説明

骨由来の棘突起間スペーサ

隣接椎骨の棘突起間に配置された棘突起間隙にインプラントするための同種移植棘突起間スペーサ。スペーサは、本体、コア、及び複数の展開可能保持具を備えるのが好ましい。使用時には、本体が棘突起間隙内に挿入された後、複数の保持具は、スペーサの移動を阻止するように展開される。コアは、本体と作動可能に係合されるように挿入及び/又は移動され、複数の保持具を展開するようなサイズ及び構成にされるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年8月28日に出願された、名称「INTERSPINOUS SPACER(棘突起間スペーサ)」の米国仮特許出願第61/092,655号に対する優先権を主張するものであり、該特許出願の内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の椎骨は、棘突起として知られた後方に突出する部分を有する。棘の撓みにより、隣接する椎骨の棘突起が互いに向かって移動するようになる可能性がある。これは、一部の人においては脊柱管及び孔におけるスペースが絞め付けられる可能性があり、従って、痛みを生じる場合がある。このような絞め付けは狭窄として知られ、隣接する棘突起間のスペースに棘突起間スペーサをインプラントすることにより治療することができる。
【0003】
現行の棘突起間スペーサは通常、後方アプローチでの脊椎の対向する側部からの挿入が必要な別部品から作成され、更に、ある程度大きな切開である左右両方の胸腰筋膜の切断並びにこれらの取付部からの多裂筋の剥離を必要とする。
【0004】
隣接する椎骨の棘突起間のインプラントのために棘突起間スペーサを設けることが望ましく、該スペーサは、低侵襲アプローチで単一の開口を通じて第1の構成で側方挿入することができ、次いで、第2の構成に展開して、隣接する棘突起間の所定位置にスペーサを維持することができる。
【0005】
加えて、現行の棘突起間スペーサは通常、例えば、チタン又はチタン合金などの金属材料もしくはポリマーから作成される。しかしながら、骨折又はその他の損傷を受けた骨の一部の場合には、骨移植を利用して損傷区域を修復又は他の方法で治療することができる。米国だけでもおよそ50万の骨移植手技が毎年実施されており、骨損失を伴う骨折、癒合(脊椎又は関節用)による不動化を必要とする損傷又は他の症状、並びに傷害、感染、又は疾患に起因して存在する可能性がある他の骨欠損などの合併症に対する多様な医学的介入に対して行われる。骨移植は、体内の骨片の外科的移植術を伴い、一般に、人的源から収集された移植材料を使用することにより達成する。人体からの移植材料は、主として、例えば、別の種からの移植のような異種移植片の適用が制限されることに起因して利用されている。
【0006】
一部の整形外科手技は、他の人的源(通常は死体)から骨移植される同種移植片の使用を伴う。例えば、同種移植片は、宿主骨内に置かれ、宿主骨から成長した新しい骨組織を支持する下部構造として機能する。
【0007】
しかしながら、骨由来のスペーサを製造することは困難である。例えば、大腿骨(大腿部)、脛骨及び腓骨(脚部)、上腕骨(上腕)、橈骨及び尺骨(下腕)などの人体の種々の骨は、大きく異なる幾何形状を有する。これらの骨の長さの他に、各タイプの骨の断面形状並びに何れかの所与の骨のこの長さにわたる形状が異なる。従って、何れか所与の骨を用いたスペーサ又は該スペーサの構成要素の製作は、ドナー骨の寸法及び幾何形状と相関関係がある。しかしながら、骨の機械加工により、標準寸法又はカスタム寸法を有するスペーサ又はスペーサの構成要素の製造を可能にすることができる。
【0008】
従って、骨から製作され、低侵襲外科技術により側方挿入可能であり、位置決めされたときに棘突起間スペーサを所定位置に維持するよう展開可能にすることができる、安全で効果的な棘突起間スペーサを提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第11/198,393号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明は、全体的に棘突起間スペーサに関する。より具体的には、本発明は、展開可能な骨由来(例えば、同種移植片)の棘突起間スペーサ、並びに隣接する椎骨の棘突起間の棘突起間隙にスペーサを側方インプラントするための関連するシステム及び方法に関する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態は、隣接する椎骨の棘突起間の棘突起間隙にインプラントするための同種移植棘突起間スペーサに関する。スペーサは、好ましくは、本体、コア、及び複数の展開可能保持具を備える。使用時には、本体が棘突起間隙内に挿入された後、複数の保持具は、スペーサの移動を阻止するように展開される。コアは、本体と作動可能に係合されるように挿入及び/又は移動されて複数の保持具を展開するようなサイズ及び構成にされるのが好ましい。好ましくは、スペーサは骨から製作される。
【0012】
1つの例示的な実施形態において、棘突起間スペーサは、本体、コア、及び複数の展開可能保持具を備える。本体は、骨と接触する上面、骨と接触する底面、第1の側面、第2の側面、前端、後端、及び該後端から延びるボアを有する。複数の展開可能保持具が、本体の骨と接触する上面及び底面と作動可能に関連付けられる。コアは、上面、底面、第1の側面、第2の側面、前端及び後端を有する。該コアは、本体内に形成されたボア内部に滑動可能に受けることができる。使用時には、本体は、第1の挿入構成にある複数の保持具を用いて棘突起間隙内にインプラントするようなサイズ及び構成にされる。次いで、コアは、本体内に形成されたボア内に挿入され、これにより保持具は第2の展開構成に展開されるようになり、該保持具は、本体の骨と接触する上面及び底面からそれぞれ延びて棘突起に隣接し、スペーサの位置を維持する用にする。スペーサは、骨から製作されるのが好ましい。
【0013】
別の例示的な実施形態において、コアは、本体が棘突起間隙内に挿入される前に、本体内に形成されたボアに予め挿入することができる。この実施形態では、コアは第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、第1の位置において複数の保持具が第1の挿入構成にあり、第2の位置において複数の保持具が第2の展開構成にある。例えば、コアは、コアの上面及び底面から延びる1つ又はそれ以上の凹部を有し、第1の位置において保持具上に形成された突起部がコア内に形成された凹部と整列するようにすることができる。その後、コアの第2の位置への移動によって、該コアが保持具上に形成された突起部と接触し、これにより保持具を第2の展開構成に展開するようになる。
【0014】
複数の展開可能保持具は、好ましくは、骨と接触する上面及び底面の少なくとも一部を脱灰し、該接触する上面及び下面の端部が骨と接触する上面及び底面の中央部分に対して移動可能であるようにする。或いは、展開可能保持具は、1つ又はそれ以上のピンにより結合され、保持具が本体にヒンジ結合されるようにすることができる。
上述の要約並びに本出願の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付図面を参照しながら読むとより理解されるであろう。本出願の棘突起間スペーサを例示する目的で、図面には好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本出願は、図示の厳密な配置及び手段に限定されない点は理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】スペーサが第2の展開構成で示された、本発明による棘突起間スペーサの第1の好ましい実施形態の斜視側面図である。
【図1B】図1Aの線1B−1Bから見た、図1Aに示す棘突起間スペーサの断面図である。
【図2】スペーサの本体部材内に挿入されているスペーサのコア部材を示す、図1Aに示した棘突起間スペーサの部分拡大図である。
【図3】本体部材に挿入可能な第2の好ましいコア部材を有する、図1Aの棘突起間スペーサの部分拡大図である。
【図3A】図3に示す棘突起間スペーサのコアに組み込まれたコアロック機構の詳細図である。
【図4】図1Aに示す棘突起間スペーサの本体組立体の拡大図である。
【図5】本体が本体挿入器具と嵌合する係合特徴部を組み込んだ、図1Aに示す棘突起間スペーサの本体組立体の斜視側面図である。
【図6】本体が例示的な本体挿入器具に結合された、図5に示す本体組立体の部分斜視側面図である。
【図7】図5に示す本体組立体に結合する、図6に示す本体挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図8】図5に示す本体組立体に結合する、図6に示す本体挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図9】図5に示す本体組立体に結合する、図6に示す本体挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図10】コアがコア挿入器具と嵌合する係合特徴部を組み込んだ、図1Aに示す棘突起間スペーサのコア組立体の斜視側面図である。
【図11】例示的なコア挿入器具に結合された、図10に示すコアの部分斜視側面図である。
【図12】図10に示すコアに結合された、図11に示すコア挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図13】図10に示すコアに結合された、図11に示すコア挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図14】図10に示すコアに結合された、図11に示すコア挿入器具の詳細な斜視側面図である。
