説明

顕微鏡

【課題】
観察方法の切換え時の光軸上に対する素子の挿脱操作を1回でも少ない回数で行える操作性のよい顕微鏡を提供する。
【解決手段】
コンデンサレンズ5Eにおいて、ターレット24にはDICプリズム20とRCスリット21のみを搭載し、照明光軸L1上の位置でその上方に、DIC観察用ポラライザ23とRC観察用ポラライザ22との機能を共用する1個の共用ポラライザ34を配置させたものである。この共用ポラライザ34は、モータ43を利用した電動制御で自動的に、RC観察用ポラライザ22用の第1の振動方向の位置(角度)とDIC観察用ポラライザ23用の第2の振動方向の位置(角度)とを記憶させ、記憶させた第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察方法の切換え可能な顕微鏡、特に、レリーフコントラスト(RC)観察法と、微分干渉(DIC)観察法または偏光観察法との間で観察方法の切換え可能な顕微鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、1台の顕微鏡で、複数の観察方法の切換え可能な顕微鏡が提案・実施されている。
【0003】
ここで、図32〜図37を参照して、観察方法の切換え可能な従来の顕微鏡について説明する。図32は、従来の顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図33は、図32中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図34は、図33中のRCスリット部分を矢印X方向から見た平面図であり、図35は、図33中のスライダ部分の平面図であり、図36は、図32中に示すモジュレータの平面図であり、図37は、RCスリットと位置関係を対応付けて示すモジュレータの平面図である。
【0004】
なお、レリーフコントラスト(RC)とは、例えば特許文献1に示される位相物体観察用顕微鏡システムにおいて、ロバートホフマンが発明した、一般に「ホフマンモジュレーションコントラスト」と呼ばれる観察方法の一種であり、他にも、ホフマンモジュレーションコントラストをベースとした何種類かの観察方法が発明されている。また、観察方法の名称も、ホフマンモジュレーションコントラスト、レリーフコントラスト以外に、モジュレーションコントラスト、IMC、LMC、RC、バレルコントラストなどと称される場合もある。本明細書中では、適宜、レリーフコントラスト観察の略称である「RC観察」と称するものとする。
【0005】
まず、図32に示す顕微鏡100の全体構成例を示す概略側面図において、照明系と観察系の基本的な構成について説明する。光源2から出射した照明光は、照明光軸L1上に配設された照明系レンズ3、ミラー4、コンデンサレンズ5を介して標本1を照明する。照明光により照明された標本1は、観察光軸L2の途中でミラー9により反射されながら、観察光軸L2上の対物レンズ6a、結像レンズ8により1次像面10に投影される。その後、リレーレンズ11により1次像が2次像にリレーされ、接眼レンズ12により目視で観察可能とされている。
【0006】
なお、倍率や観察方法に応じた対物レンズに切換える場合には、レボルバ7を観察光軸L2周りに回転させて所望のレンズ6aを観察光軸L2上に入れ、準焦ハンドル16を回動操作することで、レボルバ7を保持している上下動ガイド15を顕微鏡本体17に対して上下させて標本1にピントを合わせて観察する。また、目視でなく、CCD等の撮像素子を用いて観察したい場合には、プリズム13により紙面に垂直な方向(表裏方向)に光路を偏向させてCCD等の撮像素子に結像させることで電子的な撮像による観察も可能となる。
【0007】
次に、図33〜図35を参照して、コンデンサレンズ5について詳細に説明する。コンデンサレンズ5は、その入射瞳位置近傍に配置され、回転軸25を中心に回転するターレット24を有する。このターレット24には、微分干渉プリズム(以降、DICプリズムと称する)20、RC観察用のRCスリット21などの複数の光学素子が着脱可能に固定されており、ターレット24を回転させ、図示しないクリック機構などの位置決め機構により、光学素子を照明光軸L1上の位置に対して挿脱可能に位置決めできる構造とされている。また、ターレット24において、照明光軸L1上には、レンズ19が固定的に配置されている。
【0008】
なお、ターレット24は、RCスリット21を装着する部分には、図34に示すように、RCスリット21の回転と光軸に対する芯出し機構を備えている。すなわち、RCスリット21は、板バネ27によって中心に向かって押圧力を受けるよう付勢され、その反対側に離間させて配設した2本のネジ28でその押圧力を受けるように構成されている。これにより、ネジ28を回転させてRCスリット21の位置を調整することで、RCスリット21を光軸に対する芯出しが可能となる。また、RCスリット21の周辺には、複数の溝30が設けられており、ツマミ29の先端をいずれかの溝30に挿入して、図34中の矢印で示す方向に動かすことでRCスリット21を水平面内で回転させることも可能とされている。
【0009】
さらに、ターレット24の上方には、2種類の偏光板22,23を搭載したスライダ26が配設されている。スライダ26は、矢印で示す左右方向にスライド自在に設けられており、スライダ26を矢印方向に移動させることで、2種類の偏光板22,23のいずれかを照明光軸L1上に位置決め挿脱可能とされている。位置決め機構は、特に図示しないが、クリック機構、ストッパ等の一般的な位置決め機構を用いればよい。なお、偏光板22は、RC観察用ポラライザ(RC観察用偏光板)であり、偏光板23は、DIC観察用ポラライザ(DIC観察用偏光板)であり、図35に示すように、それぞれ外部に突出した周辺部22a,23aを操作することで、それぞれ独立して回転可能とされている。
【0010】
つづいて、図32に戻って、観察系について説明する。レボルバ7の下方には、DICプリズム31、偏光板32が光軸方向に重ねて搭載されたスライダ33が設けられ、矢印で示す水平方向に動かすことで、DICプリズム31と偏光板32とを同時に観察光軸L2上に位置決め挿脱可能とされている。位置決め機構は、特に図示しないが、クリック機構、ストッパ等の一般的な位置決め機構を用いればよい。ここで、偏光板32は、DIC観察に必要なDIC観察用アナライザである。また、DICプリズム31は、特に図示しないが、DIC観察時のコントラスト調整のために、光軸に直交する方向(水平方向)に微小移動可能とされている。
【0011】
このような構成において、まず、DIC観察を行う場合について説明する。まず、レボルバ7を回動操作して、図32に示すように、DIC用の対物レンズ6aが観察光軸L2上に入った状態に設定する。次に、観察前において、事前に偏光板の調整が必要なため、(1)〜(5)の手順で調整を行う。
【0012】
(1) コンデンサレンズ5におけるターレット24を回動操作し、図示しない空穴を照明光軸L1上に位置付けて、光学素子が照明光軸L1上に入っていない状態にする。
【0013】
(2) コンデンサレンズ5におけるスライダ26をスライド操作し、図33に示すように、DIC観察用ポラライザ23が照明光軸L1上に入った状態にする。
【0014】
(3) レボルバ7の下方のスライダ33をスライド操作し、DIC用プリズム31とDIC観察用アナライザ32とが観察光軸L2上に入った状態にする。
【0015】
(4) 接眼レンズ12を外す。
【0016】
(5) DIC観察用ポラライザ23を回動操作し、振動方向がDIC観察用アナライザ32の振動方向と直交するクロスニコルの状態にする。この際、接眼レンズ12を外した状態で、観察光学系の射出瞳を見ると、斜めの線が見えるので、その線が最も暗くなったときがクロスニコルの状態である。なお、DIC観察用アナライザ32の振動方向は、予め設定された方向に固定されているため、これらの調整後は、DIC観察用ポラライザ23の振動方向は、図35に矢印23bで示す方向となる。
