説明

高い液体輸送性および吸水性能を有する微粒子状の吸水性ポリマー粒子

本発明は、高い液体輸送性能および吸水性能を有する微粒子状の吸水性ポリマー粒子、その製造方法ならびに衛生用品および包装材料中でのその使用に関するものであり、その際、遠心保持容量(CRC)は少なくとも26g/gであり、4.83kPaの加圧下での吸水量(AUL0.7psi)は、少なくとも23g/gであり、輸送値(TW)は少なくとも15000cm3であり、その際、輸送値(TW)は、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)からの積を107で乗じたものであり、かつその際、60分後の芯吸収量(DA60)は、吸水性ポリマー粒子70gが60分で吸収した0.9質量%の食塩溶液の質量であり、その際、吸水性ポリマー粒子は、測定の間、内径6cmを有する円形の容器中に存在しており、該容器は下側がメッシュ幅36μmのふるい板で閉じられており、かつ該ふるい板は、無圧で0.9質量%の食塩溶液と接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い液体輸送性および吸水性能を有する微粒子状の吸水性ポリマー粒子、該ポリマーの製造方法ならびに衛生用品および包装材料におけるその使用に関する。
【0002】
本発明の別の実施態様は、特許請求の範囲、詳細な説明および実施例から明らかである。前記の、および以下にさらに詳細に説明する本発明の対象の特徴は、そのつど記載されている組み合わせのみでなく、その他の組み合わせでも、本発明の範囲を離れることなく使用することが可能である。
【0003】
吸水性ポリマーは、(共)重合した親水性モノマー、適切なグラフト幹上の1もしくは複数の親水性モノマーのグラフト(コ)ポリマー、架橋したセルロースエーテルまたはデンプンエーテル、架橋したカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋したポリアルキレンオキシドまたは水性の液体中で膨潤可能な天然の生成物、たとえばグアー誘導体からなるポリマーである。このようなポリマーは、水性の溶液を吸収する製品として、おむつ、タンポン、生理用ナプキンおよびその他の衛生用品を製造するために、あるいはまた保水剤として農業園芸分野で使用される。
【0004】
おむつにおける液体拡散性能(SFC)および加圧下での吸水量(AUL)のような適用特性を改善するために、吸水性ポリマー粒子は一般に、後架橋される。この後架橋は、水性のゲル相中で実施することができる。しかし有利には、粉砕され、かつ分級されたポリマー粒子(ベースポリマー)は、表面を後架橋剤で被覆され、乾燥され、かつ熱により後架橋される。このために適切な架橋剤は、親水性ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる基を少なくとも2つ有する化合物である。
【0005】
US5,599,335は、比較的粗大な粒子が、膨潤したゲル相の比較的高い液体拡散性能(SFC)を有することを開示している。さらに、後架橋により液体拡散性能(SFC)を向上することができることが教示されている。しかしこの場合常に、吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)ひいては吸水性能は低下する。
【0006】
当業者には一般に、内部の架橋(ベースポリマー中でより多量の架橋剤)を高めることによっても、より強い後架橋剤(より多量の後架橋剤)によっても、遠心保持容量(CRC)の負荷に対する液体拡散性能(SFC)を向上することができることは公知である。
【0007】
WO04/069293には、多価カチオンの水溶性の塩により被覆されている吸水性ポリマー粒子が開示されている。該ポリマー粒子は、改善された液体拡散性能(SCF)および改善された吸収特性を有している。
【0008】
WO04/069404は、加圧下での吸水量(AUL)および遠心保持容量(CRC)に関してそれぞれ同様の値を有する、塩抵抗性の吸水性ポリマーを開示している。
【0009】
WO04/069915は、強い毛管力をもつ、つまり水性の液体が重量に対抗して吸収されうる高い液体拡散性能(SFC)を有する吸水性ポリマー粒子の製造方法を記載している。ポリマー粒子の毛管作用は、特殊な表面状態により達成される。このために、180μmより小さい大きさを有する粒子をベースポリマーから分級し、凝集させ、かつ予め分離された、180μmより大きい粒子と合する。
【0010】
超薄型衛生用品のためには、粗大な粒子を有していない微粒子状の吸水性ポリマー粒子が必要とされる。というのも、粗大な粒子は感じ取ることができ、かつ消費者から拒絶されるからである。
【0011】
しかし液体拡散性能(SFC)は、粒子が小さいほど低くなる。他方、小さいポリマー粒子は、ゲル相内で芯吸収による液体輸送を改善する、より小さい細孔も有していない。
【0012】
このことは超薄型衛生用品では重要である。というのも、これらは、50〜100質量%が吸水性ポリマー粒子からなり、ポリマー粒子は使用中に、液体のための貯蔵機能も、能動的(芯吸収)および受動的液体輸送(液体の拡散)も行うからである。セルロースが吸水性ポリマー粒子または合成繊維により取って代わられるほど、吸水性ポリマー粒子はその貯蔵機能に加えてより多くの輸送機能を満足しなくてはならない。
【0013】
従って、高い遠心保持容量(CRC)、加圧下での高い吸水性(AUL)、高い能動的液体輸送性(芯吸収量)および受動的液体輸送性(液体拡散)を有する吸水性ポリマー粒子を提供するという課題が存在していた。この場合、吸水性ポリマーは特に、高い液体拡散性能(SFC)を有しているべきである。
【0014】
もう1つの課題は、低い平均粒径を有する最適化された吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【0015】
さらに、高い遠心保持容量(CRC)、加圧下での高い吸水性(AUL)、高い能動的液体輸送性(芯吸収量)および受動的液体輸送性(液体拡散性能)を有する吸水性ポリマー粒子の製造方法を提供するという課題が存在し、その際、吸水性ポリマーは、特に高い液体拡散性能(SFC)を有するべきである。
【0016】
もう1つの課題は、特に液体負荷の際に白色で、知覚可能な臭いを有していないポリマー粒子が得られる吸水性ポリマー粒子の製造方法を提供することであった。
【0017】
上記課題は、
a)少なくとも1種の共重合されたエチレン性不飽和の、酸基を有するモノマー、
b)少なくとも1種の共重合された架橋剤、
c)場合により1もしくは複数の、a)と共重合可能な、共重合されたエチレン性および/またはアリル不飽和モノマー、
d)場合により、その上にモノマーa)、b)および場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされている、1もしくは複数の水溶性ポリマー、および
e)少なくとも1種の反応された後架橋剤
を含有する吸水性ポリマー粒子を提供することにより解決され、
その際、遠心保持容量(CRC)は少なくとも26g/gであり、4.83kPaの加圧下での吸収量(AUL0.7psi)は少なくとも23g/gであり、かつ輸送値(TW)は少なくとも15000cm3sであり、
その際、輸送値(TW)は、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)からの積を107で乗じたものであり、かつ
その際、60分後の芯吸収量(DA60)は、吸水性ポリマー粒子70gが60分で吸収した0.9質量%の食塩溶液の質量であり、その際、吸水性ポリマー粒子は、測定の間、内径6cmを有する円形の容器中に存在しており、該容器は下側がメッシュ幅36μmのふるい板で閉じられており、かつ該ふるい板は、無圧で0.9質量%の食塩溶液と接触する。
【0018】
遠心保持容量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第441.2−02、「遠心保持容量(Centrifuge retention capacity)」により測定される。
【0019】
加圧下での吸水量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第442.2−02、「加圧下での吸水量(Absorption under pressure)」により測定される。
【0020】
輸送値(TW)は、有利には少なくとも17500cm3s、好ましくは少なくとも20000cm3s、特に有利には少なくとも22500cm3s、とりわけ有利には少なくとも25000cm3sであり、かつ通常は100000cm3sを超えない。
【0021】
有利には、2質量%未満、特に有利には1.5質量%未満、とりわけ有利には1質量%未満のポリマー粒子が、150μmより小さい粒径を有する。粒径はEDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第420.2−02、「粒径分布(Particle size distribution)」により測定される。
【0022】
共重合されるモノマーa)の酸基は有利には60モル%以上、好ましくは61モル%以上、特に有利には62モル%以上、特に63モル%以上、および有利には最大で70モル%まで、好ましくは最大で69モル%まで、特に有利には最大で68モル%まで、特に最大で67モル%まで中和されている。
【0023】
共重合されるモノマーa)、b)およびc)に関して適切なモノマーは、以下に記載するモノマーi)、ii)およびiii)である。
【0024】
少なくとも部分的にグラフトされた水溶性ポリマーd)に関して適切な水溶性ポリマーは、以下に記載する水溶性ポリマーiv)である。
【0025】
反応された後架橋剤e)のために適切な後架橋剤は、以下に記載する後架橋剤v)である。
【0026】
本発明による吸水性ポリマー粒子の含水率は、有利には6質量%未満、特に有利には4質量%未満、とりわけ有利には3質量%未満である。
【0027】
有利な本発明による吸水性ポリマー粒子は、上記の特性を有するポリマー粒子A、BおよびCである。
【0028】
ポリマー粒子A:
有利にはポリマー粒子Aの2質量%未満、特に有利には1.5質量%未満、とりわけ有利には1質量%未満が、600μmを上回る粒径を有している。
【0029】
有利には、ポリマー粒子Aの少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%、特に有利には少なくとも98質量%、特に少なくとも99質量%が、150〜600μmの粒径を有している。
【0030】
有利にはポリマー粒子Aの少なくとも70質量%、好ましくは少なくとも80質量%、特に有利には少なくとも85質量%、特に少なくとも90質量%が、300〜600μmの粒径を有している。
【0031】
ポリマー粒子Aの遠心保持容量(CRC)は、通常、少なくとも26g/g、有利には少なくとも27g/g、好ましくは少なくとも28g/g、特に有利には少なくとも29g/g、特に少なくとも30g/gであり、かつ通常、50g/gを超えることはない。
【0032】
ポリマー粒子Aの4.83kPaの加圧下での吸水量(AUL0.7psi)は、通常、少なくとも23g/g、有利には少なくとも24g/g、好ましくは少なくとも25g/g、特に有利には少なくとも26g/g、特に少なくとも27g/gであり、かつ通常は45g/gを超えることはない。
【0033】
ポリマー粒子Aの液体拡散性能(SFC)は、通常、少なくとも80×10-7cm3s/g、有利には少なくとも90×10-7cm3s/g、有利には少なくとも100×10-7cm3s/g、特に有利には120×10-7cm3s/g、特に少なくとも150×10-7cm3s/gであり、かつ通常、500×10-7cm3s/gを超えることはない。
【0034】
ポリマー粒子B:
有利にはポリマー粒子Bの2質量%未満、特に有利には1.5質量%未満、とりわけ有利には1質量%未満が、850μmを上回る粒径を有している。
【0035】
有利にはポリマー粒子Bの少なくとも90質量%、有利には少なくとも95質量%、特に有利には少なくとも98質量%、とりわけ少なくとも99質量%が、150〜850μmの粒径を有している。
【0036】
ポリマー粒子Bは通常、少なくとも16質量%まで、有利には少なくとも17質量%まで、好ましくは少なくとも18質量%まで、特に有利には少なくとも19質量%まで、とりわけ少なくとも20質量%までが、300μm未満の粒径を有している。
【0037】
ポリマー粒子Bの遠心保持容量(CRC)は、通常は28g/g以上、少なくとも29g/g、有利には少なくとも30g/g、好ましくは少なくとも31g/g、特に有利には少なくとも32g/g、とりわけ少なくとも33g/gであり、かつ通常は50g/gを上回ることはない。
【0038】
ポリマー粒子Bの4.83kPaの加圧下での吸水量(AUL0.7psi)は、通常、少なくとも23g/g、有利には少なくとも24g/g、好ましくは少なくとも25g/g、特に有利には少なくとも26g/g、とりわけ少なくとも27g/gであり、かつ通常は45g/gを超えることはない。
【0039】
ポリマー粒子Bの液体拡散性能(SFC)は、通常、少なくとも45×10-7cm3s/g、有利には少なくとも50×10-7cm3s/g、好ましくは少なくとも60×10-7cm3s/g、特に有利には少なくとも70×10-7cm3s/g、とりわけ少なくとも80×10-7cm3s/gであり、かつ通常は500×10-7cm3s/gを超えることはない。
【0040】
有利にはポリマー粒子Bは、水不溶性金属リン酸塩により被覆されている。
【0041】
水不溶性とは、25℃で水100ml中で1g未満、有利には0.1g未満、特に有利には0.01g未満の溶解度を意味する。
【0042】
適切な水不溶性の金属リン酸塩は、たとえば技術的な意味において「リン酸塩」とみなすことができるリン酸塩、たとえばリン酸化物、リン水酸化物、リンケイ酸、リンフッ化物などである。
【0043】
有利な水不溶性金属リン酸塩は、ピロリン酸塩、リン酸水素塩およびカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、セリウム、スカンジウム、イットリウムまたはランタンのリン酸塩、ならびにこれらの混合物である。
【0044】
有利なリン酸塩は、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、アパタイト、トーマスリン肥、ベルリン石およびレナニアリン肥である。特に有利であるのはリン酸水素カルシウム、リン酸カルシウムおよびアパタイトであり、その際、アパタイトの概念は、フルオロアパタイト、ヒドロキシアパタイト、クロロアパタイト、カーボネートアパタイトまたはカーボネート・フルオロアパタイトを意味する。当然のことながら、種々の水不溶性金属リン酸塩の混合物を使用することもできる。
【0045】
通常、水不溶性の金属リン酸塩の割合は、吸水性ポリマー粒子Bに対して0.001〜10質量%、有利には0.01〜5質量%、特に有利には0.05〜2.5質量%である。
【0046】
水不溶性金属リン酸塩により被覆されているポリマー粒子Bの遠心保持容量(CRC)は、通常、29g/g以上、少なくとも30g/g、有利には少なくとも31g/g、好ましくは少なくとも32g/g、特に有利には少なくとも33g/g、特に有利には34g/gであり、かつ通常50g/gを超えることはない。
【0047】
水不溶性の金属リン酸塩により被覆されたポリマー粒子Bの4.83kPaの加圧下での吸収量(AUL0.7psi)は通常、少なくとも23g/g、有利には少なくとも24g/g、好ましくは少なくとも25g/g、特に有利には少なくとも26g/g、とりわけ少なくとも27g/gであり、かつ通常、45g/gを超えることはない。
【0048】
