駆動装置
【課題】 検出器の移動に際しても、検出器の姿勢変化を極力抑え、高精度な測定を保証できる駆動装置を提供する。
【解決手段】 フレーム21に設けられるとともに、外側に粗さ検出器の移動方向と平行に設けられた断面コ字状のガイドレール22と、ガイドレール22に沿って摺動可能に設けられかつ検出器5を保持した断面矩形枠状のスライダ24と、このスライダ24をガイドレールに付勢する付勢手段31と、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させる駆動手段41とを備える。駆動手段は、モータ42と、このモータにより駆動されるボールねじ軸47と、このボールねじ軸に螺合されスライダに連結されたナット部材48とを備える。ボールねじ軸47は、スライダ24の摺動面(スライダ24の4つの内面)の略中心近傍に配置されている。
【解決手段】 フレーム21に設けられるとともに、外側に粗さ検出器の移動方向と平行に設けられた断面コ字状のガイドレール22と、ガイドレール22に沿って摺動可能に設けられかつ検出器5を保持した断面矩形枠状のスライダ24と、このスライダ24をガイドレールに付勢する付勢手段31と、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させる駆動手段41とを備える。駆動手段は、モータ42と、このモータにより駆動されるボールねじ軸47と、このボールねじ軸に螺合されスライダに連結されたナット部材48とを備える。ボールねじ軸47は、スライダ24の摺動面(スライダ24の4つの内面)の略中心近傍に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。たとえば、被測定物の表面粗さ、うねり、形状等の表面性状を測定する検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、被測定物の表面粗さ、うねり、形状等を測定する検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置として、特許文献1に記載された駆動装置、あるいは、特許文献2に記載された表面性状測定機などが知られている。
特許文献1に記載された駆動装置は、検出器の移動方向と平行でかつ互いに直角な2つの基準面を有する断面下向きコ字状のガイドレールと、同じく断面下向きコ字状でガイドレールの外側に摺動可能に被嵌されガイドレール内において検出器を保持したスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備える構造である。駆動手段は、モータと、このモータによって回転される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合されスライダに連結された送り駒とから構成され、送りねじ軸がスライダの上方位置にガイドレールと平行に配置された構造である。
【0003】
特許文献2に記載された表面性状測定機は、ガイドと、このガイドを内包するように断面矩形枠状でガイドの外側に摺動可能に被嵌され下面に検出器を保持したスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備える構造である。駆動手段は、モータと、このモータによって回転されるボールねじと、このボールねじに螺合されスライダに連結されたナットとから構成され、ボールねじがスライダの上方位置にガイドレールと平行に配置された構造である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−133249号公報
【特許文献2】特開2002−71346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載の駆動装置および特許文献2に記載の表面性状測定機のいずれも、スライダを移動させるための送りねじ軸やボールねじが、ガイドレール(あるいはガイド)によって摺動可能に支持されたスライダの上方位置に配置されているため、つまり、送りねじ軸やボールねじが、スライダの重心から片寄った位置に配置されているため、スライダにモーメント力が働き、スライダがガイドレール(あるいはガイド)に対して姿勢変化を起こしやすい。スライダが姿勢変化を起こすと、表面粗さ、うねり、形状等を測定する際に測定誤差となって現れる結果、高精度な測定が望めないという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、検出器の移動に際しても、検出器の姿勢変化を極力抑え、高精度な測定を保証できる駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駆動装置は、検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置であって、フレームと、このフレームに設けられるとともに、外側に前記検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有するガイドレールと、このガイドレールに沿って摺動可能に設けられかつ前記検出器を保持したスライダと、このスライダを前記ガイドレールのガイド面に向かって付勢する付勢手段と、前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備え、前記スライダは、前記2つのガイド面に対向する2つの摺動面を有し、かつ、前記ガイドレールを内包する形状に形成され、前記駆動手段は、モータと、このモータにより駆動される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され前記スライダに連結されたナット部材とを備え、前記送りねじ軸が前記ガイドレールの内側でかつ前記スライダ内に配置されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、スタイラスが、ガイドレールを内包する形状に形成されているとは、ガイドレールを長手方向と直交する方向に断面した際に、その断面輪郭を全周に渡って包囲する形状に限らず、ガイドレールの断面輪郭の大半を覆う形状を含む意味である。また、送りねじ軸とは、ボールねじ軸に限らず、通常のおねじを外周面に沿って形成したねじ軸も含む意味である。
以上の構成において、駆動手段のモータを駆動させると、送りねじ軸の回転に伴ってナット部材が送りねじ軸の軸方向へ移動される。そのため、スライダがガイドレールに沿って移動される。つまり、スライダに取り付けられた検出器が被測定物の表面に沿って移動される結果、被測定物の表面性状が検出器によって検出される。
【0009】
この発明によれば、送りねじ軸がガイドレールの内側でかつスライダ内に配置されているから、スライダに生じるモーメントを従来に比べ抑えることができる。そのため、検出器の移動に際しても、検出器の姿勢変化を極力抑えることができるから、高精度な測定を保証できる。
しかも、ガイドレールには、検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面が形成され、スライダには、2つのガイド面に対向する2つの摺動面が形成されているから、これら2つのガイド面および摺動面に対して直交する方向、たとえば、上下、左右方向など4方向の姿勢変化も極力抑えることができる。従って、検出器の姿勢を変えて測定を行う場合でも、スライダの姿勢変化を抑えつつ真直精度も保証できるから、これらの測定を高精度に行うことができる。
【0010】
本発明の駆動装置において、前記ガイドレールは、断面略コ字状に形成され、前記スライダは、前記ガイドレールを内包する断面矩形枠状に形成されているとともに、端面矩形枠の4つの内面が前記ガイドレールに摺動可能に設けられ、前記送りねじ軸は、前記ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されていることが好ましい。
