説明

飲料容器の嫌気開栓器

【課題】飲料容器を密封状態のままにして飲料容器内の飲料の導出を可能にする飲料容器の嫌気開栓器を提供すること。
【解決手段】ビール缶1を密封状態のままにしてビール缶1内のビールの導出を可能にする嫌気開栓器において、ビール缶1の口部1bのキャップ13にシール機構を介して気水密に被着される被着部材40Kと、炭酸ガスカートリッジに接続される炭酸ガス供給管15と、ビール缶内のビールを導出するビール導出管17と、口部に対して気水密性を維持しつつ進退移動可能に形成され、キャップを切り裂いてビール缶内に突入可能に形成される刃部18Bと、を具備し、シール機構を、被着部材に摺動可能に設けられ、キャップの頂部に密接するOリング32Bと、被着部材に設けられ、炭酸ガス供給路及びビール導出路を具備する被着基部材と刃部を形成する刃部材を取り付ける刃部取付部材との間に介在されるシールパッキン32Cとで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料容器の嫌気開栓器に関するもので、更に詳細には、例えばビール等の飲料容器を密封した状態のまま開栓する飲料容器の嫌気開栓器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば2リットルあるいは3リットル入りのビール容器(以下にビール缶という)内のビールを飲む場合、ビール缶の口部を閉塞する蓋部例えばキャップを取り外した後、加圧気体供給源例えば炭酸ガスカートリッジに接続する加圧気体(炭酸ガス)供給路と、弁体及びノズルと接続する飲料導出路とを具備する装着体を、ビール缶の開口部に装着するビールサーバが使用されている。このビールサーバによれば、上記装着体をビール缶の開口部に装着した状態で、炭酸ガスカートリッジから加圧気体例えば炭酸ガスをビール缶内に供給すると共に、レバーによって弁体を操作して所定量のビールをグラスやジョッキに注ぐことができ、ビール容器を設置したままビール容器内のビールを注出することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のビールサーバにおいては、ビール缶の口部からキャップを取り外して、加圧気体(炭酸ガス)供給路と飲料導出路を具備する装着体をビール缶の口部に装着するため、装着体の装着時にビール缶内に空気が侵入してしまう。ビール缶内のビールを飲みきってしまう場合は問題はないが、ビール缶内にビールを残しておき、時間をおいて再度飲むような場合には、ビール缶内に侵入した空気中の酸素によってビールが酸化して旨味が低下するという問題があった。この問題は、ビール以外の飲料においても同様の問題である。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、飲料容器を密封状態のままにして飲料容器内の飲料の導出を可能にする飲料容器の嫌気開栓器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、飲料容器の口部を密封する蓋部を密封状態のままにして飲料容器内の飲料の導出を可能にする飲料容器の嫌気開栓器であって、 上記飲料容器の口部における少なくとも上記蓋部にシール機構を介して気水密に被着される被着手段と、 加圧気体供給源に接続されて上記飲料容器内に加圧気体を供給する加圧気体供給手段と、 上記飲料容器内の飲料を導出する飲料導出手段と、 上記加圧気体供給手段の供給路及び飲料導出手段の導出路を具備すると共に、上記口部に対して気水密性を維持しつつ進退移動可能に形成され、上記蓋部を切り裂いて上記飲料容器内に突入可能に形成される刃部と、を具備し、 上記シール機構は、上記被着手段に摺動可能に設けられ、上記蓋部の頂部に密接するOリングと、上記被着手段に設けられ、上記加圧気体供給手段の供給路及び飲料導出手段の導出路を具備する被着基部材と上記刃部を形成する刃部材を取り付ける刃部取付部材との間に介在されるシールパッキンとで構成されることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の飲料容器の嫌気開栓器において、上記被着手段は、飲料容器の口部を包囲する外装筒体と、この外装筒体内に摺動可能に嵌挿され、上記蓋部の下端部に係脱可能に係合する内装筒体と、この内装筒体に摺動可能に嵌挿され、上記Oリングを具備する押え部材と、上記内装筒体の内周面に螺合する下部回転操作筒体と、この下部回転操作筒体の内周面に螺合する上部回転操作筒体と、この上部回転操作筒体の内周面に回転可能に嵌挿される上記被着基部材と、この被着基部材の下部に上記シールパッキンを介して取り付けられる上記刃部取付部材と、を具備することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の飲料容器の嫌気開栓器において、上記刃部は、先端中央に尖先状刃先部を具備すると共に、刃先部から刃基部側に向かって傾斜する面にそれぞれ開口する加圧気体供給路及び飲料導出路を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の飲料容器の嫌気開栓器において、上記刃部は、円筒状の刃基部と、この刃基部の下端部から突出する円錐状部と、この円錐状部の先端を貫通すると共に、上記刃基部の中心部に延在され、かつ、先端に傾斜状の刃先部を有する円筒部と、を具備し、上記円筒部に加圧気体供給路を連通し、上記円錐状部に形成された飲料導出口に飲料導出路を連通してなることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の飲料容器の嫌気開栓器において、上記被着手段を下端部に位置させた状態で飲料容器を倒立保持する保持手段を更に具備することを特徴とする。