水不溶性金属リン酸塩により被覆されているポリマー粒子Bの液体拡散性能(SFC)は、通常、少なくとも45×10-7cm3s/g、有利には少なくとも50×10-7cm3s/g、有利には少なくとも60×10-7cm3s/g、特に有利には少なくとも70×10-7cm3s/g、とりわけ少なくとも80×10-7cm3s/gであり、かつ通常、500×10-7cm3s/gを超えることはない。
【0049】
ポリマー粒子C:
有利にはポリマー粒子Cの2質量%未満、特に有利には1.5質量%未満、とりわけ有利には1質量%未満が、850μmを上回る粒径を有する。
【0050】
有利にはポリマー粒子Cの少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%、特に有利には少なくとも98質量%、とりわけ少なくとも99質量%が、150〜850μmの粒径を有する。
【0051】
ポリマー粒子Cは通常、15質量%未満、有利には14質量%未満、好ましくは13質量%未満、特に有利には12質量%未満、とりわけ11質量%未満が、300μm未満の粒径を有する。
【0052】
ポリマー粒子Cの遠心保持容量(CRC)は通常、少なくとも30g/g、有利には少なくとも31g/g、好ましくは少なくとも32g/g、特に有利には少なくとも33g/g、とりわけ少なくとも34g/gであり、かつ通常、50g/gを超えることはない。
【0053】
ポリマー粒子Cの4.83kPaの加圧下での吸水量(AUL0.7psi)は通常、少なくとも23g/g、有利には少なくとも24g/g、好ましくは少なくとも25g/g、特に有利には少なくとも26g/g、とりわけ少なくとも27g/gであり、かつ通常、45g/gを超えることはない。
【0054】
ポリマー粒子Cの液体拡散性能(SFC)は通常、少なくとも45×10-7cm3s/g、有利には少なくとも50×10-7cm3s/g、好ましくは少なくとも60×10-7cm3s/g、特に有利には少なくとも70×10-7cm3s/g、とりわけ少なくとも80×10-7cm3s/gであり、かつ通常、500×10-7cm3s/gを超えることはない。
【0055】
本発明のもう1つの対象は、
i)少なくとも1種のエチレン性不飽和の、酸基を有するモノマー、
ii)少なくとも1種の架橋剤、
iii)場合により1もしくは複数の、i)と共重合可能なエチレン性および/またはアリル不飽和モノマーおよび
iv)場合により、その上にモノマーi)、ii)および場合によりiii)が少なくとも部分的にグラフトされてよい、1もしくは複数の水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液を重合し、その際、得られるベースポリマーを乾燥させ、分級し、
v)少なくとも1種の後架橋剤
を用いて後処理し、乾燥させ、かつ熱により後架橋することにより吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、吸水性ポリマー粒子が、少なくとも26g/gの遠心保持容量および少なくとも15000cm3sの輸送値(TW)を有する後に、熱による後架橋を中断し、
その際、輸送値(TW)は、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)からの積を107で乗じたものであり、かつ
その際、60分後の芯吸収量(DA60)は、吸水性ポリマー粒子70gが60分で吸収した0.9質量%の食塩溶液の質量であり、その際、吸水性ポリマー粒子は、測定の間、内径6cmを有する円形の容器中に存在しており、該容器は下側がメッシュ幅36μmのふるい板で閉じられており、かつ該ふるい板は、無圧で0.9質量%の食塩溶液と接触することを特徴とする、吸水性ポリマー粒子の製造方法である。
【0056】
適切なモノマーi)は、たとえばエチレン性不飽和カルボン酸、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸であるか、またはこれらの誘導体、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルである。特に有利なモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。とりわけ有利であるのはアクリル酸である。
【0057】
吸水性ポリマーの重合は、架橋している、つまりポリマーの橋かけ構造中にラジカル共重合することができる重合性の基を少なくとも2つ有する化合物の存在下で実施する。適切な架橋剤ii)は、たとえばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタン、たとえばEP−A−530438に記載されているもの、ジアクリレートおよびトリアクリレート、たとえばEP−A547847、EP−A559476、EP−A632068、WO93/21237、WO03/104299、WO03/104300、WO03/104301および出願番号10331450.4を有するドイツ国特許出願に記載されているもの、アクリレート基以外に別のエチレン性不飽和基を有する混合アクリレート、たとえば出願番号10331456.3および10355401.7を有するドイツ国特許出願に記載されているもの、またはたとえばDE−A19543368、DE−A19646484、WO90/15830およびWO02/32962に記載されているような架橋剤混合物である。
【0058】
適切な架橋剤ii)は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミドおよびN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、ポリオールの不飽和モノカルボン酸またはポリカルボン酸エステル、たとえばジアクリレートまたはトリアクリレート、たとえばブタンジオール−もしくはエチレングリコールジアクリレートもしくは−メタクリレートならびにトリメチロールプロパントリアクリレートおよびアリル化合物、たとえばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステルならびにビニルホスホン酸誘導体、たとえばEP−A343427に記載されているものである。さらに適切な架橋剤ii)は、ペンタエリトリトールジ−、ペンタエリトリトールトリ−およびペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジ−およびトリアリルエーテル、ソルビトールをベースとするポリアリルエーテル、ならびにこれらのエトキシ化化合物である。本発明による方法で使用することができるのは、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレートであり、その際、使用されるポリエチレングリコールは、300〜1000の分子量を有する。
【0059】
しかし特に有利な架橋剤ii)は、3〜15回エトキシ化されたグリセリン、3〜15回エトキシ化されたトリメチロールプロパンのジアクリレートおよびトリアクリレート、特に3回エトキシ化されたグリセリンまたはトリメチロールプロパンのジアクリレートおよびトリアクリレート、3回プロポキシル化されたグリセリンまたはトリメチロールプロパンのジアクリレートおよびトリアクリレート、ならびに3回エトキシ化またはプロポキシ化された混合グリセリンまたはトリメチロールプロパン、15回エトキシ化されたグリセリンまたはトリメチロールプロパン、ならびに40回エトキシ化されたグリセリンまたはトリメチロールプロパンのジアクリレートおよびトリアクリレートである。
【0060】
特に有利な架橋剤ii)は、アクリル酸またはメタクリル酸によりジアクリレートまたはトリアクリレートへとエステル化された複数エトキシ化および/またはプロポキシ化グリセリン、たとえば出願願号DE10319462.2を有する先のドイツ国特許出願に記載されているものである。特に有利であるのは、3〜10回エトキシ化されたグリセリンのジアクリレートおよび/またはトリアクリレートである。とりわけ有利であるのは、1〜5エトキシ化された、および/またはプロポキシ化されたグリセリンのジアクリレートまたはトリアクリレートである。最も有利であるのは、3〜5回エトキシ化された、および/またはプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。これらは吸水性ポリマー中での特に低い残留含有率(一般に10ppm未満)により優れており、かつ該化合物を用いて製造した吸水性ポリマーの水性抽出物が、同じ温度での水と比較してほぼ変わりない表面張力(一般に少なくとも0.068N/m)を有する。
【0061】
モノマーi)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーiii)は、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレートおよびジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。
【0062】
水溶性のポリマーiv)として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコールまたはポリアクリル酸、有利にはポリビニルアルコールおよびデンプンを使用することができる。
【0063】
適切なベースポリマーの製造ならびに適切な親水性のエチレン性不飽和モノマーi)は、DE−A19941423、EP−A686650、WO01/45758およびWO03/104300に記載されている。
【0064】
反応は有利には混練機中で、たとえばWO01/38402に記載されているような混練機中で、またはバンド型反応器中で、たとえばEP−A955086に記載されているような反応器中で実施する。
【0065】
得られるヒドロゲルの酸基は有利には60モル%以上、有利には61モル%以上、特に有利には62モル%以上、とりわけ有利には63モル%以上、および有利には最大で70モル%、好ましくは最大で69モル%、特に有利には最大で68モル%、とりわけ有利には最大で67モル%まで中和されており、その際、通例の中和剤、たとえばアンモニア、アミン、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたはジメチルアミノエタノールアミン、有利にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩ならびにこれらの混合物を使用することができ、その際、ナトリウムおよびカリウムはアルカリ金属として特に有利であるが、しかしとりわけ有利であるのは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムならびにこれらの混合物である。通常、中和は中和剤を水溶液として、または有利には固体として混合することにより行う。
【0066】
中和はヒドロゲルの段階での重合後に実施することができる。あるいはまた、酸基の40モル%まで、好ましくは10〜30モル%、特に有利には15〜25モル%までが、重合前に、中和剤の一部をすでにモノマー溶液中に添加することによって中和され、かつ所望の最終中和度は、ヒドロゲルの段階で重合後に初めて調整されることも可能である。モノマー溶液は中和剤の混合により、規定の前中和度に中和し、引き続き重合反応の後または重合反応の間に最終値に後中和するか、またはモノマー溶液を中和剤の混合により、重合前に直接最終値に調整することにより中和することができる。ヒドロゲルは機械的に、たとえば粉砕装置により粉砕することができ、その際、中和剤は噴霧するか、散布するか、または注ぎ、かつ次いで慎重に混合することができる。このために得られたゲル材料をさらに数回、粉砕して均質化することができる。
【0067】
中和度が低すぎる場合、その後の乾燥の際に、ならびにベースポリマーのその後の後架橋の間に、吸水性ポリマーの遠心保持容量(CRC)を著しく低減しうる不所望の熱架橋効果は、使用不可能にまでつながる。
【0068】
しかし、中和度が高すぎる場合、後架橋の効果が低くなりすぎ、このことによって膨潤したヒドロゲルの液体拡散性能(SFC)の低減につながる。
【0069】
これに対して最適な結果は、ベースポリマーの中和度を、効果的な後架橋が達成され、ひいては高い液体拡散性能(SFC)が達成される場合に調整され、ただしその際、同時になお、ヒドロゲルが通常のバンド型乾燥器中で、またはその他の工業的な規模で通例の乾燥装置中で製造される場合に、遠心保持容量(CRC)を失うことなく乾燥することができるまで中和する。
【0070】
次いで中和されたヒドロゲルを、有利に10質量%未満、特に5質量%未満の残留水分になるまで、バンド型乾燥器、流動層乾燥器、縦型乾燥器またはドラム乾燥器中で乾燥させ、その際、含水率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第430.2−02、「含水率」により測定される。乾燥させたヒドロゲルは、その後、粉砕され、かつ分級され、その際、粉砕のために通例のロールミル、ピンミルまたはスイングミルを使用することができ、その際、吸水性ポリマー粒子A、BおよびCを製造するために必要とされるメッシュ幅を有する篩を使用することができる。
【0071】
ベースポリマーを引き続き、後架橋させる。このために適切な後架橋剤v)は、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成することができる少なくとも2つの基を有する化合物である。適切な化合物はたとえばアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジグリシジル化合物またはポリグリシジル化合物、たとえばEP−A083022、EP−A543303およびEP−A937736に記載されている化合物、多価アルコール、たとえばDE−C3314019、DE−C3523617およびEP−A450922に記載されている化合物、またはβ−ヒドロキシアルキルアミド、たとえばDE−A10204938およびUS6,239,230に記載されている化合物である。適切であるのはさらに、混合された官能性を有する化合物、たとえばグリシドール、3−エチル−3−オキセタンメタノール(トリメチロールプロパンオキセタン)、たとえばEP−A1199327に記載されている化合物、アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたは最初の反応後に別の官能基を形成する化合物、たとえばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、アジリジン、アゼチジンまたはオキセタンである。
【0072】
さらにDE−A4020780には、環式カーボネートが、DE−A19807502には、2−オキサゾリドンおよびその誘導体、たとえばN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンが、DE−A19807992には、ビス−およびポリ−2−オキサゾリドンが、DE−A19854573には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンおよびその誘導体が、DE−A19854574にはN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE−A10204937には環式尿素が、出願番号10334584.1を有するドイツ国特許出願には二環式アミドアセタールが、EP−A1199327にはオキセタンおよび環式尿素が、およびWO03/031482にはモルホリン−2,3−ジオンおよびその誘導体が適切な後架橋剤v)として記載されている。
【0073】
後架橋は通常、後架橋剤の溶液をヒドロゲルまたは乾燥したベースポリマー粒子上に噴霧して実施する。噴霧に引き続き、熱により乾燥させ、その際、後架橋反応は、乾燥の前でも乾燥の間にも行うことができる。
【0074】
有利な後架橋剤v)は、一般式I
【化1】

