風車装置及びそれを用いた風力発電装置

【課題】回転開始時における慣性モーメントを小さくすることができるので、自己起動性を向上させることができ、かつ、回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、回転を停止し難くすることができる風車装置及びそれを用いた風力発電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられる回転翼保持部材16と、を備え、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備え、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直方向に設けた回転軸に羽根を固定し、羽根が風を受けることで回転する垂直軸型の風車装置及びそれを用いた風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自然エネルギーを運動エネルギーに変換して、その運動エネルギーを用いて発電を行う装置として、風力発電装置が知られている。一般的に、風力発電装置は、回転軸と、回転軸に固定された羽根とを備える風車装置が、風力により回転し、その回転力により発電機が駆動されて発電を行うように構成されている。
風力発電に用いられる風車装置は、水平軸型と垂直軸型とに大別される。水平軸型とは、風車装置の回転軸が水平、すなわち風の向きと風車装置の回転軸とが平行なものであり、たとえば、プロペラ型風車、オランダ型風車などである。垂直軸型とは、風車装置の回転軸が垂直、すなわち風の向きと風車装置の回転軸が直交しているものであり、たとえば、ダリウス型風車、サボニウス型風車などである。
【0003】
また、風力発電に用いられる風車装置は、揚力型と抗力型とに大別される。揚力型とは、風の作用により風車装置の羽根に発生する揚力を回転力とするものであり、たとえば、プロペラ型風車、ダリウス型風車などである。抗力型とは、風の作用により風車装置の羽根に発生する抗力を回転力とするものであり、たとえば、オランダ型風車、サボニウス型風車などである。
そして、風力発電にどのような風車装置を用いるかは、風力発電装置を設置する場所の気象条件や、大規模発電とするか小規模発電とするか等により、適宜選択される。
たとえば、プロペラ型風車などの水平軸揚力型風車は、風速の数倍以上の高い周速度で回転することができ、風速が大きい条件の下において高い発電効率を得られるが、風車を回転させるためには正面から風を受ける必要があり、さらに、自己起動させるためには大きい風速を必要とするといった特徴がある。このような特徴から、プロペラ型風車などの水平軸揚力型風車は、年間を通じて風速が大きく、かつ、ある程度風向が安定している場所(たとえば、海岸など)において大規模発電を行う場合に、好適である。
【0004】
また、たとえば、サボニウス型風車などの垂直軸抗力型風車は、風速以下の周速度で回転し、風向に左右されることなく回転することができ、小さい風速で自己起動するといった特徴がある。このような特徴から、サボニウス型風車などの垂直軸抗力型風車は、風速が小さく、かつ風向が安定していない場所(たとえば、都市部など)において小規模発電を行う場合に、好適である。
そして、垂直軸抗力型風車としては、鉛直軸に複数のブレードを放射状に固定し、前記複数のブレードは鉛直軸に固定された上下回転板間に固定されて各ブレードに風抜穴を形成すると共に、前記上下回転板間の外周に突設羽根を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、垂直軸抗力型風車としては、垂直軸式の抗力型風車の回転翼の少なくとも上端部に可動式の蓋部材を設けたものが知られている(特許文献2参照)。
ところで、通常、風力発電に用いられる発電機は、所定の定格出力が設定されたものが利用され、風速と発電出力とが所定の関係をなすように設定される。
具体的には、風力発電装置は、風速が起動風速(カットイン風速)に達すると、風車装置が回転を開始して発電を開始する。そして、風速が増すにつれて発電出力も増大し、風速が定格風速に達すると、定格出力となる。
また、風力発電装置は、風速が定格風速を超えると、風車装置の回転速度を失速させることで定格出力を維持するようにする場合が多い。さらに、風力発電装置は、風速が増大して停止風速(カットアウト風速)に達すると、強風による風車装置の破損等を防止するため発電を中止する。
【0006】
すなわち、風力発電装置では、定格出力を維持するように風車装置が回転し続けることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−317749号公報
【特許文献2】特開2005−171872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の風車装置、あるいは特許文献1、2に示す風車装置のいずれも、回転中に無風となった場合に、回転が停止しやすいものであった。すなわち、風車装置の回転中に無風となった場合に、いかに長時間、惰性で回転させるかといった点について考慮されているものはなかった。
