説明

風合いおよび揮発性を付与するシリコンフリーな炭化水素類

非常に異なる構造および由来の炭化水素を含む非シリコン系組成物が、風合いおよび揮発性の両方がシクロペンタシロキサンに近い、一つの安定かつ均質な製品に結合される。当該混合物は、シクロペンタシロキサン類または揮発性のシリコン類の完全または部分的な代用品として化粧品調合者にとって有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロペンタシロキサン類に似た風合いおよび揮発性を有するシリコンフリーな材料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品調合技術は、非常に様々なかつ多くの新しい原材料の導入により、何年にもわたって発展してきている。過去25年間の変化の一つは、シクロシロキサン類が幅広く使われることである。これらの環状シリコン類は、揮発性および風合いの応用特性を含む、化粧品調合に適した多くの特性を有する。クリーム、ローション、カラー化粧品、ヘアケア製品および制汗剤などの化粧品およびパーソナルケア製品の全品種は、これらの環状シリコン類を利用している。近年、シクロテトラシロキサン類(D4またはオクタメチルシクロテトラシロキサンという)に関する安全性の懸念が生じ、全ての製剤ではないにしても、大部分から当該化合物が除去されるようになっている。その後、シクロペンタシロキサン(D5またはデカメチルシクロペンタシロキサンという)は、製剤においてD4の代用となった。D5製品の例は、ダウコーニング製のDC245液およびGE製のSF1202を含む。
【0003】
D4およびD5の構造は非常に似ているが、D5の揮発速度はD4ほど高くない。現在は、D5もまた精査されており、製造業者は、D5が製剤から除去される場合に備えて、シリコンフリー製品のような代用製品の探索に積極的である。
【0004】
イソドデカン(パーメチル(登録商標)99A)のような精製した炭化水素が試されているが、揮発性のシリコン類と同様な風合いを呈さない。いくつかの会社は、適当な揮発性を得るために炭化水素の組み合わせを試しているが、望まし揮発性が得られても、使用中における皮膚上の感触などの必要な風合いを示さない。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、構造および由来が大きく異なる多数の炭化水素を組み合わせることにより従来の問題を克服し、風合いおよび揮発性の両方が著しくシクロペンタシロキサンに類似した安定で均質な製品が得られた。本発明による化合物は、塗布の間および乾燥後の両方に問題のある揮発性のシリコンに対する完全または部分的な代用品として、化粧品調合者にとって有用である。また、本発明の化合物は、揮発性のシリコン類にいくぶんか近いリーゾナブルなコストに関する重要な要求を満たす。
【0006】
(発明の目的)
本発明の目的は、化粧品産業のみならず、揮発性のシリコン化合物を使用する他の産業にシクロペンタシロキサンの代用として使用可能な適切な原材料を提供することにある。
【0007】
さらなる目的は、新しい材料が目的物として使用される際に揮発速度が近いこと、および化粧品中に用いられたとき、元の揮発性のシリコンと似た風合いを示すことである。
さらに他の目的は、新しい製品をシリコンフリーとし、シクロペンタシロキサン類に近い価格の材料で用意し、代用品が価格上の問題により制限されないようにすることである。
【0008】
ある実施形態では、シクロメチコンの揮発性および風合い(aesthetics)に近く、少なくとも2つの揮発性の炭化水素成分と、少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分を含む、非シリコン系組成物が提供される。
【0009】
他の実施形態では、C12−C14の炭化水素から選ばれる第1の揮発性の炭化水素成分と、C13−C16の炭化水素および不揮発性の炭化水素成分から選ばれる第2の揮発性の炭化水素成分を有する非シリコン系組成物が提供される。揮発性の炭化水素成分は、1以上の直鎖または分岐鎖炭化水素、C12からC14イソパラフィンまたはイソドデカンなどの1以上のイソパラフィン類であってよい。
【0010】
不揮発性の炭化水素成分は、C13からC21の炭化水素を含んでもよく、イソアルカン類の混合物と、直鎖、分岐および環状の炭化水素から選ばれる混合した構造の炭化水素であってもよい。
【0011】
ある実施形態では、不揮発性の炭化水素成分は、C13からC16のアルカンまたは、C13からC16のイソパラフィンである。
【0012】
他の実施形態では、不揮発性の炭化水素は、13から21の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のカルボン酸とミネラルオイルの、C13からC21の直鎖または分岐鎖アルキルエステルから選ばれうる。
【0013】
好ましい実施の形態によれば、本発明は、約35%のC12−C14イソパラフィンと、約55%のC13−C16イソパラフィンと、約10%のC13−C15アルカンを有する、シクロメチコンの揮発性および風合いに近い非シリコン系組成物である。
【0014】
本発明の組成物は、化粧品、ヘアケア製品、スキンヘア製品、日焼け止めクリームなどのサンケア製品、制汗剤、デオドラント、日焼けローション、医薬クリームなどを含む製剤中のシクロペンタシロキサン類に対する完全なまたは部分的な代用成分として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明のある態様による蒸発速度(カップ中)の比較を示すグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に示す記載において、説明を目的として、特定の数、材料および形態が本発明を十分に理解するために設定されている。当業者であれば、本発明は、このような特定の細部を要さず実践できうることが明らかである。たとえば、本発明を曖昧にしないように、周知の特徴は省略または簡略化されうる。さらに、本明細書書における「ある実施の形態」または「実施の形態」という用語は、実施の形態に関係して記述された特定の特徴、構造または特質が、本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。
