説明

駆動伝達機構及び駆動伝達機構を備える画像形成装置

【課題】駆動部からの回転駆動力が伝達される伝達経路を簡易な構成により選択することができる駆動伝達機構を提供すること。
【解決手段】駆動部131と、第1歯車210と、第1歯車210を含むと共に第1伝達経路R1を形成する第1歯車群と、筐体110に形成され第2歯車221を配置可能な配置可能領域521と、第1歯車210を含まず且つ第2歯車221が配置可能領域521に配置された場合における第2歯車221を含むと共に第2伝達経路R2を形成する第2歯車群と、第1被伝達部材801に噛み合うことが可能で且つ第1歯車210に噛み合うと共に第2歯車221に噛み合わずに第1伝達経路R1を選択する第1位置と、第1被伝達部材801に噛み合うことが可能で且つ第2歯車221に噛み合うと共に第1歯車210に噛み合わずに第2伝達経路R2を選択する第2位置と、に配置可能な第3歯車212とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動伝達機構及び該駆動伝達機構を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被転写材としての用紙に画像を印刷(形成)するための装置として、プリンタ、コピー機又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。一般的に、画像形成装置においては、用紙に画像を形成する画像形成部おける用紙の搬送方向の上流側には、用紙を画像形成部へ向けて搬送するレジストローラ対、用紙をレジストローラ対に送り出す搬送ローラ対などの用紙を搬送するためのローラが配置される。
【0003】
また、モータからの回転駆動力を、ローラへ向けて伝達する駆動伝達機構を備えた画像形成装置が知られている。このような駆動伝達機構は、一般的に、モータからの回転駆動力が伝達される経路である伝達経路を形成する歯車群を備えている。
【0004】
ところで、伝達経路を選択することができる駆動伝達機構として、回転駆動力を出力可能な駆動部と、太陽歯車と、遊星歯車と、太陽歯車及び遊星歯車を介して伝達される回転駆動力を出力する出力軸と、を有する駆動伝達機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載される駆動伝達機構は、駆動部の回転方向が異なる場合においても、出力軸の回転方向を同一方向にするように、駆動部の回転方向に応じて伝達経路を選択するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−334980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載される駆動伝達機構は、出力軸の回転方向を同一方向にするために、駆動部の回転方向に応じて伝達経路を選択するものである。また、特許文献1に記載される駆動伝達機構は、太陽歯車及び遊星歯車を利用するため、構成が複雑であった。そのため、駆動部からの回転駆動力を伝達させる伝達経路を簡易な構成により選択することができる駆動伝達機構が望まれていた。
【0007】
本発明は、駆動部からの回転駆動力が伝達される伝達経路を簡易な構成により選択することができる駆動伝達機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記駆動伝達機構を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筐体と、前記筐体に配置され、回転駆動力を出力可能な駆動部と、前記筐体に配置され、前記駆動部からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第1歯車と、前記筐体に配置され、前記第1歯車を含むと共に、前記駆動部からの回転駆動力が伝達される経路である第1伝達経路を形成する第1歯車群と、前記筐体に形成され、前記駆動部からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第2歯車を配置可能な配置可能領域と、前記筐体に配置され、前記第1歯車を含まず且つ前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合における該第2歯車を含むと共に、前記駆動部からの回転駆動力が伝達される経路である第2伝達経路を形成する第2歯車群と、前記筐体に配置され、前記駆動部からの回転駆動力が前記第1歯車又は前記第2歯車のいずれかを介して伝達されると共に、前記第1伝達経路又は前記第2伝達経路のいずれかを選択して配置可能な第3歯車と、を備え、前記第3歯車は、前記筐体の内部又は外部に配置される第1被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第1歯車に噛み合うと共に前記第2歯車に噛み合わずに前記第1伝達経路を選択する第1位置と、前記第1被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合における該第2歯車に噛み合うと共に前記第1歯車に噛み合わずに前記第2伝達経路を選択する第2位置と、に配置可能であり、該第3歯車が前記第1位置に位置する場合には、前記第1歯車群の一部を構成し、該第3歯車が前記第2位置に位置する場合には、前記第2歯車群の一部を構成する駆動伝達機構に関する。
【0009】
また、回転軸を中心に前記第3歯車を回転可能に支持する軸部材を更に備え、前記第3歯車における前記第1位置と前記第2位置とは、前記回転軸に直交する方向に近接して位置することが好ましい。
【0010】
また、前記筐体に形成され、前記第3歯車が前記第1位置に位置された状態で前記軸部材を連結可能な第1軸受け部と、前記筐体に形成され、前記第3歯車が前記第2位置に位置された状態で前記軸部材を連結可能な第2軸受け部と、を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、前記軸部材は、一端側に配置されると共に前記第1軸受け部に係合可能で且つ前記第2軸受け部に係合不能な第1係合部と、他端側に配置されると共に前記第2軸受け部に係合可能な第2係合部と、を有することが好ましい。
【0012】
また、前記筐体の内部又は外部に配置される第2被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第1歯車に噛み合う第4歯車と、前記第1伝達経路を形成する前記第1歯車群における前記駆動部と前記第1歯車との間に配置され、前記駆動部からの回転駆動力を前記第1歯車に伝達可能な連結状態又は前記第1歯車に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第1クラッチ部と、前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合において、前記第2伝達経路を形成する前記第2歯車群における前記駆動部と前記第2歯車との間に配置され、前記駆動部からの回転駆動力を前記第2歯車に伝達可能な連結状態又は前記第2歯車に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第2クラッチ部と、を備えることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、シート状の被転写材に画像を形成する画像形成部と、前記駆動伝達機構と、前記第1歯車に直接的又は間接的に連結され、前記被転写材を前記画像形成部へ向けて搬送する第1ローラと、前記第3歯車に直接的又は間接的に連結され、前記被転写材を前記画像形成部へ向けて搬送する第2ローラと、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、駆動部からの回転駆動力が伝達される伝達経路を簡易な構成により選択することができる駆動伝達機構を提供することができる。
また、本発明によれば、前記駆動伝達機構を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置としてのプリンタ1の概略構成を示すプリンタ正面図である。
【図2】第1配置態様の駆動伝達機構41を示す斜視図である。
【図3】第1配置態様の駆動伝達機構41を構成する第1筐体111と第2筐体121とを分離した状態を示す斜視図である。
【図4】第1配置態様の駆動伝達機構41の伝達経路を説明する平面図である。
【図5】第1配置態様の駆動伝達機構41における第11伝達歯車212が第1位置に位置する場合を示す平面図である。
【図6】第2配置態様の駆動伝達機構41を示す斜視図である。
【図7】第2配置態様の駆動伝達機構41を構成する第1筐体111と第2筐体121とを分離した状態を示す斜視図である。
【図8】第2配置態様の駆動伝達機構41の伝達経路を説明する平面図である。
【図9】第2配置態様の駆動伝達機構41における第11伝達歯車212が第2位置に位置する場合を示す平面図である。
【図10】駆動伝達機構41における第1軸受け部151及び第2軸受け部152の構成を説明する平面図である。
