説明

食品密封パッケージの製造用のシール加工ジョー

【課題】包装材料チューブから食品用の密封パッケージを製造する包装機械において、包装材料チューブを等間隔の横断部分に沿って圧迫して、確実にシール帯部を形成できる簡単で低コストの構造をしたシール加工ジョーを提供する。
【解決手段】本発明のジョー(1)は、支持体(11)、および別のジョー(2)の第2加工面(29)と協働してシール加工する第1加工面(27)を含み、第1面(27)と支持体(11)とは連結手段(30)で連結され、連結手段(30)は剛性材料で作られた湾曲した第3面(31)および湾曲した第4面(32)を含む関節ジョイントを構成して、第1面(27)が支持体(11)に対して揺動できるようにされたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品密封パッケージの製造用のシール加工ジョーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、フルーツ・ジュース、低温間欠減菌処理またはUHT(超高温処理)ミルク、ワイン、トマト・ソースなどの多くの食品は、殺菌した包装材料により作られたパッケージに詰めて販売されている。
【0003】
この形式のパッケージの典型例は、テトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)として公知の液体または流動食品用の平行六面体の形状をしたパッケージで、積層した包装材料ストリップを折曲げおよびシールすることで作られている。
【0004】
この包装材料は多層構造を有しており、堅さおよび強度を得るための、例えば紙のような繊維材料または鉱物充填ポリプロピレン材料の層で構成され得る基礎層と、その基礎層の両面を覆う多数の、例えばポリエチレン薄膜のような熱シール可能なプラスチック材料の層とを実質的に含んでなる。
【0005】
UHTミルクのような長期保存製品用の無菌パッケージの場合には、包装材料は、例えばアルミニュウム箔またはエチル・ビニル・アルコール(EVOH)薄膜のようなガス遮断材料の層も含み、この層は熱可塑性材料の層の上に重ねられ、さらにその上には最終的に食品に接触するパッケージ内面を形成することになる他の熱可塑性材料の層で覆われる。
【0006】
この種のパッケージは全自動包装機械で製造されており、包装機械ではウェブとして給送される包装材料から連続チューブが形成される。さらに詳しくは、この包装材料ウェブはリールから繰出されて包装機械の殺菌室を通して給送され、その殺菌室において、例えば過酸化水素のような殺菌剤を付与することで殺菌して、殺菌剤はその後に例えば加熱蒸発させることで包装材料表面から除去し、および(または)、適当な波長および強度の放射線を包装材料に照射することで殺菌し、このようにして殺菌された包装材料ウェブは閉じた無菌環境内に保持されて、公知の方法で円筒状に折曲げ加工し、長手方向にシールして連続チューブに形成される。
【0007】
殺菌室の延長部を実質的に形成することになる包装材料チューブは、垂直方向に送られ、殺菌済みまたは殺菌処理された食品を充填され、シール加工装置を通して送られて個々のパッケージに形成される。さらに詳しくは、シール加工装置においてチューブは多数の等間隔の横断部分でシールされて、それらの横断シール帯部、すなわちチューブの送り方向に直角な方向へ延在する帯部によって互いに連結された枕形パックが形成されるのであり、それらの枕形パックは関係する横断シール帯部で切断されて互いに切離され、そして折曲げステーションへ搬送されて、機械的に折曲げられて個々の完成した平行六面体の形状をしたパッケージに形成される。
【0008】
包装機械は、例えばヨーロッパ特許EP−B−0887265に記載されたように公知であり、それぞれが無端移動路を形成するとともにそれぞれ多数のシール加工ジョーを取付けられた2つのチェーン・コンベヤを含む。2つの移動路は、それぞれ実質的に互いに向かい合う平行な走行路を有しており、また、それらの間に包装材料チューブが送られ、それぞれの移動路の該走行路に沿って一方のコンベヤのジョーが他方のコンベヤのジョーと協働して多数の順次の横断部分にてチューブをグリップし、パックのシールおよび切断を行うようになされる。