そこで、請求項にそれぞれ記載された各発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。すなわち、本発明は、風車装置の回転開始時における慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置の自己起動性を向上させることができ、かつ、風車装置の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置の回転を停止し難くすることができる風車装置及びそれを用いた風力発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持する回転翼保持部材16と、を備える風車装置10であって、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備え、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成され、仕切り部材29は、流体変位室20を回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられ、回転翼13の回転に伴う遠心力によって、流体変位室20の一部に充填された流体30が、流体変位室20内を、流体変位室20の底面25に沿って下位から上方に移動可能に形成されていることを特徴とする。
ていることを特徴とする。
【0010】
ここで、「回転翼」は、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有するものであり、羽根12の枚数は特に限定されるものではない。たとえば、回転翼13は、2枚の羽根12や、6枚の羽根12を有するようにすることができる。
また、「回転翼保持部材」は、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持するものである。回転翼保持部材16の形状は、特に限定されるものではなく、たとえば、略逆円錐状、略逆三角錐状または略逆四角錐状などとすることができる。
また、「流体変位室」は、回転翼保持部材16の内部に中空に形成された空間である。また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、たとえば、略逆円錐状、略逆三角錐状または略逆四角錐状などとすることができる。
【0011】
また、「流体」は、流体変位室20の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室20の一部に充填されるものであり、たとえば、水、油などが挙げられる。
また、「仕切り部材」は、流体変位室20を複数の空間に区画するものである。また、仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられる。ここで、「区画する」とは、流体変位室20を複数の空間に区切ることを意味し、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切る、あるいは、流体変位室20を完全に独立した複数の空間に区切るのいずれをも含む。
また、「流体変位室内を、流体変位室の底面に沿って下位から上方に移動可能」とは、流体変位室20の一部に充填された流体30が、回転翼13の回転に伴う遠心力によって、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に、流体変位室20の底面25に沿って移動可能であることをいう。
【0012】
本発明に係る風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11に放射状に複数の羽根12を固定した垂直軸型風車である。また、複数の羽根12を有する回転翼13の上端および下端のそれぞれには、回転軸11に固定されて回転翼13を保持する回転翼保持部材16が設けられる。そして、回転翼保持部材16の内部には、中空の流体変位室20が形成され、その流体変位室20には、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29が設けられるとともに、流体変位室20の体積の一部の体積を有する流体30が充填される。
また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。また、仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられる。
【0013】
そして、本発明に係る風車装置10は、回転翼13の羽根12が風を受けることで、以下のような回転動作を行う。まず、風車装置10の回転停止時には、流体変位室20の一部に充填された流体30は、流体変位室20の底面25の傾斜により、流体変位室20の下位である中心付近に位置する。すなわち、風車装置10の回転停止時には、流体30は、風車装置10の回転中心軸付近に位置する。これにより、風車装置10の回転開始時おける慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置10の自己起動性を向上させることができる。
そして、回転翼13の羽根12が風を受けて風車装置10が回転を開始すると、流体変位室20の中心付近に位置していた流体30は、遠心力により、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に、流体変位室20の底面25に沿って移動する。かかる場合に、流体30は、流体変位室20に設けられた仕切り部材29との摩擦により、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に移動しやすくなっている。そして、流体変位室20の一部に充填された流体30が、遠心力により、流体変位室20内を、回転軸11に直交する平面において回転軸11から放射状に外側に向かう方向に移動すればするほど、風車装置10の慣性モーメントは大きくなる。