【0017】
以上の(1)〜(5)が、事前のクロスニコル調整手順である。なお、クロスニコル調整は、一旦調整作業を行えば、以降は調整ずれがない限り、再調整する必要はない。
【0018】
つづいて、接眼レンズ12を装着し、対物レンズ6aの種類に適合したDICプリズム20を照明光軸L1上に入れ、前述したように標本1にピントを合わせることで、目視やCCD等の撮像素子によるDIC観察が可能となる。
【0019】
次に、RC観察を行う場合について説明する。なお、RC観察においても、観察前に事前のスリット調整が必要であり、ここでは、先にスリット調整の概要について説明する。図34に示すRCスリット21には、照明光が透過しない材質の薄板に、光を100%透過させる短冊矩形状の空孔スリット21aと、RC観察用アナライザ(RC観察用偏光板)となる偏光板を貼り付けた短冊矩形状の偏光スリット21bとが並べて設けられている。一方、レボルバ7においてRC観察に必要なRC用対物レンズ6b内の射出瞳位置に設けられた円板状のモジュレータ18は、図34に示すように、完全に遮光された領域18aと、25%程度の透過率に形成された領域18bと、100%透過する領域18cとの3領域に区分けして形成されている。そして、コンデンサレンズ5におけるレンズ19と、RC用対物レンズ6bとにより、100%透過の空孔スリット21aはモジュレータ18の25%程度の透過率に形成された領域18bへ、偏光スリット21bは100透過する領域18cへ、互いにはみ出さないように投影される必要がある。図37は、モジュレータ18に投影されたスリット像21a´、21b´の状態を破線で示している。
【0020】
このように、RCスリット21とモジュレータ18は、光軸に垂直な面内で直交する2次元方向と、光軸を中心とした回転方向の相対的な調整が必要になる。具体的には、以下の(1)〜(5)の手順で調整を行う。
【0021】
(1) まず、図32に示すDIC用対物レンズ6aが観察光軸L2上に入った状態から、レボルバ7を回動操作してRC用対物レンズ6bを照明光軸L1上に入れる。
【0022】
(2) コンデンサレンズ5におけるターレット24を回動操作し、RCスリット21を照明光軸L1上に入れる。
【0023】
(3) コンデンサレンズ5におけるスライダ26をスライド操作し、RC観察用ポラライザ22を照明光軸L1上に入れる。
【0024】
(4) RCスリット21の芯出し、回転の調整を行い、前述のように空穴スリット21a、偏光スリット21bがそれぞれモジュレータ18の領域18b、18cへはみ出すことなく投影されるようにする。
【0025】
(5) RC観察用ポラライザ22を回転させて、RCスリット21の偏光スリット21bの透過率を変化させることで、標本1のコントラストが最適となるように調整する。
【0026】
以上の(1)〜(5)によりRC観察前の事前の調整作業は終了し、レボルバ7の下方のDICプリズム31とDIC観察用アナライザ32とを観察光軸L2から外すようにスライダ33を操作することで、目視やCCD等の撮像素子によるRC観察が可能となる。
【0027】
ただし、対物レンズ6bの倍率、開口数NAなどの種類によって、RCスリット21の大きさが異なるため、組み合わせる対物レンズ6bとRCスリット21の種類毎に(1)〜(5)の調整が必要になる。ここで、対物レンズ6bやRCスリット21は、1種類しか図示していないが、レボルバ7やターレット24には、異なる種類の複数の対物レンズ6bやRCスリット21が装着可能になっており、適宜切換えて使用するものである。
【0028】
なお、それぞれの対物レンズ6bとRCスリット21との組み合わせは、1:1であるので、(1)〜(4)の手順は、一旦調整すれば、衝撃等でずれない限り、再調整の必要はないが、(5)の手順に示すRC観察用ポラライザ22の調整は、対物レンズ6bを切換える度に再調整が必要である。なぜならば、対物レンズ6bは、レボルバ7にねじ込み固定されており、ねじの切り上げ位置を規定しない場合はもちろん、規定している場合でも、内蔵されたモジュレータ18の回転方向は5°程度のバラツキがあり、モジュレータ18のアナライザの振動方向もバラツキが生じるためである。よって、対物レンズ6bを切換えた場合には、RC観察用ポラライザ22もモジュレータ18のアナライザの振動方向に合わせて再調整が必要となる。
【特許文献1】特開昭51−29149号公報
【特許文献2】特開2003−50353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
しかしながら、前述した従来の顕微鏡100においては、以下のような問題がある。 例えば、DIC観察からRC観察に観察方法を切換える場合には、以下の(1)〜(5)の手順が必要となる。
【0030】
(1) DIC用対物レンズ6aをRC用対物レンズ6bに切換える。
【0031】
(2) コンデンサレンズ5の光学素子を、DICプリズム20からRCスリット21に切換える。
【0032】
(3) DIC観察用ポラライザ23をRC観察用ポラライザ22に切換える。
【0033】
(4) レボルバ7下方のDICプリズム31とDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2から外す。
【0034】
(5) RC用対物レンズ6bの種類が前回の観察時と異なる場合には、RC観察用ポラライザ22の回転による再調整を行う。
【0035】
このように、従来方式による場合、DIC観察からRC観察に観察方法を切換える場合には、非常に多くの操作が必要となり、極めて煩雑である。
【0036】
このような問題点に対する解決策が、例えば、特許文献2に示されている。特許文献2では、例えば図38にコンデンサレンズ5の構成を示すように、DIC観察用ポラライザ23とRC観察用ポラライザ22とを、それぞれ組み合わせるべき光学素子であるDIC用プリズム20、RCスリット21上に一体的に配置させ、ターレット24の回転による切換えにより、対をなすポラライザと光学素子とが同時に照明光軸L1上に挿脱可能としたものである。このような構成により、上述の(3)(5)の操作を不要にすることができる。しかしながら、特許文献2による解決策でも、例えば、上述の(4)の挿脱操作は必要となっている。よって、特許文献1による解決策でも十分でない。
【0037】
このような観察方法の切換えに関する問題は、RC観察とDIC観察との間での切換えに限らず、例えば、RC観察と偏光観察との間での切換えに関しても同様である。
【0038】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、観察方法の切換え時の光軸上に対する素子の挿脱操作を1回でも少ない回数で行える操作性のよい顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0039】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる顕微鏡は、照照明光路中に配置されて、観察方法を切換えるために少なくとも1個の光学素子を照明光軸上に挿脱可能なコンデンサレンズと、前記光学素子の照明光軸上への挿脱とは独立して照明光軸上に配置されて第1の偏光板と第2の偏光板とを共用し、前記第1の偏光板用の第1の振動方向の位置と前記第2の偏光板用の第2の振動方向の位置とを記憶させ、記憶させた第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持可能な偏光板と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明にかかる顕微鏡によれば、観察方法の切換え時の光軸上に対する素子の挿脱操作を1回でも少ない回数で行える操作性のよい顕微鏡を提供することができるという効果を奏する。
【0041】
