説明

駆動装置、レンズ鏡筒及びレンズ鏡筒を有する光学機器

【課題】 永久磁石により、振動体と接触部との間に所望の加圧力を与える場合、所望の加圧力を得るためには、コストが増大する課題があった。
【解決手段】 本発明の駆動装置は、ガイド部材5の案内方向に垂直な面内において、前記ガイド部材5から永久磁石7までの距離よりも前記ガイド部材5から前記振動体9までの距離のほうが短く、前記永久磁石7と磁性体8との間の吸引力が、前記ガイド部材5の軸周りに保持部材6を回転させる力として働き、前記回転させる力により前記振動体9は前記接触部材10に加圧されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置、レンズ鏡筒、及びレンズ鏡筒を有する光学機器に関する。特に、振動体と接触部材とを相対的に移動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
振動型アクチュエータの分野において、所謂リニア型超音波モータと呼ばれる直線運動を行わせる振動型アクチュエータの開発が行われている。リニア型超音波モータは、振動体の大きさに比して大きな出力が得られ、また制御性に優れるなどの特徴を有している。このような直線運動を行わせる振動型アクチュエータは、カメラなどのレンズ鏡筒に設けられたレンズ群の駆動用として用いられている。
【0003】
このような振動型アクチュエータにおいて、振動体と、振動体に接触する被駆動体としての接触部材と、を加圧するための構成として、特許文献1では、次のような提案がなされている。特許文献1では、振動体と接触部材とを永久磁石による磁力を用いて加圧接触させる方法が開示されており、該文献では、振動体側に永久磁石を設ける構成が開示されている。具体的には、永久磁石は、振動体と接触部材の間に設けられた保持部材により保持されている。そして振動体と接触部材を磁気吸引力により圧接している。特許文献1では、永久磁石を、振動体と接触部材との間に形成されたスペースに配置することで、空間効率に優れた小型の振動型アクチュエータを実現している。
【0004】
また、特許文献2では、接触部材側に永久磁石を配置している構成について提案されている。特許文献2では、磁石材料から成る角棒状のスライダ基部と、スライダ基部の振動体との接触面側に設けられた摩擦部材と、からなる接触部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−312519号公報
【特許文献2】特開2005−354787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のように、永久磁石を、振動体と接触部材との間に形成されたスペースに配置した場合、永久磁石のサイズはスペースの大きさに拘束されるため、十分な加圧力が得られない可能性があった。また、接触部材が鏡筒部分に固定され、振動体を移動させる場合、振動体側に永久磁石が配置されていると、永久磁石の重さで振動体の応答性が低下してしまう可能性があった。
【0007】
また、特許文献2のように、接触部材側に永久磁石を配置した場合には、駆動する長さ以上の永久磁石を必要とするため、駆動する長さに比例してコストが大きくなってしまうという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、コストを増大させずに、振動体と接触部との間に所望の加圧力を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の駆動装置は、弾性体と、前記弾性体に固定された電気−機械エネルギー変換素子と、を備えた振動体と、前記振動体に接触する接触部材と、永久磁石と、前記永久磁石との間に吸引力を発生させる磁性体と、前記振動体と、前記永久磁石と、を保持する保持部材と、前記保持部材の移動方向を規制するガイド部材と、を有し、前記ガイド部材の案内方向に垂直な面内において、前記ガイド部材から前記永久磁石までの距離よりも前記ガイド部材から前記振動体までの距離のほうが短く、前記永久磁石と前記磁性体との間の吸引力が、前記ガイド部材の軸周りに前記保持部材を回転させる力として働き、前記回転させる力により前記振動体は前記接触部材に加圧されており、前記振動体の前記電気−機械エネルギー変換素子に交流電圧が印加されることで前記振動体と前記接触部材とが相対的に移動することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のレンズ鏡筒は、弾性体と、前記弾性体に固定された電気−機械エネルギー変換素子と、を備えた振動体と、前記振動体に接触する接触部材と、永久磁石と、前記永久磁石との間に吸引力を発生させる磁性体と、レンズと、前記