説明

駆動装置

【課題】部品の増加数をできるだけ少なくして低コスト化を図りながら、出力軸のがたつきを解消して異音の発生を防止するとともに、駆動用ケーブルと出力軸との噛み合い不良を防止してケーブルの動きをスムーズにする。
【解決手段】モーターの回転力が伝達される出力軸12を、ケース15に収容した状態で回転可能に支持する。出力軸12の一端側をケース15から突出させ、この一端側にピニオンギヤ13を設ける。ケーブル2、3の外周面にピニオンギヤ13に噛み合う歯を設ける。ケーブル2、3をピニオンギヤ13と噛み合うように案内する案内部材40をケース15に取り付ける。案内部材40には、ピニオンギヤ13の側面に圧接する付勢板部40aを設ける。この付勢板部40aによって出力軸12を軸方向に付勢することで、出力軸12のがたつきを解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動用ケーブルをモーターの回転力により移動させることで、該ケーブルによって駆動対象物を駆動する駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の駆動装置として、例えば、特許文献1に開示されているように、自動車のサンルーフ装置を構成するルーフパネル(駆動対象物)を駆動用ケーブルのプッシュプル動作によって駆動するように構成されたものが知られている。特許文献1の駆動装置は、モーターの回転速度を減速する歯車機構及び出力軸を収容するケースを備え、出力軸は、このケースに対し回転可能に支持されている。出力軸の一端側は、ケースから突出している。出力軸の一端側には、駆動側噛み合い部を構成するピニオンギヤが固定されている。また、ケーブルの外周面には、ピニオンギヤに噛み合う従動側噛み合い部を構成する歯が形成されている。このケーブルは、駆動装置が取り付けられるプレート部材に固定されたガイドパイプに挿入保持されている。ガイドパイプに挿入されたケーブルは、歯がピニオンギヤに噛み合うように配置される。
【0003】
上記駆動装置によれば、モーターの回転力が歯車機構を経て出力軸に伝わってピニオンギヤが回転すると、ケーブルは、ガイドパイプ内を摺動して所定軌道上を案内されながらケーブルの中心線方向に移動する。このケーブルの移動によってルーフパネルが駆動される。
【特許文献1】特開2006−168531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1の駆動装置の出力軸は、ケースに対し回転可能に支持されているものなので、出力軸やケースに生じる製造公差に起因して出力軸がケースに対しがたつくことがある。出力軸ががたつくと、モーターの起動時や反転時等に異音が発生してしまう。
【0005】
また、特許文献1では、ピニオンギヤの歯とケーブルの歯とを噛み合わせる構造としている。このような構造であるため、例えば、ケーブルがピニオンギヤから離れて両者の隙間が大きくなると、噛み合い不良を引き起こしてケーブルがスムーズに動かなくなり、ひいてはルーフパネルが設計通りに動かなくなる虞れがある。
【0006】
つまり、駆動装置においては、上記したような出力軸に生じるがたつきや、ケーブルとピニオンギヤとの噛み合いの問題を解決したいという要求があるが、コストを考慮するとそれらの対策のために増加する部品点数は極力少なくしたい。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動用ケーブルをモーターによって移動させるように構成された駆動装置において、部品の増加数をできるだけ少なくして低コスト化を図りながら、出力軸のがたつきを解消して異音の発生を防止するとともに、ケーブルの従動側噛み合い部と出力軸の駆動側噛み合い部との噛み合い不良を防止してケーブルの動きをスムーズにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、ケーブルを案内する案内部材を設け、この案内部材によって出力軸に付勢力を作用させるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、駆動対象物に連結される駆動用ケーブルと、モーターとを備え、該モーターの回転力によって上記ケーブルを該ケーブルの中心線方向に移動させるように構成された駆動装置において、上記モーターの回転力が伝達される出力軸と、上記出力軸を、該出力軸の一端側が突出した状態で収容するとともに回転可能に支持するケースと、上記出力軸の一端側に設けられた駆動側噛み合い部と、上記ケーブルに所定長さに亘って設けられた従動側噛み合い部と、上記ケーブルを、上記従動側噛み合い部が上記駆動側噛み合い部に噛み合うように案内する案内部材とを備え、上記案内部材には、上記出力軸を軸方向に付勢する付勢部が一体成形されている構成とする。
