説明

顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラム

【課題】チェックアウトレーンには顧客が密集するのでカメラ画像で顧客一人一人を個別に認識して動線計測を継続することは困難である。
【解決手段】顧客動向収集システム10は、顧客3の移動経路を示す動線情報を生成する動線計測手段11、動線計測手段11が生成した各々の動線情報に固有の動線インデックスを発行する動線インデックス発行手段12、動線計測手段11が生成した各々の動線情報を動線インデックス毎に記憶する動線情報記憶手段13、精算時に顧客3の購買商品の情報を管理する販売時点情報管理手段14、販売時点情報管理手段14が管理する購買商品の情報を顧客毎に記憶する購買情報記憶手段15、同一顧客3の動線情報と購買情報とを関連付ける顧客動向連結手段16及び顧客動向連結手段16が関連付けた情報を記憶する連結情報記憶手段17を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば百貨店、スーパーマーケット等の店舗内において、顧客の移動経路を表す動線情報と購買情報とを関連付ける顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムに関する従来技術の一例としては、例えば、特許文献1に開示される技術があり、特許文献1によれば、顧客に負担をかけずに顧客の動線情報を効率よく自動的に収集するシステムおよび方法が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されるシステムは、撮像手段と、画像入力部と、人物検出部と、人物抽出部と、特徴ベクトル生成部と、入場情報記憶部と、人物照合部と、人物判定部と、集計部と、出力部とを備え、出入口を含む施設内の複数の位置にそれぞれ設置される撮像手段が画像を取り込み、取込んだ画像から人物の存在を検出して人物像を抽出し、この抽出した人物像を画像処理して人物固有の特徴ベクトルの生成を行う。
【0004】
より詳細には、ます、人物の入場時に撮像手段が取込んだ人物画像から特徴ベクトルを生成し、この生成した特徴ベクトルに、人物の識別コード、入場時刻等を付して入場情報として記憶する。そして、施設内移動時及び退場時に撮像手段で取込んだ人物画像から生成した特徴ベクトルを入場時に記憶した特徴ベクトルと照合し、同一人物を識別したときにはその人物の識別コード、撮影時刻、撮影位置等を動線情報として記憶し、この記憶した動線情報から同一識別コードの動線情報を取出して人物個々の動線情報を収集する。
【特許文献1】特開2000−200357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、得られた動線情報から売場の立ち寄り情報を得ることはできるものの、得られる動線情報は購買情報と関連性がない。従って、動線情報から顧客の立ち寄った売場は把握できても、チェックアウトレーンには顧客が密集するのでカメラ画像で顧客一人一人を個別に識別して動線計測を継続することは困難である。すなわち、上述した従来技術では、精算までの動線情報と精算時の購買情報とを関連付けることは困難である。
【0006】
本発明は、上述した課題を考慮してなされたものであり、チェックアウトレーンで顧客が密集していても、それまでの動線情報を精算時の購買情報と関連付けて収集することができる顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る顧客動向収集システムは、上述した課題を解決するため、請求項1に記載したように、売場を移動した顧客の経路を示す動線情報を形成する動線計測手段と、前記動線計測手段が形成した各々の動線情報に対して固有の動線インデックスを発行する動線インデックス発行手段と、前記顧客の個々について精算を終了する度に前記精算を終了した顧客の購買商品を示す購買情報と当該顧客の動線情報に発行された動線インデックスを示す動線インデックス情報とを受け取り前記購買情報と動線インデックス情報とを関連付ける顧客動向連結手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る顧客動向収集方法は、上述した課題を解決するため、請求項7に記載したように、売場に進入した顧客の動線を個々に計測し前記顧客毎に動線情報を形成する動線計測ステップと、前記動線計測ステップで形成した動線情報のうち精算を終了した顧客の動線情報と前記精算を終了した顧客の購買商品を示す購買情報とを連結した情報を生成する連結情報生成ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る顧客動向収集プログラムは、上述した課題を解決するため、請求項10に記載したように、売場に進入した顧客の動線を個々に計測し前記顧客毎に動線情報を形成する動線計測ステップと、前記動線計測ステップで形成した動線情報のうち精算を終了した顧客の動線情報と前記精算を終了した顧客の購買商品を示す購買情報とを連結した情報を生成する連結情報生成ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムによれば、チェックアウトレーン周辺で顧客が密集していても、顧客が売場に入ってから精算までの移動経路を示す動線情報を精算時の購買情報と関連付けて収集することができる。
【0011】
また、収集した情報を利用すれば、事後的に顧客が立ち寄った場所で実際に商品を購入しているか否かを検証することができ、店内広告や売場レイアウトの効果についての分析を従来よりも容易に行い得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムの実施の形態について添付の図面を参照して説明する。
【0013】
なお、本実施の形態は、百貨店、スーパーマーケット等の店舗内において、顧客の移動経路、すなわち、顧客の動線を示す動線情報と、当該顧客が購入した商品の情報を示す購買情報とを関連付けた顧客動向を収集する場合を例として述べる。
【0014】
図1は、本発明に係る顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムを適用する店舗1内のレイアウトを概略的に示したレイアウト図である。
【0015】