すなわち、風車装置10の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置10の回転を停止し難くすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の風力発電装置40は、上記風車装置10と、該風車装置10の回転軸11に連結されるとともに、回転軸11の回転により駆動されて発電を行う発電機41と、前記風車装置10を覆うように設けられた箱体42と、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバー50と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る風力発電装置40では、風車装置10を覆うように箱体42が設けられ、その箱体42の側面には、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバー50が設けられる。これにより、外気の風向が変わっても、風車装置10は、ルーバー50により、一定方向の風を受けることとなる。すなわち、風車装置10の回転中に、風車装置10の回転を阻害するような方向の風を受けることがなくなるので、風車装置10は効率的に回転することができる。したがって、本発明に係る風力発電装置40は、効率的に発電を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、本発明は、風車装置の回転開始時における慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置の自己起動性を向上させることができ、かつ、風車装置の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置の回転を停止し難くすることができる風車装置及びそれを用いた風力発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態であって、風車装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、風車装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、風車装置を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、図3のA−A線における断面図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、風力発電装置を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、(A)は、ルーバーの防風状態を示す斜視図、(B)は、ルーバーの導風状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、ルーバーの導風状態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、(A)は、風車装置の回転が停止している状態を示す模式図、(B)は、風車装置が定格風速未満の風を受けて回転している状態を示す模式図、(C)は、風車装置が定格風速の風を受けて回転している状態を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例であって、ルーバーの第2導風状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
また、本実施の形態において、「径方向」とは、回転軸11に直交する平面において、回転軸11から放射状に外側に向かう方向をいう。
(風車装置10)
風車装置10は、垂直方向に設けた回転軸11と、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有する回転翼13と、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持する回転翼保持部材16と、を備える。
また、本実施の形態において、風車装置10は、図1に示すように、回転翼13が垂直方向に2段積層配置されている。この2段に積層配置された回転翼13のうち、下方に位置する回転翼13を、以下、「第1回転翼14」と、上方に位置する回転翼13を「第2回転翼15」と称する。
【0018】
そして、具体的には、図1に示すように、第1回転翼14の下端には、回転翼保持部材16としての下保持部材17が設けられているとともに、第1回転翼14の上端には、回転翼保持部材16としての中保持部材18が設けられている。さらに、中保持部材18の上方には、第2回転翼15が設けられており、この第2回転翼15の上端には、回転翼保持部材16としての上保持部材19が設けられている。
(回転翼13)
回転翼13は、回転軸11に放射状に固定された複数の羽根12を有するものである。本実施の形態において、回転翼13としての第2回転翼15は、図1および図2に示すように、垂直方向に設けた回転軸11の周りに、回転軸11を中心として渦巻き放射状、かつ等間隔に設けられた6枚の羽根12により構成されている。
【0019】
各羽根12は、図1および図2に示すように、平面視円弧状に湾曲して形成された薄板状の部材により形成されている。そして、その湾曲して形成された凹面により、風を受ける受風面が形成されている。また、各羽根12の回転軸側の側端面は、図1に示すように、回転軸11に当接して固定されている。また、各羽根12の上端面は、後述する上保持部材19の底部21におけるテーパー状の外面に沿うように形成されている。
なお、回転翼13としての第1回転翼14は、第2回転翼15と同様の構成であるので、その説明は省略する。
(回転翼保持部材16)
回転翼保持部材16は、回転翼13の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸11に固定されて回転翼13を保持するものである。また、回転翼保持部材16は、その内部に中空に形成された流体変位室20と、流体変位室20の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室20の一部に充填された流体30と、流体変位室20を複数の空間に区画する仕切り部材29と、を備える。