【0017】
本明細書の様々な箇所で表れる「ある実施の形態」という用語は、必ずしも同じ実施の形態を意味するとは限らない。ある態様の本発明は、様々な製品中のシクロペンタシロキサンまたは揮発性のシリコンの代用品としての使用に適した組成物に関する。本明細書に記載された試験に基づいて、ある実施の形態では、本発明は、3つの異なる成分を含む。最初の2つの成分は、シリコンフリーでありながら、シクロシロキサンに近い揮発性レベルを提供するために使用される。第3の成分は、それ自体が揮発性であることは必ずしも必要ないが、他の2つの成分と混合して使用されたとき、揮発性のシリコンの代用品として必要な風合い特性を提供し、薄膜環境で試験されたとき、予期しないレベルの揮発性を示す。
【0018】
実施の形態では、揮発性を近づけるために使用される第1の2つの成分は、ともにイソアルカン類であるが、異なる鎖長を有する。短い方の鎖はC12−14の範囲であり、長い方の鎖はC13−16である。鎖長が長い方の材料は、20〜80質量%好ましくは60質量%に近い、濃度範囲で使用され、鎖長が短い方の材料は、20〜80質量%、好ましくは30質量%に近い、濃度範囲で使用される。
【0019】
組成物の第3の成分は、化学的性質が異なるC13−21の範囲の鎖を有する混合アルカンまたは美容上許容されるオイルから得らればれうる。実施の形態では、第3の成分は化学的性質が異なるC13−21の範囲の鎖を有する混合アルカンであり、当該混合アルカンは、5−20%、好ましくは10%に近い濃度で使用されることが好ましい。この材料における化学構造は、イソアルカン類、直鎖状のアルカン類、およびシクロアルカン類を含みうる。美容上許容されるオイルは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、イソノナン酸イソノニル、ポリブテン類、ポリイソブテン類、および水添ポリイソブテン類を含むが、これらに限定されない。
【0020】
少なくとも1つの好ましい実施の形態によれば、本発明は、35%のC12−14イソパラフィンと、55%のC13−16イソパラフィンと、10%のC13−15アルカンとを含む。
【0021】
何年にも渡り化粧品市場で成功を収めてきた揮発性シリコンの特性は、揮発性と風合いの組み合わせに基づいている。代用品としての潜在的な候補は、一般的に、3つの種類、アルコール類、炭化水素類および化学合成物に分類される。フッ化化合物などの揮発性の化学合成材料は、製造プロセスにより、安価な大量市場製品として光度に使用される材料の代用品としては、かなり高価になる傾向がある。アルコール類(メタノール、エタノールおよびイソプロパノール)は、手頃な価格であり、速やかに蒸発するが、適度に上品な感触を提供せず、,蒸発エンタルピーが低いため、受け入れがたいひんやりとした感触を皮膚に残す。炭化水素類は、幅広い種類の化学構造および、これにより様々な異なる性質を含む。市販されている炭化水素は、分画された石油から直接誘導されるものや、ポリイソブテン類のような慎重に製造された特定のフラクションの非常に純度の高い構成要素から合成されるものもある。これらの分類の中で、最も広く使用される炭化水素の群は、アルカン類である。アルカン類は、直鎖構造(n−アルカン類)、分岐構造(イソアルカン類)および環状構造(シクロアルカン類)として存在する完全飽和炭化水素である。アルカン類は、カーボン−カーボン二重結合がないため、高い安定性を示す。これらの群の中で、イソアルカン類が化粧品調合者によって広く使用され、一連のプレスパースLLC製(INEOSによって製造)のパーメチル(登録商標)炭化水素およびエクソンモービル製のイソパール(登録商標)イソアルカンル類によって例示される。
【0022】
これらの材料は、炭素鎖長に範囲があり、最短の鎖のとき揮発性を示し、鎖が長くなるにつれて揮発性が低くなる。単独または組み合わせにより、揮発性のシリコン類に対する適当な代用品は、本発明に至るまで炭化水素の中では見いだされていない。揮発速度は、以下に示すようにイソアルカン類を組み合わせることで一致させられているが、風合いは、いまだ適切でない。不-揮発性または長鎖アルカン類は、風合いのある部分に近づき始めるが、揮発性に欠ける。
【0023】
イソドデカン(C12)はその揮発性のため広く使用される一方で、イソヘキサデカン(C16)は、著しく揮発性が低く、その不揮発特性のためさらに広く使用される。イソドデカンと比較して、イソヘキサデカンは、産業界によって、「わずかに揮発性」または「実質的に不揮発性」と考えられている。実際に、いくつかの長鎖アルカン類は揮発性に欠けるため、化粧品において特に使用され、長寿命の皮膚軟化特性のためクリームおよびローション中に、長持ちする特性のため口紅中に、防水特性のためサンスクリーン中に、広く使用される。これらは、従来「揮発性の」製品や揮発性の材料の代用品の一部として考えられていない。炭化水素の他の分岐(branch)は、「混合した」アルカン類で代用され、C13−15アルカン類からC18−21 アルカン類までの範囲の製品である、トータルペトロケミカルズ製の一連のジェムシール(Gelseal、登録商標)によって例示される。
【0024】
これらの材料は、イソパラフィン類とは異なり、分岐鎖状イソパラフィン類のみならず様々な量のシクロアルカン類およびn−アルカン類を含む。混合された性質のため、純粋なイソアルカン類とは異なる風合いを示す。これらは、典型的に、皮膚軟化性、防水性および長寿命効果を生み出す「不揮発性の」炭化水素として推奨される。カリフォルニアにおける現行のVOC規則から免除されるように、実際に、揮発性または蒸気圧が欠如した炭化水素についての事例が通常作られる。
【0025】
ここで記述された以外の化合物は、皮膚軟化特性のため化粧品業界で使用される。
ミリスチン酸イソプロピル、イソプロピルパルミネート、アルキルベンゾネート類、オクチルパルミネート等のエステル類が使用されるが、皮膚軟化特性、不揮発性または、化粧品剤の全体的な感触への寄与のため不揮発性の製品である。
【0026】
シクロペンタシロキサンに対する完全な代用製品を探す際に、揮発性を近づけることが必要である。パネルテストが行われ、製品が以下の基準によって評価された。
【0027】