【0009】
2対のジョーのみを含むだけの包装機械もまた知られており、それらのジョーは、多数の間隔を隔てた横断部分に沿って包装材料チューブに対しグリップおよびシール例えば熱シールするために交互に作用する。
【0010】
シール加工作業が完了したならば、例えば各対における一方のジョーに担持されたカッターが作動されて包装材料チューブと相互作用して、シールされたばかりの横断部分に沿って該包装材料チューブを切断し、これにより包装材料チューブの下端から枕形パックを切離す。この下端は横断方向にシールされているので、関係するジョーは下死点に達することで開離でき、チューブの上方部分と干渉することを回避する。同時に、全く同じように作動する他方のジョー対は、上死点から下方へ移動して、上述のグリップ/形成、シールおよび切断工程を繰返す。
【0011】
両形式の包装機械において、各ジョー対の間にグリップされたチューブ部分は、通常は一方の状に担持されている加熱手段でシールされるのであり、加熱手段はジョー間にグリップされた熱シール可能プラスチック材料の層を局部的に溶融する。
【0012】
超音波シール加工装置は、包装材料を素早く局部的に溶融することで生産量を増大するために現在広く一般に使用されている。
【0013】
超音波シール加工装置は、機械的振動発生器すなわちソノトロードと、各ジョー対のそれぞれのジョーに取付けられた例えばEP−B615907に記載されたようなアンビルとを実質的に含み、また、超音波振動によって包装材料を加熱するために互いに協働するそれぞれの表面を有する。
【0014】
さらに詳しくは、ソノトロードは1つ以上の圧電材料ディスクによって振動されるシール加工ツールであり、ディスクは交番電圧を供給されて実供給電圧または供給電流に応じたエネルギーの機械振動を生じる。
【0015】
この工業分野では、シール加工段階に先行する包装材料グリップ段階において、ソノトロードと平行にアンビルを位置決めするために、関係するジョーの支持体に対してできるだけ制御された再現できるアンビル表面の揺動動作を得ることが必要であると考えられている。
【0016】
さらに詳しくは、最終的なシール品質を落とさずに、すなわちシール帯部において包装材料をシールしていない帯部が形成されることなく、上述の揺動動作を達成することが必要と考えられている。
【0017】
この工業分野では、シール加工段階でのソノトロードおよびアンビル間のグリップ力をできるだけ正確に制御して、できるだけ予め定めた通り電圧発生器で電力供給することができるようにする、また、これによりシール帯部を形成する所要時間を短縮することが必要と考えられている。
【0018】
さらに詳しくは、所定のグリップ時間に対する実グリップ力の変動を狭い公差、例えば25ニュートン前後の範囲に維持することが必要と考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の1つの目的は、簡単で低コストにて上述した要望の少なくとも1つを満たすように設計されたシール加工ジョーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1に記載された食品用密封パッケージを製造するためのシール加工ジョーが提供される。
【0021】
限定する意図のない好ましい本発明の一実施例が添付図面を参照して例として以下に説明される。
【実施例1】
【0022】
図1〜図4を参照すれば、符号1は食品用密封パッケージを製造するための本発明によるジョー全体を示している。
【0023】
ジョー1は、公知の装置(図示せず)により垂直移動路Aに沿って送られる包装材料チューブ3から食品用密封パッケージを製造する包装機械に組込むことができる。
【0024】
ジョー1は、低温間欠減菌処理またはUHT(超高温処理)ミルク、フルーツ・ジュース、ワイン、えんどう豆、そら豆などの流動食品の密封パッケージを製造する包装機械に組込むことが好ましい。
【0025】
ジョー1はまた、パッケージ製造段階では注入でき、パッケージがシール加工された後に固化する食品の密封パッケージを製造する包装機械に組込むこともできる。そのような食品の一例は一部のチーズであり、パッケージ製造段階では溶融しているが、パッケージをシール加工した後に固化する。