【0020】
本実施の形態において、回転翼保持部材16としての下保持部材17は、全体として略逆円錐状に形成されている。具体的には、下保持部材17は、図3に示すように、略逆円錐状に形成された底部21と、底部21の上面を覆うように一体に形成された蓋部22とにより構成されている。また、底部21および蓋部22の中心には、それぞれ、回転軸11が挿通するための挿通孔23,24が形成されている。そして、底部21および蓋部22により、その内部に中空の流体変位室20が形成されている。
(流体変位室20)
流体変位室20は、回転翼保持部材16の内部に中空に形成された空間である。また、回転翼保持部材16の内面であって、流体変位室20の底面25は、回転軸11を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成される。
【0021】
本実施の形態において、流体変位室20は、略逆円錐状の空間に形成されており、図3に示すように、その縦断面形状が略逆三角形状となっている。すなわち、流体変位室20の底面25は、略テーパー状となっている。
具体的には、下保持部材17の底部21の内面であって、流体変位室20の底面25は、図3に示すように、挿通孔23の周縁から上方に向かって水平面に対して所定の第1傾斜角度で拡径するテーパー状の第1テーパー面26と、第1テーパー面26の上端に連続して形成されているとともに、第1テーパー面26の上端から上方に向かって水平面に対して所定の第2傾斜角度で拡径するテーパー状の第2テーパー面27と、第2テーパー面27の上端に連続して形成されているとともに、第2テーパー面27の上端から上方に向かって水平面に対して所定の第3傾斜角度で拡径するテーパー状の第3テーパー面28とにより構成されている。また、各傾斜角度の関係は、第2傾斜角度<第3傾斜角度<第1傾斜角度となっている。すなわち、第2テーパー面27は、第1テーパー面26および第3テーパー面28に比べて、緩やかな勾配となっている。本実施の形態において、第2テーパー面27の第2傾斜角度は、約5°となっている。なお、第1テーパー面26の第1傾斜角度、第2テーパー面27の第2傾斜角度、および第3テーパー面28の第3傾斜角度は、適宜設定することができる。
【0022】
また、第1テーパー面26、第2テーパー面27、および第3テーパー面28は、それぞれ、平らに形成されている。
また、下保持部材17の流体変位室20には、図3に示すように、その内部空間を複数の空間に区画する仕切り部材29が設けられている。
仕切り部材29は、流体変位室20を、回転軸11を中心として放射状に仕切るように設けられるものである。本実施の形態において、仕切り部材29は、図4に示すように、回転軸11の周りに、回転軸11を中心として放射状、かつ等間隔に5個設けられている。なお、仕切り部材29の数は、5個に限定されるものではなく、たとえば、3個や、7個としても良い。また、各仕切り部材29は、図3に示すように、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切るように設けられている。
【0023】
具体的には、各仕切り部材29は、板状に形成され、図3および図4に示すように、下保持部材17における流体変位室20の底面25(第1テーパー面26、第2テーパー面27および第3テーパー面28)に立設されている。また、各仕切り部材29の上端面は、図3に示すように、下保持部材17の蓋部22の下面に当接しないように構成されている。
また、下保持部材17の流体変位室20の一部には、図3に示すように、流体変位室20の体積の一部の体積を有する流体30が充填されている。本実施の形態において、下保持部材17の流体変位室20の一部には、水31が充填されている。
なお、回転翼保持部材16としての中保持部材18および上保持部材19は、下保持部材17と同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0024】
そして、下保持部材17は、図3に示すように、その底部21および蓋部22のそれぞれの挿通孔23,24に回転軸11が挿通されて、流体変位室20に充填される水31が底部21の挿通孔23から漏れないように回転軸11に固定される。また、下保持部材17の蓋部22の上面には、第1回転翼14の6枚の羽根12における各々の下端面が当接して固定される。
また、中保持部材18は、図3に示すように、その底部21および蓋部22のそれぞれの挿通孔23,24に回転軸11が挿通されて、流体変位室20に充填される水31が底部21の挿通孔23から漏れないように回転軸11に固定される。また、中保持部材18の底部21におけるテーパー状の外面と、第1回転翼14の6枚の羽根12における各々の上端面とは、当接して固定される。また、中保持部材18の蓋部22の上面には、第2回転翼15の6枚の羽根12における各々の下端面が当接して固定される。
【0025】
また、上保持部材19は、図3に示すように、その底部21および蓋部22のそれぞれの挿通孔23,24に回転軸11が挿通されて、流体変位室20に充填される水31が底部21の挿通孔23から漏れないように回転軸11に固定される。また、上保持部材19の底部21におけるテーパー状の外面と、第2回転翼15の6枚の羽根12における各々の上端面とは、当接して固定される。なお、回転軸11の上端付近は、上保持部材19から上方に突出している。
これにより、第1回転翼14は、回転翼保持部材16としての下保持部材17および中保持部材18により保持される。また、同様に、第2回転翼15は、回転翼保持部材16としての中保持部材18および上保持部材19により保持される。
【0026】
また、本実施の形態において、回転翼13および回転翼保持部材16は、強化プラスチックにより形成されているが、これに限定されるものではない。