【図15】スペーサが第1の挿入構成で示された、本発明による棘突起間スペーサの第2の好ましい実施形態の斜視側面図である。
【図16】図15の線16−16から見た、図15に示す棘突起間スペーサの断面図である。
【図17】スペーサが第2の展開構成で示された、図15に示す棘突起間スペーサの斜視側面図である。
【図18】図17の線18−18から見た、図17に示す棘突起間スペーサの断面図である。
【図19】図25に示すスペーサの拡大図である。
【図20】図15に示す棘突起間スペーサと共に使用するための挿入器具の斜視側面図である。
【図21】図20に示す挿入器具の遠位端の詳細図である。
【図22】図20に示す挿入器具の遠位端の分解図である。
【図23】図20に示す挿入器具の近位端の分解図である。
【図24】挿入器具が図15に示すスペーサに結合され該スペーサを展開している、図20に示す挿入器具の詳細な斜視図である。
【図25】挿入器具が図15に示すスペーサに結合され該スペーサを展開している、図20に示す挿入器具の詳細な斜視図である。
【図26】挿入器具が図15に示すスペーサに結合され該スペーサを展開している、図20に示す挿入器具の詳細な斜視図である。
【図27】スペーサが第1の挿入構成で示された、本発明による棘突起間スペーサの第3の好ましい実施形態の斜視側面図である。
【図28】スペーサが第2の展開構成で示された、図27に示す棘突起間スペーサの斜視側面図である。
【図29】図27に示すスペーサの分解図である。
【図30】スペーサが第1の挿入構成で示された、本発明による棘突起間スペーサの第4の好ましい実施形態の上面斜視図である。
【図31】スペーサが第2の展開構成で示された、図30に示す棘突起間スペーサの上面斜視図である。
【図32】図30に示すスペーサの分解図である。
【図33】スペーサが第2の展開構成で示された、本発明による棘突起間スペーサの第5の好ましい実施形態の斜視図である。
【図34】本体部材内に挿入されているスペーサのコア部材を示す、図33に示したスペーサの部分分解斜視側面図である。
【図35】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図36】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図37】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図38】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図39】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図40】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図41】図15に示す棘突起間スペーサをインプラントする1つの例示的な方法のステップを示す斜視側面図である。
【図42】図15及び27に示すスペーサと共に用いることができるコア部材の代替の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明では、単に便宜上の目的で特定の専門用語を使用しており、これらは限定的なものではない。用語「右」、「左」、「下側」、「上側」は、参照する図面での方向を示すものである。用語「内向き」又は「遠位」及び「外向き」又は「近位」は、棘突起間スペーサ及びその関連部品の幾何学的中心に向かう方向及びこれから離れる方向をそれぞれ意味する。用語「前部」、「後部」、「上位」、「下位」、「側方」並びに関連する用語及び/又は語句は、参照する人体の好ましい位置及び方向を示すものであり、限定を意味するものではない。専門用語には、上に掲載した用語、その派生語及び同様の重要な用語が含まれる。
【0017】
次に、図面を参照しながら本発明の幾つかの例示的な実施形態を説明する。一般に、このような実施形態は、非限定的な例証として棘突起間スペーサ100、300、500、600、700の第1、第2、第3、第4、及び第5の好ましい実施形態である、すなわち、隣接する棘突起Sp間の棘突起間隙に挿入する棘突起間スペーサ100、300、500、600、700に関する。本出願は、他の応用及び用途を有することができ、記載され図示された構造又は用途に限定されるものではない。
【0018】
以下でより詳細に説明するように、棘突起間スペーサ100、300、500、600、700は、好ましくは、本体部材110、310、510、610、710と、コア180、180’、380、380’、580、680、780と、複数の展開可能保持具150、350、550、650、750とを含む。本体部材110、310、510、610、710は、複数の展開可能保持具150、350、550、650、750と作動可能に関連付けることができる。本体部材110、310、510、610、710は、隣接する上椎骨及び下椎骨Vの棘突起Sp間に位置付けられた棘突起間隙へのインプラントに合わせたサイズ及び構成にされる。使用時には、本体部材110、310、510、610、710を隣接する棘突起Sp間の棘突起間隙に挿入した後、複数の保持具150、350、550、650、750は、本体110、310、510、610、710から延びて隣接する棘突起Spの側部に接触し、スペーサ100、300、500、600、700の移動を阻止するように展開することができる。コア180、180’、380、380’、580、680、780は、好ましくは、挿入及び/又は移動されて本体110、310、510、610、710と作動可能に係合し、以下でより詳細に説明するように複数の保持具150、350、550、650、750を展開させるようなサイズ及び構成にされる。
【0019】
図1Aから14を参照すると、棘突起間スペーサ100の第1の好ましい実施形態は、本体部材110及びコア180を含む。本体部材110は、複数の展開可能保持具150と作動可能に関連付けられ、コア180を受けるためのボア125を有する。
【0020】
本体110、保持具150及びコア180を含む棘突起間スペーサ100は、別途記載のない限り骨(例えば、同種移植骨)として記載するものとし、好ましくは骨から製作される。棘突起間スペーサ100を骨から製作することにより、隣接する棘突起Spの1つ又は両方へのスペーサ100の癒合を容易にすることができる。しかしながら、第1の好ましい棘突起間スペーサ100の1つ又はそれ以上の構成要素は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、2つ又はそれ以上の金属合金)、又は例えばPEEKなどのポリマー、プラスチック、ゴム、セラミック、或いは、複合材料(すなわち、2つ又はそれ以上の材料から構成される)といった別の生体適合性材料から製作できることは想定される。使用する材料に応じて、スペーサ100は、外科医が患者の解剖学的構造に対して本体110又は他の構成要素を適切に整列するのを支援するために、1つ又はそれ以上のX線不透過性マーカーを導入することができる。
【0021】
本体110の第1の好ましい実施形態は、例えば、脊柱管狭窄の治療のため隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けるようなサイズ及び構成にされる。本体110は、骨と接触する上面112、骨と接触する底面114、第1の側面116、第2の側面118、前端120、及び後端122を含む。本体110は、例えば、円形、多角形、正方形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、本体110は、ほぼ低侵襲性の切開によって棘突起間隙に挿入できるような長円形状を有する。骨と接触する上面及び底面112、114は、滑らかであっても又は粗形(例えば、鋸歯状又は隆起状)であってもよく、及び/又は平坦であっても又は全体的に図示されるように丸み(すなわち、円筒形)があってもよい。或いは、骨と接触する上面及び底面112、114は、隣接する棘突起Spを受けてこれと嵌合し、本体110を隣接する棘突起Spに対して好ましい向きに位置決めするためのノッチ又はトラフ(一般的には座部(図示せず)と呼ばれる)を含むことができる。後端122は、以下でより詳細に説明するように、隣接する棘突起Sp間に本体110を挿入するための本体挿入器具200と嵌合させる1つ又はそれ以上の係合特徴部123を含むのが好ましい。本体110は更に、以下で明らかになる理由から、コア180を受けるため後端122から延びたボア125を含む。ボア125は、本体110を通って前端120まで部分的に又は完全に延びることができる。
【0022】
コア180は、本体110内に形成されたボア125に挿入できるようなサイズ及び構成にされる。コア180は、上面182、底面184、第1の側面186、第2の側面188、前端190、及び後端192を含む。コア180は、例えば、円形、多角形、正方形、その他の何れかの形状とすることができる。後端192は、以下でより詳細に説明するように、本体110内に形成されたボア125にコア180を挿入するためのコア挿入器具250と嵌合させる1つ又はそれ以上の係合特徴部193を含むのが好ましい。
【0023】
