説明

食品容器

【課題】 製品コストが高くなるのを抑えるとともに、収容された発酵食品の発酵状態を維持することを可能とした食品容器の提供。
【解決手段】 発酵食品を収容する食品容器であって、食品収容部と該食品収容部の開口縁部に形成されたフランジとを備えた容器本体が、フランジどうしを、そのフランジ表面を面一として一体に形成することで複数並べて設けられ、しかもフランジは容器本体ごとに分割可能とされ、前記食品収容部と各フランジのフランジ表面を覆うシール部材をフランジ表面に貼着した状態において食品収容部と外気とを連通させる連通路が、各容器本体のフランジに形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、納豆等の発酵食品を収容する食品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の食品容器として、下記特許文献1に示す食品容器が提案されている。これには、台紙と、台紙に並べて載置された複数個の容器とが、樹脂製フィルムによって一体に包装された食品容器が開示されている。
【0003】
ところで、納豆等の発酵食品では、その発酵状態を維持する(発酵状態に悪影響を与えないようにする)ために、食品容器内に収容された発酵食品を外気に触れさせることが要求される。そこで、下記特許文献2には、食品容器内に収容された発酵食品を外気に触れさせるように、食品容器に形成したフランジ部に通気用溝を形成したものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−24464号公報
【特許文献2】特開2010−149921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2の食品容器では、内部に収容された発酵食品を外気に触れさせることはできても、食品容器それ自体は単体のものである。したがって、複数個の商品(容器入り発酵食品)をまとめて購入しようとする消費者には不便である。また、店舗に商品として納品するメーカー等の納品者にとっては、食品容器の箱詰め等に手間がかかる。
【0006】
そこで、特許文献1に開示されているようにして、複数の食品容器をまとめることが考えられる。しかしながら、特許文献1に開示された食品容器では、容器を載置する台紙、および台紙と容器とを一体に包装する樹脂製フィルムが必要である。このため、製品コストが高くなるという問題を包含している。また、食品容器が包装されてしまうため、発酵食品の発酵状態を維持することがむずかしいという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、製品コストが高くなるのを抑えるとともに、収容された発酵食品の発酵状態を維持することを可能とした食品容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、発酵食品を収容する食品容器であって、食品収容部と該食品収容部の開口縁部に形成されたフランジとを備えた容器本体が、フランジどうしを、そのフランジ表面を面一として一体に形成することで複数並べて設けられ、しかもフランジは容器本体ごとに分割可能とされ、前記食品収容部と各フランジのフランジ表面を覆うシール部材をフランジ表面に貼着した状態において食品収容部と外気とを連通させる連通路が、各容器本体のフランジに形成されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、複数の容器本体を一体に備えているから、台紙を用いてこれに容器本体を並べてフィルムで一体化する場合に比べて製品コストの上昇が抑えられ、しかも複数個の容器本体は、分割して用いることができるから消費者にとって使い勝手がよい。さらに、連通路を介して食品収容部内の空気と外気とが入れ替わるから、発酵食品を外気に触れさせられ、収容された発酵食品の発酵状態が維持される。
【0010】
本発明の食品容器では、連通路は、フランジ表面の一部をくぼませて形成された構成を採用することができる。この構成によれば、フランジ表面に一部をくぼませて形成される連通路を通過する外気が、収容された発酵食品に触れるから、発酵食品の発酵状態が維持される。
【0011】
本発明の食品容器では、各容器本体のフランジは、複数のフランジ部から多角形状に形成され、連通路は、前記複数のフランジ部のうち他の容器本体と接続しないフランジ部のみに開口された構成を採用することができる。
【0012】
上記構成のように、連通路が、他の容器本体と接続していないフランジ部のみに開口されていることで、連通路は容器本体ごとに独自のものとなっている。このため、容器本体を他の容器本体から分割しても、各容器本体の連通路の容量が変化しない。このため、分割された容器本体においても、分割されることで残った容器本体においても、発酵食品の発酵状態が維持される。