図1に示す店舗1において、符号2a,2bは顧客3が店舗1の内外に出入りするための出入口、符号4a〜4iは商品を陳列した商品陳列棚、符号5a〜5dはPOS端末等を配置したチェックアウトレーン、符号6は購入した商品を袋詰めなどするサッカー台である。また、フロア上に配置される各商品陳列棚4a〜4iによって形成される通路の上方には、顧客3の売場内における移動状況を撮像する撮像手段としてのカメラ7a〜7iが設置される。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る顧客動向収集システム10のシステム構成を概略的に示したブロック図である。
【0017】
図2に示すように、顧客動向収集システム10は、顧客3の売場内における移動経路(動線)を示す動線情報を形成する動線計測手段11と、動線計測手段11が形成した各々の動線情報に固有の動線インデックスを発行する動線インデックス発行手段12と、動線計測手段11が形成した動線情報を動線インデックス毎に記憶する動線情報記憶手段13と、精算時の顧客3の購買商品を管理する販売時点情報管理手段14と、販売時点情報管理手段14が管理する購買商品の情報を顧客3毎に記憶する購買情報記憶手段15と、同一顧客3の動線情報と購買情報とを関連付ける顧客動向連結手段16と、顧客動向連結手段16が同一顧客3の動線情報と購買情報とを関連付けた情報(以下、連結情報とする)を記憶する連結情報記憶手段17とを具備する。
【0018】
なお、図2において、省略されているが、顧客動向収集システム10は、入力インターフェイスを具備しており、構成要素単位で処理動作の中断、再開および終了することができる。
【0019】
続いて、顧客動向収集システム10における各構成要素11〜17について説明する。
【0020】
図3は、顧客動向収集システム10における動線計測手段11の構成を概略的に示したブロック図である。
【0021】
動線計測手段11は、図1に示す顧客3の店舗1内における移動状況を撮影するカメラ7a〜7iと、カメラ7a〜7iが撮影した画像を取り込む画像入力部21と、画像入力部21が取り込んだ画像から人物、すなわち、顧客3の存在を検出する人物検出部22と、人物検出部22が検出した顧客3の位置情報および時刻情報に基づき動線情報を得る動線形成部23とを備える。
【0022】
画像入力部21は、カメラ7a〜7iが撮影した画像を取り込む機能を有する。画像入力部21には、カメラ7a〜7iによって撮影された画像が随時入力される。また、画像入力部21は、現在時刻を示す現在時刻情報を有しており、現在時刻情報を人物検出部22へ引き渡す。
【0023】
人物検出部22は、カメラ7a〜7iから画像入力部21に入力され取り込まれた画像をカメラ7a〜7i毎に読み出す機能を有する。また、人物検出部22は、画像入力部21から読み出した画像内に存在する人物、すなわち、顧客3を検出する機能を有する。さらに、人物検出部22は、検出した顧客3について人物特徴の抽出、記憶、照合および記憶消去を行う機能を有する。
【0024】
人物検出部22は、画像入力部21から現在時刻情報を受け取り、一定時間間隔(サンプリング周期)で画像入力部21に取り込まれたカメラ7a〜7i毎の画像を読み出す。そして、読み出した画像内に顧客3の存在があるかを検出する。すなわち、人物検出部22は、サンプリング周期で画像内の顧客3の存否を検出する。
【0025】
読み出した画像内における顧客3の存否の検出は、例えば、予め取り込んでおいた各カメラ位置における人物無しの画像(背景画像)と画像入力部21から読み出した現画像との差分値を求めることでなされる。また、人物検出部22は、顧客3を検出すると、検出した顧客(人物)3の特徴を抽出し記憶する。さらに、人物検出部22は、顧客3の移動に伴い、既に検出済みである顧客3の人物像が一つのカメラ画像から外れた場合、別のカメラ画像により当該顧客3の人物像を追跡する。より具体的には、別のカメラ画像から抽出される顧客3の特徴と、既に人物検出部22が記憶した人物の特徴とを照合して検出した顧客3を同一人物として追跡する。
【0026】
一方、人物検出部22は、顧客3について待ち行列に並んだか否かを判定し、顧客3について待ち行列に並んだと判定すると、当該顧客3の動線計測を終了する旨の要求を動線形成部23へ送る。
【0027】
動線形成部23は、人物検出部22が顧客3を検出した画像内における顧客3の位置を店舗レイアウトにおける位置情報に変換する機能を有する。ここで、店舗レイアウトにおける位置情報とは、図1に示すように、店舗1の床面と平行な面を表すx−y平面上における基準点(原点O)からx方向およびy方向へどれだけの距離にある点か、すなわち、座標(x,y)を示す情報(以下、単に座標情報とする)である。
【0028】
また、動線形成部23は、店舗1内を移動する顧客3の位置を変換して得られた店舗レイアウトにおける位置情報と、人物検出部22が画像入力部21から取得した現在時刻情報とを連結させる。この結果、動線形成部23は、店舗1内を移動する顧客3の移動経路を表す情報、すなわち、店舗1内を移動する顧客3の店舗レイアウトにおける位置情報と、この位置情報に基づく位置に顧客3の居る時刻を示す時刻情報とを有する動線情報を形成することができる。
【0029】
なお、動線情報における位置情報は、必ずしも、顧客3の位置を点で捉えた位置情報(座標情報)である必要はない。例えば、図1に示す店舗1を複数に分割して形成される個々の分割エリア(以下、売場エリアとする)に基づいて顧客3の位置を捉えた位置情報(以下、売場エリア情報)を用いても良い。ここで、売場エリア情報とは、売場エリアに付された識別子を表す情報である。
【0030】
また、動線情報における位置情報として売場エリア情報を適用する場合には、顧客3について当該売場エリアに居る時刻を表す情報を時刻情報として用いることになるが、この場合、位置が1点に定まらないので、当該売場エリアに居る時刻も1つに定まらない。そこで、当該売場エリアに居る時刻が一義に定まるように定義する必要がある。
【0031】
売場エリア情報に基づく売場エリアに居る時刻は、少なくとも、当該売場エリアに進入した時刻(以下、進入時刻とする)以降、かつ、当該売場エリアを退出した時刻(以下、退出時刻とする)以前の時刻のうち一義に定まる一の時刻であれば良い。例えば、以下の(a)〜(c)に示すいずれかの時刻は、いずれも、一義に定まる時刻であり、売場エリアに居る時刻として適用することができる。
【0032】
(a)売場エリアへの進入時刻
(b)売場エリアからの退出時刻
(c)売場エリアに進入してから退出するまでの間における真ん中の時刻(以下、中間時刻とする)
【0033】
ここで、中間時刻は、以下の数式1を計算することで求められる。