この発明によれば、ガイドレールの端面矩形枠の4つの内面がガイドレールに摺動可能に設けられ、送りねじ軸が、ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されているから、スライダに生じるモーメントが打ち消される結果、検出器の姿勢変化をより確実に抑えることができる。
【0011】
本発明の駆動装置において、前記付勢手段は、一端が前記スライダに固定された板ばねと、この板ばねの他端に保持されかつ前記ガイドレールに当接される摺動子と、前記板ばねを挟んで前記摺動子とは反対側に設けられ前記摺動子が前記ガイドレールに接する方向へ付勢するとともに付勢力を調整可能な付勢力調整機構とを含んで構成され、前記スライダの2つの摺動面とはそれぞれ反対側面にそれぞれ設けられていることが好ましい。
この発明によれば、スライダに固定された板ばねが、摺動子をガイドレールに押し当てることで、スライダの2つの摺動面がガイドレールの2つのガイド面に倣うようにスライダが付勢されるから、スライダは、ガイドレールの2つのガイド面を基準に移動される。従って、2つのガイド面の真直度を高精度に仕上げておけば、スライダつまり検出器の真直精度を保証できる。
また、摺動子がガイドレールに接する方向へ付勢する付勢力を調整可能な付勢力調整機構を含んで構成されているから、付勢力を調整することにより、摺動子がガイドレールに接する圧力を任意に設定できる。なお、摺動子に、たとえば、テフロン(登録商標)等の摩擦係数の小さい素材を用いることで、板ばねと摺動子とからなる付勢手段によりスライダをガイドレールに付勢しても、摺動子のガイドレール当接面とガイドレールとの間に大きな摩擦力が生じないので、スライダをガイドレールに沿って円滑に摺動させることができる。
【0012】
本発明の駆動装置において、前記スライダとナット部材とは、前記送りねじ軸の軸直交方向の前記ナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されていることが好ましい。
この発明によれば、スライダとナット部材とが、送りねじ軸の軸直交方向のナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されているから、送りねじ軸の振れ回りによる影響がユニバーサルジョイントにより吸収され、スライダに伝達されないから、この点からも、スライダの真直精度を保証できる。
【0013】
本発明の駆動装置において、前記検出器は、検出器本体と、この検出器本体に揺動可能に支持されかつ先端に触針を略直角に突設させたスタイラスと、このスタイラスの揺動を検出する検出部とを含んで構成され、前記検出器をこの検出器の前記移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えていることが好ましい。
この発明によれば、検出器をこの検出器の移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えているから、触針の向きを被測定物の測定部位に応じて変更することができる。たとえば、触針の向きを、下向き、横向き、斜め下向きなどに変更することができる。そのため、孔の内周面の任意の位置での粗さ測定、垂直端面の粗さ測定、垂直面間の寸法測定なども可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図を参照しながら詳細に説明する。
<図1(全体構成)の説明>
図1は、本発明の一実施形態を示す表面粗さ測定機の斜視図である。この表面粗さ測定機は、ベース1と、このベース1上に立設された支柱2と、この支柱2に上下方向へ昇降可能に設けられたX軸駆動装置3と、このX軸駆動装置3によって支柱2に対して直交する方向(X軸方向)へ移動される検出器回転機構としての検出器回転ユニット4と、この検出器回転ユニット4によってX軸を中心として回転される粗さ検出器5とから構成されている。
【0015】
<図2(検出器回転ユニット)の説明>
図2は、検出器回転ユニット4を示す概略図である。検出器回転ユニット4は、X軸駆動装置3によってX軸方向へ移動される筐体10と、この筐体10内に固定されたモータ11と、筐体10内に軸受12を介してモータ11の出力軸11Aと同軸上で回転可能に支持され先端に粗さ検出器5を保持した回転軸14と、この回転軸14とモータ11の出力軸11Aとを連結する軸継手15と、回転軸14(粗さ検出器5)の回転角位置を検出する角度検出センサ16とから構成されている。
角度検出センサ16は、回転軸14に固定された外周縁に沿って一定ピッチで透孔を有する回転円盤17と、この回転円盤17を挟んで対向配置された発光素子および受光素子からなる検出ヘッド18とから構成されている。
なお、粗さ検出器5は、検出器本体5Aと、この検出器本体5Aに揺動可能に支持されかつ先端に触針5Bを略直角に突設させたスタイラス5Cと、このスタイラス5Cの揺動を検出する検出部5Dとから構成されている。
【0016】
<図3,図4,図5(X軸駆動装置)の説明>
図3は、X軸駆動装置3を示す斜視図である。X軸駆動装置3は、支柱2に沿って昇降可能に設けられた筐体20(図2参照)と、この筐体20内に固定されたフレーム21と、このフレーム21に両端が支持されたガイドレール22と、このガイドレール22に沿って摺動可能に設けられかつ検出器回転ユニット4を保持したスライダ24と、このスライダ24の摺動面がガイドレール22のガイド面に接する方向へスライダ24を付勢する付勢手段31と、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させる駆動手段41とから構成されている。
【0017】
ガイドレール22は、粗さ検出器5の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有する断面コ字状に形成されている。具体的には、図4に示すように、上壁22Aと、この上壁22Aの一端から下方へ向かって直角に一体形成された側壁22Bと、この側壁22Bの下端から水平方向へ向かってかつ上壁22Aと平行に一体形成された下壁22Dとを有する断面コ字状に形成され、上壁22Aの外側面に第1のガイド面23Aが、側壁22Bの外側面に第2のガイド面23Bがそれぞれ形成されている。これら第1のガイド面23Aおよび第2のガイド面23Bは、真直度が高精度に保証されている。
【0018】
スライダ24は、ガイドレール22を内包する断面矩形枠状に形成されている。具体的には、図4に示すように、上壁24A、両側壁24B,24C、下壁24Dを有する断面縦長矩形枠状に形成されている。上壁24Aの内面および側壁24Bの内面には、ガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bに対向する2つの摺動面、つまり、第1の摺動面25Aと第2の摺動面25Bとがそれぞれ形成されている。
スライダ24の上壁24A、両側壁24B,24C、下壁24Dの内面とガイドレール22の上壁22A,側壁22B,下壁22Dの外面との間には、摺動子26A,26B,26C,26Dがそれぞれ介在されている。ここでは、スライダ24の上壁24Aの内面とガイドレール22の上壁22Aの外面との間には、幅方向中央に摺動子26Aが設けられている。スライダ24の下壁24Dの内面とガイドレール22の下壁22Dの外面との間には、幅方向中央に摺動子26Dが設けられている。スライダ24の側壁24Bの内面とガイドレール22の側壁22Bの外面との間には、上下位置に摺動子26B,26Bが設けられている。スライダ24の側壁24Cの内面とガイドレール22の上壁22A端面および下壁22D端面との間には、それぞれ摺動子26C,26Cが設けられている。
【0019】