【0013】
本発明の食品容器では、連通路は、直線部と曲線部との組み合わせから構成することで、食品収容部からフランジの外端部に至る最短距離から外れる経路を通過するよう形成された構成を採用することができる。
【0014】
この構成によれば、連通路を直線部と曲線部との組み合わせから構成した分だけ連通路の距離が長くなるから、連通路の開口から塵芥等が食品収容部に侵入しにくい。
【0015】
本発明の食品容器では、連通路は、フランジの角部に開口する構成を採用することができる。一般に角部は、貼着されたシール部材を剥がし易い部分であり、しかも連通路が角部に開口していれば、角部において、シール部材が貼着されている面積が小さくなっているから、特にシール部材を剥がし易い。
【発明の効果】
【0016】
本発明の食品容器は、容器本体のフランジを一体化することで、複数個の容器本体を一体に備えている食品容器であるから、複数個の容器本体を一体化するのに用いる材料を減らすことができ、これによって製品コストが高くなるのを抑えることができ、シール部材をフランジ表面に貼着した状態において食品収容部内と外気とを連通させる連通路が形成されているから、食品収容部に収容された発酵食品の発酵状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る食品容器の、本体群とシール部材を分離させた状態の斜視図である。
【図2】同シール部材の一部を取り除いた状態の平面図である。
【図3】同容器本体の一部を破断した単体側面図である。
【図4】同陳列状態の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る食品容器における、溝の他の形状を表した容器本体の単体平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る食品容器の、溝の別の形状を表した容器本体の単体平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る食品容器の、さらに溝の別の形状を表した容器本体の単体平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る食品容器の、さらに溝の別の形状を表した容器本体の単体側面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る食品容器の、さらに溝の別の形状を表した容器本体の単体平面図である。
【図10】図9の溝の形状を表した容器本体の単体側面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る食品容器の、本体群の別の形状を表した平面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る食品容器の、本体群のさらに別の形状を表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る食品容器を、図1ないし図12に基づいて説明する。この食品容器1は、納豆(発酵食品の一例)Fを収容して店頭に陳列されるものである。
【0019】
食品容器1は、本体群2と、一枚のシール部材3とから構成されている。本体群2は複数の容器本体4を一体的に形成してなる。各容器本体4は、食品収容部5とフランジ6とから形成されている。食品収容部5は、上方を開口した有底の円錐台状に形成されて、内部に納豆Fを収容することができる。フランジ6は、食品収容部5の上縁部5aに、食品収容部5の径方向外方に向けて突出し、食品収容部5に一体に形成されている。容器本体4は合成樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)の成形品であり、成型時に複数の容器本体4が一体的に形成される。
【0020】
フランジ6は扁平に形成されるとともに、フランジ表面(フランジ6の上面)7は平滑面に形成されている。各容器本体4のフランジ6の外形は、平面視して略矩形に形成されている。すなわちフランジ6は、食品収容部5を平面視して縦列方向である四方向に沿うフランジ部8A,8B,8C,8Dから、一体的に形成されている。また、フランジ6の四隅部(角部に相当する)は、その対角線方向外方に凸となる円弧状に形成されている。
【0021】
本体群2は、上記構成の各容器本体4がフランジ6のフランジ表面7を面一として一体に形成することで四個並べられている。具体的には、隣り合う容器本体4のフランジ6が、その隣り合う二辺のフランジ部8A,8Bどうしが一体的に形成され、平面視して行列方向二個ずつの容器本体4が一体化されている。
