説明

飲料抽出装置

【課題】被抽出物(例えば薬草、山野草、茶葉等)の成分を抽出して飲料を生成する飲料抽出装置において、可溶性成分の抽出を適度に保ちつつ、難溶性成分の抽出を抑制する。
【解決手段】飲料供給装置は、水を貯める貯湯タンク11と被抽出物を格納する抽出室30とを備える。供給路200によって貯湯タンク11から抽出室30に水が供給され、還流路15によって抽出室30から貯湯タンク11に水が還流される。また、供給路200が抽出室排水手段としても機能し、抽出室30の水を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被抽出物(例えば薬草、山野草、茶葉等)の成分を抽出して飲料を生成する飲料抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬草、山野草、茶葉等の被抽出物から飲料用の有効成分を抽出する場合、一般的にはそれぞれの被抽出物に適した温度(約70〜90℃)の熱水が用いられる。これら被抽出物の水抽出に対する成分を大別すると、可溶性成分、難溶性成分、不溶性成分に分けられる。例えば緑茶の可溶性成分としてはカテキン、フラボノール、カフェイン、タンパク質・アミノ酸、ビタミンCなどがあり、難溶性成分では脂質、ポリフェノールなどがあり、不溶性成分では繊維などがある。このうち飲用に供されるのは可溶性成分であって、難溶性成分が抽出されると味・匂い・色等に悪影響を与えることがある。また、可溶性成分であっても過度の抽出が行われると所望の成分・味・匂い・色等が得られなくなることがある。特に、抽出に使用する熱水の温度をコントロールして抽出時も一定に保つ装置においては、熱水を被抽出物に接触させる時間の制御が問題となる。
【0003】
このような抽出を行う従来の飲料抽出装置として、特許文献1、2、及び3に記載されたものが知られている。
特許文献1のものは、抽出皿に載置されたティーバッグに上方から熱湯を散水し、流下した抽出水を再び散水に供し、この循環を繰り返して所望濃度の抽出液を得るようになっている。
特許文献2のものは、循環水回路に配置された抽出容器内にフィルターバッグを入れ、抽出容器内を循環水で液封状態にして所望濃度の抽出液を得るようになっている。
特許文献3のものは、下蓋、上蓋を有する抽出タンク内に被抽出物を入れ、回転シャワーノズルから熱水を供給し、攪拌兼ならし羽根で被抽出物または抽出液を攪拌して所望濃度の抽出液を得るようになっている。
【0004】
【特許文献1】特公平6−18538号公報
【特許文献2】特開2006−346372号公報
【特許文献3】登録実用新案第3022517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の飲料抽出装置では、可溶性成分の抽出を適度に保ちつつ、難溶性成分の抽出を抑制することが困難であるという問題があった。
【0006】
たとえば、特許文献1のものは、散水開始時にはティーパック内の被抽出物間に空隙があるため熱水との接触は円滑に行われるものの、数十秒後には被抽出物が軟化し膨潤するので空隙が減少してしまい、塊状態になる。すると、熱水は塊状態の被抽出物の表面部分と主に接触して流下するようになる。このように全体からの抽出でなくなるので可溶性成分の抽出効率が低下する。また、表面部分の被抽出物からは過度の抽出によって難溶性成分が抽出され、味、臭い、色などに悪影響を及ぼす恐れがある。
特許文献2のものも、特許文献1と同じく、被抽出物が軟化し膨潤するので空隙が減少して塊状態となり、可溶性成分の抽出効率が低下するとともに難溶性成分が抽出されてしまう。また、抽出容器の出口近傍に被抽出物が集まってしまい、これが塊状態化して循環水の流通を妨げてしまう。さらに、水圧によって塊状態の被抽出物の一部が粗になってその部分の通水量が多くなり、その部分の表面から過度の抽出が行われる可能性がある。また、抽出終了後にも抽出容器内の熱水が残留しているので、被抽出物からの抽出が継続し、過度の抽出や難溶性成分の抽出が避けられない。
また、特許文献3のものでは、ならし羽根などの駆動部が必要となって装置の大型化や製造コストが嵩むという問題がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、可溶性成分の抽出を適度に保ちつつ、難溶性成分の抽出を抑制することができる飲料抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る飲料抽出装置は、水を貯める貯湯タンクと、被抽出物を格納する抽出室と、貯湯タンクと抽出室とに接続され、貯湯タンクから抽出室に水を供給するための供給路と、貯湯タンクと抽出室とに接続され、水を抽出室から貯湯タンクに戻すための還流路と、抽出室の水を排出するための抽出室排水手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
抽出室への水の供給が開始された後、所定時間が経過する前は、抽出室排水手段が抽出室の水を排出してもよい。
貯湯タンクに貯められた水を加熱する加熱手段と、貯湯タンクに貯められた水の温度を検出する水温検出手段とをさらに備え、水温検出手段によって検出される水の温度が、被抽出物の成分抽出に最適な温度に達する前に、貯湯タンクから抽出室への水の供給を開始してもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る飲料抽出装置によれば、抽出室排水手段が抽出室内の水を排出することによって、被抽出物からの成分抽出を制御することができる。このため、可溶性成分の抽出を適度に保ちつつ、難溶性成分の抽出を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による飲料抽出装置を左側面から見た断面図である。図2は、図1の飲料抽出装置を示す正面図であり、抽出室30については正面から見たときの断面を示している。図1において、筐体10は、前面開口を有する箱形である。筐体10の前面上部には、筐体10の前面開口を開閉するドア体36と、ドア体36の開閉状態を検出するドアスイッチ56(図2参照)とが取り付けられている。ドア体36には、利用者によって操作される操作盤37が取り付けられている。
【0012】
筐体10の前面下部には、断面L字状の受皿25が取り付けられている。この受皿25の上部には、断面コ字状の載置台26が配置されている。載置台26は、利用者がコップ等を置くためのものである。載置台26の上方には、出口管43が配置されている。利用者による操作盤37の操作に応じて、この出口管43から載置台26上のコップ等に飲料が注がれる。この載置台26の上面には、複数の開口26aが設けられている。受皿25は、例えばコップから溢れる等して開口26aから流れ落ちた飲料を受ける。筐体10の内部下側には、外部排水系(図示せず)に接続された排水本管23が設けられている。受皿25が受けた飲料は、排水本管23を通って外部排水系に排出される。
【0013】
筐体10の背面上部には、外部水道系20が接続されている。この外部水道系20は、給水弁21及び給水管22を介して、筐体10内の金属製の貯湯タンク11に接続されている。貯湯タンク11は、上部開口の容器形状である。貯湯タンク11の上部開口は、タンク蓋体12によって覆われている。貯湯タンク11の底部11bの下面には、加熱手段であるヒータ17が密着固定されている。外部水道系20から供給される水は、ヒータ17により熱せられる。すなわち、貯湯タンク11内には、水を所定温度に熱したものが貯められる。
