説明

食品容器

【課題】蓋体の区画室に蓄熱パックを装入した食品容器を提供する。
【解決手段】蓋体3の区画室9に装入した蓄熱パック10を着脱自在に固定する手段11は、蓋体3の横断方向の対向位置で前記リブ壁に形成された舌片23と、該舌片23に対して着脱自在に架設される係止バー24とから構成されている。係止バー24は、蓄熱パック10の平面部18を保持する保持部25と、該保持部25の両端から蓄熱パック10の側面部19に沿うように折曲された折曲片26と、該折曲片26から外向きに断面ほぼU形の折返部27を介して折返された揺動片28と、該揺動片28の先端部に設けられた摘み部29を備え、前記折曲片26及び揺動片28を蓄熱パック10の外周面と前記舌片23の間の隙間に挿入したとき相互に係止する係止爪28a、23aが揺動片28と舌片23に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当箱、食品保存容器、その他の食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
保冷を目的とした食品容器に関して、本出願人は、下記の特許文献1に記載の食品容器を提案した。この食品容器は、容器本体を施蓋する蓋体にシールパッキンを収納する溝を形成した構成において、前記溝を形成するリブ壁の内周空間に区成した区画室にカセット状の保冷パックを装着し、前記リブ壁に形成した保持爪を保冷パックの周縁に着脱自在に係止するように構成している。この際、保冷パックの周縁に凹部を形成し、ユーザが該凹部を介して指先で保冷パックを容易に摘むことが可能となるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2879204号公報
【特許文献2】特開2008−281251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の場合、保冷パックを蓋体の区画室に押し込み、保持爪を保冷パックの周縁に直接係止させる構成であるから、保冷パックをワンタッチで装着可能とする。しかしながら、保冷パックを保持爪により抜止め状に係止できるが、該保冷パックが区画室の内部でガタツキを生じるおそれがある。
【0005】
また、食品容器は、衛生上、細部にわたり洗浄することが求められるが、前記保冷パックを区画室から取り出し、蓋体と保冷パックを分離するためには、前記凹部を指で摘み、強く引き抜かなければ前記保持爪が外れないので、婦女子に酷な作業を強いることになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、蓋体の区画室に蓄熱パックを収納し又は取り出す際に、その作業が容易であり、しかも、収納状態の蓄熱パックがガタツキを生じることなく好適に保持されるようにした食品容器を提供するものである。
【0007】
そこで、本発明が手段として構成したところは、上部に開口部を有する容器本体と、該容器本体の開口部を閉蓋する蓋体とから成り、該蓋体に周設したパッキンを容器本体の開口縁に密着させた状態で該蓋体を開蓋不能に係止する係止手段を設けた食品容器であり、前記蓋体は、前記パッキンの収納溝を形成するリブ壁により囲まれた皿状の区画室を形成し、該区画室に蓄熱パックを装入した状態で固定保持する着脱固定手段を設けた構成において、前記着脱固定手段は、蓋体の横断方向の対向位置で前記リブ壁に形成された舌片と、該舌片に対して着脱自在に架設される係止バーとから成り、前記係止バーは、前記横断方向に配置されることにより蓄熱パックの平面部を保持する保持部と、該保持部の両端から蓄熱パックの側面部に沿うように折曲された折曲片と、該折曲片から外向きに断面ほぼU形の折返部を介して折返された揺動片と、該揺動片の先端部に設けられた摘み部を備え、前記折曲片及び揺動片を蓄熱パックの外周面と前記舌片の間の隙間に挿入するように構成され、前記揺動片と舌片の相互に係止爪を設けており、前記折返部の弾性変形を介して揺動片及び折曲片を前記隙間に挿入したとき、前記係止爪を係止することにより揺動片を抜止め状態に係止すると共に、前記摘み部を前記隙間から突出して配置し、前記摘み部を介して揺動片を折曲片に向けて揺動させたとき、前記係止爪の係止が解除されるように構成して成る点にある。
【0008】
本発明の実施形態において、前記係止バーは、可撓性樹脂により形成され、保持部と折曲片を鋭角θ1に折曲形成すると共に、折曲片と揺動片を折返部から角度θ2で広がるように形成し、前記揺動片及び折曲片を前記隙間に挿入したとき、折曲片が蓄熱パックの側面部に弾接され、揺動片が舌片に弾接されるように構成している。