【図11】駆動伝達機構41における第11歯車軸部材312の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、本実施形態の画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本発明の画像形成装置としてのプリンタ1の概略構成を示すプリンタ正面図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0018】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0019】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、主搬送路としての第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、副搬送路としての手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbとの集合体である。
【0020】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0021】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0022】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0023】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0024】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0025】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0026】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0027】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0028】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0029】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0030】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0031】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0032】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0033】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0035】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0036】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0037】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0038】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する主収容部としての給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0039】
装置本体Mの左側面(図1において左側)には、用紙Tを収容する手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの左側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0040】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbと、を備える。
【0041】
第1搬送路L1は、給紙カセット52に収容される用紙Tを画像形成部GKに向けて搬送する。手差し搬送路Laは、手差し給紙部64に収容される用紙Tを後述するレジストローラ対80に向けて搬送する。
【0042】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0043】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0044】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、第1ローラとしての第1搬送ローラ対82が配置される。第1搬送ローラ対82は、給紙ローラ対81の下流側に配置され、給紙ローラ対81により搬送される用紙Tを挟持して、第2ローラとしてのレジストローラ対80へ搬送する。
【0045】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbには、用紙Tを第2合流部P2に向けて搬送する複数の第2ローラとしての第2搬送ローラ対83が所定の間隔ごとに配置される。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0046】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0047】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によれば、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0048】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0049】
以上に説明した本実施形態のプリンタ1は、図1に示すように、レジストローラ対80、第1搬送ローラ対82、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83などの各種ローラを回転駆動するための駆動力を伝達する駆動伝達ユニット40を備えている。駆動伝達ユニット40は、プリンタ1の背面側に配置されている。
駆動伝達ユニット40の詳細については、後述する。
【0050】
次に、図1を参照して、本実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、第1搬送ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0051】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0052】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0053】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0054】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0055】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0056】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0057】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0058】
次に、図2から図11により、本発明の特徴部分である駆動伝達ユニット40及び駆動伝達機構41の詳細について説明する。図2は、第1配置態様の駆動伝達機構41を示す斜視図である。図3は、第1配置態様の駆動伝達機構41を構成する第1筐体111と第2筐体121とを分離した状態を示す斜視図である。図4は、第1配置態様の駆動伝達機構41の伝達経路を説明する平面図である。図5は、第1配置態様の駆動伝達機構41における第11伝達歯車212が第1位置に位置する場合を示す平面図である。図6は、第2配置態様の駆動伝達機構41を示す斜視図である。図7は、第2配置態様の駆動伝達機構41を構成する第1筐体111と第2筐体121とを分離した状態を示す斜視図である。図8は、第2配置態様の駆動伝達機構41の伝達経路を説明する平面図である。図9は、第2配置態様の駆動伝達機構41における第11伝達歯車212が第2位置に位置する場合を示す平面図である。図10は、駆動伝達機構41における第1軸受け部151及び第2軸受け部152の構成を説明する平面図である。図11は、駆動伝達機構41における第11歯車軸部材312の構成を示す斜視図である。
【0059】
図2から図9に示すように、駆動伝達ユニット40は、複数の歯車列に接続される複数のローラにモータ131からの回転駆動力を伝達する駆動伝達機構41を有する。本実施形態における駆動伝達機構41は、例えば、第1配置態様又は第2配置態様の配置態様に配置可能に構成される。
【0060】
まず、図2から図5により、第1配置態様における駆動伝達機構41について説明する。
図2及び図3に示すように、第1配置態様における駆動伝達機構41は、筐体110と、駆動部としてのモータ131と、筐体110における所定の位置に配列される第1〜第11の伝達歯車202〜212と、これらの各伝達歯車を回転可能に支持する軸部材としての歯車軸部材と、筐体110における所定領域に形成される第1〜第4の配置可能領域518〜521と、を備える。