【0014】
筐体10の内部前側には、抽出室30が配置されている。貯湯タンク11の下部には、貯湯タンク11内の熱水を抽出室30に供給するための供給路200が接続されている。詳しく説明すると、供給路200は、排水管14、吸入管28、遠心ポンプであるポンプ27、及び吐出管29により構成されている。排水管14の一端は、貯湯タンク11の底部11bに接続されており、他端は排水弁24を介して排水本管23に接続されている。吸入管28は、排水弁24よりも貯湯タンク11側で排水管14から分岐された配管である。すなわち、貯湯タンク11内の熱水は、排水弁24が閉弁された状態でポンプ27が作動された場合に、排水管14、吸入管28、及び吐出管29を通って、抽出室30に供給される。
【0015】
抽出室30は、底部を構成する底板30bと、側部を構成する前板30e、後板30a、及び側面板30c,30d(図2参照)とからなる上部開口の容器形状である。吐出管29は、抽出室30の底板30bに接続されている。抽出室30の後板30aの上端には、抽出室蓋体31の後端が回動可能に取り付けられている。抽出室蓋体31は、抽出室30の上部開口を開閉するものであり、抽出室蓋体31が後上方へ回動されることで開放される。この抽出室蓋体31は、抽出室30の上部を構成している。なお、図示はしないが、抽出室30の上部端面、又は抽出室蓋体31の下面には、パッキンが取り付けられており、抽出室30の上部開口からの蒸気洩れが防止される。
【0016】
底板30bの底面の一部に、吐出管29の吐出開口端29aが設けられている。ここで、吐出開口端29aはたとえば底板30bの最も低い位置に設けられる。これによって、抽出室30から吐出管29に排水される際に抽出室30内に水が残らないようになっている。
【0017】
抽出室30の内部には、誘導部材32が配置されている。この誘導部材32は、吐出管29の吐出開口端29aとの間に所定間隔を空けた位置で、吐出開口端29aの垂直上方に配置されている。誘導部材32は抽出室30内に延びる形状であり、誘導部材32の鉛直方向投影面積は、吐出開口端29aの開口面積より大きくされている。すなわち、誘導部材32は、吐出開口端29aから吐出された熱水を周囲の隙間に向けて分散させる。
【0018】
また、抽出室30内に、薬草、山野草、及び茶葉等の被抽出物を収納した抽出容器33が設置される。抽出室30に熱水が供給されることで、抽出容器33内の被抽出物が熱水に浸漬されて、被抽出物から飲料用の有効成分が抽出される。
【0019】
図2に示すように、抽出室30の後板30aには、底板30bから所定寸法だけ立ち上がった位置に還流路15が接続されている。還流路15の他端は、貯湯タンク11の前板11c(図1)に接続されている。この還流路15は、被抽出物から成分を抽出した抽出水を貯湯タンク11に還流させるための配管である。抽出室30に貯留される水が所定水位(すなわち還流路15の下端)に達している場合、貯留された水の一部が還流路15を介して貯湯タンク11に戻されることになる。貯湯タンク11内に戻された抽出水は、再び抽出室30に供給される。この抽出水の循環が繰り返し行われることで、抽出水すなわち飲料の濃度調整が行われる。
【0020】
図1に示すように、抽出室30は、貯湯タンク11の上限水位Aよりも上方に配置されている。すなわち、抽出室30の底面が貯湯タンク11内の水面よりも高くなる位置に配置されている。これにより、ポンプ27が停止されたときには、水面の差による圧力によって、抽出室30内の殆どの水が供給路200側に戻される。従って、ポンプ27が停止されると、被抽出物の浸漬が解除されて、成分抽出が終了される。
このように、実施の形態1においては、供給路200が、抽出室30の水を排出するための抽出室排水手段としても機能する。
【0021】
貯湯タンク11の前板11cの下限水位B付近には、注出管16が接続されている。注出管16は、注出弁42を介して出口管43に接続されている。すなわち、注出弁42が開弁されると、貯湯タンク11内の飲料が出口管43から注ぎ出される。
【0022】
タンク蓋体12には、水温検知センサ18と、水位センサ19とが取り付けられている。水温検知センサ18は、貯湯タンク11内の水温を検知するためのセンサである。水位センサ19は、ステム19a、フロート19b、ストッパ19c、上限水位スイッチ19d、及び下限水位スイッチ19eを有している。ステム19aは、貯湯タンク11の高さ方向に沿って延在している。フロート19bは、ステム19aに案内されて貯湯タンク11内の水面とともに変位する。また、フロート19bは、図示はしないが磁石を内蔵している。ストッパ19cは、ステム19aの下部に取り付けられた板である。このストッパ19cは、フロート19bの下方への変位を規制するものである。上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、上限水位A付近と下限水位B付近にそれぞれ配置されている。これら上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、リードスイッチにより構成されている。すなわち、上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、フロート19bが内蔵する磁石の磁力によりON,OFFされるスイッチである。上限及び下限水位スイッチ19d,19eは、貯湯タンク11内の水面が上限水位A又は下限水位Bに達したことを示す信号をそれぞれ出力する。
【0023】
筐体10内の前側上部には、制御盤44が配置されている。制御盤44は、操作盤37、ドアスイッチ56(図2参照)、水温検知センサ18、及び水位センサ19からの信号に基づいて、給水弁21及び注出弁42の開閉とポンプ27の動作とを制御する。なお、制御盤44及び操作盤37の構成については、後に詳しく説明する。
【0024】
貯湯タンク11の後板11aには、オーバーフロー管13の一端が接続されている。このオーバーフロー管13の一端は、上限水位Aよりも上方に配置されている。オーバーフロー管13の他端は、排水本管23に接続されている。オーバーフロー管13は、仮に水位センサ19、給水弁21、又は制御盤44に異常が生じて、上限水位Aを超える水が外部水道系20から供給された場合に、排水本管23を通して過剰な供給水を外部排水系に排出するための配管である。
【0025】
次に、飲料抽出装置の制御系の構成について説明する。図3は、図1の操作盤37を示す正面図である。図3において、操作盤37の前面には、第1運転ランプ38、準備中ランプ39、注出スイッチ40、表示パネル41が設けられている。第1運転ランプ38は、飲料抽出装置が運転状態であるか否かを示す表示ランプである。準備中ランプ39は、成分抽出動作が実施されている途中か否かを示す表示ランプである。注出スイッチ40は、載置台26(図1参照)上のコップ等に飲料を注ぐための操作スイッチである。
【0026】
ここで、被抽出物の種類は、例えば薬草、山野草、及び茶葉等、数多くある。一般に、成分抽出は、それぞれの被抽出物に適した温度及び時間で行われる。表示パネル41としては、例えば液晶タッチパネル等が用いられ、利用者に被抽出物の種類を決定させるためのものである。すなわち、表示パネル41は、種類別に被抽出物の例を表示する。また、表示パネル41は、利用者により選択された被抽出物の種類を示す信号を出力する。
