説明

飲食物容器用箱

【課題】開封後に皿の機能を有する飲食物容器用箱を提供する。
【解決手段】 容器用箱1は、ボール紙製で、内部に複数の缶ビールaを6個収容可能な直方体形状となし、その4側部を横方向に一周する互いに平行なミシン目からなるジッパー2により基部3と蓋部とに区画した箱本体と、天部を開放し側部止底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部3の内形に対応するように形成し、前記基部3の所定の側部内壁にその側部を付着させた皿袋6と、前記皿袋6における前記接着した側部とは反対側の側部外面に付着した紙製カバー7とからなる。この容器用箱1は、缶ビールaなどを持ち運ぶとき便利であるうえ、持参したオツマミや菓子類などを基部3や蓋部に盛ることが可能な皿機能を有するとともに、空缶や他のゴミなどを入れて廃棄場所まで運び易い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶ビール、清涼飲料用の缶やボトルなどの飲料容器や調味料、缶詰などの食品容器の飲食物容器用箱に係り、特に、開封後にオツマミなどを盛る皿の機能を有する飲食物容器用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば缶ビールなどの収容箱には、複数個の缶ビールを収容するとともに、持ち運びを容易にするという機能を備えたボール紙製の缶用包装体(特許文献1参照)はあるが、この包装体は、開封時に破って中の缶を取り出すように構成されており、開封後には不要になるもので、包装体以外の機能を有するものではない。
【特許文献1】特開2003−200967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、野外の行楽地などで缶ビールなどの飲物を飲む際、オツマミや菓子類などを持参して食することが多いが、従来の飲食物容器用箱に缶ビールなどの飲料容器を収容した状態のまま持参した場合には、前記オツマミを盛る皿を別途持参しなければならないという不便さがあった。加えて、飲食が終わった後の空き缶や他のゴミを運ぶ際、前記従来の包装体は、開封の際に破ってしまうので、空き缶や他のゴミの包装に使用することができず、空き缶やゴミを廃棄場所まで運びにくいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記不便さや問題を解消することを課題とし、該課題を解決した飲食物容器用箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の飲食物容器用箱は、内部に複数の飲食物容器を収容可能で、切り取り部により分離可能な基部と蓋部とに区画した箱本体と、天部を開放し側部と底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部あるいは蓋部の内形と対応するように形成し、前記基部と前記蓋部の少なくとも一方の所定の内壁に側部あるいは底部を付着させた皿袋とからなるものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の飲食物容器用箱は、内部に複数の飲食物容器を収容可能な直方体形状となし、その側部を横方向に一周する切取部により分離可能な基部と蓋部とに区画した箱本体と、天部を開放し側部と底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部あるいは蓋部の内形と対応するように形成し、前記基部と前記蓋部の少なくとも一方の所定の側部内壁にその側部を付着させた皿袋と、この皿袋における前記付着した側部とは反対側の側部に設けた板状カバーとからなるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の飲食物容器用箱によれば、飲食物容器を収容して持ち運ぶことが容易であるうえに、皿袋を引き出すことによって、例えば飲料を飲むときなどに持参したオツマミや菓子類などを基部や蓋部に盛ることが可能な皿機能を有するとともに、空の飲食物容器等のゴミを入れて廃棄場所まで運び易いという効果を奏する。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の飲料容器用箱によれば、前記請求項1に記載の発明の効果に加えて、皿袋の内側の側部に板状カバーを設けたので、飲食物容器を収容した状態において、飲食物容器が折り畳まれた皿袋と接触することがないため、袋が破損することがないとともに、前記板状カバーを摘んで引くだけで皿袋を引き出すことができるので、皿を形成し易いという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面の図1〜図4に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1は缶ビールを収容する容器用箱の正面図、図2は開封状態における基部の平面図、図3は開封後に缶ビールを取り出した状態を示す基部の縦断面図、図4は皿として使用する状態を示す基部の縦断面図である。
