説明

食品製造装置及び食品製造方法

【課題】本発明は、従来に比べ装置全体がコンパクトで、構成が簡略化できる食品製造装置を提供し、また、生産効率が向上できる食品製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】食品素材を複数の棒状食品にして押出す押出装置と、前記棒状食品から食品を切断するシャッタを備えた切断装置と、前記食品を載置して搬送する搬送装置、前記各装置の駆動を制御する制御装置を備えた食品製造装置において、前記押出装置は前記棒状食品を押出す複数の押出ノズルを前記搬送装置の搬送方向に直交する前記搬送装置の幅方向に沿って千鳥状に配列すると共に、前記切断装置は、前記押出ノズルの下方位置にて前記押出ノズルのそれぞれに対応するシャッタを千鳥状に配列し、前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を制御可能に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばクッキー生地などの食品生地である外皮材でチョコレートクリームなどの内包材を包被したフィルドクッキーなどの包被食品や異種の食品生地を積層した積層食品などを製造するため食品製造装置及び食品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食品製造装置として、第1の食品素材及び第2の食品素材を供給する2つギヤポンプを備えた押出成形装置がある。該ギヤポンプには、第1軸に装着した複数の第1ギヤと、第2軸に装着した第2ギヤとを各々歯合させ、かつ、軸方向に隣接する第1ギヤ及び第2ギヤ同士の間に隔壁が配設され、複数のギヤ室が形成されている。そして、軸方向に隣接するギヤの間には、前記隔壁の厚さより僅かに厚い円筒状のスペーサが前記隔壁の孔の内周に配置され、前記ギヤが前記隔壁と擦れ合うのを防止している。
【0003】
また、前記押出装置には、前記第1のギヤポンプから供給される第1の食品素材を押出す複数の中心ノズルと、該中心ノズルを囲繞して配置され、前記第2のギヤポンプから供給される第2の食品素材を押出す環状ノズルが千鳥状に配列されている。そして、前記中心ノズルから押出された前記第1の食品素材の外周に前記環状ノズルから押出された前記第2の食品素材が付着した棒状の食品生地が前記押出装置から押出され、ベルトコンベア等に載せられ、所定長さに切断される。
【0004】
また、前記ギヤポンプには、複数の前記ギヤ室に連通する流出口がそれぞれ形成されている。そして、該流出口と前記中心ノズル及び前記環状ノズルとに連通する食品素材の流路を形成する第1のプレート及び第2のプレートが上下に重ねられて押出装置本体に保持されている。(特許文献1)。
【0005】
また、従来の食品製造装置には、複数のシャッタ片を環状に配置し、前記シャッタ片で形成される開口を開閉(拡大縮小)することにより前記開口に供給される棒状の食品から分割食品を分割するシャッタを複数備え、該シャッタを直列状、又は格子状に配設した切断装置があった(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4344683号公報
【特許文献2】特公平4−52738号公報
【特許文献3】特許第2754178号公報
【特許文献4】特許第3786897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1は、棒状食品が千鳥状に吐出されるものの、該棒状食品がベルトコンベア等に載せられて連続的に搬送される構成であり、吐出口の下方及び搬送装置の上方に切断装置を備えた構成ではないので、切断装置で切断された食品を搬送装置に所要間隔で配列することは考慮されていない。また、前記特許文献2乃至4は、棒状食品から食品を分割するシャッタを複数備え、該シャッタを直列状、又は格子状に配設したものであるので、搬送装置の搬送方向や搬送方向に直交する幅方向に沿って隣接するシャッタ同士の間隔に食品が切断され、搬送装置に載置されて搬送されるため切断された食品同士の間隔を狭めることができないでいた。したがって、装置全体が大型化したり、装置全体の構成が複雑になるなどの問題があった。
【0008】
本発明は、従来に比べ装置全体がコンパクトで、構成が簡略化できる食品製造装置を提供し、また、生産効率が向上できる食品製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、食品素材を複数の棒状食品にして押出す押出装置と、前記棒状食品から食品を切断するシャッタを備えた切断装置と、前記食品を載置して搬送する搬送装置、前記各装置の駆動を制御する制御装置を備えた食品製造装置において、前記押出装置は前記棒状食品を押出す複数の押出ノズルを前記搬送装置の搬送方向に直交する前記搬送装置の幅方向に沿って千鳥状に配列すると共に、前記切断装置は、前記押出ノズルの下方位置にて前記押出ノズルのそれぞれに対応するシャッタを千鳥状に配列し、前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を制御可能に備えている。さらに、前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を順次切断される前記食品が互いに干渉しない範囲に制御可能に備えている。また、前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を前記搬送装置の搬送方向に沿ったシャッタの間隔(P1,P3)と同じに制御するものである。
【0010】