【0027】
次に、図4は、図1の制御盤44を示す正面図である。制御盤44の前面には、電源スイッチ45、運転スイッチ46、第2運転ランプ47、抽出スイッチ48、抽出ランプ49、抽出温度設定手段50、抽出温度表示部51、抽出時間設定手段52、抽出時間表示部53、保存温度設定手段54、保存温度表示部55、注出時間設定手段59、及び注出時間表示部60が設けられている。
【0028】
電源スイッチ45は、電源投入のための操作スイッチである。運転スイッチ46は、電源が投入された後に飲料抽出装置を運転状態にするための操作スイッチである。第2運転ランプ47は、第1運転ランプ38と連動して動作する表示ランプであり、飲料抽出装置が運転状態であるか否かを示す表示ランプである。
【0029】
抽出スイッチ48は、抽出動作を開始させるための操作スイッチである。抽出ランプ49は、成分抽出動作が行われているか否かを示す表示ランプである。抽出温度設定手段50は、成分抽出の温度を手動で設定するための操作部であり、たとえば40〜95℃の範囲で設定できる。抽出温度表示部51は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出温度、又は抽出温度設定手段50で変更された抽出温度を表示する表示部である。抽出時間設定手段52は、成分抽出の時間を手動で設定するための操作部であり、数分〜数十分の範囲、たとえば1分〜60分の範囲で設定できる。抽出時間表示部53は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する抽出時間、又は抽出時間設定手段52で変更された抽出時間を表示する表示部である。
【0030】
保存温度設定手段54は、成分抽出後の飲料を保存する温度である保存設定温度を手動で設定するための操作部である。保存温度表示部55は、表示パネル41で選択された被抽出物に対応する保存設定温度、又は保存温度設定手段54で変更された保存設定温度を表示する表示部である。
【0031】
注出時間設定手段59は、コップ等の大きさに応じて注出弁42(図1参照)の開弁時間を設定するための操作部である。注出時間表示部60は、注出時間設定手段59で設定された注出弁42の開弁時間を表示する表示部である。
【0032】
次に、図5は、図4の制御盤44に内蔵されている制御装置58を示すブロック図である。図5において、表示パネル41には、タッチパネル部分である種別設定操作部41aと、被抽出物の種類等の情報を表示する表示部41bとを有している。制御装置58は、制御盤44に内蔵されている制御ユニットである。
【0033】
制御装置58の入力側には、表示パネル41の種別設定操作部41a、電源スイッチ45、運転スイッチ46、ドアスイッチ56、抽出スイッチ48、上限水位スイッチ19d、下限水位スイッチ19e、水温検知センサ18、注出スイッチ40、抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、保存温度設定手段54、及び注出時間設定手段59が接続されている。
【0034】
制御装置58の出力側には、表示パネル41の表示部41b、第1及び第2運転ランプ38,47、準備中ランプ39、抽出ランプ49、給水弁21、注出弁42、ヒータ17、ポンプ27、抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、保存温度表示部55、及び注出時間表示部60が接続されている。
【0035】
制御装置58は、マイクロコンピュータ58a、メモリ58b、及びタイマ58cを内蔵している。メモリ58bはプログラム等の情報を記憶している。マイクロコンピュータ58aは、入力側から入力される情報と、メモリ58bの情報と、タイマ58cの情報とに基づいて、出力側の表示部41b等の動作を制御する。
【0036】
次に、制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作について説明する。
図6および図7は、図5の制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。図6において、利用者によって電源スイッチ45がONされると(ステップS1)、制御装置58は設定処理動作を行う(ステップS2)。すなわち、表示パネル41の表示部41bに種類別の被抽出物の例が表示される。ここで、利用者は、被抽出物を収納した抽出容器33を抽出室30内に設置するとともに、種別設定操作部41aを用いて被抽出物の種類選択を行う。種別設定操作部41aを用いての被抽出物の種類選択が行われると、選択された被抽出物の種類を示す信号が種別設定操作部41aから制御装置58に入力される。被抽出物の種類を示す信号が入力されると、制御装置58は、被抽出物の種類に応じた制御情報、たとえば抽出設定温度、抽出設定時間、及び保存設定温度をメモリ58bから取得する。また、制御装置58は、取得した抽出設定温度、抽出設定時間、及び保存設定温度を、抽出温度表示部51、抽出時間表示部53、及び保存温度表示部55にそれぞれ表示する。これ以降、利用者による抽出温度設定手段50、抽出時間設定手段52、及び保存温度設定手段54の操作が有れば、制御装置58は、その操作に応じて、抽出設定温度、抽出設定時間、及び保存設定温度等の制御情報を変更する。
【0037】
設定処理動作が行われた後に、運転スイッチ46のONが制御装置58により検出されると(ステップS3)、制御装置58は第1及び第2運転ランプ38,47と準備中ランプ39とを点灯させ(ステップS4)、給水動作(ステップS5〜S7)、加熱動作(ステップS8〜S10)、及び成分抽出動作(ステップS11〜S16)を行う。
【0038】
すなわち、給水動作として、上限水位スイッチ19dがONであるか否かが制御装置58により判定され(ステップS5)、ONでないと判定された場合に給水弁21が開弁され貯湯タンク11内に水が供給される(ステップS6)。一方、上限水位スイッチ19dがONであると判定された場合、給水弁21が閉弁され給水動作が終了される(ステップS7)。
【0039】
給水動作が終了されると、加熱動作として、水温検知センサ18により検知された水温が抽出設定温度に達しているか否かが制御装置58により判定され(ステップS8)、達していないと判定された場合に、ヒータ17がONされて貯湯タンク11内の水が加熱される(ステップS9)。一方、水温が抽出設定温度に達していると判定された場合、ヒータ17がOFFされて加熱動作が終了される(ステップS10)。
【0040】
加熱動作が終了されると、成分抽出動作として、抽出スイッチ48がONされているか否かが制御装置58により判定され(ステップS11)、ONされていないと判定された場合、前述の注水動作と加熱動作とが繰り返し行われる(ステップS5〜S10)。これに対して、抽出スイッチ48がONされていると判定された場合、制御装置58は抽出ランプ49を点灯させるとともに(ステップS12)、ドアスイッチ56がONされているか否かを判定する(ステップS13)。このとき、ドアスイッチ56がONされていると判定されると、制御装置58はポンプ27をONするとともに抽出時間の計時を開始し(ステップS14)、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したか否かが判定される(ステップS15)。
