説明

骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物及び装置

本発明は組成物、装置、及び骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための方法、及びそのような組成物又は装置を製造するための方法に関する。特定の実施形態において、本発明は、骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための装置及び/又は組成物であって、該組成物は、好ましくは動物由来であって、骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つの物質と、また少なくとも一つの骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する分化及び/又は成長因子と、少なくとも一つの充填材を備え、前記組成物は凍結乾燥した状態である組成物をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ドイツ特許出願番号第10 2007 012 276.6号(2007年3月8日にドイツ特許庁に出願)、米国仮特許出願番号第60/993,146号(2007年9月10日に米国特許商標局に出願)、及び国際出願番号PCT/EP2008/001604に関するものであり、その夫々の内容は全体において本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は組成物、装置、及びそれらの製造方法、及び骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
天然骨は無機成分、有機成分、及び水の組み合わせで構成されている。無機成分とは例えばヒドロキシアパタイトであって、天然骨の約70%を構成する。I型コラーゲン等の有機成分は、天然骨の約20%を構成し、また水は約10%を構成する。例えば骨芽細胞等の骨形成細胞は、有機成分を作製、分泌又は結合する。さらに、非コラーゲンタンパク質、特に、オステオカルシン、オステオネクチン、オステオポンチン、サイトカイン、成長促進因子、プロテオグリカン及び脂肪は天然骨に存在している。
【0003】
天然骨は、常に分解及び再生、すなわち再構成されている。骨形成、すなわち骨再生は、骨そのものから起こる。これは例えば骨折の治癒の間に観察される通りである。したがって、天然骨は新たな機能的な骨を発生させる能力を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら多数の場合において、生体の骨の再生は制限されている。これは例えば、骨の欠損範囲、又は例えば代謝障害等の様々な機能障害によって引き起こされる。骨の欠損の治療は、例えば整形外科において、顎、歯及び手の修復、事故に関連する手術、及び顔面手術等の重要な分野に依然留まっている。
【0005】
骨の欠損は、例えば嚢胞、萎縮、又は腫瘍により引き起こされる様々な原因を有する。複雑な粉砕骨折、先天性の奇形、及び移植片の緩みもまた骨の欠損を引き起こすものである。好適な材料を用いる骨の欠損の再構築に、ますます注目が集まっている。
【0006】
販売中の骨移植片代替製品は、Medtronic Sofamor Danek社(ミネアポリス、ミネソタ州)製のInfuse(登録商標)、及びStryker Corporation社(カラマズー、ミシガン州)製のOP-1(登録商標)パテを含む。これらの製品は、ウシのコラーゲン足場及びヒト組換え骨形成タンパク質(rhBMP)をバイアル内に別々に有するキットとして販売されている。
【0007】
Infuse(登録商標)は、移植前に海面体上でふやかされたrhBMP−2を用いる。OP-1(登録商標)パテは二つの要素としてもたらされる。すなわち、一つはウシのコラーゲンの乾燥粉末を1グラム含むバイアル、他方はカルボキシメチルセルロースの乾燥粉末のパテ状添加剤を含むバイアルである。両要素は移植片を産生するために生理食塩水で結合されなければならない。OP-1(登録商標)パテの添付文書によると、OP-1(登録商標)パテで治療された患者の96%が製品への免疫反応を示した。
【0008】
これらの製品の夫々を用いて、rhBMP成分は足場に適応され、これは外科的な治療の間に実行される。rhBMP溶液を足場表面に適応することは、rhBMPの不均一な分散を結果的にもたらす可能性がある。すなわち、足場の特定の領域において、rhBMPの濃度は足場の他の領域よりも高くなる。さらに、外科医は手術室で製品を組み立てる必要があるので、処置から処置への間、感染及び投薬量が一貫しないという危険が存在する。
【0009】
高い骨誘導性及び軟骨誘導性活性を有する滅菌された同種の装置及び組成物、及び骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ある実施形態において、骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、該組成物は、好ましくは動物由来であって、骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つの物質を好ましくは含む少なくとも一つのコラーゲンと、少なくとも一つの骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する分化及び/又は成長因子と、少なくとも一つの充填材を備え、前記組成物は凍結乾燥した状態である組成物がもたらされる。一般に、前記少なくとも一つの分化因子又は成長因子がタンパク質又はペプチド、好ましくは糖タンパク質又は糖ペプチド、好ましくはサイトカインであり、例えば前記分化因子又は成長因子がヒトの分化因子又は成長因子である。関連する実施形態において、前記分化因子又は成長因子が組換えにより作製される。一般に、前記分化因子又は成長因子がTGF(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子)ファミリーのメンバーの少なくとも一つを有する。例えば、前記分化因子又は成長因子がBMP(Bone Morphogenetic Proteins:骨形成タンパク質)の群のメンバーの少なくとも一つを有し、前記メンバーは好ましくはBMP−2及び/又はBMP−7である。
また、前記分化因子又は成長因子がTGFβ(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子ベータ)又はVEGF(Vascular Endothelial Growth Factor:血管内皮増殖因子)である。
【0011】
特定の実施形態における組成物は、コラーゲン、骨誘導性又は軟骨誘導性活性の量に関連する前記分化因子又は成長因子を有し、その比率は約0.005から約5重量%の比率を有し、好ましくは約0.01から約4重量%である。例えば、前記分化因子又は成長因子が、約0.05から約2重量%の比率、好ましくは約0.1から約5重量%の比率、好ましくは約0.5から約3重量%の比率を有する。組成物は、好ましくは骨伝導性特性を有する少なくとも一つの足場材料を備える。例えば、前記足場はコラーゲン、好ましくはI型コラーゲンである。また、或いはさらに、前記足場材料はセラミック、生体親和性金属及び生体親和性ポリマの群から選択される少なくとも一つである。また、或いはさらに、足場材料は生体の骨の抽出物であって、好ましくは脱灰骨基質(DBM)である。また、前記組成物は、TGFβ等の軟骨導入性質を有する成長因子である。
【0012】
特定の実施形態において、前記組成物はさらに少なくとも一つの追加的な活性物質を備え、該活性物質は好ましくは少なくとも一つの細胞増殖抑制性及び/又は少なくとも一つの抗菌性である。例えば、組成物は少なくとも一つの成分をさらに備え、前記成分は、骨形成又は軟骨形成のための少なくとも一つの動員因子、少なくとも一つの接着因子、少なくとも一つの成長因子及び少なくとも一つの成熟因子の群から選択される。
一般に、コラーゲンは哺乳類由来であって、好ましくはヒト、ウシ、ブタ又はウマ由来である。通常、組成物は孔をさらに備え、この孔は好ましくは相互接続する孔、好ましくは約100μmから約300μmの範囲の直径を有する孔であって、前記組成物は海面体様密度を有する。孔は凍結乾燥過程、温度勾配を越えた氷晶のトンネリング、或いは造粒過程から生じることができる。一般に、前記組成物が少なくとも部分的に生体吸水性であって、好ましくは完全に生体吸水性である。組成物はジェル、ペースト又は凍結乾燥の形状で調製される。したがって、組成物は略安定した形状の物体をさらに備える。
【0013】
他の実施形態において、本発明は骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、該組成物は、好ましくはヒト由来であって、骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つの物質を好ましくは有する少なくとも一つの組換えコラーゲンを備え、前記骨誘導性又は軟骨誘導性活性は少なくとも一つの組換え骨形成タンパク質(BMP)である。一般に、BMPは哺乳類由来であり、好ましくはウマ、ブタ、ウシ由来である。例えば、BMPはヒト由来である。同様に、BMPはアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はヒト由来のBMPと少なくとも約70%同一である。ある実施形態におけるBMPは、酵母又は細菌内で組換えにより作製される。例えば、BMPは細菌の大腸菌内、枯れ草菌内、又はストレプトマイセス菌種内で組換えによって作製される。また、BMPはタンパク質糖鎖付加できる細胞内で組換えにより作製される。例えば、BMPは哺乳類、鳥類、酵母及び昆虫から構成される群から選択される細胞内で作製される。
【0014】
特定の実施形態において、BMPは、コラーゲンの量に関連して、約0.005から約5重量%の割合、好ましくは約0.01から約4重量%の割合を有する。BMPが約0.05から約20重量%の割合、好ましくは約0.1から約5重量%の割合、好ましくは約0.5から約3重量%の割合を有する。