また、押出装置にて食品素材を複数の棒状食品にして押出し、切断装置に備えられたシャッタにて前記棒状食品から食品を切断し、前記食品を搬送装置に載置して搬送する食品製造方法において、前記搬送装置の搬送方向に直交する前記搬送装置の幅方向に沿って前記押出装置に備えられた複数の押出ノズルから前記棒状食品を千鳥状に押出すと共に、前記押出ノズルの下方位置にて前記押出ノズルのそれぞれに対応するよう配列されたシャッタにて前記棒状食品から前記食品を切断し、前記搬送装置にて前記食品を順次搬送するものである。さらに、前記切断装置によって順次切断される前記食品が搬送装置に載置される際に、前記食品が互いに干渉しないように前記搬送装置にて搬送するものである。また、前記切断装置によって順次切断される前記食品が搬送装置に載置される際に、前記食品の前記搬送方向に沿った載置間隔が、前記シャッタが搬送方向に沿って配置された前記間隔(P1,P3)と同じに前記搬送装置にて搬送するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記押出装置の複数の押出ノズル及び前記切断装置のシャッタを千鳥状に配置することにより、例えば、複数の前記押出ノズル及び前記シャッタを前記押出装置及び前記切断装置の長手方向(前記搬送装置の幅方向と同義)に沿った1つの列上にのみ配置する場合に比べ長手方向の機体長さを短くでき、また、前記押出ノズル及び前記シャッタを格子状に配置する場合に比べ前記長手方向に沿って平行に配置された2つの列の間隔を狭めることができるため装置全体がコンパクトになる。また、前記押出ノズルを備えるシリンダを各列用に2つ備えることがないため、機械全体の構成を簡略化することができる。
【0012】
また、搬送装置の搬送方向に沿って前記棒状食品から順次切断される切断される食品が搬送装置に千鳥状に配列されるため、同時に切断された隣接する食品同士の間隔が従来に比べ狭めることができる。さらに、前記切断装置の1回の切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を、シャッタが前記切断装置の長手方向に沿った2列の間隔と同じにして搬送することにより、前記切断装置において搬送方向の上流側の列上で切断された食品の間に搬送方向の下流側の列上で切断された食品が配列され、前記搬送装置の幅方向に沿った食品同士の間隔をさらに狭めることができる。さらに、前記切断装置の1回の切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を搬送方向に沿って並ぶ食品同士が互いに干渉しない範囲にて設定することにより前記搬送装置の搬送方向に沿った食品同士の間隔をさらに狭めることができる。このように、従来に比べ食品同士の間隔を狭めることができるため、搬送装置に対する単位面積当たりの配列個数を多くすることができ、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1を概略的に示した正面説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1を概略的に示した上面説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1に備えられた押出装置3を概略的に示す正面説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1に備えられた押出装置3の主要部を概略的に示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1の押出装置3に備えられた重合ノズル装置25を概略的に示す平面説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1に備えられた切断装置3を概略的に示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1に備えられた切断装置3及び搬送装置15の動作を概略的に示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る食品製造装置1の切断装置14を概略的に示す上面説明図及び側面説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る食品製造装置1に備えられた切断装置14及び搬送装置15の動作を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る食品製造装置1について図面を用いて説明する。図1は、食品製造装置1を概略的に示した正面説明図である。図2は、食品製造装置1を概略的に示した上面説明図である。図3は、食品製造装置1に備えられた押出装置3を概略的に示す正面説明図である。図4は、押出装置3の主要部を概略的に示す説明図であり(a)図は、移送ローラ部28とポンプ部39の断面説明図、(b)図は、(a)図におけるG−G位置におけるポンプ部39の断面説明図、(c)図は、ポンプ室51を概略的に示す正面説明図である。図5は、押出装置3に備えられた重合ノズル装置25を概略的に示す平面説明図である。図6は、食品製造装置1に備えられた切断装置3を概略的に示す説明図であり、(a)図は、上面図、(b)図は、下面図である。なお、本実施の形態においては、第1食品素材として第1外皮材5を白色のクッキー生地、第2食品素材として第2外皮材6を黒色のクッキー生地、第3の食品素材として内包材7をチョコレートクリームとし、2色の外皮材が放射方向に縞模様に配列された包被食品9を製造する例として説明する。
【0015】
食品製造装置1は、前記食品素材5,6,7を棒状食品11に重合して押出す押出装置3と、該棒状食品11から包被食品9を切断する切断装置13と、該包被食品9を載置して搬送方向Rに向かって搬送する搬送装置15と、前記各装置の駆動を制御する制御部16を備えている。前記押出装置3は、基台17の上面に備えられている。前記押出装置3は、第1外皮材5を供給する第1供給装置21、第2外皮材6を供給する第2供給装置22及び内包材7を供給する第3供給装置23を備えている。さらに、各供給装置21,22,23から供給される各食品素材5,6,7を重合し棒状食品11を押出す重合ノズル装置25を備えている。また、前記押出装置3は、前記押出装置3本体に複数のローラ19を備え、前記ローラ19が前記押出装置3を支持すると共に、前記押出装置3が前記食品装置1の前記基台17に対し引き出し可能に固定して備えられている。