【0010】
図1〜図4に示すように、容器用箱1は、ボール紙製で、内部に複数の飲食物容器たる缶ビールaを6個収容可能な直方体形状となし、その4側部のほぼ中央を横方向に一周する互いに平行なミシン目2a,2aからなる切り取り部たるジッパー2により基部3と蓋部4とに区画した箱本体5と、天部を開放し側部と底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部3の内形に対応するように形成し、前記基部の一側部内壁にその側部を付着させた皿袋6とを備える。この皿袋6における前記付着側部とは反対側の側部には、紙製の板状カバー7を接着固定している。また、前記ジッパーには、図示していないが、開封用摘みを設けている。
【0011】
図2〜図3に示すように、皿袋6は、折り畳み可能なプラスチックシートで構成され、6個の缶ビールaを基部3の底部に立設状態で収容した状態では、基部3の一側部内壁に、折り畳まれた状態でその側部が付着されていて(図2参照)、各缶ビールaと折り畳まれた皿袋6間にはボール紙製の板状カバー7が介在し、各缶ビールaと折り畳まれた皿袋6は直接接触しない。
【0012】
次に、前記容器用箱1の使用方法を説明する。先ず、販売店は、皿袋6が基部3の一側部側に寄せて折り畳まれ、6個の缶ビールaを収容した図1の状態、すなわち、箱詰め工場で製品となした状態の箱入り缶ビールaを、小売店等の店頭に積み上げて販売する。一方、この箱入り缶ビールaを購入した消費者は、これを持参した行楽地などで、ジッパー2に設けた開封用摘み(図示せず)を摘んで引き、ミシン目2a,2aを破断しながら箱1を一周し、4側部のジッパー2を切り取ることによって、基部3と蓋部4とに分離する。分離後は、缶ビールaを基部3から取り出し、基部3のカバー7を折り畳み側とは反対側に移動し、図4に示すように、皿袋6を基部3の内壁に沿って展開し、オツマミや菓子類などを入れるための皿となし、飲食を行う。飲食が終了したら、空き缶を基部3に収容し蓋部4を被せて廃棄場所に運ぶ。
【0013】
なお、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、箱本体5は、ボール紙製ではなく、軟質プラスチックであってもよいほか、皿袋6は、プラスチックシートではなく、折り畳み得る紙で構成してもよい。また、前記皿袋6は、基部3ではなく蓋部4に設けてもよいとともに、基部3と蓋部4の両方に設けてもよいほか、基部3や蓋部4の側部内壁ではなく、基部の底部内壁や蓋部の天部内壁に引き出し可能に付着させて設けてもよい。さらに、皿袋6の縁部を、皿袋6を設けた基部3や蓋部4の側部上縁に折り返すよう構成してもよい。またさらに、皿袋6に仕切りを設けて複数の収容部分を形成したり、皿袋6を複数連接してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】容器用箱の正面図。
【図2】開封状態における基部の横断平面図。
【図3】開封後に缶ビールを取り出した状態を示す基部の縦断面図。
【図4】皿として使用する状態を示す基部の縦断面図。
【符号の説明】
【0015】
1 容器用箱
2 ジッパー
2a ミシン目
3 基部
4 蓋部
5 箱本体
6 皿袋
7 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数の飲食物容器を収容可能で、切り取り部により分離可能な基部と蓋部とに区画した箱本体と、天部を開放し側部と底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部あるいは蓋部の内形と対応するように形成し、前記基部と前記蓋部の少なくとも一方の所定の内壁に側部あるいは底部を付着させた皿袋とからなる飲食物容器用箱。
【請求項2】
内部に複数の飲食物容器を収容可能な直方体形状となし、その側部を横方向に一周する切取部により分離可能な基部と蓋部とに区画した箱本体と、天部を開放し側部と底部を有し、折り畳み及び引き出し可能で、引き出したときに基部あるいは蓋部の内形と対応するように形成し、前記基部と前記蓋部の少なくとも一方の所定の側部内壁にその側部を付着させた皿袋と、この皿袋における前記付着した側部とは反対側の側部に設けた板状カバーとからなる飲食物容器用箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−110777(P2008−110777A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293994(P2006−293994)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(390004949)株式会社協同制作 (18)
【Fターム(参考)】