説明

高い経口バイオアベイラビリティを有するモルフィナン誘導体

本出願は、オピオイド受容体の活性または遮断と関連する疾患、例えば、アルコールおよびアヘン剤中毒の治療のための、向上した経口バイオアベイラビリティを有する式Iのモルフィナン誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連段落
本願は、2009年3月19日に出願された米国特許仮出願第61/161,702号の恩典を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、μ、κおよび/またはδオピオイド受容体化合物として有用な経口バイオアベイラビリティが高められたモルフィナン(mophinan)化合物およびオピオイド受容体活性または阻害に関連のある疾患の治療、例えば限定されないが、痛覚消失の媒介、薬物中毒、オピオイド中毒、アルコール中毒、薬物過剰摂取、精神病、膀胱機能不全、神経因性膀胱、間質性膀胱炎、尿失禁、早漏、炎症性の痛み、神経病性の痛み、咳、肺水腫、心臓障害、心臓保護、鬱病、および認知、呼吸器、下痢、痒み、過敏性腸症候群および胃腸障害の対処、免疫調節ならびに抗腫瘍剤として有用であり得る前記化合物を含む医薬に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
1805年にモルヒネが単離されて以来、アヘン誘導体は大きな研究対象となっており、アヘン誘導体またはアヘン誘導態様活性を有する数千の化合物が同定されている。多くのオピオイド受容体相互作用化合物、例えば痛覚脱失をもたらすために使用される化合物(例えばモルヒネ)および薬物中毒を治療するために使用される化合物(例えばナルトレキソンおよびシクラゾシン)がヒトの治療に使用されている。ベンザゾシンおよびモルフィナン分の治療的に有用なほぼ全てのオピオイドは、フェノール性ヒドロキシル基(OH)を、2,6-メタノ-3-ベンザゾシン[例えば、シクラゾシンおよびEKC(エチルケトシクラゾシン)]に使用されるナンバリングシステムにおける「8」番目の位置ならびにモルフィナン(例えばモルヒネ)に使用されるナンバリングシステムの「3」番目の位置に有する。3-ヒドロキシル基をカルボキサミドおよびチオカルボキサミド基などのいくつかの小さな極性中性残基と置換する場合、隣接する4位がヒドロキシルで置換されてオピオイド受容体に対して良好な親和性を有する化合物が生じ得る。かかる受容体に結合する化合物は、受容体アヘン誘導体により調節される疾患の治療、例えば痛覚消失の媒介、薬物中毒、オピオイド中毒、アルコール中毒、薬物過剰摂取、精神病、膀胱機能不全、神経因性膀胱、間質性膀胱炎、尿失禁、早漏、炎症性の痛み、末梢媒介性および神経病性の痛み、咳、肺水腫、下痢、痒み、心臓障害、心臓保護、鬱病、および認知、呼吸器、過敏性腸症候群および胃腸障害の対処、免疫調節ならびに抗腫瘍剤に有用であり得る。
【0004】
治療的に有用なモルフィナンの中でも、アルコール中毒およびオピオイド中毒の治療には、ナルトレキソンが一般的に使用されている。しかしながら、ナルトレキソンは、有意な第一通過代謝に供される。さらに、ナルトレキソンは、高用量では有意な肝臓毒性効果を有することが分かっている。このことで、食品医薬品局(FDA)は、高用量での使用に関して「ブラックボックス警告」を発している。このように、アルコールおよびアヘン誘導体の中毒に対して、生体で充分に許容される有効な治療薬、特に低用量で有効でより良好な薬物動態プロフィールを有する医薬を開発する必要性が残っている。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明は、特定のカルボキサミド置換モルフィナンが経口バイオアベイラビリティの向上を示すという予期されない発見に関する。カルボキサミド置換モルフィナンの改善されたバイオアベイラビリティにより、アルコール中毒およびアヘン誘導体依存などのオピオイド受容体の活性または阻害に関連する疾患の治療効果の改善がもたらされる。
【0006】
本発明は、オピオイド受容体活性または阻害により調節される疾患の、式I:


(式中;
R1は、-(CH2)n-c-C3H5、-(CH2)n-c-C4H7、-(CH2)n-c-C5H9, -(CH2)n-CH=CH2または-(CH2)n-CH=C(CH3)2であり、ここでnは独立して0、1、2または3であり;
R2は、-CONH2または-CSNH2であり;
R3およびR4は独立して、H、-OHであるか、またはR3およびR4は一緒になって-O-もしくは-S-基を形成し;
R5は、HまたはC1〜C8アルキルであり;
R6およびR7は独立してH、-OH、OCH3であるか、またはR6およびR7は一緒になって=Oもしくは=CH2基を形成する)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグの経口投与による治療に関する。
【0007】
本願の化合物は、オピオイド受容体の活性または阻害により調節される疾患の治療、例えば痛覚消失の媒介、薬物中毒、オピオイド中毒、アルコール中毒、薬物過剰摂取、精神病、膀胱機能不全、神経因性膀胱、間質性膀胱炎、尿失禁、早漏、炎症性の痛み、神経病性の痛み、咳、肺水腫、下痢、痒み、心臓障害、心臓保護、鬱病、および認知、呼吸器、過敏性腸症候群および胃腸障害の対処、免疫調節ならびに抗腫瘍剤に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、凍結保存肝細胞における化合物1の代謝安定性である。
【図2】図2は、サルにおけるIVおよびPO投与後の化合物1およびナルトレキソンの濃度-時間プロフィールである。
【図3】図3は、イヌにおけるIVおよびPO投与後の化合物1およびナルトレキソンの濃度-時間プロフィールである。
【図4】図4は、PKヒトナルトレキソン比較である(用量で10倍低下)。
