説明

風力発電機の運転状態判別方法

【課題】 系統連系される風力発電機の出力電力振動の持続時間が短い場合であっても風力発電機の振動周波数を正確に推定でき風力発電機の運転状態判別方法を提供することである。
【解決手段】 測定された振動分を含む風力発電機の出力電力信号を所定の周期でサンプリングし、理論振動周波数を中心とする移動平均法による帯域フィルタを通して出力電力信号の時系列データを入力して集積し、集積した出力電力信号の時系列データを予め用意した減衰振動の自己回帰モデルに適用し、時系列データを適用した自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出し、予め定めた条件を満たす振動周波数を振動周波数推定値として抽出し、振動周波数推定値に基づいて風力発電機の回転数を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電機が系統連系される系統連系システムにおける風力発電機の運転状態判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機として広く使用される交流発電機は、極数切換型誘導発電機と可変速型発電機との2つのタイプに大別される。極数切換型誘導発電機は極数を切り替えて回転数を切り替えるものであり、通常2種類の回転数を持っている。極数切換型誘導発電機は、極数切換時の突入電流による急激な電圧低下などの電力品質問題などがあり、電圧低下量は切換後の極数により異なるため、極数状態を示す回転数の把握が必要となる。
【0003】
一方、可変速型発電機は、風速にあわせ回転数を変える超同期セルビウス誘導発電機や、系統と周波数変換器を通して系統連系され交流励磁が与えられて同期発電機を可変速運転するものである。可変速型発電機では、風速に会わせて回転数を変化させる複雑な制御を行うため、予めシミュレーションを行い電力品質上の問題の有無などを検討する必要がある。
【0004】
すなわち、極数切換型誘導発電機と可変速型発電機とのいずれのタイプであっても、その基礎となるモデル化には発電機実測データが必要となり、その基礎データの一つに回転数がある。回転数は、風力発電機が連系される電力会社では直接測定できず、得られるデータは系統連系システムとの責任分界点の電力量計での二相電力計法での電圧及び電流しかない。
【0005】
風力発電機の回転数を得るための手段として、風車のブレード回転による風力発電機の出力電力P(t)の脈動を利用できる。すなわち、風車の塔付近は、塔体の影響で風速が弱まる傾向があり、それに起因して、風力発電機の出力が低下するため、風力発電機の出力電力P(t)に脈動が生じるというタワーシャドウ効果が生じる。
【0006】
例えば、極数切換型の風力発電機での2つの脈動の周波数(理論振動周波数)ft1、ft2は、ブレード回転数をni(rpm)、ブレード枚数NBとすると、次式で与えられる。
【0007】
[数1]
ti=niB/60 …(1)
(i=1,2)
これより、風力発電機の出力電力P(t)の脈動の周波数ftiが分かれば、風力発電機の回転数を知ることができる。なお、以後の説明を簡潔にするため、理論振動周波数を単にfと表記する。
【0008】
次に、理論振動周波数fの推定法を説明する。いま、風力発電機の出力電力P(t)は(2)式に示すように正弦波であるとする。Pは出力電力P(t)の波高値、θは位相である。
【0009】
[数2]
P(t)=Pmcos(2πftt+θ0)…(2)
上式の風力発電機出力P(t)に対して、時刻tを中心に時間領域t+T/2〜t−T/2の両端で方形波窓を適用しフーリェ変換を施す。この場合、積分時間Tは(3)式に示す関係にあるとする。
【0010】
[数3]
2πftT=2πN …(3)
(Nは振動周期数)
そうすると、フーリェ変換値の絶対値|χ(t,ω)|は、(4)式で示される。
【数4】

【0011】
ここで、ω=ωt+δω、ωt=2πft、θ(t)=ωt+θ0、δω:角周波数誤差である。
【0012】
次に、(4)式のcos(δωT)項をマクローリン展開し4次項まで近似し、さらにδωは十分小とし、{δω/(2ω+δω)}2項は無視し、2ωt+δω≒2ωtと近似すればフーリェ変換値の絶対値|χ(t,ω)|は次の(5)式のように近似される。
【数5】

【0013】
さらに、(5)式の右辺の第4項を十分小として無視すれば、次の(6)式に示
す近似式が得られる。
【数6】

【0014】
この(6)式より根号内の第2項までを考察すると、δω=0の場合にフーリェ変換値の絶対値|χ(t,ω)|は最大となるので、このωを求めるものとする。なお、第3項までを考慮する場合には角周波数誤差δωに関する極値条件より、フーリェ変換値の絶対値|χ(t,ω)|を最大とする角周波数誤差δωは次の(7)式の関係で示される。
【数7】

