説明

高コレステロール血症の処置のための、置換アゼチジノン化合物、これらの処方物および使用

本発明は、被験体において、血管状態(例えば、アテローム硬化症、または高コレステロール血症)、糖尿病、肥満、発作、脱髄を処置し、そしてステロールおよび/またはスタノールの血漿レベルを低下させるために有用であり得る、式(I)の置換アゼチジノン化合物、処方物ならびに処方物を調製する方法を提供する。式(I)の化合物は、インビボで代謝されて、ステロール吸収インヒビター化合物および/またはスタノール吸収インヒビター化合物ならびにステロール生合成インヒビター化合物を形成し得る。
【化46】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、本明細書中に参考として援用される、2003年3月7日に出願された、米国仮特許出願番号60/452,725からの優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、血管の状態および脂肪性浮腫の状態を処置するために有用な置換アゼチジノン化合物、ならびにそれらに関する処方物およびプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
アテローム硬化性冠状心臓疾患(CHD)は、西洋世界では、死亡および血管罹患率の主要な原因を代表する。アテローム硬化性冠状心臓疾患の危険因子としては、高血圧、糖尿病、家族歴、男性、喫煙および高血清コレステロールが挙げられる。225〜250mg/dlを超える総コレステロールレベルは、CHDの危険の有意な上昇に関連する。CHDまたはCHD危険当量を有する患者に対する、新しく改訂されたNCEP ATP III低密度リポタンパク質(LDL−C)目標は、100mg/dL(2.59mmol/L)未満であり、2つ以上の危険因子を有する個体については、130mg/dL(3.37mmol/L)未満であり、そして2つ未満の危険因子を有する個体については、160mg/dL(4.14mmol/L)未満である。
【0004】
哺乳動物および動物における全身のコレステロール恒常性の調節は、食事性コレステロールの調節、ならびにコレステロール生合成、胆汁酸生合成、およびコレステロール含有血漿リポタンパク質の異化作用の調整を含む。肝臓は、コレステロール生合成およびコレステロール異化作用を担う主要器官であり、そしてこの理由のために、肝臓は、血漿コレステロールレベルの主要な決定要因である。肝臓は、超低密度リポタンパク質(very low density lipoprotein)(VLDL)(その後に循環の中で低密度リポタンパク質(LDL)へと代謝される)の合成および分泌の部位である。LDLは、血漿中の主なコレステロール運搬リポタンパク質であり、そしてそれらの濃度の増加は、アテローム硬化症の増大と相間する。腸のコレステロール吸収が、どんな手段であれ、減少する場合には、より少ないコレステロールが肝臓へ送達される。この作用の結果は、低下した肝臓リポタンパク質(VLDL)産生および血漿コレステロール(大部分はLDLとして)の肝臓クリアランスの増加である。従って、腸のコレステロール吸収を阻害することの正味の効果は、血漿コレステロールレベルの低下およびアテローム硬化性病変形成の進行である。
【0005】
米国特許第5,767,115号、同第5,624,920号、同第5,668,990号、5,656,624号および同第5,688,787号は、それぞれ、コレステロールを低下させるために有用な、かつ/または哺乳動物の動脈壁中のコレステロール含有病変の形成を阻害することにおいて有用なヒドロキシ置換アゼチジノン化合物および置換β−ラクタム化合物を開示する。米国特許第5,756,470号、米国特許出願第2002/0137690号、米国特許出願第2002/0137689号およびPCT特許出願番号WO2002/066464号は、アテローム硬化症を予防または処置し、かつ血漿コレステロールレベルを低下させるために有用な糖置換アゼチジノンおよびアミノ酸置換アゼチジノンを開示する。
【0006】
米国特許第5,846,966号および同第5,661,145号は、それぞれ、このようなヒドロキシ置換アゼチジノン化合物および置換β−ラクタム化合物をヒドロキシメチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ(腸のコレステロール合成における律速酵素)をブロックすることによって作用する、HMG CoAレダクターゼインヒビター化合物と組み合わせて使用する、アテローム硬化症を阻害し、血漿コレステロールレベルを低下させるための処置を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
血管疾患の処置における最近の改良にもかかわらず、処置のより効率的な送達を提供する、高脂血症、アテローム硬化症および他の血管状態に対する改良された化合物、改良された組成物、および改良された処置に対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
一つの実施形態では、本発明は、構造式(I):
【0009】
【化15】

によって表される化合物、または式(I)の化合物の薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒化合物もしくはエステルを提供し、
ここで、上式(I)において:
X、YおよびZは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして各々は、独立して−CH−、−CH(アルキル)−および−C(アルキル)−からなる群より選択され;
およびQは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして各々は、独立してH、−(C〜C30アルキレン)−G、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、および−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、この置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0−2、−N(S(O)0−2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0−2NR、−S(O)0−2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル(alkyldioyl)、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、この置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0−2、−N(S(O)0−2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0−2NR、−S(O)0−2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、へテロシクリル、へテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、この置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0−2、−N(S(O)0−2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0−2NR、−S(O)0−2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、へテロシクリル、へテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
ここで、必要に応じて、Q、Q、Q、QおよびQの−(C〜C30アルキレン)−ラジカルの1つ以上の炭素原子は、独立して−O−、−C(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、N(アルキル)−、−N(アルキルアリール)−または−NH−により置換され;
Gは、糖残基、二糖(disugar)残基、三糖(trisugar)残基、四糖(tetrasugar)残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基、2〜9個のアミノ酸を含むオリゴペプチド残基、トリアルキルアンモニウムアルキルラジカルおよび−S(O)−OHからなる群より選択され、ここで必要に応じて、Gのこの糖残基、二糖残基、三糖残基、四糖残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基またはオリゴペプチド残基は、−L−Mで置換され;
Lは、
【0010】
【化16】