振動体と、前記永久磁石と、前記レンズと、を保持する保持部材と、前記保持部材の移動方向を規制するガイド部材と、を有し、前記ガイド部材の案内方向に垂直な面内において、前記ガイド部材から前記永久磁石までの距離よりも前記ガイド部材から前記振動体までの距離のほうが短く、前記永久磁石と前記磁性体との間の吸引力が、前記ガイド部材の軸周りに前記保持部材を回転させる力として働き、前記回転させる力により前記振動体は前記接触部材に加圧されており、前記振動体の前記電気−機械エネルギー変換素子に交流電圧が印加されることで、前記保持部材が前記レンズに入射する光の光軸方向に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、磁気加圧手段を、振動体や接触部材から離れた位置に設けることで、磁気吸引力をてこの原理により増幅して、振動体を接触部材側へ加圧する加圧力とすることができる。よって、コストが増大せずに、十分な加圧力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1における駆動装置の構成を説明するための斜視図。
【図2】本発明の適用できる振動型アクチュエータの構成と振動モードを説明するための外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1における駆動機構の断面図。
【図4】本発明の実施形態2における駆動装置の上面図。
【図5】本発明の実施形態2における磁気加圧手段の断面図。
【図6】本発明の実施形態3における駆動装置の上面図。
【図7】本発明の実施形態3における磁気加圧手段の断面図。
【図8】本発明の実施形態4におけるレンズ鏡筒と撮像装置を説明するための模式図である。
【図9】本発明の適用できる振動体の振動モードを説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
第1の実施形態として、本発明を適用できる駆動装置の構成例を、図1を用いて説明する。本実施形態の駆動装置は、振動体9、接触部材10、永久磁石7、磁性体8、保持部材6、ガイド部材5、を備える。振動体9は、電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子2(図2参照)により振動が励起され、振動体9と、振動体9に接触している接触部材10と、は相対的に移動する。本発明においては、振動体9と接触部材10とで振動型アクチュエータを構成している。
【0015】
また、本実施形態においては、永久磁石7と磁性体8とで磁気加圧手段12を構成しており、永久磁石7と磁性体8との間の磁気吸引力を振動体9と接触部材10との間の加圧に用いる。磁性体8としては、鉄、コバルト、ニッケルとそれらの合金、マルテンサイト系ステンレス等、の強磁性体材料が用いられる。
【0016】
保持部材6は、振動体9と永久磁石7とを保持し、中心部にレンズ15を設けた場合はレンズホルダとして機能する。保持部材6は、保持部材6の移動方向を規制するガイド部材5を軸中心として回転可能、且つ、ガイド部材5に沿って移動可能に構成されている。本実施形態では、ガイド部材5と接触部材10と磁性体8とは不図示の基体に固定支持されている。よって、電気−機械エネルギー変換素子2に駆動電圧(交流電圧)を印加することにより、振動体9と接触部材10との間に相対移動力を発生させ、保持部材6はガイド部材5に沿って移動する。
【0017】
ここで、本発明を適用できる振動型アクチュエータの駆動原理を、図2を用いて説明する。図2は(a)は、振動型アクチュエータの基本構成を示す外観斜視図である。この振動型アクチュエータの振動体9は、矩形の板状に形成された金属材料から成る弾性体3を備え、弾性体3の裏面には圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子)2が接合されている。弾性体3の上面の所定位置には、被駆動体1と接触する接触部として2つの突起部4が設けられている。なお、図1の接触部材10が図2における被駆動体1に相当する。図1では接触部材10が不図示の基体に固定され振動体9が移動する構成であるが、図2においては、説明の都合上、振動体9が固定され接触部材である被駆動体1が移動する例を説明する。
【0018】
本実施形態では、図2(b)に示すように、振動体9の電気−機械エネルギー変換素子2に交流電圧を印加して振動体9に2つの面外曲げ振動モード(MODE−AとMODE−B)を励振する。MODE−Aは、振動体9の長手方向である図中Y軸方向に平行に2つの節が現れる一次の面外曲げ振動モードである。MODE−Aの振動により、突起部4には、被駆動体1と接触する面と垂直な方向(Z軸方向)に変位する振動が励起される。MODE−Bは振動体9の図中X軸方向に略平行に3つの節が現れる二次の面外曲げ振動モードである。MODE−Bの振動によって、突起部4には、被駆動体1と接触する面と平行な方向(Y軸方向)に変位する振動が励起される。