【0026】
チューブ3は熱シール可能なシート材料ウェブを長手方向に折曲げてシール加工する公知の方法で形成され、このチューブはパック詰めされる殺菌済みまたは殺菌処理の終わった食品を下方へ向けて連続的に充填される。
【0027】
包装機械は、特許EP−B−0887265に示され説明されている形式の2つのチェーン・コンベヤを含み、それらのチェーン・コンベヤはそれぞれ無端移動路を形成し、また、それぞれ多数のシール加工ジョー1およびカウンター・ジョー2(図3、図4)が取付けられている。移動路はそれぞれ互いに実質的に平行な走行路を有しており、その間をチューブ3が移動路Aに沿って、したがってそれぞれの移動路の該走行路に沿って送られるのであり、一方のコンベヤのジョー1は他方のコンベヤの対応するカウンター・ジョー2と協働して、多数の等間隔の横断部分にてチューブ3をグリップし、超音波シール加工し、そして切断する。
【0028】
さらに詳しくは、各ジョー対におけるジョー1およびカウンター・ジョー2はチューブ3と相互作用して多数の等間隔の横断部分にてチューブをシールし、移動路Aに直角なそれぞれのシール帯部6でチューブ3に連結された状態の枕形パック5を形成する。
【0029】
シール帯部6はジョー1に備えたカッター22で切断されて各パック5がチューブ3から切離される。
【0030】
各カウンター・ジョー2および対応するジョー1は、チューブ3の反対両側に配置され、機械的振動発生器またはソノトロード8およびアンビル9をそれぞれ取付けられ、移動路Aを横断して開位置および閉位置(図3および図4に示される)の間を移動できるようになされており、閉位置においては両ジョーがチューブ3を関係する横断部分にてグリップしてシールし、関係するシール帯部6形成する。
【0031】
ソノトロード8は、図3および図4に概略的に示されているだけであるが、特許EP−B−615907に示され説明されている形式の多数の並んだ超音波ヘッドを含むことが好ましく、また、カウンター・ジョー2の本体に対して強固に取付けられている外側ケーシング10に収容される。
【0032】
ことに簡単に述べれば、ソノトロード8は1つ以上の圧電材料ディスクで振動されるシール加工ツールであり、このディスクは、交番電圧を供給され、実供給電圧に応じたエネルギーの機械的振動を発生する。
【0033】
各ジョー1は、アンビル9と、アンビル9を支持する支持体11とを実質的に含む。
【0034】
支持体11(図2)は実質的に平たく、中央部分14および2つの端部分15を含む。
【0035】
ジョー1および対応するカウンター・ジョー2の閉位置を参照すれば、支持体11は移動路Aに平行な平面内に位置し、端部分15は移動路Aに平行な方向において中央部分14よりも大きい。
【0036】
アンビル9は、カッター22(図3)を収容する通し収納部21を定める主部20と、それぞれ中空円筒形とされて主部20の反対端部に位置された2つの端部23とを実質的に含む。
【0037】
さらに詳しくは、主部20は、
ジョー1および対応するカウンター・ジョー2が閉位置にあるとき、移動路Aに直角なそれぞれの平面内に位置するそれぞれ頂部および底部の2つの表面24,25と、
表面24,25の間に直角に位置し、貫通収納部21を形成されている前面27と、
表面24,25の間に直角に、また、前面27とは反対側に位置し、同様に貫通収納部21を形成されている他の面26とを含む。
【0038】
さらに詳しくは、貫通収納部21は表面24,25と平行な中央面内に位置する。
【0039】
カッター22は貫通収納部21内にスライド可能に収容され、公知の作動装置(図示せず)により制御されてチューブ3を横断帯部6の位置で切断して、パック5をチューブ3から切離す。
【0040】
ジョー1および対応するカウンター・ジョー2が閉位置にあるとき(図3、図4)、前面27および対応するソノトロード8の面29がチューブ3をグリップしてシールし、関係するシール帯部6を形成する。
【0041】
ジョー1はアンビル9を支持体11に連結する連結手段30(図1、図2)を含むことが有利である。連結手段30は、剛性材料で作られてシール帯部6の形成に先行する包装材料のグリップ段階において互いに協働して前面27を支持体11に対して揺動させることができる2組の湾曲面31,32を含む。