【0061】
筐体110は、第1筐体111と、第1筐体111に積層配置される第2筐体121と、を有する。本実施形態においては、第1筐体111及び第2筐体121は、いずれも樹脂製である。
【0062】
第1筐体111には、一方側(図2及び図3における矢印Pに示す上方側)を向いた面である第1面113側に、複数の伝達歯車が配列される。具体的には、第1筐体111の第1面113側には、第1〜第11の伝達歯車のうちの、第1伝達歯車202と、第2伝達歯車203と、第8伝達歯車209と、第4歯車としての第10伝達歯車211と、第3歯車としての第11伝達歯車212と、が配列される。
【0063】
第1筐体111に配置される第1伝達歯車202は、第1筐体111の第1面113に直立状態に配置された第1歯車軸部材302により、第1筐体111に回転可能に支持されている。同様に、第2伝達歯車203は第2歯車軸部材303により、第8伝達歯車209は第8歯車軸部材309により、第10伝達歯車211は第10歯車軸部材311により、第1筐体111に回転可能に支持されている。同様に、第11伝達歯車212は、軸部材としての第11歯車軸部材312により、回転軸を中心に回転可能に第1筐体111に支持されている。
【0064】
第2筐体121は、第1筐体111における第1面113と反対側の面側に積層配置される。第1筐体111と第2筐体121とは、図3に示すように、第1筐体111の外周部に延設された弾性係止片114の係止突起115が、第2筐体121の外周部に形成された係合部125に係合することで、連結状態となる。
【0065】
第2筐体121には、図3に示すように、第1筐体111側の面である第2面123側に、複数の伝達歯車が配列される。具体的には、第2筐体121の第2面123側には、第1〜第11の伝達歯車のうちの、第3伝達歯車204と、第4伝達歯車205と、第5伝達歯車206と、第6伝達歯車207と、第7伝達歯車208と、第1歯車としての第9伝達歯車210と、が配列される。
【0066】
第2筐体121に配置される第4伝達歯車205は、第2面123に直立状態に配置された第4歯車軸部材305により、第2筐体121に回転可能に支持されている。同様に、第5伝達歯車206は、第5歯車軸部材306により、第2筐体121に回転可能に支持されている。なお、第2筐体121の第2面123側には、図3に示すように、上記以外に、第12伝達歯車213、第13伝達歯車214、第14伝達歯車215、第15伝達歯車216、第16伝達歯車217なども配列されている。
【0067】
第2筐体121に配置される第3伝達歯車204は、第1クラッチ部としての第1電磁クラッチ404の入力ギアである。第1電磁クラッチ404は、後述する第1伝達経路としての第1位置選択伝達経路R1を形成する第1歯車群におけるモータ131と第9伝達歯車210との間に配置される。第1電磁クラッチ404は、第3伝達歯車204に伝達されたモータ131からの回転駆動力を第9伝達歯車210に伝達可能な連結状態又は第9伝達歯車210に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能である。
【0068】
第2筐体121に配置される第9伝達歯車210は、第1電磁クラッチ404の出力軸310に固定された歯車である。そのため、第9伝達歯車210は、第1電磁クラッチ404の状態が連結状態のときには、第3伝達歯車204に連結されて第3伝達歯車204と一体的に回転駆動される駆動状態になる。また、第9伝達歯車210は、第1電磁クラッチ404の状態が非連結状態のときには、第3伝達歯車204から切り離されて、回転駆動されない非駆動状態になる。このように、第9伝達歯車210には、モータ131からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される。
【0069】
第2筐体121に配置される第6伝達歯車207は、第2電磁クラッチ408の入力ギアである。第2電磁クラッチ408は、第6伝達歯車207に伝達されたモータ131からの回転駆動力を第7伝達歯車208に伝達可能な連結状態又は第7伝達歯車208に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能である。
【0070】
第2筐体121に配置される第7伝達歯車208は、第2電磁クラッチ408の出力軸308に固定された歯車である。そのため、第7伝達歯車208は、第2電磁クラッチ408の状態が連結状態のときには、第6伝達歯車207に連結されて第6伝達歯車207と一体的に回転駆動される駆動状態になる。また、第7伝達歯車208は、第2電磁クラッチ408の状態が非連結状態のときには、第6伝達歯車207から切り離されて、回転駆動されない非駆動状態になる。
【0071】
第1〜第4の配置可能領域518〜521は、第1筐体111及び第2筐体121における所定領域に形成される。
第1配置可能領域518は、第1筐体111の第1面113側における第2伝達歯車203の隣りの領域に形成される。第1配置可能領域518には、後述する第17伝達歯車218を配置可能である。第2配置可能領域519は、第2筐体121の第2面123側における第3伝達歯車204の隣りの領域に形成される。第2配置可能領域519には、後述する第18伝達歯車219を配置可能である。第3配置可能領域520は、第2筐体121の第2面123側における第2配置可能領域519の隣りの領域に形成される。第3配置可能領域520には、後述する第19伝達歯車220を配置可能である。
【0072】
第4配置可能領域521は、第1筐体111と第2筐体121との間における第1筐体111側の領域に形成される。第4配置可能領域521は、第3配置可能領域520に対して第1筐体111側に形成される。第4配置可能領域521は、第1筐体111における第1面113側に突出するように形成されるカバー部材116の内部側(第2筐体121側)の領域でもある。第4配置可能領域521には、第2歯車としての第20伝達歯車221(後述)が配置可能である。
【0073】
モータ131は、上記の各伝達歯車の駆動源であって、図3に示すように、第1筐体111における第1面113とは反対側の面に取り付けられる。モータ131は、回転駆動力を出力可能に構成される。モータ131の出力軸には、出力歯車200が固定されている。モータ131は、出力歯車200が第1筐体111に配置される第1伝達歯車202に噛み合うように、第1筐体111に取り付けられる。
【0074】
次に、図2から図5により、第1配置態様の駆動伝達機構41における第1筐体111及び第2筐体121に配置された歯車列による動力伝達経路について説明する。
第1筐体111に配置される第1伝達歯車202には、モータ131の出力歯車200が噛み合っている。第1伝達歯車202は、第1伝達歯車202の裏面側に一体形成された小歯車202aが第2伝達歯車203に噛み合っており、出力歯車200から受けた駆動力を、第2伝達歯車203に伝達する。第2伝達歯車203は、第2筐体121に配置される第3伝達歯車204に噛み合っており、第1伝達歯車202から受けた駆動力を第3伝達歯車204に伝達する。
【0075】
第2筐体121に配置される第3伝達歯車204は、図3に示すように、第2筐体121に配置される第4伝達歯車205に噛み合っており、第2伝達歯車203から入力された駆動力を第4伝達歯車205に伝達する。第4伝達歯車205は、第2筐体121に配置される第5伝達歯車206に噛み合っており、第3伝達歯車204から入力された駆動力を第5伝達歯車206に伝達する。第5伝達歯車206は、第2筐体121に配置される第6伝達歯車207に噛み合っており、第4伝達歯車205から入力された駆動力を第6伝達歯車207に伝達する。
【0076】
第2筐体121に配置される第6伝達歯車207は、第2電磁クラッチ408の入力ギアである。第2電磁クラッチ408の状態が連結状態のときは、第5伝達歯車206から入力された駆動力が、第2電磁クラッチ408の出力軸308に固定されている第7伝達歯車208に伝達される。第7伝達歯車208は、図2に示すように、第1筐体111に配置される第8伝達歯車209に噛み合っており、第6伝達歯車207から入力された駆動力を第8伝達歯車209に伝達する。第8伝達歯車209は、不図示の伝達機構を介して、第1搬送路L1に配置されるレジストローラ対80に駆動力を伝達する。
【0077】
即ち、第1配置態様の駆動伝達機構41においては、モータ131から出力される回転駆動力を、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第3伝達歯車204、第4伝達歯車205、第5伝達歯車206、第6伝達歯車207、第7伝達歯車208、第8伝達歯車209を介して、レジストローラ対80に伝達する。また、レジストローラ対80への動力伝達は、伝達経路に介在している第2電磁クラッチ408の状態を連結状態又は非連結状態に切り替えることによって、断続することができる。
【0078】