【0010】
上記のように構成することにより、飲料容器の一部又は口部に被着手段を気水密に被着した状態で、加圧気体供給手段及び飲料導出手段を、被着手段に対して気水密性を維持しつつ移動し、飲料容器の一部又は蓋部を切り裂いて飲料容器内に突入させることができる。したがって、飲料容器内に空気が侵入するのを阻止(嫌気)して飲料容器内の飲料を導出することができ、飲料容器内の飲料を分けて飲むことができる(請求項1,2)。
【0011】
また、蓋部を切り裂いて飲料容器内に突入可能に形成される刃部に、先端中央に尖先状刃先部を設けると共に、刃先部から刃基部側に向かって傾斜する面に、それぞれ加圧気体供給路と飲料導出路を開口することにより、加圧気体供給路を通って飲料容器内に供給される加圧気体が飲料導出路に短絡されて泡を巻き込むことなく、飲料容器内の飲料を加圧して導出することができる(請求項3)。
【0012】
また、刃部は、円筒状の刃基部と、この刃基部の下端部から突出する円錐状部と、この円錐状部の先端を貫通すると共に、刃基部の中心部に延在され、かつ、先端に傾斜状の刃先部を有する円筒部と、を具備し、円筒部に加圧気体供給路を連通し、円錐状部に形成された飲料導出口に飲料導出路を連通することにより、飲料導出内における加圧気体供給部と、飲料導出部とを離して設けることができるので、飲料容器内に供給される加圧気体が飲料導出路に短絡されて泡を巻き込むことなく、飲料容器内の飲料を加圧して導出することができる(請求項4)。
【0013】
加えて、被着手段を下端部に位置させた状態で飲料容器を倒立保持する保持手段を更に具備することにより、被着手段を被着した飲料容器を倒立状態に保持することができるので、飲料容器内の飲料の全てを導出することができる(請求項5)。
【発明の効果】
【0014】
以上に説明したように、この発明の嫌気開栓器は、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0015】
(1)請求項1,2記載の発明によれば、飲料容器の一部又は口部に被着手段を気水密に被着した状態で、加圧気体供給手段及び飲料導出手段を、被着手段に対して気水密性を維持しつつ移動し、飲料容器の一部又は蓋部を切り裂いて飲料容器内に突入させることができるので、飲料容器内に空気が侵入するのを阻止(嫌気)して飲料容器内の飲料を導出することができる。したがって、飲料容器内に飲料が残った場合にも嫌気状態を維持することができるので、飲料容器内の飲料の味を低下させずに飲料を分けて飲むことができる。
【0016】
(2)請求項3記載の発明によれば、蓋部を切り裂いて飲料容器内に突入可能に形成される刃部に、先端中央に尖先状刃先部を設けると共に、刃先部から刃基部側に向かって傾斜する面に、それぞれ加圧気体供給路と飲料導出路を開口することにより、加圧気体供給路を通って飲料容器内に供給される加圧気体が飲料導出路に短絡されて泡を巻き込むことなく、飲料容器内の飲料を加圧して導出することができる。
【0017】
(3)請求項4記載の発明によれば、刃部は、円筒状の刃基部と、この刃基部の下端部から突出する円錐状部と、この円錐状部の先端を貫通すると共に、刃基部の中心部に延在され、かつ、先端に傾斜状の刃先部を有する円筒部と、を具備し、円筒部に加圧気体供給路を連通し、円錐状部に形成された飲料導出口に飲料導出路を連通することにより、飲料導出内における加圧気体供給部と、飲料導出部とを離して設けることができるので、飲料容器内に供給される加圧気体が飲料導出路に短絡されて泡を巻き込むことなく、飲料容器内の飲料を加圧して導出することができる。また、飲料注出時において、加圧気体供給路の供給口を飲料導出口より上方に位置させるので、加圧気体が飲料導出路内に浸入するのを防止することができる。
【0018】
(4)請求項5記載の発明によれば、被着手段を下端部に位置させた状態で飲料容器を倒立保持する保持手段を更に具備するので、被着手段を被着した飲料容器を倒立状態に保持することができ、飲料容器内の飲料の全てを導出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、この発明の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、飲料容器がビール容器である場合で、この発明の嫌気開栓器をビールサーバに適用した場合について説明する。
【0020】
◎参考実施形態
図1は、この発明に係る嫌気開栓器の参考実施形態を適用したビールサーバの使用状態を示す断面図、図2は、ビールサーバの要部を示す平面図、図3は、嫌気開栓器の開栓前の状態を示す断面図、図4は、嫌気開栓器の開栓状態を示す断面図である。
【0021】
上記ビールサーバは、保冷対象物であるビールBを収容する例えば2〜3リットル入りのアルミニウム製のビール容器1(以下にビール缶1という)を収容する断熱性を有するビールサーバ本体を構成する容器2と、ビール缶1内に加圧気体例えば圧縮ガスを供給する加圧気体供給源である炭酸ガスカートリッジ3と、ビール缶1内のビールBを注出する泡出し機構を内蔵するタップ4と、容器2の側壁に組み込まれるペルチェ素子5,放熱器6,ファン7及びコントローラ8からなる冷却手段9と、この発明の嫌気開栓器20と、ビール缶1を倒立状態に保持する保持手段10とで主要部が構成されている。なお、容器2の開口部2aには、蓋12が着脱可能に閉塞されている。この蓋12の内側下面には、ビール缶1の底面に形成された凹部1aに係合する保持用凸部12aが設けられている(図1参照)。また、容器2におけるタップ4の下方側にはジョッキJを載置する受け皿11が設けられている(図1参照)。