上述した構成により、本実施の形態に係る風車装置10は、図1および図2に示すように、第1回転翼14および第2回転翼15における羽根12の受風面に風を受けて、回転軸11を中心に時計回りに回転するものとなっている。
(風力発電装置40)
次に、風力発電装置40について説明する。
風力発電装置40は、上述した風車装置10と、該風車装置10の回転軸11に連結されるとともに、回転軸11の回転により駆動されて発電を行う発電機41と、上述した風車装置10を覆うように設けられた箱体42と、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバー50と、を備える。
【0027】
本実施の形態に係る風力発電装置40では、図5に示すように、上述した風車装置10がベース体51に立設されている。具体的には、風車装置10の回転軸11は、ベース体51の上面に設けられた下ベアリング52と、後述する箱体42の天板43の下面に設けられた上ベアリング57とにより、回転自在に支持されている。
また、風車装置10の回転軸11における下ベアリング52の上方には、図5に示すように、駆動プーリー53が固定されている。また、発電機41の回転軸には、従動プーリー54が固定されている。そして、駆動プーリー53と従動プーリー54とに、無端状のベルト55が巻き掛けられており、駆動プーリー53の回転により無端状のベルト55が周回移動し、ベルト55の周回移動により従動プーリー54が回転する。これにより、風車装置10の回転力が伝達されて、発電機41が駆動される。
【0028】
なお、風車装置10の回転力を発電機41に伝達する伝達機構は、これに限定されるものではない。また、伝達機構を設けずに、風車装置10の回転軸11に直接に発電機41を連結するようにしても良い。
また、発電機41には、所定の定格出力が設定されている。なお、発電機41は、公知のものを採用することができる。
(箱体42)
箱体42は、図5に示すように、風車装置10を覆うように設けられるものである。
具体的には、箱体42は、図6(A)、(B)に示すように、風車装置10を上方から覆う四角板状の天板43と、天板43の下方に設けられるとともに、天板43を支持する支柱44と、を備える。支柱44は、天板43の各角部に1本づつ設けられている。
【0029】
また、以下の説明において、図6(A)、(B)における手前側に位置する支柱44を「手前支柱45」と、右側に位置する支柱44を「右支柱46」と、左側に位置する支柱44を「左支柱47」と、奥側に位置する支柱44を「奥支柱48」と称する。
また、以下の説明において、図6(A)、(B)における箱体42の側面であって、手前支柱45と右支柱46との間の側面を「手前右面」と、箱体42の側面であって、手前支柱45と左支柱47との間の側面を「手前左面」と、箱体42の側面であって、奥支柱48と右支柱46との間の側面を「奥右面」と、箱体42の側面であって、奥支柱48と左支柱47との間の側面を「奥左面」と称する。
【0030】
そして、箱体42の各側面には、それぞれ、図6(A)、(B)に示すように、13個のルーバー50が所定のピッチで並設されている。なお、箱体42の各側面に並設されるルーバー50の数は13個に限定されるものではなく、たとえば、10個や、15個などとしても良い。
(ルーバー50)
ルーバー50は、箱体42の側面に設けられるとともに、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風向を調節するためのものである。本実施の形態おいて、ルーバー50は、図6(A)、(B)に示すように、可動可能に形成されている。
【0031】
具体的には、本実施の形態において、風力発電装置40は、ルーバー50に連結されてルーバー50を可動するための図示しない駆動モータと、外気の風速を計測するための図示しない風速計と、風速計により計測された外気の風速によりルーバー50を可動させるための図示しない制御部と、を備える。
各ルーバー50は、箱体42の各支柱44と垂直方向にほぼ同程度の長さを有する長方形板状に形成されており、箱体42の天板43の下面に、図示しない駆動モータにより、可動可能に軸支されている。
また、手前右面に並設された13個のルーバー50のうち、手前支柱45から7個目と8個目のルーバー50は、図6(A)、(B)に示すように、垂直方向の長さが他のルーバー50よりも短く形成されている。そして、この他のルーバー50よりも短く形成された2個のルーバー50の下方に、駆動プーリー53と従動プーリー54とに巻き掛けられたベルト55が位置するものとなっている。
【0032】
そして、各ルーバー50は、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入しないようにする防風状態と、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入可能であるとともに、流入する風の風向を調節する導風状態とに可動可能となっている。
(防風状態)
防風状態において、箱体42の各側面に並設された各ルーバー50は、図6(A)に示すように、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面とが略平行となるように設けられている。また、各ルーバー50は、互いに隣り合うルーバー50の端部同士が重なり合うものとなっている。さらに、箱体42の各側面の端部に位置するルーバー50であって、箱体42の支柱44に最も近接する位置に位置するルーバー50は、その近接する支柱側の端部が、当該近接する支柱44に当接するものとなっている。これにより、箱体42の各側面がルーバー50により覆われ、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入しないものとなっている。