からなる群より選択され;
ここで、Meはメチルであり;
Mは、以下:
【0011】
【化17】

【0012】
【化18】

、上記部分(M1)〜(M9)の薬学的に受容可能な塩、ならびに上記部分(M1)〜(M9)の遊離の酸からなる部分の群より選択され;
およびRは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立して水素、アルキルおよびアリールからなる群より選択され;
、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、各々は、独立して水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され;ならびに
各Rは、独立してアルキル、アリール、またはアリールアルキルであり、
各R10は、独立してHまたはアルキルであり;
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
m、nおよびpは、独立して0、1、2、3または4から選択され;ただし、qおよびrのうちの少なくとも1つは1であり、そしてm、n、p、qおよびrの合計は、1、2、3、4、5または6であり;そして、pは0でありそしてrは1である場合、m、qおよびnの合計は、1、2、3、4または5であり;
x1は、1〜10であり;
x2は、1〜10であり;
x3は、1〜10であり;
x4は、1〜10であり;
x5は、1〜10であり;
x6は、1〜10であり;
x7は、1〜10であり;
x8は、1〜10であり;
x9は、1〜10であり;
x10は、1〜10であり;および
x11は、1〜10であり;
ただし、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つは−L−Mであるか、またはGの上記糖残基、二糖残基、三糖残部基、四糖残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基もしくはオリゴペプチド残基は、−L−Mで置換される。
【0013】
血管状態、糖尿病、肥満、発作の処置もしくは予防、哺乳動物の血漿中のステロール濃度もしくはスタノール(stanol)濃度の低下、脱髄の予防またはアルツハイマー病の処置、および/または被験体中のアミロイドβペプチドのレベルの調節のための薬学的処方物もしくは薬学的組成物もまた提供され、この処方物もしくは組成物は、治療的に有効量の上記化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0014】
血管状態、糖尿病、肥満、発作を処置もしくは予防し、哺乳動物の血漿中のステロール濃度もしくはスタノール濃度を低下させ、脱髄を予防するかまたはアルツハイマー病を処置し、および/または被験体中のアミロイドβペプチドのレベルを調節する方法もまた提供され、この方法は、そのような処置を必要とする被験体に有効な量の式(I)の上記化合物を投与する工程を包含する。
【0015】
実施例において、またはそうではないと示される場合以外は、明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量を示す全ての数、反応条件などは、全ての例において、用語「約」によって修飾されるとしてに理解されるべきである。
【0016】
(詳細な説明)
本発明の多数の実施形態では、本発明は、上記の式(I)の新しいクラスの化合物、そのような化合物を生成するためのプロセス、1つ以上のそのような化合物を含む薬学的処方物もしくは薬学的組成物、これらを調製する方法、および血管状態または以下で詳細に議論されるような他の状態と関連する、1つ以上の状態もしくは疾患の処置方法、予防方法、阻害方法または改善方法を提供する。
【0017】
式(I)の化合物は、インビボで代謝されて、ステロール吸収インヒビター化合物および/またはスタノール吸収インヒビター化合物ならびにステロール生合成インヒビター化合物を形成し得る。本明細書で使用される場合、「ステロール吸収インヒビター」は、被験体またはヒトに、治療に有効な(ステロール吸収を阻害する)量で投与した場合に1つ以上のステロールの吸収を阻害し得る化合物を意味し、このステロールとしては、コレステロールおよびフィトステロール(例えば、シトステロール、カンペステロール(campesterol)、スチグマステロールおよびアベノステロール(avenosterol)が挙げられるが、これらに限定されない。「スタノール吸収インヒビター」は、被験体またはヒトに、治療に有効な(スタロール吸収を阻害する)量で投与した場合に1つ以上の5α−スタノール(例えば、コレスタノール、5α−カンペスタノール(campestanol)、5α−シトスタノール(sitostanol))の吸収を阻害し得る化合物を意味する。このステロール吸収インヒビターまたはスタノール吸収インヒビターは、腸の管腔から腸細胞へのコレステロールの吸収を阻害して、それぞれ腸のステロールまたはスタノールの肝臓への送達の減少を導き得る。「ステロール生合成インヒビター」は、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)レダクターゼ(肝臓のコレステロール合成における律速酵素である)を遮断する化合物(例えば、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)レダクターゼインヒビター)を意味する。
【0018】
代替の実施形態では、式(I)の化合物は、二重機能性を有し得る、すなわち、ステロール吸収阻害特性および/またはスタノール吸収阻害特性を示し得、そしてまた、ヒドロキシメチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼを遮断し得る。
【0019】
ここで、式(I)を参照すると、本発明の1つの実施形態では、X、YおよびZは、各々、−CH−である。
【0020】
m、n、p、qおよびrの合計は、好ましくは、2、3または4、より好ましくは3である。また、p、qおよびnが各々ゼロであり、rが1であり、そしてmが2または3である式(I)の化合物が、好ましい。
【0021】
1つの実施形態では、m、nおよびrは各々ゼロであり、qは1であり、pは2であり、そしてZは−CH−である。また、m、nおよびrが各々ゼロであり、qが1であり、pが2であり、そしてZが−CH−であり、Qが−ORであり、ここで、Rが水素であり、そしてQがフッ素である化合物が好ましい。
【0022】
およびRは、各々、好ましくは水素である。
【0023】
1つの実施形態では、QおよびQは、−ORであり得、ここで、Rは水素またはヒドロキシルへ容易に代謝可能な基(例えば、上で定義された、−O(CO)R、−O(CO)ORおよび−O(CO)NR)である。
【0024】
別の実施形態では、Qはハロまたは−ORである。
【0025】
別の実施形態では、Qは−ORであり、ここで、RはHである。
【0026】
さらに別の実施形態では、Qは−L−Mである。
【0027】
別の実施形態では、Qは−L−Mである。
【0028】
別の実施形態では、Qは−L−Mである。
【0029】
別の実施形態では、Qは−L−Mである。
【0030】
別の実施形態では、Qは−L−Mである。
【0031】
別の実施形態では、Qはハロである。
【0032】
別の実施形態では、Q、Q、Q、QまたはQは、独立して−(C〜C30アルキレン)−Gである。別の実施形態では、Q、QまたはQは、独立して−(C〜C30アルキレン)−Gである。別の実施形態では、QまたはQは、独立して−(C〜C30アルキレン)−Gである。
【0033】
1つの実施形態では、Gは、以下:
【0034】
【化19】

からなる群より選択され、
ここで、R、RおよびRは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立してH、−OH、ハロ、−NH、アジド、アルコキシアルコキシまたは−W−R30からなる群より選択され;
Wは、独立して−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)−、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群より選択され;
2aおよびR6aは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立してH、アルキル、アセチル、アリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され;
3a、R4a、R5a、R7a、R3bおよびR4bは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、H、アルキル、アセチル、アリールアルキル、−C(O)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群より独立して選択され;
30は、独立してR32置換T、R32置換−T−アルキル、R32置換−アルケニル、R32置換−アルキル、R32置換−シクロアルキルおよびR32置換−シクロアルキルアルキルからなる群より選択され;
31は、独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
Tは、独立してフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群より選択され;
32は、H、ハロ、アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NHアルキル、−C(O)−N(アルキル)、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群より各々独立して選択される1〜3個の置換基であるか;あるいは、R32は共有結合であり、R31、それに結合している窒素およびR32は、ピロリジニル基、ピペリジニル基、N−メチル−ピペラジニル基、インドリニル基もしくはモルホリニル基、または、アルコキシカルボニル置換ピロリジニル基、アルコキシカルボニル置換ピペリジニル基、アルコキシカルボニル置換N−メチルピペラジニル基、アルコキシカルボニル置換インドリニル基もしくはアルコキシカルボニル置換モルホリニル基を形成する。
【0035】
別の実施形態では、Gは、以下:
【0036】
【化20】

から選択され、ここで、Acはアセチルであり、Phはフェニルである。
【0037】
別の実施形態では、必要に応じて、Q、Q、Q、QおよびQの−(C〜C30アルキレン)−ラジカルの1つ以上の炭素原子は、独立して−O−、−C(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−N(アルキル)−、−N(アルキルアリール)−または−NH−、好ましくは−O−によって置き換えられる。
【0038】
この−(C〜C30アルキレン)−G置換基は、好ましくは、−(C〜C30アルキレン)−G置換基が結合される、フェニル環の4位にある。
【0039】
1つの実施形態では、Lは
【0040】
【化21】

であり、ここでX1は1〜5であり、好ましくは3である。
【0041】
別の実施形態では、Lは
【0042】
【化22】

であり、ここでX3は1〜5であり、好ましくは3である。
【0043】
別の実施形態では、Mは
【0044】
【化23】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0045】
別の実施形態では、Mは
【0046】
【化24】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0047】
別の実施形態では、Mは
【0048】
【化25】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0049】
別の実施形態では、Mは
【0050】
【化26】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0051】
別の実施形態では、Mは
【0052】
【化27】

またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0053】
別の実施形態では、Mは、例えば、以下:
【0054】
【化28】

【0055】
【化29】

に示されるような、M3〜M7もしくはM9のラクトンの開環により得られる遊離酸、または(M3A)、(M3B)、(M4A)、(M4B)、(M5A)、(M5B)、(M6A)、(M6B)、(M7A)、(M7B)、(M8A)もしくは(M8B)の薬学的に受容可能な塩(例えば、ナトリウム塩またはカルシウム塩)から選択され得る。
【0056】
本発明の1つの実施形態は、式(II):
【0057】
【化30】

の化合物である。
本発明の別の実施形態は、式(III):
【0058】
【化31】

の化合物である。
本発明の別の実施形態は、式(IV):
【0059】
【化32】

の化合物である。
本発明の別の実施形態は、式(V):
【0060】
【化33】

の化合物である。
【0061】
式(II〜V)の化合物のいずれかが代謝される場合には、形成され得る化合物の1つ(ステロールおよび/またはスタノール吸収インヒビター)は、以下の式(VI):
【0062】
【化34】

(エゼチミブ(ezetimibe))または式(VI)の化合物の薬学的に受容可能な塩、エステルもしくは溶媒和物により表される。
【0063】
あるいはまたは加えて、式(II)の化合物が代謝される場合、形成され得る化合物(ステロール生合成インヒビター)は、以下の式(VII)(シンバスタチンの遊離酸形態)および式(VIII):
【0064】
【化35】