【0015】
(7)式から分かるように、角周波数誤差δωは時間関数であり、次の特性を持つことが分かる。
【0016】
(a)角周波数誤差δωは振動周期数Nの2乗N2に反比例するので、フーリェ変換時に窓長である積分時間Tを大きくすれば急激に減少する。
【0017】
(b)cos(2ωtt+2θ0)に比例するので、フーリェ変換すると、角周波数誤差δωのトレンドはftの2倍調波で振動する。
【0018】
(7)式より振動周期数Nによる振動誤差ε(ε=δω/ωt)の最大値は、cos(2ωtt+2θ0)=1のときであり、下記の表1のように与えられる。
【表1】

【0019】
表1に示すように、振動周期数NがN=1では振動誤差εが15.2%と大きく、実用性に乏しいことが分かる。このため、振動誤差εの抑制を考慮した振動周期数NがN=3が実用面から採用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、風車のタワーシャドウ効果による風力発電機の出力電力P(t)の振動は3周期も持続せず、振動周波数の推定ができない場合もある。このため、振動周期数Nが2以下の場合でも推定が可能な方法が望まれる。また、振動周期数NがN=3の場合には、振動周波数が3周期に亘って平均化される。
【0021】
そのため、データ上、振動が持続しない区間(以後、非良質区間と呼ぶ)であっても、一見して振動が発生しているような結果を与える場合もある。従って、データの非良質区間を自動的に判断可能な推定方法も望まれている。
【0022】
そこで、本出願人の発明者らは、系統連系される風力発電機の出力電力の振動周波数を短い振動周期数で正確に推定できる風力発電機の運転状態判別方法を発明し、特願2004−168021号により特許出願した。
【0023】
すなわち、風力発電機の出力電力信号の理論振動周波数fを中心とする移動平均法による帯域フィルタに通し、積分時間領域(1/ft)秒のフーリェ変換を施してそのフーリェ変換値の絶対値が最大となる周波数を推定振動周波数信号f1として求め、順次2倍調波の誤差振動を含む推定振動周波数fk(k=1/2i)を移動平均法による高域フィルタに通し、積分時間領域(1/2it)秒のフーリェ変換を施し推定振動周波数信号fk+1(k+1=1/2i+1)を求め、さらに、推定振動周波数信号fk+1に対して積分時間領域(2/2i+1)秒のフーリェ変換を施して推定振動周波数信号fm(m=2/2i+1)を求め、数値デジタル低域フィルタを通して最終の周波数推定値fTを決定する。
【0024】
これにより、風車発電機の出力電力の振動をより正確に抽出し、風力発電機の出力電力の振動が持続する区間をより正確に抽出するとともに、風力発電機の出力電力の振動の周波数推定値をより正確に推定できるようにした。
【0025】
この特願2004−168021号のものでは、風力発電機の出力電力振動がある程度継続した場合には、その振動の周波数推定を正確に推定できるが、出力電力振動の持続時間が短い場合には、振動が持続しない非良質区間と判定してしまい、良質区間が殆どないと判定してしまうことがあることが分かった。
【0026】
本発明の目的は、系統連系される風力発電機の出力電力振動の持続時間が短い場合であっても風力発電機の振動周波数を正確に推定でき、風力発電機の回転数と出力電力との関係などの運転状態判別を行うことができる風力発電機の運転状態判別方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、測定された振動分を含む極数切換型の風力発電機の出力電力信号を所定の周期でサンプリングして出力電力信号の時系列データを入力し、前記出力電力信号の振動として理論的に推定される理論振動周波数を中心とする移動平均法による帯域フィルタに前記時系列データを通し、前記帯域フィルタにより低周波分や高周波分が除去された出力電力信号の時系列データを集積し、集積した出力電力信号の時系列データを予め用意した減衰振動の自己回帰モデルに適用し、時系列データを適用した自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出し、予め定めた条件に基づいて得られた振動周波数の妥当性を判定し、予め定めた条件を満たす振動周波数を振動周波数推定値として抽出し、振動周波数推定値に基づいて風力発電機の回転数を特定することを特徴とする。
【0028】
請求項2の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、測定された振動分を含む可変速型の風力発電機の出力電力信号を所定の周期でサンプリングして出力電力信号の時系列データを入力し、前記出力電力信号の振動が存在すると推定される存在領域をn等分した各領域の中心周波数を前記出力電力信号の振動として理論的に推定される理論振動数とし、その各理論振動数を中心とする移動平均法による帯域フィルタに前記時系列データを通し、各理論振動数毎に前記帯域フィルタにより低周波分や高周波分が除去された出力電力信号の時系列データを集積し、集積した各理論振動数毎の出力電力信号の時系列データを予め用意した減衰振動の自己回帰モデルに適用し、各理論振動数毎の時系列データを適用した自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出し、予め定めた条件に基づいて得られた各振動周波数の妥当性を判定し、予め定めた条件を満たす各振動周波数を各振動周波数推定値として抽出し、各振動周波数推定値に基づいて風力発電機の回転数を特定することを特徴とする。
【0029】
請求項3の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1または2の発明において、前記測定された振動分を含む風力発電機の出力電力信号を、前記帯域フィルタに2回通すことを特徴とする。
【0030】
請求項4の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし3のいずれか一の発明において、 前記帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号のうち、所定の閾値以下の区間の出力電力信号は、除外することを特徴とする。
【0031】
請求項5の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし4のいずれか1の発明において、前記自己回帰モデルの係数のうち、振動を示す正弦項を含む係数の前記正弦項の絶対値が1以下の条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする。
