説明

食材をコーティングするための組成物および方法

【課題】 カチオンの影響下の組成物およびゲルの中で負に荷電した第1の多糖を含む食材をコーティングするための組成物、ならびに食材をコーティングするための方法を提供すること。
【解決手段】 食材をコーティングするための組成物が記載され、ここでこの組成物は、第1の多糖および少なくとも1つの第2の多糖を含有し、この第1の多糖は、カチオンの影響下のこの組成物およびゲル中で負に荷電しており、そしてこの第2の多糖はこの組成物中で中性である。食用コーティングを製造するために方法、および食材をコーティングするための方法がまた記載される。第1の命名された方法により形成されるコーティングおよびこのようなコーティングを含む食材がさらに開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物中において負に荷電しており、カチオンの影響下でゲル化する第1の多糖を含む食材をコーティングするための組成物、ならびに食材をコーティングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーセージ材料のような食材を、例えば、コーティング(以下でまたコーティング組成物として言及され、そしてこれはまた「ソーセージケーシング(sausage casing)」と呼称される)でコーティングすることが食品産業において一般に知られている。このようなコーティングのために、例えば、同時押し出し成形(co−extrusion)によってか、またはコーティング組成物中に食材を浸すことによってか、もしくはコーティング組成物を食材上に噴霧することによって、直接的に液体形態で適用され得る組成物が使用される。コーティングはまた、押し出し成形(extrusion)によって製造され、次いでこのコーティングは、食材で満たされる。
【0003】
このコーティングは、食材をゲル化剤と接触させることによって、(必要に応じて食材への塗布後に)通常はゲル化され、このコーティング材料がゲル化する結果として、それにより所望の硬度を得る。同時押し出し成形の場合、例えば、このゲル化は、同時押し出し成形後に生じる。このコーティングが押し出し成形後に形成された場合、例えば、このコーティングは、食材が詰められる前にゲル化される。
【0004】
特に、押し出し成形または同時押し出し成形の場合、このコーティング組成物のレオロジー特性および特に粘度は、重要な役割を担う。この粘度が低すぎる場合、この組成物は、ゲル化する前に溶解し、その結果、粘着性のコーティングが形成され得る。高すぎる粘度は、押し出し成形の際の問題およびこのコーティングの望ましくない波形状に至り得る。この理由のために、ゲル化可能成分は別として、コーティング組成物は、一般に粘度を制御する成分を含有する。
【0005】
NL−C−102 930によると、水分および多糖アルギナートを含むコーティング組成物が公知であり、この組成物は食材の周囲に同時押し出し成形について適切である。しかし、このようなアルギナート組成物は、コーティング組成物として不十分であることが見出され、なぜなら、これらは、これらの組成物が押し出し成形のために所望されるレオロジー特性を満たさないためである(例えば、低アルギナート含有量(4w/w%)に起因して、NL−C−102 930に従う組成物の粘度は低すぎ(18℃において±30Pa.s)て、同時押し出し成形において満足な結果を伴って適用できない。
【0006】
受容可能な粘度を得るために、次いでアルギナート含有量を増加する試みが当該分野において行われたが、所望の粘度は、少なくとも8w/w%のアルギナート含有量によってのみ達成されることが見出された。しかし、このようなアルギナート含有量は、ゲル化するときに強すぎるゲル形成が生じ、見た目の悪い外観を持つ食材に至り;このコーティングの波形状および亀裂の危険性が大変高くなるという不利益を有する。技術的な観点からのこのようなアルギナートコーティングは、食品調製に対して満足のいかない粘着性を示し、その結果、相当ゆるい(loose−fitting)アルギナートコーティングが周りに存在する食品が得られることがまた見出されている。
【0007】
コラーゲンに基づいたコーティングはまた、当該分野において一般的に公知であり、そしてこれらは、数十年の間で使用されてきており、例えば、NL−A−690339、EP−A−0 619 077およびWO−93/12660が参照される。
【0008】
しかし、同時押し出し成形の場合は特に、コラーゲンは、このコーティングの食材に対する塗布の後に、このコラーゲン層は高度に脆弱であり、水分の除去およびこのコラーゲンの架橋によって、硬化させる必要があるという不利益を有する。水分の除去は、一般にブライン浴中で生じるが、この架橋は、スモーキングによるか、または液状スモーク(liquid smoke)、その活性架橋成分、またはスモーク誘導体を用いて、化学反応において一般的に生じる。これに関連して、WO 93/12660が参照される。例えば、グルタルアルデヒドのような他の適切な架橋剤が、当該分野において一般に公知である。しかし、上述した処理は、コーティングされる製品またはコーティングされるべき製品の味に不必要な影響を与える。
【0009】