【0041】
このとき、ポンプ27がONされることで、貯湯タンク11内の水が、排水管14、吸入管28を通ってポンプ27に吸入される。ポンプ27で加圧された水は、吐出管29から抽出室30内に吐出されるとともに、誘導部材32に衝突して、抽出容器33の周囲に誘導される。抽出室30の水位が上昇すると、被抽出物が熱水に浸漬されて成分が抽出される。このときの水の流れは乱流状態であり、抽出容器33への水の流入及び流出が無数の箇所で行われる。これにより、抽出容器33内の被抽出物が乱流水中で揺動され、成分の抽出が促進される。さらに水位上昇した水は、還流路15から貯湯タンク11に戻されて、再びポンプ27に吸入され、吐出管29から抽出室30内に吐出される。この水の循環が行われることで、被抽出物から抽出される成分の濃度が徐々に高まる。
【0042】
ステップS15において、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したと判定されると、ポンプ27がOFFされるとともに抽出時間の計時が終了され、成分抽出動作が終了される(ステップS16)。この抽出設定時間は、貯湯タンク11内における被抽出物の成分濃度が最適となるように設定される。
【0043】
このとき、抽出室30内に残留していた水は、吐出開口端29aから、吐出管29、ポンプ27、吸入管28、及び排水管14を通って、貯湯タンク11に戻る。ここで、抽出室30の底面が貯湯タンク11内の水面よりも高くなる位置に抽出室30が配置されているので、抽出室30内には水が残らない。これにより、被抽出物の浸漬が解除されて、これ以上の成分抽出はなくなる。
【0044】
なお、図示はしないが、ドア体36が開かれた状態での抽出動作は好ましくないので、成分抽出動作中にドアスイッチ56のOFFが検出されると、ポンプ27の運転と抽出時間の計時とが中断される。この中断の後にドアスイッチ56のONが検出されると、ポンプ27の運転と抽出時間の計時とが再開される。
【0045】
成分抽出動作が終了されると、注出・保存動作が開始される(ステップS17〜S30)。すなわち、抽出ランプ49及び準備中ランプ39が消灯されるとともに、保存時間の計時が開始され(ステップS17)、注出スイッチ40がONされているか否かが制御装置58により判定される(ステップS18)。このとき、ONされていると判定された場合、注出弁42が開弁されて飲料の注出が行われる(ステップS19)。その次に、飲料を注出している時間が注出設定時間に達したか否かが制御装置58により判定され(ステップS20)、注出設定時間に達したと判定された場合、注出弁42が閉弁されて飲料の注出が終了される(ステップS21)。
【0046】
飲料の注出が終了されると、下限水位スイッチ19eがONされたか否かが制御装置58により判定され(ステップS22)、下限水位スイッチ19eがONされていないと判定された場合、すなわち飲料の量がまだ十分に有ることが検出された場合には、計時されている保存時間が保存設定時間に達したか否かが判定される(ステップS23)。保存時間が保存設定時間に達していないと判定された場合、処理はステップS18に戻り、注出スイッチ40がONされているか否かが再度判定される(ステップS18)。
【0047】
ステップS18において注出スイッチ40がONされていないと判定された場合には、水温検知センサ18により検知された水温が保存設定温度よりも低いか否かが制御装置58により判定される(ステップS24)。このとき、検知水温が保存設定温度よりも低いと判定されると、ヒータ17がONされて貯湯タンク11内の飲料が温められる(ステップS25)。これに対して、検知水温が保存設定温度よりも低くないと判定された場合には、ヒータ17がOFFされて、貯湯タンク11内の飲料が自然放熱される(ステップS26)。なお、この動作説明では、抽出設定温度と保存設定温度とが同程度であるという前提で説明しており、成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるように説明している。しかしながら、抽出設定温度と保存設定温度とが大きく異なる場合もある。この場合、検知温度が保存設定温度になるまで準備中ランプ39を点灯しておき、検知温度が保存設定温度になった後に飲料を注出できるようにしてもよい。また、検知温度が保存設定温度よりも高い又は低いということを表示部41bに表示し、通常よりも熱い又は冷たいということを利用者が認識できるように構成していれば、この動作説明と同様に成分抽出動作が終了した直後に飲料を注出できるようにしていてもよい。
【0048】
これに対して、飲料の注出によって貯湯タンク11内の水位が下がり、下限水位スイッチ19eがONされていると判定された場合、表示部41bに注出終了の表示がなされるとともに(ステップS27)、第1及び第2運転ランプ38,47が消灯され(ステップS28)、運転スイッチ46が自動的にOFFされる(ステップS29)。
【0049】
一方、下限水位スイッチ19eがONされておらず飲料の量は十分にあると判定された場合でも、計時されている保存時間が保存設定時間に達したときには、表示部41bに保存終了が表示されるとともに保存時間の計時が終了され(ステップS30)、第1及び第2運転ランプ38,47が消灯されるとともに(ステップS28)、運転スイッチ46が自動的にOFFされる(ステップS29)。
【0050】
注出終了又は保存終了の表示は、電源スイッチ45がOFFされるまで継続される。利用者は、注出終了又は保存終了の表示を確認した場合は、電源スイッチ45をOFFにするとともに、排水弁24を開弁し、飲料抽出装置内に残っている飲料をすべて排出すればよい。ここで、図示はしないが、制御盤44に排水スイッチを設け、利用者がこの排水スイッチを操作することに応じて排水弁24が開弁されてもよい。
また、利用者は、抽出室蓋体31を開放して、抽出容器33を取り出して被抽出物を廃棄すればよい。なお、被抽出物の廃棄は、抽出ランプ49が消灯された後であれば、いつでも可能である。そして、電源スイッチ45が改めてONされると、前述の給水動作、加熱動作、成分抽出動作、及び注出・保存動作が改めて実施される。
【0051】
このように、実施の形態1に係る飲料抽出装置は、供給路200が抽出室排水手段として機能し、抽出室30から水を排出することによって、被抽出物からの成分抽出を制御することができる。このため、可溶性成分の抽出を適度に保ちつつ、難溶性成分の抽出を抑制することができる。
【0052】
また、攪拌用の駆動部等が不要となるため、故障率を低下させ、装置を低コスト化することができる。さらに、攪拌用の駆動部がないので、被抽出物が細分化されることがなく、このため、抽出容器33の網目等に被抽出物が詰まったり、抽出液すなわち飲料が混濁したりする事態を防止することができる。
【0053】
さらに、供給路200が抽出室排水手段として機能するので、供給路と抽出室排水手段とを別途構成する必要がなく、さらに低コストとすることができる。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、供給路と抽出室排水手段とを独立した構成とし、水を抽出室30の下方向からでなく上方向から供給する構成としたものである。
図8および図9は、それぞれ実施の形態1における図1および図2に相当する図である。実施の形態2に係る飲料抽出装置は、ポンプ27の代わりにポンプ101を備える。ポンプ101は電動ポンプであり、たとえばスクリューポンプである。ポンプ101はタンク蓋体12の上方に配置される。