本体110及び/又はコア180は、単一の骨片から機械加工することができ、或いは、例えば、ダブテール、ピン、対向するテーパーロック、同種移植溶接、その他などの取付機構を介して互いに接続された複数の骨片から機械加工することができる。図4を参照すると、例えば、第1の好ましい実施形態の本体110は、上部分110a、下部分110b、左上側部110c、左下側部110d、右上側部110e、右下側部110fを含む、全部で6つの部分から製作することができるが、本体110は、限定ではないが、2つ、3つ、4つ、7つ、8つ、その他を含む、これよりも多いか又は少ない部分から製作してもよい点は想定される。種々の部分は、相互連結する突起部110g及び/又は凹部110hを介して相互に接続されるのが好ましく、突起部110g及び/又は凹部110hは、互いに接着接合、同種移植溶接、又は他の方法で固定することができる。図3に全体的に例示するように、コア180は、上部分180a及び下部分180bを含む、2つの部分から製作することができるが、コア180は、限定ではないが、1つ、3つ、4つ、その他の部分を含む、より多くの又はより少ない部分から製作してもよい。
【0024】
図1から14を参照すると、本体110は、隣接する棘突起Sp間のスペーサ100の固定を支援するために、骨と接触する上面及び底面112、114の両方に展開可能保持具150を含むのが好ましい。展開可能保持具150は、好ましくは、骨と接触する上面及び底面112、114の少なくとも一部を脱灰して上部分110a及び下部分110bの厚みにし、該上部分110a及び下部分110bが中央部113と可撓性の展開可能保持具150との間でヒンジ152を含むようにすることによって製作される。第1の好ましい実施形態のヒンジ152は、中央部分113から保持具150を分離し、且つ該保持具152が中央部分113に対して移動(好ましくは枢動)可能にするリビングヒンジであるのが好ましい。脱灰プロセスは、スペーサ100と隣接する棘突起Spとの間の癒合を促進すると考えられるので、本体110及び保持具150を含む棘突起間スペーサ100は、ある程度のレベルまで脱灰することができる。しかしながら、保持具150が第1の挿入位置と第2の展開位置との間で撓むことができる程度まで可撓性にするように、ヒンジ152だけを十分に脱灰させることが想定される。或いは、ヒンジ152のみ、又は本体110の骨と接触する上面及び底面112、114全体を脱灰プロセスパラメータ(脱灰時間、酸濃度、マスク使用、その他)に基づいて脱灰すなわち可撓性にしてもよいことは想定される。ヒンジ152を十分に脱灰してこれらを可撓性にすることにより、保持具150は、中央部分113に対して移動可能及び/又は枢動可能になる。このようにして、展開可能保持具150が上部分110a及び下部分110bと一体的に形成され、第1の挿入位置(図2及び3に全体的に示される)にある保持具150を用いて、本体110を棘突起間隙に挿入できるようになる。本体110が棘突起間隙内に位置決めされると、保持具150は、第2の展開位置(図1A及び1Bに全体的に示される)に展開され、スペーサ100の移動が阻止される(すなわち、患者の棘突起Spに対する棘突起間スペーサ100の移動を制限する)。展開位置において、保持具150は、好ましくは骨と接触する上面及び底面112、114から延びて、間に棘突起間スペーサ100が位置付けられる骨と接触する上面及び底面112、114の何れかの側部上に配置される。
【0025】
より好ましくは、保持具150は、スペーサ100の本体110内に形成されたボア125にコア180を挿入することにより展開される。すなわち、図1B、2、及び3に最もよく示されるように、保持具150の各々は、本体110のボア125に突出する突起部154を含み、コア180をボア125に挿入することにより突起部154に接触させ、該突起部をボア125から外に半径方向に移動させるようになり、その結果、保持具150がその第1の挿入構成から第2の展開構成に移行するようにする。
【0026】
図3及び3Aを参照すると、コア180’の第2の例示的な実施形態は、コア180の第1の例示的な実施形態と実質的に同一であるが、第2の例示的なコア180’は、最終位置のコア180’を本体110に対して固定するためのコアロック機構を含む。例えば、コア180’の上面及び底面182’、184’は、突起部154の脚部154aと嵌合するための凹部195’を含むことができる。突起部154から延びる脚部154aは、好ましくは、本体110に形成されたボア125内にコア180’が挿入されると、脚部154aの1つ又はそれ以上がコア180’内に形成される凹部195’の1つ又はそれ以上と嵌合し、本体110に対してコア180’から出て戻るのを制限又は阻止するようなサイズ又は構成にされる。或いは、例えば、コア180’を本体110に接続する役割を果たす滑動ダブテール特徴部(図示せず)のような、現時点又は今後当該技術分野で公知の他の何れかのロック機構を用いることができる。スペーサ100は、コア180と本体110の間、又はコア180と保持具150の間、もしくは両方のロック接続器を含むことができる。
【0027】
図5から9を参照すると、本体110は、好ましくは、本体挿入器具200に結合するための係合特徴部123を含む。係合特徴部123は、このような目的で現時点又は今後公知の何れかの特徴部及び/又は要素とすることができる。好ましくは、係合特徴部123は、後端122に隣接する第1及び第2の側面116、118の周りに円周方向に延びる溝から構成され、本体挿入器具200から延びる複数のフィンガ215を係合するようにする。より具体的には、本体挿入器具200は、好ましくは、内側スリーブ210及び外側スリーブ220を含み、該内側スリーブ210は外側スリーブ220内で移動可能に関連付けられる。内側スリーブ210の遠位端は、本体110の後端122上に形成される係合特徴部123を係合するための複数のフィンガ215を含む。複数のフィンガ215は、好ましくは、保持具150と界接することなく本体110を係合して、以下でより詳細に説明するように本体110内に形成されたボア125にコア180を挿入することができ、本体挿入器具200が本体110を係合する間は保持具150を展開することができるようにする。内側スリーブ210のフィンガ215内に本体110が位置付けられると、外側スリーブ220は、内側スリーブ210に対して遠位方向に移動されるのが好ましい。内側スリーブ210に対する外側スリーブ220の遠位方向の移動により、内側スリーブ210上に形成されたフィンガ215が半径方向に延びる(例えば、離れて広がる)のが阻止され、これにより、本体挿入器具200から本体110が取り出されるのが阻止される。
【0028】
同様に図10〜14を参照すると、コア180は、コア挿入器具250に結合するための係合特徴部193を含むのが好ましい。係合特徴部193は、例えば、ネジ穴を螺着可能に係合するためのネジ付き接続装置、ボール止めを受けるための溝、その他を含む、このような目的において現時点又は今後公知の何れかの特徴部及び/又は要素とすることができる。好ましくは、係合特徴部193は、コア挿入器具250から延びる複数のフィンガ265を係合するため、後端192に隣接する上面及び底面182、184内に形成された凹部のペアから構成される。より具体的には、コア挿入器具250は、内側スリーブ260及び外側スリーブ270を含むのが好ましく、該内側スリーブ260は、外側スリーブ270と移動可能に関連付けられる。内側スリーブ260の遠位端は、コア180の後端192上に形成された凹部193を係合するため複数のフィンガ265を含む。コア180が、内側スリーブ260のフィンガ265内に位置付けられると、外側スリーブ270は、内側スリーブ260に対して遠位方向に移動されるのが好ましい。内側スリーブ260に対する外側スリーブ270の遠位方向への移動により、内側スリーブ260上に形成されたフィンガ265が半径方向に延びる(例えば、離れて広がる)のが阻止され、これによりコア挿入器具250からコア180が取り出されるのが阻止される。
【0029】
使用時には、コア挿入器具250及びコア180は、本体挿入器具200内に形成されたカニューレ挿入ボアを通して挿入するようなサイズ及び構成にされ、その結果、外科医が、本体挿入器具200内に形成されたカニューレ挿入ボアを通して本体110内に形成されたボア125内に挿入し、これにより、保持具150をその第1の挿入構成から、棘突起Spに隣接する第2の展開構成に展開することができるようになる。
【0030】
図15から19を参照すると、棘突起間スペーサ300の第2の好ましい実施形態は、本体部材310及びコア380を含む。本体部材310は、複数の展開可能な保持具350に動作可能に関連付けられ、コア380を受けるためのボア325を有する。第2の好ましい棘突起間スペーサ300は、上述の第1の好ましい棘突起間スペーサ100と同様であり、従って、同じ参照符号を利用して同様の又は同じ構成要素を説明し、この説明は、第1の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100とは区別される第2の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300の特定の特徴部に焦点を当てることにする。
【0031】
第2の好ましい実施形態の本体310は、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けるようなサイズ及び構成にされる。本体310は、骨と接触する上面312、骨と接触する底面314、第1の側面316、第2の側面318、前端320、及び後端322を含む。本体310は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、本体310は長円形状を有する。後端322は、以下でより詳細に説明するように、隣接する棘突起Sp間にスペーサ300を挿入するための挿入器具400と嵌合する1つ又はそれ以上の係合特徴部323を含むのが好ましい。本体310は更に、後端322から延びるボア325を含む。ボア325は、本体310を通って前端320まで部分的に又は完全に延びることができる。