【0016】
前記第1供給装置21及び前記第2供給装置22は、図1において前記押出装置3の機体中心Cに対し左右対称に備えられている。したがって、ここでは、前記第1供給装置21の構成について説明する。前記第1供給装置21は、第1外皮材5を収容するホッパー27を着脱可能に備えている。該ホッパー27は、第1外皮材5を投入する上開口27Aと、投入された第1外皮材5を送り出す下開口27Bを備えている。前記下開口27Bの下方には、移送ローラ部28と、さらにその下方にポンプ部39が備えられている。前記移送ローラ部28には、比較的に小さな径をした第1移送ローラ29と比較的に大きな径をした第2移送ローラ30が対向して平行に備えられている。また、前記第1移送ローラ29及び前記第2移送ローラ30の軸方向は、前記搬送方向Rに直交する方向(図1におけるY方向)に指向して備えられている。また、前記第2移送ローラ30の軸心位置は、前記機体中心Cに対し前記第1移送ローラ29の軸心位置より外側(図2において左側)に離れ、かつ、下方に配置されている。つまり、前記移送ローラ部28の対向する2本の移送ローラ29,30は、相対的に上方の第1移送ローラ29に対し第2移送ローラ30が下方に、かつ、外側に傾斜した位置に配置されている。また、第1移送ローラ29の回転軸29Aの両軸端部と第2移送ローラ30の回転軸30Aの両軸端部は、軸受部材31を介して上部プレート33と下部プレート34に回転可能に挟持されている。なお、前記上部プレート33は、前記第1移送ローラ29の上方位置を支点として上方に揺動でき、プランジャのごとき係止部材32にて揺動上昇位置にて固定可能に備えられている(図3における二点鎖線による図参照)。このように、前記上部プレート33を上方に揺動することにより、前記第1移送ローラ29及び前記第2移送ローラ30が前記移送ローラ部28から着脱可能に備えられている。
【0017】
また、第1移送ローラ29と第2移送ローラ30は、前記基台17に備えられた駆動モータM1と図示されない歯車列などの駆動伝達機構に連動連結されており、互いに内回りとなるよう反対方向に回転自在に備えられている。そして、前記第1移送ローラ29と前記第2移送ローラ30の回転により、前記ホッパー27に収容された前記第1外皮材5を前記ポンプ部39に移送するものである。さらに、前記第1移送ローラ29には、押込み板35が備えられている。該押込み板35は、前記ホッパー27に収容された第1外皮材5を押圧して対向する前記第1移送ローラ29と前記第2移送ローラ30の間に押込むためのものである。前記押込み板35は、前記下部プレート34に取り付けられたカム板37のカム曲線37Aに沿って移動するものであり、前記第1移送ローラ29の回転に伴い前記第1移送ローラ29の半径方向に移動自在に備えられている。
【0018】
前記ポンプ部39は、前記移送ローラ部28から移送された前記第1外皮材5を前記重合ノズル装置25に供給するものであり、ポンプ機構としてサイクロイドポンプを採用している。前記ポンプ部39は、同形状の3枚の羽根を備え互いに噛合する一対の左ロータ41及び右ロータ42を9組備えている。左ロータ41及び右ロータ42は、軸方向に沿って羽根が捩じれた形状となっており、互いに反対方向に同角度捩じれて形成されている。また、左ロータ41は、一方の端部に円柱状のボス部41Aが突設され、他方の端部には、隣接する左ロータ41の前記ボス部41Aと嵌合する円形の凹部41Bが形成されている。さらに、左ロータ41の中心には、回転軸43が貫通する略正方形の貫通孔41Cが備えられている。また、左ロータ41と同様に、右ロータ42には、ボス部42A、凹部42B及び貫通孔42Cが備えられている。
【0019】
そして、1対の前記左ロータ41及び前記右ロータ42がそれぞれ前記回転軸43に軸支されて9組が並設されている。さらに、軸方向に隣接する各対のロータの間には、隔壁45が配設され、各ロータ41,42の各突部41A,42Aが前記隔壁45の2つの貫通孔45Aをそれぞれ貫通すると共に、各ロータ41,42の各凹部41B,42Bに嵌合されている。
【0020】
また、前記ポンプ部39には、9組の前記ロータ41,42を回転自在に装着する上部ケーシング47及び下部ケーシング49が備えられており、組み合わされた上部ケーシング47及び下部ケーシング49の内部には、前記隔壁45により区切られた、一対の左ロータ41と右ロータ42を収容するポンプ室51が9つ形成されている。そして、前記上部ケーシング47には、前記移送ローラ部28と前記ポンプ室51に連通する上部連通孔47Aが備えられている。また、下部ケーシング49には、前記重合ノズル装置25とそれぞれの前記ポンプ室51に連通する下部連通孔49Aが9つ備えられている。
【0021】
前記回転軸43の一方の端部43Aは、同方の端部に配置された前記左ロータ41及び前記右ロータ42の前記ボス部41A、42A及び前記ボス部41A、42Aを軸支する軸受部材53を介して前記上部ケーシング47及び前記下部ケーシング49に支持されている。また、前記回転軸43の他方の端部43Bは、同方の端部に配置された前記左ロータ41及び前記右ロータ42の前記凹部41B、42Bに嵌合する段部43Cを備えると共に、軸受部材54を介して前記上部ケーシング47及び前記下部ケーシング49に支持されている。また、対向する前記左ロータ41及び前記右ロータ42は、前記移送ローラ29,30と同様に、相対的に上方の右ロータ42に対し前記左ロータ41が下方に、かつ、外側に傾斜した位置に配置されている。そして、一対の前記回転軸43は、前記基台17に備えられた駆動モータM2と図示されない歯車列などの駆動伝達機構に連動連結されており、互いに外回りとなるよう反対方向に回転自在に備えられている。そして、一対の前記回転軸43の回転により、前記上部連通孔47Aを通じて前記移送ローラ部28から移送された前記第1外皮材5が前記下部連通孔49Aを通じて前記重合ノズル装置25に供給されるものである。前記下部連通孔49Aは、前記押出装置3本体の機体中心Cに対し上方から下方に沿って外側から内側に傾斜して配置されている。