【0032】
請求項6の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし5のいずれか1の発明において、前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の前記時定数の値が正である条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする。
【0033】
請求項7の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項6の発明において、前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の前記時定数の範囲は前記時系列データに基づいて推定した値より大なる条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする。
【0034】
請求項8の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項6の発明において、前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の範囲は、前記時系列データに基づいて推定した値以上で、かつ前記時定数を無限大とした場合の値に余裕値を加味した値以下の条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする。
【0035】
請求項9の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし8のいずれか1の発明において、前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の変動分が予め定めた閾値より小なる条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする。
【0036】
請求項10の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし9のいずれか1の発明において、振動周波数の妥当性の判定として、推定領域での振動周波数の平均値の±15%以内の振動周波数を対象とすることを特徴とする。
【0037】
請求項11の発明に係わる風力発電機の運転状態判別方法は、請求項1ないし10のいずれか1の発明において、振動周波数の妥当性の判定として、推定領域で振動周波数の一定継続している時間長が所定の時間長以下である振動周波数は除外することを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、出力電力信号の時系列データに基づいて出力電力信号の減衰振動の自己回帰モデルを作成し、自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出するので、短い振動期間の時系列データでも出力電力信号の振動周波数を算出できる。また、自己回帰モデルとして先験的に減衰振動波形モデルを採用するので、分解能は時系列データを得るサンプリング間隔で規定されない。また、振動周波数を算出するための計算量が少なくて済む。さらに、減衰振動波形モデルを仮定するので、実データから得られる風力発電機の時定数との対応から、推定結果である振動周波数の妥当性の判定が容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる風力発電機の運転状態判別方法のフローチャートである。この実施の形態では極数切換型の風力発電機を対象としている。極数切換型の風力発電機の出力電力は、極数切換型の風力発電機が連系される系統連系システムの電力量計で測定される。測定された極数切換型の風力発電機の出力電力信号にはタワーシャドウ効果による脈動分が含まれている。
【0040】
まず、測定された振動分を含む極数切換型の風力発電機の出力電力信号P(t)を所定のサンプリング周期で読み込み(S1)、出力電力信号の振動として理論的に推定される理論振動周波数fを中心とする移動平均法による帯域フィルタに通し、低周波分や高周波分が除去された出力電力信号PB(t)を求める(S2)。そして、所定のサンプリング数の時系列データPB,n(t)(n=1、2、…N)を集積する(S3)。
【0041】
次に、出力電力信号の時系列データPB,n(t)に基づいて出力電力信号の減衰振動の自己回帰モデルを作成する(S4)。帯域フィルタ適用後の電力PB(t)は、一般に振動領域は減衰振動であるので、自己回帰モデルARM(Auto Regressive Model)として2次モデルを採用する。すなわち、後述するように、振動を示す正弦項を含む係数と減衰振動を示す時定数を含む係数との2個の係数を用いて、複数個の時系列データPB,n(t)の関係式を導き自己回帰モデルを作成する。
【0042】
そして、自己回帰モデルの関係式の2個の係数から出力電力信号P(t)の振動周波数fを算出し(S5)、算出された振動周波数fの妥当性を予め定めた条件に基づいて判定する(S6)。振動周波数fの妥当性の判定の仕方については後述する。この判定により、予め定めた条件を満たす振動周波数を振動周波数推定値fTとして抽出し(S7)、振動周波数推定値fTに基づいて風力発電機の回転数を特定する(S8)。(1)式のftiに振動周波数推定値fTを代入して風力発電機の回転数niを特定する。
【0043】
以下、各ステップS1〜S7の処理内容につき詳細に説明する。まず、帯域フィルタについて説明する。風力発電機の回転数の推定を行うに際し、風力発電機の出力信号P(t)に含まれるタワーシャドウ効果による振動を抽出するわけであるが、タワーシャドウ効果による振動に低周波振動が重畳することがあり、低周波振動が重畳すると基本波の振動誤差が発生する。そこで、これを抑制するとともに、高周波振動を除去するために帯域フィルタを適用する。すなわち、極数切換型の風力発電機では(1)式で与えられる理論振動周波数は2種類しかないので、これらを通過率が最大の周波数とする帯域フィルタを適用する。
【0044】
この場合の帯域フィルタとしては、位相が対周波数特性を持たない移動平均法の低域フィルタと高域フィルタとを組み合わせたものを使用する。帯域フィルタはフィルタ中心の周波数を理論振動周波数ftとし、かつ、その通過率Kの対周波数(f)特性が次式で与えられるものを採用する。
【数8】