【0032】
コア380は、本体310内に形成されたボア325内に挿入できるようなサイズ及び構成にされる。コア380は、上面382、底面384、第1の側面386、第2の側面388、前端390、及び後端392を含む。コア380は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、コア380は長円形状を有する。
【0033】
本体310及び/又はコア380は、単一の骨片から機械加工することができ、或いは、例えば、ダブテール、ピン、対向するテーパーロック、同種移植溶接、その他などの取付機構を介して互いに接続された複数の骨片から機械加工することができる。図19を参照すると、例えば、本体310は、上部分310a、下部分310b、左側部310c、及び右側部310dを含む、全部で4つの部分から製作することができるが、本体310は、限定ではないが、2つ、3つ、5つ、6つ、その他を含む、これよりも多いか又は少ない部分から製作してもよい点は想定される。種々の部分は、相互連結する突起部310g及び/又は凹部310hを介して相互接続されるのが好ましく、突起部310g及び/又は凹部310hは、互いに接着接合、締結、又は他の方法で固定して本体310を形成することができる。全体的に図示するように、コア380は、1つの部分から製作することができるが、コア380は、限定ではないが、2つ、3つ、4つ、その他の部分を含む、より多くの部分から製作してもよい。
【0034】
図15から19を参照すると、本体310は、隣接する棘突起Sp間のスペーサ300の固定を支援するために、中央部分313から延びる展開可能保持具350を含むのが好ましい。脱灰プロセスは、スペーサ300と隣接する棘突起Spとの間の癒合を促進すると考えられるので、本体310及び保持具350を含む棘突起間スペーサ300は、ある程度のレベルまで脱灰することができる。しかしながら、中央部分313と保持具350との間のヒンジ352だけが十分に脱灰を受けてこれらを可撓性にし、或いはヒンジ352においてリビングヒンジを形成するようにすることが想定される。或いは、ヒンジ352のみ、又は本体310の骨と接触する上面及び底面312、314全体を脱灰プロセスパラメータ(脱灰時間、酸濃度、マスク使用、その他)に基づいて脱灰すなわち可撓性にしてもよいことは想定される。ヒンジ352を十分に脱灰してこれらを可撓性にすることにより、骨と接触する上面及び底面312、314の前端及び後端は、中央部分313に対して移動可能及び/又は枢動可能になる。このようにして、展開可能保持具350が骨と接触する上面及び底面312、314と一体的に形成され、第1の挿入位置(図15及び16に全体的に示される)にある保持具350を用いて、本体310を棘突起間隙に挿入できるようになる。本体310が棘突起間隙内に位置決めされると、保持具350は、第2の展開位置(図17及び18に全体的に示される)に展開され、スペーサ300の移動が阻止される(すなわち、患者の棘突起Spに対する棘突起間スペーサ300の移動を制限する)。展開位置において、保持具350は、好ましくは骨と接触する上面及び底面312、314から延びて、間に棘突起間スペーサ300が位置付けられる棘突起Spの何れかの側部上に配置される。
【0035】
棘突起間スペーサ300の第2の好ましい実施形態は、本体310及びコア380を製造時に予組み立てし、これによりコア380を本体310内に形成されたボア325に外科医が現場で挿入する(すなわち、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間に本体を挿入した後に)必要性を排除できるよう設計され構成されるのが好ましい。このことは、コア380に凹部のペア383、385を組み込むことにより達成することができる。凹部383、385は、後端392に隣接する上面及び底面383、384からそれぞれ延びるのが好ましく、第1の挿入位置の保持具350を用いて製造者がコア380を本体310内に挿入できるようになる。加えて、コア380の前端390は、コア380が出荷用にボア325内に最初に位置付けられたときに、本体310の前端320に隣接する保持具350から延びる突起部354に接触しないようなサイズにされ構成されるのが好ましい。或いは、コア380は、本体310の前端320に隣接する突起部354と整列させるための凹部(図示せず)の追加のペアを含むことができる。このようにして、コア380は、第1の位置にある状態で本体310内に受けることができ、本体310は第1の挿入構成に留まることができる。
【0036】
或いは、本体310及びコア380は、コア310及び本体380を予組み立てすることができる他の構成をとることもできる。例えば、図42を参照すると、コア380’は、前端320に隣接する保持具350上に形成された突起部354に接触する第1のコア部分380a’と、後端322に隣接する保持具350上に形成された突起部354に接触する第2のコア部分380b’とを含むことができる。第1及び第2のコア部分380a’、380b’は、本体310を第1の挿入構成に維持した状態で該第1の挿入構成で本体310に結合されるようなサイズ及び構成にされるのが好ましい。第1及び第2のコア部分380a’、380b’は、中間コア部分380c’を介して互いに結合することができる。
【0037】
使用時には、保持具350は、本体310の後端322に隣接する保持具350がコア380内に形成された凹部383、385と整列される第1の位置(図15及び16に全体的に示すような)から、コア380が突起部354に接触して保持具350を展開する第2の展開位置(図17及び18に全体的に示す)までコア380を移動させることにより展開される。すなわち、図16に最もよく示されるように、展開可能保持具350の各々は、第1の挿入構成で本体310のボア325に突出する突起部354を含み、後端322に隣接する保持具350上に形成された突起部354は、コア380内に形成された凹部383、385と整列される。その後、コア380を第1の位置から第2の位置に遠位方向に移動させることにより、コア380が突起部3545と接触するようになり、その結果、保持具350が第1の挿入構成から第2の展開構成に移動するようになる。
【0038】
加えて、コア380は、棘突起間スペーサ100に関連して上記で説明したように、本体310に対してコア380の最終位置を固定するためのコアロック機構(図示せず)を含むことができる。
【0039】
図15、20〜26、及び38を参照すると、本体310は、挿入器具400に結合するための係合特徴部323を含むのが好ましい。係合特徴部323は、このような目的で現時点又は今後公知の何れかの特徴部及び/又は要素とすることができる。好ましくは、係合特徴部323は、挿入器具400から延びる複数のフィンガ415を係合するため、後端322に隣接する第1及び第2の側面316、318の周りに円周方向に延びる溝から構成される。より具体的には、挿入器具400は、外側カニューレ挿入シャフト410を含むのが好ましい。シャフト410は、当該技術分野で公知の何れかの形状を有することができる。しかしながら、シャフト410は、棘突起間スペーサ300の長円形状に一致し、以下でより詳細に説明するように、挿入スリーブ1200に対してスペーサ300の配向及び挿入を容易にするために長円形状を有するのが好ましい。シャフト410は、遠位端412及び近位端414を含む。シャフト410の遠位端412は、スペーサ300を確実に保持するために本体310の後端322に形成された係合特徴部323(すなわち溝)と相互連結する可撓アーム415のペアを含む。
【0040】
加えて、シャフト410の遠位端412は、プランジャ425と、ダウエルピン430のペアとを含む。好ましくは、プランジャ425はネジ付きにされるよう設計されるが、シャフト410内に滑動可能に配置されてもよい点は想定される。プランジャ425は、近位端に位置するネジ付き部分426と、中間テーパーセクション427と、遠位押し付け面428とを含むのが好ましい。使用時には、プランジャ425は、コア380をその第1の位置(図15及び16に示す)から第2の位置(図17及び18に示す)まで移動させ(すなわち押し出す)、これにより保持具350を展開する。加えて、プランジャ425は、挿入器具400から本体310を解放し、器具400を手術部位から取り外し、スペーサ300を所定位置に残すようにすることができる。
【0041】
図24〜26を参照すると、ネジ付きプランジャ425を導入することによって、プランジャ425の時計回りの回転により、初期位置(図24に全体的に示す)からスペーサ300に向けて遠位方向にプランジャ425が進み、最終的には該プランジャ425がコア380の後端392(図25に全体的に示す)に接触するようにする。プランジャ425が更に進むと、コア380が第2の位置まで押され、保持具350を展開する(図26に全体的に示す)。コア380が第2の位置に押されると同時に、テーパーセクション427がダウエルピン430に接触し、プランジャ425が更に進むことにより半径方向外向きにダウエルピン430を押し出して、可撓アーム415を離れる方向に広げ、スペーサ300を解放するようにする。
【0042】