【0022】
前記ポンプ部39は、前記押出装置3本体に備えられた固定装置46及び固定装置48により前記押出装置3本体に対し着脱可能に備えられている。前記固定装置46及び前記固定装置48は、揺動自在に備えられた固定爪46A及び固定爪48Aをてこ機構を用いて前記下部ケーシング49の両端を前記移送ロータ部28に向かって押さえ固定するものである。そして、前記固定爪46A及び固定爪48Aを前記ポンプ部39に対して緩め、前記ポンプ部39が前記移送ロータ部28に対して離反させることにより前記ポンプ部39全体をその長手方向(前記搬送方向Rに直交する方向、図1におけるY方向)に沿って手前に引き抜き可能に備えられている。
【0023】
前記第3供給装置23は、前記第1供給装置21と第2供給装置22の間に配置されている。前記第3供給装置23は、内包材7を収容するホッパー55を着脱可能に備えている。該ホッパー55は、内包材7を投入する上開口55Aと、投入された内包材7を送り出す下開口55Bを備えている。前記下開口55Bの下方には、ポンプ部57が備えられている。ポンプ部57は、前記ホッパー55に収容された内包材7を前記重合ノズル装置25に供給するものであり、前記ポンプ部39とほぼ同様に構成されている。前記ポンプ部57は、平行に配置された2本の回転軸59に前記左ロータ41及び右ロータ42を一対とする9組のロータが軸支されると共に、軸方向(前記搬送方向Rに直交する方向、図1におけるY方向)に隣接する各ローラの間に隔壁45が装着されている。また、前記ポンプ部57には、9組の前記ロータを回転自在に装着する上部ケーシング61及び下部ケーシング63が前記押出装置3本体に対し着脱可能に備えられている。前記押出装置3本体にねじ部材64により固定されて組み合わされた上部ケーシング61及び下部ケーシング63の内部には、前記隔壁45により区切られた、一対の左ロータ41と右ロータ42を収容するポンプ室65が9つ形成されている。そして、前記上部ケーシング61には、前記ホッパー55と前記ポンプ室65とを連通する上部連通孔61Aが備えられている。また、下部ケーシング63には、それぞれの前記ポンプ室65に連通する下部連通孔63Aが備えられている。さらに、一対の前記回転軸59は、前記基台17に備えられた駆動モータM3と図示されない歯車列などの駆動伝達機構に連動連結されており、互いに外回りとなるよう反対方向に回転自在に備えられている。そして、前記下部ケーシング63の下部及び前記重合ノズル装置25の上部の間には、前記下部連通孔63Aと前記重合ノズル装置25とを連通する連通管67及び分岐管69が前記下部ケーシング63及び前記重合ノズル装置25に対し着脱自在に備えられている。
【0024】
前記重合ノズル装置25は、前記供給装置21,22,23から供給される各食品素材を重合し、棒状食品11を押し出す装置である。前記重合ノズル装置25には、9本の前記棒状食品11を押し出す重合ノズル部71が一体的に備えられている。前記重合ノズル部71には、前記第1供給装置、第2供給装置及び第3供給装置から供給される第1外皮材5,第2外皮材6及び内包材7を受け入れる外シリンダ73が備えられ、さらに、その内部に内シリンダ75が着脱可能に備えられている。前記外シリンダ部73には、前記第1供給装置21のポンプ部39の下部連通孔49Aに連通する第1連通孔73Aと、前記第2供給装置21のポンプ部39の下部連通孔49Aに連通する第2連通孔73Bが対向して同心状に水平に備えられている。そして、前記内シリンダ75には、その上部側面に前記第2連通孔73Bに連通する導入孔75Aが備えられ、中央部には前記導入孔75Aに連通する円柱状の流路75Bが下方に向かって開口するよう備えられている。また、前記内シリンダ75の外周には、前記第1連通孔73Aから供給される第1外皮材5を下方に導くための導入ガイド75Cが形成されており、該導入ガイド75Cの下方には、前記外シリンダ73の内周面と前記内シリンダ75の外周に囲まれた環状の流路73Dが形成されている。
【0025】
さらに、前記外シリンダ73の下面には、フランジ部材77が取り付けられており、該フランジ部材77の内周面が環状の前記流路73Dに連通するよう備えられている。そして、前記フランジ部材77の下面に前記棒状食品11を吐出する吐出口79Aを備えた環状の外ノズル部材79が着脱交換可能にナット部材81によって固定されている。また、前記内シリンダ75の下端には、内ノズル部材83が着脱交換可能にナット部材82によって固定され、前記外ノズル部材79に囲繞されるよう同心状に備えられている。また、前記内シリンダ75の上面には、内包材7を供給する供給管部材85が前記流路75Bと同心状に、着脱交換可能に螺合されている。そして、前記供給管部材85の前記螺合部より上部には、前記分岐部材69に着脱可能に嵌合される嵌合部が備えられ、さらに、前記螺合部より下部には、前記流路75Bに同心に配置された管部が備えられている。
【0026】
前記重合ノズル装置25には、9つの前記重合ノズル部71が前記外シリンダ73を介して一体化して備えられ9つの押出ノズルが形成されている。図5を参照するに、前記重合ノズル部71は、前記外シリンダ73を上方より見た場合、長手方向(前記搬送方向Rに直交する方向、図1におけるY方向)に沿ってA列上及びB列上に、配列されている。前記A列及びB列は間隔P1を開けて平行に備えられ、前記重合ノズル部71は、前記A列上、前記B列上、前記A列上、・・・にと交互に並び前記A列には5つ、前記B列には4つ配列されている。また、各列の前記重合ノズル部71は、長手方向に向かって間隔P2毎に等間隔で9行に渡って配置されると共に、B列上の前記重合ノズル部71は、A列上において隣接する前記重合ノズル部71同士の中間にそれぞれ配置されている。つまり、前記重合ノズル部71は、前記外シリンダ73の長手方向に沿って千鳥状(ジグザク状)に配置されている。
【0027】