また、第3伝達歯車204は、第2筐体121に配置される第1電磁クラッチ404の入力ギアである。第1電磁クラッチ404の状態が連結状態のときには、第3伝達歯車204に入力された駆動力が、第1電磁クラッチ404の出力軸310に固定されている第9伝達歯車210に伝達される。この第9伝達歯車210は、図4に示すように、第1筐体111に配置される第10伝達歯車211と第11伝達歯車212とに噛み合っており、第3伝達歯車204に入力された駆動力を、第10伝達歯車211と第11伝達歯車212とに伝達する。
【0079】
図4に示すように、第11伝達歯車212は、筐体110の外部に配置される伝達機構(不図示)に設けられる第1被伝達部材としての第1被伝達歯車801に噛み合うことが可能な位置に配置される。具体的には、第1被伝達歯車801は、駆動伝達ユニット40(筐体110)には配置されておらず、筐体110がプリンタ1の本体に装着された場合に、第11伝達歯車212に噛み合う構成となっている。
【0080】
第1被伝達歯車801は、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83に直接的又は間接的に連結される。これにより、第11伝達歯車212は、第1被伝達歯車801を介して、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83に駆動力を伝達する。
【0081】
また、図4に示すように、第10伝達歯車211は、筐体110の外部に配置される伝達機構(不図示)に設けられる第2被伝達部材としての第2被伝達歯車802に噛み合うことが可能な位置に配置される。具体的には、第2被伝達歯車802は、駆動伝達ユニット40(筐体110)には配置されておらず、筐体110がプリンタ1の本体に装着された場合に、第10伝達歯車211に噛み合う構成となっている。
【0082】
第2被伝達歯車802は、第1搬送路L1に配置される第1搬送ローラ対82に直接的又は間接的に連結される。これにより、第10伝達歯車211は、第2被伝達歯車802を介して、第1搬送路L1に配置される第1搬送ローラ対82に駆動力を伝達する。
【0083】
図4及び図5に示すように、第1配置態様の駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第1位置に位置される。第11伝達歯車212の第1位置は、第11伝達歯車212が第1被伝達歯車801に噛み合うことが可能な位置であって、第11伝達歯車212が第9伝達歯車210に噛み合う位置である。
【0084】
また、第11伝達歯車212の第1位置は、後述する第2配置態様の駆動伝達機構41における第2歯車としての第20伝達歯車221が第4配置可能領域521に配置されている場合においては、第11伝達歯車212が第20伝達歯車221に噛み合わない位置である。
【0085】
詳細については後述するが、第11伝達歯車212は、第1位置と第2位置とを選択して配置可能である。第1配置態様の駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第1位置を選択して配置される。なお、後述する第2配置態様の駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第2位置を選択して配置される。
【0086】
このように、第1配置態様の駆動伝達機構41においては、図4に示すように、モータ131の出力を、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第3伝達歯車204、第9伝達歯車210を介して、第10伝達歯車211及び第1位置に配置された第11伝達歯車212に伝達する。そして、第10伝達歯車211に伝達された駆動力により、第2被伝達歯車802を介して、第1搬送ローラ対82が駆動される。また、第11伝達歯車212に伝達された駆動力により、第1被伝達歯車801を介して、複数の第2搬送ローラ対83が駆動される。
【0087】
また、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達は、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への伝達経路のうちの共通の伝達経路に介在している第1電磁クラッチ404の状態を連結状態又は非連結状態に切り替えることによって、同時に断続することができる。
【0088】
ここで、モータ131から、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第3伝達歯車204、第9伝達歯車210を介して、第1位置に位置される第11伝達歯車212までの伝達経路を第1伝達経路としての第1位置選択伝達経路R1という。つまり、第11伝達歯車212は、第1位置に位置されることで、第1位置選択伝達経路R1を選択して配置される。第1位置選択伝達経路R1は、第11伝達歯車212が第1位置に位置されることで、第11伝達歯車212が第9伝達歯車210に噛み合うと共に、第11伝達歯車212が第20伝達歯車221に噛み合わない状態で選択される。
【0089】
第1位置選択伝達経路R1は、モータ131からの回転駆動力が伝達される経路である。第1位置選択伝達経路R1は、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第3伝達歯車204、第9伝達歯車210及び第11伝達歯車212から構成される第1歯車群により形成される。
【0090】
第1位置選択伝達経路R1を形成する第1歯車群は、第11伝達歯車212を含んでいる。また、第11伝達歯車212が第1位置に位置する場合には、第11伝達歯車212は、第1歯車群の一部を構成する。
【0091】
次に、図6から図9により、第2配置態様における駆動伝達機構41について説明する。第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様の駆動伝達機構41が第1位置選択伝達経路R1を選択する配置態様であるのに対して、第2伝達経路としての第2位置選択伝達経路を選択する配置態様である。第2配置態様については、主として、第1配置態様とは異なる点を中心に説明し、第1配置態様と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第2配置態様において特に説明しない点は、第1配置態様についての説明が適宜適用又は援用される。
【0092】
第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様に対して、第11伝達歯車212が第1位置でなく第2位置に配置される点、第17〜第20の伝達歯車218〜221が第1配置態様における第1〜第4の配置可能領域518〜521(図3参照)に追加して配置される点において、第1配置態様の駆動伝達機構41とは主に異なる。
【0093】
具体的には、第2配置態様の駆動伝達機構41においては、第1配置態様における伝達歯車、歯車軸部材及び電磁クラッチの他に、第17伝達歯車218と、第18伝達歯車219と、第19伝達歯車220と、第2歯車としての第20伝達歯車221と、これらの各伝達歯車を回転可能に支持する軸部材としての歯車軸部材と、第2クラッチ部としての第3電磁クラッチ420と、を備える。
【0094】
第17伝達歯車218は、第1筐体111の第1面113側に形成される第1配置可能領域518に配置される。第18伝達歯車219は、第2筐体121の第2面123側に形成される第2配置可能領域519に配置される。第19伝達歯車220は、第2筐体121の第2面123側に形成される第3配置可能領域520に配置される。第20伝達歯車221は、第1筐体111と第2筐体121との間に形成される第4配置可能領域521に配置される。
【0095】
第1配置可能領域518に配置される第17伝達歯車218は、第1面113に直立状態に配置された第17歯車軸部材318により、第1筐体111に回転可能に支持されている。第2配置可能領域519に配置される第18伝達歯車219は、第2面123に直立状態に配置された第18歯車軸部材319により、第2筐体121に回転可能に支持されている。
【0096】
第3配置可能領域520に配置される第19伝達歯車220は、第3電磁クラッチ420の入力ギアである。第3電磁クラッチ420は、後述する第2伝達経路としての第2位置選択伝達経路R2を形成する第2歯車群におけるモータ131と第20伝達歯車221との間に配置される。第3電磁クラッチ420は、第19伝達歯車220に伝達されたモータ131からの回転駆動力を第20伝達歯車221に伝達可能な連結状態又は第20伝達歯車221に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能である。
【0097】
第4配置可能領域521に配置される第20伝達歯車221は、第3電磁クラッチ420の出力軸321に固定された歯車である。そのため、第20伝達歯車221は、第3電磁クラッチ420の状態が連結状態のときには、第19伝達歯車220に連結されて第19伝達歯車220と一体的に回転駆動される駆動状態になる。また、第20伝達歯車221は、第3電磁クラッチ420の状態が非連結状態のときには、第19伝達歯車220から切り離されて、回転駆動されない非駆動状態になる。第20伝達歯車221には、モータ131からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される。