[式中、
1は、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニルまたはC6〜C12−アリールを表し、
2は、XまたはOR6を表し、
3は、水素、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニルまたはC6〜C12−アリールまたはXを表し、
4は、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニルまたはC6〜C12−アリールを表し、
5は、水素、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニル、C1〜C12−アリールまたはC6〜C12−アリールを表し、
6は、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−ヒドロキシアルキル、C2〜C12−アルケニルまたはC6〜C12−アリールを表し、かつ
Xは、基R2およびR3に関して記載したカルボニル−酸素を表し、
その際、R1およびR4および/またはR5およびR6は、架橋したC2〜C6−アルカンジイルであってよく、かつその際、上記の基R1〜R6は、さらに一緒になって1〜2つの遊離の価数を有していてもよく、かつこれらの遊離の価数により、少なくとも1つの適切なベースポリマーに結合していてもよい]のアミドアセタールまたはカルバミン酸エステルであるか、
または多価アルコールであり、その際、該多価アルコールはヒドロキシル基あたり、有利には100g/モル未満、好ましくは90g/モル未満、特に有利には80g/モル未満、とりわけ有利には70g/モル未満の分子量を有しており、ならびにビシナル、ジェミナル、第2級または第3級のヒドロキシル基を有しておらず、かつ該多価アルコールは一般式IIa
HO−R6−OH (IIa)
[式中、R6は、式−(CH2n−の非分枝鎖状ジアルキル基であり、その際、nは、3〜20、有利には3〜12の整数であり、その際、4はあまり有利ではなく、かつ両方のヒドロキシル基は末端に存在し、またはR6は、非分枝鎖状、分枝鎖状または環式のジアルキル基を表す]のジオールであるか、または一般式IIb
【化2】

[式中、基R7、R8、R9、R10は、相互に無関係に水素、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルオキシメチル、1−ヒドロキシプロポ−2−イルオキシメチル、2−ヒドロキシプロピルオキシメチル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルまたは4−ヒドロキシブチルを表し、かつ合計して2、3または4個、有利には2または3個のヒドロキシル基が存在しており、かつ基R7、R8、R9またはR10の1つより多くが、ヒドロキシル基を表すことはない]のポリオールであり、
または一般式III
【化3】

[式中、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、相互に無関係に水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチルまたはイソブチルを表し、かつnは0または1である]の環式カーボネートであるか、または一般式IV
【化4】