図23を参照すると、挿入器具400の近位端414は、バネ430、第2のプランジャ432、キャップ434、及び複数のボール軸受436を含むのが好ましい。バネ430及び第2のプランジャ432は、第2のプランジャ432が自由状態にあるときに、ボール軸受436が器具400の長手方向軸線から対向する半径方向外向きに押され、シャフト410の外側表面を超えて突出させるように設計される。しかしながら、第2のプランジャ432が遠位方向に押されると、バネが圧縮され、ボール軸受436が第2のプランジャ432内に形成された溝433内に入ることができるようになる。キャップ434は外科医の把持面を提供する。キャップ434のサイズ及び形状は、図に示すものよりも更に「ハンドル様」の面を生成するよう修正することができる。キャップ434はまた、構成要素を所定位置に保持する役割を果たす。これにより、挿入器具400を適切な挿入スリーブ1200に機械的に結合してスペーサ300の位置をロック可能にし、更に挿入スリーブ1200及び挿入器具400を単一ユニットとして手術部位から取り外すことを可能にする保持機構がもたらされる。或いは、挿入器具400は、例えば、スリーブ1200を係合するクランプアームを有するネジ付きナット、スリーブ1200を係合するためキャップから延びる突起部、その他を含む、挿入スリーブ1200に挿入器具400を結合するため現時点又は今後公知の他の何れかの保持機構を含むことができる。
【0043】
図27〜29を参照すると、棘突起間スペーサ500の第3の好ましい実施形態は、本体部材510及びコア580を含む。本体部材510は、好ましくは、複数の展開可能保持具550に作動可能に関連付けられ、コア580を受けるためのボア525を有する。第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ500は、上述の第2の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300と同様であり、従って、同じ参照符号を利用して同様の又は同じ構成要素を説明し、この説明は、棘突起間スペーサ300とは区別される棘突起間スペーサ500の特定の特徴部に焦点を当てることにする。
【0044】
本体510は、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けるようなサイズ及び構成にされるのが好ましい。本体510は、骨と接触する上面512、骨と接触する底面514、第1の側面516、第2の側面518、前端320、及び後端322を含む。本体510は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、本体510は長円形状を有する。後端322は、隣接する棘突起Sp間にスペーサ500を挿入するための挿入器具(上述のような挿入器具400)と嵌合する1つ又はそれ以上の係合特徴部(上述のような係合特徴部又は溝323)を含むのが好ましい。本体510は更に、後端322から延びるボア525を含む。ボア525は、本体510を通って前端520まで部分的に又は完全に延びることができる。本体510は、隣接する棘突起Sp間にスペーサ500を挿入するのを支援する展開可能保持具550を含むのが好ましい。
【0045】
コア580は、本体510内に形成されたボア525に挿入できるようなサイズ及び構成にされるのが好ましい。コア580は、上面582、底面584、第1の側面586、第2の側面588、前端590、及び後端592を含む。コア580は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、コア580は長円形状を有する。
【0046】
本体510及び/又はコア580は、単一の骨片から機械加工することができ、或いは、例えば、ダブテール、ピン、対向するテーパーロック、同種移植溶接、その他などの取付機構を介して互いに接続された複数の骨片から機械加工することができ、骨片は更に、共に接合又は締結して本体510及び/又はコア580を形成することができる。図29を参照すると、例えば、本体510は、骨と接触する上部分510a、第1の上部保持具510b、第2の上部保持具510c、骨と接触する低部分510d、第3の底部保持具510e、第4の底部保持具510f、左側部510g、及び右側部510hを含む、全部で8つの部分から製作することができるが、本体510は、限定ではないが、より多くの又はより少ない部分から製作してもよい。以下でより詳細に説明するように、骨と接触する上部分及び低部分510a、510dは、骨ピン510xを介して第1、第2、第3、及び第4の保持具510b、510c、510e、510fに相互接続することができる。残りの種々の部分は、突起部及び凹部を相互連結することによって相互接続されるのが好ましい。コア580は1つの部分から作成することができるが、より多くの部分から構成されてもよい。脱灰プロセスは、スペーサ500と隣接する棘突起Spとの間の癒合を促進すると考えられるので、1つの例示的な実施形態において、第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ500は、ある程度のレベルまで脱灰することができる。
【0047】
第3の好ましい実施形態である棘突起間スペーサ500は、展開可能保持具550が本体510にヒンジ結合されるように骨ピン510xを介して本体510に結合されて、これにより保持具550が枢動できるように設計され構成されるのが好ましい。このようにして、スペーサ500は、第1の挿入位置(図27に全体的に示す)にある保持具550を用いて隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に挿入することができる。棘突起間隙に位置付けられると、保持具550は、第2の展開位置(図28に全体的に示す)に展開可能であり、スペーサ500の移動が阻止される(すなわち、患者の棘突起Spに対する棘突起間スペーサ500の移動を制限する)。展開位置において、保持具550は、好ましくは骨と接触する上面及び底面512、514から延びて、間に棘突起間スペーサ500が位置付けられる棘突起Spの何れかの側部上に配置される。保持具550は、スペーサ500の再位置決め又は取り外しのために外科医が「展開解除」することもできる。換言すると、保持具550は、第2の展開位置から第1の挿入構成まで移動可能であり、スペーサ500を棘突起間隙から再位置決め又は取り外すことができるようになる。実施形態の各々の保持具150、350、550、650、750は、同様にして「展開解除」することができる。
【0048】
第2の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300と同様に、第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ500は、本体510及びコア580を製造時に予組み立てし、これによりコア580を本体510内に形成されたボア525に外科医が現場で挿入する(すなわち、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間に本体510を挿入した後に)必要性を排除できるよう設計され構成される。
【0049】
図30から32を参照すると、第4の好ましい実施形態である棘突起間スペーサ600は、本体部材610及びコア680を含む。本体部材610は、複数の展開可能保持具650と作動可能に関連付けられ、コア680を受けるためのボア625を有する。第4の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ600は、第2及び第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300、500と同様であり、従って、同様の参照符号を利用して同様の又は同じ構成要素を説明し、この説明は、第2及び第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300、500とは区別される第4の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ600の特定の特徴部に焦点を当てることにする。
【0050】
第4の好ましい実施形態の本体610は、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けるようなサイズ及び構成にされる。本体610は、骨と接触する上面612、骨と接触する底面614、第1の側面616、第2の側面618、前端620、及び後端622を含む。本体610は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、本体610は長円形状を有する。後端622は、隣接する棘突起Sp間にスペーサ600を挿入するため挿入器具(上述の第2の好ましい実施形態の挿入器具400など)と嵌合する1つ又はそれ以上の係合特徴部(上述の第2の好ましい実施形態の係合特徴部又は溝323など)を含むのが好ましい。本体610は更に、後端622から延びるボア625を含む。ボア625は、本体610を通って前端620まで部分的に又は完全に延びることができる。
【0051】
本体610は、隣接する棘突起Sp間にスペーサ600を挿入するのを支援する展開可能保持具650を含むのが好ましい。
【0052】
コア680は、本体610内に形成されたボア625に挿入できるようなサイズ及び構成にされる。コア680は、上面682、底面684、第1の側面686、第2の側面688、前端690、及び後端692を含む。コア680は、円形、多角形、矩形、その他の何れかの形状とすることができる。
【0053】