(シンバスタチン)によって表される。
【0065】
同様に、式(III)の化合物が代謝される場合、形成され得る化合物(ステロール生合成インヒビター)としては、プラバスタチンおよびプラバスタチンの遊離酸形態が挙げられる。同様に、式(IV)または式(V)の化合物が代謝される場合、形成され得る化合物(ステロール生合成インヒビター)としては、アトルバスタチンおよびアトルバスタチンの遊離酸形態が挙げられる。
【0066】
上で使用されるように、そしてこの明細書全体を通して、以下の用語は、特に示されない限り、以下の意味を有することが理解される。
【0067】
「被験体」は、哺乳動物および非哺乳動物の両方を含む。
【0068】
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む。
【0069】
例えば、QおよびQが、置換基の群から独立して選択されると言われる上記記載は、QおよびQが、独立して選択されるが、またQまたはQの可変部が、分子の中で一度より多く出現し、これらの出現例は、独立して選択される(例えば、Qが、Rが水素である−ORである場合、QはRがアルキルである−ORであり得る)ことを意味する。当業者は、この置換基の大きさおよび性質が、存在し得る置換基の数に影響することを認識する。
【0070】
用語「必要に応じて置換された」は、指定された基、ラジカルまたは部分を用いた、任意の置換を意味する。本明細書中の本文、スキーム、実施例および表の中の、満たされない価数を有する任意の原子は、この価数を満たすために、水素原子を有すると考えられることに留意すべきである。
【0071】
以下の定義は、そうではないと示されない限り、用語が、単独で使用されるか、または他の用語との組み合わせで使用されるかどうかにかかわらず、適用される。それゆえ、「アルキル」の定義は、「アルキル」および「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」などの「アルキル」部分に適用される。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖状または分枝状であり得、そして鎖の中に1〜約20個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖の中に1〜約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は、鎖の中に1〜約6個の炭素原子を含む。「分枝状」は、メチル、エチルまたはプロピルのような1つ以上の低級アルキル基を意味し、直鎖状アルキル鎖に結合される。「低級アルキル」は、直鎖状または分枝状であり得る鎖の中に、約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。このアルキルは、ハロ、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)(このアルキルは、同じであってもまたは異なっていてもよい)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群より独立して選択される、1つ以上の置換基によって置換され得る。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0073】
「アルケニル」は、鎖の中に1つ以上の二重結合を含み、共役していてもまたは共役していなくてもよい脂肪族炭化水素基(直鎖状炭素鎖または分枝状炭素鎖)を意味する。有用なアルケニル基は、鎖の中に2〜約15個の炭素原子、好ましくは、鎖の中に2〜約12個の炭素原子、そしてより好ましくは、鎖の中に2〜約6個の炭素原子を包含し得る。「低級アルケニル」は、直鎖状または分枝状であり得る鎖の中の2〜約6個の炭素原子を意味する。このアルケニル基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノおよびアルコキシからなる群より独立して選択される、1つ以上の置換基によって置換され得る。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブテニルおよびn−ペンテニルが挙げられる。
【0074】
アルキル鎖またはアルケニル鎖が、2つの他の可変部と結合し、それゆえ2価である場合、用語「アルキレン」および「アルケニレン」が、各々使用される。
【0075】
「アルコキシ」は、アルキル基が、上で記載されたアルキル基である、アルキル−O−基を意味する。有用なアルコキシ基は、1〜約12個の炭素原子、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含み得る。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシおよびイソプロポキシが挙げられる。アルコキシのアルキル基は、エーテルの酸素を介して、隣接部分と結合される。
【0076】
「アルコキシアリールアルコキシ」は、アルキル基、アルキレン基およびアリール基が、上で記載されたものである、アルキル−O−アリール−アルキレン−O−基を意味する。有用なアルコキシアリールアルコキシ基は、7〜約26個の炭素原子、好ましくは7〜約12個の炭素原子を含み得る。適切なアルコキシアリールアルコキシ基の非限定的な例は、メトキシベンジルオキシである。アルコキシアリールアルコキシは、エーテルの酸素を介して、隣接部分と結合される。
【0077】
「アルコキシカルボニルアルコキシ」は、アルキル基およびアルキレン基が、上で記載されたものである、アルキル−O−C(O)−アルキレン−O−基を意味する。有用なアルコキシカルボニルアルコキシ基は、3〜約12個の炭素原子、好ましくは3〜約8個の炭素原子を含み得る。適切なアルコキシカルボニルアルコキシ基の非限定的な例は、CHCH−O−C(O)−CH−O−である。アルコキシカルボニルアルコキシは、エーテルの酸素を介して、隣接部分と結合される。
【0078】
「アルコキシイミノアルキル」は、アルキル基およびアルキレン基が、上で記載されたものである、アルキル−O−N=CH−アルキレン−基を意味する。有用なアルコキシイミノアルキル基は、2〜約12個の炭素原子、好ましくは2〜約8個の炭素原子を含み得る。アルコキシイミノアルキルは、アルキレン基を介して、隣接部分と結合される。
【0079】
「アルキルジオイル」は、RがアルキルまたはHであり、アルキレン基が上で記載されたアルキレン基である、ROC(O)−アルキレン−C(O)−O−基を意味する。有用なアルキルジオイル基は、2〜約12個の炭素原子、好ましくは2〜約8個の炭素原子を含み得る。適切なアルキルジオイル基の非限定的な例としては、1,3−プロパンジオールが挙げられる。アルキルジオイルは、エステルの酸素を介して、隣接部分に結合される。
【0080】
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状または分枝状であり得、鎖の中に約2〜約15個の炭素原子を含む、脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖の中に約2〜約12個の炭素原子;そしてより好ましくは、鎖の中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分枝状は、メチル、エチルまたはプロピルのような1つ以上の低級アルキル基が、直鎖状アルキニル鎖と結合されることを意味する。「低級アルキニル」は、直鎖状または分枝状であり得る鎖の中の約2〜約6個の炭素原子を意味する。適切なアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニルおよびデシニルが挙げられる。アルキニル基は、同じであってもまたは異なっていてもよく、各置換基がアルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群より独立して選択される置換基であり得る、1つ以上の置換基によって置換され得る。
【0081】
「アリルオキシ」は、HC=CH−O−を意味する。アリルオキシは、エーテルの酸素を介して、隣接部分と結合される。
【0082】
「アリール」は、約5〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む、芳香族単環式環系または芳香族多環式環系を意味する。アリール基は、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして本明細書で定義された置換基である、1つ以上の「環系置換基」で置換され得る。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルが挙げられる。「アリーレン」は、オルト置換、メタ置換およびパラ置換を含む、二価フェニル基を意味する。
【0083】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリールおよびアルキレンが、上で記載されたものである、アリール−アルキレン基を意味する。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、フェネチルおよびナフタレニルメチル(naphthlenylmethyl)が挙げられる。このアラルキルは、アルキレン基を介して、隣接部分と結合される。
【0084】
「アリールオキシ」は、アリール基が、上で記載されたものである、アリール−O−基を意味する。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分との結合は、エーテルの酸素を介する。
【0085】
「アラルコキシ」または「アリールアルキルオキシ」は、アラルキル基が、上で記載されたものである、アラルキル−O−基を意味する。適切なアラルコキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−ナフタレンメトキシまたは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分との結合は、エーテルの酸素を介する。「アラルコキシカルボニル」は、アラルコキシ基が、上で記載されたものである、アラルコキシ−C(O)−基を意味する。
【0086】
「アロイル」は、アリール基が、上で記載されたものである、アリール−C(O)−基を意味する。親部分との結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルならびに1−ナフトイルおよび2−ナフトイルが挙げられる。
【0087】
「アロイルオキシ」は、アロイル基が、上で記載されたものである、アロイル−O−基を意味する。親部分との結合は、エーテルの酸素を介する。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルオキシならびに1−ナフトイルオキシおよび2−ナフトイルオキシが挙げられる。
【0088】
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む、非芳香族単環式環系または非芳香族多環式環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、同じであってもまたは異なっていてもよく、上で定義されたものである、1つ以上の「環系置換基」で置換され得る。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。「シクロアルキレン」は、対応する二価の環をいい、ここで他の基への結合点はすべて位置異性体を包含する。
【0089】
「ジオキソラニル」は、以下:
【0090】
【化36】

