説明

餃子焼器

【課題】鍋蓋の開閉に際して、鍋蓋の開閉を容易にするための吊機構、支承機構を簡素化し、その開閉の容易さと着脱自在性の確保、更に鍋や蓋の清掃やその使い易さを達成すること。
【解決手段】鍋蓋4に設けた受部42を支持部5の一端に挿通自在にして鍋蓋を着脱自在に設ける。支持部の略中央を器体1に取付けたサドル12に回動自在に軸支する。支持部の他端を作動板7上端に係合する。作動板の下端に設けたラック73をモーター100に設けたギヤー74と係合させ、上下動自在とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餃子焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の餃子焼器に於いて、鍋或いはプレート上に餃子を置き、鍋或いはプレート上を蓋により覆い、鍋或いはプレート上を下からの加熱により餃子を焼き上げることは通常行なわれている。
又、その蓋の鍋或いはプレート上への覆いに於いて、蓋の一端を器体に回動自在に枢支し、他の補助手段によりその開閉を補助する機構を設けたものがある。
例えば、特許文献1に於いては、鍋蓋28は支軸27を介してヒンジ結合され、開放方向に付勢され、鍋蓋28の一端は磁性体が設けられ、本体ケースに設けられた蓋吸着電磁石30により通電中吸着され、通電停止により鍋蓋28を開放する構成が提案されている。
又、特許文献2に於いては蓋体10をヒンジ金具11に回動自在に枢支し、オイルダンパー12により回動を軽く開閉容易にしてある。
【0003】
【特許文献1】特開2004−243094
【特許文献2】特開2003−116722
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然して、これら装置に於いて、鍋蓋には鍋への給水のために給水ノズルを設けてあり、当然給水管も設置されること又一方では中蓋が設けられていることのために鍋蓋の重量が増加しており、更には鍋蓋端を機体に軸支し鍋蓋中央をオイルダンパー、バネにて吊る構成であり、必然的に鍋蓋の開口量は制限され作業性が悪くなっている。これらの構成の鍋蓋は器体に軸支され且オイルダンパーバネが設けられ、更には給水ノズル・給水管が設けられているため、その取り外しは考えられていない。
しかし、餃子焼に於いては油と水が加熱され、鍋のみならず鍋蓋も常に汚されるものである。必要に応じ洗浄が必要であるが、鍋蓋を取付けたままの洗浄は困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明に於いては、鍋蓋の着脱が容易で取り外し洗浄が可能であり、鍋蓋を支持する支持部が短く形成でき且鍋蓋の開口量が大きく鍋の作業、例えば餃子の出し入れ、鍋の取外し・装着が容易で鍋蓋の開放・閉蓋に対応して調理作業の開始・終了を明確に表出することが出来る餃子焼器を提案せんとするもので、鍋蓋を開閉自在とする餃子焼器に於いて、鍋蓋とその支持部とを着脱自在に構成すると共に支持部の一端を機体乃至その延長部に回動自在に支承する一方、支持部端をアクチュエーターにより作動自在とした係止部と係合させたことを特徴とする餃子焼器を提案するものである。一つは、支持部を支持軸に回動自在に支承すると共に支持部端にアクチュエーターにより上下動自在とした作動板端を係支させたことを特徴とし、又一つは器体に設けた加熱室に連結して形成した排熱筒に近接してタンク66を設けたことを特徴とし、又一つは鍋蓋開蓋時、鍋蓋と鍋間に先端が位置する如く給水管を設置したことを特徴とし、又一つは給水管には自動バルブを備えたことを特徴とし、又一つは、給水管はタンク66に設けたことを特徴とし、又一つはする鍋の底部には、加熱室内に面して多数の溝を形成させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、鍋蓋を開閉自在とする餃子焼器に於いて、鍋蓋とその支持部とを着脱自在に構成すると共に支持部の一端を機体乃至その延長部に回動自在に支承する一方、支持部端と駆動体により作動自在とした係止部とを係合させたことを特徴とするので、鍋蓋はそれを支持する支持部と着脱自在にしてあるため、鍋蓋を取外して洗浄することができる。鍋も器体上に載置してあるだけであり、その取外し・洗浄が容易であり、水と油による汚染を常に除去して清潔な調理が出来る。
【0007】