[式中、式中、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23およびR24は、相互に無関係に水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチルまたはイソブチルであり、かつR25は、単結合、線状、分枝鎖状または環式のC1〜C12−ジアルキル基であるか、またはポリアルコキシジイル基を表し、これは1〜10個のエチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位から構成されており、たとえばポリグリコールジカルボン酸を有する]のビスオキサゾリンである。
【0075】
有利な後架橋剤v)は、極めて選択的である。揮発性ひいては悪臭のする化合物につながる副反応およびその後の反応は最小化される。したがって有利な後架橋剤v)を用いて製造された吸水性ポリマーは濡れた状態でも、においは中立的である。
【0076】
これに対してエポキシ化合物は、高温および適切な触媒の存在下で種々の転位反応を行う場合があり、この反応はたとえばアルデヒドまたはケトンを生じる。これらは次いでその後の反応を開始し、このことにより最終的に悪臭のする化合物を形成し、該化合物はその臭いに基づいて、衛生用品中で所望されない。従ってエポキシ化合物は、約140〜150℃の温度より高い温度では、後架橋のためにあまり適切ではない。アミノ基もしくはイミノ基を有する後架橋剤v)の場合、同様の温度で、なお明らかでない転位反応は行われず、このことによってわずかに悪臭のする痕跡不純物および帯褐色の生成物の変色が現れる。
【0077】
後架橋剤v)としての多価アルコールは、そのわずかな反応性に基づいて、高い後架橋温度を有する。ビシナル、ジェミナル、第2級および第3級ヒドロキシル基を有するアルコールはこの場合、衛生分野において不所望の副生成物を形成し、該生成物は、製造または使用の間の該当する衛生用品の不快な臭いおよび/または変色につながる。
【0078】
一般式Iの有利な後架橋剤v)は、2−オキサゾリドン、たとえば2−オキサゾリドンおよびN−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン、N−メチル−2−オキサゾリドン、N−アシル−2−オキサゾリドン、たとえばN−アセチル−2−オキサゾリドン、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン、二環式アミドアセタール、たとえば5−メチル−1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタンおよび5−イソプロピル−1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビス−2−オキサゾリドンおよびポリ−2−オキサゾリドンである。
【0079】
一般式Iの特に有利な後架橋剤v)は、2−オキサゾリドン、N−メチル−2−オキサゾリドン、N−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンおよびN−ヒドロキシプロピル−2−オキサゾリドンである。
【0080】
一般式IIaの有利な後架橋剤v)は、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよび1,7−ヘプタンジオールである。一般式IIaの後架橋剤の別の例は、1,3−ブタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオールである。
【0081】
ジオールIIaは有利には水溶性であり、その際、一般式IIaのジオールは23℃で少なくとも30質量%、有利には少なくとも40質量%、特に有利には少なくとも50質量%、とりわけ有利には少なくとも60質量%までが水中で可溶性であり、たとえば1,3−プロパンジオールおよび1,7−ヘプタンジオールである。さらに有利にはこのような後架橋剤は、25℃で液状である。
【0082】
一般式IIbの有利な後架橋剤v)は、ブタン−1,2,3−トリオール、ブタン−1,2,4−トリオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、分子あたり1〜3回エトキシ化されたグリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパンおよび分子あたり1〜3回プロポキシ化されたグリセリン、トリメチロールエタンまたはトリメチロールプロパンである。さらに有利であるのは、2回エトキシ化またはプロポキシ化されたネオペンチルグリコールである。特に有利であるのは、2回および3回エトキシ化グリセリンおよびトリメチロールプロパンである。
【0083】
有利な多価アルコールIIaおよびIIbは、23℃で3000mPas、有利には1500mPas、好ましくは1000mPas、とりわけ有利には500mPas、殊に有利には300mPas未満の粘度を有する。
【0084】
一般式IIIの特に有利な後架橋剤v)は、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートである。
【0085】
一般式IVの特に有利な後架橋剤v)は、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)である。
【0086】
少なくとも1種の後架橋剤v)は水溶液として、そのつどベースポリマーに対して一般に最大で0.30質量%、有利には最大で0.15質量%、特に有利には0.001〜0.095質量%の量で使用する。
【0087】
上記の選択肢からの個々の後架橋剤v)を使用するか、または種々の後架橋剤の任意の混合物を使用することができる。
【0088】
水性の後架橋剤溶液は少なくとも1種の後架橋剤v)に加えて一般にさらに補助溶剤を含有していてよい。
【0089】
技術的に好適な補助溶剤は、C1〜C6−アルコール、たとえばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールまたは2−メチル−1−プロパノール、C2〜C5−ジオール、たとえばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールまたは1,4−ブタンジオール、ケトン、たとえばアセトン、またはカルボン酸エステル、たとえば酢酸エチルエステルである。これらの補助溶剤の多くにおいて不利であることは、該補助溶剤が一般的な固有臭を有することである。
【0090】
補助溶剤自体は、反応条件下で理想的には後架橋剤ではない。しかし境界例では、および滞留時間および温度に依存して、補助溶剤は部分的に架橋に貢献することができる。これは特に、後架橋剤v)が、比較的不活性であり、従ってそれ自体が、たとえば一般式IIIの環式カーボネート、一般式IIaのジオールまたは一般式IIbのポリオールを使用する際に、補助溶剤を形成することができる場合に該当する。このような後架橋剤v)は、より反応性の後架橋剤v)との混合物としても、補助溶剤としての機能においても使用することができる。というのも、本来の後架橋反応は、より反応性の架橋剤v)の不存在におけるよりも低い温度および/または短い滞留時間で実施することができるからである。補助溶剤は比較的大量で使用され、かつ部分的に生成物中に残留するので、毒性であってはならない。
【0091】
本発明による方法において、一般式IIaのジオール、一般式IIbのポリオール、ならびに一般式IIIの環式カーボネートが補助溶剤としても適切である。この機能は、一般式Iおよび/またはIVの反応性後架橋剤v)および/またはジグリシジル架橋剤またはトリグリシジル架橋剤の存在下で満足される。しかし本発明による方法において有利な補助溶剤は、とりわけヒドロキシル基が反応において隣接基によって立体的に妨げられる場合には、特に一般式IIaのジオールである。このようなジオールは確かに原則として後架橋剤v)としても適切であるが、しかしこのために立体障害のないジオールよりも明らかにより高い反応温度または場合によりより高い使用量を必要とする。適切な立体障害ジオールひいては反応に不活性なジオールは、第3級ヒドロキシル基を有するジオールでもある。
【0092】
一般式IIaのこのような立体障害ジオールひいては補助溶剤として特に有利なジオールの例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよび2,4−ジメチルペンタン−2,4−ジオールである。
【0093】
本発明による方法において特に有利なその他の補助溶剤は、一般式IIbのポリオールである。特に有利であるのは、2〜3回アルコキシル化されたポリオールである。あるいはまた補助溶剤として特に適切であるのは、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンまたはペンタエリトリットをベースとする、3〜15回、特に有利には5〜10回エトキシ化されたポリオールである。特に好適であるのは、7回エトキシ化トリメチロールプロパンである。
【0094】
その他の適切な補助溶剤は、ジ(トリメチロールプロパン)ならびに5−エチル−1,3−ジオキサン−5−メタノールである。
【0095】
補助溶剤としてそれほど反応性ではない後架橋剤v)および反応性後架橋剤v)の特に有利な組み合わせは、有利な多価アルコール、一般式IIaのジオールおよび一般式IIbのポリオールと、一般式Iのアミドアセタールまたはカルバミン酸エステルとの組み合わせである。
【0096】
特に有利な組み合わせは、2−オキサゾリドン/1,3−プロパンジオールおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドン/1,3−プロパンジオールである。
【0097】
別の特に有利な組み合わせは、反応性架橋剤としての2−オキサゾリドンまたはN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンと、非反応性溶剤としての水および/またはイソプロパノール中に溶解した1,5−ペンタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールまたは2−メチル−1,3−プロパンジオールまたは2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールとの組み合わせである。
【0098】
少なくとも1種の後架橋剤v)は、有利には最大で160℃、特に有利には最大で140℃、殊に有利には最大で120℃の沸点、または有利には少なくとも200℃、特に有利には少なくとも220℃、殊に有利には少なくとも250℃の沸点を有する。
【0099】
補助溶剤は有利には最大で160℃、特に有利には最大で140℃、殊に有利には最大で120℃の沸点、または有利には少なくとも200℃、特に有利には少なくとも220℃、殊に有利には少なくとも250℃の沸点を有する。
【0100】
従って本発明による方法において特に好適な補助溶剤は、水または第二の補助溶剤と共に沸点の低い共沸混合物を形成する補助溶剤である。有利にはこの共沸混合物の沸点は最大で160℃、特に有利には最大で140℃、とりわけ有利には最大で120℃である。さらに好適であるのは、水蒸気揮発性の補助溶剤であり、というのも、該補助溶剤は完全に、または部分的に乾燥の際に蒸発する水と共に除去されるからである。
【0101】
中程度の沸点を有する後架橋剤v)および補助溶剤は意外にも、不所望の化学的な臭いを有する吸水性ポリマー粒子を生じる。
【0102】
後架橋剤水溶液中の補助溶剤の濃度は、後架橋溶液に対して、しばしば15〜50質量%、有利には15〜40質量%、特に有利には20〜35質量%である。水と限定的に混和可能な補助溶剤の場合、有利には、場合により補助溶剤の濃度を低下させることにより1つの相のみが存在するように、後架橋剤水溶液を調整する。
【0103】
有利な1実施態様では、補助溶剤を使用しない。少なくとも1種の後架橋剤v)は、水中での溶液としてのみ、場合により解凝集剤の添加下に適用される。
【0104】
後架橋剤水溶液中の少なくとも1種の後架橋剤v)の濃度は後架橋剤溶液に対してたとえば1〜20質量%、有利には1.5〜10質量%、特に有利には2〜5質量%である。
【0105】
後架橋剤溶液の全量はベースポリマーに対して通常、0.3〜15質量%、有利には2〜6質量%である。
【0106】
有利な実施態様では、ベースポリマーは解凝集剤として界面活性剤、たとえばソルビタンモノエステル、たとえばソルビタンモノココエートおよびソルビタンモノラウレート、またはこれらのエトキシ化誘導体を添加する。その他の極めて好適な解凝集剤は、2−プロピルヘプタノールのエトキシ化およびアルコキシ化誘導体であり、これらは商品名Lutensol XL(登録商標)およびLutensol XP(登録商標)で市販されている(BASF AG、ドイツ)。解凝集剤は別々に供給するか、または後架橋剤溶液に添加することができる。有利には解凝集剤は後架橋剤溶液に添加する。
【0107】
ベースポリマーに対する解凝集剤の使用量はたとえば0〜0.01質量%、好ましくは0〜0.005質量%、特に有利には0〜0.002質量%である。有利には解凝集剤は、膨潤したベースポリマーおよび/または膨潤し、後架橋した吸水性ポリマーの水性抽出物の表面張力が、23℃で少なくとも0.060N/m、有利には少なくとも0.062N/m、特に有利には少なくとも0.065N/m、および好ましくは最大で0.072N/mとなるように計量供給する。
【0108】
本発明による方法において使用される乾燥されたベースポリマーは、一般に乾燥後および後架橋剤溶液の施与前に0〜13質量%、好ましくは2〜9質量%の残留水分を有する。場合によりこの水分は、たとえば前方接続された噴霧混合機中で水を施与することにより75質量%まで高めることができる。含水率はEDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第430.2−02、「含水率」により測定される。含水率をこのように高めることによってベースポリマーが容易に前膨潤し、かつ表面上での架橋剤の分散ならびに粒子の浸透が改善される。
【0109】
本発明による方法において使用することができる噴霧ノズルはいかなる制限も受けない。このようなノズルは、噴霧すべき液体を加圧下で供給することができる。噴霧すべき液体の分散はその際、ノズルの穿孔中で一定の最低速度に達した後に、放圧することにより行うことができる。さらに、本発明による目的のためには一物質ノズル、たとえばスロットノズルまたは渦室(完全円錐ノズル(full cone nozzle))も使用することができる(たとえばDuesenschlick GmbH社製、ドイツ国、またはSpraying Systems Deutschland GmbH社製、ドイツ国)。このようなノズルは、EP−A534228およびEP−A1191051にも記載されている。
【0110】
噴霧に引き続き、ポリマー粉末を熱により乾燥させ、その際、後架橋反応は、乾燥の前、乾燥中または乾燥後に行うことができる。
【0111】
後架橋剤溶液の噴霧は有利には可動の混合装置を有する混合機、たとえばスクリューミキサー、パドル型ミキサー、ディスク型ミキサー、すき型ミキサーまたは羽根型ミキサー中で実施する。特に有利であるのは縦型混合機、とりわけ有利であるのはプラウ型ミキサーおよび羽根型ミキサーである。適切なミキサーはたとえばレーディゲ(Loedige)(登録商標)ミキサー、ベペックス(Bepex)(登録商標)ミキサー、ナウタ(Nauta)(登録商標)ミキサー、プロセッサル(Processall)(登録商標)およびシュギ(Schugi)(登録商標)ミキサーである。
【0112】
熱による乾燥は有利には接触乾燥器中で、特に有利には羽根型乾燥器中で、とりわけ有利にはブレード型乾燥器中で実施する。適切な乾燥器はたとえばBepex(登録商標)乾燥器およびNara(登録商標)乾燥器である。さらに流動層乾燥器を使用することもできる。
【0113】