【図5】図5は、経口投与後のナルトレキソン(50mg)と比較した化合物1(5mg)のPKプロフィールである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、オピオイド受容体の活性または阻害に関連する疾患、特にアヘン誘導体およびアルコールの中毒の治療のためのカルボキサミド置換モルフィナンの使用に関する。本発明は、特定のカルボキサミド置換モルフィナンが経口バイオアベイラビリティの向上を発揮するという予期されない発見に関する。カルボキサミド置換モルフィナンのバイオアベイラビリティの改善により、オピオイド受容体活性または阻害に関連する疾患、例えばアルコール中毒およびアヘン誘導体依存の治療効果の改善がもたらされる。
【0010】
本発明の化合物は、ベンゾモルファンのフェノール性ヒドロキシルをカルボキサミド基に変換することにより入手され得る。ベンゾモルファンおよびモルフィナン誘導体のフェノール性ヒドロキシルは、米国特許第6,784,187号、第7,262,298号および第7,057,035号、ならびに米国特許出願公開公報US 2007/0021457 A1(これらは全て参照により本明細書に援用される)に記載される単純で柔軟な従来の経路によりカルボキサミドに化学的に変換され得る。
【0011】
一局面において、本発明は、オピオイド受容体活性または阻害により調節される疾患の、式I:


(式中、
R1は、-(CH2)n-c-C3H5、-(CH2)n-c-C4H7、-(CH2)n-c-C5H9、-(CH2)n-CH=CH2または-(CH2)n-CH=C(CH3)2であり、ここでnは独立して0、1、2または3であり;
R2は、-CONH2または-CSNH2であり;
R3およびR4は独立して、H、-OHであるかまたはR3およびR4は一緒になって-O-もしくは-S-基を形成し;
R5は、HまたはC1〜C8アルキルであり;
R6およびR7は独立して、H、-OH、OCH3であるかまたはR6およびR7は一緒になって=Oもしくは=CH2基を形成する)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグの経口投与による治療に関する。
【0012】
式Iの代表的な化合物を以下に挙げる:



【0013】
経口投与後の化合物1およびナルトレキソンの薬物動態学(PK)パラメーターの評価は、驚くべきことに、化合物1について良好な経口バイオアベイラビリティプロフィールを示した(表1)。サルについては、4倍を超える経口バイオアベイラビリティの改善が観察された。経口バイオアベイラビリティの有意な改善は、イヌおよびラットで観察された。ラットは4倍の改善を示し、一方イヌは50倍を超える改善を示した。ナルトレキソンと比較して観察された経口バイオアベイラビリティの増加は、予測されない有意な改善であった。
【0014】

【0015】
観察されたバイオアベイラビリティの増加により、ナルトレキソンと比較してより低い日用量での投与が可能になる。例えば、ナルトレキソンを50mg/日用量で投与する場合、化合物1は、約1.5〜約20mg/日の有意に低い用量で効果的であることが予測される。前述の用量は臨床的な評価に応じて変動するが、化合物1は、ナルトレキソンよりも低用量で効果的であることが予測される。
【0016】
本願の化合物は、アヘン誘導体受容体に対して良から優の結合親和性を示し、CNSにおけるオピオイド鎮痛効果を阻害する。このように、本願の化合物は、オピオイド受容体活性または阻害により調節される疾患の治療、例えば痛覚消失の媒介、薬物中毒、オピオイド中毒、アルコール中毒、薬物過剰摂取、精神病、膀胱機能不全、神経因性膀胱、間質性膀胱炎、尿失禁、早漏、炎症性の痛み、神経病性の痛み、咳、肺水腫、下痢、痒み、心臓障害、心臓保護、鬱病、および認知、呼吸器、過敏性腸症候群および胃腸障害の対処、免疫調節ならびに抗腫瘍剤に有用である。
【0017】
定義
以下に記載のものは、本発明を説明するために使用する種々の用語の定義である。これらの定義は、具体例において限定されていない限り、個々に、または大きな群の一部としてのいずれかで本明細書全体および特許請求の範囲において使用されている用語に対して適用される。
【0018】
語句「副作用」は、薬物によって、特に、投与が有益であると思われるもの以外の組織または器官系に対して有害効果がもたらされるような、薬剤または措置を使用することによるもの以外の結果をいう。例えば、オピオイドの場合、用語「副作用」は、例えば、呼吸抑制、急性鎮静、便秘、オピオイド誘導性の腸機能不全、悪心および/または嘔吐などの状態をいうものであり得る。
【0019】
用語「C1〜C8アルキル」は、本明細書で使用されるように、それぞれ、1〜6個または1〜8個の炭素原子を含む飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素基をいう。C1〜C6アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル基が挙げられ;C1〜C8アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル基が挙げられ、C1〜C8アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、ヘプチル、オクチル基が挙げられる。