(導風状態)
導風状態において、手前右面に並設された13個のルーバー50のうち、手前支柱45から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と手前右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前右面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
【0033】
また、同様に、手前左面に並設された13個のルーバー50のうち、左支柱47から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と手前左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前左面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
また、同様に、奥右面に並設された13個のルーバー50のうち、右支柱46から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と奥右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥右面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
【0034】
また、同様に、奥左面に並設された13個のルーバー50のうち、奥支柱48から1乃至7個目までのルーバー50は、図6(B)および図7に示すように、ルーバー50の表面56と奥左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥左面との成す角θが約45°となるように傾斜して設けられている。
なお、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面との成す角θは、これに限定されるものではない。たとえば、角θは、30°や、50°としても良い。
これにより、ルーバー50間に隙間が形成され、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入するものとなっている。また、箱体42の内部に流入した風の風向は、図7に示すように、ルーバー50により、風車装置10を時計回りに回転させる方向となっている。
(制御部)
本実施の形態において、制御部は、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)以上のときには、ルーバー50を防風状態にするとともに、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)未満のときには、ルーバー50を導風状態にするように、図示しない駆動モータを制御するものとなっている。
【0035】
なお、本実施の形態において、所定の風速は、停止風速(カットアウト風速)となっている。また、駆動モータは、風力発電装置40により発電された電力により駆動される。
(作用・効果)
本実施の形態に係る風力発電装置40において、風車装置10の回転停止時には、下保持部材17、中保持部材18および上保持部材19のそれぞれの流体変位室20の一部に充填された水31は、図8(A)に示すように、流体変位室20における略テーパー状の底面25の傾斜により、流体変位室20の中心付近に位置する。すなわち、風車装置10の回転停止時には、各々の流体変位室20に充填された水31は、風車装置10の回転中心軸付近に位置する。これにより、風車装置10の回転開始時おける慣性モーメントを小さくすることができるので、風車装置10の自己起動性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施の形態に係る風力発電装置40では、外気の風速が停止風速(カットアウト風速)未満のときには、ルーバー50が導風状態となり、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入する。そして、その流入する風の風速が起動風速(カットイン風速)に達すると、風車装置10が回転を開始して発電を開始する。
そして、外気の風速が増し風車装置10の回転速度が増大するにつれて、下保持部材17、中保持部材18および上保持部材19のそれぞれの流体変位室20の一部に充填された水31は、図8(B)に示すように、遠心力により、流体変位室20内を、中心付近から径方向に、各々の流体変位室20の底面25に沿って移動する。かかる場合において、各々の流体変位室20に充填された水31は、各々の流体変位室20に設けられた仕切り部材29との摩擦により、径方向に移動しやすくなっている。
【0037】
そして、外気の風速が定格速度まで増し風車装置10の回転速度がさらに増大するにつれて、下保持部材17、中保持部材18および上保持部材19のそれぞれの流体変位室20の一部に充填された水31は、遠心力により、流体変位室内20を、中心付近から径方向にさらに移動して、図8(C)に示すように、流体変位室20における略テーパー状の底面25の最大径部であって、流体変位室20における径方向外側端部に位置する。このとき、本実施の形態に係る風力発電装置40は、定格出力で発電を行う。
また、外気の風速が停止風速(カットアウト風速)以上になると、ルーバー50が防風状態となり、風車装置10は、風を受けなくなる。かかる場合に、風車装置10は、惰性で回転し、その後、停止する。
【0038】