付勢手段31は、スライダ24の2つの摺動面26A,26Bとはそれぞれ反対側面、つまり、下壁24Dおよび側壁24Cにそれぞれ設けられている。各付勢手段31は、図5に示すように、一端がスライダ24に固定される板ばね32と、この板ばね32の他端に揺動機構33を介して設けられた前記摺動子26C,26Dと、板ばね32を挟んで前記摺動子26C,26Dとは反対側に設けられ摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する方向へ板ばね32を付勢するとともに、その付勢力を調整可能な付勢力調整機構36とを含んで構成されている。
揺動機構33は、板ばね32と摺動子26C,26Dとの間に配置され、互いに対向する内面中心に円錐溝を形成した2枚のプレート34A,34Bと、この2枚のプレート34A,34Bの円錐溝内に収納配置された鋼球35とから構成されている。
付勢力調整機構36は、スライダ24に固定された取付部材37と、この取付部材37に螺合された調整ねじ38と、この調整ねじ38の内部に収納されたばね39とから構成されている。
【0020】
駆動手段41は、フレーム21にガイドレール22と平行に固定されたモータ42と、フレーム21にガイドレール22と平行に固定されモータ42の回転が回転伝達機構43を介して伝達される送りねじ軸としてのボールねじ軸47と、このボールねじ軸47に螺合されるとともにユニバーサルジョイント51を介してスライダ24に連結されたナット部材48とを備える。
回転伝達機構43は、モータ42の出力軸42Aに取り付けられたプーリ44と、ボールねじ軸47の一端に固定されたプーリ45と、この両プーリ44,45間に掛け回されたベルト46とからなるベルト伝達機構により構成されている。なお、回転伝達機構43としては、ベルト伝達機構に限らす、歯車伝達機構、チェーン伝達機構などでもよい。
ボールねじ軸47は、ガイドレール22とスライダ24との4つの摺動面(スライダ24の上壁24Aの内面、下壁24Dの内面、両側壁24B,24Cの内面)の略中心近傍に配置されている。具体的には、ガイドレール22のコ字状内部空間の略中心にボールねじ軸47が配置されている。
【0021】
ユニバーサルジョイント51は、ボールねじ軸47の軸直交方向のナット部材48の微小変位を許容するもので、ジョイント本体と2つのリニアブッシュを備えている。
リニアブッシュは、スピンドル軸とこのスピンドル軸に沿って滑らかに摺動可能な摺動体を備えている。
まず、ナット部材48には第1のスピンドル軸がボールねじ軸47に直交する水平方向に固定されており、この第1のスピンドル軸を摺動する第1の摺動体がジョイント本体に固定されている。この構造により、ジョイント本体は、ナット部材48に対して水平方向にのみ移動自在とされている。
ジョイント本体には、ボールねじ軸47に直交する垂直下方向に第2のスピンドル軸が固定されており、この第2のスピンドル軸を摺動する第2の摺動体がスライダ24に固定されている。この構造により、ジョイント本体は、スライダ24に対して垂直方向にのみ移動自在とされている。
このような構造によって、ナット部材48はスライダ24に対して、ボールねじ軸47に直交する上下方向と水平方向にのみ、移動の自由度を持つことになる。つまり、ナット部材48は、ボールねじ軸47の回りに回転することなく、ボールねじ軸47の軸直交方向にのみ自由に変位可能となる。従って、ボールねじ軸47の軸方向真直度に起因するナット部材48の振れ回りを許容しつつ、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させることができため、スライダ24の高精度な真直移動が可能である。
なお、摺動体はスピンドル軸の軸方向に対して、ボールねじ軸47の軸直交面(YZ平面)以外で傾斜可能であっってもよい。このような構造であれば、ナット部材48の振れ回りに伴うナット部材48のXY平面内あるいはXZ平面内における姿勢変化を吸収できるので、スライダ24の更に高精度な真直移動が可能となる。
【0022】
<図6(制御装置)の説明>
図6は、制御装置のブロック図である。制御装置61には、X軸駆動装置3を昇降させるZ軸駆動装置6、X軸駆動装置3、検出器回転ユニット4、粗さ検出器5、入力装置7、表示装置8、記憶装置9がそれぞれ接続されている。
入力装置7からは、測定項目の選択、測定開始指令などのほか、各種指令情報が入力される。
表示装置8には、測定項目や測定結果などが表示される。
記憶装置9には、測定項目に従って動作指令プログラムや、測定結果が記憶されるようになっている。
【0023】
次に、本実施形態の作用を説明する。
被測定物の表面性状を測定する際には、まず、ベース1上にテーブルなどを使って被測定物を載置し、粗さ検出器5の触針5Bを被測定物の表面に当接させたのち、粗さ検出器5を被測定物表面に沿って移動させる。
具体的には、X軸駆動装置3のモータ42を回転させる。すると、モータ42の回転力が回転伝達機構43を介してボールねじ軸47に伝達される。ボールねじ軸47が回転されると、このボールねじ軸47に螺合されたナット部材48が進退し、ナット部材48に固定されたスライダ24および粗さ検出器5がガイドレール22に沿って進退(移動)される。粗さ検出器5が被測定物表面に沿って移動させれると、触針5B(スタイラス5C)の上下方向の変位から被測定物の表面粗さ等を検出される。
【0024】
ここで、スタイラス5Cの触針5Bの向きを変えたい場合には、入力装置7から触針5Bの向きを指令する。すると、検出器回転ユニット4のモータ11が回転される。モータが回転すると、回転軸14も回転される結果、粗さ検出器5が回転される。粗さ検出器5の回転角は角度検出センサ16によって検出され、その角度情報が制御装置61に与えられる。制御装置61は、角度検出センサ16からの角度情報が予め入力された角度に一致した際、モータ11の駆動を停止させる。これにより、スタイラス5Cの触針5Bの向きが指定した向きに設定される。
【0025】
<図7,図8(測定例)の説明>
スタイラス5Cの触針5Bの向きを被測定物の測定部位に応じて変えれば、下向き測定だけでなく、次のような測定も実現できる。
図7は、被測定物100の孔101の内面の表面粗さを測定する例を示している。触針5Bを下向きにした姿勢において、孔101の内面のうち下側面を測定し、触針5Bを横向きにした姿勢にすれば、孔101の内面のうち側面を測定することができ、更に、触針5Bを上向きにした姿勢にすれば、孔101の内面のうち上側面を測定することができる。
図8は、クランクシャフト102の2つのフランジ103,104間の幅寸法Wを測定する例である。まず、触針5Bを横向きにした姿勢で片方のフランジ103の外面を測定したのち、触針5Bを前とは逆の横向きにした姿勢に回転させて、他方のフランジ104の外面を測定すれば、2つのフランジ103,104間の幅寸法Wを測定することができる。
【0026】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)粗さ検出器5をスタイラス5Cの軸を中心に回転させる検出器回転ユニット4を備えているから、触針5Bの向きを被測定物の測定部位に応じて変更することができる。たとえば、触針5Bの向きを、下向き、横向き、上向き、斜め上または下向きなどに変更することができる。そのため、孔の内周面の任意の位置での粗さ測定など測定範囲の拡大が期待できる。
【0027】
(2)粗さ検出器5を保持したスライダ24を駆動させるボールねじ軸47が、ガイドレール22の内側でかつスライダ24内に配置されているから、スライダ24に生じるモーメントを従来に比べ抑えることができる。そのため、粗さ検出器5の移動に際しても、粗さ検出器5の姿勢変化を極力抑えることができるから、高精度な測定を保証できる。