特定の実施形態において、骨伝導性特性を有する少なくとも一つの足場材料をさらに追加的に備える。例えば、足場材料はコラーゲン、好ましくはI型コラーゲン、好ましくはヒトI型コラーゲンを備える。また、コラーゲンはIII型である。足場材料は少なくとも一つの物質を備え、前記物質はリン酸三カルシウム、セラミック材料、生体親和性金属、及び生体親和性ポリマの群から選択される。例えば、足場材料は、リン酸三カルシウム又はリン酸三カルシウムを有する二相物質である。これらのセラミックは、セラミックの技術において通常の知識を有する者にとって周知であるように、異なる焼結温度で作られる。組成物は、少なくとも一つの追加的な活性物質をさらに備え、該活性物質は好ましくは少なくとも一つの細胞増殖抑制性及び/又は少なくとも一つの抗菌性を備えることができる。例えば、組成物は少なくとも一つの追加的な成分をさらに備え、前記成分は、骨形成又は軟骨形成のための少なくとも一つの動員因子、少なくとも一つの接着因子、少なくとも一つの成長因子及び少なくとも一つの成熟因子の群から選択される活性を有する。一般に、ヒトコラーゲンは組換えによって調製される。
通常、組成物は多孔質構造をさらに備え、前記多孔質構造は孔、好ましくは相互接続する孔、好ましくは約100μmから約300μmの範囲の大きさの直径を有する孔を有し、前記組成物は海面体様密度を有する。組成物は「不織」材料であるので、孔は凍結乾燥又は造粒過程から生じる。
通常、組成物は略生体吸収性であるか、或いは本来完全に生体吸収性である。組成物は凍結乾燥、ジェル、ペースト状で提供される戸共に、略安定した形状の物体である。
【0015】
したがって、本発明の実施形態は、骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、該組成物は無菌的に調製された組換えヒトコラーゲン及び組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)の混合物を備え、前記コラーゲン及びBMPは滅菌されていると共に、無菌的に混合され同時凍結乾燥または同時顆粒化されている。例えば、BMPはアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はヒト由来のBMPのアミノ酸配列と少なくとも約70%、約80%、約85%、約90%、又は少なくとも約95%同一である。ある実施形態におけるBMPは、細菌内で作製され、例えばBMPは大腸菌内で作製される。さらに、BMPはタンパク質糖鎖付加できる細胞内で組換えにより作製される。例えば、BMPは哺乳類、鳥類、酵母及び昆虫から構成される群から選択される細胞内で作製される。BMPは、コラーゲンの量に関連して、約0.005から約5重量%の割合、好ましくは約0.01から約4重量%の割合を有する。例えば、BMPは約0.05から約2重量%の割合、好ましくは約0.1から約5重量%の割合、好ましくは約0.5から約3重量%の割合を有する。
【0016】
さらなる実施形態中の発明により、上記の組成物のいずれかを製造する方法がもたらされる。この方法は、好ましくは動物由来であると共に好ましくは少なくとも一つの骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つのコラーゲンと、骨刺激性及び/又は軟骨刺激性活性を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子を備える成分を混合させる段階と、少なくとも部分的に安定した形状の、海面体状の物体を得るために前記成分を同時凍結乾燥させる段階を備える。コラーゲンが非ヒト由来である実施形態において、方法はさらに、混合前、前記コラーゲンをペプチターゼ、又はプロテアーゼ、好ましくはトリプシンと接触させる。方法は、混合前、前記分化因子又は成長因子を好ましくは少なくとも一つの分離段階において濃縮する段階をさらに備える。方法の関連する実施形態は、混合前、少なくとも一つの足場材料を加える段階をさらに備える方法であって、前記足場材料は骨導電性特性を有すると共に、セラミック材料、生体親和性金属、生体親和性ポリマ及び生体の骨からの抽出物の群から選択され、前記抽出物は好ましくはDBM(脱灰骨基質)であり、また前記方法はコラーゲンと共に混合、好ましくはコーティングする段階と、好ましくは動物由来の少なくとも一つのコラーゲンと混合する段階を備え、前記コラーゲンは、骨伝導性又は軟骨伝導性、活性物質、及び/又は少なくとも一つの骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子の少なくとも一つの添加物を有し、また前記方法はさらに、少なくとも部分的に安定した形状の海面体を得るために、前記成分を同時凍結乾燥させる段階を備える。上記に関連する方法は無菌状態下で行われる。
【0017】
また、本明細書中にもたらされるのは骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子の使用方法であって、前記使用方法は前記成長因子の滅菌溶液を少なくとも一つのコラーゲンの無菌又は滅菌溶液で無菌的に混合し、前記コラーゲンは好ましくは動物由来であって、また好ましくは少なくとも一つの骨誘導性又は軟骨誘導性、活性物質を有し、また、前記結果として生じた混合物をコンテナ内で同時凍結乾燥させて、手術中の移植片として単一使用する。
さらに本明細書中にもたらされるのは、外科手術中に骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための少なくとも一つのヒト骨形成タンパク質(BMP)の使用方法であって、該使用法は外科手術中に、前記BMPを少なくとも一つのヒトコラーゲン及び少なくとも一つの足場材料に添加して混合物を得ること、及び前記混合物を骨及び/又は軟骨欠損の治療用の無菌装置として提供することを含む。上記の使用方法は装置の形状であって、これは外科的に可能な単位容量として提供される。組成物は凍結乾燥物、ジェル又はペーストである。
【0018】
本明細書中の他の実施形態は、骨及び軟骨の欠損を治療するための組成物を考案するための方法であって、前記方法は、組換えヒトコラーゲンの溶液を組換えヒト骨形成タンパク質のアミノ酸配列の溶液と無菌的に混合する段階と、前記混合物を無菌的に顆粒化又は凍結乾燥して、少なくとも部分的に安定した形状の形及び海面体様密度を有するジェル、ペースト又は凍結乾燥物にする段階を備える。通常、コラーゲンの前記溶液及び前記骨形成タンパク質の前記溶液は細菌が減少した内容物を有し、或いは滅菌状態である。したがって、方法は混合前、好ましくは少なくとも一つの分離段階において前記コラーゲンを濃縮する段階をさらに備え、前記コラーゲンは酸又は濃縮の前又は後に滅菌されたフィルタで処理がなされる。さらに方法は、混合前、セラミック材料、生体親和性金属、生体親和性ポリマ及び生体の骨からの抽出物の群から選択される少なくとも一つの足場材料を提供することをさらに備え、前記抽出物は好ましくはDBMであり、また前記方法はコラーゲンと共に足場材料を混合、好ましくはコーティングする段階をさらに備え、また前記方法は少なくとも部分的に安定した形状の海面体を得るために前記混合物を同時凍結乾燥又は同時顆粒化させる。混合前、前記コラーゲンはフィルタの滅菌又は酸性化によって滅菌され、前記足場材料は放射線照射され、また混合は滅菌状態下において行われる。
【0019】
本明細書注に記載の本発明のさらに他の実施形態において、外科手術中に骨及び/又は軟骨の欠損を治療するためのキットが提供され、このキットは凍結乾燥物、ジェル又はペースト状の無菌的に調製された混合物を備え、該混合物は組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)及び組換えヒトコラーゲンをコンテナ内で備える。例えば、キットは混合物が外科的に可能な単位用量内で存在するものである。関連する実施形態において、キットはさらに、無菌混合物を追加的操作なしで移植片として直接使用するための使用説明書をさらに備える。
【0020】
本明細書中の本発明の実施形態は、骨及び/又は軟骨の欠損の治療のための外科的移植用の無菌装置を提供し、該無菌装置は組換えにより作製された骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有するヒト分化及び/又は成長因子の混合物と及び少なくとも一つの足場材料を備え、前記因子はアミノ酸配列において少なくとも約70%ヒト成長因子と同一であり、前記装置は外科的移植の単一の要素として提供される。ある実施形態において、成長因子はグリコシル化されている。また、成長因子は組換えにより細胞内で作製された酵母、哺乳類又は鳥類の細胞である。例えば、成長因子は非グリコシル化されており、成長因子は組換えにより細菌内、例えば大腸菌内で作製される。
一般に、装置内の成長因子は、TGF(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子)ファミリーのメンバーを備える。例えば、成長因子はBMP−2、BMP−7、BMP−9、BMP−16を備える骨形成タンパク質(BMP)、血管内皮増殖因子(VEGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)及びp15の群から選択される少なくとも一つである。ある特定の実施形態において、成長因子はヒトBMP−2又はヒトBMP−7であると共に、組換えにより作製され同一の性質である。一般に、コラーゲンをさらに備える装置の実施形態において、前記コラーゲンの量に関連して、前記分化因子又は成長因子の前記比率は、約0.005から約5重量%の比率、好ましくは約0.01から約4重量%の比率である。例えば、成長因子は約0.05から約2重量%の比率、好ましくは約0.1から約5重量%の比率、好ましくは約0.5から約3重量%の比率である。
【0021】
関連する実施形態における装置は少なくとも一つの足場材料を備え、好ましくは骨伝導性活性を有する足場材料を備える。例えば、足場材料はアミノ酸配列を有するコラーゲンであって、前記コラーゲンはヒトコラーゲンに略同一である。さらに、コラーゲンは組換えにより作製される。また或いはさらに、足場材料は、セラミック、生体親和性金属及び生体親和性ポリマの群から選択される少なくとも一つである。装置はさらに、少なくとも一つの追加的な活性物質を有し、該活性物質は、少なくとも一つの細胞増殖抑制剤及び/又は少なくとも一つの抗菌剤の群から選択される。また、装置は、少なくとも一つの成分をさらに備え、前記成分は、骨形成又は軟骨形成のための動員因子、接着因子、成長因子及び成熟因子の群から選択される。一般に、装置は同時凍結乾燥又は同時顆粒化されると共に、孔を有する海面体状の安定した形状の物体である。孔は、100μmから約300μmの範囲の直径を有し、前記混合物が外科用海面体様密度及び安定形状を有する。関連する実施形態における装置の混合物は、少なくとも部分的に生体吸収性であって、好ましくは完全に生体吸収性である。混合物は通常、無菌又は滅菌成分から無菌的に調整される。様々な実施形態における装置はクローズドコンテナ内にもたらされる。特定の実施形態において、装置は無菌的にコンテナ内で凍結乾燥される。例えば、コンテナは、凍結乾燥の間、溶媒分子の一方向性の継代の能力がある物質で無菌的に覆われる