【0028】
主観評価をあるレベルに分類するための基準が予め定義された。当業者であれば、当該基準は、主観的なパネルテストとして典型的に使用されることが明らかである。主観的な揮発性の基準は、試料が皮膚からどれだけ速く蒸発するか、または、塗布された際に容易に吸収または蒸発する能力である。残渣/脂っこさの主観レベルの基準は、材料が皮膚上にどれだけ長く残るか、または、吸収またはすり込みにくさである。
【0029】
(表1)は、個々のイソパラフィン類およびこれらの組み合わせについて行われた多くのパネルテストの結果を示す。
【0030】

(表1)(基準1−5,5は最高レベル)
【0031】
C12−14イソパラフィンとC13−16イソパラフィンとの組み合わせがD5またはシクロメチコンの揮発性に近いが、滑り性に欠け、同程度の使用後感が必要であることがわかる。他の炭化水素の組み合わせは、十分に揮発性ではなく、適切な風合いに欠ける。
【0032】
(表2)は、シクロペンタシロキサン類の場合に示される滑り性および一時的な皮膚軟化性または使用後感を改善するように、第3の成分が混合物に加えられたときの結果を示す。
【0033】

(表2)(基準1−5,5は最高レベル)
【0034】
揮発性のシリコンの代用製品に不揮発性の材料を相当量加えると、持続的な風合いが必然的に劣化し、製品が受け入れられなくなるので、C13−15アルカンの量は初期状態で低く維持された。驚くべきことに、C13−15アルカンを加えると、代用製品はより好ましい効果を奏する。皮膚上で試験されたとき、適切な揮発性が予期せず保持され、同時に、C13−15アルカンを用いない前回の試みより、滑り性または皮膚軟化性が良好であった。(表3)に示すように、C13−15アルカンの量を増やすと、ある量を超えると、最終製品は脂っこさに良くない特性、または、知覚される揮発性の低下を示し始める。混合されたアルカン類の一連のジェムシール(登録商標)はある程度機能するが、塗布の際の風合いおよび乾燥特性の点から、C13−15アルカン類が好ましい。
【0035】