【0045】
また、帯域フィルタは風力発電機の出力電力信号P(t)に対し、必要に応じて連続2回適用する。これにより、風力発電機の出力電力信号P(t)に含まれる低周波振動及び高周波振動を除去する。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態で使用する帯域フィルタの通過率Kの対周波数特性図である。図2に示すように、帯域フィルタは中心の周波数を理論振動周波数ftとし、通過率KBが0.4であるフィルタである。
【0047】
図3は、測定された風力発電機の出力電力信号P(t)に連続2回に亘って帯域フィルタを適用した場合の風力発電機の出力電力信号PB(t)の対周波数特性図である。図3では、測定された風力発電機の出力電力信号P(t)と帯域フィルタを適用した後の風力発電機の出力電力信号PB(t)とを示しており、時刻4秒の近傍で2周期程度の振動のみを持つP(t)とPB(t)とを比較図示しているが、帯域フィルタにより十分平滑化されていることが分かる。
【0048】
次に、帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号PB(t)のうち、所定の閾値PB,C以下の区間の出力電力信号PB(t)は、必要に応じて除外する。これは、タワーシャドウ効果による振動振幅が小の場合には推定結果の信頼性は低く、出力電力信号PB(t)の脈動が小の領域での推定結果を除外することが望ましいからである。このため、除外の指標としての出力電力信号P(t)の振幅値に対する閾値PB,Cは、以下のように設定する。
【0049】
まず、発電機は定格電圧VNで一定、かつ力率も1であるとすると、電流脈動分により電力脈動分が決定される。従って、A/D変換器の1ビットに対応した有効電力の跳び幅Δpは、MビットのA/D変換器の入力レンジVinと、定格電流INに対し電圧換算された入力信号レベルVIとを用いて表すと、次の(9)式で与えられる。
【数9】

【0050】
ここで、β=2M-1(VI/Vin)である。
【0051】
さらに、帯域フィルタを2回通し帯域フィルタの通過率Kが0.4であることを考慮すれば、出力電力信号PB(t)の飛び幅ΔpBは0.4Δpになる。これより、図4に示すように、出力電力信号PB(t)の閾値PB,CはA/D変換器の最小分解能(Δp/2)が臨界値となる。実際のトレンドは正弦波ではないので余裕度α(α0≧α≧1)を用いて、閾値PB,Cは(10)式に示すように設定する。
【数10】

【0052】
次に、出力電力信号P(t)の時系列データPB,n(t)は、サンプリング周期Δt毎に得られるので、順次、サンプリング周期Δt毎の時系列データPB,n(t)(n=1、2、…N)を集積する。
【0053】
自己回帰モデルは、帯域フィルタ適用後の電力PB(t)の振動領域が減衰振動であることから、(11)式に示すような2次モデルを採用する。
【数11】