【0055】
ポンプ101の吸入口には吸入パイプ101aの一端が接続される。吸入パイプ101aはポンプ101の下方に延びてタンク蓋体12を貫通し、その他端である吸入開口端101bは貯湯タンク11の内部に開口する。
また、ポンプ101の吐出口には吐出パイプ101cの一端が接続される。吐出パイプ101cは抽出室230に向かって水平に延び、抽出室230の上方で下向きに曲がって抽出室蓋体231を貫通し、その他端である吐出開口端101dは抽出室230の内部に下向きに開口する。供給路202は、吸入パイプ101a、ポンプ101、及び吐出パイプ101cにより構成されている。
【0056】
抽出室230の底板230bの水平レベル位置、すなわち底板230bに接する位置に、抽出室230の水を排出するための抽出室排水手段300が設けられている。抽出室排水手段300は、たとえば小孔である。抽出室排水手段300の一端は後板230aに設けられ、他端は貯湯タンク11に連結されている。この抽出室排水手段300を介して抽出室230と貯湯タンク11とは連通されている。
また、ポンプ101が抽出室230内に供給する水に比べて、抽出室230から抽出室排水手段300を介して貯湯タンク11へと流れる水が少量となるように、抽出室排水手段300の径はポンプ101の能力に応じて決定される。
【0057】
実施の形態2に係る飲料抽出装置において、制御装置58は、実施の形態1と同じく、図6および図7に示すフローチャートに従って動作する。
ステップS14においてポンプ101が作動すると、貯湯タンク11内の水が吸入されて吐出パイプ101cの吐出開口端101dから吐出される。吐出された水の一部は抽出室排水手段300から貯湯タンク11内に戻るが、上述のように比較的少量しか排水しないように抽出室排水手段300の径が設定されているので、抽出室230内の水位は上昇し、上方位置に開口している還流路15を介して貯湯タンク11内へ流入する。抽出室230に貯留される水が所定水位(すなわち還流路15の下端)に達している場合、貯留された水の一部が還流路15を介して貯湯タンク11に戻されることになる。
【0058】
ポンプ101が作動して十分時間が経過した後、抽出室230内には、底板230bから還流路15までの水深の貯留水があり、貯留水は吐出開口端101dから連続して吐出される水によって攪拌流動している。
抽出室230内に収納されている抽出容器33内の被抽出物は、攪拌状態で流動する水中で分散しながら遊動し、これによって成分が効率的に抽出される。
【0059】
所定の抽出時間が経過し、ステップS16においてポンプ101が停止すると、吐出開口端101dからの吐出水がなくなり、抽出室230内の水位が低下する。これによって抽出室230内の貯留水は還流路15に流入しなくなり、抽出室排水手段300のみを介して貯湯タンク11内へ戻ることになる。ここで抽出室排水手段300は抽出室230の底部230bに接して設けられているので、貯留水の殆どが抽出室230内から排出される。
【0060】
このように、実施の形態2に係る飲料抽出装置は、抽出室排水手段300が抽出室230から水を排出するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、抽出室排水手段300は抽出室230と貯湯タンク11とを連通する小孔という簡素な構成であるので、さらに低コストな構成とすることができる。
【0061】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態2において、抽出室排水手段としての小孔の代わりに排水本管23に接続される排水管を設けたものである。
図10および図11は、それぞれ実施の形態2における図8および図9に相当する図である。実施の形態3に係る飲料抽出装置は、排水管302を備える。排水管302の一端は抽出室30の底部30bに接続され、他端は排水本管323に接続されている。また、排水管302において、抽出室30側端の近傍には、電磁開閉弁である排水弁301が設けられる。この排水弁301は、制御装置58の出力側に接続される。なお、供給路202は、吸入パイプ101a、ポンプ101、及び吐出パイプ101cにより構成され、抽出室排水手段350は、排水管302、排水弁301、および排水本管323によって構成される。
【0062】
実施の形態3に係る飲料抽出装置において、制御装置58は、実施の形態1および2と同じく、図6および図7に示すフローチャートに従って動作する。ただし、排水弁301は、ポンプ101が作動している間は閉弁しており、ポンプ101が停止すると開弁する。
すなわち、ステップS15までは、制御装置58は排水弁301を閉弁させておく。このため、吐出パイプ101cから抽出室30に供給される水は、抽出室30に貯留された後還流路15を介して貯湯タンク11に流れる。抽出室30に貯留される水が所定水位(すなわち還流路15の下端)に達している場合、貯留された水の一部が還流路15を介して貯湯タンク11に戻されることになる。また、制御装置58は、ステップS16において排水弁301を開弁する。このため、抽出が終了すると、抽出室30内の水は抽出室排水手段350によって排水される。
なお、排水弁301は、ステップS16において開弁された後、所定の開弁時間経過後に閉弁される。この所定の開弁時間は、たとえば次のように設定される。排水弁301が開弁した後、時間の経過とともに抽出室30内に残留する水は減少するが、抽出容器33内の被抽出物は水を含んでいるので、抽出容器33からはある程度の時間継続して滴下水が落下する。この滴下水の落下が継続する時間を実験的に求めておき、求められた時間を開弁時間とすることができる。
【0063】
このように、実施の形態3に係る飲料抽出装置は、抽出室排水手段350が抽出室30から水を排出するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、抽出室排水手段350は排水本管323を含み、抽出室30内の水を貯湯タンク11に戻すことなく外部排水系に排水する。加えて、排水後に発生する抽出容器33からの滴下水も外部排水系に排水する。このため、貯湯タンク11内の抽出液の品質をさらに向上させることができる。
【0064】
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態3において、還流路15に電磁界閉弁を設けるものである。
図12は、実施の形態3における図10に相当する図である。実施の形態4に係る飲料抽出装置において、還流路400が抽出室内の水を貯湯タンク11に還流させる。還流路400には電磁開閉弁である還流弁401が設けられている。この還流弁401は、制御装置58の出力側に接続される。
【0065】
実施の形態4に係る飲料抽出装置において、制御装置58は、実施の形態3と同じく、図6および図7に示すフローチャートに従って動作する。ただし、還流弁401は、ポンプ101が作動している間は開弁しており、ポンプ101が停止すると閉弁する。
