説明

食品用厚紙パッケージ

本発明は、前面パネル2と、後面パネル3と、四つの側面パネル4とを備えており、前面パネルが、前面パネルの開放可能部分2a及び前面パネルの開放不能部分2bを画成するプレカット5を備えている、食品用単層厚紙のパッケージ1において、(i)前面パネルの開放不能部分がロック用スロット6を更に備えており、(ii)ロック用要素7が、前面パネルの長さを延ばすことができるように前面パネルの開放可能部分2aに固定されており、ロック用要素7がロック用スロット6に挿入される舌部8を備えていて、閉鎖状態において、開放可能部分2aをロックすることを特徴とする、パッケージに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージに関し、特に、例えば、チョコレートタブレット等のように矩形ブロック形状を有する食品用のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明において、用語「ラップアラウンド(wrap-around)」パックが用いられるが、これは、「被覆(envelope)」パックと同じものとして考えるべきものである。
【0003】
ホイルで包まれたタブレットをカートンボードパックの中に包装するために用いられる、いわゆる「ラップアラウンド」標準装置は、例えば、普通の医薬の厚紙パックのように、完全に再封することができなく、小さい側面において開かれるパックを生成する。
【0004】
この標準装置を用いて作られたタブレットパックにおいては、タブレットの周りでホイルが折り曲げられ、その後、このタブレットの周りで厚紙が折り曲げられる。用いられる厚紙は、ミシン目及び折り目を有するシングルシート(single sheets)である。消費者が、打抜きミシン目を破ってから、パックの付加的なフラップを開けると、再封を可能とする重複部分がなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カートンボードパックは、完全な再封を可能とする、より複雑な多層構造を持っている。しかしながら、このより複雑なパックは、ラッピングされたタブレットを中に入れる前に形成され、組み立てられる。これは二つの独立した操作を必要とする。その一つは、中のパックをラッピングするために、ラッピング機械が用いられる。もう一つは、ラッピングされたタブレットを有するカートン箱を組み立てて、詰めるために、カートニング機械が用いられる。したがって、理解できるであろうが、複雑なパックに包装されるこのようなタブレットは、ホイルで包むこととカートンボードで包装することを混合した、従来のラップアラウンド包装ライン下では製造できない。
【0006】
したがって、上記のように、ホイルで包んでから厚紙でラッピングする標準装置を用いて生成され得るタブレット厚紙パッケージが必要とされている。このパッケージは最初に開けられた後、再封できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、前面パネルと、後面パネルと、四つの側面パネルとを備えており、前面パネルは、前面パネルの開放可能部分及び前面パネルの開放不能部分を画成するプレカット部を備えている、食品用単層厚紙のパッケージにおいて、(i)前面パネルの開放不能部分がロック用スロットを更に備えており、(ii)ロック用要素が、前面パネルの長さを延ばすことができるように前面パネルの開放可能部分に固定されており、ロック用要素がロック用スロットに挿入される舌部を備えていて、閉鎖状態において開放可能部分をロックすることを特徴とするパッケージをもって、上記問題を解決する。
【0008】
本発明のより好ましい実施形態において、ロック用要素は、前面パネルの開放可能部分にのり付けられた平らな厚紙パネルである。
【0009】
前面パネルの開放可能部分が、開放可能部分とそれに隣接する側面パネルとの間に位置するエッジを中心に回転可能であり、そのエッジがヒンジとして働くことが好ましい。
【0010】
さらに、ロック用要素がパッケージの側面パネルをなす延長部分を備える。
【0011】
ロック用要素が、前面パネルの幅Wに等しい幅wを有することが望ましい。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、食品がチョコレートタブレットである。
【0013】
本発明のさらなる特徴及び利点は、図面の参照と共に以下に提供された「発明を実施するための最良の形態」の欄に記載され、明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1に示したように、本発明によるパッケージ1は、チョコレートタブレット製品用の単層厚紙パッケージである(タブレットは図面に描かれていない)。
【0015】
これは、平らな厚紙から作られ、従来型カートン形成機械で組み立てられ且つ成形される。図1に示したような平らなカートンボードは、前面パネル2、後面パネル3、四つの側面パネル4を備える。
【0016】
前面パネル2は、前面パネルの開放可能部分2a及び前面パネル2の開放不能部分2bを画成するプレカット部(切込み部)5(点線で図面に示される)を備える。
【0017】
さらに本発明によると、前面パネルの開放不能部分2bはロック用スロット6を更に備えており、ロック用要素7が設けられている。図2に示したように、そのロック用要素7は、前面パネルの長さを延ばすことができるように前面パネル2の開放可能部分2aにのり付けされている。
【0018】
図1及び図2に示したように、ロック用要素7は、前面パネルの開放可能部分2aに隣接した側面パネル4をなす延長部分を備えている。
【0019】
図3及び図4に示したように、パッケージ1が閉鎖状態にあるとき、前面パネルの開放可能部分2aがロックされることができるように、ロック用要素7は、前面パネル2のロック用スロット6に挿入される舌部8を備える。
【0020】
図2から分かるように、ロック用要素7は、パッケージの前面パネル2の幅Wと同じ幅wを有する。
【0021】