言い換えれば、重合ノズル装置25の長手方向に沿ったA列及びB列をその短手方向(前記長手方向に直交する方向、図2においてX方向)に向かって平行に配置し、前記短手方向沿った1行乃至9行を前記長手方向に向かって等間隔に配置し、各列と各行の交点上において、前記A列上では各奇数行目に、そして、前記B列上では各偶数行目に前記重合ノズル部71が配置されている。
【0028】
前記A列上と前記B上に配置される隣接した前記重合ノズル部71は、それぞれ間隔Dを開けて配置されている。前記重合ノズル部71は、前記外ノズル部材79を取り付けるため、さらには、前記外ノズル部材79を取り付け及び取り外し作業をするため所要の間隔を開けなければならないが、従来のように、前記重合ノズル部71を1つの列上にのみ配置する場合や、格子状に配置する場合には、前記長手方向及び前記短手方向に前記所要の間隔開けなければならず、装置全体が大型化していた。例えば、説明の都合上、前記間隔Dを前記所要の間隔とすると、前記間隔P1及びP2は前記間隔Dより短い間隔となり、前記重合ノズル部71をコンパクトに配列することができる。
【0029】
このように、前記重合ノズル部71を千鳥状に配置することにより、例えば、1つの列上に配置する場合に比べ、長手方向の機体長さを短くでき、また、前記重合ノズル部71を格子状に配置する場合に比べ各列の間隔を狭めることができるため装置全体がコンパクトになる。また、前記外シリンダ73に相当するシリンダを各列用に2つ備えることがないため、機械全体の構成を簡略化することができる。
【0030】
前記重合ノズル装置25は、各供給装置21,22,23に対して接近離反可能に備えられている。前記重合ノズル装置25は、前記外シリンダ73の両端部において前記押出装置3本体に備えられた固定装置87により支持されている。前記固定装置87は、揺動自在に備えられた固定爪87Aをてこ機構を用いて前記重合ノズル装置25を下方から上方に向かって押し上げ、前記外シリンダ73の傾斜する側面74を前記ポンプ部39の下部ケーシング49の傾斜する下面に密着させて固定するものである。これにより、第1供給装置21及び第2供給装置22の前記下部ケーシング49の傾斜した下部連通孔49Aと前記外シリンダ73の水平な第1連通孔73A及び第2連通孔73Bがそれぞれ連通することとなる。また、前記固定装置87の固定を緩めることにより、前記重合ノズル装置25は、各供給装置21,22,23に対して離反するように下降し、前記押出装置3本体からその長手方向手前に引き抜き可能に備えられている。
【0031】
また、前記分岐管69は、前述の通り前記供給管部材85を嵌合して前記重合ノズル装置25の上部に備えられている。前記分岐管69の上面には、前記機体中心C上において、長手方向に沿って配列され、前記連通管67の下端部と着脱自在に嵌合する9つの導入口69Aが等間隔に備えられている。さらに、前記導入口69Aに連通する連通路69Bが、前記分岐管69の長手方向に直交する水平な横方向に備えられている。また、前記連通路69Bは、前記供給管部材85の嵌合部に着脱自在に嵌合する排出口69Cに連通されている。前記排出口69Cは、前記重合ノズル部71と同様に千鳥状に配列されている。つまり、前記分岐管69は、前記内包材7を前記A列上、前記B列上、前記A列上、・・・にと交互に分岐供給するものである。
【0032】
また、前記連通管67は、ポンプ部57の前記下部ケーシング63に備えられた前記下部連通孔63Aと前記分岐管69の前記導入口69との間に上下動可能に嵌合されている。前記連通管67は、その上端部を前記押出装置3本体に備えられた固定装置68により左右より支持されている。前記固定装置68は、揺動自在に備えられた固定爪68Aをてこ機構を用いて上下に揺動することにより前記蓮通管67を下方から上方に向かって押し上げ、前記下部連通孔63Aに嵌合させて前記第3供給装置23に固定したり、前記蓮通管67を上方から下方に向かって押し下げ、前記下部連通孔63Aから離反させて前記第3供給装置23から取り外すものである。
【0033】
上記説明より明らかなように、前記押出装置3は、前記食品製造装置1の基台17より引き出し可能に備えられている。さらに、第1供給装置21及び第2供給装置22のホッパー27、第1移送ローラ29、第2移送ローラ30、ポンプ部39が前記押出装置3本体より各固定装置を緩めることにより取り外すことができ、また、重合ノズル装置25全体及び第3供給装置23全体も各固定装置を緩めることにより取り外すことができる。したがって、前記押出装置3において、食品素材に触れる部分が前記押出装置3本体から取り外すことが可能であり、前記押出装置3本体に残る前記上部プレート33及び前記下プレート34も前記第1移送ローラ29及び前記第2移送ローラ30を取り外すことにより清掃が容易にできる構成となっている。従来の装置では、押出装置本体に各部を取り付けた状態で清掃したり、ごく一部のみ着脱可能な構造であったため細部まで清掃することが困難であり、衛生上の問題があったが、前記押出装置3では、各構成が洗浄可能であるので衛生的であり、従来の問題を解決できるものである。
【0034】
前記切断装置13は、前記押出装置3から押し出された棒状食品11から包被食品9を切断するものである。前記切断装置13には、シャッタ部91と駆動部93が備えられている。前記駆動部93は、前記シャッタ部の下方にて前記基台17の内部に備えられている。前記駆動部93には、前記シャッタ部91を支持する1対の昇降軸95A,95Bが備えられている。
【0035】
前記シャッタ部91には、6個のシャッタ片97から構成されるシャッタ99が9つ備えられている。前記シャッタ99は、前記シャッタ片97を環状に配置し、前記シャッタ片97にて囲まれて形成される開口部101を開閉自在に備えている。そして、前記シャッタ99は、ベースプレート103に取り付けられたシャッタハウジング105に千鳥状に配列されている。つまり、前記シャッタ99は、前記重合ノズル装置25の前記重合ノズル部71とそれぞれが対応する位置に配列されている。したがって、前記切断装置13は、前記重合ノズル装置25と同様に、装置全体がコンパクトになるとともに装置全体の構成を簡略化することができる。