を意味する。
【0091】
「ハロ」は、フッ素ラジカル、塩素ラジカル、臭素ラジカル、またはヨウ素ラジカルをいう。好ましくは、フルオロ、クロロまたはブロモであり、そしてより好ましくは、フルオロおよびクロロである。
【0092】
「ヘテロアリール」は、環系の中の1つ以上の原子が、例えば、窒素、酸素または硫黄のような、炭素以外の原子である、約5〜約14個の環原子、好ましくは、約5〜約10個の環原子の単環式芳香族環系または多環式芳香族環系を意味する。このヘテロ原子は、炭素環式環構造を中断し、そして、芳香族の特徴を提供するために十分な数の非局在化π電子を有する(ただし、この環は、隣接酸素および/または硫黄原子を含まない)。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。この「ヘテロアリール」は、必要に応じて、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして本明細書中で定義された通りである、1つ以上の「環系置換基」によって置換され得る。ヘテロアリールの根名(root name)の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が、各々、環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−酸化物を形成するために酸化され得る。全ての位置異性体(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)が意図される。有用な6員ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルなど、およびそれらのN−酸化物が挙げられる。有用な5員ヘテロアリール環の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびイソキサゾリルが挙げられる。有用な二環式基は、例えば、キノリル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニルおよびインドリルのような、上で命名されたヘテロアリール基から得られた、ベンゾ縮合環系である。
【0093】
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールおよびアルキルが、上で記載されたものである、ヘテロアリール−アルキレン−基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なヘテロアラルキル基の非限定的な例としては、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。親部分との結合は、このアルキレンを介する。「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールおよびアルキレンが、上で記載された通りである、ヘテロアリール−アルキレン−O−基を意味する。
【0094】
「ヘテロシクリル」は、環系の中の1つ以上の原子が、(単独または組み合わせの形で)例えば、窒素、酸素または窒素のような、炭素以外の元素である、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む、非芳香族飽和単環式環系または非芳香族飽和多環式環系を意味する。環系の中に、隣接した酸素原子および/または硫黄原子はない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの根名の前の接頭語アザ、オキサまたはチアは、少なくとも1個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が、各々、環原子として存在することを意味する。このヘテロシクリルは、必要に応じて、同じであってもまたは異なっていてもよく、本明細書中で定義された通りである、1つ以上の「環系置換基」によって置換され得る。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、必要に応じて、対応するN−酸化物、S−酸化物、またはS,S−二酸化物へ酸化され得る。適切な単環式へテロシクリル環の非限定的な例としては、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。
【0095】
「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリル基およびアルキレン基が、上で記載された通りである、ヘテロシクリル−アルキレン−基を意味する。好ましいヘテロシクリルアルキルは、低級アルキレン基を含む。親部分への結合は、アルキレンを介する。「ヘテロシクリルカルボニル」は、ヘテロシクリルが、上で記載された通りである、ヘテロシクリル−C(O)−基を意味する。好ましいヘテロシクリルカルボニルは、低級アルキル基を含む。親部分への結合は、カルボニルを介する。「ヘテロシクリルカルボニルアルコキシ」は、ヘテロシクリルおよびアルコキシが、上で記載された通りである、ヘテロシクリル−C(O)−アルコキシ−基を意味する。
【0096】
「環系置換基」は、例えば、環系上の利用可能な水素を置換する、芳香族環系または非芳香族環系に結合された置換基を意味する。環系置換基は、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、アラルケニル、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−およびYNSO−からなる群より独立して選択され、ここで、YおよびYは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして水素、アルキル、アリールおよびアラルキルからなる群より独立して選択される。
【0097】
「糖残基」は、3〜7個の炭素原子を有し、そしてD系列またはL系列に属し得る、アルドースまたはケトースから得られる部分を意味する。糖残基が形成され得る適切なアルドースの非限定的な例としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、エリトロース、およびグリセロアルデヒドが挙げられる。糖残基が形成され得る適切なケトースの非限定的な例は、フルクトースである。
【0098】
「二糖残基」は、2つの単糖分子に加水分解され得る、糖から得られる部分を意味する。二糖残基が形成され得る適切な化合物の非限定的な例は、マルトース、ラクトース、セロビオースおよびスクロースである。
【0099】
糖残基および二糖残基の例としては、上で詳細に列挙された部分Gが挙げられる。
【0100】
二糖類、三糖類または四糖類は、2つ以上の糖のアセタール様結合によって形成される。この結合は、α形態またはβ形態であり得る。「三糖残基」は、3つの単糖分子に加水分解され得る、糖から得られる部分を意味する。「四糖残基」は、4つの単糖分子に加水分解され得る、糖から得られる部分を意味する。
【0101】
この糖が置換される場合、この置換は、好ましくは、糖のOH基の水素原子においてである。
【0102】
「糖酸」は、グルクロン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、マンノン酸、グルカリン酸およびガラクタル酸から形成され得るような、糖残基を意味する。
【0103】
「アミノ糖」は、グルコサミン、ガラクトサミン、グルカミン(glucamine)または3−アミノ−1,2−プロパンジオールから形成され得るような、アミノ置換型糖残基を意味する。
【0104】
これらの糖のヒドロキシル基のための適切な保護基としては、ベンジル保護基、アセチル保護基、ベンゾイル保護基、ピバロイル保護基、トリチル保護基、tert−ブチルジメチルシリル保護基、ベンジリデン保護基、シクロヘキシデン保護基またはイソプロピリデン保護基が挙げられる。
【0105】
「アミノ酸残基」は、アミノ酸から得られる部分を意味する。このアミノ酸部分は、アミノ酸のD体またはL体から調製され得る。アミノ酸が調製され得る適切なアミノ酸の非限定的な例としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、β−アラニン、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、ピペリジノカルボン酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−(2−チエニル)グリシン、ペニシラミン、N−エチルアスパラギン、2−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、2,4−ジアミノ酪酸、デスモシン、2,2−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、N−エチルグリシン、3−(2−チエニル)アラニン、サルコシン、N−メチルイソロイシン、6−N−メチルリジン、N−メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチンおよびN−メチルグリシンが挙げられる。
【0106】
「オリゴペプチド残基」は、上で言及された、2〜9個のアミノ酸から構成されるペプチドの残基を意味する。
【0107】
「トリアルキルアンモニウムアルキルラジカル」は、基:
【0108】
【化37】