通常、足場材料はヒト組換えコラーゲンを備える。例えば、コラーゲンはI型及びIII型コラーゲンの少なくとも一つから選択される。また或いはさらに、足場材料は鉱物を備える。例えば、鉱物はリン酸三カルシウム、セラミック材料、生体親和性金属、及び生体親和性ポリマの群から選択される。特定の実施形態において、装置は架橋結合タンパク質として用いられることが一般に知られている任意の試薬を有する架橋結合するコラーゲンを有する。例えば、コラーゲンは共有結合的に内部でそれ自身に架橋結合しているか、或いはコラーゲンは成長因子に共有結合的に結合している。したがって、コラーゲンは溶液内で共有結合的に成長因子に架橋結合して基質を得る。そして、骨及び/又は軟骨の欠損を治療のため、基質は無菌的に凍結乾燥されると共に、患者内で移植片として用いられる。
【0022】
したがって、別の同一に構成された成長因子及び非共有結合的に結合される成長因子を患者へ移植した後の早い時点で一気に放出される共有結合的結合成長因子と比較して、基質はBMP−2またはBMP−7等の共有結合的結合成長因子をゆっくりと放出しながら略代謝される。共有結合的に架橋結合したコラーゲンは、前記コラーゲン及び骨及び/又は軟骨刺激性因子を二座の低分子架橋結合試薬に接触させることにより得られ、前記試薬はタンパク質及びペプチド化学試薬に通常用いられる、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、無水コハク酸、ジイソシアン酸、活性化及び適切に保護されたアミノ酸、二重に活性化されたポリエチレングリコール、及び活性化されたカーボンハイドレートの群から選択され、前記試薬の前記コラーゲンへの定量結合を獲得する。したがって、装置は、試薬のコラーゲンへの定量結合に続いて、前記装置は以下の段階によりさらに準備がなされ、前記段階は、加工されたコラーゲンを過剰の試薬を透析により除去する段階であって、前記コラーゲンは、骨誘導性、軟骨誘導性、骨伝導性及び軟骨伝導性の群から選択される生物活性を有するタンパク質特性を保持し、また前記段階はさらに、前記加工されたコラーゲンを架橋結合に適切な時間成長因子と共に混合する段階と、及び凍結乾燥する段階であって、また前記段階は無菌的に行われる。上記の実施形態中の装置は、無菌の材料を含むので、装置は細菌が減少した内容物を有する。
【0023】
さらに他の実施形態において、装置は足場、例えばコラーゲンからの成長因子の放出を遅らせる少なくとも一つの追加的な成分を備える。追加的な成分は、非共有結合的親和性により成長因子の放出を遅らせる。例えば追加的な成分は、フィブリン又はグロブリン等の血漿タンパク質である。関連する実施形態において、追加的な成分はヒト由来であって、及び/又は組換えによって作製される。
【0024】
骨及び軟骨の欠損の治療における問題は、骨の欠損を補修するために現在用いられている特定の合成材料は不完全に吸収される、或いは非生体吸収性であることである。これらは例えば多孔質のリン酸カルシウムセラミック等のセラミック材料を含む。このような材料は有益な骨伝導性特性を有している。すなわち、材料は基質を作る構造(ガイド構造)を有する再生骨組織に十分な機械的安定性をもたらすことができる。骨再生細胞は骨伝導性特性を有する材料に結合し、そしてこの材料の周囲又は内部の骨基質を沈殿させる。しかし、セラミック材料は体内で不変の状態で残り、結果として成長し過ぎて新たに再生した骨が貫通する。
【0025】
生体吸収性を有する骨代替材料は、ポリラクチド及びポリグリコリド等の合成ポリマを含む。このような合成材料は、通常加水分解によって生体内で分解される。これらの材料の分解は、乳酸またはグリコール酸等の酸性の副生成物の放出をもたらすことが可能である。これらは不要な体内における局所的な高酸性化を引き起こす。
【0026】
骨の欠損を修復するために現在用いられる骨代替材料は、天然骨の抽出物を含む。生体の骨は例えば、ウシの骨、ブタの骨、又はウマの骨である。脱灰化された骨は、無機部分(鉱質部分)が除去され、残りの有機基質は生体の内因性コラーゲンを他の追加的なタンパク質とともに略保持する生体の骨である。抽出物は本来の骨の機能的特性の一部を保持する。さらに、これらの骨の抽出物は骨の欠損の修復を促進することがわかっている。
【0027】
骨代替材料及びそれらの製造方法は、例えばWO91/06324 A1及びWO93/20857 A1に示されていると共に、市販の製品のCOLLOSS(登録商標)及びCOLLOSS(登録商標)Eである。これらは夫々、ウシの骨及びウマ(E)の骨の抽出物である。これらの製品は、保持されると共にコラーゲンに結合される内因性成長及び分化因子と結合する動物由来のI型コラーゲンを含む。
【0028】
COLLOSS(登録商標)及びCOLLOSS(登録商標)Eは凍結乾燥された抽出物の形状でもたらされる。これらの商品は骨伝導性及び骨誘導性活性を示すと共に、幹細胞に接触した場合さらなる分化活性を有する。本明細書中に用いられる「骨誘導性」という用語は、物質又は材料が骨の再生(骨再生)を開始すると共に、骨の再生を刺激(骨刺激)し、これにより骨の成長を促進する。再生活性は生体内で行われると共に生体外の細胞培養においても行われる。一定の状況下において、これらの特性を有する材料は、通常の骨成長と比較して再生過程を増進させるよう操作可能である。しかし、上記製品夫々の骨伝導性効果は、一定の適用には十分ではない。
【0029】
同様の考察が軟骨の欠損及び軟骨の欠損のための治療薬に当てはまる。本明細書中で用いられる「軟骨誘導性」という用語は、物質又は材料が軟骨の再生(軟骨再生)を開始すると共に、軟骨の再生を刺激(軟骨刺激)し、これにより軟骨の成長を促進する。
【0030】
骨由来の成分、骨由来の走化性成分、骨由来の接着成分、及び骨由来の成長因子を含む骨組織の成長の複合体は、WO91/06324 A1(米国特許第5,932,207号(1999年8月3日発行)に対応する)に示されており、これは全体を参照することにより本明細書に組み込まれることとする。この特許により、接着成分、フィブロネクチン、テネイシン、サイトタクチン、ラミニン、コンドロイチン、IV型、V型、VII型、N−CAM型、L−CAM型コラーゲン、及びインテグリンの例を示すが、複合体の骨伝導性効果と共に骨誘導性効果を増加させる充填物質を備えていない。
【0031】
骨形成組成物はChen et alによる文献(米国特許第5,707,962号(1998年1月13日発行)及び米国特許番号第6,180,606号(2001年1月30日発行))に示されている。骨形成装置はOpperman et alによる文献(米国特許第5,958,441号(1999年9月28日発行)及び米国特許第6,551,995号(2003年4月22日発行))に示されている。
【0032】
本明細書中にもたらされる組成物及び装置は、例えば動物由来のコラーゲンといった骨誘導性及び/又は骨伝導性特性を有する構造的成分を備える。本明細書中にもたらされる組成物内及び装置内に含まれる動物由来のコラーゲンは制限されるものではない。本明細書中の装置及び組成物のある実施形態において、組成物のコラーゲンはヒト由来であって、少なくとも一つのヒト由来の骨誘導性又は軟骨誘導性活性物質を備える。代替可能な実施形態において、コラーゲンは、例えばウシ、ブタ、又はウマ由来である、非ヒト動物由来のものである。
【0033】
装置及び組成物はさらに、少なくとも一つの分化及び/又は成長因子の少なくとも一つの添加剤をさらに備え、この添加剤は骨刺激性及び/又は軟骨刺激性活性を有する。これらの分化及び/又は成長因子は例えば、サイトカイン、糖タンパク質又は糖ペプチド等のタンパク質又はペプチドである。
【0034】
特定の実施形態において、分化及び/又は成長因子は基本的にヒトの分化及び/又は成長因子であると共に、ヒトコラーゲンと結合している。代替可能な実施形態において、ヒトの分化因子又は成長因子は装置内で異種由来のコラーゲン、すなわち、ウシ、ブタ、又はウマ由来の非ヒト動物由来のコラーゲンと結合されている。
【0035】
一般に、ヒト又は動物由来の分化因子又は成長因子は組換えによって調製される。「組換え」という用語は、例えば微生物等の遺伝子改変生物の操作によって調製されたタンパク質のことを言う。
【0036】
本発明にしたがって、分化因子又は成長因子をコードするポリヌクレオチド配列は、組換えDNA分子に用いられ、適切な宿主細胞内の分化因子又は成長因子の発現を方向付ける。生物活性ヒト分化因子又は成長因子を発現させるため、分化因子又は成長因子をコードするヌクレオチド配列、又は機能的に同等の物が適切な発現ベクター内に挿入される。すなわちこのベクターとは、挿入されたコード配列の転写及び翻訳を抑制する成分をコードする必要な核酸を含むものである。
【0037】
当業者にとって周知である方法は、分化因子又は成長因子をコードする配列又は翻訳制御を含む発現ベクターを構築するのに利用される。これらの方法は生体内組換えDNA技術、合成技術及び生体内組換え又は遺伝子組換えを含む。欠失、添加、又は代替の導入は、例えばPCR法による変異原性を用いる当技術分野における任意の周知の技術を用いて達成される。このような技術はSambrook et al.による「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」(Cold Spring Harbor Press、プレーンビュー、ニューヨーク州、1989年発行)及びAusubel et al.による「Current Protocols in Molecular Biology」(John Wiley & Sons、ニューヨーク、ニューヨーク州、1989年発行)に述べられている。
【0038】