乾燥は混合機自体の中で、ジャケットの加熱または温風の吹き込みにより行うことができる。同様に、後方接続された乾燥機、たとえば箱形乾燥器、通風回転乾燥器または加熱可能なコイルが同様に適切である。あるいはまた、たとえば乾燥法として共沸蒸留を使用することもできる。
【0114】
特に有利には、後架橋剤溶液を高速混合機中で、たとえばSchugi−Flexomix(登録商標)またはTurbolizer(登録商標)タイプの混合機中で、ベースポリマー上に施与し、かつ反応乾燥器、たとえばナラ・パドル・ドライヤー(Nara−Paddle−Dryer)(登録商標)タイプの乾燥器または羽根型乾燥器中で熱により後架橋する。使用されるベースポリマーは、先行するプロセス工程からなお10〜120℃の温度を有し、後架橋剤溶液は、0〜150℃の温度を有していてもよい。特に後架橋剤溶液は、粘度を低下させるために加熱することができる。その際、有利には後架橋および乾燥のために30〜220℃、特に150〜210℃、とりわけ有利には160〜190℃の温度範囲である。反応混合機または乾燥器中のこの温度での有利な滞留時間は、100分未満、特に有利には70分未満であり、最も有利であるのは40分未満である。
【0115】
後架橋乾燥器は乾燥および後架橋反応の間、空気でパージされ、蒸気が除去される。乾燥を補助するために、乾燥器および接続されている攪拌装置はできる限り完全に加熱される。
【0116】
当然のことながら、蒸気と一緒に反応乾燥器の外部へと連行される補助溶剤は、再び凝縮され、かつ場合により返送してもよい。
【0117】
反応乾燥の終了後、乾燥した吸水性ポリマー粒子を冷却する。有利にはこのために暖かいおよび乾燥されたポリマーを連続的な運転で後方接続された冷却器に移す。該冷却器はたとえばディスク型冷却器、ナラパドル型冷却器、またはスクリュー型冷却器であってよい。この場合、適切な冷媒、たとえば温水または冷水が貫流する冷却器の壁および場合により攪拌装置を介して冷却される。有利には冷却器中で水または添加剤の水溶液を噴霧することができる。このことにより冷却の効率は向上し(部分的な水の蒸発)かつ完成した生成物中の残留水分は、0〜6質量%、有利には0.01〜4質量%、特に有利には0.1〜3質量%に調整される。高められた残留水分により生成物のダスト含有率は低減される。
【0118】
しかし場合により冷却器中で、冷却のみを行い、かつ水および添加剤の添加は後方接続された別の混合機中で実施することもできる。冷却は、反応温度を下回ることにより反応を停止し、かつ温度は総じて、生成物が問題なくプラスチックバッグまたはサイロのトラック中に包装することができる程度に低下すればよいのみである。
【0119】
吸水性ポリマー粒子は、WO02/060983に記載されているように、水不溶性金属リン酸塩により被覆してもよい。
【0120】
このために、水不溶性の金属リン酸塩を粉末として、または分散液として、適切な分散剤、たとえば水中に添加することができる。
【0121】
水不溶性金属リン酸塩を分散液の形で使用し、かつ噴霧する場合、これは有利には水性分散液として使用し、かつ有利にはさらに付加的に吸水性ポリマーの表面上に添加剤を固定するために集塵剤を施与する。集塵剤および分散液の施与は、有利には後架橋溶液と一緒に行い、かつ場合により共通の溶液から、または複数の別々の溶液から別々のノズル装置を介して同時に、または時間をずらして行うことができる。有利な集塵剤は、樹枝状のポリマー、高度に分岐したポリマー、たとえばポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマーまたはブロックコポリマーである。この目的のために適切な別の集塵剤は、ポリヒドロキシ化合物のポリエトキシレートまたはポリプロポキシレート、たとえばグリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンおよびペンタエリトリットである。このための例は、n回エトキシ化されたトリメチロールプロパンまたはグリセロールであり、その際、nは1〜100の整数である。その他の例は、ブロックコポリマー、たとえば合計してn回エトキシ化された、および次いでm回プロポキシ化されたトリメチロールプロパンまたはグリセリンであり、その際、nは1〜40の整数であり、mは1〜40の整数である。ブロックの順序は逆であってもよい。
【0122】
水不溶性の金属リン酸塩は、通常、400μm未満、有利には100μm未満、好ましくは50μm未満、特に有利には10μm未満の平均粒径を有し、特に有利であるのは、2〜7μmの粒径範囲である。
【0123】
あるいはまた、水不溶性金属リン酸塩は、吸水性ポリマー粒子の表面上で初めて生じてもよい。このためにリン酸または可溶性のリン酸塩および可溶性の金属塩の溶液を別々に噴霧し、その際、水不溶性の金属リン酸塩が粒子表面上に形成され、かつ析出する。
【0124】
水不溶性の金属リン酸塩による被覆は、後架橋工程の前、該工程の間、または該工程の後に実施することができる。
【0125】
吸水性ポリマー粒子Bは、有利には水不溶性の金属リン酸塩により被覆される。
【0126】
吸水性ポリマー粒子Bは、300μm未満の粒径を有するポリマー粒子の含有率が比較的高い。液体拡散性能(SFC)は、粒径と共に低減する。水不溶性の金属リン酸塩による被覆によって、液体拡散性能(SFC)は高くなり、その際、水不溶性の金属リン酸塩はその他の可能な無機添加剤を明らかに上回っている。液体拡散性能(SFC)および遠心保持容量(CRC)は、相互に影響するので、水不溶性の金属リン酸塩の添加の際に、代替的に液体拡散性能(SFC)が同じであっても、遠心保持容量(CRC)を高めることができる。
【0127】
あるいは場合によりすべての公知の被覆、たとえば塗膜形成ポリマー、デンドリマー、ポリカチオン性ポリマー(たとえばポリビニルアミン、ポリエチレンイミンまたはポリアリルアミン)、水不溶性多価金属塩、たとえば硫酸カルシウム、水溶性多価金属塩、たとえば硫酸アルミニウム、カルシウム塩またはマグネシウム塩、または水溶性ジルコニウム塩、または親水性の無機粒子、たとえば粘土鉱物、熱分解法シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウム、を付加的に施与することもできる。このことにより付加的な効果、たとえば凝集傾向の低減、加工特性の改善または液体拡散性能(SFC)のさらなる向上を達成することができる。添加剤を分散液の形で使用し、かつ噴霧する場合、有利には水性分散液として使用し、かつ有利にはさらに付加的に添加剤を吸水性ポリマーの表面上に固定するために集塵剤を添加する。
【0128】
本発明による方法によれば、良好な液体輸送特性および良好な吸水作用を有する吸水性ポリマー粒子が容易な方法で得られる。たとえばベースポリマーを後架橋の前に、ベースポリマー粒子からなる凝集体、たとえば少なくとも10質量%の凝集体と混合する必要はない。
【0129】
同様に、ベースポリマーを製造する際にアルカリ金属ケイ酸塩を少なくとも部分的な中和のために使用することは不要である。
【0130】
多価金属イオン、たとえば硫酸アルミニウム溶液としてのアルミニウムイオンによるベースポリマーの後処理は同様に不要である。
【0131】
固体粉末、特に水溶性多価金属塩、たとえばアルミニウム塩、たとえば硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウムまたはナトリウムミョウバンの添加は不要である。というのも、特に塩粒子は、ポリマー粒子の間のスペーサーとして作用するのみであり、かつこうして短期間、液体拡散性を高め、次いで溶解する。このようなスペーサーは、多孔度に、ひいては吸水性ポリマー粒子の芯吸水性に肯定的な影響を与えない。
【0132】
親水性の無機粒子、たとえば粘土鉱物および熱分解法シリカ、酸化アルミニウムおよび酸化マグネシウムの添加は、同様に芯吸収量を改善することなく、液体拡散性(SFC)を改善することにつながる。
【0133】
このことは本発明による方法の特別な利点である。というのは、付加的な装置、たとえば被覆を施与するための装置を省略することができるからである。
【0134】
本発明によるポリマーは、高い芯吸収量により優れている。これは以下にさらに説明される芯吸収量試験により測定することができる。芯吸収量は、60分後および240分後の高い初期吸収率ならびに高い液体吸収率により表される。特に良好な超吸水性ポリマーは、さらに、150分を超えてもなおさらに液体吸収が行われることにより明らかである。
【0135】
無圧での芯吸収量試験では、本発明によるポリマーが60分以内に吸収する0.9質量%の食塩溶液の量は、有利には少なくとも250g、特に有利には少なくとも300gであり、かつ本発明によるポリマーが240分以内に吸収する0.9質量%の食塩溶液の量は、有利には少なくとも300g、特に有利には少なくとも350gである。
【0136】
0.3psiの圧力(2070Pa)での芯吸収量試験を実施する場合、本発明によるポリマーが60分以内に吸収する0.9質量%の食塩溶液の量は、少なくとも100g、特に有利には少なくとも150gであり、かつ本発明によるポリマーが240分以内に吸収する0.9質量%の食塩溶液の量は、有利には少なくとも115g、特に有利には少なくとも125gである。
【0137】
0.7psiの圧力(4830Pa)での芯吸収量試験を実施する場合、本発明によるポリマーが60分以内に吸収する0.9質量%の食塩溶液の量は、有利には少なくとも50g、好ましくは少なくとも60g、特に有利には少なくとも70gである。
【0138】
本発明によるポリマーはさらに、芯吸収量および液体拡散性能の両方を、生成物がこれらの両方のパラメータの積が最適化されるように最適化することにより優れている。60分後(DA60)の液体拡散性能(SFC)および芯吸収量から107で乗じたこの積は、輸送値(TW)とよばれ、これは以下に記載する式により計算することができる。
【0139】
この場合、遠心保持容量(CRC)および液体拡散性能(SFC)は、ベースポリマーの中和度により、ならびに遠心保持容量(CRC)および輸送値(TW)は、反応条件によって後架橋の際に最適化される。特に、わずかに後架橋したポリマー粒子は一般に、高い遠心保持容量(CRC)および低い輸送値(TW)を有し、ならびに高く後架橋したポリマー粒子は一般に低い遠心保持容量(CRC)および高い輸送値(TW)を有しており、その際、後架橋の程度は、反応温度および反応時間によっても決定される。
【0140】
さらに本発明による吸水性ポリマー粒子は、特に使用の間に不快な臭いにつながる化合物をほとんど含有していない。
【0141】
本発明による吸水性ポリマー粒子は極めて白色であり、このことは特に高い吸水性ポリマー粒子の割合を有する超薄型おむつにおいて必要である。超薄型おむつでは、すでにわずかな色の変化が、薄いカバー層を通して認識することができ、これは顧客から受け入れられない。
【0142】
本発明のもう1つの対象は、本発明による吸水性ポリマー粒子を含有する衛生用品、有利には本発明による吸水性ポリマー粒子50〜100質量%、好ましくは60〜100質量%、有利には70〜100質量%、特に有利には80〜100質量%、とりわけ有利には90〜100質量%からなる超薄型おむつであり、その際、吸収層の被覆は当然のことながら考慮されていない。
【0143】
とりわけ有利には本発明による吸水性ポリマー粒子は、たとえばUS−A2003/0181115ならびにUS−A2004/0019342に記載されているような、積層体および複合材構造を製造するために適切である。両方の文献においてこのような新規の吸水性構造を製造するために記載されている溶融接着剤および特にUS−A2003/0181115に記載されている、吸水性ポリマー粒子が結合している溶融接着剤からなる繊維に加えて、本発明による吸水性ポリマー粒子は、たとえばAC−Resin(登録商標)(BASF AG、ドイツ国)として市販されているUV架橋性溶融接着剤の使用下に完全に同様に構造を製造するためにも適切である。これらのUV架橋性溶融接着剤は、すでに120〜140℃で加工可能であり、従って多くの熱可塑性支持体と相容性が良好であるという利点を有する。もう1つの本質的な利点は、UV架橋性溶融接着剤は、毒物学的に全く懸念がなく、かつ衛生用品中での揮発も生じない。本発明による吸水性ポリマー粒子との関連において特に実質的な利点は、加工および架橋の間に黄変する傾向がないというUV架橋性溶融接着剤の特性である。このことは特に、超薄型または部分的に透明な衛生用品を製造すべきである場合に有利である。従って本発明による吸水性ポリマー粒子とUV架橋性溶融接着剤との組み合わせは特に有利である。適切なUV架橋性溶融接着剤はたとえばEP−A377199、EP−A445641、US5,026,806、EP−A655465およびEP−A377191に記載されている。
【0144】
後架橋の性能を測定するために、乾燥した吸水性ポリマー粒子を以下に記載する試験法により試験する。
【0145】
方法:
測定は、その他の記載がないかぎり、23±2℃の周囲温度および50±10%の相対空気湿度で実施すべきである。吸水性ポリマー粒子は測定前に十分に混合する。
【0146】
遠心保持容量(CRC:Centrifuge Retention Capacity)
遠心保持容量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第441.2−02「遠心保持容量」により測定されるが、しかしそれぞれの例に関してこれとは相違して実際の試料はここに記載されている粒径分布により測定される。
【0147】
加圧下での吸収性(AUL:Absorbency Under Load)
加圧下での吸収性は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第442.2−02「加圧下での吸収性」により測定されるが、しかしそれぞれの例に関してこれとは相違して実際の試料はここに記載されている粒径分布により測定される。
【0148】
液体拡散性(SFC:Saline Flow Conductivity)
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤したゲル層の液体拡散性は、EP−A640330に記載されているように、吸収性ポリマー粒子からなる膨潤したゲル層のゲル層透過性として測定され、その際、前記の特許出願の第19頁および図8に記載されている装置は、ガラスフリット(40)がもはや使用されず、プランジャ(39)がシリンダ(37)と同一のプラスチック材料からなり、かつ今度はすべての設置面上に均一に分散して21個の同じ大きさの穿孔を有するように変更された。測定の方法および評価は、EP−A640330に対して変更されていない。流量は自動的に測定される。
【0149】
液体拡散性(SFC)は、以下のとおりに計算される:
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×Ax×WP)
その際、Fg(t=0)は、g/sでのNaCl溶液の流量であり、これは流量測定のデータFg(t)の直線回帰分析に基づいてt=0に対する外挿によって得られ、L0は、cmでのゲル層の厚さであり、dは、g/cm3のNaCl溶液の比重であり、Aは、cm2でのゲル層の面積であり、かつWPは、dyn/cm2でのゲル層を介した静水圧を表す。
【0150】
抽出可能分16h
吸水性ポリマー粒子の抽出可能な成分の含有率は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第470.2−02、「電位差滴定による抽出可能なポリマー含分の測定」により測定する。
【0151】
pH値
吸水性ポリマー粒子のpH値は、EDANA((European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第400.2−02、「pHの測定」により測定される。
【0152】
自由膨潤速度(FSR)