具体的には、ガイドレール22は断面略コ字状に形成され、スライダ24は断面矩形枠状に形成され、ボールねじ軸47は、ガイドレール22とスライダ24との4つの摺動面の略中心近傍に配置されているから、つまり、摩擦力中心に配置されているから、スライダ24に生じるモーメントが打ち消される結果、粗さ検出器5の姿勢変化をより確実に抑えることができる。
【0028】
(3)ガイドレール22には、粗さ検出器5の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面23A,23Bが形成され、スライダ24には、2つのガイド面23A,23Bに対向する2つの摺動面25A,25Bが形成されているから、これら2つのガイド面23A,23Bおよび摺動面25A,25Bに対して直交する方向、たとえば、上下、左右方向など4方向の姿勢変化も極力抑えることができる。従って、粗さ検出器5の姿勢を変えて測定を行う場合でも、スライダ24の姿勢変化を抑えつつ真直精度も保証できるから、これらの測定を高精度に行うことができる。
【0029】
(4)付勢手段31は、スライダ24の2つの摺動面25A,25Bとはそれぞれ反対側面に設けられているから、スライダ24の2つの摺動面25A,25Bがガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bに倣うようにスライダ24が付勢されるから、スライダ24は、ガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bを基準に移動される。従って、2つのガイド面23A,23Bの真直度を高精度に仕上げておけば、スライダ24つまり粗さ検出器5の真直精度を保証できる。
【0030】
(5)付勢手段31は、一端がスライダ24に固定された板ばね32と、この板ばね32の他端に保持され摺動子26C,26Dと、板はね32を挟んで摺動子26C,26Dとは反対側に設けられ摺動子26C,26Dがガイドレール22に付勢される付勢力を調整可能な付勢力調整機構36とを含んで構成されているから、付勢力調整機構36の付勢力を調整することにより、摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する圧力を任意に設定できる。従って、摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する圧力を適切に設定することにより、スライダ24をガイドレール22に沿って円滑に摺動させることができる。
【0031】
(6)スライダ24とナット部材48とが、ボールねじ軸47の軸直交方向のナット部材48の微小変位を許容するユニバーサルジョイント51を介して連結されているから、ボールねじ軸47の振れ回りによる影響がユニバーサルジョイント51により吸収され、スライダ24に伝達されないから、この点からも、スライダ24の真直精度を保証できる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれる。
たとえば、前記実施形態では、ガイドレール22は断面略コ字状に形成され、スライダ24はガイドレール22を内包する断面矩形枠状に形成されていたが、これに限らず、次に示す形状でもよい。
<図9(ガイドレール・スライダ形状)の説明>
図9は、ガイドレール22を断面L字形状とし、スライダ24を断面下向きコ字状とした形状である。
このような形状であっても、前記実施形態と同様な効果が期待できる。
【0033】
また、検出器回転ユニット4の構成については、図2で説明した構成に限らず、次に示す構成でもよい。
<図10,図11(検出器回転ユニットの変形)の説明>
図10に示す検出器回転ユニット4は、図2に示す検出器回転ユニット4に対して、モータ11からの回転を2つの伝達ギア13A,13Bを介して回転軸14に伝達している点が異なるのみである。
図11に示す検出器回転ユニット4は、図10に示す検出器回転ユニット4において、モータ11に代わって手動つまみ19が設けられた点が異なるのみである。
【0034】
前記実施形態のX軸駆動装置3において、ボールねじ軸47は、モータ42の軸と並列に設けられているが、これに限定されるものではなく、ボールねじ軸47とモータ42の軸とを直列に配置してもよい。また、駆動手段41に減速機等を設けることで、粗さ検出器5の移動速度を調整してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定機や、被測定物のうねりや形状等を測定する形状測定機において、これらの検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る表面粗さ測定機を示す斜視図。
【図2】同上実施形態の検出器回転ユニットを示す概略図。
【図3】同上実施形態のX軸駆動装置を示す斜視図。
【図4】同上実施形態のX軸駆動装置の縦断面図。
【図5】同上実施形態のX軸駆動装置に用いる付勢手段を示す図。
【図6】同上実施形態の制御装置を示すブロック図。
【図7】同上実施形態において孔の内面を測定する例を示す図。
【図8】同上実施形態においてクランクシャフトの2つのフランジ間の幅寸法を測定する例を示す図。
【図9】ガイドレールおよびスライダの変形例を示す断面図。
【図10】検出器回転ユニットの変形例を示す概略図。
【図11】検出器回転ユニットの他の変形例を示す概略図。
【符号の説明】
【0037】
3…X軸駆動装置
4…検出器回転ユニット(検出器回転機構)
5…粗さ検出器(検出器)
5A…検出器本体
5B…触針
5C…スタイラス
5D…検出部
21…フレーム
22…ガイドレール
23A,23B…ガイド面
24…スライダ
25A,25B…摺動面
26A〜26D…摺動子
31…付勢手段
32…板ばね
36…付勢力調整機構
41…駆動手段
42…モータ
47…ボールねじ軸(送りねじ軸)
48…ナット部材
51…ユニバーサルジョイント
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。たとえば、被測定物の表面粗さ、うねり、形状等の表面性状を測定する検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、被測定物の表面粗さ、うねり、形状等を測定する検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置として、特許文献1に記載された駆動装置、あるいは、特許文献2に記載された表面性状測定機などが知られている。
特許文献1に記載された駆動装置は、検出器の移動方向と平行でかつ互いに直角な2つの基準面を有する断面下向きコ字状のガイドレールと、同じく断面下向きコ字状でガイドレールの外側に摺動可能に被嵌されガイドレール内において検出器を保持したスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備える構造である。駆動手段は、モータと、このモータによって回転される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合されスライダに連結された送り駒とから構成され、送りねじ軸がスライダの上方位置にガイドレールと平行に配置された構造である。
【0003】
特許文献2に記載された表面性状測定機は、ガイドと、このガイドを内包するように断面矩形枠状でガイドの外側に摺動可能に被嵌され下面に検出器を保持したスライダと、このスライダをガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備える構造である。駆動手段は、モータと、このモータによって回転されるボールねじと、このボールねじに螺合されスライダに連結されたナットとから構成され、ボールねじがスライダの上方位置にガイドレールと平行に配置された構造である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−133249号公報
