説明

飲料用の容器

【課題】風味の良好な飲料をいつでも手軽に楽しむことを可能にすること。
【解決手段】容器1は、ミネラル飲料水2を収容可能な容器本体11と;容器本体の栓を成すキャップ31と;ミネラル飲料水2に対して添加,混合される添加物(お茶成分等)を収容したバッグ41と;を有している。バッグ41は、粘着剤によって容器本体11の外壁に貼付されている。飲用する際には、バッグ41の一部を切取って開封する。続いて、容器本体11の外側にこぼれ落ちないように、バッグ41の開封箇所を口元部分の内側に臨ませる。すると、バッグ41内部の添加物が自重により落下し始め、飲料水中へ投下される。このような容器によれば、たとえば炒りたてで香り豊かな味わいのコーヒーや、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料をいつでも手軽に楽しむことが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料用の容器に関し、特に、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料をいつでも手軽に楽しむことを可能にする容器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている飲料には様々な種類のものがあり、その多くは、たとえば図5に示すような形状のPETボトルに収容された状態で販売されている。
【0003】
しかしながら、飲料の種類によっては、品質を保持するための酸化防止剤などが添加されているものがある。また、時間の経過に伴って風味が損なわれるものもある。
【0004】
したがって、人体に良好で且つ風味の良好な飲料を楽しむ観点からは、飲用直前において、たとえば天然のミネラルウォーターに好みの成分(お茶成分やコーヒー成分)を添加して、所望の飲料を自分で用意することが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上述した背景に鑑み、本発明の目的は、風味の良好な飲料(たとえば炒りたてで香り豊かな味わいのコーヒー)や、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料を、いつでも手軽に楽しむことを可能にする容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(5)記載の本発明によって達成される。
【0007】
(1) 内側にミネラル飲料水を収容しており、当該飲料水を排出可能な開口部を口元部分に備えた容器本体と、
前記容器本体の栓を成すキャップと、
前記容器本体内のミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物を収容しており、前記容器本体の外壁に設けられたバッグと、を有することを特徴とする飲料用の容器。
【0008】
(2) 内側にミネラル飲料水を収容しており、当該飲料水を排出可能な開口部を口元部分に備えた容器本体と、
前記容器本体の栓を成すキャップと、
前記容器本体の外壁の全部または一部を被覆するラベルと、
前記容器本体内のミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物を収容しており、前記容器本体の外壁と前記ラベルとの間に挟持されたバッグと、を有することを特徴とする飲料用の容器。
【0009】
(3) 前記バッグに収容された添加物は、お茶成分,コーヒー成分,辛味成分,香料,果汁,糖類,塩,乳酸菌,ビタミン,ミネラル,アミノ酸,コラーゲン,粉状・粒状・顆粒状・タブレット状・液体状・ペースト状の加工食品の少なくとも一種を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の飲料用の容器。
【0010】
(4) 前記バッグは、そのままの状態で前記ミネラル飲料水に浸漬させるタイプのバッグ、および開封して中身の添加物だけを前記ミネラル飲料水に添加するタイプのバッグのいずれか一方であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の飲料用の容器。
【0011】
(5) 前記キャップは、コップ形状を有するように形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の飲料用の容器。
【発明の効果】
【0012】
上記(1),(2)記載の本発明によれば、容器は、ミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物(お茶,コーヒー,各種ビタミンなどの無害成分)を収容したバッグを備えている。したがって、飲用直前において、ミネラル飲料水に対して、好みの成分を添加することにより、所望の飲料を自分で用意することができる。その結果、出来立てで風味の良好な飲料(たとえば炒りたてで香り豊かな味わいのコーヒー)や、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料を、いつでも手軽に楽しむことが可能になる。
また、バッグに収容された添加物を自分の手で添加,混合することにより、自分に合った飲料(たとえば、好みの風味の飲料や、自分に不足している栄養分を含有した飲料)を自らの手で用意するといった作業を手軽に楽しむことができる。