又、支持部は受部によって鍋蓋を開放できる構成であり、支持部を短く構成でき、蓋の開放角が大きく、調理に又、鍋蓋の着脱に便である。又、排熱筒の周囲或いは上方にタンクを浮けることにより、調理用の水を温めて鍋に供給でき、餃子の焼蒸しに必要な調理時の温度を下げることなく供給でき、調理時間の短縮を期すことが出来る。又、給水管の自動バルブにより、鍋蓋の閉成又は開放に連動して給水でき、調理時間の短縮ができ、又調理水の適当な時期の供給により、調理仕上がりの良さを求めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1、2に示す実施例について詳細に説明する。機体1に形成された支持縁2上に鍋3が着脱自在に載置されている。支持縁2は鍋3の形状に合わせて形成され、鍋3を小さく数個設置する際にはその形に合わせた個数を形成し、或いは鍋3を大きく構成し、その中に仕切りを設けて形成する際には大きな支持縁2を大枠で形成するのが良い。
鍋3の支持縁2に当る部分は溝状縁31を形成して安定的に載置できるようにしておくのが便である。
【0009】
4は鍋蓋でその外縁41は鍋3の縁部32に載置嵌合されるように形成されている。鍋蓋4は一端部に支持部5を着脱自在とした受部42を形成してある。受部42は支持部5の挿通部51の形状に合わせて溝型・角型・丸型等に形成し挿通部51の挿通自在としておくのが便である。支持部5は一端に前記受部42の形状に合せて挿通部51を形成し、略中央に支持軸11を挿通する軸穴52、他端に作動軸53を挿通する軸穴54を形成させてある。又、この場合、軸穴54を長穴とすることにより、ラック73とギヤー74の噛合を一定範囲内におくことが出来る。
【0010】
支持部5は、軸穴121に挿通した支持軸11によりサドル12に回動自在に支承され、軸穴121は機体1に取付けられたサドル12に設けられている。支持部5の一端の挿通部51には鍋蓋4をその受部42により挿通支持し、他端には作動板7より張出した張出片71、71に設けた軸穴72、72に挿通支持させた作動軸53を挿通してある。
【0011】
支持部5に挿通した作動軸53は、作動板7の軸穴72を挿通し、サドル12に形成した略半円弧状の溝13、13に係合させてある。作動板7は上下への移動の際、作動軸53の溝13の形状に合わせて略半円弧状に外方に突出するが、作動板7の下方に形成されたラック73及びそれに噛合させたギヤー74には、夫々厚さを持たせており、噛合せ許容範囲内にあるようにしてある。
又、溝13は直線状に形成し、軸穴72を長穴とすることにより、同じ操作を為しうる。
【0012】
作動板7は、下端にラック73を設け、機体1に固定したモーター100により駆動されるギヤー74と噛合させてある。又、作動板7には、ラック73とギヤー74の噛合する方向に押圧するローラー75を設け、作動板7をギヤー74と共に挟持する如くしてある。10.10はマイクロスイッチで、アクチュエーターとしてのモーター100の始動・停止スイッチで作動板7の下部に設けた当片76、77により夫々作動片101、101と接触し作動するように構成してある。
【0013】
この作動板7の作動については、下降時のみでなく、その上昇時、釦操作により鍋蓋4の閉成時にも使用できること勿論である。
又、作動板7のアクチュエーターとしては、モーターのみでなく他の機構、例えばソレイトバルブ、油圧、圧力バルブ等が使用できる。
【0014】
6は、機体1内に、底部61、側壁62により形成される燃焼室で、支持縁2下方に形成される。該燃焼室6には、熱源としてのガス燃焼器91が設置されている。9はガス供給部で、ガス供給管92を介して、ガス燃焼器91にガスを供給している。熱源としては、ガスの他に電気を使用したヒーター、シーズヒーター、IH等使用できること勿論である。
又、ヒーター等の場合、燃焼室6の底部61に設けず、鍋3の底部31に近接して設置することもできる。更に、鍋3の底部31に多数の溝33、33を形成して、該溝33に適宜設置することも可能である。又、この溝33、33…の設置は、鍋3の加熱を促進させる効果がある。燃焼室6の側壁62には、排熱孔63を設け、連設する排熱筒64によって排熱するように構成するのが便である。
【0015】
又、排熱筒64の周囲及び或いは、上方にタンク66を設け、排熱筒64からの排熱により、タンク66内の水を加熱することは推奨される。
8は、給水管で、直接水道管等に直結することも出来るが、タンク66を設けて、ここに一端を接続しバルブ81を介して、鍋3上に先端を位置させるのが良い。バルブ81は、手動の開閉でも良いが、鍋蓋4の作動と連動して開閉する如く形成し、特に蓋4の閉成直前に給水する如く構成するのが便である。この場合、加熱水が鍋3に加えられ、餃子に加水され蒸し焼が行われる。