【0042】
本明細書の用語「剛性材料」は、応力の作用でマクロ的に変形しない材料を意味するように意図していることに留意することが重要である。本明細書で理解される剛性材料の例は、金属、セラミック、またはポリマー材料である。
【0043】
一方、弾性的に変形可能な材料、特にゴム、は本明細書で理解されるように剛性材料にはならない。
【0044】
さらに詳しくは、連結手段30は、
それぞれ貫通穴を有し、各々がそれぞれ対をなす面31を定めている2つの枢支部33と、
アンビル9のそれぞれの端部23によって定められ、それぞれ枢支部33と係合し、各々が関係する枢支部33のそれぞれの面31と協働する対をなす面32を定めている2つの嵌着座34と、
それぞれの枢支部33を通して取付けられ、支持体11に固定された第1端部、および、それぞれの端部23の内部に取付けられたスクリュー38に連結されている第2端部を各々有している2つのピン36とを実質的に含む。
【0045】
枢支部33とそれぞれの嵌着座34とは2つの関節ジョイントを形成しており、シール帯部6の形成に先行するチューブ3のグリップ段階において平面を定める2つの直交方向にて前面27が支持体11に対して揺動できるようにする。したがって関節ジョイントは前面27をソノトロード8の面29に平行に保持できる。
【0046】
各々の枢動部33は、対をなす平行な第1面と、第1面に直角な対をなす平行な第2面とにおいて球体を切断することで得られる中実な主部分と、主部分から支持体11へ向けて突出する円筒形の端部分とを含む。
【0047】
したがって枢支部33の主部分は、
2つの平行な平面40(図1には片方だけが示される)と、
ピン36が挿通されて取付けられる、平面40に直角なそれぞれの平面内に位置する2つの平行な平坦開口41と、
それぞれ同心的な球面部分とされた反対側の2つの面31とを含む。
【0048】
さらに詳しくは、各々の面31は平面40の間および円形の開口41の間に位置する。
【0049】
各々の端部23は貫通空所(図5、図6)を定めており、その空所は面26から面27へ向けて、
面26,27に平行な平面において円形断面を有するショルダー51と、
枢支部33を収容し、それぞれ対をなす面32を定めている嵌着座34と、
面26,27に直角な軸線を有し、それぞれスクリュー38を収容する円筒形の空所53(図2)とを実質的に含む。
【0050】
各々の嵌着座34は支持体11の側を開口55により境界されており、各嵌着座34および関係する空所53の間に空所56が介在されている(図5、図6)。
【0051】
さらに詳しくは、各々の開口55は、表面24,25に直角な2つの平行なセグメント57、および、一方のセグメント57の一端および他方のセグメント57の対応する端の間に介在される2つの同心円弧面58とにより境界されている。
【0052】
円弧面58を定める仮想円の直径は、関係する枢支部33の面31を定める仮想球体の直径に等しく、セグメント57の間の距離よりも長い。
【0053】
各々の嵌着座34はまた、互いに向合って相対する第1および第2の面32によって横方向を境界されている。さらに詳しくは、各々の嵌着座34の面32は同心の球面部分とされる。
【0054】
さらに詳しくは、各々の嵌着座34の面32を境界する仮想球面は、関係する枢支部33の面31を定める仮想球面の仮想直径に等しい直径を有する。
【0055】
したがって各々の枢支部33はそれぞれの開口55を通して、面31を開口55の円弧面58に位置させ、平面40を開口55のセグメント57に位置させて取付けることができ、また、その後に嵌着座34内にて軸線の周りに90゜回転させて面31を嵌着座34のそれぞれの面32に係止させるようにすることができる。さらに詳しくは、各々の枢支部33がそれぞれの嵌着座34に収容されるとき、空所56は支持体11の反対側に位置する枢支部33の開口41と同軸となる。
【0056】
枢支部33および嵌着座34は、ジョー1および対応するカウンター・ジョー2が協働してシール帯部6を形成するときにそれぞれの面31,32が堅い状態で機能するように、例えば金属、ポリマー材料またはセラミックのような剛性材料で作られる。
【0057】
面31,32はまた、それぞれテフロン(登録商標)のような減摩材料で被覆されることができる。