【0098】
また、第2配置態様における駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第2位置に位置されている。第11伝達歯車212の第2位置における詳細については、後述する。
【0099】
次に、図6及び図7により、第2配置態様の駆動伝達機構41における第1筐体111及び第2筐体121に配置された歯車列による動力伝達経路について説明する。
第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様の駆動伝達機構41の構成を利用することで構成される。具体的には、第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様の駆動伝達機構41に歯車等の部材を追加した機構であって、筐体110、歯車、軸部材等の部材が共通化されている。
【0100】
そのため、第2配置態様においては、前述の第1配置態様と異なる点について主に説明する。具体的には、第1配置態様と比較して加えられた第17伝達歯車218、第18伝達歯車219、第19伝達歯車220、第20伝達歯車221及び第3電磁クラッチ420における駆動力の伝達に関連する内容について説明する。
【0101】
また、第17伝達歯車218が加えられたことにより、第1配置態様の動力伝達経路と異なることとなった第2伝達歯車203における駆動力の伝達について説明する。また、第11伝達歯車212を第2位置に位置させることにより、第1配置態様の動力伝達経路と異なることとなった第9伝達歯車210及び第11伝達歯車212における駆動力の伝達について説明する。
【0102】
第2配置態様の駆動伝達機構41においては、第1筐体111に配置される第2伝達歯車203は、第2筐体121に配置される第3伝達歯車204に噛み合っているだけでなく、第1配置可能領域518(図3参照)に配置される第17伝達歯車218にも噛み合っている。そのため、第2伝達歯車203は、第1伝達歯車202から入力された駆動力を第3伝達歯車204に伝達するだけでなく、第1伝達歯車202から入力された駆動力を第17伝達歯車218にも伝達する。
【0103】
第1配置可能領域518に配置される第17伝達歯車218は、図6に示すように、第2配置可能領域519(図3参照)に配置される第18伝達歯車219に噛み合っており、第2伝達歯車203から入力された駆動力を第18伝達歯車219に伝達する。
【0104】
図7に示すように、第2配置可能領域519に配置される第18伝達歯車219は、第3配置可能領域520(図3参照)に配置される第19伝達歯車220に噛み合っており、第17伝達歯車218から入力された駆動力を第19伝達歯車220に伝達する。
【0105】
第3配置可能領域520に配置される第19伝達歯車220は、第3電磁クラッチ420の入力ギアである。第3電磁クラッチ420の状態が連結状態のときは、第19伝達歯車220から入力された駆動力が、第3電磁クラッチ420の出力軸321に固定されている第20伝達歯車221に伝達される。
図6に示すように、第20伝達歯車221は、第11伝達歯車212が第2位置に位置されていることにより、第1筐体111に配置される第11伝達歯車212に噛み合っており、第19伝達歯車220から入力された駆動力を第11伝達歯車212に伝達する。
【0106】
図8及び図9に示すように、第11伝達歯車212は、前述の第1配置態様と同様に、不図示の伝達機構に設けられる第1被伝達歯車801に噛み合っており、不図示の伝達機構に設けられる第1被伝達歯車801を介して、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83に駆動力を伝達する。
【0107】
なお、第2筐体121に配置される第9伝達歯車210は、第11伝達歯車212が第2位置に位置されていることにより第11伝達歯車212に噛み合わずに離間している点において、第1配置態様における駆動伝達機構41とは異なる。つまり、第2配置態様における第9伝達歯車210は、図6に示すように、第1筐体111に配置される第10伝達歯車211に噛み合っているが、第11伝達歯車212には、噛み合っていない。そのため、第2配置態様における第9伝達歯車210は、第3伝達歯車204から入力された駆動力を、第11伝達歯車212に伝達せずに、第10伝達歯車211にだけ伝達する。
【0108】
従って、第2配置態様の駆動伝達機構41は、モータ131から出力される回転駆動力を、第1配置態様と同様の動力伝達経路により、レジストローラ対80及び第1搬送ローラ対82に向けて伝達する。
【0109】
また、第2伝達歯車203は、第1伝達歯車202から入力された駆動力を、第3伝達歯車204に伝達するだけでなく、第17伝達歯車218にも伝達している。さらに、第2配置態様の駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第2位置を選択して配置されることにより、第20伝達歯車221に噛み合っているが、第9伝達歯車210に噛み合っていない。
【0110】
これにより、図8及び図9に示すように、第2配置態様の駆動伝達機構41は、モータ131から出力される回転駆動力を、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第17伝達歯車218、第18伝達歯車219、第19伝達歯車220、第20伝達歯車221を介して、第11伝達歯車212に伝達する。そして、第1配置態様の場合と同様に、第11伝達歯車212に伝達された駆動力により、第2被伝達歯車802を介して、複数の第2搬送ローラ対83が駆動される。第11伝達歯車212には、モータ131からの回転駆動力が第9伝達歯車210を介して伝達される。
【0111】
また、複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達は、第1位置選択伝達経路R1に介在している第3電磁クラッチ420の状態を連結状態又は非連結状態に切り替えることによって、断続することができる。
【0112】
図8及び図9に示すように、第2配置態様の駆動伝達機構41においては、第11伝達歯車212は、第2位置に位置される。第11伝達歯車212の第2位置は、第11伝達歯車212が第1被伝達歯車801に噛み合うことが可能な位置であって、第11伝達歯車212が第20伝達歯車221に噛み合う位置である。また、第11伝達歯車212の第2位置は、第11伝達歯車212が第9伝達歯車210に噛み合わない位置である。
【0113】
ここで、図8及び図9に示すように、モータ131から、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第17伝達歯車218、第18伝達歯車219、第19伝達歯車220、第20伝達歯車221を介して、第2位置に位置される第11伝達歯車212までの伝達経路を第2伝達経路としての第2位置選択伝達経路R2という。つまり、第11伝達歯車212は、第2位置に位置されることで、第2位置選択伝達経路R2を選択して配置される。第2位置選択伝達経路R2は、第11伝達歯車212が第2位置に位置されることで、第11伝達歯車212が第20伝達歯車221に噛み合うと共に、第11伝達歯車212が第9伝達歯車210に噛み合わない状態で選択される。
【0114】
第2位置選択伝達経路R2は、モータ131からの回転駆動力が伝達される経路である。第2位置選択伝達経路R2は、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、第17伝達歯車218、第18伝達歯車219、第19伝達歯車220、第20伝達歯車221及び第11伝達歯車212から構成される第2歯車群により形成される。
【0115】
第2位置選択伝達経路R2を形成する第2歯車群は、第20伝達歯車221を含んでいる。第2位置選択伝達経路R2を形成する第2歯車群は、第9伝達歯車210を含んでいない。また、第11伝達歯車212が第2位置に位置する場合には、第11伝達歯車212は、第2歯車群の一部を構成する。
【0116】
以上のように構成される第1配置態様及び第2配置態様における駆動伝達機構41は、第11伝達歯車212は、第1位置又は第2位置のうちのいずれかを適宜選択して配置可能に構成される。つまり、第11伝達歯車212は、第1位置又は第2位置のいずれかの位置を選択することにより、第1位置選択伝達経路R1又は第2位置選択伝達経路R2のいずれかを選択することができる。
【0117】
ここで、第1配置態様と第2配置態様とにおいて、電磁クラッチによる第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達の断続の切り替え方法が異なる。具体的には、第1配置態様においては、図4に示すように、第1位置選択伝達経路R1におけるモータ131から第9伝達歯車210までの伝達経路は、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への共通の動力伝達経路である。そのため、モータ131と第9伝達歯車210との間に配置される第1電磁クラッチ404の状態を切り替えることにより、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達の断続を同時に行うことができる。