【0022】
前述のように、フランジ6の四隅部は、その対角線方向外方に凸となる円弧状に形成されている。したがって、行列方向二個ずつの容器本体4が一体化されている本体群2の中心には、フランジ部8A,8Bによって平面視して略ひし形形状の孔9が形成されている。このように、フランジ6の四隅部が円弧状に形成され、本体群2の中心に略ひし形形状の孔9が形成されていることで、その分だけ、フランジ6(フランジ部8)どうしの連続部10(図1において仮想線で示している)は、応力集中を受けやすい形状となっており、このため外力に対して脆弱になっている。したがって、本体群2のフランジ6は、折り曲げる等の外力を加えることで、分割可能とされている。
【0023】
また、フランジ表面7には、後に詳述する連通路11となる溝12が形成されている。そして溝12を除くフランジ表面7に、本体群2の平面視形状と相似形状に形成されたシール部材3が貼着されている。シール部材3は合成樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)の透明なフィルムから形成されている。シール部材3は、本体群2のフランジ表面7の外形に合致するか、外形わずかに側方にはみ出す程度の大きさに形成されている。
【0024】
シール部材3は、本体群2の平面視形状と相似形状であるから、フランジ6どうしの連続部10に対応する部分10a(仮想線で示している)も切断し易くなっている。このため、例えば、本体群2から一個の容器本体4を分離することで、シール部材3も一個分だけ分離させることができる。なお、シール部材3は、各容器本体4の食品収容部5に納豆Fを投入した後に、本体群2のフランジ表面7に貼着される。
【0025】
次に、図2および図3に基づいて、連通路11について説明する。連通路11は、本体群2の各フランジ6のフランジ表面7に、シール部材3を貼着した状態で食品収容部5と外気とを連通させるよう構成されている。すなわち、連通路11は、フランジ表面7の一部を厚み方向でくぼませて前記溝12を形成し、フランジ表面7の、溝12以外の領域(但し、外縁部は除く)にシール部材3を貼着することで区画されてなる。この連通路11は、隣り合う容器本体4どうしの、接続されない(隣り合わない)フランジ部8Cのみに、端部11aが開口されるよう形成されている。
【0026】
図1ないし図3に示す例では、溝12は平面形状が、食品収容部5の上縁部5aから、フランジ部8の外縁部8aまでストレートに延びる形状である。この場合、溝12はフランジ表面7に二条(二本)だけ形成されている。溝12は、フランジ表面7のみを下方にくぼませてその底面13は円弧状に形成されている。
【0027】
上記構成の食品容器1は、容器本体4となる合成樹脂(ポリエチレンとポリエチレンテレフタレートの複合体)の原反シートを、金型を用いて原反加工品とし、原反加工品に形成されている食品収容部5に納豆Fを投入した後、シール部材3となるシートを原反加工品の表面に重ねて食品収容部5を覆うようにし、原反加工品とシール部材3とを熱融着させ、その後、食品容器1の外形形状となるように切断することで形成される。
【0028】
この食品容器1は、四個の容器本体4を一体に備えているため、容器本体4に収容された複数個の納豆Fを購入しようとする消費者にとっては、店頭で一つずつ手に取る必要がないから、便利である。また、購入した納豆Fは、その容器本体4を一つずつ分割することができる。仮に一つを分割したとしても、残りの三つはそれぞれが一体化していてばらつくことがないから、冷蔵庫等への収納が乱雑にならない。
【0029】
一方、容器本体4に収容された納豆Fを店舗に納品する納品者にとっては、納豆F入りの容器を一個ずつ箱詰めする必要がないから、作業が楽になる。また、台紙や、台紙に容器本体を一体化させるフィルムが不要であるから、製品コストの上昇を抑えることができ、その分だけ安価に提供することが可能になる。
【0030】
連通路11は、隣り合う容器本体4どうしの、接続されないフランジ部8Cのみに、端部11aが開口されるよう形成されている。すなわち、連通路11は、容器本体4ごとに独自のものとなっている。このため、容器本体4を分割しても、他の容器本体4の連通路11の容量が変化しない。したがって、分割されることにより残った容器本体4内にある納豆Fが乾燥しすぎたり、あるいは発酵状態に悪影響を与えたりすることがなく、その発酵状態を維持することができる。
【0031】
図4は、複数個の食品容器1を段積みした状態を示している。このようにすると、食品収容部5が四本の脚の代わりとなって、段積み状態が安定させられる。店頭でこのように段積みすることで、見栄えも向上する。
