説明

首部を有する容器のための係止蓋

【課題】 首部に迅速に及び簡単に取り付け可能であり、一方で同時に製造するのに簡単で高価でない、首部を有する容器のためのロッキングカバーを供給すること。
【解決手段】 ロッキングカバーの取り付けられた状態において、ストッパ及び首部を囲むように適合されるケージを含む、容器の首部にストッパを固定するための、首部を有する容器の成形プラスチック材料製ロッキングカバーであって、
前記ケージは、容器の首部に固定するように適合される第一の可撓性舌状突起及びストッパに固定するように適合される第二の可撓性舌状突起を有し、
前記第一の舌状突起はロッキングカバーの所定の軸方向に前記第二の舌状突起からオフセットして配され、
前記ロッキングカバーは、リング部材の外側から前記第一及び第二の舌状突起にアクセスすることを妨げるようにケージを囲むリング部材を更に含むものであり、
リング部材及びケージが、一方を他方の中に入れ子にし、連結するように構成されること、
リング部材がケージを囲むこと、及び
ケージの前記第一及び第二の舌状突起が、ケージの網の目状の開口部により形成される第一及び第二の開口部にそれぞれ傾いて配置されること、及び
ロッキングカバーが容器の首部に取り付けられるときに、前記舌状突起が、第一及び第二の開口部の内方へ撓むことができること、
を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッキングカバーの取り付けられた状態において、ストッパ及び首部を囲むように適合されるケージを含む、容器の首部にストッパを固定することが意図される、首部を有する容器のモールド成形されたプラスチック材料製の前記ロッキングカバーであって、前記ケージは、容器の首部に固定するように適合される第一の可撓性のある舌状突起及びストッパに固定するように適合される第二の可撓性のある舌状突起を有し、前記第一の舌状突起は容器の首部に相対する所定の軸方向に前記第二の舌状突起からオフセットして配され、前記ロッキングカバーは、リング部材の外側から前記第一及び第二の舌状突起にアクセスすることを妨げるようにケージを囲むリング部材を更に含むロッキングカバーからなる。
【0002】
本発明は、より特別には医薬分野において特に使用される首部付き容器のためのロッキングカバーに適用され、密封形式で後者(首部付き容器)を密封するために、及び、(必要であるならば)首部付き容器の内容物を無菌に保つために、エラストマーストッパ又はゴムストッパが容器の首部に挿入される。容器の内容物へのアクセスは、ストッパを取り除くことなく、ロッキングカバーの中央部を通ってストッパに針を挿入することで得られ、かくて、内容物の汚染の如何なるリスクも取り除く。ロッキングカバーは、かくて、ストッパと容器の首部の間の安全なリンクとして働く。
【背景技術】
【0003】
特許文献FR‐2893922は、上記のようなロッキングカバーを開示し、ケージは、当該ケージの底の端によって、首部の係止突起(503G)及び、ストッパに係止するための舌状突起を備える腕(503D)に、二者択一的に接続される周辺リング(503A)を有する。リングと舌状突起の間に、舌状突起を首部に押し戻す係止要素に挿入される周辺シートがあり、かくて、カバーを首部に固定する。これは、それ故、カバーを容器に係止するための2段階ロッキング過程(two-stage locking process)を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許出願公開公報FR 2893922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献のロッキングカバーの不利な点は、(モールド)成形によるロッキングカバーの製造が、多量の材料及び複雑な型(ないしはモールド)を必要とする点である。本発明の目的は、首部に迅速に及び簡単に取り付け可能であり、一方で同時に製造するのに簡単で高価でない、首部を有する容器のための別のロッキングカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は以下のロッキングカバーに向けられる。即ち、該ロッキングカバーは、