【0022】
上記容器2と蓋12は、例えば、一対のアルミニウム製化粧板間に発泡ポリウレタン等の断熱材を介在した断熱構造になっている。また、容器2は、ビール缶1を収容する第1の収容室2bと、炭酸ガスカートリッジ3を収容する第2の収容室2cを具備している。なお、第2の収容室2cの外方側には、予備の炭酸ガスカートリッジ3Aが取付可能になっており、図示しない切換弁によって炭酸ガスカートリッジ3と予備の炭酸ガスカートリッジ3Aとが使い分けできるようになっている。
【0023】
上記嫌気開栓器20は、図3及び図4に示すように、ビール缶1の一部、例えば蓋部13(以下にキャップ13という)が密封されたビール缶1の口部1bにシール機構30を介して気水密に被着される被着手段である被着部材40と、炭酸ガスカートリッジ3又は3A(加圧気体供給源)に炭酸ガス供給チューブ14を介して接続される加圧気体供給手段である炭酸ガス供給管15と、ビール導出チューブ16を介してタップ4に接続されるビール缶1内のビールBを導出する飲料導出手段であるビール導出管17とを具備してなる。また、加圧気体供給手段すなわち炭酸ガス供給管15及び飲料導出手段すなわちビール導出管17は、口部1bに対して気水密性を維持しつつ進退移動可能に形成されると共に、キャップ13を切り裂いてビール缶1内に突入可能に形成されている。
【0024】
上記被着部材40は、ビール缶1の口部1bの外方を包囲する下部円筒体41と、この下部円筒体41の外周上部に刻設された雄ねじ部42に螺合する雌ねじ部43を有する上下移動可能な上部円筒体44と、上部円筒体44の上部に設けられた内向きフランジ44aに回転可能に嵌合されると共に、炭酸ガス供給管15及びビール導出管17を貫通保持する断面略逆U字状の覆い部材45と、この覆い部材45の下端部と下部円筒体41の下部内周側部に両端が嵌合固定されると共に、ビール缶1の口部1bの下方に形成された首部1c及びキャップ13の下端部に係合可能な可撓性を有する例えば合成ゴム製の略円筒状の係合シール部材31とを具備してなる。また、覆い部材45の水平部の下面に周設された周溝46には、キャップ13の上面に密接可能な例えば合成ゴム製のOリング32が嵌着されている。上記係合シール部材31とOリング32とでシール機構30が構成されている。また、下部円筒体41と上部円筒体44の外周面には、それぞれ外方に向かって突出する少なくとも2以上の下部ハンドル部47a、上部ハンドル部47bが設けられている。
【0025】
なお、上記下部円筒体41、上部円筒体44及び覆い部材45は、それぞれ合成樹脂製部材にて形成されている。
【0026】
上記炭酸ガス供給管15とビール導出管17は、例えばステンレス管にて形成され、それぞれ覆い部材45の頂部45aに貫通された取付孔48a,48b内に嵌挿されて覆い部材45の下方に突出しており、取付孔48a,48bの上部に連なるねじ孔49a,49bにパッキン50を介してねじ結合される継手51a,51bを介して炭酸ガス供給チューブ14、ビール導出チューブ16が接続されている。この場合、ねじ孔49a,49bの下端にはテーパ部(図示せず)が設けられており、略円形断面を有するパッキン50は継手51a,51bがねじ孔49a,49bにねじ込まれることにより、テーパ部及び継手51a,51bの下面に押圧されると共に、変形されて炭酸ガス供給管15又はビール導出管17に密接することで、両管15,17の抜けを防止している。
【0027】
また、炭酸ガス供給管15とビール導出管17の下端すなわちキャップ13と対向する端部には、それぞれ管軸線に対して鋭角に切断された尖鋭刃部18が形成されている。これら尖鋭刃部18は、上記上部円筒体44及び覆い部材45の下降に伴ってキャップ13の一部に裂け目をつけると共に、キャップ13を切り落とさずに切り裂いて炭酸ガス供給管15とビール導出管17をビール缶1内に突入させるようになっている。
【0028】
なお、炭酸ガス供給管15内には、ビール缶1を逆さにした場合に、ビール缶1内のビールBが炭酸ガスカートリッジ3又は3A側に逆流するのを防止するための逆止弁19が介設されている(図3及び図4参照)。
【0029】
上記保持手段10は、図1及び図2に示すように、ビール缶1の第1の収納室2aの底部に例えばねじ(図示せず)によって固定される取付座10aの対向する2辺から起立する一対の断面円弧状の保持板10bとで構成されており、両保持板10bによってビール缶1の肩部が保持されるようになっている。この場合、保持板10bの頂部には、異なる大きさ例えば3リットルあるいは2リットル入りのビール缶1をそれぞれ保持し得るように段部10cが設けられている。
【0030】