【0034】
[数1]
中間時刻=進入時刻+(退出時刻−進入時刻)/2 ・・・(1)
動線情報における位置情報として売場エリア情報を適用すると、座標情報を適用する場合と比較して、動線情報の情報量を減らすことができる点で有利である。
【0035】
一方、動線形成部23は、動線情報を形成すると、形成した動線情報を後述する動線インデックス発行手段12および動線情報記憶手段13へ引き渡す。
【0036】
また、動線形成部23は、人物検出部22から待ち行列に並んだと判定された顧客3の動線計測を終了する旨の要求を受け取ると、当該顧客3の動線計測を終了し、当該顧客3の動線計測を終了した旨の通知を顧客動向連結手段16へ送る。
【0037】
このように構成される動線計測手段11では、人物検出部22が画像入力部21に取り込まれた画像を読み出し、読み出した画像内に顧客3を検出すると、検出した顧客3について動線の計測を開始する。そして、動線計測の対象である顧客3について精算の待ちの状態になると、動線計測を終了する。顧客3の動線計測を終了すると、動線計測手段11は、顧客動向連結手段16に当該顧客3の動線計測の終了を通知する。
【0038】
ここで、図4を参照して、動線計測手段11が行う顧客3の動線計測を終了するタイミングについて説明する。
【0039】
図4は、図1に示すチェックアウトレーン3a〜3dにおける顧客3a〜3iの精算の様子を概略的に示した図であり、動線計測の終了のタイミングを説明する説明図である。
【0040】
なお、図4に示す顧客3a〜3dは、それぞれ、各チェックアウトレーン5a〜5dで現在精算中である。また、顧客3e〜3hは、それぞれ、顧客3a〜3dの後ろに並び各チェックアウトレーン5a〜5dで精算を待っている顧客である。換言すれば、顧客3e〜3hは、精算待ちの行列を形成している。さらに、顧客3iは、これからチェックアウトレーン5cに並ぼうとしている。
【0041】
図4に示す場合において、例えば、顧客3iの動線計測を終了するタイミングについて説明すると、顧客3iがチェックアウトレーン5cで精算待ちの行列の最後尾、すなわち、顧客3gの後ろに並んだ時点で、動線計測手段11は、顧客3iが精算待ちの状態になったとみなして動線計測を終了する。
【0042】
動線インデックス発行手段12は、動線計測手段11が計測した各々の動線情報に対して固有の動線インデックスを発行し、発行した動線インデックスを示す動線インデックス情報と後述する動線情報記憶手段13から受け取った顧客3の動線情報を記憶する記憶領域(記憶番地)の情報とを関連付けるように構成される。
【0043】
次に、図5を参照して、顧客3の動線に対して発行された固有の動線インデックス情報と、当該顧客3の動線情報を記憶する動線情報記憶手段13の記憶番地の情報との関連付けを説明する。
【0044】
動線インデックス発行手段12は、図5に示すように、発行した動線インデックス情報と受け取った動線情報を記憶する記憶番地の情報とを関連付けるための記憶領域30を有する。動線インデックス発行手段12は、この記憶領域30を用いて顧客3の動線情報を管理する。
【0045】
動線インデックス発行手段12は、図5に示すように、発行した動線インデックスを記憶する少なくとも1以上の動線インデックス記憶領域31a〜35aと、動線情報を記憶する動線情報記憶手段13の記憶番地の情報を記憶する少なくとも1以上の動線情報記憶番地記憶領域31b〜35bとを有する。
【0046】
動線情報記憶番地記憶領域31b〜35bは、それぞれ、動線インデックス記憶領域31a〜35aと関連付けて記憶することができる。つまり、動線インデックス記憶領域31a〜35aと、動線情報記憶番地記憶領域31b〜35bとは、1対1に対応しているので、動線インデックス(動線インデックス記憶領域31a〜35aに記憶される情報)を検索キーにして、一の動線情報が記憶される記憶番地(動線情報記憶番地記憶領域31b〜35bに記憶される情報)を特定できるように記憶することができる。
【0047】
例えば、図5に示す動線情報記憶番地記憶領域31bは、動線インデックス記憶領域31aと関連付けて記憶することができ、動線情報記憶番地記憶領域32bは、動線インデックス記憶領域32aと関連付けて記憶することができる。他の線情報記憶番地記憶領域33b〜35bについても同様である。
【0048】
このような記憶領域30を有する動線インデックス発行手段12では、まず、店舗1の出入口2a,2bから入店した顧客3について、店内領域に移動するタイミングで動線インデックスを発行する一方で、動線情報記憶手段13からは、店内領域に移動した顧客3の動線情報を記憶する記憶領域(記憶番地)の情報を受け取る。ここで、店内領域とは、図1に示すチェックアウトレーン5a〜5dよりも奥(y軸正方向)側に位置する領域である。
【0049】
続いて、動線インデックス発行手段12が、発行した動線インデックスを動線インデックス記憶領域31a〜35aに、動線情報の記憶される記憶番地の情報を動線情報記憶番地記憶領域31b〜35bに記憶する。例えば、顧客3aの動線インデックスの情報は、動線インデックス記憶領域31aに、顧客3aの動線情報が記憶される記憶番地の情報は、動線情報記憶番地記憶領域31bに記憶される。
【0050】
動線インデックス発行手段12が、動線インデックスとこの動線インデックスに対応する動線情報とを記憶領域30に記憶することで、顧客3の動線情報を動線インデックスで管理することが可能になる。
【0051】
なお、動線インデックスを発行するタイミングは、顧客3について店舗1の入口2a,2bでIDカードをスキャンしたタイミングで行うようにすることも可能である。この場合、IDカードをスキャンしたタイミングでトリガを生成し画像入力部21へ出力するトリガ生成部(図示せず)を設ける。そして、トリガ生成部から出力されたトリガを受信した画像入力部21が画像の取り込みを開始するように動線計測手段11を構成すれば良い。前記トリガ生成部は、IDカードのスキャナ(カードリーダー)装置の内部および外部のいずれに設けられていても構わない。
【0052】
図6は、動線情報記憶手段13の構成を概略的に示した構成図である。
【0053】
動線情報記憶手段13は、図6に示すように、顧客3毎の動線情報を記憶する少なくとも1個以上の記憶領域(以下、動線情報記憶領域とする)を有しており、例えば、図6に示す動線情報記憶手段13は、動線情報記憶領域41〜47を有する。
【0054】