【0036】
前記シャッタ99の開閉動作について説明する。前記シャッタ99は、前記シャッタハウジング105の略六角形状の内側面を備えたケース部107に前記シャッタ片97が6個収納されている。前記シャッタ片97の下面には、長円形のガイド溝97Aが形成されている。また、前記ケース部107の底部には、円環状の回転プレート109が回動自在に備えられている。そして、前記回転プレート109の上面には、6本の駆動ローラ部材111が同一円周上に等間隔に垂設され、前記シャッタ片97の前記ガイド溝97Aに対し移動可能に係合されている。したがって、前記回転プレート109が往復回動することにより前記シャッタ片97が前記ケース部107の内側面にそって往復動して前記開口部101を開閉(拡大縮小)する。また、前記回転プレート109の下面には、ローラ部材113が回動自在に垂設されている。
【0037】
前記ベースプレート103の下面には、前記駆動部93に備えられた昇降軸95A及び昇降軸95Bにそれぞれねじなどの結合具により結合される結合部115A及び結合部115Bが備えられている。前記昇降軸95Aは、前記シャッタ99の切断動作(開口部101の開閉動作と同義)に同期して昇降動作すると共にその内部に図示されない回動軸を備えている。そして、前記結合部115Aの内部には、前記昇降軸95Aの回動軸に連結され、前記回動軸の回動に伴って回動する駆動軸115Cが前記ベースプレート103の上面より突出して備えられている。前記駆動軸115Cには、揺動アーム117が備えられている。また、前記ベースプレート103の上面には、その長手方向に沿って移動可能に支持された2本のスライドロッド119A,119Bが平行に備えられている。前記スライドロッド119A,119Bのそれぞれの一端部は、ジョイント部材121を介して前記揺動アーム117の端部と結合されている。また、前記スライドロッド119A,119Bには、前記回転プレート109の下面に備えられたローラ部材113と係合する駆動プレート121が備えられている。したがって、前記シャッタ部91の昇降動作に同期して、前記揺動アーム117が揺動することにより前記駆動プレート121が左右に往復動し、さらに、前記回転プレート109が往復回動することにより、9つの前記シャッタ99が同期して前記開口部101を開閉動作し、前記棒状食品11から包被食品9を切断する。
【0038】
前記切断装置13のシャッタ部91の下方には、前記包被食品9を載置して搬送する搬送装置15が備えられている。前記搬送装置15は、無端上のコンベアベルト123を周回させるベルトコンベアである。本発明の第1の実施の形態では、前記切断装置13の1回の切断動作に対する前記搬送装置15の搬送距離を前記間隔P1の2倍となるよう前記制御部16に設定している。 前記切断装置13により切断される9つの前記包被食品9は、前記コンベヤベルト123の搬送面(上面)に千鳥状に配置され順次搬送方向Rに搬送される。前記食品製造装置1では、先に切断された包被食品9に対し次に切断する包被食品9の間隔を従来より狭めることができる。つまり、前記包被食品9は、従来の装置により切断、配置される場合に比べ個数当たりの占有面積を狭くすることができ、前記食品製造装置1に後続する、例えばトンネル式オーブンなどの焼成装置おける処理を効率よく行えることができ、生産性を向上させることができる。
【0039】
次に、図7にて示す前記切断装置13の切断動作と前記搬送装置15の搬送動作の関係について説明する。上記第1の実施の形態においては、前記切断装置13の1回の切断動作に対する前記搬送装置15の搬送距離を前記間隔P1の2倍に設定した例として説明した。前記切断装置13に備えられた千鳥状のシャッタ99によって一斉に切断された9つの包被食品9は千鳥状の位置関係を維持した状態で前記搬送装置15上に載置され搬送される。ここでは、前記切断装置13の1回の切断動作に対する前記搬送装置15の搬送距離を前記間隔P1となるよう前記制御部16に設定した場合を示している。なお、ここでは、説明の都合上、前記切断装置13における上流側のA列上のシャッタ99で切断される食品9を9Wとして白丸で示し、前記切断装置13における下流側のB列上のシャッタ99で切断される食品9を9Bとして黒丸で示した。
【0040】
前記切断装置13に備えられた千鳥状のシャッタ99によって一斉に切断された9個の食品9(9W、9B)は、前記切断装置13の下方位置において千鳥状に前記搬送装置15上に載置される。そして、前記搬送装置15が前記食品9を前記間隔P1の分だけ搬送すると、前記切断装置13における上流側のA列上の前記シャッタ99により切断された白丸で示された食品9Wは、前記切断装置13のB列の位置まで搬送される。そして、前記切断装置13が新たな食品9(9W、9B)を切断すると、新たに切断された食品9Bは、前回の切断動作時に切断された食品9Wの隣に間隔P2を開けて配置される。したがって、従来に比べ前記搬送装置15の幅方向に沿った食品9同士の間隔をさらに狭めることができるため、搬送装置に対する単位面積当たりの配列個数を多くすることができ、生産効率を向上させることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る食品製造装置1について図面を用いて説明する。図8は、食品製造装置1に備えられた切断装置14を概略的に示す説明図であり、(a)図は上面説明図、(b)図は(a)図におけるJ−J段面矢視による側面説明図である。図9は、切断装置14及び搬送装置15の動作を概略的に示す説明図である。なお、上記第1の実施の形態と同一の機能を奏する構成要素には同一の符号を付することとして重複した説明は省略する。
【0042】