様々な発現ベクター/宿主系は、配列をコードするヒトの分化因子又は成長因子を含むとともに発現させるために用いられる。これら発現ベクター/宿主系は、組み換えバクテリオファージ、プラスミド、又はコスミドDNA発現因子によって形質転換した細菌、酵母菌発現ベクターによって形質転換した酵母菌、ウィルス発現ベクター(例えば、バキュロウィルス)に感染した昆虫細胞系、ウィルス発現ベクター(例えば、カリフラワー・モザイク・ウィルス、CaMV、タバコ・モザイク・ウィルス、TMV)を導入された植物細胞系、又は細菌発現ベクター(例えば、Ti、pBR322、又はpET25bプラスミド)によって形質転換した植物細胞系、又は動物細胞系などの微生物を含むが、これらに限定されるわけではない。あるいは、分化因子又は成長因子のアミノ酸配列の全体又は一部を合成するために、化学的な方法が用いられる。例えば、ペプチド合成は様々な固相法(Roberge et al., Science 269: 202, 1995)を用いて実行可能であり、自動合成は例えば、431Aペプチドシンセサイザー(カリフォルニア州フォスター市のApplied Biosystems から入手可)をApplied Biosystemsの取扱説明書に従って用いることによって達成可能である。
【0039】
他の実施形態における分化因子又は成長因子は、少なくともTGF(トランスフォーミング増殖因子)と同じファミリーに属さなければならない。TGFファミリーの増殖因子は、例えば、TGF−βファミリーなどの様々なサイトカインを含み、TGF−βファミリーのメンバーのサイトカインは、例えば、BMP−2及びBMP−7などのBMPファミリー(形態形成タンパク質)を含む。特定の実施形態においては、分化及び/又は成長因子は例えば、ポリラクチドによって粒状にされたBMPである。
【0040】
ヒト由来及びウシ由来のBMP組成物、BMP組成物及び因子を単離する工程が米国特許第4,619,989号(Urist、発行日:1986年10月28日)に示される。
【0041】
BMP−2に関しては、BMP−2の核酸配列、アミノ酸の配列、構造、及び、組成物、そして製造方法が米国特許第5,631,142号(Wang et al、発行日:1997年5月20日)に示されている。精製BMP−2及びBMP−4タンパク質及びその製造工程は米国特許第2007/0026437号(Wang et al、発行日:2007年2月1日)に示される。組み換え型BMP−2の製造方法は、米国特許第20040018595号(Rainer et al、公開日:2004年1月29日)に記載されている。組み換え型ヒトBMP−2もShenandoah Biotechnology 社(ペンシルバニア州ウォーリック)から市販されている。
【0042】
精製BMP−7タンパク質及びその製造方法が、米国特許第5,366,875号(Wonzney et al、発行日:1994年11月22日)に示されている。BMP−7タンパク質をコードするDNA配列については、米国特許第5,141,905号(Rosen et al、発行日1992年8月25日)に示されている。組み換え型ヒトBMP−7もShenandoah Biotechnology 社(ペンシルバニア州ウォーリック)から市販されている。
【0043】
上記引用文献の各々は全体として参照することにより本発明に組み込まれるものとする。
【0044】
本記載の組成物及び装置に用いられるさらなる好適な分化因子又は成長因子としては、VEGF(血管内皮増殖因子)、IGF1(インスリン様成長因子1)、FGF(繊維芽細胞増殖因子)、及び、PDGF(血小板由来増殖因子)が含まれる。さらに、上記の分化因子または成長因子の任意の機能的な切片が用いられる。「機能的な切片」という言葉は、修正された構造及び/又は配列の分子のことを言い、上記の分化因子又は成長因子と同じ生物学的機能をもたらすものである。機能的な切片は、決失、追加、置換、又は他の修正といった自然発生的な変化または人工的な変化を含むタンパク質を備える。機能的な切片は、別の哺乳類種の成長因子の対応する1つの領域別に、上記分化因子又は成長因子の任意の1つの領域に対して自然発生した配列を有するタンパク質によって例示される。哺乳類種はウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ネズミ及びウマなどの種を含むが、これらに限定されるものではない。
【0045】
「ほぼ同一」という言葉は、本明細書中においては、第二アミノ酸配列中の整列アミノ酸残基と同一の効果的な又は最小のアミノ酸残基を含む第一アミノ酸配列について言及するために用いられるものであり、これによって、第一及び第二アミノ酸配列が共通した構造ドメイン及び/又は共通した機能的活性を有することが可能となる。例えば、少なくとも約60%、又は65%の同一性、好ましくは少なくとも75%の同一性、より好ましくは85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有する共通した構造ドメインを含むアミノ酸配列が挙げられる。
【0046】
配列間の配列同一性の計算は以下のように行われる。2つのアミノ酸配列の同一性の割合を決定するために、配列は最適な比較目的のために並べられる(例えば、最適な配列のために第一及び第二アミノ酸配列のうちの1つまたは両方にギャップを導入可能である)。対応するアミノ酸の位置又はヌクレオチドの位置のアミノ酸残基が、その後比較される。第一配列の位置が第二配列の対応する位置と同じアミノ残基又はヌクレオチドによって占められる場合、タンパク質はその位置で同一である。2つの配列の同一性の割合は、2つの配列の最適な並びに対して導入されるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮して、配列によって共有される同一位置の数の関数で表わされる。
【0047】
配列の比較及び2つの配列間の同一性割合の決定は、数学的なアルゴリズムを用いて達成される。2つのアミノ酸配列の同一性の割合は初期設定のパラメータを用いるアライメント・ソフトウェア・プログラムを利用して決定される。好適なプログラムは、例えば、CLUSTAL W (Thompson et al, Nuc. Acids Research 22:4673, 1994, www.ebi.ac.uk/clustalw)、BL2SEQ(Tatsusova and Madden, FEMS Microbiol. Lett. 174:247, 1999, www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/bl2.html)、SAGA(Notredame and Higgins, Nuc. Acids Research 24:1515, 1996, igs-server.cnrs-mrs.fr/~cnotred)、及び、DIALIGN(Morgenstern et al., Bioinformatics 14:290, 1998, bibiserv.techfak.uni-bielefeld.de/dialign)を含む。
【0048】
特定の実施形態において、本明細書で提供される装置又は組成物を操作することによって活性剤をゆっくりと継続して放出させる。例えば、装置又は組成物は、分化因子又は成長因子の組成物からの放出を遅らせることができる少なくとももう1つの成分をさらに備える。この放出遅延成分は、例えば、プロタミンや血漿タンパク質(グロブリン、アルブミン、又はフィブリン)などの非特異的結合が十分に可能な「粘着性の」タンパク質である。プロタミンは魚の精子から抽出したアルカリ性のタンパク質で、約5000ダルトンの重さの分子を有する。放出遅延成分の別の実施形態において、成長因子又は分化因子は、例えばタンパク質架橋剤{かきょう ざい}によってコラーゲンに共有結合される。
【0049】
本明細書中に記載の特定の実施形態において、装置及び組成物は少なくとも1つの添加剤(Filler)又は充填剤をさらに備える。充填剤又は添加剤は、さらなる機械的安定性及び/又は構造、あるいは形状の安定性を組成物に与えるなど複数の用途を有する。一般的に、充填剤は骨伝導性を有するとともに、細胞増殖及び/又は細胞分化用にさらなる表面を提供するものである。
【0050】
コラーゲン及び少なくとも1つの骨伝導性又は軟骨伝導性の活性物質などの充填剤を含む装置または組成物は、組成物中の各成分の特定量に対して製造される。コラーゲン量に対しては、骨伝導性又は軟骨伝導性活性物質は、約0.005重量パーセントから約5.0重量パーセント、例えば、約0.01〜約4.0重量パーセント含まれている。他の実施形態においては、添加物は約0.05〜2.0重量パーセント、例えば、約0.1〜5.0重量パーセント、又は約0.5〜約3.0重量パーセント含まれる。
【0051】
充填剤は典型的にはI型コラーゲンなどのコラーゲンである。コラーゲンは皮膚、腱、及び/又は骨組織から採取される。特定の実施形態において、コラーゲンはヒト由来のものではなく、腱はウマなどの動物の腱である。他の実施形態においては、コラーゲンは組み換え技術で作製されたコラーゲンであり、例えば、組み換え技術で作製されたヒトコラーゲンである。さらに、非コラーゲン充填剤は本明細書中に記載の組成物及び装置の範囲内である。このような充填剤は、一般的に骨伝導性又は軟骨伝導性活性物質に対するコラーゲンと同じ量及び割合で本明細書中に記載の装置に含まれる。
【0052】
本明細書中に記載の組成物及び装置に好適な別の充填剤は、セラミック材料、生体親和性金属、及び、生体親和性ポリマを備える。セラミック材料は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)、硫酸カルシウム、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、セファロース、ポリアリレート、及び上記材料の混合物を含む。特定の実施形態において、充填剤はβ−リン酸三カルシウムである。上記のような充填剤は、残りの要素の総体積に関連して、少なくとも50体積パーセント、少なくとも80体積パーセント、少なくとも95体積パーセント、少なくとも99体積パーセント、本明細書中に記載の組成物及び装置中に存在する。
【0053】
上記材料のイオノゲン要素は、イオン化されるか又はイオン化が可能なイオン交換体中の固定された原子群で、天然骨及び無機骨といった主な要素を構成するため、それゆえに安定した生体模倣材料である。したがって、セラミック充填剤は有用である。