上記のように構成される嫌気開栓器20をビール缶1の口部1bに取り付けるには、まず、図3に示すように、ビール缶1の口部1bに下部円筒体41と覆い部材45を覆うようにして被着する。次に、下部円筒体41の下部ハンドル部47aを手で押さえながら上部ハンドル部47bをもって上部円筒体44を回転して上部円筒体44を下降させると、この上部円筒体44の下降に伴って覆い部材45が回転しない状態で下降し、この覆い部材45の下降に伴って係合シール部材31が内方側に屈曲して口部1bに密封されたキャップ13の下端部に係合(密接)して口部1bを気水密にシールする。更に、覆い部材45が下降し続けると、炭酸ガス供給管15とビール導出管17は気水密性を維持しつつ下降し、尖鋭刃部18がキャップ13に突き当たってキャップ13の一部に裂け目をつけると共に、キャップ13を切り落とさずに切り裂いて炭酸ガス供給管15とビール導出管17がビール缶1内に突入する。この状態においてOリング32がキャップ13の上面に密接するので、ビール缶1内のビールBが外部に漏れるのを阻止することができる。また、万一、Oリング32を通って外部側にビールBが流れたとしても、係合シール部材31によって外部への漏れを阻止することができる。
【0031】
上記のようにして、ビール缶1の口部1bに嫌気開栓器20を装着した後、ビール缶1を天地逆にし、ビール缶1の肩部を保持手段10の保持板10bにて支持し、容器2の開口部2aに蓋12を閉塞して、蓋12に設けられた保持用凸部12aをビール缶1の底部下面の凹部1aに係合させてビール缶1を倒立状態に保持することができる(図1参照)。この状態で、炭酸ガスカートリッジ3(3A)の開閉弁(図示せず)を開放し、また、受け皿11上にジョッキJを載置あるいはジョッキJを手で持った状態で、タップ4を操作してジョッキJ内にビールBを注出することができる。
【0032】
また、ビール缶1内にビールBが残った状態で、次にビールBを飲むときまで保管する場合は、炭酸ガスカートリッジ3(3A)の開閉弁(図示せず)を閉止しておく。この保管状態においても、ビール缶1の口部1bに被着部材40が気水密に被着されているので、ビール缶1内に空気が侵入することがなく、嫌気状態を保持することができる。したがって、ビールBの味を低下させずに保管することができる。
【0033】
◎第1実施形態
図5は、この発明の嫌気開栓器の第1実施形態の使用状態を示す要部断面図、図6は、第1実施形態の嫌気開栓器を示す分解断面図、図7は、第1実施形態の嫌気開栓器の取付の途中の状態を示す断面図、図8は、第1実施形態の嫌気開栓器の取付状態を示す断面図である。
【0034】
第1実施形態は、ビールBの導出時にビールB中に泡が生じるのを防止するようにした場合である。すなわち、ビール缶1内に供給される加圧気体である炭酸ガスがビール導出側に短絡してビール中に泡立ちが生ずるのを防止するようにした場合である。
【0035】
第1実施形態の嫌気開栓器20Kは、ビール缶1の口部1bを密閉するキャップ13に気水密に被着される被着部材40Kと、炭酸ガスカートリッジ3に接続されてビール缶1内に加圧気体である炭酸ガスを供給する加圧気体供給手段400(以下に炭酸ガス供給部400という)と、炭酸ガス供給部400から供給される炭酸ガスにより加圧されたビール缶1内のビールBをタップ4の開閉操作により選択的に導出する飲料導出手段500(以下にビール導出部500という)と、炭酸ガス供給部400及びビール導出部500におけるキャップ13と対向する端部に形成されて、キャップ13を切り裂いてビール缶1内に突入可能な刃部18Bとを具備する。
【0036】
上記被着部材40Kは、ビール缶1の口部1bの外方を包囲する外装筒体410と、この外装筒体410内に摺動可能に嵌挿され、下部にキャップ13の下端部に係脱可能に係合する係合片420を具備する内装筒体430と、この内装筒体430内に摺動可能に嵌挿され、下端面にキャップ13の頂部に密接する断面矩形状のOリング32B(シール機構)を具備する押え部材440と、内装筒体430の内周面に設けられた雌ねじ部431にねじ結合する雄ねじ部451を外周面に設けると共に、内周面に雌ねじ部452を設け、かつ上部外周部に回転操作用凹凸部453を具備する下部回転操作筒体450と、下部回転操作筒体450の内周面に設けられた雌ねじ部452に螺合する雄ねじ部461を外周に設け、上部外周部に回転操作用凹凸部462を具備する上部回転操作筒体460と、上部回転筒体460の内周面に回転可能に嵌挿される被着基部材470と、この被着基部材470の下部に装着されると共に、下部回転操作筒体450の内周面との間にシールパッキン32C(シール機構)を介して取り付けられる刃部取付部材480とで主に構成されている。この場合、外装筒体410、内装筒体430、押え部材440、下部回転操作筒体450、上部回転操作筒体460、被着基部材470及び刃部取付部材480は、それぞれ合成樹脂製部材にて形成されている。なお、Oリング32Bとシールパッキン32Cとでシール機構が構成されている。
【0037】
上記外装筒体410は、図9に示すように、筒状本体411の下端部の内方に内向きフランジ412を延在し、内向きフランジ412の内周縁部には、下部に係合段部413を有する環状起立片414を突設してなり、また、筒状本体411の一側部には、後述するガイドピン600を摺動可能に嵌挿するガイド溝415が軸方向に設けられている。
【0038】
また、内装筒体430は、図10に示すように、内周面に雌ねじ部431を刻設した筒状本体432と、この筒状本体432の下端部の内方にばね受け段部433を介して垂下される筒状の係合片420とで主に構成されている。この場合、筒状本体432の一側には段付きのガイドピン600の小径部601の取付孔434が設けられている。また、ばね受け段部433の下面には、環状のばね受け435が周設されている。更には、ばね受け段部433の対向する2箇所には、対向側に開口する凹状段部436が設けられている。なお、取付孔434に嵌合されるガイドピン600の大径部602は、上記外装筒体410のガイド溝415内に摺動可能に嵌挿される。また、係合片420は、周方向に適宜間隔をおいて複数例えば8個のスリット421が下方に開口した状態で設けられて、径方向に弾性変形可能に形成されており、下端部には、ビール缶1のキャップ13の下端部に係脱可能に係合する係合爪422が設けられている。