膨潤速度を測定するために、乾燥した吸水性ポリマー粒子1.00g(=W1)を25mlのガラスビーカー中に秤量し、かつ均一にその底に分散させる。次いで、0.9質量%の食塩溶液20mlをディスペンサーを用いて第二のガラスビーカーに供給し、かつこのガラスビーカーの内容物を第一のビーカーに素早く添加し、かつストップウォッチを開始する。液体表面上の反射の消失により認識される、塩溶液の最後の滴が吸収されたら、ストップウォッチを停止する。第二のガラスビーカーから注がれ、かつ第一のガラスビーカー中のポリマーにより吸収される正確な液体量は、第二のガラスビーカーを再度、正確に秤量することにより測定される(=W2)。ストップウォッチにより測定された、吸収のために必要な時間をtとして記載する。表面上での最後の液滴の消失を時点tとして測定する。
【0153】
ここから膨潤速度(FSR)が以下のとおりに計算される:
FSR[g/gs]=W2/(W1×t)
しかしヒドロゲル形成ポリマーの含水率が3質量%以上となったら、質量W1をこの含水率に関して補正する。
【0154】
水性抽出物の表面張力
吸水性ポリマー粒子0.50gを、小さいガラスビーカーに秤量し、かつ0.9質量%の塩溶液40mlを添加する。ガラスビーカーの内容物を500rpm/分で3分間、電磁攪拌棒により攪拌し、次いで2分間沈殿させる。最終的に上澄みの水相の表面張力をデジタル式の張力計K10−STにより、または白金板を有する、これに相応する装置(Kruess社)により測定する。測定は温度23℃で実施する。
【0155】
ヒドロゲルの含水率
吸水性ポリマー粒子の含水率は、(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨される試験法第430.2−02、「含水率」により測定される。
【0156】
芯吸収量
試験の構成:
装置の構成は、図1a(側面図)および図1b(平面図)により表されている:
デュランガラス製の二方コックアダプター(規格19/26および規格29/32を有するテーパー摺り合わせ(高さ11cm))を有する、円筒形の1000mlの滴加漏斗(DIN12566規格、規格29/32、円すい形の摺り合わせ部分、デュランガラス製の中空ガラスストップコックおよび出口管を有するコック、分配目盛り:20ml、高さ39.5cm、製造元:Heico)に、0.9%の食塩溶液1000mlを充填する。次いでガラス管(長さ47cm、内径:1.5mm、外径:4mm)を滴下漏斗内にできる限り深く導入する。ガラス管を穿孔されたゴム栓(またはネジ蓋)により、二方コックアダプターの開口部を外気に対して封止する。
【0157】
リフト台上に、コンピュータに接続された天秤を設置する。次いで天秤の上に、プレキシガラスシリンダ(高さ:13.5cm)と溶接されているプレキシガラス板(面積12×12cm2、高さ:1.5cm)を設置する。プレキシガラス板に、直径7cmおよび高さ0.45cmを有するP0ガラスフリットを液密に埋め込む、つまり液体はフリットの細孔を通って排出され、かつプレキシガラス板とフリットの周辺部上には排出されない。プレキシガラスシリンダの外部ジャケットにより、湾曲部を有するプレキシガラス管をプレキシガラスシリンダの中央に設置し、液体輸送を保証する。この管は滴下漏斗の流出部と同じ直径を有する。
【0158】
液体管を今度はフレキシブルなチューブ(長さ37cm、外径1.0cm、内径0.7cm)により、結合によって天秤に圧力が作用しないように滴下漏斗と接続する。
【0159】
リフト台により、フリットの上側をガラス管の下端のレベルに移動させ、測定の間、滴下漏斗から測定装置へと、常に圧力のかかっていない(大気圧の)液体流を保証する。その際、フリットの上側は、その表面が湿っているが、しかしフリット上に液膜が存在してないように調整される。(さらに、調整の際にガラス管中に液体が存在しないことに注意しなくてはならない。ガラス管中に液体が存在していると、フリットが誤って調整される。さらに、滴下漏斗の開放されたコックにおいて、調整が終了した5分後にも、通過する液膜がフリット上に形成されてはならず、かつ天秤のおもりがこの時間に変化しないで維持されなくてはならない。フリットの下側に気泡が認識される場合には、これはたとえば吸引を適用することによって除去する。)調整の間、滴下漏斗のコックを開放し、調整が終了したら、これを閉じる。
【0160】
機能様式に問題がないことは、そのつどの試験の前に検査する。そのつどの試験前に滴下漏斗中の液体を1000mlに充填する。
【0161】
乾燥したプレキシガラスシリンダ中に、吸水性ポリマー粒子70.0±0.1gを秤量し、かつ吸水性ポリマー粒子の表面を平らにする。充填高さは約3cmである。プレキシガラスシリンダは、(湿った)フリット上に設置し、かつ天秤を補正する。次いで滴下漏斗のコックを開放し、かつ測定を開始する。
【0162】
高いおもり負荷によりワイヤネットの張力は、時間が経過するとともに(多数回の測定後に)低減し、かつネットは測定の間に外側に向かって湾曲する。この場合、ポリマーを含有するプレキシガラスシリンダは、測定の間に垂直から移動する。その場合、ワイヤネットとガラスフリットとの間で最適な接触はもはや存在せず、その結果、液体吸収量が低減する。この場合、ワイヤネットの交換が必要である。
【0163】
試験の実施:
装置が完全に組み立てられたら、滴下漏斗のコックを開放し、かつ電子データ記録を開始する。天秤上の質量の増加を、時間に依存して記録する。これは、吸水性ポリマー粒子の膨潤したゲルカラムによって規定の時点で吸収された塩溶液の量を示す。ゲルカラムを60分もしくは240分間膨潤させる。データを10秒毎に自動的に記録する。試験は圧力をかけずに実施する、つまりこのことは、膨潤工程の間、ゲルカラムにおもりを設置しないことを意味する。あるいはまた選択的に、より良好な差別化のために、加圧下での膨潤も行うことができ、その際、上記の加圧下の吸収性(AUL)に記載したおもりを装置中で使用することができる。通常のおもり負荷は、0.3psi(2.07kPa)および0.7psi(4.83kPa)である。測定は有利には無圧で、ならびに0.3psiおよび0.7psiで、試料あたりそのつど60分間または240分間の時間にわたって実施する。吸収データはそのつど70gの試料によって吸収された塩溶液の合計量に関する。
【0164】
規定の時間内に70gの試料により吸収された塩溶液の合計量(グラム)を、芯吸収量とよび、かつ以下のとおりに特徴付ける:DAnn、その際、下付の変項nnは、吸収時間を分で表し、たとえばDA60は、60分後の無加圧の吸収を意味する。膨潤工程で圧力を作用させる場合、これはカッコで示され、たとえばDA240(0.3psi)は、0.3psiの圧力下で240分後の吸収を示す。
【0165】
輸送値(TW)
芯吸収量および液体拡散性能(SFC)からの積は、膨潤の際に、または膨潤したゲル層による液体を輸送するための吸水性ポリマー粒子の性能を表す。SFCおよびDA60(60分後の無加圧の芯吸収量)からのこの積は、輸送値(TW)として表され、かつ以下のとおりに計算される:
TW[cm3s]=SFC[cm3s/g]×DA60[g]×107
臭いの試験
膨潤した吸水性ポリマー粒子の臭いを評価するために、乾燥したポリマー粒子2.0gを、50mlのガラスビーカー中に秤量する。次いで0.9質量%の食塩溶液20gを23℃で添加する。膨潤した吸水性ポリマー粒子を含有するガラスをパラフィルムにより覆い、かつ3分間放置する。その後、該フィルムを除去し、かつ臭いを評価することができる。その際、それぞれの試料を少なくとも3人の試験員により試験し、その際、それぞれ別個の試料を製造する。
【0166】
CIE−色彩値(Lab)
色の測定は、CIELAB法(Hunterlab、第8巻、1996年、第7号、第1〜4頁)に相応して実施した。その際、色彩は三次元システムの座標L*、a*およびb*により記載される。その際、L*は、明度を表し、その際L*=0は黒を意味し、L*=100は白を意味する。a*およびb*のための値は、色彩軸の赤/緑もしくは黄/青上での色の位置を示し、その際、+a*は、赤色、−a*は、緑色、+b*は、黄色、および−b*は青色を表す。
【0167】
色の測定はDIN5033−6による3領域法に相応する。
【0168】
ハンター60値は、表面の白色度の尺度であり、L*−3b*として定義される、つまりこの値は、色が暗く、かつ黄色がかっているほど低い。
【0169】
Hunterlab LS5100カロリメータを使用した。
【0170】
EDANA試験法はたとえばEuropean Disposables and Nonwoven Association(Avenue Eugene Plasky 157、B−1030、ベルギー国ブリュッセル在)において入手可能である。
【0171】
実施例
例1−ベースポリマーの製造
VT 5R−MK型のレーディゲのすき型混練機(容量5l)中に、脱塩水294g、アクリル酸306.6g、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液(100モル%中和)1993.0gならびに架橋剤の18回エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート3.50gを装入し、かつ窒素を導通しながら20分間不活性化した。次いで約20℃で、水13.9g中に溶解した過硫酸ナトリウム2.453g、水10.46g中に溶解したアスコルビン酸0.053gならびに水1.31g中に溶解した過酸化水素(30質量%)0.146gの添加(希釈した水溶液)により開始した。開始後、反応器中の反応温度を制御して加熱ジャケットの温度を再調整した。最終的に得られた砕けやすいゲルを次いで160℃で約3時間、換気式乾燥室中で乾燥させた。
【0172】
乾燥させたベースポリマーを粉砕し、かつ300〜600μmに分級した。
【0173】
ポリマー(300〜600μm)の特性は以下のとおりであった:
CRC=32g/g、
AUL0.3psi=26g/g、
抽出可能分16時間=9.8質量%、
pH=5.8。
【0174】
例2a
例1からのポリマー20gを、丸刃の混合ブレードを有するアダプターを備えたワーリング(Waring)の実験室用ミキサー中に装入した。次いで中程度の回転数で噴霧装置を用いてゆっくり混合用アダプターの蓋の穴を通して正確に1.00gの後架橋溶液を徐々に、かつ撹拌下で添加してポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0175】
後架橋溶液は以下の組成を有していた:2−オキサゾリドン0.02g、ソルビタンモノココエート0.01g、水0.97g。
【0176】
湿潤したポリマーを、攪拌して均質化し、次いで換気式乾燥室の時計皿上で90分間、175℃で温度処理した。最後に600μmの篩により分級して塊を除去した。
【0177】
ポリマーは以下の特性を有していた:
CRC=26g/g、
AUL0.7psi=23g/g、
SFC=129×10-7cm3sg-1
FSR=0.16gg-1-1
【0178】
例2b
例1からのポリマー20gを、丸刃の混合ブレードを有するアダプターを備えたワーリングの実験室用ミキサー中に装入した。次いで中程度の回転数で噴霧装置を用いてゆっくり混合用アダプターの蓋の穴を通して正確に1.00gの後架橋溶液を徐々に、かつ撹拌下で添加してポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0179】
後架橋溶液は以下の組成を有していた:N−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン0.020g、ソルビタンモノココエート0.005g、水0.975g。
【0180】
湿潤したポリマーを、攪拌して均質化し、次いで換気式乾燥室の時計皿上で90分間、175℃で温度処理した。最後に600μmの篩により分級して塊を除去した。
【0181】
ポリマーは以下の特性を有していた:
CRC=26.1g/g、
AUL0.7psi=23.5g/g、
SFC=120×10-7cm3sg-1
FSR=0.16gg-1-1
【0182】
例2c
例1からのポリマー20gを、丸刃の混合ブレードを有するアダプターを備えたワーリングの実験室用ミキサー中に装入した。次いで中程度の回転数で噴霧装置を用いてゆっくり混合用アダプターの蓋の穴を通して正確に1.00gの後架橋溶液を徐々に、かつ撹拌下で添加してポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0183】
後架橋溶液は以下の組成を有していた:2−オキサゾリドン0.020g、1,2−プロパンジオール0.020g、ソルビタンモノココエート0.010g、水0.95g。
【0184】
湿潤したポリマーを、攪拌して均質化し、次いで換気式乾燥室の時計皿上で90分間、175℃で温度処理した。最後に600μmの篩により分級して塊を除去した。
【0185】
ポリマーは以下の特性を有していた:
CRC=25.8g/g、
AUL0.7psi=22.8g/g、
SFC=140×10-7cm3sg-1
FSR=0.14gg-1-1
【0186】
例2d
例1からのポリマー20gを、丸刃の混合ブレードを有するアダプターを備えたワーリングの実験室用ミキサー中に装入した。次いで中程度の回転数で噴霧装置を用いてゆっくり混合用のアダプターの蓋の穴を通して正確に1.00gの後架橋溶液を徐々に、かつ撹拌下で添加してポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0187】
後架橋溶液は以下の組成を有していた:2−オキサゾリドン0.020g、イソプロパノール0.29g、水0.69g。
【0188】
湿潤したポリマーを、攪拌して均質化し、次いで換気式乾燥室の時計皿上で90分間、175℃で温度処理した。最後に600μmの篩により分級して塊を除去した。
【0189】
ポリマーは以下の特性を有していた:
CRC=25.2g/g、
AUL0.7psi=23.2g/g、
SFC=119×10-7cm3sg-1
FSR=0.14gg-1-1
【0190】
例3
異なった中和度を有するベースポリマーの製造および2−オキサゾリドンによる後架橋
例1と同様に、VT 5R−MK(容量5l)タイプのレーディゲのすき型混練機中、固体含有率35.5質量%および中和度60モル%、65モル%、70モル%、75モル%および85モル%で、かつ0.70質量%のポリエチレングリコール−400−ジアクリレート(アクリル酸に対する)の架橋剤を使用して吸水性ポリマーを製造した。開始は例1と同様に、使用物質を装入した後に行った。窒素を導通しながらこれらを20分間不活性化した。次いで、水13.9g中に溶解した過硫酸ナトリウム2.453g、水10.46g中に溶解したアスコルビン酸0.053g、ならびに水1.31g中に溶解した過酸化水素0.146g(30質量%)を約20℃で開始した。開始後に、反応器中の反応温度の加熱ジャケットの温度を制御することによって後攪拌した。最終的に得られる砕けやすいゲルを次いで160℃で約3時間、換気式乾燥室中で乾燥させた。
【0191】
乾燥させたベースポリマーを粉砕し、かつ200〜850μmに分級した。
【0192】
これらのポリマーそれぞれ20gを、丸刃の混合ブレードを有するアダプターを備えたワーリングの実験室用ミキサー中に装入した。次いで中程度の回転数で噴霧装置を用いてゆっくり混合用のアダプターの蓋の穴を通して正確に1.00gの後架橋溶液を徐々に、かつ撹拌下で添加してポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0193】
後架橋剤溶液の組成は、使用されるベースポリマーに対して水3.43質量%、イソプロパノール1.47質量%およびオキサゾリドン0.10質量%を施与したことによって定義されている。湿潤したポリマーを攪拌して均質化し、かつ次いで該ポリマーを換気式乾燥室中の時計皿の上で60分間、175℃で温度処理した。最終的に850μmの篩により分級し、塊を除去した。
【0194】
こうして製造されたポリマーの特性は以下の表にまとめられている:
【表1】