コラーゲンを含む食材コーティングの別の重大な不利益は、このコラーゲンが動物起源であり、従って、例えば、菜食主義者用食品および適法(kosher food)食品に不適切であることである。
【0010】
動物起源のタンパク質を適用することついてさらなる重大な不利益は、動物製品、従って、動物性タンパク質はまた、公衆衛生に対するいかなる危険をも回避するために、例えば、BSEまたはブタコレラのような疾患が問題の動物において見出された場合、通常禁止されるという事実である。さらに、ウシタンパク質は、例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病のようなヒトに伝染可能な疾患のキャリアであり得る。上記のような観点において、動物タンパク質の送達の信頼性、および動物性タンパク質を含むコーティング材料の信頼性は、不利に影響され、とりわけ、これは、多くの国内法規のもとで、製造者はその製品が健康な動物に由来することを証明し得なければならないためである。
【0011】
コラーゲンのこれらの不利益のために、いずれのコラーゲンも含有しないコーティング組成物が生産されている。このようにして、WO−99/55165は、負に荷電したゲル化可能多糖とタンパク質との組み合わせを含む、無コラーゲンのコーティング組成物生物を記載し、ここで、この多糖およびタンパク質の両方は、ゲル化可能成分として、ならびにこの粘度の制御のために働き得る。この目的のために、このような組成物は、10w/w%以上のタンパク質(これはまた、動物起源であり得る)を含む。
【0012】
このような量のタンパク質がコーティング組成物に組み込まれる場合、これは、しばしば、次善の特性を有するコーティングに至る。従って、このコーティング組成物を押し出し成形後に架橋する必要性があり、これは、既に上述したように、食品の味に影響を与え得、そして、このコーティングされた食品が、例えば、煮たり、または油で加熱調理されたりした場合に、多くのタンパク質がこのコーティングを着色する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、所望のレオロジー特性を有するコーティング組成物を提供することが本発明の目的であり、このレオロジー特性はタンパク質には依存せずに処方され得、このレオロジー特性を有する、十分に頑強かつ適切なコーティングが、食品産業において通常使用される押し出し成形または同時押し出し成形の技術を使用して形成され得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
驚くべきことに、この目的は、上記の型の食材のための改善されたコーティング組成物を通して達成され、ここで、この組成物は、少なくとも1つの第2の例えば、この組成物中で中性な多糖を含む。「中性の多糖」という概念は、当該分野で一般に公知であり;これは、いずれの荷電基も本質的に含まず、好ましくは荷電基を含まない多糖を意味する。この中性多糖は、多糖に基づいたコーティング組成物を使用するときに食品産業で通常使用されるpH値で非荷電である。従って、組成物中で、pH値は、例えば、アルギナートが使用される場合、好ましくは、4.0と9.5との間にあり;ペクチンが使用され場合、このpHは、好ましくは、2.0と9.5との間にある。特にアルギナートが使用される場合、これらのpH値は、より好ましくは、4.5と7.5との間にあり、さらにより好ましくは4.0と6.0との間にあり、さらにより好ましくは、4.5と5.5との間にあり、そして最も好ましくはこのpHは、5.0である。
【0015】
このようなpH値で中性である多糖を組み込むことによって、押し出し成形または同時押し出し成形に必要とされるレオロジー特性を保持するコーティング組成物を得ることが可能である。中性多糖は、ゲル化可能多糖のゲル化に本質的に悪影響を与えることなしに、この組成物の適切な粘度を設定することについて突出して適切であることが見出された。従って、本発明は、多糖に基づくコーティング組成物を提供することが可能であり、この組成物を用いて、十分な頑強さを保持し、かつその後の処理における損傷に対して本質的に脆弱ではないコーティングが製造される。適切な中性多糖の例は、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルセルロースおよびガラクトマンナン(例えば、グアールガム、タラガム(tara gum)およびイナゴマメミール(carob meal))である。
【0016】
「ゲル化に悪影響を与えない」という表現は、関連性のある(例えば、アルギナートのような)中性多糖をゲル形成性多糖の溶液中に添加することによって、ゲル形成性多糖のゲル化は、中性多糖の非存在下でゲル化が当該分野で通常の方法において実施された場合に匹敵する方法かつ匹敵する程度で可能であることを意味する。
【0017】
用語「多糖」はまた、多糖の塩および酸ならびにそれらの組み合わせ、ならびに2以上の多糖の組み合わせの塩および酸を含む。本発明に従うコーティング組成物の多糖は、好ましくは食用の多糖であり、これは食用コーティングを提供するためである。
【0018】
本発明に従う組成物でコーティングされ得る食材は、当該分野で一般的に公知であり、この食材としては、例えば、種々の型のソーセージおよび他の肉類製品および魚介類製品または例えば、野菜および/もしくはチーズを含む製品の生産のためのペースト様の食品調製物が挙げられる。