前記切断装置14には、シャッタ部92が備えられている。シャッタ部92には、4個のシャッタ片98から構成されるシャッタ100が10組備えられている。前記シャッタ100は、円周上に等間隔(本例の場合には4等分割上)に配置された回動軸96に取り付けられ、前記回動軸96の往復回動により水平方向に揺動するものである。そして、前記シャッタ100は、4個の前記シャッタ片98にて囲まれて形成される開口部102を開閉自在に備えている。前記シャッタ100は、ベースプレート104に千鳥状に配列されている。つまり、前記シャッタ100は、前記搬送装置15の幅方向に沿って、間隔P3を開けて平行に配置されたC列及びD列の2つの列上に5組ずつ配列されている。また、前記シャッタ100は、前記幅方向に向かって等間隔に間隔P4を開けて1行目乃至10行目上に配置されている。したがって、各列上のシャッタ100は、間隔P4の2倍の間隔を開けて配置されると共に、前記C列上のシャッタ100に対し前記D列上のシャッタ100が間隔P4の間隔分だけ位置ずれして配置されている。つまり、前記C列上と前記D上に配置される隣接した前記シャッタ100は、それぞれ間隔Dを開けて千鳥状に配置されている。なお、前記重合ノズル装置25の前記重合ノズル部71は、10組の前記シャッタ99とそれぞれが対応する位置に配列されている。また、本実施の形態においては、説明の都合上、前記切断装置14において上流側に配置されたC列上で切断される食品9Wを白丸で示し、下流側に配置されたD列上で切断される食品9Bを黒丸で示している。
【0043】
前記シャッタ100の配置に関して詳述する。前記シャッタ100において、間隔Dを開けて斜め方向に隣接する2組のシャッタについて各シャッタ片98と回動軸96の配置について説明する。例えば、C列上で1行目に配置されたシャッタ100とD列上で2行目に配置されたシャッタ100を参照すると、それらのシャッタ100の中間に配置された回動軸96には、1行目の前記シャッタ100の前記シャッタ片98と、2行目の前記シャッタ100の前記シャッタ片98とが両方取り付けられている。さらに、2行目のシャッタ100とC列上で3行目に配置されたシャッタ100を参照すると、それらのシャッタ100の中間に配置された回動軸96には、2行目の前記シャッタ100の前記シャッタ片98と、3行目の前記シャッタ100の前記シャッタ片98とが両方取り付けられている。そして、幅方向に隣接する1行目のシャッタ100と3行面のシャッタ100を参照すると、それらの間に配置された回動軸96には、1行目乃至3行目の各シャッタ100のシャッタ片98が3個備えられている。このように、互いに隣接するシャッタ100を構成するシャッタ片98はその回動軸96を共用する構成となっている。
【0044】
前記シャッタ100の開閉機構について説明する。前記回動軸96の長手方向の中間位置には、前記シャッタ片97が前記回動軸96と一体的に取り付けられている。また、前記回動軸96の下端側には、前記回動軸96の下端軸部96Aが前記ベースプレート104に軸受106を介して回動自在に軸支されている。さらに、前記回動軸96の上端側には、前記下端軸部96Aに対し偏心した位置に偏心軸96Bが備えられている。そして、前記偏心軸96は、上部プレート110に軸受108を介して回動自在に軸支されている。このように、全ての回動軸96が前記ベースプレート104と前記上部プレート110との間で回動自在に支持されている。したがって、前記上部プレート110は、前記ベースプレート104に対し、水平面内を円弧の軌跡をたどるように移動可能に備えられている。そして、前記上部プレート110が円弧上を往復移動することにより、全ての前記回動軸96が一斉に往復回動することとなり、前記回動軸96に取り付けられた前記シャッタ片97が同期して揺動することとなる。
【0045】
また、前記切断装置14の両端側には、前記ベースプレート104と前記上部プレート110との間に上下二段のリニアガイド部材112,114がプレート116を介して取り付けられている。上段のリニアガイド部材112は、前記搬送装置15の幅方向に沿ってレールが前記上部プレート110に取り付けられている。また、下段のリニアガイド部材114は、前記搬送装置15の搬送方向に沿ってレールが前記ベースプレート104に取り付けられている。そして、前記リニアガイド部材112のスライダーと前記リニアガイド部材114のスライダーとが前記プレート116を介して結合されている。このようにして、前記上部プレート110が前記ベースプレート104に対し移動自在に支持されている。
【0046】
前記ベースプレート104の下面には、前記駆動部93に備えられた昇降軸95A及び昇降軸95Bにそれぞれねじなどの結合具により結合される結合部115A及び結合部115Bが備えられている。前記昇降軸95Aは、昇降動作すると共にその内部に図示されない回動軸を備えている。そして、前記結合部115Aの内部には、前記昇降軸95Aの回動軸に連結され、前記回動軸の回動に伴って回動する駆動軸118が前記ベースプレート104の上面より突出して備えられている。前記駆動軸118には、前記昇降軸95Aの回動軸に連結される連結軸部118Aと、その上端側に、前記連結軸部118Aに対し偏心した位置に偏心軸118Bが備えられている。この偏心量は、前記回動軸96に備えられた下端軸部96Aと偏心軸96Bとの偏心量と同じに備えられている。そして、前記偏心軸118Bは、軸受120を介して前記上部プレート110に回動自在に軸支されている。
【0047】
上記説明から理解できるように、前記駆動軸118が往復回動し、前記駆動軸118の偏心軸118Bが前記連結軸部118Aを中心として、そこから偏心した位置で往復動することにより、前記上部プレート110が円弧上を往復移動する。そして、前記上部プレート110に回動自在に軸支された前記回動軸96が一斉に往復回動することとなり、前記回動軸96に取り付けられた前記シャッタ片97が同期して揺動することとなる。したがって、10組の前記シャッタ100の開口部102が同期して開閉動作される。図9に示されたシャッタ100は、図8(a)に示された前記駆動軸118が所要角度右回転した状態を示すものであり前記開口部102が開口している。その後、前記駆動軸118が前記所要角度左回転することにより図8(a)に示された前記開口部102が閉口した状態に戻ることとなる。