【0032】
図5ないし図10に、溝12(連通路11)の他の変形例を示す。なお、これらの図では、単体の容器本体4を表している。また、これらの変形例は、食品収容部5の上縁部5aからフランジ部8の外縁部8aに至る最短距離から外れる経路(最短距離でない経路)を通過するよう形成される場合を例示している。
【0033】
図5に示す例では、溝12を、食品収容部5の上縁部5aから、フランジ部8C(あるいはフランジ部8D)の外縁部8aまで、異なる方向に湾曲させることで蛇行した形状に形成している。つまり図5に示す溝12は、全て曲線状に形成されている。
【0034】
図6に示す例では、溝12は、食品収容部5の上縁部5aから、食品収容部5の径方向外方へ向けて延びて、フランジ部8C(あるいはフランジ部8D)の外縁部8aに至らない途中まで延長された第一延長部15と、第一延長部15の径方向外端部から径方向に対して略直角な方向に向けて延びる第二延長部16と、第二延長部16の端部から第一延長部15に平行でフランジ部8の外縁部8aに至る第三延長部17とから、トラップ状に形成されている。このように、図6に示す溝12は直線状の部分のみからなっている。
【0035】
図7に示す例では、溝12は、直線部と曲線部との組み合わせから構成している。また、二つの直線部を一つの曲線部で連続させるよう構成されている。すなわちこの溝12は、フランジ部8A,8B側に対応する食品収容部5の上縁部5aから本体群2の中心側へ向けて(フランジ6の対角線上に延長して)、フランジ部8A,8B側の隅部に至らない延長部18(直線部)を形成し、この延長部18の先端部から、食品収容部5の上縁部5aの周方向に沿うように円弧状部19(曲線部)を接続し、フランジ部8C,8D側の隅部に至る延長部20(直線部)を形成してなる。
【0036】
この構成では、円弧状部19が食品収容部5の径方向外方に沿うので、フランジ6という定められた一定の面積の範囲のなかで、より長い溝12となる。そうなると、連通路11の端部11aから食品収容部5内に塵芥等が侵入しにくくなる。
【0037】
ところで、一般に、シール部材3はフランジ6の隅部から剥がすことが、最も剥がし易い。しかも延長部20は、シール部材3が貼着されない領域である。そしてこの構成では、連通路11は隅部に開口され、隅部でのシール部材3は接着力が弱くなっている。したがって、シール部材3を極めて容易に剥がすことが可能になる。
【0038】
上記各実施形態では、溝12は、フランジ表面7の一部を厚み方向でくぼませて形成している。しかしながら本発明は、図8に示すように、溝12を形成する場合に、フランジ6において溝12に相当する領域を下方に湾曲(例えば断面U字形状や波形)させることでも形成することができる。このようにして溝12を形成したうえで、シール部材3をフランジ表面7に接着することにより、溝12をシール部材3で覆って連通路11とすることができる。
【0039】
上記各実施形態では、連通路11は、フランジ部8Cに端部11aが開口されるよう形成している。しかしながら、図9および図10に示すように、溝12をフランジ部8Cの外縁部8aまで至らさず、溝12の先端部を下方へ向け、フランジ6を穿った貫通孔12aを形成することもできる。この場合でも、食品収容部5に収容された納豆Fを外気に接触させることができる。
【0040】
連通路11の端部11aをフランジ6(フランジ部8C,8D)の外縁部8aに開口すれば、連通路11は容器本体4の側方から観てとることができてしまう。しかしながら、溝12をフランジ部8の外縁部8aまで至らさずに溝12の先端部を下方へ向けて貫通孔12aを形成すれば、連通路11は容器本体4の側方からは観てとることはできない。
【0041】
そして、連通路11をフランジ6の外縁部に至らさず、外縁部に至る途中でフランジ6を穿つようにして連通路11を形成すれば、隣り合う容器本体4どうしの、接続されないフランジ部のみに端部11aが開口するよう形成する必要はなくなる。そして、連通路11は、容器本体4ごとに独自のものとなっている。このため、容器本体4を分割しても、あるいは分割しなくても、他の容器本体4の連通路11の容量が変化しない。
【0042】
上記各実施形態では、フランジ6の外形は平面視して略矩形に形成されている場合で説明した。しかしながら、本発明は、フランジ6の外形は矩形に限定されない。例えば図11は、食品収容部5の形状は上記各実施形態と同様であるが、フランジ6の外形形状は、平面視して六角形に形成されている。この場合でも、溝12(連通路11)は、隣り合う容器本体4どうしの、接続されないフランジ部のみに開口させる。したがって、容器本体4を分割しても、他の容器本体4の連通路11の容量が変化しない。すなわち、分割されることにより残った容器本体4内にある納豆Fが乾燥しすぎたり、あるいは発酵状態に悪影響を与えたりすることがない。