【0020】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学に関して(R)-または(S)-、あるいはアミノ酸では(D)-または(L)-で規定され得る他の立体異性形態を生じる。本発明は、かかる可能なすべての異性体、ならびにそのラセミ化合物形態および光学的に純粋な形態を包含することを意図する。光学異性体は、そのそれぞれの光学的に活性な前駆体から本明細書に記載の手順によって、またはラセミ混合物を分離することにより調製され得る。分離は、分離剤の存在下で、クロマトグラフィーにより、または反復結晶化により、または当業者に公知のこれらの技術のいくつかの組合せにより行なわれ得る。分離に関するさらなる詳細は、Jacques,et al.,Enantiomers,Racemates, and Resolutions(John Wiley & Sons、1981)に見られ得る。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何不斉中心を含む場合、特に記載のない限り、該化合物は、E幾何異性体およびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、すべての互変異性形態も含むことが意図される。本明細書で見られる任意の炭素-炭素二重結合の配置は、便宜上のためだけに選択されたものであり、本文中に記載のない限り、特定の配置の指定を意図しない;したがって、本明細書において随意にトランスで示された炭素-炭素二重結合は、シス、トランス、または両者の任意の割合の混合であり得る。
【0021】
用語「被験体」は、本明細書で使用されるように、哺乳動物をいう。したがって、被験体は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモットなどをいう。好ましくは、被験体はヒトである。被験体がヒトである場合、本明細書において被験体を患者と称することがある。
【0022】
本明細書で使用する場合および当業者により理解されるように、「化合物」という記載は、さらに明確に限定されない限り、該化合物の塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグおよび包接複合体を含むことを意図する。
【0023】
本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容され得る塩」は、本発明の方法によって形成される該化合物の塩であって、充分な医学的判断の範囲内において、ヒトおよび低級動物の組織との接触における使用に適しており、過度な毒性、刺激、アレルギー性応答などがなく、妥当な利益/リスク比に釣り合った塩をいう。薬学的に許容され得る塩は当該技術分野で周知である。
【0024】
Berge,et al.は、J. Pharmaceutical Sciences、66:1-19(1977)において、薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。該塩は、本発明の化合物の最終の単離および精製中にインサイチュで調製され得るか、または遊離塩基の官能基と適当な有機酸を反応させることにより別途調製され得る。薬学的に許容され得る塩の例としては、限定されないが、非毒性の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸あるいは酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸とともに形成される、またはイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することにより形成されるアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に許容され得る塩としては、限定されないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩(エデト酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩(hydroxynaphthoate)、イセチオン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩(mucate)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などが挙げられる。本明細書で使用されるように、用語「薬学的に許容され得るエステル」は、本発明の方法によって形成され、インビボで加水分解される該化合物のエステルをいい、ヒトの体内で容易に分解されて親化合物またはその塩になるものが挙げられる。適当なエステル基としては、例えば、薬学的に許容され得る脂肪族カルボン酸、特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオン酸から誘導されるものが挙げられ、各アルキルまたはアルケニル部分が有利には6個以下の炭素原子を有する。具体的なエステルの例としては、限定されないが、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレートおよびエチルスクシネートが挙げられる。さらなる薬学的に許容され得る塩としては、適宜、1〜20個の炭素原子を有するアルキルに結合した非毒性のアンモニウムカチオン、カルボン酸、硫酸およびリン酸のアニオンが挙げられる。
【0025】
用語「薬学的に許容され得るプロドラッグ」は、本明細書で使用されるように、本発明の方法によって形成される該化合物プロドラッグであって、充分な医学的判断の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に適しており、過度な毒性、刺激、アレルギー性応答などを有し、妥当な利益/リスク比に釣り合っており、意図される用途に有効なプロドラッグ、ならびに可能な場合は本発明の化合物の両性イオン形態をいう。「プロドラッグ」は、本明細書で使用されるように、代謝的手段(例えば、加水分解)によってインビボで転換可能であり、本発明の式で示される任意の化合物が得られる化合物を意味する。種々の形態のプロドラッグが当該技術分野で公知であり、例えば、Bundgaard(編)、Design of Prodrugs、Elsevier(1985);Widder,et al.(編)、Methods in Enzymology、第4巻、Academic Press(1985);Krogsgaard-Larsen,et al.