ロッキングカバーの取り付けられた状態において、ストッパ及び首部を囲むように適合されるケージを含む、容器の首部にストッパを固定するための、首部を有する容器の(モールド)成形されるプラスチック材料製のロッキングカバーであって、
前記ケージは、容器の首部に固定するように適合される第一の可撓性のある舌状突起及びストッパに固定するように適合される第二の可撓性のある舌状突起を有し、
前記第一の舌状突起はロッキングカバーの所定の軸方向に前記第二の舌状突起からオフセットして配され、
前記ロッキングカバーは、リング部材の外側から前記第一及び第二の舌状突起にアクセスすることを妨げるようにケージを囲むリング部材を更に含むものであり、
リング部材及びケージが、一方を他方の中に入れ子にし、連結するように構成されること、
リング部材がケージを囲むこと、及び
ケージの前記第一及び第二の舌状突起が、ケージの網の目状の開口部により形成される第一及び第二の開口部にそれぞれ傾いて配置されること、及び
ロッキングカバーが容器の首部に取り付けられるときに、前記舌状突起が、第一及び第二の開口部の内方へ撓むことができること、
を特徴とするロッキングカバーである。
【発明の効果】
【0007】
この種の構成において、ロッキングカバーは、容器の首部に容易く取り付けられる。即ち、一旦、ケージがリング部材内に導入され、リング部材の内側に係止され、ストッパが、続いて、ケージに挿入され、第二の舌状突起により所定の位置に係止(ロック)されると、ストッパを有するロッキングカバーは、続いて、第一の舌状突起が首部に係止するまで、軸圧力の付加により首部に簡単に外挿される。この結果、それ故、容器の首部に簡単に取り付けられ、ストッパを通して容器の内容物に迅速に、簡単にアクセスできるロッキングカバーとなる。
【0008】
加えて、ロッキングカバーは、ケージ及びリング部材をそれぞれ二重キャビティ、単一コアのモールドにて成形することにより、極めて簡単にそして経済的に製造され得る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によるロッキングカバーは、有利に、次の特殊な形態を有することができる:
‐前記ロッキングカバーは、各第一舌状突起の両側に配置される、ケージを破断するための破断領域を備える。
‐リング部材は、ケージの開口部に挿入されるように配置される、内部案内ボスを有する連続的なシリンダ状の表面を有する。
‐ケージとリング部材の連結装置は、キャッチ(catch)−ノッチ(notch)機構とする。
‐リング部材は、リング部材に嵌め込む(スナップ係合する)ように適合される取り外し可能な蓋により閉鎖されるように意図される中央開口部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明はよりよく理解され、制限されることがなく、添付の図表により例示される実施例の他の有利な点は、実施例の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図1】図1は、首部付き容器に挿入されたストッパに取り付けられた本発明によるロッキングカバーの軸方向断面の略図である。
【図2】図2は、本発明によるロッキングカバーのケージの概略斜視図である。
【図3】図3は、本発明によるロッキングカバーのリング部材の概略斜視図である。
【図4】図4は、図3のリング部材の他の概略斜視図である。
【図5】図5は、本発明によるロッキングカバーの蓋の概略斜視図である。
【図6】図6は、図5の蓋の他の概略斜視図である。
【図7】図7は、蓋により閉鎖され、ストッパに取り付けられた、本発明によるロッキングカバーの軸方向断面の略図である。
【実施例】
【0011】
ストッパ4を容器2の首部3に固定するための、本発明による首部3を有する容器2のためのロッキングカバー1が図1において表され、前記ロッキングカバー1は、ここでは、前記ロッキングカバー1は係止されないで単に首部3に配置された状態の、取り付け位置に表されている。