動線情報記憶領域41〜47は、それぞれ異なる顧客3の動線情報を記憶することができる。例えば、図6に示す動線情報記憶手段13の場合、顧客3aの動線情報は動線情報記憶領域41に、顧客3bの動線情報は動線情報記憶領域42に、顧客3cの動線情報は動線情報記憶領域43に、顧客3dの動線情報は動線情報記憶領域44に記憶される。
【0055】
動線情報記憶手段13は、動線計測手段11の動線形成部23で形成され出力された動線情報を受け取ると、受け取った動線情報を顧客3毎に記憶を開始する。そして、顧客3の移動によって変化する動線情報は、該当する顧客3の記憶領域41〜47に随時追加記憶される。例えば、図6に示す動線情報記憶手段13では、顧客3aの移動によって変化する顧客3aの動線情報は、動線情報記憶領域41に随時追加記憶される。
【0056】
また、動線情報記憶手段13は、動線情報の記憶を開始する際に、当該動線情報を記憶するために割り当てた記憶番地の情報を動線インデックス発行手段12に引き渡す。
【0057】
販売時点情報管理手段14は、POS端末から取得した購買情報から商品毎の売上数や売上時刻に関する情報を収集し管理する。販売時点情報管理手段14の一例としては、POS端末から取得した購買情報から商品毎の売上数や売上時刻に関する情報を収集しコンピュータで情報管理する、いわゆるPOSシステムの制御部が挙げられる。
【0058】
販売時点情報管理手段14は、顧客3の精算を終了すると、当該顧客3の購買情報を購買情報記憶手段15に引き渡すと共に、精算の終了を後述する顧客動向連結手段16に通知する。
【0059】
図7は、購買情報記憶手段15の構成を概略的に示した構成図である。
【0060】
購買情報記憶手段15は、図7に示すように、チェックアウトレーンと同数個の記憶領域(以下、購買情報記憶領域とする)を有する。例えば、図7に示す購買情報記憶手段15は、図1または図4に示すチェックアウトレーン5a〜5dと同数個の4個の購買情報記憶領域51〜54を有する。
【0061】
購買情報記憶手段15の購買情報記憶領域51〜54は、それぞれ異なるチェックアウトレーン5a〜5dにおける顧客単位の購買情報、すなわち、チェックアウトレーン5a〜5d毎に顧客単位で購入した商品の情報を記憶することができる。
【0062】
例えば、図7に示す購買情報記憶手段15では、チェックアウトレーン5aで精算を終えた顧客3aの購買情報が購買情報記憶領域51に、チェックアウトレーン5bで精算を終えた顧客3bの購買情報が購買情報記憶領域52に、チェックアウトレーン5cで精算を終えた顧客3cの購買情報が購買情報記憶領域53に、チェックアウトレーン5dで精算を終えた顧客3dの購買情報が購買情報記憶領域54に記憶される。
【0063】
顧客動向連結手段16は、図2に示すように、チェックアウトレーン5a〜5dにおいて精算を待つ顧客3の行列をチェックアウトレーン5a〜5d単位で記憶する待ち行列記憶部18と、同一の顧客3に対する動線情報と購買情報とを関連付ける顧客動向連結部19とを備える。
【0064】
図8から図11を参照して、顧客動向連結手段16における待ち行列記憶部18を説明する。
【0065】
図8は、顧客動向連結手段16における待ち行列記憶部18の構成を概略的に示した構成図である。
【0066】
待ち行列記憶部18は、少なくとも1以上であり、チェックアウトレーンの台数と同数個の異なるチェックアウトレーン毎に待ち行列を形成する顧客3の動線インデックス情報を記憶するチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部を備えており、例えば、図8に示す待ち行列記憶部18は、4個のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部61〜64を備える。
【0067】
図8に示すチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部61は、図4に示すチェックアウトレーン5aで待ち行列を形成する顧客3a,3eの動線インデックス情報を記憶する。同様に、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部62はチェックアウトレーン5bで待ち行列を形成する顧客3b,3fの動線インデックス情報を、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63はチェックアウトレーン5cで待ち行列を形成する顧客3c,3g,3iの動線インデックス情報を、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部64はチェックアウトレーン5dで待ち行列を形成する顧客3d,3hの動線インデックス情報を記憶する。
【0068】
待ち行列記憶部18が記憶する顧客3の動線インデックス情報は、各チェックアウトレーン5a〜5dの待ち行列、すなわち、並んでいる顧客3およびその並び順を示す待ち行列情報として利用することができる。従って、この待ち行列情報を把握することで各チェックアウトレーン5a〜5dの待ち行列の状態を把握できる。
【0069】
顧客動向連結部19は、待ち行列記憶部18の各チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部61〜64の記憶内容を管理して各チェックアウトレーン5a〜5dの待ち行列の状態を把握する。また、顧客動向連結部19は、顧客3の購買情報を受け取ると、同一の顧客3に対する動線情報を受け取った購買情報と共に後述する連結情報記憶手段17へ引き渡す。
【0070】
図9から図11を参照して、待ち行列記憶部18の各チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部61〜64の記憶内容を管理する方法について説明する。
【0071】
図9、図10および図11は、待ち行列記憶部18のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部61〜64の一例であるチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の時間経過に伴う記憶内容の変化を説明する説明図である。なお、いずれの図も、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の構成を概略的に示した構成図であり、時間経過の順序は、図9、図10および図11の順である。
【0072】
チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63は、例えば、図9に示すように、少なくとも1以上の動線インデックスを記憶する動線インデックス情報記憶領域71〜77を有する。
【0073】
チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63では、図9から図11に示される上の記憶領域から順次顧客3の動線インデックスが記憶される。すなわち、待ち行列の順番通りに、動線インデックス情報記憶領域71、動線インデックス情報記憶領域72、動線インデックス情報記憶領域73、…、動線インデックス情報記憶領域77と順次記憶される。
【0074】
続いて、時間経過に伴うチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の記憶内容の変化を説明する。
【0075】
図9に示すチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63では、待ち行列のうち先頭に並ぶ顧客3cおよび2番目に並ぶ顧客3gの動線インデックスが動線インデックス情報記憶領域71,72にそれぞれ記憶されている。
【0076】
図9に示す状態下において、顧客3gの後に顧客3iが並ぶと、顧客動向連結部19は、先頭から3番目に並んだ顧客3iの動線インデックスを、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の動線インデックス情報記憶領域73に記憶する。
【0077】
すなわち、図10に示すように、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の動線インデックス情報記憶領域71には顧客3cの動線インデックスが、動線インデックス情報記憶領域72には顧客3gの動線インデックスが、動線インデックス情報記憶領域73には顧客3iの動線インデックスが記憶される。
【0078】
その後、図10に示す状態下において、先頭の顧客3cの精算が完了すると、顧客動向連結部19は、顧客3cの購買情報と共に顧客3cの動線インデックス情報を引き渡すと共に、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の記憶内容を更新する。より詳細には、動線インデックス情報記憶領域71〜77に記憶される動線インデックス情報を1つずつ上にシフトする。
【0079】
すなわち、図11に示すように、動線インデックス情報記憶領域72に記憶されていた顧客3gの動線インデックス情報は、待ち行列の先頭となった顧客3gの動線インデックスとして動線インデックス情報記憶領域71に記憶される。また、動線インデックス情報記憶領域73に記憶されていた顧客3iの動線インデックス情報は、待ち行列の2番目となった顧客3iの動線インデックスとして動線インデックス情報記憶領域72に記憶される。
【0080】
一方、動線インデックス情報記憶領域73では、動線インデックス情報記憶領域74に記憶されていた情報が記憶されることになるが、顧客3cの精算完了時点において、待ち行列の4番目は居ないため、動線インデックス情報記憶領域73に記憶されていた顧客3iの動線インデックスは削除され、何も記憶していない状態となる。
【0081】
このように、顧客動向連結部19が各チェックアウトレーン5a〜5dにおいて待ち行列を形成する顧客3の動線インデックスを動線インデックス情報記憶領域71〜77に記憶および削除することで、各チェックアウトレーン5a〜5dにおける現在の待ち行列の状態を管理することができる。
【0082】
図12は、顧客動向連結手段17の構成を概略的に示した構成図である。
【0083】
連結情報記憶手段17は、図12に示すように、顧客3の動線インデックス情報を記憶する少なくとも1以上の動線インデックス情報記憶領域81a〜85aと、顧客3の購買情報を記憶する少なくとも1以上の購買情報記憶領域81b〜85bとを有する。
【0084】
連結情報記憶手段17は、基本的には、図5に示す動線インデックス発行手段12の記憶領域30と同様の構成であり、前記顧客動向連結手段16から受け取った動線インデックス情報と購買情報とを連結して記憶することができる。すなわち、動線インデックス情報記憶領域81a〜85aに記憶される情報と、購買情報記憶領域81b〜85bに記憶される情報とを、それぞれ、関連付けて記憶することができる。
【0085】
このように、本実施の形態に係る顧客動向収集システム10は、チェックアウトレーン5a〜5d周辺で顧客3が密集していても、顧客3について売場に入ってから精算までの移動経路を示す動線情報を精算時の購買情報と関連付けて収集することができる。
【0086】
なお、顧客動向収集システム10では、情報を記憶する手段を用途に応じて動線情報記憶手段13、購買情報記憶手段15および連結情報記憶手段17を具備しているが、処理の実行に必要な全部の情報を記憶できるのであれば、上記記憶手段13,15,17は、1または2の記憶手段にまとめられていても良い。
【0087】
次に、図13および図14を参照して、本実施の形態に係る顧客動向収集方法について説明する。
【0088】
本実施の形態に係る顧客動向収集方法は、売場に入った顧客3の動線を個々に計測する動線計測ステップと、同一の顧客の動線情報と購買情報とを連結した連結情報を生成する連結情報生成ステップとを備え、計測する動線計測ステップと並行して連結情報生成ステップがなされる。
【0089】
図13は、顧客動向収集方法における動線計測ステップの処理手順を示した処理フロー図である。
【0090】
図13に示すように、動線計測ステップは、ステップS1〜ステップS16の処理ステップを備えており、顧客動向収集システム10に動線計測の開始要求があると、動線計測ステップの処理が開始される(START)。
【0091】
ステップS1では、動線計測手段11における画像入力部21が、カメラ7a〜7iの各々から画像を取り込む(画像取込ステップ:ステップS1)。
【0092】
続いて、ステップS2では、動線計測部11における画像入力部21が保有する現在時刻の情報に基づいて、所定の時間(サンプリング周期)が経過したかを判定する(人物検出実行タイミング判定ステップ:ステップS2)。
【0093】
ステップS2で画像入力部21が所定の時間が経過したと画像入力部21が判定した場合(ステップS2でYESの場合)、ステップS3に進み、人物検出部22が画像入力部21に取り込まれた画像をカメラ7a〜7i毎に読み出して、読み出した画像内に人物(顧客3)の存在を判定する(顧客存否判定ステップ:ステップS3)。