本体610及び/又はコア680は、単一の骨片から機械加工することができ、或いは、例えば、ダブテール、ピン、対向するテーパーロック、同種移植溶接、その他などの取付機構を介して互いに接続された複数の骨片から機械加工することができる。図32を参照すると、例えば、本体610は、骨と接触する上部分610a、第1の上部保持具610b、第2の上部保持具610c、骨と接触する低部分610d、第3の底部保持具610e、第4の底部保持具610f、左側部610g、及び右側部610hを含む、全部で8つの部分から製作することができるが、本体610は、より多くの又はより少ない部分から製作してもよい。以下でより詳細に説明するように、左側部610g及び右側部610hは、骨ピン610xを介して骨と接触する上部分及び低部分610a、610dに接続することができる。左側部610g及び右側部610hは、突起部610i及び凹部610jを相互接続することによって第1、第2、第3、及び第4の保持具610b、610c、610e、610fに接続することができる。加えて、第1、第2、第3、及び第4の保持具610b、610c、610e、610fは、突起部610k及び孔610lを相互接続することによりコアに相互接続することができる。
【0054】
コア680は1つの部分から構成することができるが、より多くの部分から構成されてもよい。脱灰プロセスは、スペーサ600と隣接する棘突起Spとの間の癒合を促進すると考えられるので、1つの例示的な実施形態において、棘突起間スペーサ600は、ある程度のレベルまで脱灰することができる。
【0055】
第4の好ましい実施形態である棘突起間スペーサ600は、突起部と凹部610i、610j及び610k、610lそれぞれとを相互接続することにより展開可能保持具650が本体610に及びコア680に結合されるように設計され構成されるのが好ましく、その結果、保持具650が本体610及びコア680にヒンジ結合されるようになり、これにより保持具650は、第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ500の二重枢動方向と比べて、或いは、第2の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300のヒンジ352の脱灰と比べて、保持具650が1方向に枢動できるようになる。保持具650を1方向に枢動できるようにすることで、スリーブ1200を通じてスペーサ600を引き出す動作は、保持具650を第1の挿入位置にまで押して後退させる作用があるので、以下でより詳細に説明するように、必要であれば、挿入スリーブ1200を通じて棘突起間隙からスペーサ600を取り出すことが可能になる。従って、保持具650は、必要に応じてスペーサ600の再位置決め又は取り外しをするために外科医が展開解除することができる。換言すると、保持具650は、第2の展開位置から第1の挿入構成まで移動可能であり、スペーサ600を棘突起間隙から再位置決め又は取り外すことができるようになる。
【0056】
スペーサ600は、第1の挿入位置にある保持具650(図30に全体的に示す)を用いて隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に挿入することができる。棘突起間隙に位置付けられると、保持具650は、第2の展開位置(図31に全体的に示す)に展開可能であり、スペーサ600の移動が阻止される(すなわち、患者の棘突起Spに対する棘突起間スペーサ600の移動を制限する)。展開位置において、保持具650は、好ましくは骨と接触する上面及び底面612、614から延びて、間に棘突起間スペーサ600が位置付けられる棘突起Spの何れかの側部上に配置される。
【0057】
第2及び第3の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ300、500と同様に、棘突起間スペーサ600は、本体610及びコア680を製造時に予組み立てし、これによりコア680を本体610内に形成されたボア625に外科医が現場で挿入する(すなわち、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間に本体610を挿入した後に)必要性を排除できるよう設計され構成されるのが好ましい。
【0058】
図33及び34を参照すると、第5の好ましい実施形態である棘突起間スペーサ700は、本体部材710と、第1及び第2のコア部材780a、780bとを含む。この第5の好ましい実施形態において、第1及び第2のコア部材780a、780bは、展開可能保持具750a、750bの第1及び第2のペアそれぞれと一体的に形成され、及び/又はこれらを含む。本体部材710は、第1及び第2のコア部材780a、780bを受けるためのボア725を含む。第5の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ700は、第1の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100と同様であり、従って、同様の参照符号を利用して同様の又は同じ構成要素を説明し、この説明は、第1の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100とは区別される第5の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ700の特定の特徴部に焦点を当てることにする。
【0059】
第5の好ましい実施形態の本体710は、隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けるようなサイズ及び構成にされる。本体710は、骨と接触する上面712、骨と接触する底面714、第1の側面716、第2の側面718、前端720、及び後端722を含む。本体710は、例えば、円形、多角形、その他の何れかの形状とすることができる。好ましくは、本体710は長円形状を有する。後端722は、上述のような隣接する棘突起Sp間に本体部材710を挿入するための挿入器具(上述の挿入器具200など)と嵌合する1つ又はそれ以上の係合特徴部(係合特徴部又は溝323など)を含むのが好ましい。本体710は更に、後端722から延びるボア725を含む。ボア725は、本体710を通って前端720まで部分的に又は完全に延びることができる。
【0060】
第1及び第2のコア部材780a、780bは、本体710内に形成されたボア725に順次的に挿入されるようなサイズ及び構成にされる。第1及び第2のコア部材780a、780bは、展開可能保持具750a、750bの第1及び第2のペアをそれぞれ含む。展開可能保持具750a、750bの第1及び第2のペアは、本体710のボア725に挿入されたときに展開可能保持具750a、750bの第1及び第2のペアを展開できるように、例えば、ピン、ヒンジ、脱灰ヒンジ、その他によるなど現時点又は今後公知の何れかの機構により取り付けられるのが好ましい。使用時には、本体710は、第1の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100に関連して上述されたのと同様にして挿入される。すなわち、本体710が位置付けられると、第1及び第2のコア部材780a、780bが順次的に挿入され、その結果、第1のコア部材780a上に形成された保持具750aの第1のペアと、第2のコア部材780b上に形成された保持具750bの第2のペアとが隣接する棘突起Spの何れかの側部上の本体部材710を通って展開される(すなわち、半径方向に出る)ようになる。
【0061】
本体部材710は、第1のコア部材780aの展開可能保持具750aの第1のペアに接触し且つ展開する第1のランプ面(図示せず)を含むことができる。第1のコア部材780はまた、第2のコア部材780bの展開可能保持具750bの第2のペアに接触し且つ展開する第2のランプ面781を含むことができ、使用時には、本体部材710が隣接する棘突起Sp間の棘突起間隙内に位置付けられた後、外科医は、第1のコア部材780aをボア725に挿入し、次いで、第2のコア部材780bを挿入することができるようになる。2のコア部材780bの挿入により第1のコア部材780aを押し出して本体部材710内に形成されたランプ面と接触し、その結果、展開可能保持具750aの第1のペアが棘突起Spの第1の側部に隣接して展開されるようになる。加えて、第2のコア部材780bの挿入により、展開可能保持具750bの第2のペアが第1のコア部材780a上に形成されたランプ面781と接触するようになり、その結果、展開可能保持具750bの第2のペアが棘突起Spの第2の側部に隣接して展開されるようになる。或いは、外科医は、第1のコア部材780aを押し出し本体部材710内に形成されたランプ面と接触させることができ、その結果、展開可能保持具750aの第1のペアが棘突起Spの第1の側部に隣接して展開されるようになり、次いで、第2のコア部材780bは、第1のコア部材780a内に形成されたランプ面781と接触するまで挿入することができ、これにより展開可能保持具750bの第2のペアが棘突起Spの第2の側部に隣接して展開されるようになる。
【0062】
本体710及び/又は第1及び第2のコア部材780a、780bは、単一の骨片から機械加工することができ、或いは、例えば、ダブテール、ピン、対向するテーパーロック、同種移植溶接、その他などの取付機構を介して互いに接続された複数の骨片から機械加工することができる。脱灰プロセスは、スペーサ700と隣接する棘突起Spとの間の癒合を促進すると考えられるので、棘突起間スペーサ700は、ある程度のレベルまで脱灰することができる。
【0063】