【0019】
これら二つの振動モードを組み合わせることで接触部である突起部4の上面に略YZ面内の楕円運動が発生し、Y軸方向に略一致する方向に被駆動体1を駆動させる力が発生する。この駆動力により、被駆動体1は振動体9と相対的に移動する。ただし、本発明は上記した振動体の構成に限定されず、他の面外曲げ振動モードの振動を励起する振動体でも良く、また、図9に示すような他の振動モードを励起する構成の振動体を用いても良い。図9(a)に示す振動体9は略直方体形状である。振動体9には、図9(b)に示すように、X軸方向に伸縮する一次の伸縮振動モード(MODE−A)と、Y軸方向に略平行に3つの節が現れる二次の面外曲げ振動モード(MODE−B)と、が励起される。この2つの異なる振動モードの重ね合わせにより、突起部4の上面に略XZ面内の楕円振動が生成される。よって、このように振動体を動作させることで、図2に示した振動体と同様に本発明に適用することができる。
【0020】
以上説明したような振動モードの振動を、突起部4に被駆動体1を加圧接触した状態で振動体に励起することにより、突起部4の楕円運動によって被駆動体1を直線的に移動させることができる。もちろん、図1のように接触部材10が固定されている場合は、振動体9が移動する。
【0021】
次に、本発明が適用できる駆動装置の加圧機構の構成例を、図3を用いて説明する。図3は図1の駆動装置のガイド部材5の軸方向(ガイド部材5の案内方向)に対して直交する面の断面図である。
【0022】
保持部材6はガイド部材5の軸周りに自由度が与えられ、該軸中心に回転することができる。また、ガイド部材5の軸方向に直線移動することができる。永久磁石7と基体(不図示)に固定された磁性体8とは、磁気により吸引力を発生する。この吸引力によって、ガイド部材5の軸周りにトルクが発生する。このトルクは、保持部材6がガイド部材5の軸周りに回転する力として働き、この回転する力により振動体9は接触部材10に加圧される。
【0023】
本発明において、永久磁石7と磁性体8で発生するトルクにより振動体9と接触部材10に与えている加圧力は、ガイド部材5と永久磁石7と振動体9の位置関係により、てこの原理を用いることで増幅されている。すなわち、本発明では、ガイド部材5の軸方向に垂直な面内において、ガイド部材5から永久磁石7までの距離よりもガイド部材5から振動体9までの距離のほうが短い。ガイド部材5は支点、永久磁石7は力点、振動体9は作用点となる位置関係となり、このような構成にすることにより、永久磁石7と磁性体8との間の磁気吸引力を増幅して、振動体9と接触部材10との間の加圧力として用いることができる。
【0024】
また、振動体9が接触部材10と加圧接触することにより、保持部材6は軸周りの回転を規制される。そして、本実施形態においては、永久磁石7と磁性体8との間には間隙(エアギャップ)が設けられており非接触となっている。よって、永久磁石7と磁性体8との間では摩擦による抵抗が発生しない構成となっている。永久磁石7と磁性体8の相対位置を調整することにより、エアギャップを調整し加圧力を調整することができる。
【0025】
また、本実施形態において、図3に示した断面のガイド部材5、永久磁石7、振動体9の位置関係は保持部材6がガイド部材5に沿って移動しても維持される。これにより、上述したように、てこの原理を用いて加圧力を増幅しているので、必要な加圧力に対して永久磁石を小型化することが可能となる。
【0026】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、第1の実施形態と磁気加圧手段12の構成が異なる形態の駆動装置の構成例について、図4、5を用いて説明する。磁気加圧手段12以外の構成は第1の実施形態と同様のため、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0027】
図4は、本実施形態の駆動装置の上面図である。図4において、磁気加圧手段12は、永久磁石7、摺動部材11、磁性体8により構成される。図4のA−A線における断面図を図5に示す。図5に示されるように、摺動部材11は永久磁石7と磁性体8との間に配置されている。摺動部材11を挟むことで、永久磁石7と磁性体8のギャップを一定にすることができる。
【0028】
また、摺動部材11としては、摩擦係数が低い材料を用いることが好ましい。具体的には、永久磁石7と摺動部材11との摩擦力は振動体9と接触部材10の摩擦力より低い摩擦力となる摩擦係数の材料を選択することが好ましい。このような摺動部材11を用いることで、保持部材6が移動する際の負荷が増大することを抑制できる。