【0043】
図12に示す食品容器1は、食品収容部5の形状は上記各実施形態と同様であるが、フランジ6の外形形状は、平面視して八角形に形成されている。八角形では、溝12(連通路11)は、隣り合う容器本体4どうしの、接続されないフランジ部のみに開口させることができる。したがって、容器本体4を分割しても、他の容器本体4の連通路11の容量が変化しない。すなわち、分割されることにより残った容器本体4内にある納豆Fが乾燥しすぎたり、あるいは発酵状態に悪影響を与えたりすることがない。また、八角形のフランジ6では、六角形のフランジ6に比べて、接続されない(隣り合わない)フランジ部が増えるから、連通路11を設ける部分の自由度が高くなる。
【0044】
また、連通路はフランジ表面を用いて形成することに限定されない。図示しないが、例えば、フランジにその厚み方向途中で、食品収容部に至る孔を形成し、シール部材を容器本体に貼着することで、食品収容部内の空気を外気と交換することができる。この場合でも、食品収容部に収容された発酵食品の発酵状態を維持することができる。なお、フランジに形成する溝(連通路)の本数は、食品収容部の大きさや、食品収容部に収容する発酵食品の量に応じて、適宜決められる。
【0045】
溝を直線状に形成する場合では、溝によって形成される連通路はできるだけ長い方が、塵芥等が食品収容部に入りにくいから、例えばフランジが平面視して矩形である場合には、溝はフランジの対角線上に配置することが考えられる。但し、この場合でも、他の容器本体のフランジに接続されないフランジ部のみに連通路が開口されることを条件とすると、溝は、前記対角線に平行で、対角線から位置ずれさせた直線上に配置することになる。また、直線状の溝を例えば二股に分離して、分離した側の溝をフランジの外縁部まで延長させることもできる。
【0046】
また、シール部材は透明な合成樹脂製のフィルムとしたが、紙材から形成してもよい。何れの場合であってもシール部材の表面に、発酵食品の情報を印刷することができる。そして発酵食品としては、納豆の他に、流動性のない物、例えば、漬物、チーズ、味噌等があげられ、本発明の食品容器は、これらの発酵食品にも適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…食品容器、2…本体群、3…シール部材、4…容器本体、5…食品収容部、5a…上縁部、6…フランジ、7…フランジ表面、8…フランジ部、8A,8B,8C,8D…フランジ部、8a…外縁部、11…連通路、11a…端部、12…溝、12a…貫通孔、F…納豆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵食品を収容する食品容器であって、食品収容部と該食品収容部の開口縁部に形成されたフランジとを備えた容器本体が、フランジどうしを、そのフランジ表面を面一として一体に形成することで複数並べて設けられ、しかもフランジは容器本体ごとに分割可能とされ、前記食品収容部と各フランジのフランジ表面を覆うシール部材をフランジ表面に貼着した状態において食品収容部と外気とを連通させる連通路が、各容器本体のフランジに形成されていることを特徴とする食品容器。
【請求項2】
連通路は、フランジ表面の一部をくぼませて形成されていることを特徴とする請求項1記載の食品容器。
【請求項3】
各容器本体のフランジは、複数のフランジ部から多角形状に形成され、連通路は、前記複数のフランジ部のうち他の容器本体と接続しないフランジ部のみに開口されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の食品容器。
【請求項4】
連通路は、直線部と曲線部との組み合わせから構成することで、食品収容部からフランジの外端部に至る最短距離から外れる経路を通過するよう形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の食品容器。
【請求項5】
連通路は、フランジの角部に開口していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の食品容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−218800(P2012−218800A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89471(P2011−89471)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】