一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、コンデンサレンズにおいて光学素子と同一光軸上に配置されて光学素子と一体で照明光軸上に挿脱可能な第1の偏光板を備えるとともに、光学素子の照明光軸上への挿脱とは独立して照明光軸上に配置される第2の偏光板を備えるので、観察方法の切換え時には、照明光軸に対する第1の偏光板の挿脱切換えを光学素子の挿脱切換えと別個に行う必要がなく、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。加えて、対物レンズの種類に応じて複数必要な安価な偏光板は第1の偏光板として光学素子と一体的に設けるが、対物レンズの種類に依らず一種類でよい高価な偏光板は第2の偏光板として光学素子とは独立させて設けることで、安価な構成で実現できるという効果を奏する。
【0042】
また、一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、第1の偏光板と第2の偏光板との機能を共用する偏光板をコンデンサレンズとは独立して照明光軸上に配置させ、偏光板は、第1、第2の偏光板用のそれぞれの異なる第1、第2の振動方向の位置を記憶してその振動方向の位置を再現保持可能であるので、観察方法の切換え時には、偏光板の第1、第2の振動方向の位置を選択的に再現保持させればよく、偏光板の照明光軸上への挿脱操作は不要であり、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。加えて、偏光板の第1、第2の振動方向の位置は再現保持可能に記憶されており、観察方法切換え時の偏光板
の振動方向の切換えも容易に行うことができ、かつ、共用の1個の偏光板を備えればよく、安価に構成できるという効果を奏する。
【0043】
また、一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、レリーフコントラスト観察用に偏光板を有しないレリーフコントラスト用スリットを有するコンデンサレンズを用いているので、レリーフコントラスト観察時であっても、微分干渉観察用偏光板または偏光観察用偏光板を照明光軸上から外す必要がなく、よって、観察方法の切換え時に照明光軸に対する偏光板の挿脱操作を要せず、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。加えて、レリーフコントラスト観察時に偏光板が照明光軸上に配置されていても、レリーフコントラスト用スリットが偏光に依存しないので、明るさのロスが少なく、安価で簡単な構成にして、良好なるレリーフコントラスト観察を行えるという効果を奏する。
【0044】
また、一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、レリーフコントラスト観察用に偏光板を有しないレリーフコントラスト用スリットを有するコンデンサレンズを用いているので、レリーフコントラスト観察時であっても、微分干渉観察用偏光板または偏光観察用偏光板を観察光軸上から外す必要がなく、よって、観察方法の切換え時に観察光軸に対する偏光板の挿脱操作を要せず、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。
【0045】
また、一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、照明光路中に配置されたレリーフコントラスト観察用の第5の偏光板と、観察光軸上に配置されたレリーフコントラスト観察とは異なる観察用の第7の偏光板との振動方向がほぼ一致するように配置されているので、レリーフコントラスト用スリットにおける明るさのロスが少なく、レリーフコントラスト観察時時であっても第7の偏光板を観察光軸上から外す必要がなく、よって、観察方法の切換え時に偏光板の挿脱操作を要せず、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。
【0046】
また、一つの本発明にかかる顕微鏡によれば、レリーフコントラスト観察とは異なる観察用の第9の偏光板を観察光軸上に備え、レリーフコントラスト用スリットに対して第9の偏光板側にデポライザを備えるので、レリーフコントラスト観察時であってもレリーフコントラスト用スリットを通過する光の偏光状態をデポライザにより解消することで、第9の偏光板に対する明るさのロスが少なく、レリーフコントラスト観察時時であっても第9の偏光板を観察光軸上から外す必要がなく、よって、観察方法の切換え時に観察光軸に対する偏光板の挿脱操作を要せず、挿脱操作の回数を減らすことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照して本発明にかかる顕微鏡を実施するための最良の形態について説明する。図32〜図38中に示した部分と同一または相当する部分には同一符号を付して示す。本発明は、各実施の形態や変形例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図2は、図1中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図3は、DIC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図であり、図4は、RC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図であり、図5は、図4中のRCスリットを矢印X方向から見た平面図である。
【0048】
図1に示す本実施の形態1にかかる顕微鏡1Aの全体構成は、図32に示した従来の顕微鏡100の全体構成とほぼ同じであるが、図2に示すように、コンデンサレンズ5A部分の構成が異なる。図2を参照して、本実施の形態1のコンデンサレンズ5Aの構成について説明する。図38に示したコンデンサレンズ5では、RC観察用ポラライザ22とDIC観察用ポラライザ23とをともにターレット24上に配置し、RCスリット21やDICプリズム20と一体で照明光軸L1上に対して挿脱可能としたが、本実施の形態1のコンデンサレンズ5Aでは、RC観察用ポラライザ22はRCスリット21と対をなすようにターレット24上に配置させるが、DIC観察用ポラライザ23はターレット24上方の照明光軸L1上に固定的に配置させたものである。すなわち、RC観察用ポラライザ22はRCスリット21と同一光軸上に配置しターレット24によりRCスリット21と一体で照明光軸L1上に挿脱可能とするが、DIC観察用ポラライザ23はRCスリット21の照明光軸L1上への挿脱とは独立して照明光軸L1上に配置されている。
【0049】
ここで、DIC観察用ポラライザ23は、従来例の場合と同様、クロスニコル調整のために回転可能に設けられている。また、ターレット24の構造や、RCスリット21の着脱、回転調整、芯出し調整機構、RC観察用ポラライザ22の回転調整機構に関するコンデンサレンズ5Aのその他の部分の構成、作用は、コンデンサレンズ5に準ずる。
【0050】
このような構成により、DIC観察時には、図3に示すように各素子が光軸L1、L2上に配置される。また、RC観察時には、ターレット24を回動操作し、スライダ33をスライド操作することで、図4に示すように各素子が光軸L1、L2上に配置される。
【0051】
よって、本実施の形態1においては、従来例の場合と異なり、RC観察の場合において、RC観察用ポラライザ22だけでなく、DIC観察用ポラライザ23も照明光軸L1上に挿入された状態となる。この場合、RC観察用ポラライザ22とDIC観察用ポラライザ23の振動方向が直交方向に近い状態にあると照明光の大幅なロスとなる。この点、本実施の形態1では、図4のRC観察時の状態に示すように、RC観察用ポラライザ22とDIC観察用ポラライザ23の振動方向が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態に設定されており、照明光のロスが最小限に抑制される。