【0010】
この構成によれば、モーターの回転力が出力軸に伝達されると、駆動側噛み合い部が出力軸周りに回転する。この駆動側噛み合い部の回転力は、ケーブルの従動側噛み合い部に伝達され、該ケーブルが中心線方向に移動する。このケーブルの移動時においては、ケーブルが案内部材により案内されるので、ケーブルの従動側噛み合い部と出力軸の駆動側噛み合い部との噛み合い不良が防止される。また、出力軸は、案内部材が有する付勢部の付勢力により付勢されているので、がたつきが解消されることになる。この付勢部は案内部材に一体成形されていることから、部品の増加数は少ないものとなる。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、案内部材は、金属板の一体成形品である構成とする。
【0012】
この構成によれば、例えば、プレス加工等の一般的な製造設備を用いて、付勢部を有する案内部材を得ることが可能になる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、案内部材の付勢部は、板バネ形状とされ、ケースの外面と駆動側噛み合い部との間に配置されている構成とする。
【0014】
この構成によれば、付勢部がケースの外面と駆動側噛み合い部とに圧接することになる。これにより、出力軸のがたつきだけでなく、案内部材自体のがたつきも確実に防止される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、ケーブルを案内する案内部材に出力軸を付勢する付勢部を一体成形したので、部品の増加数を少なくして低コスト化を図りながら、ケーブルをスムーズに動かして駆動対象物を設計通りに駆動することができるとともに、出力軸のがたつきを解消して異音の発生を防止できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、案内部材を金属板の一体成形品とすることで、一般的な製造設備を用いて得ることができ、より一層低コスト化を図ることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、案内部材の付勢部を板バネ形状とし、ケースの外面と駆動側噛み合い部との間に配置したので、案内部材自体のがたつきも確実に防止することができ、ケーブルを高い精度で案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る駆動装置1の分解斜視図である。この駆動装置1は、駆動用ケーブルとしての第1及び第2ケーブル2、3と、これらケーブル2、3をその中心線方向に移動させる駆動力発生部4とを備えている。この駆動装置1は、自動車のサンルーフ装置(図示せず)のルーフパネル(駆動対象物)を駆動するためのものであり、第1及び第2ケーブル2、3の端部は、ルーフパネルの左右両縁部に設けられた左側及び右側リンク部材(図示せず)にそれぞれ取り付けられ、これらリンク部材を介して第1及び第2ケーブル2、3がルーフパネルに連結されている。第1及び第2ケーブル2、3を移動させることで、ルーフパネルが、所定の軌跡を描きながらチルト動作及びスライド動作するようになっている。
【0020】
上記駆動装置1の駆動力発生部4は、電動モーター10と、モーター10の回転速度を減速する歯車機構11(図2に示す)と、歯車機構11からの出力が伝達される出力軸12と、出力軸12に固定されたピニオンギヤ13と、歯車機構11及び出力軸12を収容するケース15とを備えている。
【0021】
上記モーター10は、回転軸16方向に長いハウジング17を備えている。回転軸16は、ハウジング17の長手方向一端部から突出している。モーター10のハウジング17は、ケース15に固定されて一体化されており、この状態で、回転軸16の先端側がケース15内に位置している。回転軸16の突出方向先端側には、歯車機構11の駆動側歯車を構成するウォーム18が設けられている。また、上記ケース15内には、モーター10の制御回路を搭載した基盤(図示せず)が配設されており、この制御回路によってモーター10の停止及び起動や正逆回転の切替が行われるようになっている。尚、制御回路は、ケース15外に配設してもよい。