さらに、保存状態に問題がなければ、一般的に未開栓のミネラル飲料水(たとえばPETボトル入りのナチュラルミネラル飲料水)は、他の清涼飲料と比較して賞味期限が長い。したがって、本発明の容器を災害時のための保存飲料用容器として利用することにより、万が一災害が発生した場合であっても、水以外にも様々なタイプの飲料を迅速に提供することができる。その結果、精神面・健康面において被災者をサポートすることができる。
【0013】
上記(3)記載の本発明によれば、個々の飲用者の健康状態や好みに応じて、様々なタイプの飲料を提供することが可能になる。
【0014】
上記(4)記載の本発明において、浸漬タイプのバッグを備えた容器によれば、バッグをそのまま容器本体内に投下するだけで足りるので、迅速に所望の飲料を用意することができる。また、一部を切取って開封するタイプのバッグを備えた容器によれば、たとえば飲料水に溶解し難い添加物であっても、飲料水の全体に亘って均一に混合させることができる。
【0015】
上記(5)記載の本発明によれば、キャップをコップとして利用することができるので、口元部分に直接口を付けて飲用することを避けることができる。その結果、引用時に口内の雑菌が飲料に混入すること防止することができるので、容器内の飲料の衛生状態を良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る飲料用容器の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
〔容器の構成〕
まず最初に、図1〜図4に基づいて、本発明に係る容器1の構成を説明する。
図1は、本発明に係る容器1を示す斜視図である。
図2は、本発明に係る容器1の変形例を示す斜視図である。
図3は、図1の容器1が有するキャップ31を取り外した状態を示す断面図である。
図4は、図1の容器1内のミネラル飲料水2に対して添加物を添加している様子を示す図である。
【0018】
本発明に係る飲料用の容器1は、PET(Polyethylene Terephthalate)製の容器本体11と、コップとしても利用可能なキャップ31と、後述する添加物(風味の素となる成分等)が収容されたバッグ41と、を有している。
【0019】
容器本体11は、内側にミネラル飲料水2を収容しており、図3に示すように略円筒状に形成された口元部分13を有している。口元部分13は、一般的に市販されているPETボトルと比較してやや大きめの口径を有している。口元部分13の内側には、ミネラル飲料水2を外側へ排出可能な開口部(通路)19が形成されている。
【0020】
容器本体11の栓を成すキャップ31は、コップ形状を有するように形成されている。飲用時においては、取り外したキャップ31をコップとして利用することができるようになっている。
【0021】
バッグ41はビニールや紙から形成されており、図1に示すように容器本体11の外壁に粘着剤等を介して貼付されている。バッグ41の中には、容器本体11内のミネラル飲料水2に対して添加,混合される添加物3が収容されている。
【0022】
バッグ41に収容される添加物3の種類は特に限定されないが、その例としては、たとえばお茶成分,コーヒー成分,辛味成分,香料,果汁,糖類,塩,乳酸菌,各種ビタミン,ミネラル,アミノ酸,コラーゲン,粉状・粒状・顆粒状・タブレット状・液体状・ペースト状の加工食品のいずれか1種、又はこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
【0023】
上記お茶成分の例としては、たとえば、緑茶,梅昆布茶,番茶,焙じ茶,紅茶などの成分が挙げられる。
【0024】
また、上記果汁の例としては、たとえば、レモン,リンゴ,桃,ブルーベリーなどの果汁が挙げられる。
【0025】
さらに、上記粉状・粒状・顆粒状・タブレット状の加工食品の例としては、たとえば、フリーズドライ製法によって製造した加工食品が挙げられる。
【0026】
なお本発明において、バッグを設ける態様は図1に示すものに限定されない。たとえば、図2に示すように容器本体11の外壁を被覆するビニール製ラベル(或いは紙製ラベル)51を設け、このラベル51と容器本体11の外壁との間にバッグ41の全部又は一部を挟持させるようにしてもよい。このような態様においては、図1に示す場合のように粘着剤を使用して貼付する必要がないので、生産コストの低減および生産工程の簡略化を図ることができる。
【0027】
〔飲用手順〕
次に、図3及び図4に基づいて、容器1に収容された飲料の飲用手順について説明する。
【0028】
飲用する際には、まず、図3に示すようにキャップ31を回転させながら取り外し、開栓する。続いて、容器本体11内のミネラル飲料水2に、バッグ41内の添加物を添加する作業を行う。
【0029】
ミネラル飲料水2に添加物を添加する際には、バッグ41の一部を切取って開封する。続いて、容器本体11の外側にこぼれ落ちないように、図4に示すようにバッグ41の開封箇所を開口部19に臨ませる。すると、バッグ41内部の添加物が自重により落下し始め、飲料水中へ投下される。
【0030】
そして、添加物の投下が完了したら、必要に応じてキャップ31で栓をして、容器本体11をよく振って、ミネラル飲料水2と添加された添加物3とを十分に混合させる。
【0031】