【特許文献2】特開2002−71346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1に記載の駆動装置および特許文献2に記載の表面性状測定機のいずれも、スライダを移動させるための送りねじ軸やボールねじが、ガイドレール(あるいはガイド)によって摺動可能に支持されたスライダの上方位置に配置されているため、つまり、送りねじ軸やボールねじが、スライダの重心から片寄った位置に配置されているため、スライダにモーメント力が働き、スライダがガイドレール(あるいはガイド)に対して姿勢変化を起こしやすい。スライダが姿勢変化を起こすと、表面粗さ、うねり、形状等を測定する際に測定誤差となって現れる結果、高精度な測定が望めないという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、検出器の移動に際しても、検出器の姿勢変化を極力抑え、高精度な測定を保証できる駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の駆動装置は、検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置であって、フレームと、このフレームに設けられるとともに、外側に前記検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有するガイドレールと、このガイドレールに沿って摺動可能に設けられかつ前記検出器を保持したスライダと、このスライダを前記ガイドレールのガイド面に向かって付勢する付勢手段と、前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備え、前記スライダは、前記2つのガイド面に対向する2つの摺動面を有し、かつ、前記ガイドレールを内包する形状に形成され、前記駆動手段は、モータと、このモータにより駆動される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され前記スライダに連結されたナット部材とを備え、前記送りねじ軸が前記ガイドレールの内側でかつ前記スライダ内に配置されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、スタイラスが、ガイドレールを内包する形状に形成されているとは、ガイドレールを長手方向と直交する方向に断面した際に、その断面輪郭を全周に渡って包囲する形状に限らず、ガイドレールの断面輪郭の大半を覆う形状を含む意味である。また、送りねじ軸とは、ボールねじ軸に限らず、通常のおねじを外周面に沿って形成したねじ軸も含む意味である。
以上の構成において、駆動手段のモータを駆動させると、送りねじ軸の回転に伴ってナット部材が送りねじ軸の軸方向へ移動される。そのため、スライダがガイドレールに沿って移動される。つまり、スライダに取り付けられた検出器が被測定物の表面に沿って移動される結果、被測定物の表面性状が検出器によって検出される。
【0009】
この発明によれば、送りねじ軸がガイドレールの内側でかつスライダ内に配置されているから、スライダに生じるモーメントを従来に比べ抑えることができる。そのため、検出器の移動に際しても、検出器の姿勢変化を極力抑えることができるから、高精度な測定を保証できる。
しかも、ガイドレールには、検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面が形成され、スライダには、2つのガイド面に対向する2つの摺動面が形成されているから、これら2つのガイド面および摺動面に対して直交する方向、たとえば、上下、左右方向など4方向の姿勢変化も極力抑えることができる。従って、検出器の姿勢を変えて測定を行う場合でも、スライダの姿勢変化を抑えつつ真直精度も保証できるから、これらの測定を高精度に行うことができる。
【0010】
本発明の駆動装置において、前記ガイドレールは、断面略コ字状に形成され、前記スライダは、前記ガイドレールを内包する断面矩形枠状に形成されているとともに、端面矩形枠の4つの内面が前記ガイドレールに摺動可能に設けられ、前記送りねじ軸は、前記ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されていることが好ましい。
この発明によれば、ガイドレールの端面矩形枠の4つの内面がガイドレールに摺動可能に設けられ、送りねじ軸が、ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されているから、スライダに生じるモーメントが打ち消される結果、検出器の姿勢変化をより確実に抑えることができる。
【0011】
本発明の駆動装置において、前記付勢手段は、一端が前記スライダに固定された板ばねと、この板ばねの他端に保持されかつ前記ガイドレールに当接される摺動子と、前記板ばねを挟んで前記摺動子とは反対側に設けられ前記摺動子が前記ガイドレールに接する方向へ付勢するとともに付勢力を調整可能な付勢力調整機構とを含んで構成され、前記スライダの2つの摺動面とはそれぞれ反対側面にそれぞれ設けられていることが好ましい。
この発明によれば、スライダに固定された板ばねが、摺動子をガイドレールに押し当てることで、スライダの2つの摺動面がガイドレールの2つのガイド面に倣うようにスライダが付勢されるから、スライダは、ガイドレールの2つのガイド面を基準に移動される。従って、2つのガイド面の真直度を高精度に仕上げておけば、スライダつまり検出器の真直精度を保証できる。
また、摺動子がガイドレールに接する方向へ付勢する付勢力を調整可能な付勢力調整機構を含んで構成されているから、付勢力を調整することにより、摺動子がガイドレールに接する圧力を任意に設定できる。なお、摺動子に、たとえば、テフロン(登録商標)等の摩擦係数の小さい素材を用いることで、板ばねと摺動子とからなる付勢手段によりスライダをガイドレールに付勢しても、摺動子のガイドレール当接面とガイドレールとの間に大きな摩擦力が生じないので、スライダをガイドレールに沿って円滑に摺動させることができる。
【0012】
本発明の駆動装置において、前記スライダとナット部材とは、前記送りねじ軸の軸直交方向の前記ナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されていることが好ましい。
この発明によれば、スライダとナット部材とが、送りねじ軸の軸直交方向のナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されているから、送りねじ軸の振れ回りによる影響がユニバーサルジョイントにより吸収され、スライダに伝達されないから、この点からも、スライダの真直精度を保証できる。
【0013】
本発明の駆動装置において、前記検出器は、検出器本体と、この検出器本体に揺動可能に支持されかつ先端に触針を略直角に突設させたスタイラスと、このスタイラスの揺動を検出する検出部とを含んで構成され、前記検出器をこの検出器の前記移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えていることが好ましい。
この発明によれば、検出器をこの検出器の移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えているから、触針の向きを被測定物の測定部位に応じて変更することができる。たとえば、触針の向きを、下向き、横向き、斜め下向きなどに変更することができる。そのため、孔の内周面の任意の位置での粗さ測定、垂直端面の粗さ測定、垂直面間の寸法測定なども可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図を参照しながら詳細に説明する。
<図1(全体構成)の説明>