(編)、"Design and Application of Prodrugs、Textbook of Drug Design and Development、第5章、113-191(1991);Bundgaard,et al.,Journal of Drug Deliver Reviews、8:1-38(1992);Bundgaard,J. of Pharmaceutical Sciences、77:285以降.(1988);HiguchiおよびStella(編)Prodrugs as Novel Drug Delivery Systems、American Chemical Society(1975);および Bernard Testa & Joachim Mayer、"Hydrolysis In Drug And Prodrug Metabolism:Chemistry、Biochemistry And Enzymology," John Wiley and Sons,Ltd.(2002)に論考されている。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「非プロトン性溶媒」は、プロトン活性に比較的不活性、つまりプロトン供与体として作用しない溶媒のことをいう。例としては、限定されないが、ヘキサンおよびトルエンなどの炭化水素、例えば塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、例えばテトラヒドロフランおよびN-メチルピロリジノンなどの複素環式化合物、ジエチルエーテル、ビス-メトキシメチルエーテルなどのエーテルが挙げられる。かかる溶媒は、当業者に周知であり、個々の溶媒またはそれらの混合物は、例えば試薬の溶解度、試薬の反応性および好ましい温度範囲などの要因に応じて、具体的な化合物および反応条件について好ましくあり得る。非プロトン性溶媒のさらなる記載は、有機化学の教本、または専門的な研究論文、例えば:Techniques of Chemistry Series, Vol. IIのOrganic Solvents Physical Properties and Methods of Purification, 第4版、John A. Riddickら編、John Wiley & Sons, NY, 1986に見られ得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「プロトン供与性(protogenic)有機溶媒」または「プロトン性(protic)溶媒」は、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t-ブタノール等の、プロトンを供与し易い溶媒のことをいう。かかる溶媒は、当業者に周知であり、個々の溶媒またはそれらの混合物は、例えば試薬の溶解度、試薬の反応性および好ましい温度範囲などの要因に応じて、具体的な化合物および反応条件について好ましくあり得る。プロトン供与性溶媒のさらなる記載は、有機化学の教本または専門的な研究論文、例えば:Techniques of Chemistry Series, Vol. IIのOrganic Solvents Physical Properties and Methods of Purification、第4版、John A. Riddickら編、John Wiley & Sons, NY, 1986に見られ得る。
【0028】
本発明によって構想される置換基と可変部の組合せは、安定な化合物の形成をもたらすもののみである。用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、製造を可能にするのに充分な安定性を有し、本明細書に詳述する目的(例えば、被検体への治療的または予防的投与)に有用であるのに充分な期間、化合物の完全性を維持している化合物をいう。
【0029】
合成された化合物は、反応混合物から分離され、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、または再結晶などの方法によって、さらに精製され得る。さらに、種々の合成工程は、代替の配列または順序で行ない、所望の化合物を得てもよい。また、本明細書に詳細に示した溶媒、温度、反応持続時間などは例示の目的にすぎず、反応条件を変更しても、本発明の所望の橋状結合(bridged)大環状生成物が作製され得る。本明細書に記載の化合物の合成に有用な合成化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)としては、例えば、R. Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers (1989);T.W. Greene and P. G. M. Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John Wiley and Sons (1991);L. Fieser and M. Fieser、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons (1994);およびL. Paquette編,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis. John Wiley and Sons (1995)に記載のものが挙げられる。
【0030】
本発明の化合物は、選択的生物学的特性を向上させるために、本明細書に詳細に示した合成手段によって種々の官能基を付加することにより修飾され得る。かかる修飾としては、所与の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的浸透を増大させるもの、経口アベイラビリティを増大させるもの、注射による投与を可能にするために可溶性を増大させるもの、代謝を改変するもの、および排出速度を改変するものが挙げられる。