【0016】
続いて作動について説明する。
鍋3を加熱し、鍋3に食材を入れ、必要に応じ水を加えて蓋4をする。この水を鍋3に入れる場合、給水管8よりなべ3に給水するのが便で、特に鍋蓋4の閉成と連動しバルブ81を開放し、一定の時間例えば数秒間、給水するのが良い。これにより食材としての餃子は焼かれ始める。この蓋4を閉じる際、蓋4を下圧することにより、蓋4を支持する支持部5は軸穴52に挿通した軸11を中心として回動し、他端の作動軸53は溝13中を上昇する。この作動軸53の上昇により、軸穴72のある張出片71、71を介して作動板7は引き上げられ、ラック73を介して作動のないモーターに軸支されるギヤー74は空転される。
【0017】
そして、蓋4が鍋3上に載置されるとき、作動板7は最上位にあり下部設置の当片77が上のマイクロスイッチ10の当片101に当り、タイマー(図示せず)を作動させる。このタイマーには餃子の焼き上がり時間に合わせたモーター8の作動時間をセットしておくことが出来る。
然るとき、焼き時間終了後、タイマーによりモーター100の作動が開始され、ギヤー74の回動により、噛合するラック73の下降及びローラー75の押圧との組合せにより作動板7が下降せしめられる。
【0018】
作動板7の下降により、作動軸53を介して支持部5は軸穴52に挿通した支持軸11を軸として回動され、支持部5に挿通支持した蓋4は開放方向に回動される。
作動板7が下降し、作動板7の下端の当片76が下部のマイクロスイッチ10の作動片102に当り、モーター8の回動を停止させ作動板7は停止する。
このタイマーの設定による蓋4の開蓋により餃子の焼き上がりを表出乃至告知することが出来る。
この蓋4の開蓋により、焼き上がりの餃子を或いは又、鍋3ごと取出すことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明によれば、餃子焼器としての効果の他に、各種の煮物、焼き物用調理器として蓋の着脱自在による蓋、鍋の洗浄の容易さと汚染の除去の簡便さのより、調理の清潔さの保持が極めて簡単である。
又、鍋蓋の開閉が自動的に行われるので、調理の自動化に利用できその利用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明一実施例一部破断面側面図
【図2】本発明一実施例正面図
【図3】本発明一実施例一部拡大分解斜面図
【符号の説明】
【0021】
1 機体
3 鍋
4 鍋蓋
5 支持部
6 燃焼室
7 作動板
8 給水管
9 ガス供給部
10 マイクロスイッチ
11 支持軸
12 サドル
13 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋蓋を開閉自在とする餃子焼器に於いて、鍋蓋とその支持部とを着脱自在に構成すると共に支持部の一端を器体乃至その延長部に回動自在に支承する一方、支持部端をアクチュエーターにより作動自在とした作動板と係合させたことを特徴とする餃子焼器。
【請求項2】
支持部を支持軸に回動自在に支承すると共に支持部端にアクチュエーターにより上下動自在とした作動板端を係支させたことを特徴とする請求項1の餃子焼器。
【請求項3】
器体に設けた加熱室に連結して形成した排熱筒に、近接してタンク66を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の餃子焼器。
【請求項4】
鍋蓋開蓋時、鍋蓋と鍋間に先端が位置する如く給水管を設置したことを特徴とする請求項1から3何れかに記載の餃子焼器。
【請求項5】
給水管には自動バルブを備えたことを特徴とする請求項4の餃子焼器。
【請求項6】
給水管は、タンク66に設けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の餃子焼器。
【請求項7】
鍋の底部には、加熱室内に面して多数の溝を形成させたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の餃子焼器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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