説明

飲料缶用景品収容容器

【課題】 飲料缶からの取り外しを簡単、かつ、容易に行うことができ、口径の異なる複数の飲料缶に対して利用することのできる飲料缶用景品収容容器を提供する。
【解決手段】 下面が開放し、飲料缶Cの上端部に対して装脱可能な装着部13が下端部に設けられたキャップ11からなる飲料缶用景品収容容器1において、前記キャップを直方体に形成すると共に対向する短辺部分を円弧状に膨出して装着部13となし、かつ、該装着部の前記両短辺部分の下端部に前記飲料缶の上端部に着脱自在に係止される係止突起13bを形成し、さらに、前記キャンプの下面開口部を塞ぐ内蓋21を着脱自在に取付け、この内蓋とキャップの間の空間部に景品Gを収納した飲料缶用景品収容容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、清涼飲料水、ジュース、コーヒーなどの飲料を収容した飲料缶の上端部に取付ける飲料缶用景品収容容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、販売促進を目的とし、飲料缶の上端部に装脱可能な飲料缶用景品収容容器を取付け、この飲料缶用景品収容容器の中に景品を入れて販売している。
【特許文献1】特開2004−276975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の飲料缶用景品収容容器は、飲料缶と同じ円筒状に構成され、内周の下端部に所定間隔で設けた係合爪を飲料缶の上端部に設けられた環状の係止部に係合させることによって取付ける構成にされている。したがって、飲料缶用景品収容容器の係合爪が飲料缶の上端部に設けた係止部に、全周に渡って所定間隔で係合するので、飲料缶に対して強い係合力で飲料缶用景品収容容器が取付けられることとなり、飲料缶からの飲料缶用景品収容容器の取り外しが困難であるといった問題があった。
【0004】
また、従来の飲料缶用景品収容容器は、同じ口径の飲料缶にしか使用することができなかった。しかし、飲料缶には口径の違うものが販売されているので、これらの異なる口径毎に容器を製造しなければならないといった問題もあった。
【0005】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、飲料缶からの取り外しを簡単、かつ、容易に行うことができ、また、口径の異なる複数の飲料缶に対して利用することのできる飲料缶用景品収容容器を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料缶用景品収容容器は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、下面が開放し、飲料缶の上端部に対して装脱可能な装着部が下端部に設けられたキャップからなる飲料缶用景品収容容器において、前記キャップを直方体に形成すると共に対向する短辺部分を円弧状に膨出して装着部となし、かつ、該装着部の前記両短辺部分の下端部に前記飲料缶の上端部に着脱自在に係止される係止突起を形成し、さらに、前記キャンプの下面開口部を塞ぐ内蓋を着脱自在に取付け、この内蓋とキャップの間の空間部に景品を収納したことを特徴とする。
【0007】
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記内蓋は前記キャップに形成された内蓋係止部に対して着脱自在に取付けられ、かつ、前記キャップの装着部より小さな口径の飲料缶の上端部に対して着脱自在に係止される小径装着部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の手段は、前記した請求項2において、前記内蓋に、前記キャップの側面から突出する突起を設け、この突起によって内蓋を前記キャップより取り外すことができるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の手段は、前記した請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記キャップおよび前記内蓋を合成樹脂で成形し、飲料缶の上端部よりの取り外しが容易に行えると共に収容景品の保護を強化たことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明の飲料缶用景品収容容器によれば、キャップを直方体に形成すると共に対向する短辺部分を円弧状に膨出して装着部となし、かつ、該装着部の前記両短辺部分の下端部に飲料缶の上端部に着脱自在に係止される係止突起を形成したので、飲料缶に対して係合する部分が少なくなるとともに、キャップの対向する平面部分を把持できることにより、飲料缶用景品収容容器の飲料缶からの取り外しを簡単、かつ、容易に行うことができる。