【0019】
本発明の別の利点は、このコーティングはいかなるタンパク質も含む必要がなく、その結果、タンパク質を含むコーティングの上述の不利益(例えば、この製品が煮られるか、そして/または油で加熱調理される場合のコーティングされた食材の着色)が回避されるということである。
【0020】
本発明に従う組成物を用いて、食材に対する十分なコーティングを得ることが可能であり、このコーティングにおいて、タンパク質(特にコラーゲン)の不利益(例えば、水分除去および架橋に関連する不利益)は未然に防がれ得、これによって、装置および生成時間における著しい節約が生じ得る。このコーティングは、ゲル化後に架橋される必要がないので、本発明に従う組成物を用いて、コーティングスキンを生鮮品に提供することがまた可能であり、このコーティングスキンとは、生鮮品上においてコラーゲンに基づくコーティング組成物を用いた場合にはほとんど可能ではないこと(これは、味に栄養を与える液状スモークを用いる架橋反応に起因する)が見出されているものである。
【0021】
カチオンの影響下でゲル化する負に荷電した多糖(本明細書中で、ゲル形成性多糖と呼称する)は、当該分野で一般に公知であり、そしてこれらの多糖は、食品産業において数十年間使用されてきた。このような多糖、またはその塩もしくは酸は、通常、コーティング組成物中に溶解し、そして、この多糖は、カチオンを含有する溶液とこの多糖とを接触させることによってゲル化する。このカチオンは、ゲル形成性多糖との静電相互作用を受け、この結果として、後者は、カチオンと共に不溶性複合体を形成し、従ってゲル化が生じる。使用される多糖に基づいて、一価または二価のカチオンが、この目的のために当業者に公知のように適用される。従って、例えば、カラゲーニンはKイオンの存在下でゲル化し、そしてアルギナートは、二価イオン(好ましくは、Ca2+イオン)の存在下でゲル化することが公知である。
【0022】
本発明に従うコーティング組成物において、第一の多糖は、好ましくは、アルギナート、ペクチン、カラゲーニンまたはその2以上の組み合わせからなる群より選択される。上記多糖(特にアルギナート)は、本発明に従うコーティング組成物におけるゲル形成性多糖としての用途について高度に適切であることが見出されている。
【0023】
ペクチンがゲル形成性多糖として使用される場合、好ましい形態は低エステル化(low−esterified)ペクチンであり、この中でペクチンのカルボン酸基のうち50%未満が、メチル基でエステル化される(メチルアルキレート)。この低エステル化ペクチンは、良質なコーティングスキンを形成することについて高度に適切であることが見出されている。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 食材をコーティングするための組成物であって、該組成物は、該組成物中において負に荷電しており、カチオンの影響下でゲル化する第1の多糖を含んでおり、該組成物が、該組成物の中で中性である少なくとも1つの第2の多糖を含むことで特徴付けられる、組成物。
(項目2) 前記第1の多糖がアルギナート、ペクチン、カラゲーニンまたはその組み合わせからなる群より選択されることで特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目3) 前記第1の多糖がアルギナートを含むことで特徴付けられる、項目1または2に記載の組成物。
(項目4) 前記組成物が、1〜7w/w%、好ましくは2〜4w/w%、そして最も好ましくは2.3〜3.0w/w%の第1の多糖を含有することで特徴付けられる、項目3に記載の組成物。
(項目5) 前記第2の多糖は、ガラクトマンナンを含むことで特徴付けられる、項目1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
(項目6) 項目5に記載の組成物であって、前記ガラクトマンナンが、グアールガム、イナゴマメガムまたはその組み合わせからなる群より選択されることによって特徴付けられる、組成物。
(項目7) 前記ガラクトマンナンが、グアールガムを含むことで特徴付けられる、項目6に記載の組成物。
(項目8) 項目5〜7のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物が2〜10w/w%、好ましくは3〜6重量のガラクトマンナンを含有することで特徴付けられ、該ガラクトマンナンは好ましくはグアールガムである、組成物。
(項目9) 温度が20℃のときに、前記組成物の粘度は80〜100Pa.sであることで特徴付けられる、項目1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
(項目10) 項目1〜9のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物のpHが4.0と9.5との間、好ましくは4.0と7.5との間、より好ましくは、4.0と6.0との間、さらにより好ましくは4.5と5.5との間、そして、最も好ましくは5であることで特徴付けられる、組成物。