【0054】
ここで、Pは出力電力信号P(t)の波高値、ωは出力電力信号PB(t)の角周波数、θは出力電力信号PB(t)の位相、Tは減衰の時定数である。そして、(11)式を書き換えると(12)式が得られる。
【数12】

【0055】
この(12)式のtに各々のサンプリング時点の時刻nΔt(n=1,2,…N)を代入すると、各々の時系列データPB,n(t)(n=1、2、…N)となる。いま、(12)式のtに時刻(n−2)Δtを代入すると、時系列データPB,n-2は(13)式で示される。
【数13】

【0056】
そして、時間を進める演算子Z(Z=ελΔt)を導入すると、時系列データPB,n-1と時系列データPB,n-2との関係は(14)式で示される。
【数14】

【0057】
(13)式及び(14)式より、Phελ(n-2)Δt及び(Phελ(n-2)Δt*を求めると、(15)式が得られる。
【数15】

【0058】
一方、時系列データPB,nと時系列データPB,n-2との関係は、時間を進める演算子Z(Z=ελΔt)を用いて表すと、(16)式で示される。
【数16】

【0059】
(16)式に(15)式で求めたPhελ(n-2)Δt及び(Phελ(n-2)Δt*を代入すると、(17)式が得られる。
【数17】

【0060】
時間を進める演算子Zとその複素共役Z*との和(Z+Z*)をa1、時間を進める演算子Zとその複素共役Z*との積(ZZ*)をa2とおくと、(18)式が得られる。
【数18】

【0061】
(18)式から分かるように、時系列データPB,nは、1サンプリング前の時系列データPB,n-1に係数a1を乗算したものと、2サンプリング前の時系列データPB,n-2に係数a2 を乗算したものとの和で示され、係数a1及び係数a2は(19)式で示される。
【数19】

【0062】
(19)式から分かるように、係数a1は振動を示す正弦項を含む係数であり、係数a2は減衰振動を示す時定数Tを含む係数である。この係数a1、a2は、4個の時系列データから求めることができる。すなわち、3個の時系列データPB,n、PB,n-1、PB,n-2からなる(18)式と、1サンプリング前の3個の時系列データPB,n-1、PB,n-2、PB,n-3からなる(18)式との連立方程式により、係数a1、a2を求めることができる。つまり、4個の時系列データPB,n、PB,n-1、PB,n-2、PB,n-3から(18)式を用いて連立方程式を立てて係数a1、a2を求めることができる。
【0063】
本発明の実施の形態では、測定精度を考慮しN個の連続データ列を用い最小自乗法により係数a1、a2を求める。そして、得られた係数a1、a2より、(19)式を用いて振動周波数を求める。まず、減衰時定数Tは(19)式の第2式より(20)式で求められる。
【数20】

【0064】
また、振動周波数fは(19)式の第1式に第2式を代入し、ω=2πfであることから、振動周波数fは(21)式で求められる。
【数21】

【0065】
図5は、風力発電機の出力電力信号PB、振動周波数f及び減衰振動を示す時定数Tを含む係数a2のトレンド図である。図5に示すように、風力発電機の出力電力信号PBは146s〜149sの間で脈動を生じている。一方、算出された振動周波数fは、145.85s付近で立ち上がり、145.9s〜147.85sの間で、0.9Hz〜1.0Hzの範囲でほぼ一定の振動が継続している。そして、147.85s付近で立ち下がり、147.9s〜147.4sの間で、再び、0.8Hz〜0.9Hzの範囲でほぼ一定の振動が継続している。さらに、147.4s付近で立ち下がり、147.6s〜148.15sの間で、0.65Hz〜0.75Hzの範囲でもほぼ一定の振動が継続している。148.3s以降においては振動周波数fは大きく変動しており、ほぼ一定の振動が継続している期間は短い。
【0066】
この振動周波数fの特性から視察で判断すると、145.9s〜148.15sの間の振動周波数fが風力発電機の出力電力信号PBのタワーシャドウ効果による脈動の振動周波数であると推定できる。
【0067】
本発明の実施の形態では、振動周波数fを精度良く得るために、測定結果である振動周波数fの妥当性の判断基準を設け妥当な振動周波数fを判定する。すなわち、自己回帰モデルによりタワーシャドウ効果による振動を減衰振動として取扱うため、実波形との対応が容易であり、得られた振動周波数fを妥当性の判定は、良否基準の設定が明確になることが期待できる。
【0068】
まず、第1の基準として、(20)式のcos項は絶対値は1以下なので、これを満足しないものは除外する。すなわち、(22)式の条件を満足しない振動周波数fは除外する。
【数22】