【0012】
ロッキングカバー1が容器2の首部3に係止される場合、ここでは円形の(中央)開口部を有する首部3は、その端で、ロッキングカバー1がそれ自体を固定する周辺外側へり(周縁径大部)5を有する。ここでは、ストッパ4は、通常の、一般的にシリンダ状の、頭部4A及び足部4Bを有する「T」字形を有し、その頭部は、その直径が、足部4Bよりも僅かに大きく、かくて、ストッパ4の足部4Bが首部3に挿入されるとき、頭部4Aは、首部3のへり(周縁径大部)5に対して当接する。
【0013】
図1に見られるように、ロッキングカバー1は、容器2にロッキングカバー1が係止(ロック)された状態において、ストッパ4及び首部3を囲むように適合されるケージ6及び、ケージ6を覆って入れ子にするように適合され、ケージ6を囲むリング部材7を含む。ケージ6は、ケージ6の周囲に配置される可撓性のある舌状突起8及び9によって、ストッパ4を首部3に固定する働きをする。ロッキングカバー1の取り付けられた状態において、リング部材7は、ケージ6に完全に側方に重なり、それによって、リング部材7の外側から、ケージ6及び舌状突起8及び9への如何なるアクセスも妨げる。加えて、ロッキングカバー1は、ストッパ4へのアクセスを妨げる目的で、リング部材7に嵌め込むように適合される取り外し可能な安全蓋23を備える。
【0014】
図2に見られるように、ケージ6は、軸方向Aに延在し、ケージ6の網の目状の開口部に相当する第一及び第二の開口部13、14の間に形成する複数の実質的に同一の腕12によりお互いに接続される2つの円環部(circlet)10、11を含む。
【0015】
ここで、容器2の首部3に最初に挿入される第一の下方の円環部10及び、直径が第一の円環部10よりも好ましくは小さいく、ロッキングカバー1がストッパ4に取り付けられるとき、ストッパ4の頭部4Aの上方部分4Cに当接するように意図される第二の上方円環部11が図示される。円環部11は、ロッキングカバー1が首部3に配置されるとき、ストッパ4及び容器2にアクセスすることを許容するために、容器2の首部3と同軸上である、(上部中央)開口部11A(ここでは、円形に表される)を、ケージ6の中央に有する。
【0016】
円環部11及び腕12は、ケージ6がリング部材7に挿入されるときに、これらが潰れないように、十分に硬いことが理解されよう。
【0017】
ここには、円環部10、11の周囲にわたって、均等に分配される6つの腕12が表されるが、これらの数は、本発明の枠組みから逸脱することなく、変更することが可能である。
【0018】
図2において視覚可能なように、ここでは各3つある、容器2の首部3に固定するように適合される第一の可撓性のある舌状突起8及びストッパ4に固定するように適合される第二の可撓性のある舌状突起9が、好ましくは交互に、2つの連続した腕12の間の円環部10の周囲に配置される。
【0019】
第一及び第二の舌状突起8及び9は、ケージ6の網の目状の(側部)開口部として形成される第一及び第二の開口部13、14にそれぞれ傾いて配置され、円環部10により保持され、ケージ6の内側に向けて、第二の円環部11を指向して延在する。このようにして、ケージ6が首部3又はストッパ4に外挿されるとき、第一及び第二の舌状突起8及び9は、第一の段階において、それぞれ第一及び第二の開口部13及び14に向けて弾性的に撓み、実質的に腕12に対して平行な位置となり、続いて、第二の段階において、それらの傾けられた位置を回復し、ケージ6をそれぞれ首部3又はストッパ4に係止(ロック)する。
【0020】
図2において視覚可能なように、第一の舌状突起8は、第二の舌状突起9に対して軸方向Aにオフセットして配される。より正確には、第二の舌状突起9は、第二の円環部11の方向に上昇し、かくて、第二の舌状突起9の端と円環部11の間の距離は、第二の舌状突起9と円環部11の間にストッパ4の頭部4Aを係止するように、ストッパ4の頭部4Aの高さに実質的に一致する。同様に、第一の舌状突起8の端と円環部11の間の距離は、ロッキングカバー1が首部3に係止されるとき、第一の舌状突起8を容器2の首部3のへり(径大部)5に対して係止するように適合される。