(項目11) 前記組成物が、0〜4w/w%のタンパク質を含有することで特徴付けられる、項目1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
(項目12) 食材、特にソーセージ製品のための食用コーティングであって、該コーティングは、少なくとも1つの第1の多糖および第2の中性の多糖を含有し、該第1の多糖は、カチオンの影響下でゲル化している、コーティング。
(項目13) 食用コーティングを製造する方法であって、該方法は、以下の工程:
a)項目1〜11のいずれか1項に記載のコーティング組成物の押し出し成形を行い、押し出し成形された組成物を得る工程、および
b)該押し出し成形された組成物とゲル化剤とを接触させ、ゲル化コーティングを形成する工程、
を包含する、方法。
(項目14) 前記工程a)のコーティング組成物がコーティングされる食材の周囲に同時押し出し成形されることで特徴付けられる、項目13に記載の方法。
(項目15) 前記工程b)後の組成物をpHが3以下である酸性環境にもっていくことで特徴付けられる、項目13〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16) 項目15に記載の方法であって、前記酸性環境が、液状スモーク、その成分もしくはその誘導体、乳酸、酢酸、またはそれらの2以上の組み合わせを含有することで特徴付けられる、方法。
(項目17) 項目13〜16のいずれか1項に記載の方法であって、形成される前記コーティングを溶液と接触させることで特徴付けられ、該溶液は、0.1〜0.5w/w%、好ましくは0.25w/w%の酢酸、0.1〜0.5w/w%、好ましくは0.25w/w%の乳酸、および0.1〜1.0w/w%、好ましくは0.5w/w%の液状スモークまたはその誘導体を含む、方法。
(項目18) 項目13〜17のいずれか1項に記載の方法によって獲得可能な、コーティング。
(項目19) 項目12または項目18に記載のコーティングを含む、食材。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、本発明に従う組成物のゲル形成性の第一の多糖は、アルギナートを含有する。アルギナートは、例えば、コーティングが(例えば、このコーティングされた食品を煮たり、油で加熱調理したりした場合の)高温に曝露される得るが、このコーティングの良好な特性(例えば、可撓性、強度および伸縮性)は、保持されるという利点を有する。さらに、アルギナートは、良好なゲル化特性を有する。
【0025】
良好、頑強かつ平滑なコーティングを得るために、本発明に従うコーティング組成物は、1〜7w/w%、好ましくは2〜4w/w%、そして最も好ましくは2.3〜3.0w/w%の第一の多糖(好ましくはアルギナート)を有利に含む。
【0026】
このコーティング組成物の好ましい実施形態において、第二の多糖は、ガラクトマンナンを含む。ガラクトマンナンは、粘度を制御するために高度に適切であることが見出されている(この粘度は、押し出し成形または同時押し出し成形において特に重要であり、ゲル形成性多糖のゲル化を実質的に与えず、これは、上記のpH範囲におけるガラクトマンナンの中性特性に起因する)。ガラクトマンナン上の電荷の欠如によって、ガラクトマンナンがゲル化の間のゲル化剤とゲル形成性多糖との間の静電相互作用に関与することが防止される。ガラクトマンナンの例は、イナゴマメガム、タラガムおよびグアールガムであり、グアールガム、イナゴマメガムまたはその組み合わせが好ましい。
【0027】
従って、ガラクトマンナン(特にグアールガム)は、この粘度を適切な値にするために高度に適切であり、所望の頑強性および感触を作り出すために適切な量のゲル化可能多糖をこの組成物に組み込むことが可能である。粘度は、特に同時押し出し成形のための適切な方法において制御され得るが、ゲル形成性多糖(特に、アルギナート)の良好なゲル化特性は、保持される。
【0028】
非常に有利な実施形態において、コーティング組成物中のガラクトマンナンは、グアールガムを含む。実際、グアールガムは、他のガラクトマンナンとは違って、低温、すなわち4℃のときに可溶性であるという利点を有し、この結果として、多くの他の多糖を溶解するために必要な加熱工程を省くことができるためにコーティング組成物の処理可能性が改善され、それは所望の処理温度で機能する。これは、時間およびエネルギーにおける節約を提供する。
【0029】
この組成物が、2〜10w/w%、好ましくは3〜6w/w%のガラクトマンナン(好ましくはグアールガム)を含有し、最適なコーティングが得られ得ることが見出された。ガラクトマンナンがこれらの濃度で使用される場合、この組成物の粘度は、押し出し成形または同時押し出し成形について非常に適切である方法で制御され得ることが実際に見出され、最適なコーティングを形成するために適切な量のゲル化多糖をその組成物に組み込むことが可能である。
【0030】
コーティング組成物の粘度は、好ましくは、温度が20℃であるときに80〜110Pa.sであり、その結果、この組成物は、押し出し成形および同時押し出し成形のために非常に効率的に使用され得る。
【0031】