図1は、本発明の一実施形態を示す表面粗さ測定機の斜視図である。この表面粗さ測定機は、ベース1と、このベース1上に立設された支柱2と、この支柱2に上下方向へ昇降可能に設けられたX軸駆動装置3と、このX軸駆動装置3によって支柱2に対して直交する方向(X軸方向)へ移動される検出器回転機構としての検出器回転ユニット4と、この検出器回転ユニット4によってX軸を中心として回転される粗さ検出器5とから構成されている。
【0015】
<図2(検出器回転ユニット)の説明>
図2は、検出器回転ユニット4を示す概略図である。検出器回転ユニット4は、X軸駆動装置3によってX軸方向へ移動される筐体10と、この筐体10内に固定されたモータ11と、筐体10内に軸受12を介してモータ11の出力軸11Aと同軸上で回転可能に支持され先端に粗さ検出器5を保持した回転軸14と、この回転軸14とモータ11の出力軸11Aとを連結する軸継手15と、回転軸14(粗さ検出器5)の回転角位置を検出する角度検出センサ16とから構成されている。
角度検出センサ16は、回転軸14に固定された外周縁に沿って一定ピッチで透孔を有する回転円盤17と、この回転円盤17を挟んで対向配置された発光素子および受光素子からなる検出ヘッド18とから構成されている。
なお、粗さ検出器5は、検出器本体5Aと、この検出器本体5Aに揺動可能に支持されかつ先端に触針5Bを略直角に突設させたスタイラス5Cと、このスタイラス5Cの揺動を検出する検出部5Dとから構成されている。
【0016】
<図3,図4,図5(X軸駆動装置)の説明>
図3は、X軸駆動装置3を示す斜視図である。X軸駆動装置3は、支柱2に沿って昇降可能に設けられた筐体20(図2参照)と、この筐体20内に固定されたフレーム21と、このフレーム21に両端が支持されたガイドレール22と、このガイドレール22に沿って摺動可能に設けられかつ検出器回転ユニット4を保持したスライダ24と、このスライダ24の摺動面がガイドレール22のガイド面に接する方向へスライダ24を付勢する付勢手段31と、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させる駆動手段41とから構成されている。
【0017】
ガイドレール22は、粗さ検出器5の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有する断面コ字状に形成されている。具体的には、図4に示すように、上壁22Aと、この上壁22Aの一端から下方へ向かって直角に一体形成された側壁22Bと、この側壁22Bの下端から水平方向へ向かってかつ上壁22Aと平行に一体形成された下壁22Dとを有する断面コ字状に形成され、上壁22Aの外側面に第1のガイド面23Aが、側壁22Bの外側面に第2のガイド面23Bがそれぞれ形成されている。これら第1のガイド面23Aおよび第2のガイド面23Bは、真直度が高精度に保証されている。
【0018】
スライダ24は、ガイドレール22を内包する断面矩形枠状に形成されている。具体的には、図4に示すように、上壁24A、両側壁24B,24C、下壁24Dを有する断面縦長矩形枠状に形成されている。上壁24Aの内面および側壁24Bの内面には、ガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bに対向する2つの摺動面、つまり、第1の摺動面25Aと第2の摺動面25Bとがそれぞれ形成されている。
スライダ24の上壁24A、両側壁24B,24C、下壁24Dの内面とガイドレール22の上壁22A,側壁22B,下壁22Dの外面との間には、摺動子26A,26B,26C,26Dがそれぞれ介在されている。ここでは、スライダ24の上壁24Aの内面とガイドレール22の上壁22Aの外面との間には、幅方向中央に摺動子26Aが設けられている。スライダ24の下壁24Dの内面とガイドレール22の下壁22Dの外面との間には、幅方向中央に摺動子26Dが設けられている。スライダ24の側壁24Bの内面とガイドレール22の側壁22Bの外面との間には、上下位置に摺動子26B,26Bが設けられている。スライダ24の側壁24Cの内面とガイドレール22の上壁22A端面および下壁22D端面との間には、それぞれ摺動子26C,26Cが設けられている。
【0019】
付勢手段31は、スライダ24の2つの摺動面26A,26Bとはそれぞれ反対側面、つまり、下壁24Dおよび側壁24Cにそれぞれ設けられている。各付勢手段31は、図5に示すように、一端がスライダ24に固定される板ばね32と、この板ばね32の他端に揺動機構33を介して設けられた前記摺動子26C,26Dと、板ばね32を挟んで前記摺動子26C,26Dとは反対側に設けられ摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する方向へ板ばね32を付勢するとともに、その付勢力を調整可能な付勢力調整機構36とを含んで構成されている。
揺動機構33は、板ばね32と摺動子26C,26Dとの間に配置され、互いに対向する内面中心に円錐溝を形成した2枚のプレート34A,34Bと、この2枚のプレート34A,34Bの円錐溝内に収納配置された鋼球35とから構成されている。
付勢力調整機構36は、スライダ24に固定された取付部材37と、この取付部材37に螺合された調整ねじ38と、この調整ねじ38の内部に収納されたばね39とから構成されている。
【0020】
駆動手段41は、フレーム21にガイドレール22と平行に固定されたモータ42と、フレーム21にガイドレール22と平行に固定されモータ42の回転が回転伝達機構43を介して伝達される送りねじ軸としてのボールねじ軸47と、このボールねじ軸47に螺合されるとともにユニバーサルジョイント51を介してスライダ24に連結されたナット部材48とを備える。
回転伝達機構43は、モータ42の出力軸42Aに取り付けられたプーリ44と、ボールねじ軸47の一端に固定されたプーリ45と、この両プーリ44,45間に掛け回されたベルト46とからなるベルト伝達機構により構成されている。なお、回転伝達機構43としては、ベルト伝達機構に限らす、歯車伝達機構、チェーン伝達機構などでもよい。
ボールねじ軸47は、ガイドレール22とスライダ24との4つの摺動面(スライダ24の上壁24Aの内面、下壁24Dの内面、両側壁24B,24Cの内面)の略中心近傍に配置されている。具体的には、ガイドレール22のコ字状内部空間の略中心にボールねじ軸47が配置されている。
【0021】
ユニバーサルジョイント51は、ボールねじ軸47の軸直交方向のナット部材48の微小変位を許容するもので、ジョイント本体と2つのリニアブッシュを備えている。
リニアブッシュは、スピンドル軸とこのスピンドル軸に沿って滑らかに摺動可能な摺動体を備えている。
まず、ナット部材48には第1のスピンドル軸がボールねじ軸47に直交する水平方向に固定されており、この第1のスピンドル軸を摺動する第1の摺動体がジョイント本体に固定されている。この構造により、ジョイント本体は、ナット部材48に対して水平方向にのみ移動自在とされている。
ジョイント本体には、ボールねじ軸47に直交する垂直下方向に第2のスピンドル軸が固定されており、この第2のスピンドル軸を摺動する第2の摺動体がスライダ24に固定されている。この構造により、ジョイント本体は、スライダ24に対して垂直方向にのみ移動自在とされている。
このような構造によって、ナット部材48はスライダ24に対して、ボールねじ軸47に直交する上下方向と水平方向にのみ、移動の自由度を持つことになる。つまり、ナット部材48は、ボールねじ軸47の回りに回転することなく、ボールねじ軸47の軸直交方向にのみ自由に変位可能となる。従って、ボールねじ軸47の軸方向真直度に起因するナット部材48の振れ回りを許容しつつ、スライダ24をガイドレール22に沿って移動させることができため、スライダ24の高精度な真直移動が可能である。