【0058】
連結手段30はまた、
関係するショルダー51内に収容された主部分と、該主部分から支持体11へ向けて突出している円筒壁とをそれぞれ有する2つのスリーブ37と、
それぞれピン36と同軸で、それぞれのピン36のショルダー60に固定された第1端部、および該第1端部の反対側の、関係するスリーブ37の主部分に固定された第2端部を各々が有する2つのコイルばね35とを含む。ジョー1および対応するカウンター・ジョー2が閉位置にあるとき、それらのばね35は圧縮され、ジョー1およびカウンター・ジョー2のグリップ力に等しい反作用力をアンビル9に加える。
【0059】
ピン36は面26,27に直角なそれぞれの軸線に沿って延在する。
【0060】
第1から第2の端部へ向けて各々のピン36は、ショルダー60を形成し、それぞれコイルばね35、スリーブ37および枢支部33を通して同軸に延在し、それぞれスクリュー38に固定される。
【0061】
各々の枢支部33は、関係する端部23の側壁を通して取付けられるそれぞれのピン62によって、関係する嵌着座34内の所定位置に保持される。
【0062】
さらに詳しくは、各々の側壁は主部20と反対側に関係する端部23を定める。
【0063】
各々のピン62は、ばね35の軸線に直角な軸線に沿って延在しており、また、丸めた端部63(図2)を有し、この端部63は面32に形成された該端部と同じ形状の空所64と協働するようになされて、これによりピン62の位置の調整がそれぞれの嵌着座34内での枢支部33の、したがって支持体11に対するアンビル9の揺動自由度を調整できるようになされている。
【0064】
アンビル9はまた、それぞれのピン36を取囲み、ピン36の第2端部に隣接した2つのシール・リングと、スリーブ37の円筒壁を取囲む2つのシールとを含む。
【0065】
ジョー1は以下に述べるように作動する。
【0066】
2つのチェーン・コンベヤが反対方向に回転され、ジョー1および対応するカウンター・ジョー2が所定の動作手順によりチューブ3と協働するようになされる。
【0067】
この作動サイクルは1つのジョー1および対応する1つのカウンター・ジョー2を参照してさらに詳細に以下に説明されるが、全てのジョー1および対応するカウンター・ジョー2が生産速度に応じた時間間隔で同じサイクルを遂行することは明白である。
【0068】
前述した移動路の所定の箇所に沿ってジョー1および対応するカウンター・ジョー2は一緒に開位置から移動されて、チューブ3を徐々に変形させて最終的に「平坦」チューブ3となし、チューブ3の横断帯部を形成する。
【0069】
閉位置に達すると、ジョー1および対応するカウンター・ジョー2はチューブ3をグリップし、また、ソノトロード8が付勢されて包装材料を局部的に加熱して溶融し、これによりシール帯部6を形成する。
【0070】
シール加工に先行するグリップ段階では、枢支部33およびそれぞれの嵌着座34で構成される関節ジョイントがアンビル9の前面27を支持体11に対して揺動できるようにして、これによりソノトロード8の面29に平行に位置決めする。
【0071】
さらに、シールを形成するときにばね35は圧縮され、アンビル9に対するカウンター・ジョー2のグリップ力に反作用する。
【0072】
シール帯部6が形成されたならば、カッター22が作動されてシール帯部6の面に沿ってチューブ3を切断し、形成したパック5をチューブ3の残る部分から切離す。
【0073】
その後、移動路Aに沿ってジョー1および対応するカウンター・ジョー2が開位置へ移動され、チューブ3を解放する。
【0074】
本発明によるジョー1の利点は、上述の説明で明白となるであろう。
【0075】
特に、枢支部33の面31,32およびそれぞれの嵌着座34で構成される関節ジョイントはジョー1のアンビル9に2自由度を与え、また、シール帯部6の形成に先行するグリップ段階で支持体11に対して平面内での揺動を可能にする。
【0076】
したがって、ジョー1および対応するカウンター・ジョー2がチューブ3の回りをグリップするとき、アンビル9の前面27はそれに接触するソノトロード8の面29に平行な状態となることができる。
【0077】