【0031】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、1種類以上の薬学的に許容され得る担体と一緒に製剤化された治療有効量の本発明の化合物を含む。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容され得る担体」は、任意の型の無毒性の、不活性な固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル封入物質または製剤化助剤を意味する。薬学的に許容され得る担体としての機能を果たし得る物質の一例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;コーンスターチおよびイモデンプンなどのデンプン;セルロースならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐剤用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質無含有水;等張性生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール、およびリン酸バッファー溶液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒性の適合性の滑沢剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味剤および芳香剤であり、保存料および酸化防止剤もまた、製剤者の判断に応じて、組成物中に存在させてもよい。
【0032】
経口投与のための液状投薬形態としては、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液状投薬形態は、例えば、水または、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびその混合物などの他の溶媒、可溶化剤ならびに乳化剤などの当該技術分野で一般に使用されている不活性な希釈剤を含み得る。不活性な希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、フレーバー剤および芳香剤などの佐剤も含み得る。
【0033】
薬物の効果を長引かせるため、しばしば、皮下または筋肉内注射による薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、水溶性が不充分な結晶性または非晶質の物質の液体懸濁液の使用によって達成され得る。そのため、薬物の吸収速度は溶解速度に依存し、さらに、溶解速度は結晶サイズおよび結晶性形態に依存し得る。あるいはまた、非経口投与される薬物形態の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド中の生分解性ポリマー中の薬物のマイクロカプセル封入マトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する薬物の比率および使用される具体的なポリマーの性質に応じて、薬物放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。
【0034】
経口投与のための固形投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。かかる固形投薬形態において、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムおよび/または:a) デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b) 例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c) グリセロールなどの保湿剤、d) 寒天-寒天、炭酸カルシウム、イモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e) パラフィンなどの溶解遅延剤、f) 第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g) 例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h) カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、ならびにi) タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにその混合物などの少なくとも1種類の不活性な薬学的に許容され得る賦形剤または担体と混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤も含み得る。
【0035】
一態様において、本発明の医薬組成物または本発明の医薬組成物に加えて投与される別の医薬剤を含む微粒子の投与により、意図される放出期間にわたって、
ほぼ一定の値に持続される局所または血漿濃度が提供される(例えば、1日あたり投与が可能である2〜24時間まで、1回、2回、3回、4回または4回より多く)。微粒子製剤により、患者が治療薬を摂取する頻度を少なくすること、およびより長期間のより安定した免荷を受けることが可能になり得る。
【0036】
また、類似した型の固形組成物を、例えば、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用してもよい。
【0037】