当業者は、この粘度はまた、組成物の温度に依存していることを認識している。従って、例えば、低い作業温度(0〜5℃)において、所望の粘度を達成するために、より少ない量の中性多糖が添加される必要がある。
【0032】
コーティングまたはコーティング組成物で同時押し出し成形された食品、グアールガムおよびアルギナートを含有するコーティング組成物が、最適なコーティングスキンであるか、またはこれらを含み、この最適なコーティングスキンは頑強性および感触に関して、タンパク質に基づいた現行のコーティングに匹敵するか、もしくはこれらに勝りさえする。グアーガムおよびアルギナートを含むコーティング組成物で同時押し出し成形が行われたのは、グアーガムおよびアルギナートを含むコーティング組成物は最適なコーティングスキンを含み、頑強性および感触において、このコーティング組成物は現行のタンパク質に基づくコーティングに匹敵するか、または、これらに勝りさえする。従って、アルギナートおよびグアーガムを含むコーティングスキンを有する食品は、このコーティングが損傷を受けることなく、油で加熱調理さえされ得る。これは、タンパク質コーティング(例えば、同時押し出し成形されたコラーゲンコーティング)を有する製品では、ほとんど可能ではない。
【0033】
上で説明されたように、この組成物は、タンパク質を含まないコーティング組成物を形成するために著しく適切である。好ましい実施形態において、この組成物およびコーティングはまた、それゆえに、タンパク質を含まない。しかし、所望される場合、この組成物は、タンパク質を含有し得る。
【0034】
本発明に従う特定の実施形態において、この組成物は、0〜4w/w%のタンパク質を含む。このような少量のタンパク質は、多数の有利な理由のためにコーティング組成物に組み込まれ得る;これは、例えば、コーティングと食材との間の結合を促進し得る。特に、球状タンパク質(例えば、コラーゲン)は、この目的に適していることが見出されている。このようなタンパク質をコーティング組成物に組み込むことによって、コーティングスキンとコーティングされた食品調製物との間の結合は、特に同時押し出し成形の場合において、改善され得、その結果、スキンの食料成分への改善された接着が獲得される食品が、獲得される。コーティング組成物が、0.5〜2.5w/w%、好ましくは、1〜1.5w/w%のタンパク質(例えば、コラーゲン)を含む場合、最適な接着特性を有する組成物が獲得される。この組成物において、コラーゲンは、結合タンパク質として主に作用し、そしてコーティングの頑強性において役割を果たさない。ゲル化アルギナートは、コーティングスキンの頑強性を保証する。この関係において、ゲル化後のコーティングは、上記接着特性を獲得するために、好ましくは、例えば、同時押し出し成形後にコーティングを架橋すること、およびゲル化して液状スモーク、その活性架橋成分またはスモーク誘導体と接触させることによって、このタンパク質の架橋反応に供されることが指摘されるべきである。この関係において、タンパク質の存在下でのコーティング組成物のpHは、6.5と8.5との間であることがまた見出されている。なぜなら、このpH範囲の外では、同時押し出し成形において必要であるコーティング組成物の結合特性は、より低い程度で獲得されるからである。この目的のために、この組成物は、好ましくは、引き続く架橋反応の観点で緩衝化され、これは、一般に、酸性条件下で生じる。適切な緩衝液の好ましい例は、有機緩衝系、特に、乳酸/乳酸塩、クエン酸/NaOHおよび酢酸/酢酸塩緩衝液である。
【0035】
タンパク質はまた、より食品に(特に色に関する)魅力的な外観を与えるために、組み込まれ得る。次いで、タンパク質成分は、好ましくは、多くとも1w/w%であり、この濃度において、このタンパク質は、一般に、コーティングスキンの構造に対して本質的に寄与せず、従って架橋反応は、通常必要ではない。多くとも4w/w%の成分において、タンパク質は、コーティング組成物の粘度およびゲル化特性に本質的に寄与しない(すなわち、多くとも無視できる寄与をする)。
【0036】
コーティング組成物はまた、湿潤剤(例えば、グリセロール)、プロピレングリコール、食用オイルまたはエタノールを含み得る。湿潤剤は、コーティングの粘稠度、特に、可塑性にプラスとなる効果を有する。湿潤剤含量は、好ましくは、2〜8w/w%である。この組成物はまた、当該分野で一般に公知である他の添加物(例えば、着色剤および芳香族物質)、保存剤および/または抗菌剤を含み得る。
【0037】
詳細には、本発明は、食材(特に、ソーセージ製品)のための食用コーティングに関連し、コーティングは、少なくとも第1の多糖(これは、カチオンの影響下でゲル化する)および第2の中性多糖を包含する。このようなコーティングは、当該分野で慣例的な任意の様式で使用および処理され得、本発明に従うコーティングが任意の所望の特性を当業者に公知の様式で、弾性、脆弱性、空気および/または水分および/または脂質に対する透過性、ならびに破壊力に関する限りで、獲得することは可能である。
【0038】
本発明はまた、食用コーティングを製造するための方法に関連し、この方法は、以下:
a)押し出されたコーティング組成物を獲得するために、本発明に従ってコーティング組成物を押し出す工程;および
b)ゲル化コーティングを形成するために、押し出された組成物をゲル化剤と接触させる工程、
を包含する。
【0039】