【0054】
セラミック材料は市販されているOSSAPLAST(登録商標、ドイツ・シュトゥットガルトのOSSCUR社から市販されている)という製品中の1つの充填剤として用いられる。この製品は生体吸収性を有する粒状のβ−リン酸三カルシウムを含み、β−リン酸三カルシウムは相互接続した多孔質体で、大きな比表面積を有する。
【0055】
充填剤は生体親和性金属によってさらに実証される。生体親和性金属の例としては、マグネシウム、チタニウム、及びタンタルがある。さらに、マグネシウムもまた生体吸収性を有する。生体親和性ポリマの例としては、ポリラクチド及びポリグリコリドなどの合成ポリマを含む。他の実施形態における添加剤は、天然骨の派生物、例えば、脱塩骨基質(DBM)である。
【0056】
特定の実施形態において、添加剤は本明細書に記載の組成物及び/又は装置に骨伝導性又は軟骨伝導性活性をさらに与える。これら添加剤は、ロイコトリエン、サイトタクチン、テネイシン、ラミニン、フィブロネクチン、及び、BMP−1、BMP−2、BMP−7、IGF−1、TGF−β1、FGF、及びPDGFなどのサイトカインを含む。
【0057】
この装置及び組成物の製造方法の実施形態において、コラーゲンを先に修飾することによって、添加剤がコラーゲン基質に添加される。例えば、添加剤がコラーゲンと共有結合架橋するようにコラーゲンは化学的に修飾される。別の実施形態においては、充填剤はコラーゲン基質を準備する前に添加されるものであるか、又は対応するコラーゲン基質中の自然に発生する因子である。すなわち、コラーゲン及び充填剤はそれらが供給される工程によって結合される。例えば、成長因子は生体源、例えば、天然骨から抽出される。この実施形態において、骨伝導性又は軟骨伝導性の充填剤はコラーゲンを伴って天然の型で存在する。
【0058】
骨の欠損及び軟骨の欠損の治療に関連して、さらなる所望の効果を提供する1以上の物質が、本明細書に記載の装置及び組成物の他の実施形態において加えられる。このような物質には、例えば、細胞増殖抑制薬又は抗生物質製剤、又は両者の組み合わせがある。
【0059】
他の実施形態において、本装置または組成物は動員因子、例えば走化性物質(ケモタキシン又はロイコトリエンなど)をさらに備える。動員因子は組成物のヒト細胞(間充織幹細胞、軟骨前駆幹細胞、繊維芽細胞、及び/又は血小板)への浸潤を誘発する。あるいは、これらの物質はコラーゲンに加えられるか、又は補充される。
【0060】
他の実施形態において、組成物中に含まれるコラーゲンは少なくとも1つの接着因子、例えば、サイトタクチン、テネイシン、ラミニン、フィブロネクチンをさらに備える。このような物質は、本明細書の組成物又は装置中の補充細胞又は移動性細胞を、適用位置(埋め込み位置)で固定するように機能する。
【0061】
特定の実施形態において、上記因子はコラーゲン中に自然に見られ、充填剤は精製可能、或いは、上記複数の因子の混合物である複合物中で獲得可能である。組成物又は装置のコラーゲン成分は、骨及び/又は軟骨再生のために生体内に取り込まれる充填剤の骨伝導性特性の大部分を含むことが可能である。上記の一連の自然発生的な充填剤は、組成物中の他の活性物質の存在により1以上の活性物質の活動の部分的損失又は大部分の損失が補われるほどの、重複活性機能又は余分な活性機能を有することが可能である。
【0062】
動物由来のコラーゲンは、例えば、OSSACUR社(ドイツ、オーバーシュテンフェルト)のCOLLOSS(登録商標)(ウシ)及びCOLLOSS(登録商標)E(ウマ)のように、分離した形で市販されている。このような製品は天然の活性物質を含んでいるため、コラーゲン及び活性物質の組み合わせは天然の機能的な単位をもたらし、その組成物は骨及び/又は軟骨の再生が誘発される生体内の環境に特定の方式で対応する。
【0063】
天然骨からコラーゲンを抽出する方法は広く周知である。コラーゲンは以下に例示する手順により天然骨から抽出される。この手順とは、天然骨を粉砕する工程、有機溶媒で抽出することによって油脂を除去する工程、酸処理、例えば、塩酸によって脱塩する工程、キレート剤(例えばエチレンジアミン4酢酸(EDTA)、又は2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール(TRIS)又はそれらの組み合わせ)でインキュベートする工程、及び、グアジニン、例えば、塩酸グアジニンで抽出し、その後に抽出物を精製する工程、この抽出物をインプランティングに適切な構造体に物理的に形成する工程である。必要な工程又は付属的な工程は典型的な手順の範囲内であるため、上記の1以上の工程が省略可能であることは、生物学の当業者にとって想到しうることである。
【0064】
特定の実施形態において、組成物又は装置は、多孔質構造又は多孔質形状である。他の実施形態においては、装置及び組成物はほぼ海綿体様密度を有する。例えば、リン酸三カルシウム(TCP)などのセラミック材料のような上記の充填剤は、組成物又は装置の孔の程度を決定する。
【0065】
特定の実施形態において、孔とは相互接続する孔である。すなわち、充填剤の個々の粒子間、及び粒子内部に孔の構造が配される。多孔質装置又は多孔質組成物は、埋め込みの対象受容体の細胞から本装置及び組成物の多孔(例えば、骨細胞及び/又は軟骨細胞、又はそれらの前駆細胞)にまで細胞を浸潤させる際に有用である。
【0066】
本組成物又は装置の孔、又は充填剤の孔は、それぞれ少なくとも直径約100μm、特に直径約100μmから300μmである。特定の実施形態においては、本組成物又は装置の孔、又は充填剤の孔は、それぞれ直径が約200μmである。
【0067】
特定の実施形態において、本発明の組成物及び装置は少なくとも部分的には生体吸収性を有する。関連する実施形態において、本発明の組成物及び装置は完全な生体吸収性を有する。移植片を埋め込んだ後、骨又は軟骨の欠損を治療する移植片は、新しい骨又は新しい軟骨と完全に取って替えられる。
【0068】
他の実施形態において、本発明の組成物は凍結乾燥物で、例えば、同時凍結乾燥物である。凍結乾燥物の利点は以下の実施例に記載されている。
【0069】
他の実施形態において、本発明の組成物はほぼ形状が安定しており、例えば、多孔性海綿状構造体は十分な機械的安定性を有し、埋め込みに関係する機械的操作に耐える。上記のような組成物は骨又は軟骨再生のための骨伝導性/軟骨伝導性特性を備える。
【0070】
一般的に、本明細書に記載の組成物及び/又は装置は、無菌式手順又は滅菌式手順によって作製され、滅菌式手順で包装される。さらに、本装置は単一装置であり、操作の必要がないため、追加的な準備をすることなく骨欠損又は軟骨欠損の治療のために本装置を直接埋め込むことが可能である。
【0071】
本発明の他の様態は、本発明に記載の組成物を製造する新しい方法を提供することである。この方法は、コラーゲン(例えば、ヒト由来のコラーゲン、組み換え型コラーゲン、又は動物由来のコラーゲンで、少なくとも骨伝導性/軟骨伝導性の活性物質を含む)を調整する段階と、このコラーゲンを骨伝導性効果及び/又は軟骨伝導性効果を有する少なくとも1つの分化因子または成長因子の添加物と(場合によっては他の物質とも)混合させる段階と、このような成分を同時凍結乾燥させて少なくとも1つの部分的に安定した海綿体を形成する段階を含む。
【0072】
本発明の方法に関する特定の実施形態において、コラーゲンを少なくとも1つの添加物と混合させる前に、コラーゲンは少なくとも1つのペプチダーゼ、例えば、トリプシンなどのエンドペプチダーゼで処理される。エンドペプチダーゼで処理することによって、所望でないタンパク質又はペプチド、例えば、(活性物質を含む又は含まない)コラーゲン中に見られるテロペプチドが、このコラーゲン切片から除去される。一般的に、本明細書に記載の治療に用いられるトリプシンなどのエンドペプチダーゼは、コラーゲン分画の骨伝導性活性に影響を与える前に激減するか又は完全に除去される程度の量が準備される。生物学の当業者は、エンドペプチダーゼの適切な濃度、及びコラーゲン切片の活動に影響を与えない程度の混合物の処置時間を決定する。他の実施形態において、コラーゲン、例えばI型コラーゲンは、エンドペプチダーゼによって消化されない。
【0073】
方法に関する他の実施形態においては、コラーゲンを1以上の別の化合物と混合させる前に濃縮する。コラーゲンを別の成分と混合させる前にコラーゲンを濃縮することは、結果として生じる同時凍結乾燥された海綿体の特性に関して、特定の条件下において有利である。コラーゲン切片を追加した骨伝導性活性物質及び/又は軟骨伝導性活性物質で濃縮することによって、添加物の活性物質とともにコラーゲン切片を有する装置全体の活性物質の濃度が非常に高くなる。これにより、例えば、海綿体などの組成物の全体積の範囲内で活性物質は十分な濃度に達する。
【0074】
内在性の又は追加された骨伝導性活性物質又は軟骨伝導性活性物質を有する混合物の濃縮は、生物学の当業者にとって周知の方法によって実施される。例えば、濃縮は少なくとも1つの遠心分離工程、適切な細胞膜を介する少なくとも1つの分離工程、及び/又は重力手段による少なくとも1つの沈殿工程を含む。典型的な濃縮の一つは、COLLOSS(登録商標)Eのタンパク質を含む懸濁液を、1.5mg/gタンパク質から2.0mg/gタンパク質を含む懸濁液の乾燥物質含有量(TS)で濃縮することである。この方法は結果として、2.0mg/gタンパク質から20.0mg/gタンパク質を含む懸濁液中でTSの含有量が増えることになる。
【0075】
一般的に、生じた海綿体によって、海綿体を形成する生体活性物質の均一な分配が使用者にもたらされる。通常は、充填剤は生体材料よりも多くの海綿体を構成する。コラーゲン及び分化因子又は成長因子などの追加物質から得られる生体材料は、充填剤料の粒子間のその塊を覆うのみである。
【0076】
特定の実施形態において、コラーゲンは上記のような骨伝導性特性を有する多孔質充填剤と混合される。骨伝導性特性を有するコラーゲンを得るための典型的な工程は、骨伝導性特性を有する上記充填剤をコラーゲンと混合させる工程を含む。この混合工程中、コラーゲンは骨伝導性特性を有する多孔質充填剤の外表面及び内表面上のコーティングとして用いられる。さらなる工程は、骨伝導性特性を有するコラーゲン、すなわち、骨伝導性/骨刺激性効果又は軟骨伝導性/軟骨刺激性効果を有するコラーゲンを獲得するために、結果として生じる混合物を凍結乾燥する工程を含む。この方法はさらに、骨伝導性活性物質又は軟骨伝導性活性物質、及び/又は骨刺激性効果及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも1つの分化因子または成長因子を備える1つのコラーゲンを提供する。その結果生じる混合物は最終的に同時凍結乾燥され、十分に安定した海綿体を形成する。