【0069】
次に、タワーシャドウ効果の振動は、風力発電機の制御系が働き制動するため、減衰振動になると思われる。そこで、減衰振動の条件より時定数Tは正との基準を導入する。
【0070】
さらに、実データからの推定時定数を用いての第2の基準として、実データの推定減衰時定数Tはブレード回転が機械的なので、通常はT≧1秒の範囲に設定される。また、サンプリング周期Δtは0.02s程度と設定される。これにより、係数a2は(19)式の第2式より、時定数を無限大とした場合の値は1となる。
【0071】
ただし、うなり状の波形もあるため係数a2は1をはるかに超える場合もある。また、出力急変時には制御系が即応するためT<1の場合もある。これにより、係数a2の範囲による基準を次のように設定する。
【0072】
[数23]
2,max≧a2≧a2,min …(23)
例えば、a2,maxとしては時定数Tを無限大とした場合の値1に余裕値、例えば0.02〜0.01を加味した値1.02〜1.01程度、a2,minとしては0.96〜0.99程度の値を用いる。これにより、例えば、145s〜146sの間及び149s〜150sの間の振動周波数fを排除できる。
【0073】
次に、振動の減衰が滑らかな場合は係数a2はほぼ一定となるので、第3の基準として、係数a2の変化分の絶対値が所定の閾値よりも小である領域の振動周波数fを採用する。この場合、その前処理として移動平均法により平滑化された係数[a2]を求め、その平滑化された係数[a2]を用いて、平滑化された係数[a2]の変化分の絶対値|Δ[a2,k]|が所定の閾値[a2,c]よりも小であることで判定する。(24)式はその判定式である。
【0074】
[数24]
Δ[a2,k]=|[a2,k]−[a2,k-1]|<[a2,c] …(24)
ここで、kは時間ステップ、[a2,c]は[a2,k]の閾値である。
【0075】
図6は移動平均法により平滑化された係数[a2]及びその平滑化された係数[a2]の変化分の絶対値|Δ[a2,k]|のトレンド図である。係数[a2]の変化分の絶対値|Δ[a2,k]|の閾値[a2,k]の値を適切に設定することで、例えば、145s〜146sの間及び149s〜150sの間の振動周波数fを排除できる。
【0076】
さらに、これらの基準が厳しく、得られる推定値の領域が少ないため、視察では妥当と思われる領域も除外されることがある。そこで、その防止策として、推定領域に隣接した領域の振動周波数fの値が適切であるか否かを判定する次なる第4の基準を導入する。すなわち、推定領域の振動周波数fの平均値favに対し、隣接領域での振動周波数fの値が(25)式の条件を満たす領域まで推定領域を拡大する。これにより、振動周波数の妥当性の判定は、推定領域での振動周波数の平均値の±15%以内の振動周波数を対象とする。
【0077】
[数25]
1.15fav≧f≧0.85fav …(25)
また、振動周波数の妥当性の判定として、推定領域で振動周波数fの一定継続している時間長が所定の時間長以下である振動周波数fは除外する。
【0078】
図7は、得られた振動周波数推定値TTの分布図である。測定結果である振動周波数fに対し、妥当性の判断基準を適用して得られた振動周波数推定値fTの分布示している。振動周波数推定値fTは、146.2s〜147.0sの間に0.8Hz〜1.0Hzの範囲で分布している。振動周波数fの特性から視察で判断した場合とほぼ同じ範囲に分布している。図7の場合には、振動周波数推定値fTはほぼ0.9Hz程度であることが分かる。振動周波数推定値fTを(1)式のftiに代入して風力発電機の回転数niを算出し特定する。
【0079】
以上の説明では、極数切換型の風力発電機の場合について説明したが、次に、可変速型の風力発電機について適用する場合について説明する。可変速型の発電機では、そのタワ−シャドウ効果による理論振動周波数ftは極数切換型の発電機とは異なり、一般に同期速度に対応する周波数f0を中心に約±30%の領域で変動する。そこで、出力電力信号の振動が存在すると推定される存在領域、すなわち同期速度に対応する周波数f0を中心に約±30%の領域をn等分し、そのn等分した各領域の中心周波数を出力電力信号P(t)の振動として理論的に推定される理論振動数fti(i=1,2,3,…n)とする。実用的には、例えば3分割し、分割した各領域において、その各理論振動数ft1、ft2、ft3を中心とする図1に示した処理を行う。
【0080】
図8は極数切換型の風力発電機の出力電力P(t)の特性及び可変速型の風力発電機の出力電力P(t)の特性の特性図である。図8(a)に示すように、極数切換型の風力発電機の出力電力P(t)の特性は理論振動数ftを中心としてタワ−シャドウ効果による振動を示す特性となるが、可変速型の風力発電機の出力電力P(t)の特性は、図8(b)に示すように、極数切換型に比しタワ−シャドウ効果による出力脈動量が極めて小である。これは、風力発電機の制御系が出力電力P(t)の変動を抑制するための制御を行うためである。
【0081】
このため、可変速型の風力発電機の出力電力P(t)に対して、図1に示した処理をそのまま適用したとき、例えば、同期速度に対応する周波数f0を中心とする帯域フィルタを2回連続適用したときには、周波数の存在範囲端部で約35%の減衰があるため、この近傍での振動が見落とされる懸念がある。この端部での減衰に対応するために、同期速度に対応する周波数f0を中心に約±30%の領域をn等分し、そのn等分した各領域の中心周波数を出力電力信号P(t)の振動として理論的に推定される理論振動数fti(i=1,2,3,…n)とする。
【0082】
例えば、周波数の存在範囲を3等分することで端部減衰が約10%と抑制される。さらに、各領域の中心周波数を理論振動数に模擬することで、それらの各領域に対して、図1の処理にて周波数推定を行えば、可変速型の風力発電機でも周波数推定が可能である。この場合、擬似的な理論振動数理論振動数fti(i=1,2,3)は次のように定義される。
【数26】