【0052】
この際、RC観察用ポラライザ22とRC観察用アナライザとなる偏光スリット21bとの振動方向の関係は、偏光スリット21bの開口部の合計の透過率が20%前後になると標本1のコントラストが適正になり、そのときの振動方向の相対的な角度は、図5に示すように、10°程度となる。また、対物レンズ6bとレボルバ7のねじの切り上げ位置を規定しているので、RCスリット21の偏光スリット21bの長手方向と偏光スリット21bの振動方向の関係をRCスリット21の種類に依らず一定にしておけば、偏光スリット21bの振動方向はRCスリット21の種類に依らずほぼ一定となる。よって、前述のように、RC観察用ポラライザ22の振動方向も偏光スリット21bも振動方向に対して約10°に調整されるので、RC観察用ポラライザ22の振動方向も、対物レンズ6bの倍率によるRCスリット21の種類が変わっても再調整する必要がなく、DIC観察用ポラライザ23の振動方向とほぼ一致させることができる。
【0053】
なお、図3のDIC観察時の状態に示すように、DIC観察用ポラライザ23の振動方向に合わせて、クロスニコルの状態となるように、DIC観察用アナライザ32の振動方向が設定されている。
【0054】
本実施の形態1によれば、RC観察用ポラライザ22はRCスリット21と対でターレット24に搭載され、観察方法切換え時に必須となるターレット24の回転操作によるRCスリット21の挿脱と一体で照明光軸L1に対して挿脱されるので、RC観察用ポラライザ22単独の挿脱操作を要せず、観察方法切換え時の操作回数を減らすことができる。また、RC観察時に対物レンズ6bの倍率を変更した場合や、RC観察とDIC観察とを切換えた場合でも、ポラライザ22,23の回転操作による振動方向の再調整は不要となる。さらに、高価なDIC観察用ポラライザ23は、ターレット24側から独立して配置され、1個で構成できるため、安価に実現することができる。また、DIC観察用ポラライザ23とRC観察用ポラライザ22の振動方向を一致させているので、RC観察時にDIC観察用ポラライザ23が照明光軸L1上に存在しても照明光のロスを最小限に抑制することができる。これにより、DIC観察用ポラライザ23を支障なく照明光軸L1上に固定配置させることができ、DIC観察用ポラライザ23の挿脱操作を不要にすることができる。
(変形例1)
図6は、本実施の形態1にかかる変形例1の照明系の一部の構成例を示す概略側面図である。変形例1では、DIC観察用ポラライザ23を、コンデンサレンズ5A部分には配置せずに、上方の照明光学系筐体17に取付けたものである。
【0055】
変形例1によれば、例えばDIC観察が不要な場合にはDIC観察用ポラライザ23を用意する必要がなくなり、経済的となる。また、コンデンサレンズ5AにDIC観察用ポラライザ23を配置するスペースがない場合にも有効となる。
(変形例2)
図7は、本実施の形態1にかかる変形例2のコンデンサレンズ50の構成例を示す概略側面図である。変形例2は、RC観察とDIC観察との観察方法の切換えに代えて、RC観察と偏光観察との観察方法の切換えに適用したものである。すなわち、図2に示したDIC観察用ポラライザ23に代えて、偏光観察用ポラライザ(偏光観察用偏光板)51をコンデンサレンズ50上に配置させたものである。また、コンデンサレンズ50上のターレット24には、DICプリズム20に代えて空穴52が形成され、偏光観察用ポラライザ51と空穴52との組合せにより偏光観察が可能とされている。
【0056】
その他の構成、作用、効果は、実施の形態1の場合と同様である。偏光観察用ポラライザ51は、DIC観察用ポラライザ23よりも高価な場合が多いので、経済的効果は一層大となる。
【0057】
なお、以下の実施の形態においても、特に図示しないが、DIC観察用ポラライザ23に代えて変形例2の如く、偏光観察用ポラライザ51を適用することで、RC観察と偏光観察との間の観察方法の切換えが可能となる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図9は、図8中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図10は、RC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図である。
【0058】
図8に示す本実施の形態2にかかる顕微鏡1Bの全体構成は、図1に示した顕微鏡1Aの全体構成とほぼ同じであるが、図8中に示すように、観察系に関してスライダ33を省略し、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置させたものである。また、コンデンサレンズ5Bにおいて、RCスリット21の空穴スリット21aの下面(観察光学系側)には、デポライザ27が接着固定されている。
【0059】
このような構成により、DIC観察時には、前述の図3に示したように各素子が光軸L1、L2上に配置される。一方、RC観察時には、ターレット24を回動操作することで、図10に示すように各素子が光軸L1、L2上に配置される。すなわち、RC観察時においても、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に配置されたままとなる。この際、DIC観察用アナライザ32はRC観察用ポラライザ22の振動方向とクロスニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスは極めて大きくなってしまうが、空穴スリット21aの下面にデポライザ27が配置され、空穴スリット21aを通過する照明光の偏光状態が解消されるので、DIC観察用アナライザ32部分での光量ロスを抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置しても支障がなく、観察方法の切換え時に挿脱操作を不要にすることができ、挿脱操作の回数をさらに減らすことができる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図12は、図11中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図13は、RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【0060】
図11に示
す本実施の形態3にかかる顕微鏡1Cの全体構成は、図8に示した顕微鏡1Bの全体構成とほぼ同じであるが、図12に示すように、コンデンサレンズ5C部分の構成が異なる。図12を参照して、本実施の形態3のコンデンサレンズ5Cの構成について説明する。本実施の形態3では、DIC観察用ポラライザ23を空穴28とともにスライダ26に配置させることで、ターレット24側とは独立して照明光軸L1に対する挿脱を可能としたものである。
【0061】
これにより、RC観察時には、ターレット24を回転操作してRCスリット21およびRC観察用ポラライザ22を照明光軸L1上に入れるとともに、スライダ26をスライド操作して空穴28を照明光軸L1上に入れることで、DIC観察用ポラライザ23が照明光軸L1上に存在しない観察状態とすることができる。よって、RC観察時における照明光のロスをさらに低減させることができる。
【0062】
ここで、本実施の形態3では、実施の形態2の場合と同様、観察系に関してスライダ33が省略され、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に固定的に配置されている。そして、DIC観察のために、DIC観察用ポラライザ23とDIC観察用アナライザ32の振動方向がクロスニコルの状態となるように設定されるのに加えて、本実施の形態3では、図13に模式的に示すように、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態となるように