を意味し、ここで、n1は、0〜10であり、Alk、AlkおよびAlkは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして各々は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状アルキルラジカルまたは分枝状アルキルラジカルである。
【0109】
本発明の化合物は、少なくとも1つの不斉炭素原子を有し、それゆえ、式(I)の化合物の全ての異性体(鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体およびラセミ化合物を含む)(それらが存在する場合)は、本発明の一部分であることが意図される。本発明は、d異性体およびl異性体を、純粋な形態で、またはラセミ混合物を含め、混合物の状態での両方で、包含する。異性体は、光学的に純粋なものまたは光学的に富化された出発材料を反応させることによって、あるいは式Iの化合物の異性体を分離することによって、従来技術を使用して調製され得る。異性体はまた、例えば、二重結合が存在する場合、幾何異性体を含み得る。式(I)の化合物の多形形態は、結晶であろうとまたは非晶質であろうと、本発明の一部分であることが意図される。
【0110】
当業者は、式Iの化合物のいくつかに対して、1つの異性体は、他の異性体より高い薬理的活性を示すことを理解する。
【0111】
アミノ基を有する本発明の化合物は、有機酸および無機酸と、薬学的に受容可能な塩を形成し得る。塩の形成のための適切な酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者に周知の他の鉱酸およびカルボン酸である。塩は、遊離塩基形態と塩を生成するために十分な量の所望の酸とを接触させることによって調製される。遊離塩基形態は、薄い水性炭酸水素ナトリウムのような、適切な薄い水性塩基溶液を用いて、塩を処理することによって再生され得る。遊離塩基形態は、極性溶媒中の溶解度のような、ある物理学特性の点で、その各々の塩形態といくぶん異なるが、塩は、本発明の目的のためには、他の点では、その各々の遊離塩基形態と等しい。
【0112】
本発明のある化合物は、酸性(例えば、カルボキシル基を有する化合物)である。これらの化合物は、無機塩基および有機塩基と、薬学的に受容可能な塩を形成する。そのような塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、金および銀の塩である。また、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミン(N−methylglucamine)などのような、薬学的に受容可能なアミンを用いて形成された塩も挙げられる。
【0113】
カルボン酸基を有する本発明の化合物は、アルコールと、薬学的に受容可能なエステルを形成し得る。適切なアルコールの例としては、メタノールおよびエタノールが挙げられる。
【0114】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物はまた、本明細書中で意図される。本明細書中で使用される場合、用語「プロドラッグ」は、被験体への投与時に、代謝プロセスまたは化学的プロセスによる化学転換をうけて、式Iの化合物、あるいはそれらの塩および/または溶媒和物を生じる、薬物前駆体である、化合物を示す(例えば、プロドラッグは、生理的pHにされたとき、または酵素作用によって、所望の薬物形態に転換される)。プロドラッグの議論は、T.HiguchiおよびV.Stella、A.C.S.Symposium SeriesのPro−drugs as Novel Delivery Systems (1987) Volume 14、およびBioreversible Carriers in Drug Design、(1987)Edward B.Roche編,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressの中で提供され、これらの両方は、参考として本明細書中に援用される。
【0115】
「溶媒和物」は、1つ以上の溶媒分子と本発明の化合物との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含め、様々な程度のイオン結合および共有結合を包含する。ある例では、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子の中に組み込まれる場合、孤立され得る。「溶媒和物」は、液相および孤立可能溶媒の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート(ethanolate)、メタノレート(methanolate)などが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0116】
一般に、式(I)の化合物のアゼチジノン部分は、例えば、米国特許第5,631,365号、同第5,767,115号、同第5,846,966号、同第6,207,822号、PCT特許出願番号第02/079174号およびPCT特許出願番号WO93/02048号ならびに以下の実施例で開示されるような、当業者に周知の種々の方法によって調製され得、これらのそれぞれの文献は、参考として、本明細書中で援用される。好ましくは、アゼチジノンは、Schering−Plough Corporationから商業的に入手可能であるZETIA(登録商標)エゼチミブ処方物から、慣用的な分離方法によって調製され得るように、エゼチミブから調製される。エゼチミブのベンジル型ヒドロキシルは、例えば、アセチル化により保護され得、そして、当業者に明らかな方法によりスタチンにカップリングした後に、脱保護され得る。
【0117】
この分子の−M部分を調製するためのスタチン化合物は、種々の方法によって調製され得、例えば、M1を調製するためのスタチン化合物は、PCT WO98/12188、米国特許第5763653号、同第5763646号、同第4444784号、同第4582915号、同第4820850号で開示されているような方法によって、または、Merck & Co.Inc.から市販されているZOCOR(登録商標)シンバスタチン処方物から慣用的な分離方法によって調製され得る。M2を調製するための化合物は、米国特許第4231938号、同第4294926号、US5763653、US4323648、US4916239、US5763646で開示されているような方法によって、またはMerck & Co.Inc.から市販されているMEVACOR(登録商標)ロバスタチン処方物からの慣用的な分離方法によって調製され得る。M3、M3AまたはM3Bを調製するための化合物は、米国特許第5273995号、同第4681893号、同第5969156号で開示されているような方法によって、またはPfizerから市販されているLIPITOR(登録商標)アトルバスタチン処方物から慣用的な分離方法によって調製され得る。M4、M4AまたはM4Bを調製するための化合物は、米国特許第5260440号で開示されているような方法によって、またはAstraZenecaから市販されているCRESTOR(登録商標)ロスバスタチン処方物から慣用的な分離方法によって調製され得る。M5、M5AまたはM5Bを調製するための化合物は、米国特許第5006530号および同第5177080号で開示されているような方法によって調製され得る。M6、M6AまたはM6Bを調製するための化合物は、米国特許第5872130号、同第5856336号、同第5011930号および同第5854259号で開示されているような方法によって調製され得る。M7、M7A、M7BまたはM8を調製するための化合物は、米国特許第4346227号、同第4537859号、同第4410629号で開示されているような方法、またはBristol−Myers Squibbから市販されているPRAVACHOL(登録商標)プラバスタチン処方物から慣用的な分離方法によって調製され得る。M9、M9AまたはM9Bを調製するための化合物は、米国特許第5354772号および同第4739073号で開示されているような方法、またはNovartisから市販されているLESCOL(登録商標)フルバスタチン処方物から慣用的な分離方法によって調製され得る。
【0118】
一般に、式(I)の化合物は、以下のスキーム1〜4に記載される一般的経路を通して調製され得る。
【0119】
その分子のアゼチジノン部分およびその分子の−M部分は、例えば、以下のスキーム1〜4に示されるように、リンカー−Lにより連結され得る。リンカー
【0120】
【化38】

を調製するための適切な化合物の非限定的な例としては、以下のスキーム1に示されるような、無水グルタル酸または無水コハク酸が挙げられる。
【0121】
(スキーム1 一般的な合成:シンバスタチンに結合したエゼチミブ)
【0122】
【化39】

【0123】
【化40】

一般に、スキーム1において、水酸化ナトリウムのような塩基の存在下でのアセトキシ保護されたエゼチミブ12のグルタル酸無水物での処理は、半エステル−半酸13を形成する。添加物(例えば、ジメチルアミノピリジン(DMAP)およびジメチルアミノピリジンヒドロクロリド(DMAP−HCl))の存在下でエステルカップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))を使用する、スタチン(例えば、シンバスタチン8)の遊離アルコールのカップリングは、本発明の化合物15Aを形成する。Boden,E.P.ら、J.Org.Chem.(1985)2394−95を参照のこと。他の適切なエステル化反応は、当業者に明らかである。
【0124】
(スキーム2 一般的な合成:プラバスタチンに結合したエゼチミブ)
【0125】
【化41】

一般に、スキーム2において、スキーム1からの半エステル−半酸13は、スキーム1におけるようなエステルカップリング試薬を使用して、プラバスタチン14の遊離アルコールとカップリングされて、本発明の化合物15を形成し得る。
【0126】
(スキーム3 一般的な合成:アトルバスタチンに結合したエゼチミブ)
【0127】
【化42】

一般に、スキーム3において、マイルドな酸(例えば、HCl)でのスタチン(例えば、アトルバスタチン16)の処理は、対応するラクトン17を生じる。ラクトン17の遊離アルコールと、半酸−半エステル13の、スキーム1におけるようなエステルカップリング試薬を使用するカップリングは、本発明の化合物18を形成する。
【0128】
リンカー
【0129】
【化43】

を調製するために適切な化合物の非限定的な例としては、以下のスキーム4に示されるような、4−ブロモ酪酸トリメチルシリルエステルまたはトリメチルシリルブロモ酢酸が挙げられる。
【0130】
(スキーム4 一般的な合成:アトルバスタチンに結合したエゼチミブ)
【0131】
【化44】