混合を終えたら再びキャップ31を取り外し、ミネラル飲料水2と添加物3とをミックスした飲料を飲用する。その際には、取り外したキャップ31をコップとして利用しもよい。これにより、口元部分に直接口を付けて飲用することを避けることができる。その結果、引用時に口内の雑菌が飲料に混入すること防止することができるので、容器内の飲料の衛生状態を良好に保つことができる。
【0032】
飲用を終えたときに容器に飲料が残っている場合には、必要に応じて、図8に示すように再びキャップ31で栓をして保管してもよい。
【0033】
なお、上述した実施形態では、バッグ41を開封タイプのバッグとして説明したが、バッグをそのまま飲料水に浸漬するタイプのものとして構成されてもよい。この場合には、バッグはメッシュ袋から構成されていることが望ましい。
【0034】
〔本発明の容器によって達成される優れた効果〕
上述した本発明によれば、容器は、ミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物(お茶,コーヒー,各種ビタミンなどの無害成分)を収容したバッグを備えている。したがって、飲用直前において、ミネラル飲料水に対して、好みの成分を添加することにより、所望の飲料を自分で用意することができる。その結果、出来立てで風味の良好な飲料(たとえば炒りたてで香り豊かな味わいのコーヒー)や、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料を、いつでも手軽に楽しむことが可能になる。
【0035】
また、バッグに収容された添加物を自分の手で添加,混合することにより、自分に合った飲料(たとえば、好みの風味の飲料や、自分に不足している栄養分を含有した飲料)を自らの手で用意するといった作業を手軽に楽しむことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、風味の良好な飲料(たとえば炒りたてで香り豊かな味わいのコーヒー)や、保存料等の有害物質を含むことのない安全な飲料を、いつでも手軽に楽しむことを可能にする容器を提供するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る容器を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る容器の変形例を示す斜視図である。
【図3】図1の容器が有するキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【図4】図1の容器内のミネラル飲料水に対して添加物を添加している様子を示す図である。
【図5】一般的に市販されているタイプのPETボトル入り飲料を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 容器
2 ミネラル飲料水
3 添加物
11 容器本体
13 口元部分
19 開口部(通路)
31 キャップ
41 バッグ
51 ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側にミネラル飲料水を収容しており、当該飲料水を排出可能な開口部を口元部分に備えた容器本体と、
前記容器本体の栓を成すキャップと、
前記容器本体内のミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物を収容しており、前記容器本体の外壁に設けられたバッグと、を有することを特徴とする飲料用の容器。
【請求項2】
内側にミネラル飲料水を収容しており、当該飲料水を排出可能な開口部を口元部分に備えた容器本体と、
前記容器本体の栓を成すキャップと、
前記容器本体の外壁の全部または一部を被覆するラベルと、
前記容器本体内のミネラル飲料水に対して添加,混合される添加物を収容しており、前記容器本体の外壁と前記ラベルとの間に挟持されたバッグと、を有することを特徴とする飲料用の容器。
【請求項3】
前記バッグに収容された添加物は、お茶成分,コーヒー成分,辛味成分,香料,果汁,糖類,塩,乳酸菌,ビタミン,ミネラル,アミノ酸,コラーゲン,粉状・粒状・顆粒状・タブレット状・液体状・ペースト状の加工食品の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の飲料用の容器。
【請求項4】
前記バッグは、そのままの状態で前記ミネラル飲料水に浸漬させるタイプのバッグ、および開封して中身の添加物だけを前記ミネラル飲料水に添加するタイプのバッグのいずれか一方であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の飲料用の容器。
【請求項5】
前記キャップは、コップ形状を有するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の飲料用の容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−143297(P2006−143297A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338257(P2004−338257)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(503047124)株式会社華舞 (8)
【Fターム(参考)】