設定されている。また、このようなRC観察用ポラライザ22の振動方向の変更設定に伴い、RCスリット21の偏光スリット21bの振動方向も図13中に示すように調整されて変更設定されている(モジュレータ18も対応して調整される)。
【0063】
このように、本実施の形態3によれば、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向がパラレルニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスが極めて少なくなるよう抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に挿脱操作を不要にすることができ、挿脱操作の回数を減らすことができる。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図15は、図14中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図16は、RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【0064】
図14に示す本実施の形態4にかかる顕微鏡1Dの全体構成は、図8に示した顕微鏡1Bの全体構成とほぼ同じであるが、図15に示すように、コンデンサレンズ5D部分の構成が異なる。図15を参照して、本実施の形態4のコンデンサレンズ5Dの構成について説明する。
【0065】
本実施の形態4では、コンデンサレンズ5Dにおいて、ターレット24にはDICプリズム20とRCスリット21のみを搭載し、照明光軸L1上の位置でその上方に、DIC観察用ポラライザ23とRC観察用ポラライザ22との機能を共用する1個の共用ポラライザ34を配置させたものである。この共用ポラライザ34は、クリック機構を利用して、RC観察用ポラライザ22用の第1の振動方向の位置(角度)とDIC観察用ポラライザ23用の第2の振動方向の位置(角度)とを記憶させ、記憶させた第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持可能に構成されている。
【0066】
以下、クリック機構を利用した共用ポラライザ34の第1、第2の振動方向の位置(角度)を記憶させ、その位置を再現保持する構造について、図15を参照して説明する。共用ポラライザ34は、環状のポラライザ枠35に接着固定されている。ポラライザ枠35は、一回り大きな環状の中枠36に対してスラスト方向の動きを規制されつつ、回転可能に保持されている。また、中枠36は、さらに一回り大きな環状の外枠38に対してスラスト方向の動きを規制されつつ、回転可能に保持されている。なお、中枠36および外枠38の外周面に設けられた周方向に長い長穴36a、38aを介してツマミ37のネジ部37aがポラライザ枠35にねじ込まれている。ネジが緩んだ状態でツマミ37を動かすことで、中枠36に対してポラライザ枠35は回転可能となり、ツマミ37のネジが完全にねじ込まれた状態では、中枠36に対してポラライザ枠35は回転できず固定された状態となるように構成されている。
【0067】
また、ツマミ37のネジが完全にねじ込まれた状態でツマミ37を動かすと、中枠36が外枠38に対して回転し、さらに中枠36の一部に形成された溝36bと外枠38に設けられたコイルばねとボールとによるクリック機構40aにより位置決めできるように構成されている。さらに、中枠36の外周面側に装填された環状のクリック枠39の一部に形成された溝39aと外枠38に設けられたコイルばねとボールとによるクリック機構40bにより、クリック枠39は外枠38に対して仮固定されており、ツマミ37が完全にねじ込まれた状態でツマミ37を動かすと、中枠36が外枠38に対して回転するとともに、クリック枠39に対しても回転可能となるように構成されている。
【0068】
このような状態で、外枠38の外周面に設けられた長穴38bを介してクリック枠39にねじ込まれたネジ48を固定すると、中枠36とクリック枠39は、一体となって回転するようになる。さらに、クリック枠39の溝39aと外枠38に設けられたコイルばねとボールとによるクリック機構40bにより、中枠36と外枠38は位置決めが可能となっている。
【0069】
このような構成により、ツマミ37を緩めた状態でDIC観察用のクロスニコル調整を行って、共用ポラライザ34をDIC観察用ポラライザ23として機能させるための振動方向の位置(角度)を記憶させるようにツマミ37をねじ込み固定する。さらに、ツマミ37を回動操作することでRC観察時のポラライザの調整を行って、共用ポラライザ34をRC観察用ポラライザ22として機能させるための振動方向の位置(角度)を記憶させるようにネジ48を固定する。
【0070】
そこで、DIC観察時やRC観察時には、ツマミ37を回動操作することで、クリック機構40aまたは40bにより、共用ポラライザ34を、DIC観察用のクロスニコルの位置と、RC観察用のポラライザの振動方向の位置とを、選択的に再現保持することができる。
【0071】
よって、本実施の形態4によれば、観察方法の切換え時には、共用ポラライザ34に設定された2つの振動方向の位置を選択的に再現保持させればよく、共用ポラライザ34の照明光軸L1上への挿脱操作は不要であり、挿脱操作の回数を減らすことができる。また、共用ポラライザ34の2つの振動方向の位置はクリック機構40a,40bを利用して再現保持可能に記憶されており、観察方法切換え時の共用ポラライザ34の振動方向の切換えも容易に行うことができる。そして、1個の共用ポラライザ34でDIC観察とRC観察とが可能であり、安価に構成できる。
【0072】
ここで、本実施の形態4では、実施の形態3の場合と同様、観察系に関してスライダ33が省略され、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に固定的に配置されている。また、DIC観察のために、共用ポラライザ34がDIC観察用ポラライザ23として機能する振動方向の位置とDIC観察用アナライザ32の振動方向の位置がクロスニコルの状態となるように設定されている。さらに、図16に模式的に示すように、DIC観察用アナライザ32と共用ポラライザ34がRC観察用ポラライザ22として機能する振動方向の位置が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態となるように設定されている。また、このようなRC観察用ポラライザ22の振動方向の変更設定に伴い、RCスリット21の偏光スリット21bの振動方向も図16中に示すように調整されて変更設定されている(モジュレータ18も対応して調整される)。
【0073】
このように、本実施の形態4によれば、DIC観察用アナライザ32と共用ポラライザ34がRC観察用ポラライザ22として機能する振動方向の位置がパラレルニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスが極めて少なくなるよう抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に挿脱操作を不要にすることができ、挿脱操作の回数を減らすことができる。
(実施の形態5)
図17は、本発明の実施の形態5にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図18は、図17中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図19は、RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【0074】