【0039】
上記のように構成される外装筒体410の内向きフランジ412と、内装筒体430のばね受け435との間にコイルばね491が縮設されて、外装筒体410に対して内装筒体430が常時外方側に押圧されるように構成されている。
【0040】
また、下部回転操作筒体450は、図11に示すように、外周面に、内装筒体430の内周面に設けられた雌ねじ部431にねじ結合する雄ねじ部451を設け、内周面に上部回転操作筒体460の外周面に設けられる雄ねじ部461に螺合する雌ねじ部452を設けた筒状本体454と、この筒状本体454の上端部に設けられて、外装筒体410の上端部に係合可能な外向きフランジ455と、この外向きフランジ455の外周部に設けられる回転操作用凹凸部453とで構成されている。
【0041】
また、上部回転操作筒体460は、図12に示すように、外周面に、下部回転操作筒体450の内周面に設けられた雄ねじ部452と螺合する雄ねじ部461を設けた筒状本体463と、この筒状本体463の上端から外方に向かって延在する外向きフランジ464と、外向きフランジ464の外周面に設けられる回転操作用凹凸部462とで構成されている。
【0042】
また、被着基部材470は、図13に示すように、下端外周部に、上部回転操作筒体460の下端部に係合する係合フランジ471を突設した円柱状に形成されている。この被着基部材470には、加圧気体供給手段を構成する炭酸ガス供給路15Bと、飲料導出手段を構成するビール導出路17Bとが互いに平行に貫通した状態に設けられている。炭酸ガス供給路15Bの内方側開口部15aは、下方に開口するガス受け凹所15bに開口しており、このガス受け凹所15b内に突出する内方側開口部15aには、ビール缶1内のビールBが逆流するのを阻止する逆止弁19が装着されている。また、炭酸ガス供給路15Bの外方側開口部15cには、カプラ14aを介して炭酸ガス供給チューブ14が着脱可能に接続されている。ビール導出路17Bの外方側開口部17aには、カプラ16aを介してビール導出チューブ16が着脱可能に接続されている。また、被着基部材470の下端側には、炭酸ガス供給路15B及びガス受け凹所15bと連通するガス連通路15dと、ビール導出路17Bに連通するビール連通路17bが下方に向かって開口した状態で設けられている。また、被着基部材470の下端部外周面には、シール機構を構成するシールパッキン32Cの取付溝472が周設されており、下端部の対向する2箇所には、雌ねじ部を有する取付孔473が設けられている。
【0043】
また、刃部取付部材480は、図14に示すように、下部小径部481と上部大径部482とからなる段付き円柱状に形成されており、中心部には、上部が拡径の段付き刃部材取付孔483が貫通されている。この刃部取付部材480は、対向する2箇所に貫通孔484が穿設されており、これら貫通孔484内を貫挿する取付ねじ485を被着基部材470の下端面に設けられた取付孔473に螺合することによって、刃部取付部材480と被着基部材470とが固定されるようになっている(図15参照)。また、刃部材取付孔483の拡径孔部483aの一側面には軸方向に沿う案内凸条485が突設されており、この案内凸条485に刃部材18aに設けられた係合溝18bを係合させるようにして刃部18Bを形成する刃部材18aが刃部取付部材480に取付られている。
【0044】
この場合、刃部材18aは、図14及び図15に示すように、上部に外向きフランジ18cを有する円柱状の刃基部18dと、この刃基部18dの下端部から突出する先端中央が尖先状の刃先部18eと、刃先部18eから刃基部18d側に向かって傾斜する面にそれぞれ開口する加圧気体供給手段を構成する炭酸ガス供給路15C及び飲料導出手段を構成するビール導出路17Cとを具備してなる。
【0045】
このように構成される刃部材18aは、刃部取付部材480の刃部取付孔483内に嵌挿され、刃先部18eが下方に突出した状態に取り付けられた状態で、被着基部材470に設けられたガス連通路15dとビール連通路17bに、それぞれ炭酸ガス供給路15Cとビール導出路17Cが連通されている。
【0046】
また、押え部材440は、図10に示すように、刃部取付部材480を摺動可能に嵌挿する上部が拡径する段付きの嵌挿孔441を有すると共に、下端面にOリング32Bの装着溝442を周設し、外周面の対向する2箇所に外側凸条443を軸方向に沿って突設してなる。この場合、嵌挿孔441の拡径段部444に刃部取付部材480の下部小径部481と上部大径部482の段部が係合されるようになっている。また、外側凸条443は、内装筒体430のばね受け段部433の対向する2箇所に設けられた凹状段部436に摺動可能に係合されるようになっている。
【0047】
このように構成される押え部材440は、外側凸条443を内装筒体430の凹状段部436内に係合させた状態で、押え部材440の上端面が、内装筒体430に螺合される下部回転操作筒体450の下端面と係合される状態で組み付けられる。
【0048】
第1実施形態において、その他の部分は上記参考実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して、説明は省略する。
【0049】