すなわち、制御装置58は、ステップS14において還流弁401を開弁させる。この時点では排水弁301は閉弁しているので、吐出パイプ101cから抽出室30に供給される水は、抽出室30に貯留された後還流路400を介して貯湯タンク11に流れる。抽出室30に貯留される水が所定水位(すなわち還流路400の下端)に達している場合、貯留された水の一部が還流路400を介して貯湯タンク11に戻されることになる。また、制御装置58は、ステップS16において、排水弁301を開弁するとともに還流弁401を閉弁する。このため、抽出が終了すると、抽出室30から貯湯タンク11への水の還流が遮断されるとともに、抽出室30内の水は抽出室排水手段350によって排水される。
【0066】
このように、実施の形態4に係る飲料抽出装置は、抽出室排水手段350が抽出室30から水を排出するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、抽出室排水手段350は排水本管323を含み、抽出室30内の水を貯湯タンク11に戻すことなく外部排水系に排水する。加えて、排水後に発生する抽出容器33からの滴下水も外部排水系に排水する。このため、抽出液の品質をさらに向上させることができる。
さらに、抽出の終了と同時に還流弁401を閉弁し、抽出液の貯湯タンク11への流入を遮断するので、貯湯タンク11内の抽出液の品質をさらに向上させることができる。
【0067】
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態3において、吐出パイプ101cの吐出開口端101dにノズルを取り付けるとともに、その制御内容を変更し、抽出初期の抽出水を排水するようにしたものである。
図13および図14は、それぞれ実施の形態3における図10および図11に相当する図である。吐出パイプ101cの吐出側端にはノズル102が取り付けられ、ポンプ101から供給される水を抽出容器33上に散水するようになっている。
【0068】
図15は、図3の制御盤44に内蔵されている制御装置58を示すブロック図である。実施の形態1における構成(図5)に加え、制御装置58の入力側にはさらに初期排水時間設定手段500および排水時間設定手段501が接続されている。また出力側には、実施の形態3と同様に、排水弁301が接続されている。
初期排水時間設定手段500は、飲料用の成分抽出を行う前の初期排水設定時間を予め設定するものであり、数秒〜数十秒の時間が値として設定できる。排水時間設定手段501は、実施の形態3と同様に、抽出終了後の抽出室30からの排水を行う排水設定時間を設定するものであり、実験等によって最適値を求めることができる。この初期排水設定時間および排水設定時間の設定値は、表示パネル41に表示される。
【0069】
図16〜図18は、図15の制御装置58の制御による飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS101〜S113における処理は、実施の形態1(図6)のステップS1〜S13と同様であるので、説明を省略する。
ステップS113においてドアスイッチ56がONされていると判定されると、制御装置58はポンプ101をONするとともに排水弁301を開弁し、初期排水時間の計時を開始する(ステップS114)。その後制御装置58は、計時されている初期排水時間が初期排水設定時間に達したか否かを判定する(ステップS115)。達していないと判定された場合、ステップS115が繰り返し実行される。
【0070】
ステップS115が繰り返し実行されている間、貯湯タンク11内で所定温度に加熱された水が、ポンプ101によって抽出室30に供給され続けることになる。抽出室30に供給された水はノズル102から抽出容器33に向かって散水される。ここで、排水弁301が開弁しているので、抽出容器33に散水された水は抽出室排水手段350を介して外部排水系へと排出される。このように、初期排水時間の計時中、抽出容器33内の被抽出物は熱水によって洗浄され、微粉末や菌等が熱水と共に外部排水系に排除される。
このように、抽出初期(すなわち、抽出室30への水の供給が開始された後、初期排水設定時間が経過する前)に抽出室30に供給された水は、被抽出物と接触した後、還流路15から貯湯タンク11に戻るのではなく、抽出室排水手段350によって抽出室30から排出される。
【0071】
ステップS115において初期排水時間が初期排水設定時間に達したと判定された場合、制御装置58は排水弁301を閉弁して初期排水時間の計時を終了するとともに、抽出時間の計時を開始する(ステップS116)。その後制御装置58は、計時されている抽出時間が抽出設定時間に達したか否かを判定する(ステップS117)。達していないと判定された場合、ステップS117が繰り返し実行される。
【0072】
ステップS117が繰り返し実行されている間の動作は、実施の形態1(図6)のステップS15が繰り返し実行されている間の動作と同様である。すなわち、貯湯タンク11内の水がポンプ101によって抽出室30内に供給され、排水弁301は閉弁しているので抽出室30の水位が上昇する。これによって抽出容器33内の被抽出物から成分が抽出される。さらに水位上昇した水は、還流路15から貯湯タンク11に戻され、循環する。
【0073】
ステップS117において抽出時間が抽出設定時間に達したと判定された場合、制御装置58は次の処理を行う(ステップS118)。すなわち、制御装置58は、ポンプ101をOFFし、抽出時間の計時を終了し、排水弁301を開弁し、排水時間の計時を開始する。その後制御装置58は、計時されている排水時間が排水設定時間に達したか否かを判定する(ステップS119)。達していないと判定された場合、ステップS119が繰り返し実行される。
【0074】
ステップS119が繰り返し実行されている間、排水弁301が開弁しているので、抽出室30内の水が排水管302を含む抽出室排水手段350を介して外部排水系に排出される。さらに、抽出容器33内の被抽出物に含まれる水が滴下したものも、同様に排出される。ここで、上述のように、排水設定時間は、被抽出物に含まれる水の滴下がなくなる時間、またはほとんどなくなる時間に設定されている。
【0075】
ステップS119において排水時間が排水設定時間に達したと判定された場合、制御装置58は、次の処理を行う(ステップS120)。すなわち、制御装置58は、排水弁301を閉弁し、排水時間の計時を終了し、抽出ランプ49及び準備中ランプ39を消灯し、保存時間の計時を開始する。
ステップS120に続く処理、すなわちステップS121〜S133における処理は、実施の形態1(図7)のステップS18〜S30と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
このように、実施の形態5に係る飲料抽出装置は、抽出室排水手段350が抽出室30から水を排出するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、抽出初期に抽出室30に供給された水は、被抽出物と接触した後、外部排水系に排水されるので、飲料に影響を与えず被抽出物の洗浄を行うことができる。この洗浄によって、被抽出物に混入していた微粉末が洗い流されるので、その後の抽出では濁りのない透明な飲料を得ることができる。また、このため、微粉末の飲料への混入を防止するための作業、たとえばフィルターバッグに被抽出物を少量ずつ詰めたり、抽出液を濾紙で濾したり、静置して上水のみを抜き取る等の作業が不要となる。
さらに、熱水の温度が80℃以上となるように設定することによって、被抽出物に付着している浮遊菌等を殺菌し除去することができる。
【0077】
実施の形態6.