【0022】
上記ケース15は、樹脂材を成形してなる箱状ケース部材23と、この箱状ケース部材23の開放部分を覆うように形成された板状ケース部材24とで構成されている。ケース15内には、歯車機構11の従動側歯車を構成するウォーム歯車25が、上記回転軸16のウォーム18に噛み合うように配置されている。ウォーム歯車25の中心部には、中心孔25aが貫通形成されている。この中心孔25aには上記出力軸12が嵌入され、これらウォーム歯車25及び出力軸12は相対回転しないように一体化されている。
【0023】
また、箱状ケース部材23には、出力軸12の一端側が挿通する貫通孔26が形成されている。また、上記ケース15内には、ウォーム歯車25の中心孔25a周りに形成された突出部を回転可能に支持するための支持部材27が配設されている。つまり、出力軸12は、貫通孔26の内周面及び支持部材27によってケース15に対し回転可能に支持されている。尚、支持部材27を配設することなく、ウォーム歯車25をケース15に直接支持するようにしてもよい。また、出力軸12の両端側をケース15に直接支持するようにしてもよい。
【0024】
上記出力軸12の一端側は、貫通孔26を介してケース15の外方へ突出している。出力軸12の一端側は、上記ピニオンギヤ13の中心部に形成された中心孔に嵌入され、これらピニオンギヤ13及び出力軸12は相対回転しないように一体化されている。このピニオンギヤ13は、本発明の駆動側噛み合い部を構成しており、側面視で歯がギヤ13の中心線に対し斜めになっている、いわゆるヘリカルギヤである。
【0025】
上記箱状ケース部材23の外面には、貫通孔26に対応する箇所に上記ピニオンギヤ13が配置されるピニオンギヤ配置用凹部30が形成されている。上記ピニオンギヤ配置用凹部30の内周面は、ピニオンギヤ13の中心線と直交する方向に延びる平坦面部30aと、平坦面部30aの両縁部から立ち上がってピニオンギヤ13の中心線方向に延びる第1及び第2縦面部30b、30cとで構成されている。上記平坦面部30aに上記貫通孔26が開口している。さらに、箱状ケース部材23の外面には、第1縦面部30bの先端縁からピニオンギヤ13と離れる方向に延びる第1先端面部23aと、第2縦面部30cの先端縁からピニオンギヤ13と離れる方向に延びる第2先端面部23bとが形成されている。
【0026】
上記第1及び第2ケーブル2、3は、周知のサンルーフ装置で通常利用される歯付ケーブルである。これらケーブル2、3の歯2a、3a(図1に示す)は、両端部を除いた長手方向中間部に所定長さに亘って連続して形成されている。歯2a、3aの形状は、ピニオンギヤ13に噛み合う形状とされている。第1及び第2ケーブル2、3の歯2a、3aが、本発明の従動側噛み合い部を構成している。
【0027】
上記第1ケーブル2の長手方向中間部は、ピニオンギヤ13と第1縦面部30bとの間に配置され、平坦面部30aに沿うように略直線状に延びている。また、第2ケーブル3の長手方向中間部は、ピニオンギヤ13と第2縦面部30cとの間に配置され、平坦面部30aに沿うように略直線状に延びている。つまり、第1及び第2ケーブル2、3の中間部は、ピニオンギヤ13を径方向に挟むように配置され、互いに略平行に延びている。
【0028】
図2に示すように、上記ピニオンギヤ配置用凹部30内には、上記第1及び第2ケーブル2、3を、その歯2a、3aがピニオンギヤ13に噛み合うように案内する案内部材40が配設されている。この案内部材40は、鋼板等の弾性を有する金属板をプレス成形してなる一体成形品であり、全体として、ピニオンギヤ配置用凹部30の内面形状に対応するコ字状断面を有するように形成されている。
【0029】
上記案内部材40は、図3にも示すように、ピニオンギヤ13の側面とケース15の平坦面部30aとの間に配置される付勢部としての付勢板部40aと、付勢板部40aの両縁部から第1縦面部30b及び第2縦面部30cに沿って延びる第1及び第2側板部40b、40cと、第1及び第2側板部40b、40cの先端縁から第1及び第2先端面部23a、23bに沿って延びる第1及び第2先端板部40d、40eとを備えている。この案内部材40には、図2にも示すように、第1縦板部40bから付勢板部40a、第2縦板部40cに亘って開口する開口部41が形成されており、この開口部41に出力軸12の一端側が挿入されるようになっている。上記第1側板部40bは、第1ケーブル2に対しピニオンギヤ13と反対側から接触し、該ケーブル2をピニオンギヤ13に噛み合うように案内する案内部である。第2側板部40cは、第1側板部40bと同様に、第2ケーブル3をピニオンギヤ13に噛み合うように案内する案内部である。