【0011】
そして、内蓋は前記キャップに形成された内蓋係止部に対して着脱自在に取付けられ、かつ、キャップの装着部より小さな口径の飲料缶の上端部に対して着脱自在に係止される小径装着部を形成したので、口径の異なる複数の飲料缶に対して利用することができる。
【0012】
また、口径の異なる小径装着部を有する内蓋を用意しておいて交換することにより、さらに口径の異なる飲料缶に対して利用することができるとともに、キャップを共通部品として使用できるので、複数(3つ以上)の口径の異なる飲料缶用景品収容容器を安価に提供することができる。
【0013】
さらに、内蓋に、キャップの側面から突出する突起を設けたので、この突起によって簡単、かつ、容易にキャップから内蓋を取り外し、飲料缶用景品収容容器から景品を取り出すことができる。
【0014】
また、キャップおよび内蓋を合成樹脂で成形にしたので、景品を破損しないように収容させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施例としての飲料缶用景品収容容器の平面図、図2は図1に示した飲料缶用景品収容容器のA−A線による切断端面図、図3は図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付ける説明図、図4は図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付けた状態の部分断面図、図5は図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付けた状態の斜視図、図6は図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器を内蓋の装着部で飲料缶に取付けた状態の部分断面図である。なお、図2〜図6における飲料缶用景品収容容器の断面は、図1のB−B線による断面図に相当する。
【0016】
図1〜図3において、飲料缶用景品収容容器1は、下面が開放し、飲料缶Cの上端部に対して装脱可能な装着部13が下端部にそれぞれ設けられたキャップ11と、このキャップ11の下面を閉塞する内蓋21とで構成されている。
なお、キャップ11および内蓋21は、所定の硬さを有する合成樹脂、例えば、ポリプロピレン(PP)などで成形されている。
【0017】
上記したキャップ11は、直方体の対向する短辺部分をそれぞれ円弧状に膨出させた形状、すなわち、円柱をIカットした形状のキャップ本体12と、このキャップ本体12の円弧状をした両短辺部分の下端部にそれぞれ設けられた装着部13とで構成されている。
【0018】
そして、キャップ本体12には、下端に飲料缶の上端の巻き締め縁が挿入される切欠12a(図5をも参照。)が4つ設けられるとともに、この切欠12aに挟まれた直線部分の内側に、所定の間隔をおいて内側係止部としての内側係止突起12bがそれぞれ水平に2つ設けられている。
【0019】
また、各装着部13は、キャップ本体12の両短辺部分を下側へ延長した円弧状延長部13aと、この円弧状延長部13aの内側に所定の間隔をおいて水平に設けられ、飲料缶の上端部に設けられた被装着部に対して装脱可能な2つの係止突起13bとで構成されている。
【0020】
上記した内蓋21は、キャップ本体12の下側へ挿入され、内蓋係止突起12bに係合してキャップ本体12の下面を閉塞する平板部22と、この平板部12の対向する直線状の長辺に設けられ、キャップ本体12の切欠12aから側面の外へ突出する突起23と、平板部22の円弧状をした両短辺部分の下端部にそれぞれ設けられ、キャップ11の装着部13が装着される飲料缶Cの口径よりも小さな口径の飲料缶の上端部に対して装脱可能な小径装着部24とで構成されている。
【0021】
そして、各小径装着部24は、平板部22の円弧状をした両短辺部分の端を下側へ延長した円弧状延長部24aと、この円弧状延長部24aの内側に所定の間隔をおいて水平に設けられ、飲料缶の上端部に設けられた被装着部に対して装脱可能な2つの小径係止突起24bとで構成されている。
【0022】
図3〜図5において、この実施例では、販売促進用の景品Gとして、ミニチュアカーが飲料缶用景品収容容器1内に収容される。そして、飲料缶用景品収容容器1が装着される飲料缶C,cは、上下端に周回した巻き締め部eを設けることによって上下端の内側に周回した被装着部aがそれぞれ設けられている。