【0083】
ここで、ftmaxはタワーシャドウ効果による周波数の最大値、ftminはタワーシャドウ効果による周波数の最小値である。
【0084】
次に、可変速型の風力発電機の周波数推定においても、帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号PB(t)のうち、所定の閾値PB,C以下の区間の出力電力信号PB(t)は、必要に応じて除外する。
【0085】
図9は所定の閾値PB,Cを適用しない場合の周波数推定値fTのトレンド図である。図9から分かるように、所定の閾値PB,Cを適用しない場合には、150秒以降ではほぼ同時刻に大きく異なる推定周波数が存在し、物理的に不合理なことが分かる。その理由は、振動振幅が小の場合には推定結果の信頼性は低く、出力電力信号PB(t)の脈動が小の領域での推定結果を除外することが望ましいからである。
【0086】
そこで、図10に示すように、帯域フィルタを通過した出力電力信号PB(t)に所定の閾値PB,Cを適用し、振動振幅が小である時間領域での振動を除外する。この結果、図11に示すように、物理的に不合理なものが除外され、風力発電機の周波数推定値fTのトレンドが得られる。
【0087】
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、出力電力信号の時系列データに基づいて出力電力信号の減衰振動の自己回帰モデルを作成し、自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出するので、短い振動期間の時系列データでも出力電力信号の振動周波数を算出できる。
【0088】
すなわち、フーリェ変換による場合は一定振動モデルであるため、例えば、風力発電機の制御系が風速の変化などで発生した振動の抑制を開始し減衰させた場合、特に振動の持続時間が短い場合には、その減衰振動に対応しきれないが、本発明の実施の形態では、自己回帰モデルとして先験的に減衰振動波形モデルを採用するので、短い振動期間の時系列データでも出力電力信号の振動周波数を算出できる。
【0089】
一方、自己回帰モデルの係数a1、a2を最小自乗法で求めるので、分解能は時系列データを得るサンプリング間隔で規定されないし、フーリェ変換による場合に比較して振動周波数を算出するための計算量が少なくて済む。さらに、減衰振動波形モデルを仮定するので、実データから得られる風力発電機の時定数との対応から、推定結果である振動周波数の妥当性の判定が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態に係わる風力発電機の運転状態判別方法のフローチャート。
【図2】本発明の実施の形態で使用する帯域フィルタの通過率Kの対周波数特性図。
【図3】本発明の実施の形態において、測定された風力発電機の出力電力信号P(t)に連続2回に亘って帯域フィルタを適用した場合の風力発電機の出力電力信号PB(t)の対周波数トレンド図。
【図4】本発明の実施の形態における所定の閾値PB,Cと帯域フィルタを通過した出力電力信号PB(t)との関係を示すトレンド図。
【図5】本発明の実施の形態において、風力発電機の出力電力信号PB、振動周波数f及び減衰振動を示す時定数Tを含む係数a2のトレンド図。
【図6】本発明の実施の形態において、移動平均法により平滑化された係数[a2]及びその平滑化された係数[a2]の変化分の絶対値|Δ[a2,k]|のトレンド図。
【図7】本発明の実施の形態において、得られた振動周波数推定値TTの分布図。
【図8】極数切換型の風力発電機の出力電力P(t)の特性及び可変速型の風力発電機の出力電力P(t)の特性の特性図。
【図9】帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号PB(t)に所定の閾値PB,Cを適用しない場合の周波数推定値fTのトレンド図。
【図10】帯域フィルタを通過した出力電力信号PB(t)と所定の閾値PB,Cを示すトレンド図。
【図11】帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号PB(t)に所定の閾値PB,Cを適用した場合の周波数推定値fTのトレンド図。
【符号の説明】
【0091】
S1…出力電力読み込み処理、S2…帯域フィルタリング処理、S3…時系列データ集積処理、S4…自己回帰モデル作成処理、S5…振動周波数算出処理、S6…振動周波数妥当性判定処理、S7…振動周波数推定値抽出処理、S8…回転数特性処理