本発明に従う方法は、所望のゲル化が、所望の品質を有するコーティングの形成と共に生じ得るような量のゲル化多糖をこの組成物中に組み込むこと、およびこの組成物が適切なレオロジー特性(例えば、粘度)を獲得するような量の中性多糖を、この組成物中に組み込むことによって、最適な条件下で、押し出しプロセスを用いて最適なコーティングを得ることを可能にする。この組成物の押し出しおよびゲル化後、得られたコーティングは、1つ以上のさらなる処理(例えば、乾燥、このコーティングのコーティング(例えば、この組成物が食材によって影響されるのを防ぐために)、またはコーティングを部分に切断すること)に供され得る。次いで、食品調製物(好ましくは、ペースト様調製物)は、このコーティングに組み込まれ得る。
【0040】
本発明の魅力的な実施形態は、上記のような方法で、同時押し出し成形の手段によって食材の製造を提供し、ここで、工程a)におけるコーティング組成物は、コーティングされる食材のまわりで同時押し出し成形される。本発明に従うコーティング組成物の非常に適切なレオロジー特性およびゲル化特性のために、後者は、同時押し出し成形について非常に効率的に使用され得る。同時押し出し成形の利点の1つは、完全な食材(コーティングを含む)が、連続的なプロセスで非常に迅速に製造され得ることである。
【0041】
特に、アルギナートを含むコーティングが形成される場合(これは、好ましい)、ゲル化剤は、好ましくは、二価のカチオン、より好ましくは、アルカリ土類金属のカチオン、およびより好ましくは、Ca2+イオンを含む。この関係において、水溶性の塩、好ましくは、アルカリ土類の塩(例えば、マグネシウムの塩)、またはより好ましくは、カルシウムの塩は、好ましくは、ゲル化剤として使用される。
【0042】
同時押し出し成形された食品をゲル化剤と接触させることは、通常、塩化カルシウム、乳酸カルシウムまたは酢酸カルシウムを含む槽(Ca2+イオンの濃度は、通常、0.5Mである)中に、同時押し出し成形された食品を浸すことによって、同時押し出し成形直後に生じる。ゲル化はまた、同時押し出し成形された食品を、いくつかの他の様式(例えば、カルシウム含有溶液を用いる噴霧または伝播)でカルシウムイオンと接触させることによって、生じ得る。
【0043】
同時押し出し成形された食品は、通常、槽の温度が約20℃でありそしてカルシウムイオン濃度が約0.5Mの状態で、Ca2+を含む槽と5〜10秒間、接触される。
【0044】
本明細書中に与えられる教示を考慮して、当業者は、同時押し出し成形に最適のコーティング組成物を提供するために、発明の技術なしで、本発明に従うコーティング組成物の所望のレオロジー特性(例えば、粘度)を獲得するために適切な量を選択し得る。
【0045】
コーティングされた食材中の利用可能な水の量(これはまた、aW値として当該分野で表される)(これは、0と1との間で変化し得る)は、本発明に従うコーティングの安定性において有意な役割を果たすことが見出されている。aW値は、好ましくは、できるだけ低い。大量の利用可能な水(高いaW値)が存在する場合、不要な水輸送が存在し、従って食品とコーティングとの間のイオン輸送が存在する。このような状態において、ゲル化に使用される二価のカチオンは、例えば、食材由来の一価のカチオンによって、コーティング中で交換され得、この結果、多糖および二価のカチオンの不溶性複合体は、崩壊しそして溶解する。これは、いわば、ゲル化プロセスの逆転であり、そしてコーティングの溶解および喪失を生じ得る。特に、コーティング食材におけるリン酸ナトリウムは、一価のカチオンの供給源である。上記の崩壊プロセスはまた、Ca2+結合物質(例えば、二リン酸塩および三リン酸塩)の存在下で生じ、これらは、食品産業において一般に使用される。
【0046】
コーティングのイオン交換、およびそれに従う分解はまた、利用可能な水の量を制限することによって妨げられる。このことは、例えば、コーティング後に食材を乾燥すること、コーティングされた食材を冷凍すること、または利用可能な水の量が制限される食品調製物(例えば、当該分野で公知の英国風朝食のソーセージについてのソーセージペースト、または乾燥ソーセージ型)を選択することによって達成され得る。
【0047】
ゲル化多糖をゲル化する食材カチオン(例えば、カルシウム)に添加することによって、コーティングの溶解を妨げることがまた可能であり、その結果、上述の不利益な交換が制限される。食材が水性環境に維持される場合(例えば、缶詰ソーセージまたは漬けたソーセージの場合)、このようなカチオンが水性環境に組み込まれる場合と同じ効果が獲得され得る。ゲル形成性多糖(例えば、アルギナート)はまた、ゲル化に不利であるカチオンを隔離するために、食材に添加され得る。しかし、これらの添加物は、食材の食味および/または生地に不利な影響を与え得る。
【0048】
驚くべきことに、本発明に従って製造されたコーティング食材のコーティングの安定性は、ゲル化後にコーティングされた食材を、酸性環境(そのpHが3以下である)にすることによって増加され得る。この目的のために、コーティングされた食材は、例えば、酸性溶液で噴霧され得るか、または酸性溶液中に浸され得る。このような溶液は、好ましくは、液状スモーク、その成分もしくは誘導体、酢酸もしくは乳酸、またはその2つ以上の組み合わせを含み得る。しかし、当業者は、コーティングスキンの安定性を改善するために、他の適切な酸性溶液を容易に提供し得る。