【0021】
図2に表されるように、網の目状の開口部の厚さと比較して比較的薄い第一の円環部10の領域10Aが、各第一の舌状突起8の両側(side)に配置され、かくて、各舌状突起8の側でカットダウン(cut-down)を形成し、これら領域を、容器2からケージ6を取り除こうとするときに生じる破断領域とする。領域10Aは、ケージ6の最も小さい壁断面を表すことが理解されよう。かくて、軸方向の力または他の力のケージ6への付加により、首部3にロッキングカバー1が係止されると、第一の舌状突起8は、へり5により保持され、それによって、領域10Aにおいて、ねじれトルクを生み出す。1つ以上のこれら領域10Aは、続いて、ねじれの効果を受けて壊れ、それにより容器2が開封されたことを示すことができる。ここで、舌状突起8の高さは、舌状突起8が容器2の首部3のへり5の下を通過可能なように形成され、ケージ6において行われる引張りは、へり5の下で、舌状突起8が回転する原因となり、かくて、更に、領域10Aにおけるねじれ効果が増加することに留意されたい。
【0022】
第一の舌状突起8及び対応する開口部13は、ここでは、第二の舌状突起9及び対応する開口部14よりも広く、かくて、ケージ6が、ストッパ4に固定されるよりも、首部3によりしっかりと固定されることが可能となることに留意されたい。
【0023】
図2において見られるように、ケージ6の各腕12は更に、第一の円環部10に向けて外側に延在し、リング部材7をケージ6に固定するための外側に正(凸)(positive)のキャッチ15を備え、キャッチ15の傾斜は、リング部材7へのケージ6の挿入を容易にする働きをする。
【0024】
ケージ6の各腕12が、第二の円環部11に接するその上方位置のレベルで、ロッキングカバー1の取り付けられる位置において所定の位置にストッパ4を押し込むように意図され、内部バルジ(膨出)12Aによって補強されることも図2においてまた見られる。
【0025】
加えて、ロッキングカバー1を形成するためのケージ6及びリング部材7の組み立ての間、自動の組み立て装置に対してケージ6を正しい位置におくことを助けるように意図される個々のノッチ16(ここでは、合計3つ)が、各第二の舌状突起9と反対側に、ケージ6の円環部10に形成される。
【0026】
図3は、ロッキングカバー1の取り付けられた状態において、舌状突起8及び9にアクセスすることを妨げる目的でケージ6を囲む、連続的で、実質的にシリンダ状の表面を有するスリーブ(ないしカップ状)の形のリング部材7を表す。リング部材7は、最初にケージ6に外挿される開放底端部7A及び部分的に閉鎖される頂端部7Bを有し、その結果、リング部材7がケージ6の上に入れ子にされるとき、リング部材7の頂端部7Bが、ケージ6に重なる一方、同時に、リング部材7の中央に、ケージ6の中央開口部11Aと同軸である中央開口部17(この場合、円形である)を位置させ、そして、ロッキングカバーが首部3に取り付けられるとき、(中央開口部17は)、首部3と同軸であり、ストッパ4及び容器2にアクセスすることを許容する。
【0027】
リング部材7は、リング部材7をケージ6に係止(ロック)する連結装置を形成するために、内壁18に、ケージ6のキャッチ15と連携するように構成されたノッチ19を備える。ノッチ19は、小型のロッキングカバー1を作るために、及び、不純物がロッキングカバー1の内部に入らないようにするために、好ましくは、めくら状(有底 blind)とする、即ち、これらは、リング部材7の壁18を最後まで貫通しないようにする。
【0028】