【0029】
また、摺動部材11を所定のピッチで着磁された磁気スケールとし、保持部材6に磁気センサを配置することにより位置センサを兼用しても良い。
【0030】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、第1、第2の実施形態とは磁気加圧手段12が異なる形態の駆動装置の構成例について、図6、7を用いて説明する。磁気加圧手段12と保持部材6以外の構成は第1の実施形態と同様のため、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0031】
図6は、本実施形態の駆動装置の上面図である。図6に示されているように、本実施形態の磁気加圧手段12は、永久磁石からなるコロ14と摺動部材11とから構成される。また、保持部材6には、コロを回転可能とするための回転軸が設けられている。図6のB−B線における断面図を図7に示す。図7に示す永久磁石からなるコロ14は磁性体8と接触し、回転することができるようになっている。本実施形態によれば、永久磁石コロ14が磁性体8と接触し、転がることにより、接触部材の摩擦力より低い摩擦力とすることができる。つまり、永久磁石と磁性体の摩擦力を低減するように、永久磁石コロ14が転がり機構となっている。
【0032】
[第4の実施形態]
第1〜第3の実施形態で説明した駆動装置は、レンズ駆動用途として用いることができる。本実施形態では、第1〜第3の実施形態の駆動装置を撮影装置(光学機器)に用いた例について図8を用いて説明する。
【0033】
図8(a)は、本発明が適用できるレンズ鏡筒の模式的な断面図である。図8(a)に示すように、レンズ鏡筒には、固定の第1レンズユニット31、変倍のために入射する光の光軸方向に移動する第2レンズユニット32、固定の第3レンズユニット33、焦点調整のために光軸方向に移動する第4レンズユニット34が配されている。光量調整ユニット35は、一対の絞り羽根を上下方向に平行移動させることにより、開口径を増減させる絞り機構である。
【0034】
各レンズユニットは撮影レンズを備えており、移動する第2レンズユニット32は、レンズ151とレンズ151を保持するレンズホルダとしての保持部材61を備えている。また、同じく移動する第4レンズユニット34は、レンズ152とレンズ152を保持するレンズホルダとしての保持部材62を備えている。
【0035】
第2レンズユニットは、接触部材101が固定されているため、振動体91が駆動すると、振動体91と一体的に光軸方向に移動する。また、同じく第3レンズユニットも、接触部材102が固定されているため、振動体92が駆動すると、振動体92と一体的に光軸方向に移動する。また、図8(a)では、図1で示したようなガイド部5や磁気加圧機構の構成は省略している。
【0036】
図8(b)は、該レンズ鏡筒を備えた撮影装置(光学機器)を説明するためのブロック図である。第1レンズユニット31〜第4レンズユニット34の光軸上の後方に撮像素子81が配置される。この撮像素子81の出力はカメラ処理回路82に接続されている。カメラ処理回路82の一方の出力はAEゲート83を介してCPU84に接続され、他方の出力はAFゲート85、AF信号処理回路86を介してCPU84に接続されている。
【0037】
第2レンズユニット32の位置を検出する第1のリニアエンコーダ87、光量調節ユニット35の絞りを検出する絞りエンコーダ88、第4レンズユニット34の位置を検出する第2のリニアエンコーダ89の出力はCPU84に接続されている。リニアエンコーダ87、89はそれぞれ第2レンズユニット32及び第4レンズユニット34の光軸方向での相対位置(基準位置からの移動量)を検出する。
【0038】
CPU84の出力は、振動体91、92と、光量調整ユニット35の駆動源であるメータ93に接続されている。CPU84は、撮影装置の動作の制御を行う制御回路であり、カメラ処理回路82は撮像素子81の出力に対して増幅やガンマ補正などを施す。特定の処理を受けた映像信号のコントラスト信号は、AEゲート83及びAFゲート85を通過する。これらのゲート83、85により、露出決定及びピント合わせのために最適な信号の取り出し範囲が全画面内から設定される。AF信号処理回路86は、オートフォーカス(AF)用であり、映像信号の高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成する。
【0039】
以上説明したように、第1〜第4の実施形態で説明した駆動装置は、撮影装置のレンズ駆動用途として用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 被駆動体