さらに詳しくは、出願人は、枢支部33およびそれぞれの嵌着座34で構成される関節ジョイントは大まかに0.05mmの幾何学的平行度に関する公差を達成する、すなわち、前面27上のあらゆる位置が面29に平行な仮想面から0.05mm未満の距離に収めることを認知した。
【0078】
結果として、カウンター・ジョー2がそれぞれのジョー1に当たる速度に、また、ジョー1および対応するカウンター・ジョー2の接近する状態に多少の相違があっても、シール帯部6には包装材料がシールされない部分が全く生じない。
【0079】
さらに、枢支部33および嵌着座34の面31,32は堅く変形不能であるので、ジョー1およびカウンター・ジョー2のグリップ力は連結手段30により、もっぱらばね35の圧縮によってバランスされる。
【0080】
ばね35の剛性は実質的に一定した大きさであり、所定のグリップ経時パターンに関して各々のジョー1および対応するカウンター・ジョー2のグリップ力は僅かしか変化せず、例えば約25ニュートン前後ほどである。
【0081】
この結果、電圧発生器によって電源を急激に、予測できない状態で変化させることは必要なくなり、したがってシールを形成するのに必要な時間を短縮できる。
【0082】
しかしながら、本明細書に説明し図示したように、特許請求の範囲に記載された保護範囲から逸脱せずに多くの変更をジョー1に行えることは明白である。
【0083】
特に、アンビル9と支持体11との間に配置されることとは逆に、ソノトロード8と、カウンター・ジョー2のケーシング10上のそれぞれの支持体との間に連結手段30を配置することができる。
【0084】
装機械はチェーン・コンベヤを備えずに、対をなすジョー1およびカウンター・ジョー2を2対含むことができ、各対は交互にチューブ3に作用し、閉位置および開位置の間をそれぞれのガイドに沿って各々移動可動とされ、チューブと周期的に次々と相互作用してチューブの包装材料を熱シールする。
【0085】
ソノトロード8に替えて、カウンター・ジョー2には他の異なる加熱手段、例えば誘導加熱手段または加熱バーを含む手段、を備えたシール加工装置を取付けることができる。
【0086】
最後に、ジョー1はピン62を備えず、また、スリーブ37およびそれぞれの枢支部33の間に介在されるシールが円筒面および関係する枢支部33の部分に形成されたそれぞれの溝と係合するそれぞれの歯を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明によるジョーの分解斜視図を示す。
【図2】図1のジョーの断面を示す。
【図3】閉位置にあるソノトロードとともに図1および図2のジョーおよび対応するカウンター・ジョーを、明瞭化のために部品を取外して示す概略的な一部断面とした側面図を示す。
【図4】図3のジョーおよびカウンター・ジョーの大きく拡大した斜視図を示す。
【図5】図1および図2のジョーの細部の或る角度から見た斜視図を示す。
【図6】図5と異なる角度から見た図1および図2のジョーの斜視図を示す。
【符号の説明】
【0088】
1 ジョー
2 カウンター・ジョー
3 包装材料チューブ
5 パック
6 シール帯部
8 ソノトロード
9 アンビル
10 外側ケーシング
11 支持体
14 中央部分
15 端部分
20 主部
21 貫通収納部
22 カッター
23 端部
24,25 表面
26 面
27 前面
29 面
30 連結手段
31,32 面
33 枢支部
34 嵌着座
35 コイルばね
36 ピン
37 スリーブ
38 スクリュー
40 平面
51 ショルダー
53,56 空所
55 開口
57 セグメント
58 円弧面5
60 ショルダー
62 ピン
63 丸めた端部
64 空所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料チューブ(3)から食品用の密封パッケージを製造するためのシール加工ジョー(1)であって、
支持体(11)、および
使用時に前記包装材料をグリップしてシール加工工程を遂行するために、別のジョー(2)の第2加工面(29)と相互作用する第1加工面(27)を含み、前記ジョー(1,2)における一方のジョー(1)はアンビル(9)を形成し、前記ジョー(1,2)における他方のジョー(2)は使用時に前記アンビル(9)と相互作用してシール帯部(6)を形成する加熱手段(3)を形成しており、