【0009】
また、前記係止バーは、可撓性樹脂により形成され、前記保持部を両端部から中央部に向けて次第に蓄熱パックから離反する方向に湾曲する円弧形状に形成されることが好ましい。
【0010】
更に、前記蓄熱パックは、前記横断方向に向けて平面部から側面部に延びる凹部を形成し、平面部の凹部により前記係止バーの保持部を嵌入させる平面嵌入部を構成し、側面部の凹部により前記隙間を構成すると共に前記係止バーの折曲片を嵌入させる側面嵌入部を構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、蓋体3の区画室9に蓄熱パック10を装入した状態で、係止バー24の揺動片28及び折曲片26を隙間Sに挿入すると、折返部27の弾性変形を介して揺動片28が揺動しつつ舌片23に沿って挿入され、係止爪28a、23aを相互に係止する。あるいは、区画室9の外部で蓄熱パック10の平面部18に係止バー24の保持部25を沿わせた状態で、該蓄熱パック10を区画室9に装入させると共に同時に揺動片28及び折曲片26を隙間Sに挿入すると、前記と同様に揺動片28が揺動しつつ舌片23に沿って挿入され、係止爪28a、23aを相互に係止する。従って、ほぼワンタッチの作業で、区画室9に対する蓄熱パック10の装入と抜止め係止を行うことができる。
【0012】
この際、区画室9に装入された蓄熱パック10は、係止バー24の保持部25により平面部18を保持されるだけでなく、隙間Sの内部で折曲片26と揺動片28が折返部27の弾性を介して押し広げられるので、折曲片26により側面部19を好適に保持される。従って、蓄熱パック10のガタツキのない保持が可能になる。
【0013】
そして、洗浄等のために、蓄熱パック10を区画室9から取り出し、蓋体3と蓄熱パック10を分離する必要があるときは、隙間Sから突出した摘み部29を指先で摘み、揺動片28を折曲片26に向けて揺動させれば係止爪28a、23aの係止が解除されるので、作業を簡単容易に行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の本発明によれば、可撓性を有する係止バー24は、蓄熱パック10の平面部18に沿わされた保持部25に対して、折曲片26を鋭角θ1から押し広げられた状態で蓄熱パック10の側面部19に沿わされる。従って、折曲片26は、弾力を蓄積した状態で蓄熱パック10の側面部19に弾接するので、蓄熱パック10の側面部19を好適に保持することが可能となる。
【0015】
そして、揺動片28は、折曲部26に対する角度θ2を押し狭められた状態で舌片23に沿わされる。従って、揺動片28は、弾力を蓄積した状態で舌片23に弾接するので、係止爪28a、23aの係止を強固とする。
【0016】
請求項3に記載の本発明によれば、係止バー24の保持部25が両端部から中央部に向けて湾曲する円弧形状に形成されているので、前述のように、折曲片26を押し広げながら蓄熱パック10の側面部19に弾接させる際、円弧部が曲率半径を大きくする方向に変形され、これにより折曲片26の押し広げ方向への姿勢変更を助け、折曲片26の押し込みのために必要とされる力を軽減すると共に、折曲片26の折曲部分の疲労を防止する。
【0017】
請求項4に記載の本発明によれば、蓄熱パック10は、横断方向に向けて平面部18から側面部19に延びる凹部20を形成し、平面部18の凹部20により前記係止バー24の保持部25を嵌入させる平面嵌入部21を構成しているので、該保持部25により平面部18を好適に保持される。
【0018】
しかも、側面部19の凹部20により、折曲片26及び揺動片28を挿入するための隙間Sを構成するので、該凹部20が設けられた部分以外の蓄熱パック10の全周をリブ壁6に沿わせるように形成することができ、これにより、蓄熱パック10を可及的大容量とすることが可能になり、しかも、蓄熱パック10の周面とリブ壁6の間に大きな隙間を生じることもなく、見栄えが良い。
【0019】
そして、側面部19の凹部20により係止バー24の折曲片26を嵌入させる側面嵌入部22が構成されるので、折曲片26による蓄熱パックの保持効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係る食品容器の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る食品容器に関して、容器本体と蓋体を分離した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る食品容器に関して、蓋体と蓄熱パックと係止バーを分離した状態を示す斜視図である。