【0030】
上記第1側板部40bの両側縁部及び第2側板部40cの両側縁部には、それぞれ、ガイド片40fが突設されている。第1側板部40bの両ガイド片40fは、図3(c)に示すように、その基端部から先端側へ行くほど第1ケーブル2の外周面から離れるように形成され、これらガイド片40fによって第1ケーブル2が第1側板部40bとピニオンギヤ13との間にスムーズに案内される。第2側板部40cのガイド片40fも同様に第2ケーブル3をスムーズに案内するためのものである。
【0031】
上記第1及び第2先端板部40d、40eには、第1及び第2側板部40b、40cとの境界部分に、突条部40h、40hが設けられている。これら突条部40h、40hは、第1及び第2ケーブル2、3の延びる方向と同じ方向に延びている。
【0032】
上記付勢板部40aは、図2に示すように、ピニオンギヤ配置用凹部30内に配置した状態で、ピニオンギヤ13側へ向けて湾曲した板バネ形状となっている。この湾曲した頂部及びその近傍がピニオンギヤ13の側面に圧接し、一方、付勢板部40aにおける第1側板部40bに近い部分及び第2側板部40cに近い部分が、箱状ケース部材23の平坦面部30aに圧接するようになっている。また、上記第1及び第2側板部40b、40cの間隔は、箱状ケース部材23の第1及び第2縦面部30b、30cの間隔よりも広めに形成されている。また、第1及び第2先端板部40d、40eは、箱状ケース部材23の第1及び第2先端面部23a、23bに当接するようになっている。
【0033】
次に、上記案内部材40を組み付け要領について説明する。この案内部材40は、ピニオンギヤ13を出力軸12に組み付ける前に、ケース15に組み付けられる。案内部材40をピニオンギヤ配置用凹部30内に差し込んでいくと、第1及び第2側板部40b、40cの間隔が狭まるように弾性変形していき、これら両側板部40b、40cがケース15の第1及び第2縦面部30b、30cに圧接した状態になる。これにより、案内部材40のがたつきが防止される。案内部材40の第1及び第2先端板部40d、40eが、箱状ケース部材23の第1及び第2先端面部23a、23bに当接すると、案内部材40の挿入方向の位置決めがなされる。このとき、付勢板部40aが平坦面部30aに当接する。そして、ピニオンギヤ13を出力軸12に取り付けると、付勢板部40aがピニオンギヤ13と平坦面部30aとで挟まれた状態となる。これにより、出力軸12に対して付勢板部40aによる軸線方向の付勢力が常時作用し、出力軸12のがたつきが解消される。また、このように付勢板部40aがケース15の外面とピニオンギヤ13の側面とに圧接することで、案内部材40自体のがたつきも確実に防止される。
【0034】
次に、上記のように構成された駆動装置1の動作を説明する。モーター10に電圧が印加されて回転軸16が回転すると、ウォーム18が回転してウォーム歯車25に回転力が伝達される。ウォーム歯車25の回転により出力軸12が回転し、ピニオンギヤ13が回転する。この起動時には、付勢板部40aによって出力軸12のがたつきが解消されているので、異音の発生が防止される。また、ピニオンギヤ13とケース15の外面との間には、金属製の付勢板部40aが位置しているので、ピニオンギヤ13の回転によって該ピニオンギヤ13がケース15の外面に摺接することはなく、ケース15の摩耗が防止される。
【0035】
上記ピニオンギヤ13が回転すると、第1及び第2ケーブル2、3の歯2a、3aがピニオンギヤ13に噛み合っているので、両ケーブル2、3が同期して中心線方向に移動する。このとき、第1及び第2ケーブル2、3は、第1及び第2側板部40b、40cによってピニオンギヤ13に噛み合うように案内されるので、噛み合い不良の発生が防止され、ケーブル2、3をスムーズに動かすことが可能である。これらケーブル2、3が動く際には、金属製の案内部材40に摺接することになるので、ケース15の摩耗を防止することができる。
【0036】
以上説明したように、この実施形態に係る駆動装置1によれば、第1及び第2ケーブル2、3を案内する案内部材40に、出力軸12を付勢する付勢板部40aを一体成形したので、部品の増加数を少なくして低コスト化を図りながら、ケーブル2、3をスムーズに動かしてルーフパネルを設計通りに駆動することができるとともに、出力軸12のがたつきを解消して異音の発生を防止できる。
