させる経路を設定する機能を有する制御ユニットと
を具備する顕微鏡システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路と重複する区間を有するように設定する請求項5に記載の顕微鏡システム。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路に沿う区間を有するように設定する請求項5に記載の顕微鏡システム。
【請求項8】
顕微鏡システムに含まれる少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージの移動経路を設定する方法であり、
少なくとも前記ステージの過去の移動経路を取得可能な情報を読み出し、
前記読み出した情報を用いて、現在の位置から別の離間した位置へ前記ステージを移動させる経路を設定する
顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
【請求項9】
前記経路の設定において、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路と重複する区間を有するように経路を設定する、請求項8に記載の顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
【請求項10】
前記経路の設定において、前記現在の位置から前記離間した位置までの前記ステージの移動経路が、前記ステージの過去の移動経路に沿う区間を有する請求項8に記載の顕微鏡システムのステージの移動経路設定方法。
【請求項11】
少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージと、
少なくとも前記ステージの移動経路を取得可能な情報を記録する記録媒体と、
前記記録媒体に記録された前記情報を用いて、前記ステージの移動経路から今後の観察候補位置を算出する制御ユニットと
を具備する顕微鏡システム。
【請求項12】
前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における滞在時間をも取得可能なものであり、
前記制御ユニットは、前記滞在時間によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する
請求項11に記載の顕微鏡システム。
【請求項13】
前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における観察結果の評価値をも取得可能なものであり、
前記制御ユニットは、前記観察結果の評価値によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する
請求項11に記載の顕微鏡システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記ステージの移動経路の重心位置を観察候補位置とする請求項11,12,13のいずれかひとつに記載の顕微鏡システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、さらに、他の観察方法に基づいて与えられた別の評価値を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する請求項13に記載の顕微鏡システム。
【請求項16】
少なくとも横方向に2次元的に移動可能なステージを有する顕微鏡システムにおいて、今後の観察候補位置を算出する方法であり、
少なくとも前記ステージの移動経路を取得可能な情報を読み出し、
前記読み出した情報を用いて、前記ステージの移動経路から今後の観察候補位置を算出する
顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
【請求項17】
前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における滞在時間をも取得可能なものであり、
前記滞在時間によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する
請求項16に記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
【請求項18】
前記記録媒体に記録された前記情報は、前記移動経路上の各位置における観察画像の評価値をも取得可能なものであり、
前記観察画像の評価値によって重み付けした前記ステージの移動経路を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する
請求項16に記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
【請求項19】
前記前記ステージの移動経路の重心位置を観察候補位置とする請求項16,17,18のいずれかひとつに記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。
【請求項20】
さらに、他の観察方法に基づいて与えられた別の評価値を用いて、前記今後の観察候補位置を算出する請求項18に記載の顕微鏡システムの観察候補位置算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−8415(P2012−8415A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145571(P2010−145571)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(507080743)オリンパスソフトウェアテクノロジー株式会社 (1)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】