なお、摺動体はスピンドル軸の軸方向に対して、ボールねじ軸47の軸直交面(YZ平面)以外で傾斜可能であっってもよい。このような構造であれば、ナット部材48の振れ回りに伴うナット部材48のXY平面内あるいはXZ平面内における姿勢変化を吸収できるので、スライダ24の更に高精度な真直移動が可能となる。
【0022】
<図6(制御装置)の説明>
図6は、制御装置のブロック図である。制御装置61には、X軸駆動装置3を昇降させるZ軸駆動装置6、X軸駆動装置3、検出器回転ユニット4、粗さ検出器5、入力装置7、表示装置8、記憶装置9がそれぞれ接続されている。
入力装置7からは、測定項目の選択、測定開始指令などのほか、各種指令情報が入力される。
表示装置8には、測定項目や測定結果などが表示される。
記憶装置9には、測定項目に従って動作指令プログラムや、測定結果が記憶されるようになっている。
【0023】
次に、本実施形態の作用を説明する。
被測定物の表面性状を測定する際には、まず、ベース1上にテーブルなどを使って被測定物を載置し、粗さ検出器5の触針5Bを被測定物の表面に当接させたのち、粗さ検出器5を被測定物表面に沿って移動させる。
具体的には、X軸駆動装置3のモータ42を回転させる。すると、モータ42の回転力が回転伝達機構43を介してボールねじ軸47に伝達される。ボールねじ軸47が回転されると、このボールねじ軸47に螺合されたナット部材48が進退し、ナット部材48に固定されたスライダ24および粗さ検出器5がガイドレール22に沿って進退(移動)される。粗さ検出器5が被測定物表面に沿って移動させれると、触針5B(スタイラス5C)の上下方向の変位から被測定物の表面粗さ等を検出される。
【0024】
ここで、スタイラス5Cの触針5Bの向きを変えたい場合には、入力装置7から触針5Bの向きを指令する。すると、検出器回転ユニット4のモータ11が回転される。モータが回転すると、回転軸14も回転される結果、粗さ検出器5が回転される。粗さ検出器5の回転角は角度検出センサ16によって検出され、その角度情報が制御装置61に与えられる。制御装置61は、角度検出センサ16からの角度情報が予め入力された角度に一致した際、モータ11の駆動を停止させる。これにより、スタイラス5Cの触針5Bの向きが指定した向きに設定される。
【0025】
<図7,図8(測定例)の説明>
スタイラス5Cの触針5Bの向きを被測定物の測定部位に応じて変えれば、下向き測定だけでなく、次のような測定も実現できる。
図7は、被測定物100の孔101の内面の表面粗さを測定する例を示している。触針5Bを下向きにした姿勢において、孔101の内面のうち下側面を測定し、触針5Bを横向きにした姿勢にすれば、孔101の内面のうち側面を測定することができ、更に、触針5Bを上向きにした姿勢にすれば、孔101の内面のうち上側面を測定することができる。
図8は、クランクシャフト102の2つのフランジ103,104間の幅寸法Wを測定する例である。まず、触針5Bを横向きにした姿勢で片方のフランジ103の外面を測定したのち、触針5Bを前とは逆の横向きにした姿勢に回転させて、他方のフランジ104の外面を測定すれば、2つのフランジ103,104間の幅寸法Wを測定することができる。
【0026】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)粗さ検出器5をスタイラス5Cの軸を中心に回転させる検出器回転ユニット4を備えているから、触針5Bの向きを被測定物の測定部位に応じて変更することができる。たとえば、触針5Bの向きを、下向き、横向き、上向き、斜め上または下向きなどに変更することができる。そのため、孔の内周面の任意の位置での粗さ測定など測定範囲の拡大が期待できる。
【0027】
(2)粗さ検出器5を保持したスライダ24を駆動させるボールねじ軸47が、ガイドレール22の内側でかつスライダ24内に配置されているから、スライダ24に生じるモーメントを従来に比べ抑えることができる。そのため、粗さ検出器5の移動に際しても、粗さ検出器5の姿勢変化を極力抑えることができるから、高精度な測定を保証できる。
具体的には、ガイドレール22は断面略コ字状に形成され、スライダ24は断面矩形枠状に形成され、ボールねじ軸47は、ガイドレール22とスライダ24との4つの摺動面の略中心近傍に配置されているから、つまり、摩擦力中心に配置されているから、スライダ24に生じるモーメントが打ち消される結果、粗さ検出器5の姿勢変化をより確実に抑えることができる。
【0028】
(3)ガイドレール22には、粗さ検出器5の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面23A,23Bが形成され、スライダ24には、2つのガイド面23A,23Bに対向する2つの摺動面25A,25Bが形成されているから、これら2つのガイド面23A,23Bおよび摺動面25A,25Bに対して直交する方向、たとえば、上下、左右方向など4方向の姿勢変化も極力抑えることができる。従って、粗さ検出器5の姿勢を変えて測定を行う場合でも、スライダ24の姿勢変化を抑えつつ真直精度も保証できるから、これらの測定を高精度に行うことができる。
【0029】
(4)付勢手段31は、スライダ24の2つの摺動面25A,25Bとはそれぞれ反対側面に設けられているから、スライダ24の2つの摺動面25A,25Bがガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bに倣うようにスライダ24が付勢されるから、スライダ24は、ガイドレール22の2つのガイド面23A,23Bを基準に移動される。従って、2つのガイド面23A,23Bの真直度を高精度に仕上げておけば、スライダ24つまり粗さ検出器5の真直精度を保証できる。
【0030】
(5)付勢手段31は、一端がスライダ24に固定された板ばね32と、この板ばね32の他端に保持され摺動子26C,26Dと、板はね32を挟んで摺動子26C,26Dとは反対側に設けられ摺動子26C,26Dがガイドレール22に付勢される付勢力を調整可能な付勢力調整機構36とを含んで構成されているから、付勢力調整機構36の付勢力を調整することにより、摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する圧力を任意に設定できる。従って、摺動子26C,26Dがガイドレール22に接する圧力を適切に設定することにより、スライダ24をガイドレール22に沿って円滑に摺動させることができる。
【0031】
(6)スライダ24とナット部材48とが、ボールねじ軸47の軸直交方向のナット部材48の微小変位を許容するユニバーサルジョイント51を介して連結されているから、ボールねじ軸47の振れ回りによる影響がユニバーサルジョイント51により吸収され、スライダ24に伝達されないから、この点からも、スライダ24の真直精度を保証できる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれる。
たとえば、前記実施形態では、ガイドレール22は断面略コ字状に形成され、スライダ24はガイドレール22を内包する断面矩形枠状に形成されていたが、これに限らず、次に示す形状でもよい。
<図9(ガイドレール・スライダ形状)の説明>
図9は、ガイドレール22を断面L字形状とし、スライダ24を断面下向きコ字状とした形状である。
このような形状であっても、前記実施形態と同様な効果が期待できる。
【0033】
また、検出器回転ユニット4の構成については、図2で説明した構成に限らず、次に示す構成でもよい。
<図10,図11(検出器回転ユニットの変形)の説明>
図10に示す検出器回転ユニット4は、図2に示す検出器回転ユニット4に対して、モータ11からの回転を2つの伝達ギア13A,13Bを介して回転軸14に伝達している点が異なるのみである。
図11に示す検出器回転ユニット4は、図10に示す検出器回転ユニット4において、モータ11に代わって手動つまみ19が設けられた点が異なるのみである。