また、活性化合物は、上記のような1種類以上の賦形剤を用いたマイクロカプセル封入形態であってもよい。固形投薬形態である錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒剤は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび医薬調剤分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよび殻を用いて調製され得る。かかる固形投薬形態において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種類の不活性な希釈剤と混合され得る。また、かかる投薬形態は、通常の実務の場合と同様、不活性な希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの打錠滑沢剤および他の打錠助剤ならびに微晶質セルロースを含み得る。カプセル、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。これらは、任意に不透明化剤を含んでいてもよく、また、活性成分(1種類または複数種)のみを、または優先的に、腸管の特定の部分に、任意に遅延様式で放出する組成のものであってもよい。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0038】
本明細書に記載の本発明の化合物に好ましい好適な経口日投薬量は、だいたい約1.5mg〜約20mgである。投与スケジュールは、最適な治療応答が提供されるように調整され得る。例えば、投与は、1日1回〜3回を1日〜数日間、数週間、数ヶ月、さらには数年間の期間であり得、患者の一生の間でさえあり得る。実際には、本発明の任意の所定の組成物または活性剤の単位用量は、医師の判断、患者の必要性などに応じて種々の投与スケジュールで投与され得る。具体的な投与スケジュールは、当業者に公知であるか、または慣用的な方法を用いて実験的に決定され得る。例示的な投与スケジュールとしては、限定されないが、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1回、1日おき、周3回、周2回、周1回、月2回、月1回などでの投与が挙げられる。単位用量調製物は、約1.5〜約20mgの範囲の式Iの化合物を含み得る。好ましくは、単位投薬形態は、約1.5〜約10mgの式Iの化合物を含み得るが、さらにより好ましくは、単位用量は約1.5〜約5mgの式Iの化合物を有し得る。
【0039】
オピオイド活性または遮断と関連する疾患の治療に有用な医薬キットは、1つ以上の滅菌容器内に治療有効量の末梢作用性化合物および本発明の式Iの化合物を含み、本発明の範囲に含まれる。容器の滅菌は当業者に周知の従来の滅菌方法論を用いて行なわれ得る。物質の滅菌容器は、所望により、別々の容器を含むものであってもよく、UNIVIAL(登録商標)2パート容器 (Abbott Labs、Chicago、Ill.から入手可能)に例示されるような1つ以上の多パート容器を含むものであってもよい。末梢作用性化合物および式Iの化合物は、別々の投薬形態であってもよく、上記のような単一の投薬形態中で合わせてもよい。かかるキットは、所望により、さらに、例えば、当業者にすぐにわかる1種類以上の薬学的に許容され得る担体、成分の混合のためのさらなるバイアルなどの1種類以上の種々の従来の医薬キット成分を含み得る。また、投与される成分の量、投与のためのガイドラインおよび/または成分の混合のためのガイドラインを示す添付文書またはラベルのいずれかとしての使用説明書もキットに含まれ得る。
【0040】
特に定義していない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、当業者に一般的に知られた意味に一致する。本明細書に挙げたすべての刊行物、特許、公開特許出願、および他の参考文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0041】
合成方法
本発明の化合物および方法は、本発明の化合物が調製され得る方法を示し、単なる例示を意図し、本発明の範囲を限定しない以下の合成スキームと関連させると、よりよく理解されよう。開示された態様に対する種々の変更および修正は当業者に自明であり、限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤および/または方法に関するものなどのかかる変更および修正は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱せずに行なわれ得る。
【0042】
本発明による式Iの化合物は、例えば、米国特許第5,250,542号、米国特許第5,434,171号、米国特許第5,159,081号、米国特許第4,176,186号 米国特許第6,365,594号、米国特許第6,784,187号および米国特許第5,270,328号に教示された方法を用いて合成され得、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。インドリルモルフィナンの合成方法論は、Jones et. al. Journal of Medicinal Chemistry、1998、41、4911に記載されている。ピリドモルフィナンの合成方法論は、Ananthan et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、13、2003、529-532に記載されている。本発明の化合物の合成における出発物質として使用した光学的に活性な市販されているナルトレキソンは、米国特許第3,332,950号に教示された一般手順によって調製してもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。化合物1aおよび1bは、対応するフェノールから、以下の参考文献:米国特許第6,784,187号;Wentland et al. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2001、11、623;Wentland et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2001、11、1717、Wentland et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、2005、15、2107に記載の方法論を用いて合成した。1aおよび1bの対応するフェノールは、フェノールおよび(CF3SO2)2Oおよびピリジンを、CH2Cl2またはPhN(SO2CF3)2中で、およびトリエチルアミンを塩化メチレン中で処理することによりトリフレートエステルに変換した。Zn(CN)2、Pd(PPh3)4を用いてトリフレートをニトリルに変換した後、KOH/t-BuOHを用いてニトリルを加水分解することによってカルボキサミド生成物を得た。