【0077】
一般的に、上記の方法は無菌環境下で実施され、本発明に従って無菌又は滅菌済の装置又は組成物をもたらす。他の実施形態において、様々な滅菌方法を用いて無菌又は滅菌済の組成物を得ることができる。ある実施形態において、本発明の方法を用いる前に、本発明の組成物の個々の各成分が、例えば、バクテリアやウィルスを除去するために無菌状態で濾過されるなどして滅菌される。別の実施形態では、この方法は無菌方式で組成物又は装置を包装する段階をさらに含み、これによって無菌組成物又は装置、滅菌済の組成物又は装置が提供される。
【0078】
本明細書に記載の本発明による組成物の特徴は、本発明の方法及び本発明の使用方法を、それぞれ明確に特徴付けている。
【0079】
本明細書で提供される装置において、以下に示されるように、少なくとも1つのコラーゲンを備える、骨刺激性効果及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも1つの分化因子及び/又は成長因子が存在することにより、複数の利点がもたらされることとなる。上記物質の各々は、本発明の装置の骨形成特性又は軟骨形成特性を誘導すると共に増幅する。さらに、コラーゲンを有する成長因子が存在することで、組成物の現在の形状安定性が増幅する。本明細書に記載の組成物は、成長因子によって与えられる骨誘導性効果及び骨伝導性効果の相互作用、及び充填剤によってもたらされる形状安定性/支持機能によって最適化される。他の実施形態においては、非骨誘導性の充填剤の追加に起因する組成物の骨誘導性効果の減少は、比較的少量の添加剤を組成物に加えることによって補償或いは克服される。
【0080】
さらに、製造工程における同時凍結乾燥によって、最終的な組成物が作製される。すなわち、組成物の成分はすでに混合され、使用準備の整った装置を形成する。他の実施例では、例えば外科医が使用しやすい、使用準備の整った装置が提供される。組成物が無菌方式で作製されるため、骨欠損又は軟骨欠損を修復する手術中に組成物を無菌包装から直接取り出したり、使用したりすることが可能である。
【0081】
本発明は先に十分に記載されてきたが、以下の実施例及び請求項によってさらに実証されるものとする。なお、これらの実施例及び請求項は実例となるものであり、これ以上の限定を意味するわけではない。当業者は、わずかな日常的な実験を用い、本明細書に記載の特定の手順に相当する多くの手順を識別するとともに解明することができる。本出願で引用される付与済みの特許及び公開特許出願を含むすべての参考文献の内容は、参照されることにより本明細書に組み込まれるものとする。
【0082】
(実施例)
<実施例1:本発明による組成物の作製>
以下の方法を用いて本発明の組成物を作製する。
【0083】
COLLOSS(登録商標)Eという製品は、ウマの骨組織のコラーゲン抽出物であり、上記の如く市販されている。この製品を作る方法は先に記載されており、WO93/20857A1号に示されている。なお、この文献は参照することにより全体として本発明に組み込まれるものとする。Spine(30:890−895,2005年)も参照されたい。この物質は、I型コラーゲンの基質中にある自然に結合した因子の活性物質の複合体を含む。
【0084】
COLLOSS(登録商標)Eは水性懸濁液の形で市販されており、この懸濁液は少なくとも1つの分離工程を行うことによって濃縮される。その濃縮によって得られた懸濁液はその後、添加物及び組成物の要素と混合される。均一な混合物を得た後で、この混合物の要素を同時凍結乾燥させ、多孔質で安定した海綿体が得られる。
【0085】
滅菌済の又は無菌の装置を得るために、製造工程中の全体の工程は無菌条件下で実施され、組成物の個々の成分は製造工程前に事前に無菌方式で濾過される。
【0086】
<実施例2>
本発明の組成物は以下の要素から準備される。
【0087】
【表1】

【0088】
本発明の装置及び組成物が存在する特定の実施形態における物質のさらなる実施例は、コラーゲン及び/又はセラミックで同時凍結乾燥されたBMP、スペーサー(グロブリン、ポリエチレングリコール(PEG)、アルブミン、プロタミン及びフィブリン)を用いてコラーゲンと結合したBMP、及びプロタミン、グロブリン、フィブリン、アルブミン及びBMPを有するコラーゲンの懸濁液を備え、この懸濁液はその後凍結乾燥される。
【0089】
BMP−2及びBMP−7又は本装置及び組成物中の他の成長因子は、例えば、組み換え技術によって作製されたヒトタンパク質である。用いられるI型コラーゲンは、例えば組み換え型ヒトコラーゲンである。生体異物のタンパク質の抗原活性が激しいため、組み換え型のヒトBMP−2及び組み換え型のヒトコラーゲンを用いることは人間に投与する際に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、
該組成物は、好ましくは動物由来であって、骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つの物質を好ましくは含む少なくとも一つのコラーゲンと、
少なくとも一つの骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する分化及び/又は成長因子と、
少なくとも一つの充填材を備え、
前記組成物は凍結乾燥した状態であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記少なくとも一つの分化因子又は成長因子がタンパク質又はペプチド、好ましくは糖タンパク質又は糖ペプチド、好ましくはサイトカインであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記分化因子又は成長因子がヒトの分化因子又は成長因子であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記分化因子又は成長因子が組換えにより作製されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記分化因子又は成長因子がTGF(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子)ファミリーのメンバーの少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記分化因子又は成長因子がBMP(Bone Morphogenetic Proteins:骨形成タンパク質)の群のメンバーの少なくとも一つを有し、前記メンバーは好ましくはBMP−2及び/又はBMP−7であることを特徴とする請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記分化因子又は成長因子がTGFβ(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子ベータ)又はVEGF(Vascular Endothelial Growth Factor:血管内皮増殖因子)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
コラーゲン、骨誘導性又は軟骨誘導性活性の量に関連する前記分化因子又は成長因子が、約0.005から約5重量%の比率を有し、好ましくは約0.01から約4重量%の比率を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記分化因子又は成長因子が、約0.05から約2重量%の比率、好ましくは約0.1から約5重量%の比率、好ましくは約0.5から約3重量%の比率を有することを特徴とする請求項8記載の組成物。
【請求項10】
好ましくは骨伝導性特性を有する少なくとも一つの足場材料をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記足場がコラーゲン、好ましくはI型コラーゲンであることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項12】
前記足場材料がセラミック、生体親和性金属及び生体親和性ポリマの群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項10記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は軟骨誘導性活性を有し、また前記分化因子又は成長因子はTGFβであることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物はさらに少なくとも一つの追加的な活性物質を備え、該活性物質は好ましくは少なくとも一つの細胞増殖抑制性及び/又は少なくとも一つの抗菌性であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも一つの成分をさらに備え、前記成分は、骨形成又は軟骨形成のための少なくとも一つの動員因子、少なくとも一つの接着因子、少なくとも一つの成長因子及び少なくとも一つの成熟因子の群から選択されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記コラーゲンが哺乳類由来であって、好ましくはヒト、ウシ、ブタ又はウマ由来であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
孔をさらに備え、該孔は好ましくは相互接続する孔、好ましくは約100μmから約300μmの範囲の直径を有する孔であって、
前記組成物は海面体様密度を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が少なくとも部分的に生体吸水性であって、好ましくは完全に生体吸水性であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