【0037】
また、案内部材40を金属板の一体成形品とすることで、案内部材40を一般的なプレス加工装置を用いて得ることができ、より一層低コスト化を図ることができる。
【0038】
また、案内部材40の付勢板部40aを板バネ形状としてケース15の外面とピニオンギヤ13との間に配置したので、案内部材40自体のがたつきも確実に防止することができ、第1及び第2ケーブル2、3を高い精度で案内することができる。
【0039】
また、図4及び図5に示す変形例のように、案内部材40の第1先端板部40dと第2先端板部40eとを連結して案内部材40を閉断面形状としてもよい。すなわち、この案内部材40には、第1先端板部40dから第2先端板部40eまで延びる連結板部40gが、両先端板部40d、40eを繋ぐブリッジ状に設けられており、この連結板部40gの両端部が、第1先端板部40d及び第2先端板部40eに固定されている。この連結板部40gを設けたことにより、第1側板部40bと第2側板部40cとが互いに離れるように変形し難くなり、案内部材40の剛性が全体的に向上する。その結果、第1及び第2ケーブル2、3を精度良く案内することができる。
【0040】
尚、上記実施形態では、駆動装置1のケーブル2、3を2本設けているが、これに限らず1本にしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、本発明をサンルーフ装置Aに適用した場合について説明したが、本発明は、サンルーフ装置A以外にも、駆動対象物をケーブル2、3のプッシュプル動作で駆動するものに適用することができ、駆動対象物としては、例えば、自動車のウインドガラス、スライドドア、開閉可能に構成されたルーフ等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上説明したように、本発明は、例えば、自動車のサンルーフ装置のルーフパネル等を駆動する駆動装置として適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る駆動装置の分解斜視図である。
【図2】駆動装置の断面図である。
【図3】案内部材を示し、(a)は、正面図であり、(b)は、側面図であり、(c)は、平面図である。
【図4】実施形態の変形例に係る図2相当図である。
【図5】実施形態の変形例に係る図3相当図である。
【符号の説明】
【0044】
1 駆動装置
2 第1ケーブル
3 第2ケーブル
2a、3a 歯(従動側噛み合い部)
10 モーター
12 出力軸
13 ピニオンギヤ(駆動側噛み合い部)
15 ケース
40 案内部材
40a 付勢板部(付勢部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動対象物に連結される駆動用ケーブルと、モーターとを備え、該モーターの回転力によって上記ケーブルを該ケーブルの中心線方向に移動させるように構成された駆動装置において、
上記モーターの回転力が伝達される出力軸と、
上記出力軸を、該出力軸の一端側が突出した状態で収容するとともに回転可能に支持するケースと、
上記出力軸の一端側に設けられた駆動側噛み合い部と、
上記ケーブルに所定長さに亘って設けられた従動側噛み合い部と、
上記ケーブルを、上記従動側噛み合い部が上記駆動側噛み合い部に噛み合うように案内する案内部材とを備え、
上記案内部材には、上記出力軸を軸方向に付勢する付勢部が一体成形されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
案内部材は、金属板の一体成形品であることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置において、
案内部材の付勢部は、板バネ形状とされ、ケースの外面と駆動側噛み合い部との間に配置されていることを特徴とする駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−128287(P2008−128287A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311354(P2006−311354)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000108889)ベバスト ジャパン株式会社 (36)
【Fターム(参考)】