2 圧電素子
3 弾性体
4 突起部
5 ガイド部材
6 保持部材
7 永久磁石
8 磁性体
9 振動体
10 接触部材
11 摺動部材
12 磁気加圧手段
14 コロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体と、前記弾性体に固定された電気−機械エネルギー変換素子と、を備えた振動体と、
前記振動体に接触する接触部材と、
永久磁石と、
前記永久磁石との間に吸引力を発生させる磁性体と、
前記振動体と、前記永久磁石と、を保持する保持部材と、
前記保持部材の移動方向を規制するガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材の案内方向に垂直な面内において、前記ガイド部材から前記永久磁石までの距離よりも前記ガイド部材から前記振動体までの距離のほうが短く、
前記永久磁石と前記磁性体との間の吸引力が、前記ガイド部材の軸周りに前記保持部材を回転させる力として働き、前記回転させる力により前記振動体は前記接触部材に加圧されており、
前記振動体の前記電気−機械エネルギー変換素子に交流電圧が印加されることで前記振動体と前記接触部材とが相対的に移動することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記永久磁石と前記磁性体とが非接触であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記磁性体には摺動部材が形成され、前記永久磁石と前記磁性体とは前記摺動部材を介して接触しており、
前記振動体と前記接触部材との摩擦力よりも、前記摺動部材と前記永久磁石との摩擦力のほうが小さいことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記永久磁石と前記磁性体とは接触しており、
前記保持部材には回転軸が設けられ、前記永久磁石が前記回転軸を中心として回転可能に構成され、前記振動体と前記接触部材とが相対的に移動する際、前記永久磁石が回転することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
弾性体と、前記弾性体に固定された電気−機械エネルギー変換素子と、を備えた振動体と、
前記振動体に接触する接触部材と、
永久磁石と、
前記永久磁石との間に吸引力を発生させる磁性体と、
レンズと、
前記振動体と、前記永久磁石と、前記レンズと、を保持する保持部材と、
前記保持部材の移動方向を規制するガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材の案内方向に垂直な面内において、前記ガイド部材から前記永久磁石までの距離よりも前記ガイド部材から前記振動体までの距離のほうが短く、
前記永久磁石と前記磁性体との間の吸引力が、前記ガイド部材の軸周りに前記保持部材を回転させる力として働き、前記回転させる力により前記振動体は前記接触部材に加圧されており、
前記振動体の前記電気−機械エネルギー変換素子に交流電圧が印加されることで、前記保持部材が前記レンズに入射する光の光軸方向に移動することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記永久磁石と前記磁性体とが非接触であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記磁性体には摺動部材が形成され、前記永久磁石と前記磁性体とは前記摺動部材を介して接触しており、
前記振動体と前記接触部材との摩擦力よりも、前記摺動部材と前記永久磁石との摩擦力のほうが小さいことを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記永久磁石と前記磁性体とは接触しており、
前記保持部材には回転軸が設けられ、前記永久磁石が前記回転軸を中心として回転可能に構成され、前記保持部材が移動する際、前記永久磁石が回転することを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒と、前記レンズを通過した光が入射する位置に設けられた撮像素子と、を有することを特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−124994(P2012−124994A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271697(P2010−271697)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】