【0118】
本実施形態においては、図4に示すように、第1電磁クラッチ404は、第1位置選択伝達経路R1における共通経路R3よりも回転駆動力が伝達される下流側(第9伝達歯車210側)に配置される。共通経路R3とは、モータ131からの回転駆動力が伝達される経路であって、第1位置選択伝達経路R1と第2位置選択伝達経路R2との共通の経路である。具体的には、共通経路R3は、モータ131から、出力歯車200、第1伝達歯車202、第2伝達歯車203、までの伝達経路である。
言い換えると、第1電磁クラッチ404は、第1位置選択伝達経路R1において、第2伝達歯車203よりも第9伝達歯車210側(下流側)であって第9伝達歯車210よりもモータ131側(上流側)に配置される。
【0119】
一方、第2配置態様においては、図8に示すように、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達経路は、第2伝達歯車203において分岐されている。そのため、第1電磁クラッチ404の状態を切り替えることにより、第1搬送ローラ対82への動力伝達の断続のみを切り替えることができる。また、第3電磁クラッチ420の状態を行うことにより、複数の第2搬送ローラ対83への動力伝達の断続のみを行うことができる。
【0120】
本実施形態においては、図8に示すように、第3電磁クラッチ420は、第2位置選択伝達経路R2における共通経路R3よりも回転駆動力が伝達される下流側(第20伝達歯車221側)に配置される。言い換えると、第3電磁クラッチ420は、第2位置選択伝達経路R2において、第2伝達歯車203よりも第20伝達歯車221側(下流側)であって第20伝達歯車221よりもモータ131側(上流側)に配置される。
【0121】
次に、第11伝達歯車212を第1位置又は第2位置させることができる構成について説明する。なお、第11伝達歯車212は、駆動伝達ユニット40の組み立て時などにおいて、作業者の組み立て作業により第1位置又は第2位置に位置される。
【0122】
第11伝達歯車212における第1位置と第2位置とは、第11歯車軸部材312に回転軸に直交する方向において近接して位置する。本実施形態においては、「回転軸に直交する方向」とは、第1筐体111の第1面113に沿う方向である。また、「第11歯車軸部材312に回転軸に直交する方向において近接」とは、第11伝達歯車212における第1位置と第2位置とが、他の軸部材や歯車等を挟まずに、近い位置で隣り合っている状態をいう。
【0123】
第11伝達歯車212は、第11歯車軸部材312により第1筐体111に回転可能に支持されている。図10に示すように、第1筐体111には、第1軸受け部151と、第2軸受け部152と、が形成される。第1軸受け部151及び第2軸受け部152は、第1筐体111における第9伝達歯車210と第20伝達歯車221とが配置される領域の近傍に形成される。
【0124】
本実施形態においては、第1軸受け部151及び第2軸受け部152それぞれは、第1筐体111を上下方向に貫通する貫通孔により構成される。第1軸受け部151と第2軸受け部152とは、近接して位置する。ここで、第1軸受け部151と第2軸受け部152とにおける「近接」とは、第1筐体111に形成される他の穴等の部分を挟まずに、近い位置で隣りあった状態をいう。
【0125】
第1軸受け部151は、第1筐体111を第1面113の上方側から視た場合において(平面視において)、一方側から円孔の一部を塞ぐような形状を有する。第1軸受け部151の円周の一方側は、直線状に形成される。
【0126】
第2軸受け部152は、第1筐体111を第1面113の上方側から視た場合において(平面視において)、一方側及び他方側それぞれから円孔の一部を塞ぐような形状を有する。第1軸受け部151の円周の一方側及び他方側は、直線状に形成される。第2軸受け部152の直線状の部分の長さは、第1軸受け部151の直線状の部分の長さと同じである。
【0127】
第1軸受け部151は、第11伝達歯車212を第1位置に位置させた状態で第11歯車軸部材312を連結可能である。第2軸受け部152は、第11伝達歯車212を第2位置に位置させた状態で第11歯車軸部材312を連結可能である。
【0128】
図11に示すように、第11歯車軸部材312は、第11伝達歯車212を回転可能に支持する筒状の部材である。第11歯車軸部材312は、第1筐体111とは別部材で構成され、第1筐体111に連結可能である。
【0129】
第11歯車軸部材312は、一端側に配置される第1係合部312aと、他端側に配置される第2係合部312bと、を有する。
第1係合部312aは、第1軸受け部151に係合可能である。また、第1係合部312aは、第2軸受け部152に係合不能である。第11歯車軸部材312は、第1係合部312aが第1軸受け部151に係合されることで、第1筐体111に連結される。
【0130】
第1係合部312aは、第1軸受け部151に係合可能な形状に形成される。本実施形態においては、第1係合部312aは、第1軸受け部151に係合するように、第11歯車軸部材312における一端側において、円筒状の外周の一部を軸方向に沿って1箇所だけ切り落としたような切り欠き状に形成される。第1係合部312aの切り欠き状の部分は、平面状に形成される。
【0131】
また、第1係合部312aは、第2軸受け部152に係合不能な形状に形成される。本実施形態においては、第1係合部312aが円筒状の外周の一部を軸方向に沿って1箇所だけ切り落としたような切り欠き状に形成されるため、第1係合部312aは、一方側及び他方側それぞれから円孔の一部を塞ぐような形状に形成された第2軸受け部152には、係合不能である。
【0132】
また、第2係合部312bは、第1軸受け部151及び第2軸受け部152のいずれにも係合可能である。第11歯車軸部材312は、第2係合部312bが第1軸受け部151又は第2軸受け部152に係合されることで、第1筐体111に連結される。
【0133】
第2係合部312bは、第1軸受け部151及び第2軸受け部152に係合可能な形状に形成される。本実施形態においては、第2係合部312bは、第1軸受け部151及び第2軸受け部152に係合するように、第11歯車軸部材312における他端側において、円筒状の外周の一部を軸方向に沿って2箇所切り落としたような切り欠き状に形成される。第1係合部312aの切り欠き状の部分は、対向する平面状に形成される。第2係合部312bは、軸方向に視た場合に、直線状の部分の長さが第1係合部312aの直線部分の長さと同じである。
【0134】
次に、本実施形態のプリンタ1における特徴部分である駆動伝達機構41において、第11伝達歯車212を第1位置に配置する手順及び第2位置に配置する手順について説明する。
まず、第11伝達歯車212を第1位置に配置する手順について説明する。
電磁クラッチの数を少なくするために共通の伝達経路を形成したい場合などにおいて、例えば、駆動伝達機構41を、前述の第1配置態様で構成する。第1配置態様における駆動伝達機構41は、第11伝達歯車212を第1位置に位置させる。
【0135】
作業者は、第1配置態様の駆動伝達ユニット40を組み立てる場合に、第1〜4の配置可能領域518〜521に第17〜第20の伝達歯車218〜221を配置せずに、第1配置態様の構成要素である伝達歯車や歯車軸部材などの部材を第1筐体111及び第2筐体121に組み付け、第11伝達歯車212を第1位置に位置させる。
【0136】
ここで、作業者は、第11伝達歯車212を第1位置に位置させる前に、第11伝達歯車212を支持する第11歯車軸部材312を第1筐体111に連結させる。第11歯車軸部材312の一端側には、第1軸受け部151に係合可能な第1係合部312aが形成されている。第1係合部312aは、第1軸受け部151に係合可能である。
そこで、作業者は、第1係合部312aを第1軸受け部151に係合させる。その後、作業者は、第11歯車軸部材312に第11伝達歯車212を装着することで、第11伝達歯車212を第1位置に位置させることができる。
【0137】
ここで、本実施形態においては、第1係合部312aは、第2軸受け部152に係合不能である。そのため、作業者は、第1係合部312aにマーキングなどを施すことにより、そのマーキングなどを手掛かりにして、第1係合部312aを確実に第1軸受け部151に係合させることができる。
【0138】
また、第1係合部312aが第2軸受け部152に係合不能であることから、作業者は、第11歯車軸部材312を誤って第2軸受け部152に係合させることがない。これにより、作業者は、第11伝達歯車212が確実に第1位置された状態で、駆動伝達ユニット40を組み立てることができる。
【0139】
第11伝達歯車212が第1位置に位置されることにより、駆動伝達機構41は、第1配置態様となる。これにより、第1電磁クラッチ404の状態を切り替えるだけで、第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83の駆動又は停止を同時に制御することができる。