リング部材7は、更に、ケージ6がリング部材7に挿入されるとき、リング部材7に相対するケージ6の位置調節を案内するために、ケージ6の腕12の間に差し込むことが意図される内部ガイド20及び21を、その内壁18に備える。ガイド20、21は、好ましくは、開口部13、14にそれぞれ適合する寸法を有する(これらは、ロッキングカバー1が首部3に外挿されるとき、舌状突起8及び9が開口部13及び14に向けて(半径方向外方へ)撓むことを可能にするために、開口部13及び14の高さに満たない軸方向Aの高さを有する)ことが理解されよう。リング部材7及びケージ6の一方が他方の内部に入れ子にされる場合、ケージ6の隣接する腕12に対して、それぞれ、ケージ6の網の目状の開口部の側方に、ガイド20及び21自体を位置調節する各ボスの対が各ガイド20及び21に表される。ここで、これらボスは、リング部材7へのケージ6の案内が更にし易いように、腕12に当接する側に傾斜形状(斜面)を有する。
【0029】
図4に表されるように、リング部材7の頂端部7Bは、(上部)中央開口部17を縁取り、2つの実質的に平行な側部(辺)22Aを形成するように切欠きされた肩部22(この場合円形である)を備え、かくて、自動の組み立て装置に相対してリング部材7を正しい位置に置くための手段(位置決め)を提供する。
【0030】
図5は、蓋23の外側の面23A(即ち、蓋23がロッキングカバー1に嵌め込まれるときの蓋23の外側面)から見た蓋23を表す。蓋23は、ここで、外側面23Aに掴持要素25(ここでは、補強スタッドの形であり、蓋23をロッキングカバー1から取り除くとき、蓋23を握り易くする)を備える、上に向けられる翼(wings)24(この場合、3つの翼がある)を有するディスクの形状を有する。掴持要素は、また、円弧状ビードの形状であり得、又は、蓋23の掴持がし易いレリーフ(relief)を有する任意の要素であり得る。
【0031】
図6は、内側面23A(即ち、ロッキングカバー1に嵌め込まれる場合、ロッキングカバー1と接触する蓋23の面)からの蓋23を表す。環状のビード26が、ここでは、蓋23の内側面23Aの中心に形成され、(これは、)リング部材7の中央開口部17に挿入されるように意図される。蓋23が、ロッキングカバー1に嵌め込まれるとき、ビード26は、好ましくは、外側に向って曲げ戻され、L‐形状断面(profile)となり、以下に記載されるように、ロッキングカバー1に蓋23を保持する。
【0032】
蓋23は、スナップ固定具(snap fastening)又は溶接によって、又は、当業者に知られる、任意の他の不可逆的な取り付け方法によって、リング部材7に最初に取り付けられ得る。例えば、スナップ固定具によって蓋を取り付けるために、ビード(縁取り形状部)26をリング部材7の中央開口部17に挿入することにより、蓋23は最初にリング部材7に挿入され、その組み立て産物(the assembly)は、続いて、ビード26をリング部材7の上部7Bを囲むように曲げて形成し、そしてビード26をL字状断面にする目的で、ビード26を変形するように加熱され、かくて、図1に見られるように、蓋23をリング部材7に押し込み嵌合(圧嵌)することができる。
【0033】
ケージ6及びリング部材7の全体としてのシリンダ状形状は、ロッキングカバー1を、へり付き円状首部3(lipped circular neck 3)を有する全ての種類の容器2に適合させることができ、ロッキングカバー1又はストッパ4のどちらかを首部3の正しい位置に置くことを必要としないことが理解されよう。
【0034】
ロッキングカバー1のケージ6、リング部材7及び蓋23は、好ましくは、プラスチック材料をモールド成形することによって作成され、必要であれば、凍結乾燥過程に耐えるように適合される。特に、ケージ6のプラスチック材料は硬く、かくて、上で前に記載されたねじれは、弾性的に変形するというよりも、破断領域10Aを破壊する原因となる。
【0035】
ケージ6、リング部材7及び蓋23のそれぞれの形状は、比較的単純であり、かくて、単一のコアを有する二重キャビティ型(モールド)の使用及び軸方向の型抜き(axial stripping)を許容し、それ故、簡単で高価でない製造を許容する。加えて、これら要素の単純化された形状は、有利に、ロッキングカバー1の製造に必要な材料の量を減少させることを可能にする。
【0036】