【実施例】
【0043】
実施例
本発明の化合物および方法は、単なる例示を意図し、本発明の範囲を限定しない以下の実施例と関連させると、よりよく理解されよう。開示された態様に対する種々の変更および修正は当業者に自明であり、限定されないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤および/または方法に関するものなどのかかる変更および修正は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱せずに行なわれ得る。
【0044】
実施例1:低温保存した肝細胞(肝臓細胞)における化合物1の代謝安定性:化合物1を、0.5および5μMの濃度で、ラット、イヌ、サルおよびヒト由来の低温保存した肝細胞とともにインキュベートした。インキュベーションは、三重に行なった(0.5×106細胞/インキュベーション、37℃、5%CO2、穏やかに振とう)。インキュベーションは、0、30、60、120および240分の時点で終了した。熱処理した試料を陰性対照として含めた。インキュベーション終了後、化合物1をLC-MS/MSによって検出し、親化合物1の減少を測定した。図1は、ラット、イヌ、サルおよびヒト肝臓細胞における化合物1の代謝安定性を示す。
【0045】
実施例2:化合物1の薬物動態解析:IV (1mg/kg)およびPO (10mg/kgまたは1mg/kg) 投与後の化合物1および参照化合物ナルトレキソンのPKを測定した。化合物1およびナルトレキソンの濃度をLC-MS/MSによって測定した。PKパラメータは、WiNonlin (v5.1)を用いてノンコンパートメント解析によって測定した。図2〜4は、ナルトレキソンおよび化合物1のPKプロフィールを示す。
【0046】
イヌおよびサルへのIV投与後の化合物1のクリアランスを用いてヒトにおけるクリアランスを予測した。図5は、相対成長スケーリングによって決定される予測ヒトクリアランスを示す。
【0047】
実施例3:ヒトへの経口投与によるナルトレキソンの薬物動態プロフィールを化合物1と比較した。単回経口用量のナルトレキソン.HCl (50mg)を投与した。化合物1の場合、5mgの単回経口用量を投与した。結果を図5に示す。
【0048】
本明細書で言及する特許および科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書に挙げたすべての米国特許および公開または未公開米国特許出願は、参照により本明細書に援用される。本明細書に挙げたすべての外国の公開特許および公開特許出願は、参照により本明細書に援用される。本明細書に挙げたすべての他の公開された参考文献、文献、原稿および科学文献は、参照により本明細書に援用される。
【0049】
本発明を、その好ましい態様を参照して具体的に示し、記載したが、形態および詳細における種々の変形が、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者によって理解されよう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い経口バイオアベイラビリティを有する、式I:


(式中;
R1は、-(CH2)n-c-C3H5、-(CH2)n-c-C4H7、-(CH2)n-c-C5H9、-(CH2)n-CH=CH2または-(CH2)n-CH=C(CH3)2(式中、nは、独立して、0、1、2または3である)であり;
R2は、-CONH2または-CSNH2であり;
R3およびR4は、独立して、H、-OHであるか、またはR3およびR4は一緒に-O-もしくは-S-基を形成しており;
R5は、HまたはC1〜C8アルキルであり;
R6およびR7は、独立して、H、-OH、OCH3であるか、またはR6およびR7は一緒に=Oもしくは=CH2基を形成している)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステルもしくはプロドラッグの経口投与による、オピオイド受容体の活性または遮断と関連する疾患の治療方法であって、前記式Iの化合物は約3〜約30mg/日の日投薬量で投与される、方法。
【請求項2】
前記式の化合物が:


である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記疾患がアルコール中毒である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記式Iの化合物が約3〜約15mg/日の日用量で投与される、請求項1〜3いずれか記載の方法。
【請求項5】
前記日用量が約5mg/日である、請求項4記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−520877(P2012−520877A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500776(P2012−500776)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066801
【国際公開番号】WO2010/107457
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(506350023)アルカーメス,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】