【0132】
【化45】

一般に、スキーム4において、炭酸セシウムのような塩基、およびトリメチルシリルブロモ酢酸のようなハロアルキルエステルを用いるアセトキシ保護されたエゼチミブ12の処理、その後の、トリメチルシリルエステルのマイルドな酸の加水分解により、酸19を形成する。スキーム1におけるようなエステルカップリング試薬を使用する、酸19の、スタチン(例えば、アトルバスタチンラクトン17)の遊離アルコールとのカップリングは、本発明の化合物20を形成する。
【0133】
式(I)の化合物の毎日の用量は、1回の用量で、または2〜4回に分けられた用量で与えられる、一日につき約0.1〜約1000mg、好ましくは約0.25〜約100mg/日、そしてより好ましくは一日につき約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100mgの範囲であり得る。しかし、正確な用量は、担当臨床医によって決定され、投与される化合物の効力、患者の年齢、体重、状態および応答に依存する。語句「有効な量」および「治療的に有効な量」は、処置される状態もしくは疾患の症状の軽減、および1つ以上の状態(例えば、高脂血症(例えば、アテローム硬化症、高コレステロール血症もしくはシトステロール血症)のような血管状態、血管炎症、脳卒中、糖尿病、肥満)の予防、その進行の緩徐化または停止および/または被験体の血漿中のステロール(例えば、コレステロール)もしくはスタノールのレベルを減少させることを含む、投与者(例えば、研究者、医者または獣医)によって求められる組織、系、動物または哺乳動物の生物学的応答また医学的応答を惹起させる、式Iの化合物、および以下に記載の他の薬理剤または治療剤の量を意味する。本明細書で使用される場合、「血管」は、心臓血管、脳血管、末梢血管、およびそれらの組み合わせを包含する。本発明の処方物または組成物、組み合わせおよび処置は、これらの化合物と身体の中(例えば、哺乳動物またはヒトの血漿、肝臓または小腸)の作用部位との接触を生じる、任意の適切な手段によって投与され得る。
【0134】
上記化合物の薬学的に受容可能な塩の投与について、上で示された重量は、その塩から誘導される治療化合物の酸等価体または塩基当量等価体の重量をいう。
【0135】
本発明の1つの実施形態では、この組成物または治療組み合わせは、以下で議論される脂質低下剤のような、1つ以上の薬理剤もしくは治療剤または薬物をさらに含み得る。本明細書で使用される場合、「組み合わせ治療」または「治療組み合わせ」は、上で記載された状態を予防または処置するための、式(I)の化合物と、脂質低下剤または抗高血圧剤とのような2つ以上の治療剤の投与を意味する。そのような投与は、例えば、活性成分の固定比を有する1つの錠剤またはカプセル剤において、または各治療剤についての複数の別々のカプセル剤においてのような、実質的に同時的な様式で、これらの治療剤の同時投与を包含する。また、そのような投与は、連続的な様式において、各種の治療剤の使用を含む。いずれの場合でも、組み合わせ治療を使用する処置は、状態を処置する際に有益な効果を提供する。本明細書で開示される組み合わせ治療の潜在的利点は、状態を処置する際に有効である治療化合物の個々に必要な量または治療化合物の全体の総量の減少であり得る。治療剤の組み合わせを使用することによって、個々の化合物の副作用は、単独治療と比較して減少され得、このことは、患者のコンプライアンスを改良し得る。また、治療剤は、より広い範囲の相補(conplimentary)効果または相補作用様式を提供するために選択され得る。
【0136】
本発明の組成物、治療的組み合わせおよび方法の使用のためのさらなるコレステロール生合成インヒビターの非限定的な例としては、スクアレンシンターゼインヒビター、スクアレンエポキシダーゼ(epoxidase)インヒビターおよびそれらの混合物が挙げられる。適切なHMG CoAシンセターゼインヒビターの非限定的な例としては、L−659,699((E,E)−11−[3’R−(ヒドロキシ−メチル)−4’−オキソ−2’R−オキセタニル]−3,5,7R−トリメチル−2,4−ウンデカジエン酸);例えば、スクアレスタチン1(squalestatin 1)のような、スクアレン合成インヒビター;ならびに、例えば、NB−598((E)−N−エチル−N−(6,6−ジメチル−2−ヘプテン−4−イニル)−3−[(3,3’−ビチオフェン−5−イル)メトキシ]ベンゼン−メタンアミンヒドロクロリド)のような、スクアレンエポキシダーゼインヒビターおよびDMP−565のような他のステロール生合成インヒビターが挙げられる。一般的に、さらなるコレステロール生合成インヒビターの毎日の総投与量は、1回の用量で、または2〜3回に分割された用量で、約0.1〜約160mg/日、好ましくは約0.2〜約80mg/日の範囲であり得る。
【0137】
別の好ましい実施形態では、組成物または処置は、1つ以上のペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター活性化因子と組み合わせた、式(I)の化合物を包含する。この実施形態では、好ましくは、ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター活性化因子は、ゲムフィブロジル、クロフィブレートおよび/またはフェノフィブレートのような、フィブリン酸誘導体である。
【0138】
別の代替の実施形態では、本発明の組成物、治療組み合わせまたは方法は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物との組み合わせで同時投与される、1つ以上の胆汁酸金属イオン封鎖剤(不溶性アニオン交換樹脂)をさらに含み得る。胆汁酸金属イオン封鎖剤は、腸の中で胆汁酸と結合し、胆汁酸の腸肝循環を中断させ、そして糞便排泄中でのステロイドの増加を引き起こす。胆汁酸金属イオン封鎖剤は、肝臓内コレステロールを低下させ得、血漿からのLDLに結合するアポB/E(LDL)レセプターの合成を促進して血液中のコレステロールレベルをさらに減少させ得る。適切な胆汁酸封鎖剤の非限定的な例としては、コレスチラミン(Bristol−Myers Squibbから入手可能であるQUESTRAN(登録商標)コレスチラミンまたはQUESTRAN LIGHT(登録商標)コレスチラミンのような、胆汁酸に結合し得る第四級アンモニウムカチオン基を含む、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー)、コレスチポール(Pharmaciaから入手可能である、COLESTID(登録商標)錠剤のような、ジエチレントリアミンおよび1−クロロ−2,3−エポキシプロパンのコポリマー)、ならびに塩化コレセベラム(colesevelam)(例えば、三共から入手可能であるエピクロロヒドリンと架橋され、ならびに、1−ブロモデカンおよび(6−ブロモヘキシル)−トリメチル臭化アンモニウムを用いてアルキル化された、WelChol(登録商標)錠剤(ポリ(塩化アリルアミン)))が挙げられる。一般的に、胆汁酸金属イオン封鎖剤の毎日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、一日につき約1〜約50グラム、そして好ましくは一日につき約2〜約16グラムの範囲であり得る。
【0139】
代替の実施形態では、本発明の組成物または処置は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物との組み合わせで同時投与される、1つ以上の回腸の胆汁酸輸送(「IBAT」)インヒビター(または、先端のナトリウム同時依存性胆汁酸輸送(「ASBT」インヒビター))をさらに含み得る。このIBATインヒビターは、胆汁酸輸送を阻害してLDLコレステロールレベルを減少させ得る。適切なIBATインヒビターの非限定的な例としては、PCT特許出願番号WO00/38727(これは、本明細書中で参考として援用される)で開示されているような、例えば、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン1,1−ジオキシド構造を含む治療化合物のような、ベンゾチエピン(benzothiepine)が挙げられる。一般的に、IBATインヒビターの毎日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4に分割された用量で、約0.01〜約1000mg/日、そして好ましくは約0.1〜約50mg/日の範囲であり得る。
【0140】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与されるニコチン酸(ナイアシン)および/またはその誘導体をさらに含み得る。本明細書中で使用される場合、「ニコチン酸誘導体」とは、ピリジン−3−カルボキシレート構造またはピラジン−2−カルボキシレート構造を含む化合物を意味し、利用可能な場合には、酸形態、塩、エステル、双性イオンおよび互変異性体を含む。ニコチン酸誘導体の例としては、ニセリトロール、ニコフラノース(nicofuranose)およびアシピモックス(acipimox)(5−メチルピラジン−2−カルボン酸4−オキシド)が挙げられる。ニコチン酸およびその誘導体は、VLDLおよびその代謝産物であるLDLの肝臓産生を阻害し、HDLおよびapo A−1レベルを上昇させる。適切なニコチン酸製品の一例は、Kosから入手可能なNIASPAN(登録商標)(ナイアシン長期放出錠剤)である。一般に、ニコチン酸またはその誘導体の1日の総投与量は、1回の用量で、または分割された用量で、約500〜約10,000mg/日、好ましくは約1000〜約8000mg/日、そしてより好ましくは約3000〜約6000mg/日の範囲にわたり得る。