実施の形態6は、実施の形態1において、制御装置58の処理内容を変更し、抽出室30への給水開始を早め、貯湯タンク11内の水の加熱中に給水が開始されるようにしたものである。
実施の形態6に係る飲料抽出装置の構成は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。ただし、抽出温度設定手段50(図5)は、第1抽出設定温度T1及び第2抽出設定温度T2という二つの値を設定することができるように構成される。ここで、第2抽出設定温度T2は成分抽出に最適な水温であり、被抽出物に応じて設定される。また、第2抽出設定温度T2は、成分抽出が行われている間の水温調節の基準となる水温でもある。第1抽出設定温度T1は、第2抽出設定温度T2よりも低いが成分抽出を開始してもよい水温である。
また、抽出時間設定手段52(図5)は、第1抽出設定時間Ta及び第2抽出設定時間Tbという二つの値を設定することができるように構成される。ここで、第1抽出設定時間Ta及び第2抽出設定時間Tbは、それぞれ第1抽出設定温度T1及び第2抽出設定温度T2において抽出が開始された場合の抽出継続時間である。
【0078】
図19〜図21は、実施の形態6に係る飲料抽出装置の動作を示すフローチャートである。また、図22のグラフは、縦軸が温度を、横軸が経過時間を表し、実施の形態6における貯湯タンク11内の水温の変化を示す。
ステップS201〜S206における処理は、実施の形態1(図6)のステップS1〜S6と同様であるので、説明を省略する。
ステップS205において上限水位スイッチ19dがONであると判定された場合、制御装置58は給水弁21を閉弁して給水動作を終了するとともに、ヒータ17をONする(ステップS207)。
【0079】
図22のグラフは、ステップS207が実行される時点を時間0としている。この時点では、貯湯タンク11の水温は、水道水の温度T0となっているが、その後ヒータ17の加熱によって上昇する。
【0080】
次に、制御装置58は、貯湯タンク11内の水温が第1抽出設定温度T1以上かどうかを判定する(ステップS208)。水温が第1抽出設定温度T1以上でない場合、さらに抽出スイッチ48がONであるかどうかを判定し(ステップS209)、抽出スイッチ48がONでなければステップS208に戻る。
ステップS209において抽出スイッチ48がONである場合、制御装置58は抽出ランプ49を点灯させ(ステップS210)、再び水温が第1抽出設定温度T1以上であるかどうかを判定する(ステップS211)。水温が第1抽出設定温度T1以上でない場合、ステップS211が繰り返し実行される。水温が第1抽出設定温度T1以上である場合、ポンプ27をONするとともに、第1抽出時間の計時を開始する(ステップS212)。
【0081】
このステップS212の実行時刻は、図22のグラフにおける時刻H1に相当する。ここでポンプ27がONとなるので、貯湯タンク11内の熱水が抽出室30に供給される。すなわち、貯湯タンク11に貯められた水の温度が、被抽出物の成分抽出に最適な温度である第2抽出設定温度T2に達する前に、貯湯タンク11から抽出室30への水の供給が開始される。
その後、実施の形態1と同様にして抽出室30内の被抽出物の成分抽出が行われる。
【0082】
次に、制御装置58は、計時されている第1抽出時間と、抽出時間設定手段52によって設定された第1抽出設定時間Taとを比較し、第1抽出設定時間Taが経過したかどうかを判定する(ステップS213)。経過していない場合、第2抽出設定温度T2維持工程を実行し(ステップS214)、ステップS213に戻る。ここで、第2抽出設定温度T2維持工程とは、たとえば、水温検知センサ18によって検出される水温が所定範囲より低くなればヒータ17をONとし、逆に所定範囲より高くなればヒータ17をOFFとする工程である。ただし、この第2抽出設定温度T2維持工程は、周知の制御によって水温を第2抽出設定温度T2に維持しようとする工程であればどのようなものでもよい。
図22のグラフに示すように、水温は上昇し、時刻H2において第2抽出設定温度T2に達するが、ステップS214によって第2抽出設定温度T2に維持されることになる。
【0083】
ステップS213において第1抽出設定時間Taが経過したと判定されると、制御装置58はポンプ27をOFFとするとともに第1抽出時間の計時を終了する(ステップS215)。これによって熱水の供給が止まり、被抽出物の成分抽出が終了する。このステップS215の実行時刻は、図22のグラフにおける時刻H3に相当する。
なお、ポンプ27が停止されると、実施の形態1と同様に、供給路200が抽出室排水手段として機能し、抽出室30の水を排出する。
その後制御装置58はヒータ17をOFFし(ステップS230)、水温は下降しはじめる。ステップS210〜S215の処理が行われた場合、水温の変化は、図22のグラフにおいて、太実線および細実線で示されるものとなる。
【0084】
上述のステップS208において水温が第1抽出設定温度T1以上であると判定された場合は、上述のステップS210〜S215とは異なる処理が実行される。これは、水温が第1抽出設定温度T1に達するまでに抽出スイッチ48がONされない場合に相当する。
この場合、制御装置58は、水温が第2抽出設定温度T2以上であるかどうかを判定し(ステップS216)、第2抽出設定温度T2以上でない場合にはステップS216を繰り返し実行する。
すなわち、抽出容器33の収納が遅れる等の理由によって、利用者が抽出スイッチ48をONとしないまま水温が第1抽出設定温度T1以上に昇温した場合、たとえその後に抽出スイッチ48がONとなっても、水温が第2抽出設定温度T2に達するまでは、ポンプ27が運転されないことになる。
【0085】
ステップS216において水温が第2抽出設定温度T2以上であると判定された場合、制御装置58はヒータ17をOFFする(ステップS217)。次に、抽出スイッチ48がONであるかどうかを判定し(ステップS218)、ONでなければ上述のステップS214と同様の第2抽出設定温度T2維持工程を実行し(ステップS219)、ステップS218に戻る。
【0086】
ステップS218において抽出スイッチ48がONであると判定されると、制御装置58は抽出ランプ49を点灯させ(ステップS220)、ポンプ27の運転を開始するとともに第2抽出時間の計時を開始する(ステップS221)。このステップS221の実行時刻は、図22のグラフにおける時刻H2に相当する。
次に、制御装置58は、計時されている第2抽出時間と、抽出時間設定手段52によって設定された第2抽出設定時間Tbとを比較し、第2抽出設定時間Tbが経過したかどうかを判定する(ステップS222)。経過していない場合、ステップS214と同様の第2抽出設定温度T2維持工程を実行し(ステップS223)、ステップS222に戻る。
【0087】
ステップS222において第2抽出設定時間Tbが経過したと判定されると、制御装置58はポンプ27をOFFとするとともに第2抽出時間の計時を終了する(ステップS224)。これによって熱水の供給が止まり、被抽出物の成分抽出が終了する。このステップS222の実行時刻は、図22のグラフにおける時刻H4に相当する。
なお、ポンプ27が停止されると、実施の形態1と同様に、供給路200が抽出室排水手段として機能し、抽出室30の水を排出する。
その後制御装置58はヒータ17をOFFし(ステップS230)、水温は下降しはじめる。ステップS217〜S224の処理が行われた場合、水温の変化は、図22のグラフにおいて、太実線および一点鎖線で示されるものとなる。
【0088】
ステップS230に続く処理、すなわちステップS231〜S242における処理は、実施の形態1(図7)のステップS18〜S30と同様であるので、説明を省略する。ただし、実施の形態1(図7)のステップS24〜S26は、実施の形態6(図21)ではステップS238の保存温度維持工程としてまとめられている。この保存温度維持工程は、たとえば図7のステップS24〜S26によって置き換えられるものであるが、ステップS214の第2抽出設定温度T2維持工程と同様に、一定の温度範囲に水温を維持する工程であればどのようなものでもよい。
なお、図22のグラフにおいて、T3は保存設定温度を表す。
【0089】