また、前記第1面(27)を前記支持体(11)に連結する連結手段(30)を含み、
前記連結手段(30)は、前記シール加工工程に先行する前記包装材料のグリップ時に、相互に協働することで前記第1面(27)が前記支持体(11)に対して揺動できるようにする剛性材料で作られた湾曲した第3面および湾曲した第4面(31,32)を定めていることを特徴とするシール加工ジョー。
【請求項2】
前記第1面(27)を定める前記アンビル(9)を含み、前記別のジョー(2)は前記加熱手段(8)を含むことを特徴とする請求項1に記載されたジョー。
【請求項3】
前記第3面および前記第4面(31,32)が少なくとも部分的に球面であることを特徴とする請求項2に記載されたジョー。
【請求項4】
前記第3面および前記第4面(31,32)が関節ジョイントを構成しており、前記間接ジョイントは前記支持体(11)に対して前記アンビル(9)を一面内で揺動できるようにすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載されたジョー。
【請求項5】
前記第3面および第4面(31,32)がそれぞれ枢支部(33)および前記枢支部(33)と係合する嵌着座(34)によって定められていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載されたジョー。
【請求項6】
前記嵌着座(34)が前記アンビル(9)によって定められることを特徴とする請求項5に記載されたジョー。
【請求項7】
前記連結手段(30)が前記支持体(11)および前記アンビル(9)に取付けられた少なくとも1つのピン(36)を含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載されたジョー。
【請求項8】
前記ピン(36)および前記アンビル(9)の間に介在され、また、前記アンビル(9)に作用して該アンビル(9)を前記支持体(11)から引離すように移動させる弾性手段(35)を含むことを特徴とする請求項7に記載されたジョー。
【請求項9】
前記ピン(36)が相反する側でそれぞれ前記支持体(11)および前記アンビル(9)の端部(23)に取付けられる第1端部および第2端部を含み、前記弾性手段(35)は前記ピン(36)に取付けられた第1端部と、前記第1端部の反対側で、前記端部(23)に取付けられた第2端部とを有する少なくとも1つのばね(35)を含んでおり、前記ばね(35)は前記ピン(36)の第1端部および第2端部の間に介在されていることを特徴とする請求項8に記載されたジョー。
【請求項10】
前記嵌着座(34)内での前記枢支部(33)の位置を調整する調整手段(62)を含むことを特徴とする請求項5から請求項9までのいずれか一項に記載されたジョー。
【請求項11】
前記第3面および第4面(31,32)の少なくとも1つが金属、ポリマー材料またはセラミックを含む群から選ばれた材料で作られたことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載されたジョー。
【請求項12】
前記第3面および第4面(31,32)の少なくとも1つが減摩材料で被覆されたことを特徴とする請求項11に記載されたジョー。
【請求項13】
垂直移動路(A)に沿って送られ、食品を連続的に充填され、等間隔の横断部分にてグリップされる包装材料チューブ(3)から食品用の密封パッケージを製造する包装機械であって、
請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載されたジョー(1)と、前記横断部分に沿って前記チューブ(3)の包装材料をシール加工するために相互に作用する前記別のジョー(2)とを含むことを特徴とする包装機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263007(P2009−263007A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276492(P2008−276492)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】