【0141】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、LDLレベルおよびVLDLレベルを低下させ得る1つ以上のアシルCoA:コレステロールO−アシルトランスフェラーゼ(「ACAT」)インヒビターをさらに含み得、そのACATインヒビターは、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。ACATは、過剰の細胞内コレステロールのエステル化を担う酵素であり、コレステロールエステル化の生成物であるVLDLの合成を低下させ得、そしてapo B−100含有脂質タンパク質の過剰生産を低下させ得る。有用なACATインヒビターの非限定的な例としては、アバシミブ(avasimibe)、HL−004、レシミビド(lecimibide)(DuP−128)およびCL−277082(N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[[4−(2,2−ジメチルプロピル)フェニル]メチル]−N−ヘプチルウレア)が挙げられる。P.Changら、「Current,New and Future Treatments of in Dyslipidaemia and Atherosclerosis」,Drug 2000年7月;60(1);55−93(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。一般に、ACATインヒビターの1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約0.1〜約1000mg/日の範囲にわたり得る。
【0142】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される1つ以上のコレステリルエステルトランスファータンパク質(「CETP」)インヒビターをさらに含み得る。CETPは、VLDL中のHDLおよびトリグリセリドを運搬するコレステリルエステルの交換または転移を担う。適切なCETPインヒビターの非限定的な例は、PCT特許出願第WO00/38721号および米国特許第6,147,090号に開示される(これらは本明細書中で参考として援用される)。膵臓のコレステリルエステルヒドロラーゼ(pCEH)インヒビター(例えば、WAY−121898)もまた、上で議論された式(I)の化合物と一緒に同時投与されるかまたは式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、CETPインヒビターの1日の総投与量は、1回の用量で、または分割された用量で、体重1kgあたり約0.01〜約1000mg/日、好ましくは約0.5〜約20mg/日の範囲にわたり得る。
【0143】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、LDLレベルを低下させ得るプロブコールまたはその誘導体(例えば、米国特許第6,121,319号および同第6,147,250号に開示されるAGI−1067および他の誘導体)をさらに含み得、それらは、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、プロブコールまたはその誘導体の1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約10〜約2000mg/日、好ましくは約500〜約1500mg/日の範囲にわたり得る。
【0144】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、上で議論された式(I)の化合物と同時投与されるかまたは式(I)の化合物と組み合わせて同時投与されるか低密度リポタンパク質(LDL)レセプターアクチベーターをさらに含み得る。適切なLDLレセプターアクチベーターの非限定的な例としては、LDLレセプター活性を直接に刺激するイミダゾリジニル−ピリジン誘導体であるHOE−402が挙げられる。M.Huettingerら、「Hypolipidemic activity of HOE−402 is Mediated by Stimulation of the LDL Receptor Pathway」,Arterioscler.Thromb.1993;13:1005−12を参照のこと。一般に、LDLレセプターアクチベーターの1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約1〜約1000mg/日の範囲にわたり得る。
【0145】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、VLDLレベルおよびトリグリセリドレベルを低下させ得るω3脂肪酸(3−PUFA)を含む魚油をさらに含み得、その魚油は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、魚油またはω3脂肪酸の1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約1〜約30gの範囲にわたり得る。
【0146】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、コレステロールレベルを低下させ得る天然の水溶性繊維(例えば、車前子、グアー、燕麦およびペクチン)をさらに含み得、この天然の水溶性繊維は、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、天然の水溶性繊維の1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約0.1〜約10g/日の範囲にわたり得る。
【0147】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、コレステロールレベルを低下させ得る、植物ステロール、植物スタノールおよび/または植物スタノールの脂肪酸エステル(例えば、BENECOL(登録商標)マーガリンで使用されるシトスタノールエステル)をさらに含み得、それらは、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、植物ステロール、植物スタノールおよび/または植物スタノールの脂肪酸エステルの1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約0.5〜約20g/日の範囲にわたり得る。
【0148】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、抗酸化剤(例えば、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、βカロテンおよびセレン)、またはビタミン(例えば、ビタミンBまたはビタミンB12)をさらに含み得、これらは、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、抗酸化剤またはビタミンの1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約0.05〜約10g/日の範囲にわたり得る。
【0149】
別の代替的実施形態では、本発明の組成物または処置は、単球インヒビターおよびマクロファージインヒビター(例えば、多不飽和脂肪酸(PUFA)、チロキシンアナログ(例えば、CGS−26214(フッ素化された環を有するチロキシン化合物))を含む甲状腺ホルモン、遺伝子治療および組換型タンパク質(例えば、組換型アポタンパク質E)の使用をさらに含み得、これらは、上で議論された式(I)の化合物と一緒に、または式(I)の化合物と組み合わせて同時投与される。一般に、これらの因子の1日の総投与量は、1回の用量で、または2〜4回に分割された用量で、約0.01〜約1000mg/日の範囲にわたり得る。
【0150】
ホルモン補充剤およびホルモン補充組成物をさらに含む組成物または治療組合せもまた、本発明に関して有用である。本発明のホルモン補充療法のために有用なホルモン剤およびホルモン組成物としては、男性ホルモン、エストロゲン、プロゲスチン、それらの薬学的に受容可能な塩およびそれらの誘導体が挙げられる。これらの薬剤および組成物の組み合わせもまた有用である。男性ホルモンおよびエストロゲンの組み合わせの投与量は変動し、好ましくは約1mg〜約4mgの男性ホルモンおよび約1mg〜約3mgのエストロゲンである。
【0151】
本発明の組成物、治療組合せまたは治療方法は、さらに1つ以上の肥満制御医薬を含み得る。有用な肥満制御医薬としては、エネルギー摂取を低下させるかまたは食欲を抑制する薬物、エネルギー消費を増加させる薬物および栄養分配剤(nutrient−partitioning agent)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な肥満制御医薬としては、ノルアドレナリン剤(例えば、ジエチルプロピオン(diethylpropion)、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、フェンテルミン、フェンジメトラジン、酒石酸フェンダミン(phendamine tartrate)、メタンフェタミン、フェンジメトラジンおよびタートレート);セロトニン様薬剤(例えば、シブトラミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、フルボキサミンおよびパロキセチン(paroxtine);熱産生剤(例えば、エフェドリン、カフェイン、テオフィリン、および選択的β3アドレナリン作用性アゴニスト);α遮断薬;カイナイトまたはAMPAレセプターアゴニスト;レプチン脂肪分解刺激性レセプター;ホスホジエステラーゼ酵素インヒビター;マホガニー(mahogany)遺伝子のフクレオチド配列を有する化合物;線維芽細胞増殖因子−10ポリペプチド;モノアミンオキシダーゼインヒビター(例えば、ベフロキサトン(befloxatone)、モクロベミド(moclobemide)、ブロファロミン、フェノキサチン(phenoxathine)、エスプロン(esuprone)、ベホル(befol)、トロキサトン、ピルリンドール(pirlindol)、アミフラミン、セルクロレミン(sercloremine)、バジナプリン(bazinaprine)、ラザベミド(lazabemide)、ミラセミド(milacemide)およびカロキサゾン(caroxazone));脂質代謝を向上させるための化合物(例えば、エボジアミン(evodiamine)化合物);ならびにリパーゼインヒビター(例えば、オルリスタット(orlistat))が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、上記肥満制御医薬の総投薬は、1回の用量または2〜4回に分割された用量で、1〜3,000mg/日、望ましくは1日あたり1〜1,000mg/日、そしてより望ましくは約1〜200mg/日の範囲にわたり得る。