図1及び図2に示したように、ロック用要素7は、前面パネルの開放可能部分2aにのり付けされた平らな厚紙パネルである。
【0022】
図5から分かるように、前面パネルの開放可能部分2aは、開放可能部分とそれに隣接する側面パネル4との間に位置するエッジ9を中心に回転可能であり、このとき、エッジ9はヒンジとして働く。
【0023】
結果的に、パッケージを初めて開けるとき、パッケージ1を開けることができるように、消費者は、互いに接着されている前面パネルのロック用要素7及び開放可能部分2bを引き上げる。開放可能部分2aが、プレカット部5に沿ってフロントパネル2の残部から離され、その後、開放状態にあるパッケージは、図5に示す形態となる。
【0024】
パッケージ1を再び閉めるために、消費者は、エッジ9を中心にロック用要素7を回転させ、前面パネルの開放不能部分2bを覆い、その後、図4に示したように、ロック用要素7の舌部8を前面パネルの開放不能部分2bのロック用スロット6の中に入れる。
【0025】
チョコレートタブレットを本発明によるパッケージの中に詰めるための方法を次に記載する。主なステップは以下のとおりである。
(1)チョコレートタブレット製造工程からの裸のタブレットは、コンベヤベルトによって包装機械の中に供給されて、第1工程に入る。この工程において、リールからのアルミホイルが、シート状に切断されて、それぞれのタブレットの周りに施される。
(2)ホイルをタブレットの周りにラッピングした後、ホイルは三辺において密封される(第四辺は折り返すだけ)。
(3)ホイルでラッピングされたタブレットは次の段階(カートンボードで2回目の包装をする)に入る。
(4)カートンボードは、「マガジン」に供給される予め切断されたシートとして提供される。
(5)カートンボードシートのそれぞれは、マガジンからグリッパーによって引出され、最後的に閉鎖されるために、ホットメルトスポットが施される。
(6)カートンボードシートは、折曲げ装置(当業界に知られている)によって、ホイルで包まれたタブレットの周りにラッピングされ、その後、タブレットのそれぞれにのり付けされる。
(7)タブレットの2回目包装(即ち、カートンボード)は、出口プレートを通って、接着プロセスを終わらせることによって完成される。
(8)タブレットは機械出口(側部ブラシ)に送り出される。
【0026】
本発明による2枚のカートンボード(上記のような)を用いることによって、マガジンから最終包装まで、包装機械のいかなる変更も必要としないことに注意することが重要である。
【0027】
ここに記載されている現在の望ましい実施形態への様々な変更及び修正が当業界において明らかであることが分かるであろう。このような変更及び修正は本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、また、本発明の添付の利点を損なうことなく、なされることができる。したがって、このような変更及び修正は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のパッケージを構成する二つの平らなカートン要素を示す平面概略図である。
【図2】一緒に接着されている平らなカートン要素を示している、図1と同じ平面概略図である。
【図3】形成された構造及び閉鎖状態にある、本発明のパッケージの平面概略斜視図である。
【図4】閉鎖状態にある、本発明によるパッケージ上部の拡大された平面概略斜視図である。
【図5】パッケージが開放状態にある、図4と同じ拡大された平面概略斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネル(2)と、後面パネル(3)と、四つの側面パネル(4)とを備えており、前記前面パネルが、前記前面パネルの開放可能部分(2a)及び前記前面パネルの開放不能部分(2b)を画成するプレカット部(5)を備えている、食品用単層厚紙のパッケージ(1)において、
(i)前記前面パネルの前記開放不能部分(2b)がロック用スロット(6)を更に備えており、
(ii)ロック用要素(7)が、前記前面パネルの長さを延ばすことができるように前記前面パネルの前記開放可能部分(2a)に固定されており、前記ロック用要素(7)が前記ロック用スロット(6)に挿入される舌部(8)を備えていて、閉鎖状態において前記開放可能部分(2a)をロックすることを特徴とする、パッケージ。
【請求項2】
前記ロック用要素(7)は、前記前面パネル(2)の前記開放可能部分(2a)にのり付けされた平らな厚紙パネルである、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記前面パネルの前記開放可能部分(2a)が、前記開放可能部分(2a)とそれに隣接する前記側面パネル(4)との間に位置するエッジ(9)を中心に回転可能であり、前記エッジ(9)が、ヒンジとして働く、請求項1又は2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記ロック用要素(7)が、前記パッケージ(1)の前記側面パネル(4)をなす延長部分を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記ロック用要素(7)が、前記前面パネル(2)の幅Wに等しい幅wを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記食品がチョコレートタブレットである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−544931(P2008−544931A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519838(P2008−519838)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006349
【国際公開番号】WO2007/003356
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】