【0094】
ステップS3で画像内に顧客3を検出した場合(ステップS3でYESの場合)、ステップS4に進み、人物検出部22が当該顧客3を撮像したカメラ7a〜7iがカメラ7gまたはカメラ7iか否かを判定する(新規顧客判定ステップ:ステップS4)。
【0095】
ステップS3で検出された顧客3を撮像したカメラ7a〜7iが、出入口領域撮像カメラ7gまたはカメラ7iである場合(ステップS4でYESの場合)、ステップS5に進み、人物検出部22が検出した顧客3の特徴を記憶する(顧客特徴記憶ステップ:ステップS5)。
【0096】
続いて、ステップS6では、動線形成部23がステップ3で検出した顧客3の移動経路を示す動線情報を形成する(動線情報形成ステップ:ステップS6)。
【0097】
ステップS7では、動線インデックス発行手段12が、ステップS3で検出した顧客3の動線情報に対して動線インデックスを発行する(動線インデックス発行ステップ:ステップS7)。続くステップS8では、動線情報記憶手段13がステップS6で形成された動線情報を記憶する(動線情報記憶ステップ:ステップS8)。
【0098】
そして、ステップS9(終了要求有無確認ステップ)において、全ての顧客3について動線計測を終了する旨の要求があった場合(ステップS9でYESの場合)、動線計測ステップは終了する(END)。
【0099】
一方、ステップS2において、画像入力部21が所定の時間(サンプリング周期)が経過していないと判定した場合(ステップS2でNOの場合)、ステップS2に戻る。
【0100】
また、ステップS3において、画像内に人物(顧客3)を検出しなかった場合(ステップS3でNOの場合)、ステップS2に戻る。
【0101】
さらに、ステップS4において、ステップS3で検出された顧客3を撮像したカメラ7a〜7iが、カメラ7gおよびカメラ7i以外、すなわち、カメラ7a〜7f,7hである場合(ステップS4でNOの場合)、ステップS10に進み、人物検出部22が検出した顧客3の特徴と、ステップS5において記憶した顧客3の特徴とを照合する(顧客特徴照合ステップ:ステップS10)。
【0102】
続いて、ステップS11では、動線形成部23がステップ3で検出した顧客3の移動経路を示す動線情報を形成する(動線情報形成ステップ:ステップS11)。なお、ステップS11の動線情報形成ステップは、ステップS6の動線情報形成ステップと実質的に同一の処理ステップである。
【0103】
ステップS12では、動線情報記憶手段13がステップS11で形成された動線情報をステップS10で照合した顧客3と同一人物の動線情報として追記する(動線情報記憶ステップ:ステップS12)。なお、ステップS12の動線情報記憶ステップは、ステップS8の動線情報記憶ステップと比較すると、動線情報が既に有るのか無いのかの点で相違するが、実質的には同一の処理ステップである。
【0104】
ステップS13では、人物検出部22が、現在、顧客3について検出しているカメラ7a〜7iが、カメラ7hであるか否かを判定する。顧客3について検出しているカメラ7a〜7iは、カメラ7hであると人物検出部22が判定した場合(ステップS13でYESの場合)、ステップS14に進み、現在、カメラ7hが検出している顧客3について待ち行列に並んだか否か判定する(精算待ち顧客判定ステップ:ステップS13,ステップS14)。
【0105】
ステップS14において、人物検出部22が、現在、検出している顧客3について待ち行列に並んだと判定した場合(ステップS14でYESの場合)、ステップS15に進み、動線形成部23が待ち行列に並んだ顧客3の動線情報の形成を終了すると共に終了した旨を顧客動向連結手段16へ通知する(顧客動線情報形成終了通知ステップ:ステップS15)。
【0106】
続いて、ステップS16では、人物検出部22が記憶している顧客3の特徴のうち、ステップS15で動線計測を終了した顧客3の特徴を消去する(顧客特徴消去ステップ:ステップS16)。ステップS16の処理ステップが完了すると、ステップS9に進み、ステップS9以降の処理ステップがなされる。
【0107】
他方、ステップS13において、人物検出部22が、現在、顧客3を検出しているカメラ7a〜7iは、カメラ7h以外、すなわち、カメラ7a〜7g,7iであると判定した場合(ステップS13でNOの場合)、ステップS9に進む。
【0108】
また、ステップS14において、人物検出部22が、現在、検出している顧客3について待ち行列に並んでいないと判定した場合(ステップS14でNOの場合)、ステップS9に進む。
【0109】
図14は、顧客動向収集方法における連結情報生成ステップの処理手順を示した処理フロー図である。
【0110】
図14に示すように、連結情報生成ステップは、ステップS21〜ステップS27の処理ステップを備える。また、連結情報生成ステップは、上述した動線計測ステップと並行してなされるため、動線計測ステップの処理が開始されるタイミングで連結情報生成ステップの処理も開始される(START)。
【0111】
ステップS21では、顧客動向連結手段16が動線計測手段11から動線計測終了、すなわち、動線情報の形成終了が通知されたか否かについて確認する(動線計測終了確認ステップ:ステップS21)。
【0112】
ステップS21で顧客動向連結手段16の顧客動向連結部19が動線情報の形成を終了した旨の通知が有ったことを確認した場合(ステップS21でYESの場合)、ステップS22に進み、顧客動向連結部19が、動線計測を終了した顧客3の動線インデックス情報を動線情報記憶手段13から読み出して待ち行列記憶部18の動線インデックス情報記憶領域71〜77に登録する(待ち行列情報更新ステップ:ステップS22)。
【0113】
続いて、ステップS23(終了要求有無確認ステップ)において、全ての顧客3について動線計測を終了する旨の要求があった場合(ステップS23でYESの場合)、連結情報生成ステップは終了する(END)。
【0114】
一方、ステップS21で顧客動向連結部19が、動線計測終了の通知が無かったことを確認した場合(ステップS21でNOの場合)、ステップS24に進み、販売時点情報管理手段14から顧客一人の精算終了が通知されたか否かを確認する(精算終了確認ステップ:ステップS24)。
【0115】