【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定された振動分を含む極数切換型の風力発電機の出力電力信号を所定の周期でサンプリングして出力電力信号の時系列データを入力し、前記出力電力信号の振動として理論的に推定される理論振動周波数を中心とする移動平均法による帯域フィルタに前記時系列データを通し、前記帯域フィルタにより低周波分や高周波分が除去された出力電力信号の時系列データを集積し、集積した出力電力信号の時系列データを予め用意した減衰振動の自己回帰モデルに適用し、時系列データを適用した自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出し、予め定めた条件に基づいて得られた振動周波数の妥当性を判定し、予め定めた条件を満たす振動周波数を振動周波数推定値として抽出し、振動周波数推定値に基づいて風力発電機の回転数を特定することを特徴とする風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項2】
測定された振動分を含む可変速型の風力発電機の出力電力信号を所定の周期でサンプリングして出力電力信号の時系列データを入力し、前記出力電力信号の振動が存在すると推定される存在領域をn等分した各領域の中心周波数を前記出力電力信号の振動として理論的に推定される理論振動数とし、その各理論振動数を中心とする移動平均法による帯域フィルタに前記時系列データを通し、各理論振動数毎に前記帯域フィルタにより低周波分や高周波分が除去された出力電力信号の時系列データを集積し、集積した各理論振動数毎の出力電力信号の時系列データを予め用意した減衰振動の自己回帰モデルに適用し、各理論振動数毎の時系列データを適用した自己回帰モデルの係数から出力電力信号の振動周波数を算出し、予め定めた条件に基づいて得られた各振動周波数の妥当性を判定し、予め定めた条件を満たす各振動周波数を各振動周波数推定値として抽出し、各振動周波数推定値に基づいて風力発電機の回転数を特定することを特徴とする風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項3】
前記測定された振動分を含む風力発電機の出力電力信号を、前記帯域フィルタに2回通すことを特徴とする請求項1または2記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項4】
前記帯域フィルタを通過した風力発電機の出力電力信号のうち、所定の閾値以下の区間の出力電力信号は、除外することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項5】
前記自己回帰モデルの係数のうち、振動を示す正弦項を含む係数の前記正弦項の絶対値が1以下の条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項6】
前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の前記時定数の値が正である条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項7】
前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の前記時定数の範囲は前記時系列データに基づいて推定した値より大なる条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする請求項6記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項8】
前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の範囲は、前記時系列データに基づいて推定した値以上で、かつ前記時定数を無限大とした場合の値に余裕値を加味した値以下の条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする請求項6記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項9】
前記自己回帰モデルの係数のうち、減衰振動を示す時定数を含む係数の変動分が予め定めた閾値より小なる条件で、振動周波数の妥当性を判定することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項10】
振動周波数の妥当性の判定として、推定領域での振動周波数の平均値の±15%以内の振動周波数を対象とすることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。
【請求項11】
振動周波数の妥当性の判定として、推定領域で振動周波数の一定継続している時間長が所定の時間長以下である振動周波数は除外することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一記載の風力発電機の運転状態判別方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−246604(P2006−246604A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−58349(P2005−58349)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(504193837)国立大学法人室蘭工業大学 (70)
【Fターム(参考)】