図1A〜3、5〜9、15〜19、24〜28、30、31、33、34、及び41を参照すると、好ましい実施形態では、本体110、310、510、610、710は、骨と接触する上面及び底面112、114、312、314、512、514、612、614、712、714、並びに第1及び第2の側面116、118、316、318、516、518、616、618、716、718によって全体的に定められる外部境界面を含む。第1の挿入位置において、保持具150、350、550、650、750a、750bは、一般に、外部境界面1(図2、3、5〜9、15、24、25、27、30、34、39及び40)内に配置される。対照的に、第2の展開位置において、保持具150、350、550、650、750a、750bは、外部境界面1(図1A、1B、17、18、28、31、33、及び41)から及びこれを超えて延びる。具体的には、保持具150、350、550、650、750a、750bは、挿入スリーブ1200を通じて棘突起間スペーサ100、300、500、600、700をインプラントできるように外部境界面1内に位置付けられる。従って、保持具150、350、550、650、750a、750bは、第1の挿入位置において前端120、320、520、620、720及び/又は後端122、322、522、622、722の境界を超えて延びることができるが、保持具150、350、550、650、750a、750bは、好ましくは、第1の挿入位置において、骨と接触する上面及び底面112、114、312、314、512、514、612、614、712、714並びに第1及び第2の側面116、118、316、318、516、518、616、618、716、718 或いは外部境界面1の境界を超えないか、又は僅かしか超えない。しかしながら、保持具150、350、550、650、750a、750bは、好ましくは、第2の展開位置において外部境界面1を超えて延び、患者の体内にインプラントされたときに隣接する椎骨Vの棘突起Spに対して好ましい棘突起間スペーサ100、300、500、600、700を全体的に固定する。
【0064】
次に、図35〜41を参照し、第1から第5の好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100、300、500、600、700を隣接する椎骨Vの棘突起Sp間の棘突起間隙にインプラントする例示的な手技を説明する。例えば、ガイドワイヤ1000、拡張器1100、1102、挿入スリーブ1200、その他など、スペーサ100、300、500、600、700の挿入及び/又は取り外しのための種々の器具を用いることができる。更なる情報は、2005年8月5日に出願された、名称「Apparatus for Treating Spinal stenosis(脊柱管狭窄治療用装置)」の米国特許出願第11/198,393号で開示されており、その内容は引用により全体が本明細書に組み込まれる。以下で説明する器具は、スペーサ100、300、500、600、700と共に用いることができるが、本明細書に記載されたものの代わりにあらゆる数の器具を用いることができる点は、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0065】
好ましくは、棘突起間スペーサ100、300、500、600、700は、挿入スリーブ1200を用いて棘突起間隙への通路を提供する低侵襲側方アプローチによって挿入されるよう構成される。本体110、310、510、610、710は、最初に棘突起間隙内に挿入されるのが好ましい。本体110、310、510、610、710が位置付けられると、コア180、180’、380、380’、580、680、780は、本体110、310、510、610、710内に形成されたボア125、325、525、625、725内に挿入されるか、又は、その第1の位置から第2の位置に移動されて保持具150、350、550、650 、750を展開させるようにする。
【0066】
1つの例示的な実施形態において、側方アプローチを用いて、患者の体内に器具を挿入することができる。側方アプローチにおいて、器具は患者の側部を通って挿入される(例えば、経皮通路は棘突起Spに対して実質的に垂直に向けることができ、或いは、棘突起Sp間を通過する軸線と整列させることができる)。側方アプローチは一般に、回復時間をより短くすることができ、患者は、手術日のその日の内に退院することができる。他の手技では、身体への器具の挿入には後方−側方アプローチを用いていてもよい。
【0067】
側方手技を実施するためには、所望のレベルでの脊柱前弯の所望の量の低減(すなわち、棘突起間隙を広げる)をもたらすように位置付けることができる。これは、患者の胸部を水平方向に向けて(すなわち、患者の胸部を手術台の上に横たえる)、患者の脚を床に向けて傾けた状態で患者を腹臥位にすることによって達成することができる。ガイドワイヤを皮膚小切開に通して棘突起間隙(図35で全体的に示す)内に挿入することにより、側面図におけるスペーサ100、300、500、600、700の位置を予め決定することができる。このステップは、X線制御装置の助けにより実施することができる。ガイドワイヤ1000の先端は、スペーサ100、300、500、600、700の今後の位置を示すことができる。一部の手技では、長いガイドワイヤを使用することが必要となる場合がある。ガイドワイヤ1000は、延長ワイヤ(図示せず)を取り付けることにより長さを延ばすことができる。この延長によって、外科医は、1つ又はそれ以上の拡張器110、1102又は挿入スリーブ1200、或いは他の器具を身体に導入しながら、ガイドワイヤ1000を所定位置に保持できるようにすることができる。
【0068】
スペーサ100、300、500、600、700の挿入用の通路は、軟組織の段階的拡張によって作成することができる。この拡張は、ガイドワイヤ1000(図36に全体的に示す)全体に第1の拡張器1100を導入した後、増大する寸法/直径(例えば、2mmの増分)の追加の拡張器1102をその外側直径が棘突起Spに触れるか僅かに伸延するまで順次的に挿入する(図37に全体的に示す)ことによって達成することができる。最後の拡張器1102の外側直径は、使用される棘突起間スペーサ100、300、500、600、700の直径と同じとすることができる。棘突起Spを更に伸延させることなく、棘突起Sp間の最後の/最大の拡張器1102を覆って1つ又はそれ以上の挿入スリーブ1200を位置付けることができる。挿入スリーブ1200は、棘突起Sp間に挿入されることになるスペーサ100、300、500、600、700用の通路を提供する。最も外側の挿入スリーブ1200が所定位置に配置された状態では、ガイドワイヤ1000、拡張器1100、1102、及び/又は他の挿入スリーブは、例えば、ガイドワイヤ1000及び/又は延長ワイヤを引っ張ることにより身体から取り出すことができる。これにより、最も外側の挿入スリーブ1200の内径(図38に全体的に示す)を開けることができる。
【0069】
その後、棘突起間スペーサ100、300、500、600、700は、上述のような挿入器具類200、250、400(400として図示される)を用いて挿入スリーブ1200に通して挿入することができる(図39に全体的に示す)。挿入器具類200、250、400は、スペーサ100、300、500、600、700の正確な挿入深さ及び向きを確保することができる停止部を含むことができる。スペーサ100、300、500、600、700が棘突起Sp間に位置付けられると、スペーサ100、300、500、600、700上に形成された展開可能保持具 150、350、550、650、750は、棘突起Spの両側に展開することができる(図40に全体的に示す)。スペーサ100、300、500、600、700が完全に展開された状態では、挿入器具200、250、400は、スペーサ100、300、500、600、700を所定位置に残し、挿入スリーブ1200を用いて患者の体内から分離し取り除くことができる(図41に全体的に示す)。最後に、切開部を縫合して閉じることができる。
【0070】
当業者であれば、本発明の種々の要素に対して多くの修正及び置き換えが可能であることを認識できる点は理解されたい。例えば、種々の特徴及び/又は要素は、別の好ましい実施形態では説明されていない好ましい実施形態に関して説明している。これらの特徴部及び/又は要素は、1つの実施形態において説明された特徴部又は要素が別の実施形態と組み合わせて用いることができるように置き換え可能であることは想定される。
【0071】
好ましい実施形態の棘突起間スペーサ100、300、500、600、700は、外科医が様々な患者の解剖学的構造に対処できるように、異なるサイズの本体部材、保持具、及び/又はコア部材を含むことができるキットで設けることができる。
【0072】
当業者であれば、本発明の広範な概念から逸脱することなく、上述の実施形態に対して変更を行うことができる点は理解されるであろう。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本明細書により定義される本発明の技術的思想及び範囲内にある修正形態を保護することを意図していることは理解される。
【符号の説明】
【0073】
100 棘突起間スペーサ
110 本体部材
112 骨と接触する上面
114 骨と接触する底面
116 第1の側面
118 第2の側面
120 前端
122 後端
125 ボア
150 展開可能保持具
152 ヒンジ
180 コア
180a 上部分
180b 下部分
182 上面
184 底面
186 第1の側面
188 第2の側面
190 前端
192 後端
193 係合特徴部
250 コア挿入器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する椎骨の棘突起間の棘突起間隙に挿入するための棘突起間スペーサであって、