続いて、ステップS25では、顧客動向連結手段16の顧客動向連結部19が、待ち行列記憶部18の動線インデックス情報記憶領域71から精算を済ませた顧客3の動線インデックス情報を読み出し、読み出した情報を連結情報記憶手段17へ引き渡す。そして、連結情報記憶手段17は、受け取った動線インデックス情報を動線インデックス情報記憶領域81a〜85aに書き込む。なお、ステップS25およびステップS26に示される「R/W」は、リードライト(読み込みと書き込み)を意味している。
【0116】
ステップS26では、顧客動向連結手段16の顧客動向連結部19が、購買情報記憶手段15の購買情報記憶領域51〜54に記憶された前記精算を済ませた顧客3の購買情報を読み出し、読み出した情報を連結情報記憶手段17へ引き渡す。そして、連結情報記憶手段17は、受け取った購買情報を、ステップS25で書き込みを行った動線インデックス情報記憶領域81a〜85aと対応する購買情報記憶領域81b〜85bに書き込む(連結情報記憶ステップ:ステップS25,ステップS26)。
【0117】
なお、動線インデックス情報記憶領域81a〜85aと対応する購買情報記憶領域81b〜85bは、動線インデックス情報記憶領域の符合と同じ数字の符号が付された購買情報記憶領域である。例えば、購買情報記憶領域81bは、動線インデックス情報記憶領域81aと対応し、購買情報記憶領域85bは、動線インデックス情報記憶領域85aと対応する。
【0118】
続いて、ステップS27では、顧客動向連結部19が、ステップS25で読み出した動線インデックス情報を動線インデックス情報記憶領域71から削除すると共に、順次登録済みの動線インデックス情報を1つずつシフトする(待ち行列情報更新ステップ:ステップS27)。
【0119】
より具体的にステップS27を説明すると、図10に示す状況下において、顧客動向連結部19がステップS27の処理ステップを実行すると、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部63の記憶内容は、図11に示す状態に更新される。ステップS27の処理ステップが完了すると、ステップS23に進み、ステップS23以降の処理ステップがなされる。
【0120】
なお、図14に示す連結情報生成ステップでは、動線インデックス情報のR/W(ステップS25)がなされた後、購買情報のR/W(ステップS26)がなされているが、動線インデックス情報のR/Wおよび購買情報のR/Wの順番は逆であっても構わない。
【0121】
このように、本実施の形態に係る顧客動向収集方法によれば、チェックアウトレーン5a〜5d周辺で顧客3が密集していても、顧客3について売場に入ってから精算までの移動経路を示す動線情報を精算時の購買情報と関連付けて収集することができる。
【0122】
以上、本実施の形態に係る顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムによれば、チェックアウトレーン5a〜5d周辺で顧客3が密集していても、顧客3について売場に入ってから精算までの移動経路を示す動線情報を精算時の購買情報と関連付けて収集することができる。
【0123】
また、収集した情報を事後的に利用すれば、顧客3について立ち寄った場所で実際に商品を購入したのかどうかを検証することもできる。このように、顧客3について立ち寄った場所で実際に商品が購入されているか否の検証を可能とすることで、店舗マネージャー等が店内広告や売場レイアウトの効果について分析を行う際に従来よりも容易に行い得る。
【0124】
なお、本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録(インストール)されている場合を説明したが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしても良い。記録媒体としてであれば、その形態はいずれの形態であっても良い。また、OS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明に係る顧客動向収集システム、顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムを適用する店舗内のレイアウトを概略的に示したレイアウト図。
【図2】本発明に係る顧客動向収集システムのシステム構成を概略的に示したブロック図。
【図3】本発明に係る顧客動向収集システムにおける動線計測手段の構成を概略的に示したブロック図。
【図4】本発明に係る顧客動向収集システム顧客動向収集方法および顧客動向収集プログラムを適用する店舗における顧客の動線計測を終了するタイミングについて説明する説明図。
【図5】本発明に係る顧客動向収集システムにおける動線インデックス発行手段が有する記憶領域を概略的に示した構成図。
【図6】本発明に係る顧客動向収集システムにおける動線情報記憶手段の構成を概略的に示した構成図。
【図7】本発明に係る顧客動向収集システムにおける購買情報記憶手段の構成を概略的に示した構成図。
【図8】本発明に係る顧客動向収集システムにおける顧客動向連結手段の待ち行列記憶部の構成を概略的に示した構成図。
【図9】本発明に係る顧客動向収集システムにおける顧客動向連結手段の待ち行列記憶部のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の構成を概略的に示した構成図であり、チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の記憶内容を示す説明図。
【図10】本発明に係る顧客動向収集システムにおける顧客動向連結手段の待ち行列記憶部のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の構成を概略的に示した構成図であり、図9に示す状態から顧客がさらに一人並んだ後のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の記憶内容を示す説明図。
【図11】本発明に係る顧客動向収集システムにおける顧客動向連結手段の待ち行列記憶部のチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の構成を概略的に示した構成図であり、図10に示す状態から先頭の顧客の精算完了後におけるチェックアウトレーン単位待ち行列記憶部の記憶内容を示す説明図。
【図12】本発明に係る顧客動向収集システムにおける顧客動向連結手段の構成を概略的に示した構成図。
【図13】本発明に係る顧客動向収集方法における動線計測ステップの処理手順を示した処理フロー図。
【図14】本発明に係る顧客動向収集方法における連結情報生成ステップの処理手順を示した処理フロー図。