第1実施形態の嫌気開栓器20Kを用いてビール缶1を嫌気開栓するには、まず、図6に示すように、上部回転操作筒体460を上方側に移動させた状態で、炭酸ガス供給部400の外方側開口部15cにカプラ14aをもって炭酸ガス供給チューブ14を接続すると共に、ビール導出路17Bの外方側開口部17aにカプラ16aをもってビール導出チューブ16を接続する。この状態で、図7に示すように、外装筒体410を押し上げて内装筒体430の係合片420に設けられた係合爪422をキャップ13の下端部に係合させて外装筒体410の押し上げを解除して、被着部材40Kをビール缶1の口部1bに被着する。この状態では、Oリング32Bは、キャップ13の上方に位置している。
【0050】
次に、下部回転操作筒体450に設けられた回転操作用凹凸部453をもって下部回転操作筒体450をねじ込むと、まず、Oリング32Bがキャップ13の上端部に密接して気水密状態(嫌気状態)にする(図7参照)。この状態で、下部回転操作筒体450の外向きフランジ455が外装筒体410の上端部に係合するので、係合爪422はキャップ13の下端部に確実に係合し、外装筒体410が固定される。その後、上部回転操作筒体460の雄ねじ部461を下部回転操作筒体450の雌ねじ部431にねじ込んで、被着基部材470と共に刃部取付部材480を下方に移動させると、図8に示すように、刃部材18aの先端がキャップ13の頂部に突き刺さってキャップ13の上端を切り裂き、更に上部回転操作筒体460を回転して刃部材13を下方に移動させることにより、刃部材13の少なくとも傾斜状先端部がビール缶1内に突入することで、キャップ13の頂部が外気と遮断すなわち嫌気された状態で開栓される。
【0051】
上記のように、炭酸ガス供給部400とビール導出部500を被着部材40Kの被着基部材470に設け、被着基部材470の係合フランジ471に係合する上部回転操作筒体460を、内装筒体430とねじ結合することにより、被着基部材470と炭酸ガス供給部400及びビール導出部500を回転させずに、上部回転操作筒体460のみを正逆回転させて、炭酸ガス供給部400とビール導出部500をビール缶1の口部1bのキャップ13に対して進退移動させることができる。
【0052】
上記のようにして、ビール缶1の口部1bに嫌気開栓器20Kを装着した後、ビール缶1を天地逆にし、ビール缶1の肩部を保持手段10の保持板10bにて支持し、参考実施形態と同様に、容器2の開口部2aに蓋12を閉塞して、蓋12に設けられた保持用凸部12aをビール缶1の底部下面の凹部1aに係合させてビール缶1を倒立状態に保持する(図5参照)。この状態で、炭酸ガスカートリッジ3(3A)の開閉弁(図示せず)を開放し、また、受け皿11上にジョッキJを載置あるいはジョッキJを手で持った状態で、タップ4を操作してジョッキJ内にビールBを注出することができる。このとき、刃部材18aは、図14及び図15に示すように、尖先状の刃先部18eから刃基部18d側に向かって傾斜する面にそれぞれ炭酸ガス供給路15Cとビール導出路17Cとが開口しているので、炭酸ガスカートリッジ3(3A)から供給されて、炭酸ガス供給路15Cからビール缶1内に供給される炭酸ガスがビール導出路17C側に短絡するのを防止することができ、ビールB中に泡が生じるのを防止することができる。
【0053】
なお、ビール缶1内にビールBが残った状態で、次にビールBを飲むときまで保管する場合は、炭酸ガスカートリッジ3(3A)の開閉弁(図示せず)を閉止しておく。この保管状態においても、ビール缶1の口部1bに被着部材40Kが気水密に被着されているので、ビール缶1内に空気が侵入することがなく、嫌気状態を保持することができる。したがって、ビールBの味を低下させずに保管することができる。
【0054】
◎第2実施形態
図16は、この発明の嫌気開栓器の第2実施形態の使用状態を示す要部断面図、図17は、第2実施形態の嫌気開栓器を示す分解断面図、図18は、第2実施形態の嫌気開栓器の取付の途中の状態を示す断面図、図19は、第2実施形態の嫌気開栓器の取付状態を示す断面図である。
【0055】
第2実施形態は、ビール缶1内に供給される炭酸ガスが導出されるビールB中に混入されるのを更に確実に防止するようにした場合である。すなわち、第2実施形態の嫌気開栓器20Lは、加圧気体供給手段に、ビール缶1の口部1bに対して気水密性を維持しつつ進退移動可能に形成されると共に、キャップ13を切り裂いてビール缶1内に突入可能に形成される筒状の刃部18Cと、この刃部18Cを形成する刃部材18fの中空部18gにて形成される炭酸ガス供給路15Dとを設ける一方、ビール導出手段17Dに、筒状の刃部18Cの基端側に連なる円錐状部18hに開口する飲料導出口17dを設けた場合である。
【0056】
この場合、第2実施形態における被着部材40Lは、上記第1実施形態と同様に形成されている。すなわち、被着部材40Lは、ビール缶1の口部1bの外方を包囲する外装筒体410と、この外装筒体410内に摺動可能に嵌挿され、下部にキャップ13の下端部に係脱可能に係合する係合片420を具備する内装筒体430と、この内装筒体430内に摺動可能に嵌挿され、下端面にキャップ13の頂部に密接する断面矩形状のOリング32B(シール機構)を具備する押え部材440と、内装筒体430の内周面に設けられた雌ねじ部431にねじ結合する雄ねじ部451を外周面に設けると共に、内周面に雌ねじ部452を設け、かつ上部外周部に回転操作用凹凸部453を具備する下部回転操作筒体450と、下部回転操作筒体450の内周面に設けられた雌ねじ部452に螺合する雄ねじ部461を外周に設け、上部外周部に回転操作用凹凸部462を具備する上部回転操作筒体460と、上部回転筒体460の内周面に回転可能に嵌挿される被着基部材470Aと、この被着基部材470Aの下部に装着されると共に、下部回転操作筒体450の内周面との間にシールパッキン32C(シール機構)を介して取り付けられる刃部取付部材480とで主に構成されている。