【図4】係止バーを拡大して示す斜視図である。
【図5】蓋体と蓄熱パックと係止バーを分離した状態を示す断面図である。
【図6】蓄熱パックを蓋体の区画室に装入し、係止バーにより保持した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る食品容器の全体を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る食品容器に関して、第1容器本体と機能皿体と第2容器本体と蓋体を分離した状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る食品容器に関して、蓋体と蓄熱パックと係止バーを分離した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0022】
(第1実施形態)
図1ないし図6は、本発明の第1実施形態に係る食品容器を示している。食品容器として、図例の場合は弁当箱を示しているが、密封される食品保存容器や、その他の種々の食品容器でも良い。
【0023】
食品容器は、上部に開口部2を有する容器本体1と、該容器本体1の開口部2を閉蓋する蓋体3とから構成されている。
【0024】
蓋体3は、図3に示すように、蓋壁4の周縁に位置して周方向に延設された外周壁5と内周側のリブ壁6の間に形成した収納溝7に嵌入されたパッキン8を周設し、前記蓋壁4の内側に前記リブ壁6により囲まれた皿状の区画室9を形成しており、該区画室9に蓄熱パック10を装入するように構成され、該蓄熱パック10を装入した状態で固定保持する着脱固定手段11を設けている。
【0025】
蓋体3は、前記パッキン8を容器本体1の開口縁12に密着した状態で、該蓋体3を開蓋不能に係止する係止手段13を設けている。図例の場合、係止手段13は、蓋体3の横断方向Xの対向位置に回動自在に設けられた係止翼片14と、前記容器本体1の開口縁12に形成されたフランジ15により構成され、係止翼片14を容器本体1の周壁16に向けて回動したとき、該係止翼片14の爪部17を前記フランジ15に係止させるように構成されている。尚、閉蓋状態において、蓋体3は、リブ壁6を容器本体1の開口縁12に内嵌すると共に、パッキン8を開口縁12に密着させる。
【0026】
蓄熱パック10は、前記皿状の区画室9に装入される盤状のカセット状容器により構成され、内部に蓄熱剤を充填している。従って、蓄熱剤を保冷剤とする場合は、食品容器を保冷することが可能であり、蓄熱剤を保温剤とする場合は、食品容器を保温することが可能であり、保冷と保温の何れかを選択すれば良い。
【0027】
蓄熱パック10を構成する盤状のカセット状容器は、区画室9に装入された状態で蓋壁4の反対側に露出させられる平面部18と、リブ壁6に内嵌される側面部19を有しており、前記横断方向Xに向けて平面部18から側面部19に延びる凹部20を形成し、平面部18を横断する凹部20により平面嵌入部21を形成すると共に、側面部19に延設された凹部20により側面嵌入部22を構成する。
【0028】
蓄熱パック10を固定保持する着脱固定手段11は、前記横断方向Xの対向位置で蓋体3のリブ壁6に形成された舌片23、23と、該舌片に対して着脱自在に架設される係止バー24により構成されている。
【0029】
舌片23は、図例の場合、リブ壁6を2本1組のスリット6a、6aで分断することにより、該スリット6a、6aの間に形成されており、前記横断方向Xに僅かでも揺動可能に構成することが好ましいが、揺動不能に構成しても良い。
【0030】
係止バー24は、可撓性樹脂により形成され、前記平面嵌入部21に嵌入されることにより蓄熱パック10の平面部18を保持する帯板状の保持部25と、該保持部25の両端から折曲されることにより前記側面嵌入部22に嵌入される折曲片26と、該折曲片26から外向きに断面ほぼU形の折返部27を介して折返された揺動片28と、該揺動片28を延長した先端部に設けられた摘み部29を備えている。
【0031】
前記蓄熱パック10の側面嵌入部22、22と、蓋体3の舌片23、23と、係止バー24の揺動片28、28は、前記横断方向Xに関して相互に対向するように配置されており、対向する1組の揺動片28と舌片23の相互にそれぞれ係止爪28a、23aが設けられている。
【0032】