骨と接触する上面、骨と接触する底面、第1の側面、第2の側面、前端、後端、及び該後端から延びるボアを有し、前記骨と接触する上面及び底面、前記第1及び第2の側面、前記前端及び後端が外部境界面を定める本体と、
前記本体の骨と接触する上面及び底面に隣接して位置付けられた複数の展開可能保持具と、
上面、底面、第1の側面、第2の側面、前端及び後端を有し、前記本体内に形成されたボア内部に移動可能に受けることができるコアと、
を備え、
前記本体、前記複数の展開可能保持具、及び前記コアが骨から作成されており、前記本体が、第1の挿入構成にある前記複数の保持具を用いて棘突起間隙内にインプラントするようなサイズ及び構成にされ、
前記複数の保持具が前記外部境界面内にほぼ配置されており、前記保持具は、前記コアを前記本体内に形成されたボア内に挿入することによって第2の展開位置に押し付けられ、前記複数の展開可能保持具の少なくとも一部が前記外部境界面から延びて、該第2の展開位置において前記保持具が前記棘突起に隣接して配置されていることを特徴とする棘突起間スペーサ。
【請求項2】
前記本体が長円形状を有する、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項3】
前記本体の後端が、棘突起間隙に前記本体を挿入するための本体挿入器具と嵌合する係合特徴部を有する、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項4】
前記本体上に形成された係合特徴部が、前記本体挿入器具から延びる複数のフィンガを係合するためのものである、請求項3に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項5】
前記コアの後端が、前記本体内に形成されたボア内に前記コアを挿入するためのコア挿入器具と嵌合する係合特徴部を有する、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項6】
前記コア上に形成された前記係合特徴部が、前記コア挿入器具から延びる複数のフィンガを係合するため、前記コアの後端に隣接する前記コアの上面及び底面内に形成された凹部である、請求項5に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項7】
前記コア挿入器具及び前記コアが、前記本体挿入器具内に形成されたカニューレ挿入ボアを通じて挿入できるようなサイズ及び構成にされ、前記本体を棘突起間隙にインプラントした後、前記コアを前記本体挿入器具内に形成された前記カニューレ挿入ボアに通して前記本体内に形成されたボアに挿入し、前記保持具を第1の挿入可能構成から第2の展開構成に展開できるようにする、請求項6に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項8】
前記複数の展開可能保持具がヒンジにより前記本体に固定される、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項9】
前記ヒンジが前記本体の少なくとも一部を脱灰することにより形成され、該ヒンジはリビングヒンジから構成される、請求項8に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項10】
前記本体が脱灰される、請求項8に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項11】
前記複数の展開可能保持具の各々が、ピンにより前記本体に枢動可能に結合され、前記保持具が前記骨と接触する上面及び底面に対して枢動することができるようになる、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項12】
前記複数の保持具の各々が、前記本体内に形成されたボアに突出する突起部を有する、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項13】
前記コアが、前記本体に対して前記コアの最終位置に固定するためのコアロック機構を有する、請求項1に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項14】
前記コアロック機構が、前記複数の展開可能保持具の1つに形成された突起部を受けるため、前記コア内に形成された凹部である、請求項12に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項15】
隣接する椎骨の棘突起間の棘突起間隙に挿入するための棘突起間スペーサであって、
骨と接触する上面、骨と接触する底面、第1の側面、第2の側面、前端、後端、及び該後端から延びるボアを有する本体と、
前記本体の骨と接触する上面及び底面と作動可能に関連付けられた複数の展開可能保持具と、
上面、底面、第1の側面、第2の側面、前端、及び後端を有し、前記本体内に形成されたボア内部で滑動可能に受けることができるコアと、を備え、
前記本体、前記複数の展開可能保持具、及び前記コアが骨から作成されており、前記コアが第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり、該第1の位置において前記複数の保持具が第1の挿入構成にあり、前記第2の位置において前記複数の保持具が第2の展開構成にあり、
前記本体が、前記第1の位置にある前記コアと前記第1の挿入構成にある前記複数の保持具とを用いて棘突起間隙内にインプラントするようなサイズ及び構成にされ、前記本体が棘突起間隙内にインプラントされた後に前記コアが前記第2の位置に移動され、前記複数の展開可能保持具が第2の展開構成に展開され、前記複数の展開可能保持具が前記骨と接触する上面及び底面からそれぞれ延びることを特徴とする棘突起間スペーサ。
【請求項16】
前記本体が長円形状を有する、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項17】
前記本体が前記複数の展開可能保持具を枢動可能に接続するヒンジを有し、該ヒンジは、前記骨と接触する上面及び底面に近接した脱灰部分から作成される、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項18】
前記複数の展開可能保持具の各々が、ピンにより前記スペーサに枢動可能に結合され、前記保持具の各々が前記骨と接触する上面及び底面に対して枢動することができるようになる、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項19】
前記複数の展開可能保持具の各々が、前記本体内に形成されたボアに突出する突起部を有し、前記コアの前記第1の位置から前記第2の位置への移動により前記コアが前記突出部に接触し、前記複数の展開可能保持具が前記第2の展開構成に展開されるようになる、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項20】
前記コアが、前記後端に隣接する前記コアの上面及び底面から延びる1つ又はそれ以上の凹部を有し、前記第1の位置において前記保持具上に形成された突起部が前記コア内に形成された凹部と整列するようになる、請求項19に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項21】
前記本体が、挿入器具に結合するための係合特徴部を有する、請求項20に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項22】
前記コアが、前記本体に対して前記コアの最終位置に固定するためのコアロック機構を有する、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項23】
前記コアロック機構が、前記複数の展開可能保持具上に形成された突起部の1つを受けるため、前記コア内に形成された凹部である、請求項22に記載の棘突起間スペーサ
【請求項24】
前記コア及び本体がロック接続装置により相互接続される、請求項15に記載の棘突起間スペーサ。
【請求項25】
前記本体が、スペーサと隣接する棘突起との間の癒合を促進するよう脱灰される、請求項15に記載の棘突起スペーサ。
【請求項26】
上下棘突起間の棘突起間隙内に棘突起間スペーサを側方挿入する方法であって、該スペーサが、複数の展開可能保持具及びコアに作動可能に関連付けられた本体を有し、
前記方法が、
棘突起間隙に側方でアクセスする段階と、
前記棘突起の第1の側方から、前記複数の保持具を第1の挿入位置に配置した状態で前記本体を前記上下棘突起間及び前記棘突起間隙内に挿入する段階と、
前記コアを前記本体内に形成されたボア内に挿入して、前記複数の展開可能保持具を第2の展開構成に移動させ、前記保持具が、前記本体から前記上下棘突起の少なくとも1つの第1及び第2の側方に隣接して延びるようにする段階と、を含み、
該展開可能保持具が、脱灰した骨から作成されるリビングヒンジから構成されたヒンジの周りで枢動することにより第2の展開構成まで移動することを特徴とする方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公表番号】特表2012−501231(P2012−501231A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525251(P2011−525251)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055428
【国際公開番号】WO2010/025408
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】