ロッキングカバー1とストッパ4の組み立て産物は、図7を参照して実際に、記載される。第一の段階は、蓋23をリング部材7に挿入することであり、上記のように、蓋23を固定することであり、かくて、蓋23は、リング部材7の中央開口部17を閉鎖する。ケージ6は続いて、A方向[と逆の向き]に、蓋23を備えるリング部材7に挿入され、ケージ6の開口部13及び14は、ケージ6のキャッチ15がリング部材7のノッチ19に噛合する(seat in)まで、それぞれのリング部材7のガイド20及び21に合わせられる。ケージ6の中央開口部11Aは、続いて、蓋23により閉鎖される。
【0037】
ストッパ4は、続いて、A方向[とは逆の向き]の軸圧力の添加によるのみで、ロッキングカバー1に簡単に、たやすく配置される。ストッパ4の頭部4Aは、ストッパ4の上方部分4Cが、ケージ6の上方円環部11に接触するまで、ケージ6に挿入される。ストッパ4が挿入されると、第二の舌状突起9は、弾性的に変形し、ストッパを通過させ、続いて、一旦ストッパ4が所定の位置に配置されると、それら舌状突起の最初の形状に戻り、図4[図1の誤記]に示される位置でストッパ4を係止するように、ストッパ4の頭部4Aの後ろで正に係合する。ストッパ4は、続いて、図7で示される位置で、バルジ部12Aにより、ケージ6内でストッパ4の周囲にわたって固定される。
【0038】
ロッキングカバー1及びストッパ4により形成された組み立て産物は、続いて、A方向[矢印Aの向きと反対方向]に軸圧力を蓋23に加えることにより簡単にストッパ4の足部4Bを容器2の首部3に挿入することで、容器2に取り付けられ得、それによって、首部3のへり5を通り抜けるように、第一の舌状突起(複数)8に力を加え、弾性的に変形させて、続いて、それら第一の舌状突起8が最初の形状に復原し、かくて、首部3の後ろで正に(突起を介して positively)係合し、ロッキングカバー1を首部3に係止(ロック)する。同時に、第二の舌状突起(複数)9は、部分的に、容器2の首部3に対して撓む。
【0039】
ケージ6がストッパ4を首部3に係止する働きをし、リング部材(筒状ないしカップ状部材)7がケージ6及び、特に、舌状突起8及び9への如何なるアクセスも妨げるので、ストッパ4及びロッキングカバー1に基づく不法開封防止(タンパー防止 tamper-proof)による漏れ止め(leaktight)によって、結果として容器2は閉となる。ケージ6が、それ故、容器2、ストッパ4及び、蓋23を備える第二のリング部材7を互いに固定するリンクとして働き、第二のリング部材7が予防手段として働くことが理解されよう。
【0040】
いくつかの医薬的な応用に関して、容器2の内容物を凍結乾燥する必要があり得る。その場合、凍結乾燥用の内容物が、滅菌容器2に導入された後に、ロッキングカバー1に係止されたストッパ4の足部4Bは、首部3の最後まで押し込むこと無しに、首部3に第一の舌状突起8を係合させることなく、首部3に配置される(図1に表される位置)。ストッパ4の足部4Bにある開口部4D(より視覚的には、図7参照)は、続いて、所望の凍結乾燥を進めることができる。一旦凍結乾燥が行われると、ロッキングカバー1を有するストッパ4は、上述のように、残りの長さ(ストローク)を首部3に押し込まれ、かくて、容器2を密封する。
【0041】
容器2の内容物にアクセスすることが希望されるとき、蓋23は、それぞれケージ6の(上部中央)開口部11A及びリング部材7の(上部中央)開口部17を露出し、かくて、容器2に貫入するために針を挿入し得るストッパ4の上部位置4Cを露出するために取り除かれることのみが必要である。容器2の内容物は、続いて使用され、必要であれば、水を加えて元に戻される(rehydrate)。
【0042】
一旦蓋23が取り除かれると、蓋23は、ロッキングカバー1に再び取り付けられることは不可能であり、容器2の単回の使用が保障されることが理解されるであろう。更には、ロッキングカバー1を、ケージ6の破断領域10Aに損傷を与えること無しに容器2から取り除くことは不可能であり、これは、すぐに視認でき、容器2の再利用の如何なるリスクも排除する。
【0043】
ストッパ4が、ロッキングカバー1を形成するためのケージ6、リング部材7及び蓋23の組み立て後にロッキングカバー1に挿入されるので、使用前に、ロッキングカバー1及びストッパ4は、有利に個別に保存され得ることもまた留意されたい。