図17に示す本実施の形態5にかかる顕微鏡1Eの全体構成は、図14に示した顕微鏡1Dの全体構成とほぼ同じであるが、図18に示すように、コンデンサレンズ5E部分の構成が異なる。図18を参照して、本実施の形態5のコンデンサレンズ5Eの構成について説明する。
【0075】
本実施の形態5では、コンデンサレンズ5Eにおいて、ターレット24にはDICプリズム20とRCスリット21のみを搭載し、照明光軸L1上の位置でその上方に、DIC観察用ポラライザ23とRC観察用ポラライザ22との機能を共用する1個の共用ポラライザ34を配置させたものである。この共用ポラライザ34は、モータ43を利用した電動制御で自動的に、RC観察用ポラライザ22用の第1の振動方向の位置(角度)とDIC観察用ポラライザ23用の第2の振動方向の位置(角度)とを記憶させ、記憶させた第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持可能に構成されている。
【0076】
以下、モータ43を利用する電動制御による共用ポラライザ34の第1、第2の振動方向の位置(角度)を記憶させ、その位置を再現保持する構成について、図18を参照して説明する。まず、共用ポラライザ34は回転自在に設けられた環状のポラライザ枠44に接着固定されている。ポラライザ枠44の外周面にはギヤ44aが設けられ、モータ43のシャフトに固定されたギヤ45が噛み合っており、ポラライザ枠44は、モータ43の回転駆動により回転可能とされている。ここで、モータ43は、ロータリエンコーダ等による回転角度検出機構を備えており、回転角度が検出可能なものが用いられている。そして、実施の形態4で説明したような共用ポラライザ34をDIC観察用ポラライザとして機能させるように調整設定された振動方向の位置(角度)と、RC観察用ポラライザとして機能させるように調整設定された振動方向の位置(角度)は、モータ43の駆動を制御する制御部42が記憶しているものとする。また、図17中に示すように、レボルバ7もモータ41により回転可能に構成されている。モータ41の動作も、制御部42によって制御される。
【0077】
これにより、制御部42は、モータ41の駆動に基づきどのような種類の対物レンズが観察光軸L2上に入ったかを判断し、挿入された対物レンズの種類に合わせて、予め適正に設定された共用ポラライザ34の振動方向の位置(角度)をモータ43の駆動制御で自動的に再現保持するものである。
【0078】
このような構成により、本実施の形態5では、対物レンズを切換えると、その切換えに連動して自動的に共用ポラライザ34が適正な振動方向の位置(角度)となるようにモータ43で再現保持されるので、後は、観察方法切換えに必須なターレット24の回動操作を行って、対物レンズの倍率と観察方法に適合するRCスリット21またはDICプリズム20を照明光軸L1上に入れるだけで、所望の観察方法による観察が可能となる。
【0079】
よって、本実施の形態5によれば、観察方法の切換え時には、共用ポラライザ34に設定された2つの振動方向の位置を選択的に再現保持させればよく、共用ポラライザ34の照明光軸L1上への挿脱操作は不要であり、挿脱操作の回数を減らすことができる。また、共用ポラライザ34の回動動作もモータ43によって自動的に行わせることができ、共用ポラライザ34に関する手動操作が不要となる。また、1個の共用ポラライザ34でDIC観察とRC観察とが可能であり、安価に構成できる。
【0080】
ここで、本実施の形態5でも、実施の形態4の場合と同様、観察系に関してスライダ33が省略され、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に固定的に配置されている。また、DIC観察のために、共用ポラライザ34がDIC観察用ポラライザ23として機能する振動方向の位置とDIC観察用アナライザ32の振動方向の位置がクロスニコルの状態となるように設定されている。さらに、図19に模式的に示すように、DIC観察用アナライザ32と共用ポラライザ34がRC観察用ポラライザ22として機能する振動方向の位置が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態となるように設定されている。また、このようなRC観察用ポラライザ22の振動方向の変更設定に伴い、RCスリット21の偏光スリット21bの振動方向も図19中に示すように調整されて変更設定されている(モジュレータ18も対応して調整される)。
【0081】
このように、本実施の形態5によれば、DIC観察用アナライザ32と共用ポラライザ34がRC観察用ポラライザ22として機能する振動方向の位置がパラレルニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスが極めて少なくなるよう抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に挿脱操作を不要にすることができる。よって、オペレータによる挿脱操作は、観察方法の切換えに必須なターレット24の回動操作のみで済ませることができる。
(実施の形態6)
図20は、本発明の実施の形態6にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図21は、図20中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図22は、RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【0082】
図20に示す本実施の形態6にかかる顕微鏡1Fの全体構成は、図32に示した顕微鏡100の全体構成とほぼ同じであるが、図20中に示すように、観察系に関してスライダ33を省略し、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置させたものである。
【0083】
コンデンサレンズ5F部分の構成要素は、図33に示したコンデンサレンズ5の場合と同様である。ここで、DIC観察のために、DIC観察用ポラライザ23とDIC観察用アナライザ32の振動方向がクロスニコルの状態となるように設定されるのに加えて、本実施の形態6では、図22に模式的に示すように、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態となるように設定されている。また、このようなRC観察用ポラライザ22の振動方向の変更設定に伴い、RCスリット21の偏光スリット21bの振動方向も図22中に示すように調整されて変更設定されている(モジュレータ18も対応して調整される)。
【0084】
このように、本実施の形態6によれば、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向がパラレルニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスが極めて少なくなるよう抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に観察光軸L2に対する挿脱操作を不要にすることができ、挿脱操作の回数を減らすことができる。
(実施の形態7)
図23は、本発明の実施の形態7にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図24は、図23中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図25は、RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【0085】
図23に示す本実施の形態7にかかる顕微鏡1Gの全体構成は、図32に示した顕微鏡100の全体構成とほぼ同じであるが、図23中に示すように、観察系に関してスライダ33を省略し、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置させたものである。
【0086】