【0048】
次に、図9に示した前記切断装置14の切断動作と前記搬送装置15の搬送動作の関係について説明する。なお、図9においては、前記上部プレート110の左側半分を取り外した態様で示してある。図9では、前記切断装置14の1回の切断動作に対する前記搬送装置15の搬送距離を前記間隔P3となるよう前記制御部16に設定した場合を示している。つまり、前記切断装置14に備えられた千鳥状のシャッタ100によって一斉に切断された10個の食品9(9W、9B)は、前記切断装置14の下方位置において千鳥状に前記搬送装置15上に載置される。そして、前記搬送装置15が前記食品9を前記間隔P3の分だけ搬送すると、前記切断装置14における上流側のC列上の前記シャッタ100により切断された白丸で示された食品9Wは、前記切断装置14のD列の位置まで搬送される。そして、前記切断装置14が新たな食品9を切断すると、新たに切断された食品9Bは、前回の切断動作時に切断された食品9Wの隣に間隔P4を開けて配置される。したがって、従来に比べ前記搬送装置15の幅方向に沿った食品9同士の間隔をさらに狭めることができるため、搬送装置に対する単位面積当たりの配列個数を多くすることができ、生産効率を向上させることができる。
【0049】
本発明の実施の形態に係る食品製造装置1に関する説明は概ね上記の通りであるが、これに限ることなく、様々な変更が可能である。例えば、上記説明においては、重合ノズル装置25の押出ノズルを形成する重合ノズル部71及び切断装置13,14のシャッタ99,100をそれらの長手方向に沿った2つの列(A列及びB列,C列及びD列)上に5口あるいは4口を千鳥状に配列したが、それらの口数は、一方が2口以上で、他方が1口以上で同数あるいは1口差で備えればよい。さらには、両列に同数の配列であっても、従来の装置と比べてノズルやシャッタの取り付け時のコンパクト化や構造の簡略化の効果を得ることができる。また、前記切断装置13,14の1回の切断動作に対する前記搬送装置15の搬送距離を搬送方向に沿って並ぶ食品9同士が互いに干渉しない範囲にて設定してもよく、前記搬送装置15の搬送方向に沿った食品9同士の間隔をさらに狭めることができる。このように、従来に比べ食品9同士の間隔を狭めることができるため、搬送装置15に対する単位面積当たりの配列個数を多くすることができ、生産効率を向上させることができる。また、前記棒状食品11を2種の外皮材5,6で内包材7を覆うよう説明したが、各食品素材を層状にして押し出されたものでもよく、さらには、1種の食品素材だけであってもよく、それぞれに対応した押出ノズルを備えればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 食品製造装置
3 押出装置
5 第1食品素材、第1外皮材
6 第2食品素材、第2外皮材
7 第3食品素材、内包材
9,9B,9W 食品
11 棒状食品
13,14 切断装置
15 搬送装置
97,98 シャッタ片
99,100 シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品素材を複数の棒状食品にして押出す押出装置と、前記棒状食品から食品を切断するシャッタを備えた切断装置と、前記食品を載置して搬送する搬送装置、前記各装置の駆動を制御する制御装置を備えた食品製造装置において、前記押出装置は前記棒状食品を押出す複数の押出ノズルを前記搬送装置の搬送方向に直交する前記搬送装置の幅方向に沿って千鳥状に配列すると共に、前記切断装置は、前記押出ノズルの下方位置にて前記押出ノズルのそれぞれに対応するシャッタを千鳥状に配列し、前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を制御可能に備えていることを特徴とする食品製造装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を順次切断される前記食品が互いに干渉しない範囲に制御可能に備えていることを特徴とする請求項1に記載の食品製造装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記切断装置の1回当たりの切断動作に対する前記搬送装置の搬送距離を前記搬送装置の搬送方向に沿ったシャッタの間隔(P1,P3)と同じに制御することを特徴とする請求項1に記載の食品製造装置。
【請求項4】
押出装置にて食品素材を複数の棒状食品にして押出し、切断装置に備えられたシャッタにて前記棒状食品から食品を切断し、前記食品を搬送装置に載置して搬送する食品製造方法において、前記搬送装置の搬送方向に直交する前記搬送装置の幅方向に沿って前記押出装置に備えられた複数の押出ノズルから前記棒状食品を千鳥状に押出すと共に、前記押出ノズルの下方位置にて前記押出ノズルのそれぞれに対応するよう配列されたシャッタにて前記棒状食品から前記食品を切断し、前記搬送装置にて前記食品を順次搬送することを特徴とする食品製造方法。
【請求項5】
前記切断装置によって順次切断される前記食品が搬送装置に載置される際に、前記食品が互いに干渉しないように前記搬送装置にて搬送することを特徴とする請求項4に記載の食品製造方法。
【請求項6】
前記切断装置によって順次切断される前記食品が搬送装置に載置される際に、前記食品の前記搬送方向に沿った載置間隔が、前記シャッタが搬送方向に沿って配置された前記間隔(P1,P3)と同じに前記搬送装置にて搬送することを特徴とする請求項4に記載の食品製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−16344(P2012−16344A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186043(P2010−186043)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】