【0044】
本発明が前述の実施例の記載に限定されることはないことは言うまでも無く、それ故、本発明の枠組みから逸脱することが無い、いくつかの修正が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 :ロッキングカバー
2 :容器
3 :首部
4 :ストッパ
6 :ケージ
7 :リング部材
8、9 :舌状突起
10A :破断領域
11 :中央開口部
13、14 :開口部
15/19 :キャッチ−ノッチ機構
17 :中央開口部
20、21 :内部案内ボス
23 :蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッキングカバー(1)の取り付けられた状態において、ストッパ(4)及び首部(3)を囲むように適合されるケージ(6)を含む、容器(2)の前記首部(3)に前記ストッパ(4)を固定するための、首部を有する容器(2)の成形プラスチック材料製ロッキングカバー(1)であって、
前記ケージ(6)は、前記容器(2)の前記首部(3)に固定するように適合される第一の可撓性のある舌状突起(8)及び前記ストッパ(4)に固定するように適合される第二の可撓性のある舌状突起(9)を有し、
前記第一の舌状突起(8)は前記ロッキングカバー(1)の所定の軸方向(A)に前記第二の舌状突起(9)からオフセットして配され、
前記ロッキングカバー(1)は、リング部材(7)の外側から前記第一及び第二の舌状突起(8,9)にアクセスすることを妨げるように前記ケージ(6)を囲む前記リング部材(7)を更に含むものであり、
前記リング部材(7)及び前記ケージ(6)が、一方を他方の中に入れ子にし、連結するように構成されること、
前記リング部材(7)が前記ケージ(6)を囲むこと、及び
前記ケージ(6)の前記第一及び第二の舌状突起(8,9)が、前記ケージ(6)の網の目状の開口部により形成される第一及び第二の開口部(13,14)にそれぞれ傾いて配置されること、及び
前記ロッキングカバー(1)が前記容器(2)の前記首部(3)に取り付けられるときに、前記第一及び第二の舌状突起(8,9)が、前記第一及び第二の開口部(13、14)の内方へ撓むことができること、
を特徴とするロッキングカバー。
【請求項2】
前記ケージ(6)を破断するための破断領域(10A)が、各前記第一の舌状突起(8)の両側に備えられることを特徴とする請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記リング部材(7)が、前記ケージ(6)の前記開口部(13、14)に挿入されるように配置される内部案内ボス(20、21)を有する、連続的なシリンダ状の表面を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のカバー。
【請求項4】
前記ケージ(6)と前記リング部材(7)の連結装置が、キャッチ(15)−ノッチ(19)機構であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカバー。
【請求項5】
前記リング部材(7)が、前記リング部材(7)に嵌め込むように適合される取り外し可能な蓋(23)により閉鎖されるように意図される中央開口部(17)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−504499(P2013−504499A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529187(P2012−529187)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061982
【国際公開番号】WO2011/032798
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(507046288)アー ライモント エ カンパニュイ (71)
【Fターム(参考)】