以上より、各々の流体変位室20の一部に充填された水31が、遠心力により、流体変位室20内を、中心付近から径方向に移動すればするほど、慣性モーメントが大きくなる。これにより、風車装置10の回転中における慣性モーメントを大きくすることができるので、風車装置10の回転を停止し難くすることができる。すなわち、流体変位室20の一部に充填された水31が流体変位室20における径方向外側端部に位置している状態(図8(C)に示す状態)で風車装置10が回転している場合において、ルーバー50が防風状態となる、あるいは無風となったときに、風車装置10は、各々の流体変位室20における径方向外側端部に位置している水31により、大きな慣性モーメントを有するので、長時間、惰性で回転することとなる。かかる場合において、各々の流体変位室20の一部に充填された水31は、風車装置10の回転速度が低下するにつれて、流体変位室20内を、径方向外側端部から回転軸方向に、各々の流体変位室20の底面25に沿って移動する。
【0039】
また、本実施の形態に係る風力発電装置40において、導風状態における箱体42の外部から箱体42の内部に流入した風の風向は、ルーバー50により、風車装置10を時計回りに回転させる方向となっている。これにより、導風状態において、風車装置10は、外気の風向が変わっても、ルーバー50により、一定方向の風を受けることとなる。すなわち、風車装置10の回転中に、風車装置10の回転を阻害するような方向の風を受けることがなくなり、効率的に回転することができる。したがって、本実施の形態に係る風力発電装置40は、効率的に発電を行うことができる。
また、本実施の形態に係る風車装置10において、第1回転翼14は、下保持部材17および中保持部材18により保持されるとともに、第2回転翼15は、中保持部材18および上保持部材19により保持される。これにより、回転軸11のねじれを防止することができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る風車装置10は、従来の風車装置が有する、外気の風速が停止風速(カットアウト風速)以上になった場合に、風車装置の回転速度を減速するための減速手段を備えないので、風車装置10を簡易な構成とすることができる。
なお、本発明は、高層ビルの屋上に本発明に係る風力発電装置40を複数個設置し、当該ビルに使用する電力を発電する場合などに、好適である。
(変形例)
上述した実施の形態において、ルーバー50は、防風状態と導風状態とに可動するものであったが、これに限定されるものではない。
【0041】
たとえば、ルーバー50を、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入可能であるとともに、流入する風の風向を調節する導風状態と、箱体42の外部から箱体42の内部に風が流入可能であるとともに、流入する風の風量を調節する第2導風状態とに可動可能とすることもできる。
(第2導風状態)
第2導風状態は、箱体42の各側面において、所定数のルーバー50が、ルーバー50の表面56と、そのルーバー50が設けられている箱体42の側面とが略平行となるように設けられているものである。
【0042】
具体的には、たとえば、手前右面に並設された13個のルーバー50のうち、手前支柱45から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と手前右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前右面とが略平行となるように設けられている。
また、同様に、手前左面に並設された13個のルーバー50のうち、左支柱47から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と手前左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と手前左面とが略平行となるように設けられている。
【0043】
また、同様に、奥右面に並設された13個のルーバー50のうち、右支柱46から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と奥右面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥右面とが略平行となるように設けられている。
また、同様に、奥左面に並設された13個のルーバー50のうち、奥支柱48から1乃至7個目までのルーバー50は、図9に示すように、ルーバー50の表面56と奥左面とが直交するように設けられており、他の6個のルーバー50は、ルーバー50の表面56と奥左面とが略平行となるように設けられている。
【0044】
これにより、第2導風状態において、箱体42の外部から箱体42の内部に流入する風の風量は、導風状態に比べて、減少するものとなっている。
(制御部)
本実施の形態において、風力発電装置40は、発電電力を計測するための図示しない電力計を備える。
そして、制御部は、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)未満のときには、ルーバー50を導風状態にするとともに、図示しない電力計により計測された発電電力が定格出力である場合において、図示しない風速計により計測された外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)以上のときには、ルーバー50を第2導風状態にするように、図示しない駆動モータを制御するものとなっている。
(作用・効果)
このような構成としても、上述した実施の形態と同様の作用、効果を奏することとなる。
【0045】
また、本実施の形態に係る風力発電装置40では、発電電力が定格出力である場合において、外気の風速が所定の風速(たとえば、25m/s)以上のときには、ルーバー50は第2導風状態となる。これにより、従来の風力発電装置では、発電を中止していた強風下においても、発電を行うことができることとなる。