(表3)
【0036】
いかなる理論に制限されることなく、混合アルカン類を加えることに起因する風合いは、イソパラフィン類のみならず、あるレベルの直鎖アルカン類およびシクロアルカン類を含む、これらの製品において利用できる様々な構造によると考えられる。この化合物は、イソアルカン類と対照的であり、炭化水素類の唯ひとつの化学構造が利用できる。イソパラフィン類と一緒の混合構造により、混合物が皮膚にすり込まれたとき、より厚く、クッション性のある感触が得られ、シクロメチコンに似た感じとなる。
【0037】
他の実施の形態では、付加成分が、(表4)に記載されたような限定的でない、化粧品として容認可能なオイル類から選ばれうる。(表4)による典型的な組成物は、特定の要求を有する化粧品調合者によって適切な特性を有するとみなされうる。以前の事例では、完全に揮発性の材料の特性と一致させるのを助けるため、完全に不揮発性の材料を含むと、予期せず、新規であると見いだされた。
【0038】

(表4)材料は、C12−14イソパラフィン/C13−16イソパラフィン/C13−15アルカン類、35:55部(基準1−5、5が最高レベル)の10%レベルで試験された。
【0039】
化粧品中のシクロメチコン類に対する代用材料を使う際の安定性は、最終製品の風合いの知覚に大きく依存する。
【0040】
主観的知覚は、必ずしも実験室での試験結果に直接的に関係しないので、試験された物理的特性に正確に一致することよりも、知覚された風合いに一致することがより重要となる。物理的特性が完全に一致しても、風合いが異なれば、その製品は化粧品工業において代用品として実用にならないであろう。しかし、風合い的な特性が一致し、物理的特性が若干異なっていても、その製品は、化粧品調合分野の当業者によって首尾よく使用され得る。好ましい発明の風合いがシクロペンタシロキサンと極めて一致しても、物理的特性の試験結果が異なることに発明者らが驚いたように、この違いは重要である。
【0041】
揮発性の研究では、各製品の一定量が秤量皿に置かれ、蒸発速度が重量測定法により時間をかけて追跡された。一致した揮発性の感触に実際に寄与する周知の不揮発物に向かい合うにあたり、本発明者らは、試験方法を再考した。クリーム、ローション、毛髪製品およびカラー化粧品の消費者による使用は、皮膚の上に塗られたときに生じるような、薄膜中および37℃で起きる揮発性に基づいているので、発明者らは、37℃で、ガラス片の上の液体を薄膜に引き延ばすためにバード・アプリケータ(bird applicator)を用いて材料を再試験し、揮発特性が劇的に変化することを見いだし驚いた。
【0042】
一見したところ不揮発性の成分であるにもかかわらず、組み合わせた材料が完全に揮発することが違いとして見いだされた。結果を図1および(表5)に示す。
【0043】

(表5)
【0044】
(実施例)
以下に説明する実施例は、本発明のある態様を示す。しかし、これらの実施例は例示目的のためのみであり、本発明の条件および範囲に関して完全に明確にすることを意図していないことが理解されよう。たとえば、本発明による、揮発性のシリコンを部分的に代用することでさえ、特定の条件下では有利でありうることは当業者にとって明白である。
【0045】
本発明のさらに他の理解は、以下に説明する限定的でない実施例により得られる。可能な製剤の全てが本明細書に例示されていないが、当業者であれば、本明細書に記載された組成物が、化粧品、ヘアケア製品、スキンケア製品、日焼け止めクリームなどのサンケア製品、制汗剤、デオドラント、日焼けローション、医薬クリームなどを含む製剤中のシクロペンタシロキサン類に対する完全な、または部分的な代用成分として使用されうることが理解されよう。化粧品として適当であり、かつ薬学的に容認されるキャリアは当業者に周知である。
【0046】
(実施例1)
以下に説明する、実施形態(EXP−SR5、後述)のクリーム製品が製造され、ダウコーニング製の揮発性シリコンであるDC245液を用いた比較製品に対して試験された。そして、ブラインド3点試験において、区別がつかなかった。
EXP−SR5 組成
C12−14イソパラフィン類 35%
C13−16イソパラフィン類 55%
C13−15アルカン類 10%
【0047】