【0034】
前記実施形態のX軸駆動装置3において、ボールねじ軸47は、モータ42の軸と並列に設けられているが、これに限定されるものではなく、ボールねじ軸47とモータ42の軸とを直列に配置してもよい。また、駆動手段41に減速機等を設けることで、粗さ検出器5の移動速度を調整してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、被測定物の表面粗さを測定する表面粗さ測定機や、被測定物のうねりや形状等を測定する形状測定機において、これらの検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る表面粗さ測定機を示す斜視図。
【図2】同上実施形態の検出器回転ユニットを示す概略図。
【図3】同上実施形態のX軸駆動装置を示す斜視図。
【図4】同上実施形態のX軸駆動装置の縦断面図。
【図5】同上実施形態のX軸駆動装置に用いる付勢手段を示す図。
【図6】同上実施形態の制御装置を示すブロック図。
【図7】同上実施形態において孔の内面を測定する例を示す図。
【図8】同上実施形態においてクランクシャフトの2つのフランジ間の幅寸法を測定する例を示す図。
【図9】ガイドレールおよびスライダの変形例を示す断面図。
【図10】検出器回転ユニットの変形例を示す概略図。
【図11】検出器回転ユニットの他の変形例を示す概略図。
【符号の説明】
【0037】
3…X軸駆動装置
4…検出器回転ユニット(検出器回転機構)
5…粗さ検出器(検出器)
5A…検出器本体
5B…触針
5C…スタイラス
5D…検出部
21…フレーム
22…ガイドレール
23A,23B…ガイド面
24…スライダ
25A,25B…摺動面
26A〜26D…摺動子
31…付勢手段
32…板ばね
36…付勢力調整機構
41…駆動手段
42…モータ
47…ボールねじ軸(送りねじ軸)
48…ナット部材
51…ユニバーサルジョイント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置であって、
フレームと、
このフレームに設けられるとともに、外側に前記検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有するガイドレールと、
このガイドレールに沿って摺動可能に設けられかつ前記検出器を保持したスライダと、
このスライダを前記ガイドレールのガイド面に向かって付勢する付勢手段と、
前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備え、
前記スライダは、前記2つのガイド面に対向する2つの摺動面を有し、かつ、前記ガイドレールを内包する形状に形成され、
前記駆動手段は、モータと、このモータにより駆動される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され前記スライダに連結されたナット部材とを備え、前記送りねじ軸が前記ガイドレールの内側でかつ前記スライダ内に配置されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記ガイドレールは、断面略コ字状に形成され、
前記スライダは、前記ガイドレールを内包する断面矩形枠状に形成されているとともに、端面矩形枠の4つの内面が前記ガイドレールに摺動可能に設けられ、
前記送りねじ軸は、前記ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置において、
前記付勢手段は、一端が前記スライダに固定された板ばねと、この板ばねの他端に保持されかつ前記ガイドレールに当接される摺動子と、前記板ばねを挟んで前記摺動子とは反対側に設けられ前記摺動子が前記ガイドレールに接する方向へ付勢するとともに付勢力を調整可能な付勢力調整機構とを含んで構成され、前記スライダの2つの摺動面とはそれぞれ反対側面にそれぞれ設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の駆動装置において、
前記スライダとナット部材とは、前記送りねじ軸の軸直交方向の前記ナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の駆動装置において、
前記検出器は、検出器本体と、この検出器本体に揺動可能に支持されかつ先端に触針を略直角に突設させたスタイラスと、このスタイラスの揺動を検出する検出部とを含んで構成され、
前記検出器をこの検出器の前記移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えていることを特徴とする駆動装置。
【請求項1】
検出器を被測定物の表面に沿って移動させる駆動装置であって、
フレームと、
このフレームに設けられるとともに、外側に前記検出器の移動方向と平行でかつ互いに所定角度をなす2つのガイド面を有するガイドレールと、
このガイドレールに沿って摺動可能に設けられかつ前記検出器を保持したスライダと、
このスライダを前記ガイドレールのガイド面に向かって付勢する付勢手段と、
前記スライダを前記ガイドレールに沿って移動させる駆動手段とを備え、
前記スライダは、前記2つのガイド面に対向する2つの摺動面を有し、かつ、前記ガイドレールを内包する形状に形成され、
前記駆動手段は、モータと、このモータにより駆動される送りねじ軸と、この送りねじ軸に螺合され前記スライダに連結されたナット部材とを備え、前記送りねじ軸が前記ガイドレールの内側でかつ前記スライダ内に配置されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記ガイドレールは、断面略コ字状に形成され、
前記スライダは、前記ガイドレールを内包する断面矩形枠状に形成されているとともに、端面矩形枠の4つの内面が前記ガイドレールに摺動可能に設けられ、
前記送りねじ軸は、前記ガイドレールとスライダとの4つの摺動面の略中心近傍に配置されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置において、
前記付勢手段は、一端が前記スライダに固定された板ばねと、この板ばねの他端に保持されかつ前記ガイドレールに当接される摺動子と、前記板ばねを挟んで前記摺動子とは反対側に設けられ前記摺動子が前記ガイドレールに接する方向へ付勢するとともに付勢力を調整可能な付勢力調整機構とを含んで構成され、前記スライダの2つの摺動面とはそれぞれ反対側面にそれぞれ設けられていることを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の駆動装置において、
前記スライダとナット部材とは、前記送りねじ軸の軸直交方向の前記ナット部材の微小変位を許容するユニバーサルジョイントを介して連結されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の駆動装置において、
前記検出器は、検出器本体と、この検出器本体に揺動可能に支持されかつ先端に触針を略直角に突設させたスタイラスと、このスタイラスの揺動を検出する検出部とを含んで構成され、
前記検出器をこの検出器の前記移動方向と略平行な軸を中心に回転させる検出器回転機構を備えていることを特徴とする駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−242863(P2006−242863A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−61343(P2005−61343)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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