略安定した形状の物体をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、
該組成物は、好ましくはヒト由来であって、骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つの物質を好ましくは有する少なくとも一つの組換えコラーゲンを備え、
前記骨誘導性又は軟骨誘導性活性は少なくとも一つの組換え骨形成タンパク質(BMP)であることを特徴とする組成物。
【請求項21】
前記BMPが哺乳類由来であり、好ましくはウマ、ブタ、ウシ由来であることを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項22】
前記BMPがヒト由来であることを特徴とする請求項20又は21記載の組成物。
【請求項23】
前記BMPがアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はヒト由来のBMPと少なくとも約70%同一であることを特徴とする請求項20又は21記載の組成物。
【請求項24】
前記BMPが酵母又は細菌内で組換えにより作製されることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
前記BMPが細菌の大腸菌内で組換えによって作製されることを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記BMPがタンパク質糖鎖付加できる細胞内で組換えにより作製されることを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項27】
前記BMPが哺乳類、鳥類、酵母及び昆虫から構成される群から選択される細胞内で作製されることを特徴とする請求項26記載の組成物。
【請求項28】
前記BMPが大腸菌、枯草菌、及びストレプトマイセス菌種の群から選択される細菌内で作製されることを特徴とする請求項24記載の組成物。
【請求項29】
BMPが、コラーゲンの量に関連して、約0.005から約5重量%の割合、好ましくは約0.01から約4重量%の割合を有することを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
前記BMPが約0.05から約2重量%の割合、好ましくは約0.1から約5重量%の割合、好ましくは約0.5から約3重量%の割合を有することを特徴とする請求項29記載の組成物。
【請求項31】
骨伝導性特性を有する少なくとも一つの足場材料をさらに追加的に備えることを特徴とする請求項1乃至30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
前記足場材料がコラーゲン、好ましくはI型コラーゲン、好ましくはヒトI型コラーゲンを備えることを特徴とする請求項31記載の組成物。
【請求項33】
前記足場材料が少なくとも一つの物質を備え、該物質はリン酸三カルシウム、セラミック材料、生体親和性金属、及び生体親和性ポリマの群から選択されることを特徴とする請求項32記載の組成物。
【請求項34】
前記足場材料が、リン酸三カルシウム又はリン酸三カルシウムを有する二相物質であることを特徴とする請求項33記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも一つの追加的な活性物質をさらに備え、該活性物質は好ましくは少なくとも一つの細胞増殖抑制性及び/又は少なくとも一つの抗菌性を備えることを特徴とする請求項1乃至34のいずれかに記載の組成物。
【請求項36】
少なくとも一つの追加的な成分をさらに備え、該成分は、骨形成又は軟骨形成のための少なくとも一つの動員因子、少なくとも一つの接着因子、少なくとも一つの成長因子及び少なくとも一つの成熟因子の群から選択される活性を有することを特徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載の組成物。
【請求項37】
前記ヒトコラーゲンが組換えにより作製されたものであることを特徴とする請求項1乃至36のいずれかに記載の組成物。
【請求項38】
多孔質構造をさらに備え、該多孔質構造は孔、好ましくは相互接続する孔、好ましくは約100μmから約300μmの範囲の直径を有する孔を有し、
前記組成物は海面体様密度を有することを特徴とする請求項1乃至37のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
略生体吸収性であるか、或いは本来完全に生体吸収性であることを特徴とする請求項1乃至38のいずれかに記載の組成物。
【請求項40】
ジェル又はペースト状でもたらされることを特徴とする請求項1乃至39のいずれかに記載の組成物。
【請求項41】
略安定した形状の物体を備えることを特徴とする請求項1乃至40のいずれかに記載の組成物。
【請求項42】
骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための組成物であって、該組成物は無菌的に調製された組換えヒトコラーゲン及び組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)の混合物を備え、
前記コラーゲン及びBMPは滅菌されていると共に、無菌的に混合され同時凍結乾燥又は同時顆粒化されていることを特徴とする組成物。
【請求項43】
前記BMPがアミノ酸配列を有し、該アミノ酸配列はヒト由来のBMPのアミノ酸配列と少なくとも約70%、約80%、約85%、約90%、又は少なくとも約95%同一であることを特徴とする請求項42記載の組成物。
【請求項44】
前記BMPが細菌内で作製されることを特徴とする請求項42及び43記載の組成物。
【請求項45】
前記BMPが大腸菌内で作製されることを特徴とする請求項42から44のいずれかに記載の組成物。
【請求項46】
前記BMPがタンパク質糖鎖付加できる細胞内で組換えにより作製されることを特徴とする請求項42記載の組成物。
【請求項47】
前記BMPが哺乳類、鳥類、酵母及び昆虫から構成される群から選択される細胞内で作製されることを特徴とする請求項46記載の組成物。
【請求項48】
BMPが、コラーゲンの量に関連して、約0.005から約5重量%の割合、好ましくは約0.01から約4重量%の割合を有することを特徴とする請求項42乃至47のいずれかに記載の組成物。
【請求項49】
前記BMPが約0.05から約2重量%の割合、好ましくは約0.1から約5重量%の割合、好ましくは約0.5から約3重量%の割合を有することを特徴とする請求項48記載の組成物。
【請求項50】
好ましくは動物由来であると共に好ましくは少なくとも一つの骨誘導性又は軟骨誘導性活性を有する少なくとも一つのコラーゲンと、骨刺激性及び/又は軟骨刺激性活性を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子を備える成分を混合させる段階と、
少なくとも部分的に安定した形状の、海面体状の物体を得るために前記成分を同時凍結乾燥させる段階を備えることを特徴とする請求項1乃至49のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
前記コラーゲンが非ヒト由来であって、前記方法はさらに、混合前、前記コラーゲンをペプチターゼ、又はプロテアーゼ、好ましくはトリプシンと接触させることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
混合前、前記分化因子又は成長因子を、好ましくは少なくとも一つの分離段階において濃縮する段階をさらに備えることを特徴とする請求項42又は43記載の方法。
【請求項53】
混合前、少なくとも一つの足場材料を加える段階をさらに備える方法であって、前記足場材料は骨導電性特性を有すると共に、セラミック材料、生体親和性金属、生体親和性ポリマ及び生体の骨からの抽出物の群から選択され、前記抽出物は好ましくはDBM(脱灰骨基質)であり、
また前記方法はコラーゲンと共に混合、好ましくはコーティングする段階と、
好ましくは動物由来の少なくとも一つのコラーゲンと混合する段階を備え、前記コラーゲンは、骨伝導性又は軟骨伝導性、活性物質、及び/又は少なくとも一つの骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子の少なくとも一つの添加物を有し、
また前記方法はさらに、少なくとも部分的に安定した形状の海面体を得るために、前記成分を同時凍結乾燥させる段階を備えることを特徴とする請求項50乃至52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
無菌状態下で行われる請求項50乃至53の一つに記載の方法。
【請求項55】
骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有する少なくとも一つの分化因子又は成長因子の使用方法であって、
前記使用方法は前記成長因子の滅菌溶液を少なくとも一つのコラーゲンの滅菌溶液で無菌的に混合し、前記コラーゲンは好ましくは動物由来であって、また好ましくは少なくとも一つの骨誘導性又は軟骨誘導性、活性物質を有し、
また、前記結果として生じた混合物をコンテナ内で同時凍結乾燥させて、手術中の移植片として単一使用することを特徴とする使用方法。
【請求項56】
外科手術中に骨及び/又は軟骨の欠損を治療するための少なくとも一つのヒト骨形成タンパク質(BMP)の使用方法であって、該使用方法は、
外科手術中に、前記BMPを少なくとも一つのヒトコラーゲン及び少なくとも一つの足場材料に添加して混合物を得る段階と、及び
前記混合物を骨及び/又は軟骨欠損の治療用の無菌装置として提供する段階を含むことを特徴とする使用方法。
【請求項57】
前記装置が外科的に可能な単位用量として提供されることを特徴とする請求項56記載の使用方法。
【請求項58】
前記組成物が凍結乾燥物、ジェル又はペーストであることを特徴とする請求項57記載の使用方法。
【請求項59】
骨及び軟骨の欠損を治療するための組成物を考案するための方法であって、前記方法は、
組換えヒトコラーゲンの溶液を組換えヒト骨形成タンパク質のアミノ酸配列の溶液と無菌的に混合する段階と、
前記混合物を無菌的に顆粒化又は凍結乾燥して、少なくとも部分的に安定した形状及び海面体様密度を有するジェル、ペースト又は凍結乾燥物にする段階を備えることを特徴とする方法。
【請求項60】