手順:
フェーズAを高せん断で10分間混合する。一様になるまでフェーズBを混合し、フェーズAとフェーズBを一様になるまでプロペラ混合によりゆっくり混合する。フェーズABにフェーズCを加え、一様になるまで中程度の混合を行う。
【0048】
(実施例2)
以下に示すカラー化粧品ファンデーションが製造され、EXP−SR5に代えてDC245液を用いた比較製品に対して試験された。そして、ブラインド3点試験において、区別がつかなかった。
【0049】

手順:
記載された順でフェーズAを混合し(顔料の80%だけを混合し、残りの20%を標準に対する色合いの調整に用いる)、粉砕器に2回かける。粉末フェーズを引き延ばし、筋を確認する。必要であれば、色が一様に分散するまで再度粉砕する。フェーズAをフェーズBに加え、均質化させる。一様になるまで均質化させる。材料を添加する順にフェーズCを予め混合する。フェーズCが一様になったら、非常にゆっくりとフェーズABに加え、均質化させる。一様になるまで均質化させる。必要に応じて、粘度を一様にするためにスピードを上げる。
【0050】
(実施例3)
以下に示す、EXP−SR5を用いたヘア美容液が製造され、DC245液を用いた比較製品に対して試験された。そして、ブラインド3点試験において、区別がつかなかった。
【0051】

記載された順序で原料をプロペラ混合によりゆっくり混合する。各原料を加える前にバッチをよく混合する。透明な液体が得られるまで、添加および混合を続ける。
【0052】
(実施例4)
以下に示す制汗剤スティック剤が製造され、シクロメチコン-系の制汗剤スティックと区別がつかないことがわかった。
【0053】

手順:
濃縮器を備えた適当なフラスコの中で、フェーズAを65℃に加熱し、フェーズBを連続的に混合して加える(中程度の速度、60〜65℃)。次のステップに進む前に、フェーズBを完全に溶融する。フェーズCを記載された順で加える(中程度の速度、60〜65℃)。次の順に進む前に、各成分を完全に分散させる。バッチが均質になるまで混合を続ける。混合しながらバッチを45〜50℃に冷却する。成分を調合する。
【0054】
特定の実施形態を参照して本発明が記載されているが、これらの実施形態は、本発明の本質および応用を例示するに過ぎないとい理解されるべきである。それゆえ、例示された実施形態に対して様々は変更が可能であり、請求項に定義された本発明の精神および範囲から外れることなく、他の処置が考案されうることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
C12−C14炭化水素から選ばれる第1の揮発性の炭化水素成分と、
C13−C16炭化水素から選ばれる第2の揮発性の炭化水素成分と、
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分と、
を含む非シリコン系組成物。
【請求項2】
揮発性の炭化水素成分の少なくとも1つが直鎖または分岐鎖炭化水素を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
揮発性の炭化水素成分の少なくとも1つがイソパラフィンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
揮発性の炭化水素成分の少なくとも1つがイソドデカンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
第1および第2の揮発性の炭化水素成分の少なくとも1つがC12からC14のイソパラフィンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分がC13からC21の炭化水素を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分がイソヘキサデカンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分が、イソアルカン類の混合物と、直鎖状、分岐状および環状炭化水素から選ばれる混合した構造の炭化水素を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも一つの不揮発性の炭化水素成分がC13からC15のアルカンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも一つの不揮発性の炭化水素成分がC13からC16のイソパラフィンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素が、13〜21の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖カルボン酸とミネラルオイルとのC13からC21の直鎖または分岐鎖アルキルエステルである請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
a.約35%のC12−C14イソパラフィンと、
b.約55%のC13−C16イソパラフィンと、
c.約10%のC13−C15アルカンと、
を含む、シクロメチコンの揮発性および風合いに近い非シリコン系組成物。
【請求項13】
請求項1の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含む化粧品剤。
【請求項14】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むヘアケア剤。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むスキンケア剤。
【請求項16】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むサンケア剤。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むカラー化粧品剤
【請求項18】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含む制汗剤。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むデオドラント剤。
【請求項20】
請求項1に記載の組成物と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含む日焼け剤。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物と、
薬剤として容認可能なキャリアと、
薬用クリームまたはローション剤。
【請求項22】
少なくとも2つの揮発性の炭化水素成と、
少なくとも1つの不揮発性の炭化水素成分と、
化粧品として容認可能なキャリアと、
を含むシクロメチコンの揮発性および風合いに近い非シリコン系組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2011−503192(P2011−503192A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534145(P2010−534145)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/083244
【国際公開番号】WO2009/064790
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510132473)プレスパース、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】