図5に示すように、係止バー24の保持部25は、両端から中央部に向けて蓄熱パック10から離反する方向に湾曲する円弧形状に形成され、保持部25と折曲片26を鋭角θ1(従ってθ1<90度)に折曲形成し、折曲片26と揺動片28を折返部27から角度θ2でほぼV形となるように広がるように形成している。尚、保持部25の両側縁にリブ30、30を形成することが好ましい。
【0033】
そこで、蓄熱パック10を蓋体3の区画室9に装入し、係止バー24により固定保持させるためには、蓋体3の区画室9に蓄熱パック10を装入した後、係止バー24の揺動片28及び折曲片26を蓄熱パック10の側面嵌入部22、22に挿入する(第1方法)、又は、区画室9の外部で蓄熱パック10の平面嵌入部21に係止バー24の保持部25を嵌入した後、該蓄熱パック10を区画室9に装入しながら同時に係止バー24の揺動片28及び折曲片26を舌片23に沿って挿入する(第2方法)、何れでも良いが、これにより揺動片28の係止爪28aが舌片23の係止爪23aにワンタッチで係止される。
【0034】
換言すると、図6に示すように、区画室9の内部で、蓄熱パック10の側面部19と舌片23の間には、前記側面嵌入部22を含む隙間Sが形成されるので、該隙間Sに折曲片26と揺動片28が挿入され、揺動片28と舌片23の係止爪28a、23bを相互に係止する。この際、揺動片28は、図示矢印P2で示すように、前記角度θ2を押し狭められた状態で舌片23に沿わされるので、弾力を蓄積した状態で該揺動片28を舌片23に弾接し、係止爪28a、23aを強固に係止する。
【0035】
ところで、前記第1方法又は第2方向に関して、係止バー24は、保持部25を蓄熱パック10の平面嵌入部21に嵌入させると共に、折曲片26、26を蓄熱パック10の側面嵌入部22、22に嵌入させる際、折曲片26、26は、図示矢印P1で示すように、前記鋭角θ1から押し広げられた状態で側面嵌入部22に沿わされるので、弾力を蓄積した状態で該折曲片26を蓄熱パック10の側面嵌入部22に弾接し、蓄熱パック10の側面部19を好適に保持する。
【0036】
このように折曲片26、26が矢印P1の方向に押し広げられるとき、係止バー24の保持部25が円弧形状に形成されているので、該円弧部が曲率半径を大きくする方向に変形されることにより、折曲片26、26の押し広げ方向P1への姿勢変更を助け、折曲片26、26の押し込みのために必要とされる力を軽減する。また、これにより折曲片26の折曲部分の疲労が軽減される。
【0037】
図6に示すように、蓄熱パック10を区画室9に装入し、係止バー24を固定した状態で、摘み部29が隙間Sから突出している。従って、係止バー24を取り外すことにより蓄熱パック10を蓋体3から分離する場合は、摘み部29を指先で摘み、揺動片28を折曲片26に向けて揺動させれば、係止爪28a、23aが簡単に外れ、折曲片26及び揺動片28を引き抜くことができる。
【0038】
(第2実施形態)
図7ないし図9は、本発明の第2実施形態に係る食品容器を示している。図例の場合、2段重ね式の弁当箱を示しているが、密封される食品保存容器や、その他の種々の食品容器としても良い。
【0039】
食品容器は、上部に開口部2Aを有する第1容器本体1Aと、該容器本体1Aの開口部2Aに閉蓋状態で積層される機能皿体31と、該機能皿体31の上部に積層される第2容器本体1Bと、該第2容器本体1Bの上部の開口部2Bを閉蓋する蓋体3Aとから構成されている。
【0040】
蓋体3Aは、図9に示すように、蓋壁4Aの周縁に位置して周方向に延設された外周壁5Aと内周側のリブ壁6Aの間に形成した収納溝7Aに嵌入されたパッキン8Aを周設し、前記蓋壁4Aの内側に前記リブ壁6Aにより囲まれた皿状の区画室9Aを形成しており、該区画室9Aに蓄熱パック10Aを装入するように構成され、該蓄熱パック10Aを装入した状態で固定保持する複数の着脱固定手段11A、11Aを設けている。
【0041】
第2実施形態は、着脱固定手段11Aを複数(図例では2つ)並設し、これに対応する凹部20Aを蓄熱パック10Aに同数並設している点で相違する他、着脱固定手段11Aと凹部20Aの具体的構成は、第1実施形態について説明した着脱固定手段11と凹部20の構成とほぼ同様であるから、上記と同じ符号を図示することにより説明を省略し、上述した説明を援用する。
【0042】
第2実施形態の食品容器の場合、例えば、米飯を収納した第1容器本体1Aに、箸やスプーン等の食器を収納した機能皿体31を積層し、更に、惣菜等を収納した第2容器本体1Bを積層した状態で、該第2容器本体1Bの開口部2Bを蓋体3Aにより閉蓋される。第2容器本体1Bの開口縁には凸リブ12Bが設けられており、該凸リブ12Bをパッキン8Aに食い込み状に密着させた状態で、蓋体3Aの長手方向両端に設けた係止手段13A、13Aを回動させ、第1容器本体1Aの耳片32、32に嵌着することにより、該蓋体3Aを開蓋不能に係止すると共に、前記積層状態を保持する。