前記コラーゲンの前記溶液及び前記骨形成タンパク質の前記溶液は滅菌状態であり、或いは細菌が減少した内容物を有することを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記混合前、好ましくは少なくとも一つの分離段階において前記コラーゲンを濃縮する段階をさらに備え、
前記コラーゲンは酸又は濃縮の前又は後に滅菌されたフィルタで処理がなされることを特徴とする請求項59又は60記載の方法。
【請求項62】
混合前、セラミック材料、生体親和性金属、生体親和性ポリマ及び生体の骨からの抽出物の群から選択される少なくとも一つの足場材料を提供することをさらに備え、前記抽出物は好ましくはDBMであり、
また前記方法はコラーゲンと共に足場材料を混合、好ましくはコーティングする段階をさらに備え、
また前記方法は少なくとも部分的に安定した形状の海面体を得るために前記混合物を同時凍結乾燥又は同時顆粒化させることを特徴とする請求項59乃至61のいずれかに記載の方法。
【請求項63】
混合前、前記コラーゲンはフィルタ滅菌又は酸性化によって滅菌され、前記足場材料は放射線照射され、また混合は滅菌状態下において行われることを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項64】
外科手術中に骨及び/又は軟骨の欠損を治療するためのキットであって、該キットは凍結乾燥、ジェル又はペースト状の無菌的に調製された混合物を備え、該混合物は組換えヒト骨形成タンパク質(BMP)及び組換えヒトコラーゲンをコンテナ内で備えることを特徴とするキット。
【請求項65】
前記混合物が外科的に可能な単位用量内で存在することを特徴とする請求項64記載のキット。
【請求項66】
前記無菌混合物を追加的操作なしで移植片として直接使用するための使用説明書をさらに備えることを特徴とする請求項64記載のキット。
【請求項67】
骨及び/又は軟骨の欠損の治療のための外科的移植用の無菌装置であって、該無菌装置は組換えにより作製された骨刺激性及び/又は軟骨刺激性効果を有するヒト分化及び/又は成長因子の混合物と及び少なくとも一つの足場材料を備え、
前記因子はアミノ酸配列において少なくとも約70%ヒト成長因子と同一であり、
前記装置は外科的移植の単一の要素として提供されることを特徴とする装置。
【請求項68】
前記成長因子がグリコシル化されていることを特徴とする請求項67記載の装置。
【請求項69】
前記成長因子が非グリコシル化されていることを特徴とする請求項67記載の装置。
【請求項70】
前記成長因子が組換えにより細胞内で作製された酵母、哺乳類又は鳥類の細胞であることを特徴とする請求項68記載の装置。
【請求項71】
前記成長因子が組換えにより細菌内で作製されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項72】
前記成長因子が組換えにより大腸菌内で作製されることを特徴とする請求項69記載の装置。
【請求項73】
前記成長因子がTGF(Transforming Growth Factor:トランスフォーミング増殖因子)ファミリーのメンバーを備えることを特徴とする請求項1乃至72のいずれかに記載の装置。
【請求項74】
前記成長因子が、BMP−2、BMP−7、BMP−9、BMP−16を備える骨形成タンパク質(BMP)、血管内皮増殖因子(VEGF)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)及びp15の群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項73記載の装置。
【請求項75】
前記成長因子がヒトBMP−2又はヒトBMP−7であると共に、組換えにより作製され同一の性質であることを特徴とする請求項73記載の装置。
【請求項76】
コラーゲンをさらに備え、前記コラーゲンの量に関連して、前記分化因子又は成長因子の前記比率は、約0.005から約5重量%の比率、好ましくは約0.01から約4重量%の比率であることを特徴とする請求項1乃至75のいずれかに記載の装置。
【請求項77】
前記成長因子が約0.05から約2重量%の比率、好ましくは約0.1から約5重量%の比率、好ましくは約0.5から約3重量%の比率であることを特徴とする請求項76記載の装置。
【請求項78】
少なくとも一つの足場材料を備え、好ましくは骨伝導性活性を有する足場材料を備えることを特徴とする請求項67乃至77のいずれかに記載の装置。
【請求項79】
前記足場材料がアミノ酸配列を有するコラーゲンであって、前記コラーゲンはヒトコラーゲンに略同一であることを特徴とする請求項78記載の装置。
【請求項80】
前記コラーゲンが組換えにより作製されることを特徴とする請求項79記載の装置。
【請求項81】
前記足場材料が、セラミック、生体親和性金属及び生体親和性ポリマの群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項77記載の装置。
【請求項82】
少なくとも一つの追加的な活性物質をさらに備え、該活性物質は、少なくとも一つの細胞増殖抑制剤及び/又は少なくとも一つの抗菌剤の群から選択されることを特徴とする請求項67乃至81のいずれかに記載の装置。
【請求項83】
少なくとも一つの成分をさらに備え、前記成分は、骨形成又は軟骨形成のための動員因子、接着因子、成長因子及び成熟因子の群から選択されることを特徴とする請求項67乃至82のいずれかに記載の装置。
【請求項84】
前記同時凍結乾燥又は同時顆粒化される物が、孔を有する安定した形状の海面体であることを特徴とする請求項67乃至83のいずれかに記載の装置。
【請求項85】
前記孔が、100μmから約300μmの範囲の直径を有し、
前記混合物が外科用海面体様密度及び安定形状を有することを特徴とする請求項84記載の装置。
【請求項86】
前記混合物が少なくとも部分的に生体吸収性であって、好ましくは完全に生体吸収性であることを特徴とする請求項67乃至85のいずれかに記載の装置。
【請求項87】
前記混合物が無菌又は滅菌成分から無菌的に調整されることを特徴とする請求項67乃至86いずれかに記載の装置。
【請求項88】
クローズドコンテナをさらに備えることを特徴とする請求項67乃至87のいずれかに記載の装置。
【請求項89】
前記混合物が無菌的にコンテナ内で凍結乾燥されることを特徴とする請求項88記載の装置。
【請求項90】
前記コンテナが、凍結乾燥の間、溶媒分子の一方向性の継代の能力がある物質で無菌的に覆われることを特徴とする請求項89記載の装置。
【請求項91】
前記足場材料がヒト組換えコラーゲンを備えることを特徴とする請求項78記載の装置。
【請求項92】
前記コラーゲンがI型及びIII型コラーゲンの少なくとも一つから選択されることを特徴とする請求項91記載の装置。
【請求項93】
前記足場材料が鉱物を備えることを特徴とする請求項78記載の装置。
【請求項94】
前記鉱物がリン酸三カルシウム、セラミック材料、生体親和性金属、及び生体親和性ポリマの群から選択されることを特徴とする請求項93記載の組成物。
【請求項95】
前記コラーゲンが架橋結合することを特徴とする請求項91記載の装置。
【請求項96】
前記コラーゲンが共有結合的に前記成長因子に結合し、該成長因子は架橋結合タンパク質として用いられることが一般に知られている任意の試薬を有することを特徴とする請求項91記載の装置。
【請求項97】
前記コラーゲンが共有結合的に前記成長因子に結合し、前記装置が無菌的に凍結乾燥されると共に、骨及び/又は軟骨の欠損の治療のため患者内に移植片として用いられることを特徴とする請求項67乃至96のいずれかに記載の装置。
【請求項98】
前記装置は、別の同一に構成された成長因子及び非共有結合的に結合される成長因子を前記患者に移植した後の早い時点で一気に放出される共有結合的結合成長因子と比較して、前記装置は前記患者への移植に続いて、共有結合的結合成長因子をゆっくりと放出しながら略代謝されることを特徴とする請求項97記載の装置。
【請求項99】
前記共有結合的に結合した装置は、前記コラーゲン及び骨及び/又は軟骨刺激性因子を二座の低分子架橋結合試薬に接触させることにより得られ、前記試薬はタンパク質及びペプチド化学試薬に通常用いられる、1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、無水コハク酸、ジイソシアン酸、活性化及び適切に保護されたアミノ酸、二重に活性化されたポリエチレングリコール、及び活性化されたカーボンハイドレートの群から選択され、前記試薬の前記コラーゲンへの定量結合を獲得することを特徴とする請求項97記載の装置。
【請求項100】
前記試薬のコラーゲンへの定量結合に続いて、前記装置は以下の段階によりさらに準備がなされ、前記段階は、
加工されたコラーゲンを過剰の試薬を透析により除去する段階であって、前記コラーゲンは骨誘導性、軟骨誘導性、骨伝導性及び軟骨伝導性の群から選択される生物活性を有するタンパク質特性を保持し、
また前記段階はさらに、前記加工されたコラーゲンを架橋結合に適切な時間成長因子と共に混合する段階と、
凍結乾燥する段階であって、
また前記段階は無菌的に行われることを特徴とする請求項97乃至99のいずれかに記載の装置。
【請求項101】
無菌の材料を備え、細菌が減少した内容物を有することを特徴とする請求項97乃至100のいずれかに記載の装置。
【請求項102】
前記足場からの前記成長因子の放出を遅らせることができる少なくとも一つの追加的な成分をさらに備え、
前記成分は好ましくはフィブリン等の血漿タンパク質であることを特徴とする請求項91記載の装置。

【公表番号】特表2010−538691(P2010−538691A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523606(P2010−523606)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002367
【国際公開番号】WO2009/034452
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(509243344)エスビーエフ シンセティック ボーン ファクトリー ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】