(他の実施の形態)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【0046】
また、上述した実施の形態において、風車装置10は、回転翼13が垂直方向に2段積層配置されているが、これに限定されるものではない。たとえば、回転翼13を垂直方向に、3段、あるいは4段積層配置するようにしても良い。もちろん、回転翼13は、1段としても良い。
また、上述した実施の形態において、回転翼13は6枚の羽根12により構成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、2枚の羽根12や、8枚の羽根12などにより構成するようにしても良い。また、羽根12の形状も、特に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態において、回転翼保持部材16は、略逆円錐状に形成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、略逆三角錐状や、略逆四角錐状などとしても良い。
【0047】
また、上述した実施の形態において、流体変位室20の底面25は、略テーパー状に形成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、略逆三角錐状や、略逆四角錐状などとしても良い。
また、上述した実施の形態において、仕切り部材29は、流体変位室20を互いに連通する複数の空間に区切るように設けられているが、これに限定されるものではない。たとえば、仕切り部材29は、流体変位室20を完全に独立した複数の空間に区切るようにしても良い。
また、上述した実施の形態において、ルーバー50は、可動可能であるが、これに限定されるものではない。たとえば、ルーバー50は、導風状態に固定されているようにしても良い。
【0048】
また、上述した実施の形態において、箱体42は、四角箱状であるが、これに限定されるものではない。たとえば、箱体42は、円筒状などとしても良い。
また、上述した実施の形態において、流体変位室20の一部に充填される流体30は水31であるが、これに限定されるものではない。たとえば、所定の粘度を有する流体(たとえば、油)としても良い。これにより、各々の流体変位室20の一部に充填された流体が流体変位室20における径方向側端部に位置しているときに、当該流体は回転軸方向に移動し難くなる。したがって、風車装置10を、より長時間、惰性で回転させることができることとなる。
【0049】
また、上述した実施の形態において、流体変位室20の底面25における第2テーパー面27、および第3テーパー面28は、平らに形成されているが、これに限定されるものではない。たとえば、第2テーパー面27、および第3テーパー面28を、凹凸状や、蛇腹状などに形成するようにしても良い。これにより、各々の流体変位室20の一部に充填された流体30が流体変位室20における径方向外側端部に位置しているときに、当該流体30は回転軸方向に移動し難くなる。したがって、風車装置10を、より長時間、惰性で回転させることができることとなる。
【符号の説明】
【0050】
10 風車装置 11 回転軸
12 羽根 13 回転翼
14 第1回転翼 15 第2回転翼
16 回転翼保持部材 17 下保持部材
18 中保持部材 19 上保持部材
20 流体変位室 21 底部
22 蓋部 23 挿通孔
24 挿通孔 25 底面
26 第1テーパー面 27 第2テーパー面
28 第3テーパー面 29 仕切り部材
30 流体 31 水
40 風力発電装置 41 発電機
42 箱体 43 天板
44 支柱 45 手前支柱
46 右支柱 47 左支柱
48 奥支柱 50 ルーバー
51 ベース体 52 下ベアリング
53 駆動プーリー 54 従動プーリー
55 ベルト 56 表面
57 上ベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に設けた回転軸と、
回転軸に放射状に固定された複数の羽根を有する回転翼と、
回転翼の上端および下端のそれぞれに設けられるとともに、回転軸に固定されて回転翼を保持する回転翼保持部材と、を備える風車装置であって、
回転翼保持部材は、
その内部に中空に形成された流体変位室と、
流体変位室の体積の一部の体積を有するとともに、流体変位室の一部に充填された流体と、
流体変位室を複数の空間に区画する仕切り部材と、を備え、
回転翼保持部材の内面であって、流体変位室の底面は、回転軸を中心として上方に向かって拡開する傾斜面に形成され、
仕切り部材は、流体変位室を回転軸を中心として放射状に仕切るように設けられ、
回転翼の回転に伴う遠心力によって、流体変位室の一部に充填された流体が、流体変位室内を、流体変位室の底面に沿って下位から上方に移動可能に形成されていることを特徴とする風車装置。
【請求項2】
請求項1記載の風車装置と、
該風車装置の回転軸に連結されるとともに、回転軸の回転により駆動されて発電を行う発電機と、
前記風車装置を覆うように設けられた箱体と、
箱体の側面に設けられるとともに、箱体の外部から箱体の内部に流入する風の風向を調節するためのルーバーと、を備えることを特徴とする風力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−64097(P2011−64097A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214214(P2009−214214)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(509260802)天創工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】