【0023】
なお、飲料缶Cは被装着部aにキャップ11の各係止突起13bで飲料缶用景品収容容器1が装着される口径とされ、飲料缶cは被装着部aに内蓋21の各小径係止突起24bで飲料缶用景品収容容器1が装着される口径とされている。ここで、口径は、飲料缶用景品収容容器1を装着する飲料缶の端部、すなわち、巻き締め縁eの口径とする。
【0024】
次に、景品Gの収容、および、飲料缶用景品収容容器1の装着について説明する。
まず、図3に示した状態では上下が反転しているが、キャップ本体12内へ景品Gを入れ、キャップ本体12の上側から円弧状延長部13の間へ内蓋21を挿入して押し込むと、各突起23が対応する切欠12a内へ入るとともに、平板部22が内蓋係止突起12bを押すことにより、キャップ本体12の下端部分は自身の弾性で外側へ膨らみ、平板部22が内蓋係止突起12b部分を通過すると、キャップ本体12の下端部分は自身の弾性で元の状態へと復帰し、キャップ本体12の下面を閉塞した状態に保持する。
【0025】
このように、キャップ本体12の下面を閉塞した状態に平板部22が保持されると、各突起23が対応する切欠12aの縁に当接するので、内蓋21はキャップ本体12にがたつかないように保持され、閉塞したキャップ本体12内に景品Gを収容させることができる。そして、小径装着部24も、装着部13の内側に、装着部13の下端よりも下端が上側に位置した状態に収容される。
【0026】
上記のようにして景品Gを収容させた飲料缶用景品収容容器1の装着部13を下側にし、飲料缶Cの上端を装着部13内に位置させるようにして飲料缶用景品収容容器1を飲料缶C側へ押し込むと、各係止突起13bが巻き締め縁eで押されることにより、円弧状延長部13aが自身の弾性で外側へ膨らみ、係止突起13bが巻き締め縁eを通過すると、円弧状延長部13aが自身の弾性で元の状態へと復帰し、係止突起13bが被装着部aに係合して巻き締め縁eの下側を保持するとともに、巻き締め縁eの上端が円弧状延長部13aの下端に当接し、図3〜図5に示すように、飲料缶Cに飲料缶用景品収容容器1を装着することができる。
【0027】
また、景品Gを収容させた飲料缶用景品収容容器1の装着部13を下側にし、飲料缶Cの口径よりも小さい口径の飲料缶cの上端を小径装着部24内に位置させるようにして飲料缶用景品収容容器1を飲料缶c側へ押し込むと、各小径係止突起24bが巻き締め縁eで押されることにより、円弧状延長部24aが自身の弾性で外側へ膨らみ、小径係止突起24bが巻き締め縁eを通過すると、円弧状延長部24aが自身の弾性で元の状態へと復帰し、小径係止突起24bが被装着部aに係合して巻き締め縁eの下側を保持するとともに、巻き締め縁eの上端が切欠12a内へ入って平板部22の下面に当接し、図6に示すように、飲料缶cに飲料缶用景品収容容器1を装着することができる。
【0028】
次に、飲料缶用景品収容容器1の取り外し、および、景品Gの取り出しについて説明する。
まず、キャップ本体12の上面に掌を当て、キャップ本体12の対向する長辺の面を指で挟み、例えば、キャップ本体12を飲料缶C,cに対して回転させるようにして持ち上げると、各係止突起13b,24bが飲料缶C,cの巻き締め縁eから外れることにより、飲料缶用景品収容容器1を飲料缶C,cの上端部から取り外すことができる。
【0029】
そして、図1に示すように、キャップ本体12の側面から突出した突起23に、例えば、爪を上側から当ててキャップ本体12から離れる方向へ押すと、平板部22が内蓋係止突起12bから外れることにより、内蓋21をキャップ11から取り外すして景品Gを取り出すことができる。
【0030】
上述したように、この発明の一実施例の飲料缶用景品収容容器1によれば、キャップ11を、直方体の対向する短辺部分をそれぞれ円筒状に膨出させた形状とし、装着部13をキャップ11の両短辺部分の下端部にそれぞれ設けたので、飲料缶Cに対して係合する部分が少なくなるとともに、キャップ11(キャップ本体12)の対向する平面部分を把持できることにより、飲料缶用景品収容容器1の飲料缶Cからの取り外しを簡単、かつ、容易に行うことができる。
【0031】
そして、キャップ11に内蓋係止突起12bを設け、この内側係止突起12bに、装着部13を装着する飲料缶Cの口径よりも小さな口径の飲料缶cの上端部に対して装脱可能な小径装着部24bを有し、キャップ11の下面を閉塞する内蓋21を取付けたので、口径の異なる複数の飲料缶C,cに対して利用することができる。