コンデンサレンズ5G部分の構成要素は、図38に示したコンデンサレンズ5の場合と同様である。ここで、DIC観察のために、DIC観察用ポラライザ23とDIC観察用アナライザ32の振動方向がクロスニコルの状態となるように設定されるのに加えて、本実施の形態7では、図25に模式的に示すように、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向が同一方向(厳密に同一でなくてもよく、要は、ほぼ同一方向として一致していればよい)なるパラレルニコルの状態となるように設定されている。また、このようなRC観察用ポラライザ22の振動方向の変更設定に伴い、ターレット24上で対をなすRCスリット21の偏光スリット21bの振動方向も図25中に示すように調整されて変更設定されている(モジュレータ18も対応して調整される)。
【0087】
このように、本実施の形態7によれば、DIC観察用アナライザ32とRC観察用ポラライザ22の振動方向がパラレルニコルの状態にあり、RCスリット21の空穴スリット21aを通る照明光のロスが極めて少なくなるよう抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に観察光軸L2に対する挿脱操作を不要にすることができ、挿脱操作の回数を減らすことができる。
(実施の形態8)
図26は、本発明の実施の形態8にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図27は、図26中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図であり、図28は、図27中で矢印X方向に見たRCスリットの平面図である。
【0088】
図26に示す本実施の形態8にかかる顕微鏡1Hの全体構成は、図1に示した顕微鏡1Bの全体構成とほぼ同じであるが、図26中に示すように、コンデンサレンズ5H部分の構成が異なる。
【0089】
ここで、図27および図28を参照して、コンデンサレンズ5H部分の構成について説明する。本実施の形態8では、照明光学系において、RCスリット21に代えて、図28に示すように、100%透過の矩形短冊状の空穴スリット46aのみを有し偏光板(偏光スリット)を有しないRCスリット46を用い、このRCスリット46を用いてRC観察を行う場合には偏光板を使用しないためにRC観察用ポラライザ22を省略したものである。これにより、コンデンサレンズ5Hにおいては、DICプリズム20とRCスリット46とがターレット24に搭載されて照明光軸L1に対して挿脱可能に設けられている。
【0090】
なお、空穴スリット46aのみ有するRCスリット46を用いるRC観察法に関しては、例えば、特開2004−109919号公報等により公知である。概略的には、RCスリット46の矩形短冊状の空穴スリット46aを少しずらしてモジュレータ18の100%透過領域18cに10%程度はみ出させて使用し、そのはみ出し具合によって標本1のコントラストを調整する方式である。
【0091】
この場合も、RCスリット46に関して、実施の形態1の場合と同様に回転、芯出し調整を行った後、芯出し機構を利用して空穴スリット46aの位置をずらすことでコントラスト調整が可能となる。
【0092】
本実施の形態8によれば、RC観察時に偏光板(ポラライザ)を使用しないので、RC観察時にDIC観察用ポラライザ23が照明光軸L1上に存在しても殆ど明るさのロスがない。よって、DIC観察からRC観察に切換える場合に、照明光軸L1に対してDIC観察用ポラライザ23の挿脱操作は不要であり、挿脱操作の回数を減らすことができる。また、RC観察において対物レンズ6bの倍率を変更する場合でも、各対物レンズ6bの倍率に対応する複数のRCスリット46に関して一旦調整しておけば、再調整は不要である。なお、DICプリズム31、偏光板32は、RC観察時にRCスリット46を透過する光量のロスを防止するため、図26中に矢印で示すように観察光軸L2上に位置決め挿脱可能とされている。
(実施の形態9)
図29は、本発明の実施の形態9にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図であり、図30は、図29中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【0093】
図29に示す本実施の形態9にかかる顕微鏡1Iの全体構成は、図8に示した顕微鏡1Bの全体構成とほぼ同じであるが、図30中に示すように、コンデンサレンズ5I部分の構成が異なる。また、観察系に関しては、図8の場合と同様、スライダ33が省略され、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に固定的に配置されている。
【0094】
ここで、図30を参照して、コンデンサレンズ5I部分の構成について説明する。本実施の形態9では、前述の実施の形態8のコンデンサレンズ5Hの場合と同様、照明光学系において、RCスリット21に代えて、図28に示したように、100%透過の矩形短冊状の空穴スリット46aのみを有し偏光板(偏光スリット)を有しないRCスリット46を用い、このRCスリット46を用いてRC観察を行う場合には偏光板を使用しないためにRC観察用ポラライザ22を省略したものである。これにより、コンデンサレンズ5Iにおいては、DICプリズム20とRCスリット46とがターレット24に搭載されて照明光軸L1に対して挿脱可能に設けられ、かつ、ポラライザとしては、DIC観察用ポラライザ23のみが照明光軸L1上に固定的に配置されている。また、コンデンサレンズ5Iにおいて、RCスリット46の空穴スリット46aの下面(観察光学系側)には、デポライザ47が接着固定されている。
【0095】
この場合も、RCスリット46に関して、実施の形態1の場合と同様に回転、芯出し調整を行った後、芯出し機構を利用して空穴スリット46aの位置をずらすことでコントラスト調整が可能となる。
【0096】
本実施の形態9によれば、RC観察時に偏光板(ポラライザ)を使用しないので、RC観察時にDIC観察用ポラライザ23が照明光軸L1上に存在しても殆ど明るさのロスがない。よって、DIC観察からRC観察に切換える場合に、照明光軸L1に対してDIC観察用ポラライザ23の挿脱操作は不要であり、挿脱操作の回数を減らすことができる。また、RC観察において対物レンズ6bの倍率を変更する場合でも、各対物レンズ6bの倍率に対応する複数のRCスリット46に関して一旦調整しておけば、再調整は不要である。
【0097】
また、本実施の形態9では、観察光学系において、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32が観察光軸L2上に配置されたままとなる。この際、DIC観察用アナライザ32はDIC観察用ポラライザ23の振動方向とクロスニコルの状態にあり、RCスリット46の空穴スリット46aを通る照明光のロスは極めて大きくなってしまうが、空穴スリット46aの下面にデポライザ47が配置され、空穴スリット46aを通過する照明光の偏光状態が解消されるので、DIC観察用アナライザ32部分での光量ロスを抑制することができる。これにより、DICプリズム31およびDIC観察用アナライザ32を観察光軸L2上に固定的に配置し、観察方法の切換え時に挿脱操作を不要にすることができる。よって、挿脱操作は、観察方法の切換えに必須なターレット24の回動操作のみで済ませることができる。
(変形例1)
図31は、実施の形態9にかかる変形例1のコンデンサレンズ部分を示す概略側面図である。変形例1のコンデンサレンズ5Jでは、ターレット24においてDICプリズム20と対をなすDIC観察用ポラライザ23も一体に搭載して設けたものである。これにより、RCスリット46を照明光軸L1上に挿入してRC観察する際には、DIC観察用ポラライザ23は照明光軸L1上から外れるため、デポライザ47は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である 。