【0195】
データから、中和度が高すぎる場合には、液体拡散性(SFC)が著しく低下するが、しかし、中和度が低すぎる場合、遠心保持容量(CRC)が著しく損なわれることが明らかである。
【0196】
例5〜14
例1からのベースポリマーに関する製造例を繰り返した。乾燥させたベースポリマーを粉砕し、かつ300〜600μmに分級した。ベースポリマー(300〜600μm)の特性は以下のとおりであった:
CRC=32g/g、
AUL0.3psi=24g/g、
抽出可能分16時間=8.2質量%、
pH=5.7。
【0197】
後架橋は例2a〜2dと全く同様に実施した。以下の例は、使用されたベースポリマーに対する質量%での使用物質の量ならびに反応条件を記載している。後架橋剤1および場合により後架橋剤2を、使用されるポリマーに対して、ソルビタンモノココエート(解凝集剤、Clariant社(ドイツ国)のEmulsogen V4345)0.02質量%、および場合により補助溶剤と一緒に溶解し、かつワーリングのブレンダー中でベースポリマーに噴霧した。引き続き、換気式乾燥器中の時計皿上で、記載されている滞留時間および反応温度で乾燥させた。結果は第2表にまとめられている。
【0198】
【表2−1】

【0199】
【表2−2】

【0200】
例15 ベースポリマーの製造:
例1からのベースポリマーのための製造例を繰り返した。乾燥させたベースポリマーを粉砕し、かつ300〜600μmに分級した。ベースポリマー(300〜600μm)の特性は以下のとおりであった:
CRC=33g/g、
AUL0.3psi=23g/g、
抽出可能分16時間=7.8質量%、
pH=5.7。
【0201】
例16〜36 表面後架橋
後架橋を例2a〜2dと全く同様に実施した。以下の表は、使用されるベースポリマーに対する質量%で、水と混合された架橋剤の使用物質量を記載している。後架橋のために、例15からのベースポリマーそのつど20gを、さらにソルビタンモノココエート(解凝集剤、Clariant社(ドイツ国)のEmulsogen V4345)0.02質量%を含有する混合物と共に、ワーリングのブレンダー中で噴霧し、かつ混合した。引き続き換気炉中の時計皿上で、175℃で60分間乾燥させた。この結果は第3表および第4表にまとめられている。
【0202】
【表3】

【0203】
【表4】

【0204】
実施例16〜18では確かに良好な後架橋の結果が達成されたが、しかし製造された吸水性ポリマー粒子は水と接触する際に、生じた副生成物による不快な臭いを有しているか、または後架橋剤として1,4−ブタンジオールの場合、環化によって不所望の揮発性の、ほとんどにおいのない副生成物(テトラヒドロフラン)不含である。
【0205】
例23および24では、後架橋の際に、においの強い副生成物が生じ、これらは吸水性ポリマー粒子が膨潤する際に水溶液中で放出され、かつこのようなポリマー粒子を衛生用品中で使用することを排除する。
【0206】
例19〜22ならびに25〜27は、有利に補助溶剤として使用される反応性の低い後架橋剤のための例である。
【0207】
例37〜57 反応性架橋剤を用いた表面後架橋
後架橋を例2a〜2dと全く同様に実施した。以下の表は、使用されたベースポリマーに対する質量%で、水と混合された架橋剤の使用物質量を記載している。後架橋のために、例15からのベースポリマーそのつど20gを、さらに付加的にソルビタンモノココエート(解凝集剤、Clariant社(ドイツ国)のEmulsogen V4345)を、使用されるポリマーに対して0.02質量%の量で含有している、架橋剤または補助溶剤および2−オキサゾリドンからなる表に記載に混合物と共に、ワーリングのブレンダー中で噴霧し、かつ混合した。引き続き、換気炉中の時計皿上で175℃で60分間、乾燥させた。その結果は第5表および第6表にまとめられている。
【0208】
【表5】