【0057】
なお、この場合、被着基部材470Aには、図16ないし図19及び図21に示すように、第1実施形態のようなガス受け凹所15bは設けられずに、被着部材470Aを貫通するクランク状の炭酸ガス供給路15Eが設けられている。なお、炭酸ガス供給路15Eにカプラ14Aを介して接続される炭酸ガス供給チューブ14の途中には逆止弁19Aが設けられている(図18参照)。
【0058】
また、第2実施形態における刃部18Cを形成する刃部材18fは、図20及び図22に示すように、上部に外向きフランジ18iを有する円筒状の刃基部18jと、この刃基部18jの下端部から突出する円錐状部18hと、この円錐状部18hの先端を貫通すると共に、刃基部18jの中心部に垂直方向に延在され、かつ先端に傾斜状の刃先部18kを有する円筒部18gとを有する二重筒状に形成されている。
【0059】
このように構成される刃部材18fは、刃部取付部材480の刃部取付孔483内に嵌挿され、刃先部18kが下方に突出した状態に取り付けられた状態で、被着基部材470Aに設けられた炭酸ガス供給路15Eに刃部材18fの円筒部18gにて形成される中空部すなわち炭酸ガス供給路15Dが連通し、円錐状部18hの複数箇所例えば2箇所に円弧状に形成されたビール導出口17dに、導通路17eを介してビール導出路17Dが連通されている(図16ないし図20参照)。
【0060】
上記のように構成することにより、刃先部18kを有する円筒部18gの中空部にて形成される炭酸ガス供給路15Dの供給口と、円筒部18gの基端側に連なる円錐状部18hに形成されるビール導出口17dとを距離をもたせて形成することができ、炭酸ガス供給路15Dを介してビール缶1内に供給される炭酸ガスがビール導出路17Dに短絡されるのを防止することができる。また、ビール注出時において、炭酸ガス供給路15Dの供給口をビール導出口17dより上方に位置させるので、炭酸ガスがビール導出路17D内に浸入するのを防止することができる。
【0061】
なお、第2実施形態において、その他の部分は、第1実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0062】
上記のように構成される第2実施形態の嫌気開栓器20Lを用いてビール缶1を嫌気開栓するには、第1実施形態と同様の手順で被着部材40Lをビール缶1の口部1bに気水密に被着すると共に、刃部材18fにてキャップ13を切り裂いて刃先部18kとビール導出口17dとを離した状態でビール缶1内に配設することができる(図16、図20参照)。
【0063】
上記のようにして、ビール缶1の口部1bに嫌気開栓器20Lを装着した後、ビール缶1を天地逆にし、ビール缶1の肩部を保持手段10の保持板10bにて支持し、参考実施形態と同様に、容器2の開口部2aに蓋12を閉塞して、蓋12に設けられた保持用凸部12aをビール缶1の底部下面の凹部1aに係合させてビール缶1を倒立状態に保持する(図16参照)。この状態で、炭酸ガスカートリッジ3(3A)の開閉弁(図示せず)を開放し、また、受け皿11上にジョッキJを載置あるいはジョッキJを手で持った状態で、タップ4を操作してジョッキJ内にビールBを注出することができる。このとき、刃部材18fは、図16ないし図18に示すように、ビール缶1の内方まで突入する刃先部18kを有する内筒部18gにて形成される中空部すなわち炭酸ガス供給路15Dに炭酸ガス供給路15Eが連通し、刃部の基端部側の円錐状部18hに形成されたビール導出口17dに、導通路17eを介してビール導出路17Dが連通されているので、炭酸ガスカートリッジ3(3A)から供給されて、炭酸ガス供給路15Dからビール缶1内に供給される炭酸ガスがビール導出路17D側に短絡するのを防止することができ、ビールB中に泡が生じるのを防止することができる。
【0064】
◎その他の実施形態
上記実施形態では、この発明の嫌気開栓器をビールの飲料容器(ビール缶1)に適用した場合について説明したが、ビール以外の飲料例えば炭酸飲料の飲料容器についても同様に適用することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の嫌気開栓器の参考実施形態を適用したビールサーバの使用状態を示す斜視図である。
【図2】上記ビールサーバの要部を示す平面図である。
【図3】参考実施形態の嫌気開栓器の開栓前の状態を示す断面図である。
【図4】参考実施形態の嫌気開栓器の開栓状態を示す断面図である。
【図5】この発明の第1実施形態の嫌気開栓器の使用状態を示す断面図である。
【図6】第1実施形態の嫌気開栓器を示す分解断面図である。
【図7】第1実施形態の嫌気開栓器の取付の途中の状態を示す断面図である。
【図8】第1実施形態の嫌気開栓器の取付状態を示す断面図である。
【図9】第1実施形態における被着部材を構成する外装筒体の断面斜視図である。
【図10】第1実施形態における被着部材を構成する内装筒体と刃部取付部材の断面斜視図である。
【図11】第1実施形態における被着部材を構成する下部回転操作筒体の断面斜視図である。
【図12】第1実施形態における被着部材を構成する上部回転操作筒体の断面斜視図である。