【0049】
酸性環境は、好ましくは、酸性スモーク、その成分または誘導体を含む。いずれの説明に束縛されることは考慮されずに、これらの成分は、コーティング中の架橋タンパク質(例えば、コラーゲン)の存在下で生じるものと異なり、コーティング中に存在する多糖の架橋反応において役割を果たさないが、コーティングされた食材中に存在するタンパク質との架橋反応を起こす。
【0050】
コーティングに永続性の頑強性を与えるために、コーティングされた食材またはコーティングされる食材の遊離カチオン含有量に関わらず、本発明の好ましい実施形態において、形成されたコーティングは、溶液(0.1〜0.5、好ましくは0.25w/w%酢酸、0.1〜0.5、好ましくは0.25w/w%乳酸、および0.1〜1.0、好ましくは0.5w/w%液状スモークまたはスモーク誘導体を含む溶液)と接触される。
【0051】
本発明に従うコーティング組成物は、所望される場合、食材に部分的にのみ適用され得、部分的にコーティングされた食材のみ獲得し得ることに注意すること。
【0052】
本発明はまた、本発明に従う方法によって獲得可能なコーティング、ならびにこのようなコーティングを含む食材に関連する。このコーティングは、多数の適用を有し、そして例えば、切り口の茶色の変色を妨げるため、そしてより長い新鮮さを保証するために、例えば、ソーセージ製品、切られた野菜製品をコーティングするため、ならびに葉菜のような食材を(部分的に)保護するために使用され得る。
【0053】
本発明は、いくつかの実施例によって、以下により詳細に説明される。述べられたパーセントは、他に示されないかぎり、重量%である。
【0054】
(実施例)
(ソーセージ生地の調製)
10.3重量部の赤身の豚肉および14.7重量部の頚部を、3mmの肉ひき機によってみじん切りにする。これと、2.7重量部の氷、0.018重量部の亜硝酸硬化塩、0.002重量部のリン酸塩、0.001重量部のアスコルビン酸、0.001重量部の香味エンハンサー、0.003重量部の白コショウ、0.001重量部のメース、0.0005重量部のコエンドロ、および0.001重量部のショウガと混合し、その後、所望の程度の細かさまでのブレンドを実施する。
【0055】
(菜食主義者のソーセージ充填物の調製)
菜食主義者のソーセージ充填物の調製のために、3つの乾燥混合物を最初に製造する:
重量%
混合物1 卵タンパク質 18
コムギタンパク質 32
ミルクタンパク質 38
普通の塩 12
混合物2 コムギ線維 25
タピオカデンプン 75
混合物3 テキスチャード加工コムギ 50
野菜および薬草 50
15重量部の混合物1を、均一になるまで、14重量部のオイルとブレンドし、次いで55重量部の水を、混合物1とブレンドし、その後、7重量部の混合物2を添加し、均一になるまで、ブレンドする。最終的に、9重量部の混合物3を添加し、そして低速で混合した。この様式で調製された菜食主義者のソーセージ生地は、このケーシングのための充填物として使用する。
【0056】
(比較実施例1)
Hobartベーカリーミキサーにおいて、生地フックと適合した、500gのナトリウムアルギナート(Manugel DMB−Kelco)を、500gのプロピレングリコールと混合する。次いで、9000gの水を徐々に添加する。水の添加後、混合を、機械の最も高いポジションで、さらに15分間実行する。引き続いて、この生成物を、Stephan高速カッター中で減圧下にて脱気する。生成物は、5%アルギナートを含み、そして15Pa.sの見かけの粘度を有する。STORK−MPS同時押し出し成形機におけるこの生成物のさらなる加工は可能ではない。なぜなら、粘度が低すぎるためである。生成物は、機械から流出し、そして均一なコーティングフィルムに作製され得ない。
【0057】
(比較実施例2)
800gのアルギナートを、800gのプロピレングリコールと混合することを除き、比較実施例1と同じであり、その後、8400gの水を徐々に添加する。生成物は、8%アルギナートを含み、そして85Pa.sの見かけの粘度を有する。生成物を、STORK−MPS同時押し出し成形機中で、上記のソーセージ生地または菜食主義者のソーセージ生地と共に押し出す。直径15mmを有して形成されたソーセージを、5% CaCl溶液を5秒間通過させ、その後、これを10cmの単位に分ける。次いで、生成物を、75℃で20分間予め乾燥する。最終的に、この生成物を、蒸気クッカー中85℃で10分間、予熱する。冷却後、これらを真空パックする。結果:最初のスキン形成は、満足のいくものである。しかし、形成されたゲルは、非常に強力であり、予め乾燥している間に非常に縮むので、生成物は、特に末端において破れ(tear open)、そして充填物が出てくる。
【0058】
(実施例1)