【0140】
次に、第11伝達歯車212を第2位置に配置する手順について説明する。
伝達経路を異ならせて別々の電磁クラッチで制御したい場合などにおいて、例えば、駆動伝達機構41を、前述の第2配置態様で構成する。第2配置態様における駆動伝達機構41は、第11伝達歯車212を第2位置に位置させる。
【0141】
第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様の駆動伝達機構41の構成を利用することで構成される。つまり、第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1配置態様の構成に、他の歯車等の部材を加えた構成となっている。
【0142】
作業者は、第2配置態様の駆動伝達ユニット40を組み立てる場合に、第1配置態様の構成に加えて、第1〜第4の配置可能領域518〜521に第17〜20の伝達歯車218〜221を配置すると共に、各歯車軸部材及び第3電磁クラッチなどを第1筐体111及び第2筐体121に組み付け、第11伝達歯車212を第2位置に位置させる。
【0143】
ここで、作業者は、第11伝達歯車212を第2位置に位置させる前に、第11伝達歯車212を支持する第11歯車軸部材312を第1筐体111に連結させる。第11歯車軸部材312の他端側には、第1軸受け部151及び第2軸受け部152のいずれにも係合可能な第2係合部312bが形成されている。
そこで、作業者は、第2係合部312bを第2軸受け部152に係合させる。その後、作業者は、第11歯車軸部材312に第11伝達歯車212を装着することで、第11伝達歯車212を第2位置に位置させることができる。
【0144】
本実施形態においては、第2係合部312bは、第1軸受け部151にも係合可能である。そのため、第1軸受け部151又は第2軸受け部152の位置を目視にて選択して、第2係合部312bを第2軸受け部152に係合させる。
【0145】
なお、第2係合部312bは、第1軸受け部151及び第2軸受け部152のいずれにも係合可能である。そのため、作業者は、第11伝達歯車212を第1位置又は第2位置のどちらに位置させる場合においても、第2係合部312bを第1筐体111に係合させるだけでよい。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0146】
なお、作業の誤りを防止することを重視して、第2係合部312bを、第2軸受け部152に係合可能で且つ第1軸受け部151に係合不能な構成とすることもできる。例えば、第1軸受け部151の形状を、図10に示すよりも円孔を塞ぐ領域が広くなるように形成する。これにより、第2係合部312bは、第1軸受け部151に係合不能となる。更に、第1係合部312aの形状を、第1軸受け部151に係合可能な形状とすることにより、第1係合部312aは、第1軸受け部151に係合可能で且つ第2軸受け部152に係合不能となる。
【0147】
この場合には、作業者は、第2係合部312bにマーキングなどを施すことにより、そのマーキングなどを手掛かりにして、第2係合部312bを確実に第2軸受け部152に係合させることができる。また、第2係合部312bが第1軸受け部151に係合不能であることから、作業者は、第2係合部312bを誤って第1軸受け部151に係合させることがない。これにより、作業者は、第11伝達歯車212を、確実に第2位置に位置させることができる。
【0148】
第11伝達歯車212が第2位置に位置されることにより、駆動伝達機構41は、第2配置態様となる。第2配置態様の駆動伝達機構41は、第1電磁クラッチ404により、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83の駆動又は停止の制御を行わずに、第1搬送路L1に配置される第1搬送ローラ対82の駆動又は停止の制御を行うことができる。また、第2配置態様の駆動伝達機構41は、第3電磁クラッチ420により、戻し搬送路Lbに配置される複数の第2搬送ローラ対83の駆動又は停止の制御を行うことができる。
【0149】
以上のように構成される駆動伝達機構41においては、コスト低減を重視して電磁クラッチの数を減らしたい場合などには、第1配置態様に構成することで、第11伝達歯車212を第1位置に位置させる。これにより、電磁クラッチの数を減らして、第1搬送ローラ対82と複数の第2搬送ローラ対83とを同時に駆動又は停止させる制御を行うことができる。
【0150】
一方、戻し搬送路Lbに用紙Tを待機させた状態で、第1搬送路L1に配置された第1搬送ローラ対82を駆動するような制御を行いたい場合には、第2配置態様に構成することで、第11伝達歯車212を第2位置に位置させる。これにより、複数の第2搬送ローラ対83と第1搬送ローラ対82とに駆動力を伝達する伝達経路を異なる経路とすることができる。そして、別々の電磁クラッチで制御することで、戻し搬送路Lbに配置された複数の第2搬送ローラ対83の駆動又は停止と第1搬送路L1に配置された第1搬送ローラ対82の駆動又は停止とを別々に制御することができる。
【0151】
また、第1配置態様における第11伝達歯車212の第1位置と第2配置態様における第11伝達歯車212の第2位置とは、近接して位置する。そのため、筐体110の限られたスペースを有効に活用して、回転駆動力の伝達経路を選択することができる。従って、省スペース化を図ることができる。また、第1配置態様と第2配置態様とは、一部の部材を共通化している。そのため、回転駆動力の伝達経路を選択するためのコストを低減することができる。
【0152】
本実施形態の駆動伝達機構41によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態の駆動伝達機構41においては、回転駆動力を出力可能なモータ131と、モータ131からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第9伝達歯車210と、第9伝達歯車210を含むと共に第1位置選択伝達経路R1を形成する第1歯車群と、筐体110に形成され、モータ131からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第20伝達歯車221を配置可能な第4配置可能領域521と、第9伝達歯車210を含まず且つ第20伝達歯車221が第4配置可能領域521に配置された場合における第20伝達歯車221を含むと共に第2位置選択伝達経路R2を形成する第2歯車群と、モータからの回転駆動力が第9伝達歯車210又は第20伝達歯車221のいずれかを介して伝達されると共に、第1位置選択伝達経路R1又は第2位置選択伝達経路R2のいずれかを選択して配置可能な第11伝達歯車212と、を備え、第11伝達歯車212は、筐体110の外部に配置される第1被伝達歯車801に噛み合うことが可能で且つ第9伝達歯車210に噛み合うと共に第20伝達歯車221に噛み合わずに第1位置選択伝達経路R1を選択する第1位置と、第1被伝達歯車801に噛み合うことが可能で且つ第20伝達歯車221が第4配置可能領域521に配置された場合における第20伝達歯車221に噛み合うと共に第9伝達歯車210に噛み合わずに第2位置選択伝達経路R2を選択する第2位置と、に配置可能であり、第11伝達歯車212は、第11伝達歯車212が第1位置に位置する場合には、第1歯車群の一部を構成し、第11伝達歯車212が第2位置に位置する場合には、第2歯車群の一部を構成する。
【0153】
そのため、第11伝達歯車212を第1位置又は第2位置に位置させることで、第1位置選択伝達経路又は第2位置選択伝達経路R2のいずれかを選択することができる。これにより、モータ131からの回転駆動力が伝達される伝達経路を簡易な構成により選択することができる。また、部品を共通化しつつ、回転駆動力の伝達経路を選択することができる。従って、回転駆動力の伝達経路を選択するためのコストを低減することができる。
【0154】
本実施形態の駆動伝達機構41においては、回転軸を中心に第11伝達歯車212を回転可能に支持する第11歯車軸部材312を更に備え、第11伝達歯車212における第1位置と第2位置とは、回転軸に直交する方向に近接して位置する。そのため、第11伝達歯車212を近接した位置で第1位置又は第2位置に位置させることができる。これにより、筐体110に、第11伝達歯車212を第1位置又は第2位置に位置させるためのスペースを少なくすることができる。従って、筐体110における省スペース化を図ることが可能となる。
【0155】
本実施形態の駆動伝達機構41においては、筐体110に形成され、第11伝達歯車212が第1位置に位置された状態で第11歯車軸部材312を連結可能な第1軸受け部151と、筐体に形成され、第11伝達歯車212が第2位置に位置された状態で第11歯車軸部材312を連結可能な第2軸受け部152と、を更に備える。そのため、第11歯車軸部材312を第1軸受け部151又は第2軸受け部152に連結させるだけで、第1位置又は第2位置を選択することができる。従って、簡易な構成で伝達経路を選択することができる。