【図13】第1実施形態における被着部材を構成する被着基部材の断面斜視図(a)及び(a)のII−II線に沿う断面図(b)である。
【図14】第1実施形態における被着部材を構成する刃部材と刃部取付部材の斜視図である。
【図15】第1実施形態における被着部材を構成する被着基部材、刃部材及び刃部取付部材の斜視図である。
【図16】この発明の第2実施形態の嫌気開栓器の使用状態を示す断面図である。
【図17】第2実施形態の嫌気開栓器を示す分解断面図である。
【図18】第2実施形態の嫌気開栓器の取付の途中の状態を示す断面図である。
【図19】第2実施形態の嫌気開栓器の取付状態を示す断面図である。
【図20】第2実施形態における刃部の取付状態を示す拡大断面図(a)及び刃部の底面図(b)である。
【図21】第2実施形態における被着部材を構成する被着基部材の断面斜視図(a)及び(a)のIII−III線に沿う断面図(b)である。
【図22】第2実施形態における被着部材を構成する刃部材と刃部取付部材の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ビール缶(容器)
1b 口部
1c 首部
3 炭酸ガスカートリッジ(加圧気体供給源)
10 保持手段
10c 保持溝(保持手段)
13 キャップ(蓋部)
15 炭酸ガス供給管(加圧気体供給手段)
15A〜15C 炭酸ガス供給路(加圧気体供給手段)
17 ビール導出管(飲料導出手段)
17C〜17E ビール導出路(飲料導出手段)
17d ビール導出口
18B,18C 刃部
18e 刃先部
18g 円筒部
18h 円錐状部
18j 刃基部
18k 刃先部
32B Oリング(シール機構)
32C シールパッキン(シール機構)
40K,40L 被着部材(被着手段)
400 炭酸ガス供給部(加圧気体供給手段)
410 外装筒体
430 内装筒体
440 押え部材
450 下部回転操作部材
460 上部回転操作部材
470 被着基部材
480 刃部取付部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の口部を密封する蓋部を密封状態のままにして飲料容器内の飲料の導出を可能にする飲料容器の嫌気開栓器であって、
上記飲料容器の口部における少なくとも上記蓋部にシール機構を介して気水密に被着される被着手段と、
加圧気体供給源に接続されて上記飲料容器内に加圧気体を供給する加圧気体供給手段と、
上記飲料容器内の飲料を導出する飲料導出手段と、
上記加圧気体供給手段の供給路及び飲料導出手段の導出路を具備すると共に、上記口部に対して気水密性を維持しつつ進退移動可能に形成され、上記蓋部を切り裂いて上記飲料容器内に突入可能に形成される刃部と、を具備し、
上記シール機構は、上記被着手段に摺動可能に設けられ、上記蓋部の頂部に密接するOリングと、上記被着手段に設けられ、上記加圧気体供給手段の供給路及び飲料導出手段の導出路を具備する被着基部材と上記刃部を形成する刃部材を取り付ける刃部取付部材との間に介在されるシールパッキンとで構成されることを特徴とする飲料容器の嫌気開栓器。
【請求項2】
請求項1記載の飲料容器の嫌気開栓器において、
上記被着手段は、飲料容器の口部を包囲する外装筒体と、この外装筒体内に摺動可能に嵌挿され、上記蓋部の下端部に係脱可能に係合する内装筒体と、この内装筒体に摺動可能に嵌挿され、上記Oリングを具備する押え部材と、上記内装筒体の内周面に螺合する下部回転操作筒体と、この下部回転操作筒体の内周面に螺合する上部回転操作筒体と、この上部回転操作筒体の内周面に回転可能に嵌挿される上記被着基部材と、この被着基部材の下部に上記シールパッキンを介して取り付けられる上記刃部取付部材と、を具備することを特徴とする飲料容器の嫌気開栓器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の飲料容器の嫌気開栓器において、
上記刃部は、先端中央に尖先状刃先部を具備すると共に、刃先部から刃基部側に向かって傾斜する面にそれぞれ開口する加圧気体供給路及び飲料導出路を具備することを特徴とする飲料容器の嫌気開栓器。
【請求項4】
請求項1又は2記載の飲料容器の嫌気開栓器において、
上記刃部は、円筒状の刃基部と、この刃基部の下端部から突出する円錐状部と、この円錐状部の先端を貫通すると共に、上記刃基部の中心部に延在され、かつ、先端に傾斜状の刃先部を有する円筒部と、を具備し、上記円筒部に加圧気体供給路を連通し、上記円錐状部に形成された飲料導出口に飲料導出路を連通してなることを特徴とする飲料容器の嫌気開栓器。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の飲料容器の嫌気開栓器において、
上記被着手段を下端部に位置させた状態で飲料容器を倒立保持する保持手段を更に具備することを特徴とする飲料容器の嫌気開栓器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−223676(P2007−223676A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142954(P2007−142954)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【分割の表示】特願2001−249309(P2001−249309)の分割
【原出願日】平成13年8月20日(2001.8.20)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】