250gのアルギナートおよび500gのグアールガムを、750gのプロピレングリコールと混合することを除き、比較実施例2と同じであり、その後、8500gの水を徐々に添加する。生成物は、2.5%アルギナートおよび5gのグアールガムを含み、そして100Pa.sの見かけの粘度を有する。この生成物を、比較実施例2に記載されるようにさらに処理する。結果:生成物は、良好な均一のコーティングスキンを形成し、このコーティングスキンは、ゲル化直後に高い機械的抵抗を有し、そして乾燥および低温殺菌後にインタクトなままである。形成されたソーセージは、十分に閉じた末端を有し、充填物の漏れはなかった。最終生成物は、滅菌、ベーキング、ボイルおよび油での加熱調理の間に、その完全性を保持する。
【0059】
(実施例2)
実施例2は、プロピレングリコールの添加なしで、コーティング組成物をディッシュカッター中で製造することを除き、実施例1と同じである。従って、この生成物は、2.5%アルギナートおよび5gのグアールを含み、そして105Pa.sの見かけの粘度を有する。生成物をさらに処理した後、実施例1に記載される結果に匹敵する結果を生じる。
【0060】
(実施例3)
実施例3は、ディッシュカッターで、250gのアルギナートおよび350gのグアールガムを、7400gのpH7.5のリン酸緩衝液/乳酸緩衝液中で溶解することを除き、実施例2と同じである。次いで、これと、5%のタンパク質含量を有する2000gのコラーゲン組成物(430SCL−PV industries)を、完全に混合する。生成物は、2.5%アルギナート、3.5%のグアールガム、および1%コラーゲンタンパク質を含む。これは、95Pa.sの見かけの粘度および6.7のpHを有する。生成物を、実施例2に記載されるようにさらに処理する。結果:生成物は、良好な均一のコーティングスキンを形成し、このコーティングスキンは、ゲル化直後に高い機械的抵抗を有し、そして乾燥および低温殺菌後にインタクトなままである。形成されたソーセージは、十分に閉じた末端を有し、充填物の漏れはなかった。さらに、ケーシングのこの成分への接着は、非常に改善された。最終生成物は、滅菌、ベーキング、ボイルおよび油での加熱調理の間に、その統合性を保持する。
【0061】
(実施例4)
実施例4は、ディッシュカッターで、200gのアルギナートおよび250gのグアールガムを、5550gのpH7.5のリン酸緩衝液/乳酸緩衝液中で溶解することを除き、実施例3と同じである。次いで、これと、5%のタンパク質含量を有する4000gのコラーゲン組成物を、完全に混合する。この生成物は、2%アルギナート、2.5%のグアールガム、および2%コラーゲンタンパク質を含む。これは、90Pa.sの見かけの粘度および6.5のpHを有する。コラーゲンの架橋を促進するために、少量の液状スモーク誘導体(2%)をゲル化槽に添加することを除き、実施例2に記載されるように、生成物をさらに処理する。結果:生成物は、良好な均一のコーティングスキンを形成し、このコーティングスキンは、ゲル化槽直後に適切な機械的抵抗を有し、その結果、このシステムの輸送の間にベルトの跡は生じなかった。このソーセージは、十分に閉じた末端を有し、ケーシングは、乾燥および低温殺菌後の成分への良好な接着を与える。
【0062】
(実施例5)
(押し出し成形によるソーセージケーシングの調製)
9250gの水をディッシュカッターに配置する。機械が起動した後、250gのナトリウムアルギナート(manugel DMB−Kelco)をゆっくりと添加する。添加後、機械を、最も高いポジションで5分間動かす。次いで、その中で、25gの50%乳酸および25gの50%酢酸を混合する。引き続き、450gのグアールガムを、均一なペーストが獲得されるまでブレンドする。この生成物を、Stephan高速カッター中で減圧下にて脱気する。
【0063】
このペーストは、95Pa.sの見かけの粘度および4.9のpHを有する。このペーストを、同心性の押し出しダイと適合したソーセージ充填機械で圧縮し、この中央開口部を、閉鎖する(間隙の幅は、このシステムにおいて0.35mmである)。
【0064】
従って、10バールの圧力で、「ペーストシリンダー」は、20mmの直径を有して形成される。押し出しダイを通りすぎた直後、ペーストを、5%CaCl溶液で噴霧することによって凝固する。シリンダーの形状は、空気を吹き込むことによって維持される。ソーセージスキンを、最終的に、50℃で1.5時間乾燥する。乾燥したスキンは、55ミクロンの厚さを有する。
【0065】
従って、「コーティング」は、以前に記載されたソーセージ生地および菜食主義者のソーセージ生地で充填される。次いでこのソーセージを、種々の処理(例えば、ボイル、ベーキングおよび油での加熱調理)に供する。全ての場合において、スキンは、その統合性を維持し、そしてソーセージは、魅力的な外観を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2011−103896(P2011−103896A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−37638(P2011−37638)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2002−520640(P2002−520640)の分割
【原出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(503074094)ダブリュー. ルイテンバーグ シーゼットエヌ. エヌ.ブイ. (1)
【Fターム(参考)】