【0032】
また、口径の異なる小径装着部を有する内蓋を用意しておいて交換することにより、さらに口径の異なる飲料缶に対して利用することができるとともに、キャップ11を共通部品として使用できるので、複数(3つ以上)の口径の異なる飲料缶用景品収容容器を安価に提供することができる。
【0033】
さらに、内蓋21に、キャップ11の側面から突出する突起23を設けたので、この突起23によって簡単、かつ、容易にキャップ11から内蓋21を取り外し、飲料缶用景品収容容器1から景品Gを取り出すことができる。また、キャップ11および内蓋21を合成樹脂で成形にしたので、景品Gを破損しないように収容させることができる。
【0034】
なお、前記した実施例では内蓋21を利用して小さい口径の飲料缶にも取付け可能なものとして説明したが、キャップ11を直方体としたことで、飲料缶に対して外し易いという効果が得られるので、このような効果だけを期待するのであれば、内蓋21は単にキャップ11に対して着脱なものであればよく、従って、合成樹脂に限定されるものではなく少し厚みの厚い紙であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の一実施例としての飲料缶用景品収容容器の平面図である。
【図2】図1に示した飲料缶用景品収容容器のA−A線による切断端面図である。
【図3】図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付ける説明図である。
【図4】図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付けた状態の部分断面図である。
【図5】図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器をキャップの装着部で飲料缶に取付けた状態の斜視図である。
【図6】図1および図2に示した飲料缶用景品収容容器を内蓋の装着部で飲料缶に取付けた状態の部分断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 飲料缶用景品収容容器
11 キャップ
12 キャップ本体
12a 切欠
12b 内蓋係止突起(内蓋係止部)
13 装着部
13a 円弧状延長部
13b 係止突起
21 内蓋
22 平板部
23 突起
24 小径装着部
24a 円弧状延長部
24b 小径係止突起
G 景品
C,c 飲料缶
e 巻き締め縁
a 被装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が開放し、飲料缶の上端部に対して装脱可能な装着部が下端部に設けられたキャップからなる飲料缶用景品収容容器において、
前記キャップを直方体に形成すると共に対向する短辺部分を円弧状に膨出して装着部となし、かつ、該装着部の前記両短辺部分の下端部に前記飲料缶の上端部に着脱自在に係止される係止突起を形成し、さらに、前記キャンプの下面開口部を塞ぐ内蓋を着脱自在に取付け、この内蓋とキャップの間の空間部に景品を収納したことを特徴とする飲料缶用景品収容容器。
【請求項2】
前記内蓋は前記キャップに形成された内蓋係止部に対して着脱自在に取付けられ、かつ、前記キャップの装着部より小さな口径の飲料缶の上端部に対して着脱自在に係止される小径装着部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料缶用景品収容容器。
【請求項3】
前記内蓋に、前記キャップの側面から突出する突起を設け、この突起によって内蓋を前記キャップより取り外すことができるようにしたことを特徴とする請求項2記載の飲料缶用景品収容容器。
【請求項4】
前記キャップおよび前記内蓋を合成樹脂で成形し、飲料缶の上端部よりの取り外しが容易に行えると共に収容景品の保護を強化たことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の飲料缶用景品収容容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−112467(P2007−112467A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303966(P2005−303966)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(390024822)京商株式会社 (15)
【Fターム(参考)】