【符号の説明】
【0043】
1 容器本体
2 開口部
3 蓋体
6 リブ壁
7 収納溝
8 パッキン
9 区画室
10 蓄熱パック
11 着脱固定手段
13 係止手段
18 平面部
19 側面部
20 凹部
21 平面嵌入部
22 側面嵌入部
23 舌片
23a 係止爪
24 係止バー
25 保持部
26 折曲片
27 折返部
28 揺動片
28a 係止爪
29 摘み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を有する容器本体(1)と、該容器本体の開口部を閉蓋する蓋体(3)とから成り、該蓋体に周設したパッキン(8)を容器本体の開口縁に密着させた状態で該蓋体を開蓋不能に係止する係止手段(13)を設けた食品容器であり、
前記蓋体(3)は、前記パッキンの収納溝(7)を形成するリブ壁(6)により囲まれた皿状の区画室(9)を形成し、該区画室に蓄熱パック(10)を装入した状態で固定保持する着脱固定手段(11)を設けた構成において、
前記着脱固定手段(11)は、蓋体(3)の横断方向の対向位置で前記リブ壁に形成された舌片(23,23)と、該舌片に対して着脱自在に架設される係止バー(24)とから成り、
前記係止バー(24)は、前記横断方向に配置されることにより蓄熱パック(10)の平面部(18)を保持する保持部(25)と、該保持部(25)の両端から蓄熱パック(10)の側面部(19)に沿うように折曲された折曲片(26,26)と、該折曲片(26)から外向きに断面ほぼU形の折返部(27)を介して折返された揺動片(28)と、該揺動片(28)の先端部に設けられた摘み部(29)を備え、前記折曲片(26)及び揺動片(28)を蓄熱パック(10)の外周面と前記舌片(23)の間の隙間(S)に挿入するように構成され、前記揺動片(28)と舌片(23)の相互に係止爪(28a)(23a)を設けており、
前記折返部(27)の弾性変形を介して揺動片(28)及び折曲片(26)を前記隙間(S)に挿入したとき、前記係止爪(28a)(23a)を係止することにより揺動片(28)を抜止め状態に係止すると共に、前記摘み部(29)を前記隙間(S)から突出して配置し、
前記摘み部(29)を介して揺動片(28)を折曲片(26)に向けて揺動させたとき、前記係止爪(28a)(23a)の係止が解除されるように構成して成ることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
前記係止バー(24)は、可撓性樹脂により形成され、保持部(25)と折曲片(26)を鋭角θ1に折曲形成すると共に、折曲片(26)と揺動片(28)を折返部(27)から角度θ2で広がるように形成しており、
前記揺動片(28)及び折曲片(26)を前記隙間(S)に挿入したとき、折曲片(26)が蓄熱パックの側面部(19)に弾接され、揺動片(28)が舌片(23)に弾接されるように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項3】
前記係止バー(24)は、可撓性樹脂により形成され、前記保持部(25)を両端部から中央部に向けて次第に蓄熱パックから離反する方向に湾曲する円弧形状に形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品容器。
【請求項4】
前記蓄熱パック(10)は、前記横断方向に向けて平面部(18)から側面部(19)に延びる凹部(20)を形成し、平面部(18)の凹部(20)により前記係止バー(24)の保持部(25)を嵌入させる平面嵌入部(21)を構成し、側面部(19)の凹部(20)により前記隙間(S)を構成すると共に前記係止バー(24)の折曲片(26)を嵌入させる側面嵌入部(22)を構成して成ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の食品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−20680(P2011−20680A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164461(P2009−164461)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(390035091)スケーター株式会社 (23)
【Fターム(参考)】