また、駆動伝達ユニット40の組み立て時において、伝達経路を容易に選択できる。そのため、駆動伝達ユニット40の組み立てが容易である。
【0156】
また、第11歯車軸部材312は、一端側に配置されると共に第1軸受け部151に係合可能で且つ第2軸受け部152に係合不能な第1係合部312aと、他端側に配置されると共に第2軸受け部152に係合可能な第2係合部312bと、を有する。そのため、第1係合部312aは、第2軸受け部152に係合することができない。つまり、第1係合部312aは、互換性を有さない形状である。これにより、第11歯車軸部材312を第1軸受け部151又は第2軸受け部152に連結する際に、誤って連結することが抑制される。
【0157】
本実施形態の駆動伝達機構41においては、筐体の外部に配置される第2被伝達歯車802に噛み合うことが可能で且つ第9伝達歯車210に噛み合う第10伝達歯車211と、第1位置選択伝達経路R1を形成する第1歯車群におけるモータ131と第9伝達歯車210との間に配置され、モータ131からの回転駆動力を第9伝達歯車210に伝達可能な連結状態又は第9伝達歯車210に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第1電磁クラッチ404と、第20伝達歯車221が第4配置可能領域521に配置された場合において、第2位置選択伝達経路R2を形成する第2歯車群におけるモータ131と第20伝達歯車221との間に配置され、モータ131からの回転駆動力を第20伝達歯車221に伝達可能な連結状態又は第20伝達歯車221に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第3電磁クラッチ420と、を備える。
【0158】
そのため、第11伝達歯車212が第1位置に位置する場合には、第1電磁クラッチ404により、第1被伝達歯車801及び第2被伝達歯車802に回転駆動力を伝達させたり伝達させない制御を同時に行うことができる。また、第11伝達歯車212が第2位置に位置する場合には、第1電磁クラッチ404又は第3電磁クラッチ420により、第1被伝達歯車801及び第2被伝達歯車802に回転駆動力を伝達させたり伝達させない制御を別々に行うことができる。
【0159】
これにより、駆動伝達機構41に連結される第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83を同じ制御で駆動させることができると共に、駆動伝達機構41に連結される第1搬送ローラ対82及び複数の第2搬送ローラ対83を別々の制御で駆動させることもできる。従って、簡易な構成により伝達経路を選択できると共に、選択した伝達経路に応じた制御を容易に行うことができる。
【0160】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、第1被伝達歯車801及び第2被伝達歯車802を筐体110の外部に配置する構成としたが、これに制限されない。第1被伝達歯車801及び/又は第2被伝達歯車802を筐体110の内部に配置する構成としてもよい。
【0161】
また、前述の実施形態においては、第11伝達歯車212を、第17〜第20の伝達歯車218〜221を第1〜4の配置可能領域518〜521に配置しない状態において、第1位置に位置させているが、これに制限されない。例えば、第11伝達歯車212を、第17〜第20の伝達歯車218〜221を第1〜4の配置可能領域518〜521に配置した状態において、第2位置に位置させてもよい。この場合には、第11伝達歯車212を第1位置又は第2位置のいずれかの位置に位置させるだけで、伝達経路を選択することができる。
【0162】
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0163】
1……プリンタ(画像形成装置)、41……駆動伝達機構、80……レジストローラ対、82……第1搬送ローラ対(第1ローラ)、83……第2搬送ローラ対(第2ローラ)、110……筐体、111……第1筐体、121……第2筐体、131……モータ(駆動部)、151……第1軸受け部、152……第2軸受け部、210……第9伝達歯車(第1歯車)、211……第10伝達歯車(第4歯車)、212……第11伝達歯車(第3歯車)、221……第20伝達歯車(第2歯車)、312……第11歯車軸部材(軸部材)、312a……第1係合部、312b……第2係合部、404……第1電磁クラッチ(第1クラッチ部)、420……第3電磁クラッチ(第2クラッチ部)、521……第4配置可能領域(配置可能領域)、801……第1被伝達歯車(第1被伝達部材)、802……第2被伝達歯車(第2被伝達部材)、GK……画像形成部、R1……第1位置選択伝達経路(第1伝達経路)、R2……第2位置選択伝達経路(第2伝達経路)、T……用紙(被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に配置され、回転駆動力を出力可能な駆動部と、
前記筐体に配置され、前記駆動部からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第1歯車と、
前記筐体に配置され、前記第1歯車を含むと共に、前記駆動部からの回転駆動力が伝達される経路である第1伝達経路を形成する第1歯車群と、
前記筐体に形成され、前記駆動部からの回転駆動力が直接的又は間接的に伝達される第2歯車を配置可能な配置可能領域と、
前記筐体に配置され、前記第1歯車を含まず且つ前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合における該第2歯車を含むと共に、前記駆動部からの回転駆動力が伝達される経路である第2伝達経路を形成する第2歯車群と、
前記筐体に配置され、前記駆動部からの回転駆動力が前記第1歯車又は前記第2歯車のいずれかを介して伝達されると共に、前記第1伝達経路又は前記第2伝達経路のいずれかを選択して配置可能な第3歯車と、を備え、
前記第3歯車は、
前記筐体の内部又は外部に配置される第1被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第1歯車に噛み合うと共に前記第2歯車に噛み合わずに前記第1伝達経路を選択する第1位置と、前記第1被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合における該第2歯車に噛み合うと共に前記第1歯車に噛み合わずに前記第2伝達経路を選択する第2位置と、に配置可能であり、
該第3歯車が前記第1位置に位置する場合には、前記第1歯車群の一部を構成し、該第3歯車が前記第2位置に位置する場合には、前記第2歯車群の一部を構成する
駆動伝達機構。
【請求項2】
回転軸を中心に前記第3歯車を回転可能に支持する軸部材を更に備え、
前記第3歯車における前記第1位置と前記第2位置とは、前記回転軸に直交する方向に近接して位置する
請求項1に記載の駆動伝達機構。
【請求項3】
前記筐体に形成され、前記第3歯車が前記第1位置に位置された状態で前記軸部材を連結可能な第1軸受け部と、
前記筐体に形成され、前記第3歯車が前記第2位置に位置された状態で前記軸部材を連結可能な第2軸受け部と、を更に備える
請求項2に記載の駆動伝達機構。
【請求項4】
前記軸部材は、一端側に配置されると共に前記第1軸受け部に係合可能で且つ前記第2軸受け部に係合不能な第1係合部と、他端側に配置されると共に前記第2軸受け部に係合可能な第2係合部と、を有する
請求項3に記載の駆動伝達機構。
【請求項5】
前記筐体の内部又は外部に配置される第2被伝達部材に噛み合うことが可能で且つ前記第1歯車に噛み合う第4歯車と、
前記第1伝達経路を形成する前記第1歯車群における前記駆動部と前記第1歯車との間に配置され、前記駆動部からの回転駆動力を前記第1歯車に伝達可能な連結状態又は前記第1歯車に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第1クラッチ部と、
前記第2歯車が前記配置可能領域に配置された場合において、前記第2伝達経路を形成する前記第2歯車群における前記駆動部と前記第2歯車との間に配置され、前記駆動部からの回転駆動力を前記第2歯車に伝達可能な連結状態又は前記第2歯車に伝達しない非連結状態に状態を切り替え可能な第2クラッチ部と、を備える
請求項1から4のいずれかに記載の駆動伝達機構。
【請求項6】
シート状の被転写材に画像を形成する画像形成部と、
請求項1から5のいずれかに記載の駆動伝達機構と、
前記第1歯車に直接的又は間接的に連結され、前記被転写材を前記画像形成部へ向けて搬送する第1ローラと、
前記第3歯車に直接的又は間接的に連結され、前記被転写材を前記画像形成部へ向けて搬送する第2ローラと、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−248305(P2011−248305A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124356(P2010−124356)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】