【図2】図1中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図3】DIC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図である。
【図4】RC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図である。
【図5】図4中のRCスリットを矢印X方向から見た平面図である。
【図6】実施の形態1にかかる変形例1の照明系の一部の構成例を示す概略側面図である。
【図7】実施の形態1にかかる変形例2のコンデンサレンズの構成例を示す概略側面図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図9】図8中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図10】RC観察時に光軸上に配置される素子例を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態3にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図12】図11中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図13】RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【図14】本発明の実施の形態4にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図15】図14中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図16】RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【図17】本発明の実施の形態5にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図18】図17中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図19】RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【図20】本発明の実施の形態6にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図21】図20中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図22】RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【図23】本発明の実施の形態7にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図24】図23中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図25】RC観察時に光軸上に配置される素子の一部を平面状に展開して示す模式図である。
【図26】本発明の実施の形態8にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図27】図26中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図28】図27中で矢印X方向に見たRCスリットの平面図である。
【図29】本発明の実施の形態9にかかる顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図30】図26中のコンデンサレンズ部分およびDIC観察用アナライザ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図31】実施の形態9にかかる変形例1のコンデンサレンズ部分を示す概略側面図である。
【図32】従来の顕微鏡の全体構成例を示す概略側面図である。
【図33】図32中のコンデンサレンズ部分を抽出し拡大して示す概略側面図である。
【図34】図33中のRCスリット部分を矢印X方向から見た平面図である。
【図35】図33中のスライダ部分の平面図である。
【図36】図32中に示すモジュレータの平面図である。
【図37】RCスリットと位置関係を対応付けて示すモジュレータの平面図である。
【図38】従来のコンデンサレンズ部分を拡大して示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0099】
5A〜5J コンデンサレンズ
21 RCスリット
21a 空穴スリット
21B 偏光スリット
22 RC観察用ポラライザ
23 DIC観察用ポラライザ
24 ターレット
26 スライダ
32 DIC観察用アナライザ
34 共用ポラライザ
40a、40b クリック機構
43 モータ
46 RCスリット
46a 空穴スリット
50 コンデンサレンズ
51 偏光観察用ポラライザ
L1 照明光軸
L2 観察光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光路中に配置されて、観察方法を切換えるために少なくとも1個の光学素子を照明光軸上に挿脱可能なコンデンサレンズと、
前記光学素子の照明光軸上への挿脱とは独立して照明光軸上に配置されて第1の偏光板と第2の偏光板とを共用し、前記第1の偏光板用の第1の振動方向の位置と前記第2の偏光板用の第2の振動方向の位置とを記憶させ、記憶させた第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持可能な偏光板と、
を備えることを特徴とする顕微鏡。
【請求項2】
記憶させた前記偏光板の第1または第2の振動方向の位置を選択的に再現保持する、回転角度の検出可能なモータを備えることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記光学素子は、その一部に第3の偏光板が配置されたレリーフコントラスト用スリットであり、
前記第1の偏光板は、レリーフコントラスト用偏光板であり、
前記第2の偏光板は、微分干渉用偏光板または偏光観察用偏光板であることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
観察光軸上に固定的に配置された微分干渉用または偏光観察用の第4の偏光板を備え、
前記第1の振動方向と該第4の偏光板の振動方向がほぼ一致していることを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。
【請求項5】
観察光軸上に固定的に配置された微分干渉用または偏光観察用の第4の偏光板を備え、
前記第2の振動方向と該第4の偏光板の振動方向がほぼクロスニコルの状態であることを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。
【請求項6】
微分干渉用または偏光観察用の第4の偏光板と、微分干渉用プリズムを観察光軸上に固定的に配置したことを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2012−208523(P2012−208523A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158419(P2012−158419)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−1674(P2008−1674)の分割
【原出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】