【符号の説明】
【0126】
1 店舗
2a,2b 出入口
3,3a〜3i 顧客
4a〜4i 商品陳列棚
5a〜5d チェックアウトレーン
6 サッカー台
7a〜7i カメラ(撮像手段)
10 顧客動向収集システム
11 動線計測手段
12 動線インデックス発行手段
13 動線情報記憶手段
14 販売時点情報管理手段
15 購買情報記憶手段
16 顧客動向連結手段
17 連結情報記憶手段
18 待ち行列記憶部
19 顧客動向連結部
21 画像入力部
22 人物検出部
23 動線形成部
30 (動線インデックス発行手段の)記憶領域
31a〜35a 動線インデックス記憶領域
31b〜35b 動線情報記憶番地記憶領域
41〜47 動線情報記憶領域
51〜54 購買情報記憶領域
61〜64 チェックアウトレーン単位待ち行列記憶部
71〜77 動線インデックス情報記憶領域
81a〜85a 動線インデックス情報記憶領域
81b〜85b 動線情報記憶番地記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
売場を移動した顧客の経路を示す動線情報を形成する動線計測手段と、
前記動線計測手段が形成した各々の動線情報に対して固有の動線インデックスを発行する動線インデックス発行手段と、
前記顧客の個々について精算を終了する度に前記精算を終了した顧客の購買商品を示す購買情報と当該顧客の動線情報に発行された動線インデックスを示す動線インデックス情報とを受け取り前記購買情報と動線インデックス情報とを関連付ける顧客動向連結手段とを具備することを特徴とする顧客動向収集システム。
【請求項2】
前記動線情報は、移動した前記顧客の位置を示す位置情報と、この位置情報に基づく位置に居た時刻を示す時刻情報とを有することを特徴とする請求項1項記載の顧客動向収集システム。
【請求項3】
前記動線情報は、前記顧客の通過した売場のエリアを示す売場エリア情報と、前記顧客の通過した売場エリア毎に前記顧客の通過した時刻を示す時刻情報とを有することを特徴とする請求項1項記載の顧客動向収集システム。
【請求項4】
前記動線計測手段は、前記売場を移動する顧客を検知する人物検知部と、
前記人物検知部が検知した顧客に対して売場に進入してからチェックアウトレーンに並ぶまでの間、前記人物検知部が検知した顧客毎に動線情報を形成する動線形成部とを備えることを特徴とする請求項1記載の顧客動向収集システム。
【請求項5】
前記顧客動向連結手段は、前記チェックアウトレーン単位で待ち行列を形成する顧客の待ち順を管理しており、精算終了時に前記待ち行列の先頭に並ぶ顧客の動線インデックス情報と当該顧客の購買情報とを関連付ける顧客動向連結部と、
前記チェックアウトレーン単位で待ち行列を形成する顧客毎の動線インデックス情報を記憶する待ち行列記憶部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の顧客動向収集システム。
【請求項6】
前記顧客動向連結部は、精算終了時に前記待ち行列の先頭に並ぶ顧客の動線インデックス情報と当該顧客の購買情報とを関連付けた後、前記待ち行列記憶部に記憶される前記動線インデックス情報を更新するように構成されることを特徴とする請求項5記載の顧客動向収集システム。
【請求項7】
売場に進入した顧客の動線を個々に計測し前記顧客毎に動線情報を形成する動線計測ステップと、
前記動線計測ステップで形成した動線情報のうち精算を終了した顧客の動線情報と前記精算を終了した顧客の購買商品を示す購買情報とを連結した情報を生成する連結情報生成ステップとを備えることを特徴とする顧客動向収集方法。
【請求項8】
前記動線計測ステップは、撮像手段から取り込んだ画像を読み出し、読み出した画像内に顧客の存在を判定する顧客存否判定ステップと、
前記顧客存否判定ステップで前記画像内に顧客の存在ありと判定した場合、前記顧客の移動経路を示す動線情報を形成する動線情報形成ステップと、
前記動線情報形成ステップで形成された動線情報に対して固有の動線インデックスを発行する動線インデックス発行ステップと、
チェックアウトレーンの顧客待ち行列に前記顧客について並んだか否かを判定する精算待ち顧客判定ステップと、
前記精算待ち顧客判定ステップで前記顧客についてチェックアウトレーンの待ち行列に並んだと判定した場合、前記顧客の動線情報の形成を終了すると共に終了した旨を顧客動向連結手段へ通知する顧客動線情報形成終了通知ステップとを備えることを特徴とする請求項7記載の顧客動向収集方法。
【請求項9】
前記連結情報生成ステップは、前記顧客の動線情報の形成を終了した場合、前記動線情報の形成を終了した顧客の動線インデックス情報を待ち行列の状態を示す待ち行列情報に加える一方、前記待ち行列に並ぶ顧客の精算を終了した場合、前記待ち行列の先頭の顧客の動線インデックス情報を前記待ち行列情報から削除する待ち行列情報更新ステップと、
前記待ち行列に並ぶ顧客の精算を終了した場合、精算を終了した顧客の購買情報と、当該顧客の動線情報とを関連付ける連結情報記憶ステップとを備えることを特徴とする請求項7記載の顧客動向収集方法。
【請求項10】
売場に進入した顧客の動線を個々に計測し前記顧客毎に動線情報を形成する動線計測ステップと、
前記動線計測ステップで形成した動線情報のうち精算を終了した顧客の動線情報と前記精算を終了した顧客の購買情報とを連結した情報を生成する連結情報生成ステップとをコンピュータに実行させる顧客動向収集プログラム。
【請求項11】
前記連結情報生成ステップは、前記顧客の動線情報の形成を終了した場合、前記動線情報の形成を終了した顧客の動線インデックス情報を待ち行列の状態を示す待ち行列情報に加える一方、前記待ち行列に並ぶ顧客の精算を終了した場合、前記待ち行列の先頭の顧客の動線インデックス情報を前記待ち行列情報から削除する待ち行列情報更新ステップと、
前記待ち行列に並ぶ顧客の精算を終了した場合、精算を終了した顧客の購買情報と、当該顧客の動線情報とを関連付けて記憶する連結情報記憶ステップとを備えることを特徴とする請求項10記載の顧客動向収集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−87208(P2007−87208A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276551(P2005−276551)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】