【0209】
【表6−1】

【0210】
【表6−2】

【0211】
例37、38、40および41では、補助溶剤としてほとんど反応性のない後架橋剤を使用したが、これはにおいの強い副生成物を形成し、このようにして製造された吸水性ポリマー粒子の衛生用品中での使用を困難にする。さらに、例37および38のジオールは、わずかな黄変を生じる傾向があり、これは若干高いbの色彩値により明らかである。
【0212】
例39からの吸水性ポリマー粒子は確かに不快な臭いの化合物を含有していないが、しかしこの場合、環式の副生成物(テトラヒドロフラン)が形成され、これは同様に衛生用品中では望ましくない。
【0213】
実施例42〜57では、有利にほとんど反応性のない後架橋剤を、反応性架橋剤のための補助溶剤として使用した(ここでは2−オキサゾリドン)。これらの混合物は、実質的に臭いのない、かつ白色の生成物につながる。
【0214】
例58 ベースポリマー
作業容量2tを有する工業用の2本のアームを有する混練機中で、固体含有率36質量%を有する部分的に中和されたアクリル酸ナトリウムの水溶液1326kgを装入した。全反応溶液に対する比率でのアクリル酸とアクリル酸ナトリウムとの合計を固体含有率とみなす。中和度は65モル%であった。架橋剤として18回エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート0.40質量%(アクリル酸モノマーに対する)を添加し、良好に攪拌し、かつ引き続き窒素で不活性化した。該溶液の温度は、19℃であった。
【0215】
撹拌下で過硫酸ナトリウム(1.27kgを水7.2kg中に溶解)およびアスコルビン酸(18.6gを水3.7kg中に溶解)を素早く添加することにより開始し、次いで強力に混練し、かつ反応器壁を冷却しながら45分間、混練機中の最大温度が、100℃を下回り、かつ微分散した塊のないゲルが生じるように重合を実施した。
【0216】
このゲルをバンド型乾燥器により乾燥させ、引き続きロールミルで粉砕し、かつ最終的に分級した。得られたポリマー粉末は以下の特性を有していた:
CRC=34.2g/g、
AUL0.3psi=12.3g/g、
抽出可能分16時間=13質量%、
残留モノマーのアクリル酸=240ppm、
残留水分=0.5質量%、
pH=5.7〜5.8。
【0217】
粒径分布
>850μm 0.1質量%、
600〜850μm 26.1質量%、
300〜600μm 48.3質量%、
150〜300μm 24.9質量%、
45〜150μm 0.7質量%、
<45μm <0.1質量%、
150〜850μm 99.2質量%。
【0218】
例59 ベースポリマー
このベースポリマーは例58と全く同様に製造したが、ただし生成物中の微細な割合がより少なくなるように、相応して分級を変更した。
【0219】
CRC=34.1g/g、
AUL0.3psi=13.9g/g、
抽出可能分16時間=13質量%、
残留モノマーのアクリル酸=240ppm、
残留水分=0.5質量%、
pH=5.7。
【0220】
粒径分布
>850μm 0.1質量%、
600〜850μm 29.9質量%、
300〜600μm 55.1質量%、
150〜300μm 14.6質量%、
45〜150μm 0.4質量%、
<45μm <0.1質量%、
150〜850μm 99.6質量%。
【0221】
例60 ベースポリマー
このベースポリマーは、例58と全く同様に製造したが、ただし生成物中の粗大な割合がより少なくなるように、相応して分級を変更した。
【0222】
CRC=33.9g/g、
AUL0.3psi=11.6g/g、
抽出可能分16時間=12.9質量%、
残留モノマーのアクリル酸=230ppm、
残留水分=0.5質量%、
pH=5.7。
【0223】
粒径分布
>850μm <0.1質量%、
600〜850μm 1.3質量%、
300〜600μm 70.4質量%、
150〜300μm 28.9質量%、
45〜150μm 0.6質量%、
<45μm <0.1質量%、
150〜500μm 98.1質量%。
【0224】
例61〜66
VT 5R−MK(容量5l)のタイプのレーディゲのすき型混練機中に、例60からのベースポリマーそのつど1.2kgを装入した。次いで以下の表に記載されている量での溶剤混合物のイソプロパノール/水の使用下に、そのつどの架橋剤混合物を、撹拌下で二流体ノズルを使用してこの溶剤中に溶解して噴霧した。表中のすべての量の記載は、装入されたベースポリマーに対する質量%である。場合によりさらに、予め後架橋溶液中に分散もしくは溶解した添加剤を施与した。噴霧後に、撹拌下で反応器ジャケットを熱媒液により加熱し、その際、迅速な加熱速度は生成物特性にとって有利である。加熱は、生成物ができる限り迅速に目的温度に達し、かつここで安定し、かつ撹拌下に温度処理されるように実施した。次いで表に記載されている時間(加熱の開始後)で試料を規則的に取り出し、特性を測定した。結果は第7表および第8表にまとめられている。
【0225】
【表7−1】

【0226】
【表7−2】

【0227】
【表8】

【0228】
例67〜78
例61〜66と全く同様に、例67〜78を実施したが、ただし、ここではベースポリマー58および59を使用した。
【0229】
【表9−1】

【0230】
【表9−2】

【0231】
HEONON=N−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン、
SEA(C13−09)=Budenheim社のC13−09タイプのリン酸カルシウム、
EDGE=エチレングリコールジグリシジルエーテル(Nagase社のDenacol EX810)。
【0232】
例67〜72は、本発明による方法により、遠心保持容量(CRC)および液体拡散性(SFC)に関して高い値が、出発材料および最終生成物中での<300μmの粒子の極めて高い割合(25質量%)と両立可能であることを示している。
【0233】
例73〜78は、本発明による方法により、出発材料および最終生成物中の<300μmの粒子の割合を15質量%より低い量に低減すると、液体拡散性(SFC)を損なうことなく遠心保持容量(CRC)をさらに向上することができることを示している。
【0234】
例79 本発明によらない比較例
BASF AG社の市販の吸水性ポリマー粒子ASAP 510Z(登録商標)の特性は以下のとおりである:
CRC=28.0〜28.5g/g、
AUL0.7psi=24.0〜24.5g/g、
FSR=0.15g/gs、
残留水分<1質量%、
pH=6.1、
SFC=45〜50×10-7cm3gs-1
TW<15000cm3s。
【0235】
粒径分布
<300μm 15質量%、
300〜600μm 55質量%、
>600μm 30質量%。
【0236】
【表10】

【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】本発明による吸水性ポリマーの芯吸収量を試験するための装置の構成を示す図
【図2】本発明による吸水性ポリマーの芯吸収量を試験するための装置の構成を示す図
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1種の共重合されたエチレン性不飽和の、酸基を有するモノマー、
b)少なくとも1種の共重合された架橋剤、
c)場合により1もしくは複数の、a)と共重合可能な、共重合されたエチレン性および/またはアリル不飽和モノマー、
d)場合により、その上にモノマーa)、b)および場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされている、1もしくは複数の水溶性ポリマー、および
e)少なくとも1種の反応された後架橋剤
を含有する吸水性ポリマー粒子、
その際、遠心保持容量(CRC)は少なくとも26g/gであり、輸送値(TW)は少なくとも15000cm3sであり、
その際、輸送値(TW)は、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)からの積を107で乗じたものであり、かつ
その際、60分後の芯吸収量(DA60)は、吸水性ポリマー粒子70gが60分で吸収した0.9質量%の食塩溶液の質量であり、その際、吸水性ポリマー粒子は、測定の間、内径6cmを有する円形の容器中に存在しており、該容器は下側がメッシュ幅36μmのふるい板で閉じられており、かつ該ふるい板は、無圧で0.9質量%の食塩溶液と接触する。
【請求項2】
2質量%未満が、150μmより小さい粒径を有する、請求項1記載のポリマー粒子。
【請求項3】
少なくとも1種の酸基を有するモノマーの酸基が、60モル%以上および最大で70モル%中和されている、請求項1または2記載のポリマー粒子。
【請求項4】
2質量%未満が、600μmを上回る粒径を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項5】
少なくとも90質量%が、150〜600μmの粒径を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項6】
少なくとも70質量%が、300〜600μmの粒径を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項7】
少なくとも80×10-7cm3s/gの液体拡散性能(SFC)を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項8】
2質量%未満が、850μmを上回る粒径を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項9】
少なくとも90質量%が、150〜850μmの粒径を有する、請求項1から3までのいずれか1項または請求項8記載のポリマー粒子。
【請求項10】
15質量%より多くが、300μmより小さい粒径を有する、請求項1から3までのいずれか1項、請求項8または9に記載のポリマー粒子。
【請求項11】
少なくとも29g/gの遠心保持容量(CRC)を有する、請求項1から3までのいずれか1項または請求項8から10までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項12】
少なくとも45×10-7cm3s/gの液体拡散性能(SFC)を有する、請求項1から3までのいずれか1項または請求項8から11までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項13】
少なくとも1種の水不溶性金属リン酸塩を含有する、請求項1から3までのいずれか1項または請求項10から12までのいずれか1項記載のポリマー粒子。
【請求項14】
少なくとも30g/gの遠心保持容量(CRC)を有する、請求項13記載のポリマー粒子。
【請求項15】
15質量%未満が、300μmより小さい粒径を有する、請求項1から3までのいずれか1項、請求項8または9記載のポリマー粒子。
【請求項16】
少なくとも30g/gの遠心保持容量(CRC)を有する、請求項1から3までのいずれか1項、請求項8、9または15記載のポリマー粒子。
【請求項17】
少なくとも45×10-7cm3s/gの液体拡散性能(SFC)を有する、請求項1から3までのいずれか1項、請求項8、9、15または16記載のポリマー粒子。
【請求項18】
i)少なくとも1種のエチレン性不飽和の、酸基を有するモノマー、
ii)少なくとも1種の架橋剤、
iii)場合により1もしくは複数の、i)と共重合可能なエチレン性および/またはアリル不飽和モノマーおよび
iv)場合により、その上にモノマーi)、ii)および場合によりiii)が少なくとも部分的にグラフトされてよい、1もしくは複数の水溶性ポリマー
を含有するモノマー溶液を重合し、その際、得られるベースポリマーを乾燥させ、分級し、
v)少なくとも1種の後架橋剤
を用いて後処理し、乾燥させ、かつ熱により後架橋することにより吸水性ポリマー粒子を製造する方法において、吸水性ポリマー粒子が、少なくとも26g/gの遠心保持容量(CRC)および少なくとも15000cm3sの輸送値(TW)を有する後に、熱による後架橋を中断し、
その際、輸送値(TW)は、液体拡散性能(SFC)および60分後の芯吸収量(DA60)からの積を107で乗じたものであり、かつ
その際、60分後の芯吸収量(DA60)は、吸水性ポリマー粒子70gが60分で吸収した0.9質量%の食塩溶液の質量であり、その際、吸水性ポリマー粒子は、測定の間、内径6cmを有する円形の容器中に存在しており、該容器は下側がメッシュ幅36μmのふるい板で閉じられており、かつ該ふるい板は、無圧で0.9質量%の食塩溶液と接触することを特徴とする、吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項19】
ベースポリマー中で少なくとも1つの酸基を有するモノマーの酸基が、60モル%以上および最大で70モル%中和されていることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1種の後架橋剤が、アミドアセタール、カルバミン酸エステル、環式炭酸エステル、ビスオキサゾリンおよび/または多価アルコールであり、その際、多価アルコールは、ヒドロキシル基あたり100g/モル未満の分子量を有し、かつビシナル、ジェミナル、第2級または第3級ヒドロキシル基を有していないことを特徴とする、請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
後架橋を160〜210℃の温度で実施することを特徴とする、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1種の後架橋剤が、最大で160℃または少なくとも220℃の沸点を有することを特徴とする、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
後架橋剤を少なくとも1種の補助溶剤と一緒に水溶液として使用し、その際、補助溶剤の沸点は最大で160℃または少なくとも220℃であることを特徴とする、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1種の後架橋剤を水溶液として補助溶剤の不存在下に使用することを特徴とする、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
衛生用品および包装材料中での請求項1から17までのいずれか1項記載の吸水性ポリマー粒子の使用。
【請求項26】
請求項1から17までのいずれか1項記載の吸水性ポリマー粒子を含有する衛生用品。
【請求項27】
請求項18から24までのいずれか1項記載の方法を含む、吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項28】
請求項18から24までのいずれか1項記載の方法により製造される吸水性ポリマー粒子を含有する衛生用品。

【公表番号】特表2008−517116(P2008−517116A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537171(P2007−537171)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011073
【国際公開番号】WO2006/042704
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】