以上説明されるように、実施の形態6において、水温が第1抽出設定温度T1以上となる前に抽出スイッチ48がONされた場合、水温の変化は図22のグラフの太実線及び細実線で表されるものとなり、第1抽出設定時間Taの範囲で被抽出物の成分抽出が行われる。すなわち、貯湯タンク11内の水の昇温過程において成分抽出が開始されることになる。また、水の昇温完了を待たず、早期に成分抽出の開始が開始されるため、成分抽出が早められ、時刻H4よりも早い時刻H3において終了することになる。言い換えれば、昇温過程の途中である第1抽出設定温度T1においてポンプ27を作動させ抽出を開始した場合には、第2抽出設定温度T2においてポンプ27を作動させ抽出を開始した場合に比較して、第2抽出設定温度T2における抽出時間を短くする制御となっている。
【0090】
このように、実施の形態6に係る飲料抽出装置は、実施の形態1と同様に、供給路200が抽出室排水手段として機能し、抽出室30から水を排出するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、水の昇温完了を待たず、早期に成分抽出の開始が開始されるため、電源スイッチ45がONとなってから飲料が注出可能となるまでの待ち時間を短縮することができる。とくに、水温が最適抽出温度に達した時点で、可溶性の低い成分などもすでに可溶化の準備が整った状態であり、最適抽出温度になってから成分抽出を開始する構成に比べて短時間の内に溶出させることができる。このため、昇温時間短縮のために湯沸かし器等から熱水を供給したり、ヒータ17の加熱能力を高くする等の対策が不要となり、設備費や電気代、ガス代、部品コスト等を節約することができる。
【0091】
さらに、比較的低い温度から抽出が開始されるので、可溶性成分の抽出をより効率的にすることができる。たとえば緑茶の場合、可溶性成分としてはカテキン、フラボノール、カフェイン、タンパク質・アミノ酸、ビタミンC、糖類などがあり、可溶性成分の中でもタンパク質・アミノ酸、ビタミンC、糖類などは、表面張力が大きい低温から中温域でも溶出し、カテキン、フラボノール、カフェインなどは、表面張力が小さい高温域で溶出し易くなると考えられる。従って、昇温過程から成分抽出を始めると、可溶性の高い成分から先に溶出し、これによって組織の一部が粗になって水の侵入を容易にする。また、昇温過程であることから表面張力が次第に小さくなり、さらに水の侵入が助長されて組織内部に水が入り易くなって成分抽出が促進される。
【0092】
なお、第1抽出設定時間Taは、被抽出物の種類によって異なり、たとえば抽出液の濃度や風味などについての機器測定や官能評価などを行って決定される。
図22の例では、第1抽出設定時間Taの設定は、時刻H1〜H3の間に抽出が行われるようになっている。すなわち、水温が第2抽出設定温度T2に達した時点ではまだ抽出が継続して行われており、その後第2抽出設定温度T2を維持している時に抽出が終了するようになっている。この第1抽出設定時間Taを短く設定すれば、たとえば時刻H2より前に成分抽出が終了したり、時刻H2の時点で終了するようにすることもできる。すなわち、水温が第2抽出設定温度T2に達する前や、達した時点でポンプ27を停止する制御とすることもできる。被抽出物の種類によっては、昇温過程のみで成分抽出が完了するので、こうすることによって飲料の提供開始をさらに早くすることができる。
【0093】
この第1抽出設定時間Taの設定は、被抽出物の種類、形態、所望する成分(可溶性成分のみか、難溶性成分も含むのか、等)などに応じて変更可能であり、これに従って図22のグラフは種々の軌跡を示す。例えば、被抽出物の形態が根、茎、果実、豆などである場合は成分抽出に時間を要するが、葉、粉末などは成分抽出が短時間で行われ、昇温過程で充分に成分抽出が終了する場合がある。
たとえば、近年市販されている薬草、山野草、茶葉等の被抽出物の形態においては、第1抽出設定温度T1を40℃に設定し、第1抽出設定時間Taを数分から数十分に設定すれば、所望濃度の抽出液を得ることができる。
【0094】
また、第2抽出設定温度T2は成分抽出に最適な温度に限定されるものではなく、他の基準に基づいて決定されてもよい。例えば、ポンプ27の耐熱許容温度、例えば90℃に設定しておいてもよい。この場合、第1抽出設定温度T1を水道水温T0と略同等にしてもよく、こうするとヒータ17への通電開始と同時にポンプ27の運転を開始し、被抽出物を早期に膨潤させ水和を図り、昇温過程で成分抽出を終了させることも可能である。また、さらに第1抽出設定時間Taを被抽出物に応じて変更し、90℃までの昇温過程において被抽出物に応じた最適抽出温度を経過する時間帯で抽出を終了させるようにしてもよい。90℃までの昇温時間は、水量とヒータ17の容量で決まるが、小形の装置では約20〜60分程度である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この発明の実施の形態1に係る飲料抽出装置の断面図である。
【図2】図1の飲料抽出装置を示す正面図である。
【図3】図1の操作盤を示す正面図である。
【図4】図1の制御盤を示す正面図である。
【図5】図4の制御盤に内蔵されている制御装置を示すブロック図である。
【図6】図5の制御装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図7】図5の制御装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る飲料抽出装置の断面図である。
【図9】図8の飲料抽出装置の正面図である。
【図10】この発明の実施の形態3に係る飲料抽出装置の断面図である。
【図11】図10の飲料抽出装置の正面図である。
【図12】この発明の実施の形態4に係る飲料抽出装置の断面図である。
【図13】この発明の実施の形態5に係る飲料抽出装置の断面図である。
【図14】図13の飲料抽出装置の正面図である。
【図15】図13の飲料抽出装置に内蔵されている制御装置を示すブロック図である。
【図16】図13の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図17】図13の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図18】図13の飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図19】この発明の実施の形態6に係る飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図20】この発明の実施の形態6に係る飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図21】この発明の実施の形態6に係る飲料抽出装置の動作を示すフローチャートの一部である。
【図22】この発明の実施の形態6における貯湯タンク内の水温の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0096】
11 貯湯タンク、15、400 還流路、17 ヒータ(加熱手段)、18 水温検知センサ(水温検出手段)、30、230 抽出室、200 供給路(抽出室排水手段)、202 供給路、300、500 抽出室排水手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯める貯湯タンクと、
被抽出物を格納する抽出室と、
前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続され、前記貯湯タンクから前記抽出室に前記水を供給するための供給路と、
前記貯湯タンクと前記抽出室とに接続され、前記水を前記抽出室から前記貯湯タンクに戻すための還流路と、
前記抽出室の前記水を排出するための抽出室排水手段と
を備えることを特徴とする飲料抽出装置。
【請求項2】
前記抽出室への前記水の前記供給が開始された後、所定時間が経過する前は、前記抽出室排水手段が前記抽出室の前記水を排出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の飲料抽出装置。
【請求項3】
前記貯湯タンクに貯められた前記水を加熱する加熱手段と、
前記貯湯タンクに貯められた前記水の温度を検出する水温検出手段と
をさらに備え、
前記水温検出手段によって検出される前記水の温度が、前記被抽出物の成分抽出に最適な温度に達する前に、前記貯湯タンクから前記抽出室への前記水の前記供給を開始する
ことを特徴とする、請求項1に記載の飲料抽出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−82552(P2009−82552A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257511(P2007−257511)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】