【0152】
本発明の組成物、治療用組み合わせまたは治療方法は、さらに1つ以上の血液モディファイヤ(blood modifier)を含み得、その血液モディファイヤは、上で議論された式(I)の化合物とは化学的に異なり、例えば、それらは1つ以上の異なる原子を含むか、原子の異なる配置を有するかまたは上で議論された式(I)の化合物とは異なる数の1つ以上の原子を有する。有用な血液モディファイヤとしては、抗血液凝固剤(アルガトロバン、ビバリルジン(bivalirudin)、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium)、デシルジン(desirudin)、ジクマロール、リアポレートナトリウム(lyapolate sodium)、メシル酸ナファモスタット、フェンプロクモン、チンザパリンナトリウム(tinzaparin sodium)、ワルファリンナトリウム);抗血栓剤(塩酸アナグレリド、ビバリルジン、シロスタゾール、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム(danaparoid sodium)、塩酸ダゾキシベン(dazoxiben hydrochloride)、硫酸エフェガトラン(efegatran sulfate)、エノキサパリンナトリウム、フルレトフェン、イフェトロバン、イフェトロバンナトリウム(ifetroban sodium)、ラミフィバン(lamifiban)、塩酸ロトラフィバン(lotrafiban hydrochloride)、ナプサガトラン(napsagatran)、酢酸オルボフィバン(orbofiban acetate)、酢酸ロキシフィバン(roxifiban acetate)、シブラフィバン(sibrafiban)、チンザパリンナトリウム、トリフェナグレル、アブシキシマブ(abciximab)、ゾリモマブ(zolimomab) アリトックス(aritox));フィブリノゲンレセプターアンタゴニスト(酢酸ロキシフィバン、フラダフィバン(fradafiban)、オルボフィバン、塩酸ロトラフィバン、チロフィバン(tirofiban)、キセミロフィバン(xemilofiban)、モノクローナル抗体7E3、シブラフィバン);血小板インヒビター(シロスタゾール、クロピドグレルビスルフェート、エポプロステノール、エポプロステノールナトリウム、塩酸チクロピジン、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダク(sulindae)、イドメタシン、メフェナメート、ドロキシカム、ジクロフェナク、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、ジピリダモール);血小板凝集インヒビター(アカデシン(acadesine)、ベラプロスト、ベラプロストナトリウム、シプロステンカルシウム、イタジグレル、リファリジン(lifarizine)、塩酸ロトラフィバン、酢酸オルボフィバン、オキサグレレート、フラダフィバン、オルボフィバン、チロフィバン、キセミロフィバン);血液レオロジー因子(ペントキシフィリン);リポタンパク質関連凝固インヒビター;VIIa因子インヒビター;(4H−31−ベンゾキサジン−4−オン、4H−3,1−ベンゾキサジン−4−チオン、キナゾリン−4−オン、キナゾリン−4−チオン、ベンゾチアジン−4−オン、イミダゾリルホウ酸由来ペプチドアナログであるTFPI誘導ペプチド、ナフタレン−2−スルホン酸{1−[3−(アミノイミノメチル)−ベンジル]−2−オキソ−ピロリジン−3−イル}−アミドトリフルオロアセテート、ジベンゾフラン−2−スルホン酸{1−[3−(アミノメチル)−ベンジル]−5−オキソ−ピロリジン−3−(S)−イル}アミド、トルエン−4−スルホン酸{1−[3−(アミノメチル)−ベンジル]−2−オキソ−ピロリジン−3−(S)−イル}アミドトリフルオロアセテート、3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−スルホン酸{1−[3−(アミノイミノメチル)−ベンジル]−2−オキソ−ピロリン−3−(S)−イル}アミドトリフルオロアセテート);Xa因子インヒビター(二置換ピラゾリン、二置換トリアゾリン、置換n−[(アミノイミノメチル)フェニル]プロピルアミド、置換n−[(アミノメチル)フェニル]プロピルアミド、組織因子経路インヒビター(TFPI)、低分子量ヘパリン、ヘパリン様物質、ベンゾイミダゾリン、ベンゾオキサゾリン、ベンゾピペラジノン、インダノン、二塩基性(アミジノアリール)プロパン酸誘導体、アミジノフェニル−ピロリン、アミジノフェニル−ピロリジン、アミジノフェニル−イソオキサゾリジン、アミジノインドール、アミジノアゾール、ビスアリールスルホニルアミノベンズアミド誘導体、ペプチド性Xa因子インヒビター)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
本発明の組成物、治療用組み合わせまたは治療方法は、さらに1つ以上の心臓血管剤を含み得、その心臓血管剤は、上で議論された式(I)の化合物とは化学的に異なり、上で議論された式(I)の化合物とは化学的に異なり、例えば、それらは1つ以上の異なる原子を含むか、原子の異なる配置を有するかまたは上で議論された式(I)の化合物とは異なる数の1つ以上の原子を有する。有用な心臓血管剤としては、カルシウムチャネル遮断薬(マレイン酸クレンチアゼム、ベシル酸アムロジピン、イスラジピン、ニモジピン、フェロジピン、ニルバジピン、ニフェジピン、塩酸テルジピン(teludipine hydrochloride)、塩酸ジルチアゼム、ベルホスジル、塩酸ベラパミル、ホステジル);アドレナリン遮断薬(塩酸フェンスピリド、塩酸ラベタロール、プロロキサン、塩酸アルフゾシン、アセブトロール、塩酸アセブトロール、塩酸アルプレノロール、アテノロール、塩酸ブノロール、塩酸カルテオロール、塩酸セリプロロール、塩酸セタモロール、塩酸シクロプロロール(cicloprolol hydrochloride)、塩酸デキスプロプラノロール、塩酸ジアセトロール、塩酸ジレバロール、塩酸エスモロール、塩酸エキサプロロール、硫酸フレストロール、塩酸ラベタロール、塩酸レボベタキソロール、塩酸レボブノロール、塩酸メタロール(metalol hydrochloride)、メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ナドロール、硫酸パマトロール、硫酸ペンブトロール、プラクトロール、塩酸プラクトロール、塩酸プロプラノロール、塩酸ソタロール、チモロール、マレイン酸チモロール、塩酸チプレノロール、トラモロール、ビソプロロール、フマル酸ビソプロロール、ネビボロール);アドレナリン作用性刺激薬;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬(塩酸ベナゼプリル、ベナゼプリレート、カプトプリル、塩酸デラプリル(delapril hydrochloride)、ホシノプリルナトリウム、リベンザプリル、塩酸モエキシプリル、ペントプリル、ペリンドプリル、塩酸キナプリル、キナプリレート(quinaprilat)、ラミプリル、塩酸スピラプリル、スピラプリラト、テプロチド、マレイン酸エナラプリル、リジノプリル、ゾフェノプリルカルシウム、ペリンドプリル エルブミン(erubmine));抗高血圧剤(アルチアジド(althiazide)、ベンツチアジド、カプトプリル、カルベジロール、クロロチアジドナトリウム、塩酸クロニジン、シクロチアジド、塩酸デラプリル、塩酸ジレバロール、メシル酸ドキサゾシン、ホシノプリルナトリウム、塩酸グアンファシン、メチルドパ、コハク酸メトプロロール、塩酸モエキシプリル(moexipril hydrochloride)、マレイン酸モナテピル(monatepil maleate)、塩酸ペランセリン(pelanserin hydrochloride)、塩酸フェノキシベンザミン、塩酸プラゾシン、プリミドロール、塩酸キナプリル、キナプリラート、ラミプリル、塩酸テラゾシン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル(candesartan cilexetil)、テルミサルタン(telmisartan)、ベシル酸アムロジピン、マレイン酸アムロジピン、塩酸ベバントロール)、例えば、Merck & Co.,Inc.より入手可能なHYZAAR(登録商標)抗高血圧剤またはCOZAAR(登録商標)抗高血圧剤;アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト(カンデサルタン(candesartan)、イルベサルタン、ロサルタンカリウム(losartan potassium)、カンデサルタンシレキセチル、テルミサルタン);抗狭心症剤(ベシル酸アムロジピン、マレイン酸アムロジピン、塩酸ベタキソロール、塩酸ベバントロール、塩酸ブトプロジン、カルベジロール、マレイン酸シネパゼト、コハク酸メトプロロール、モルシドミン、マレイン酸モナテピル、プリミドロール、塩酸ラノラジン、トシフェン、塩酸ベラパミル);冠血管拡張薬(ホステジル、塩酸アザクロルジン、塩酸クロモナル(chromonar hydrochloride)、クロニトレート(clonitrate)、塩酸ジルチアゼム、ジピリダモール、ドロプレニラミン、四硝酸エリスリチル(erythrityl tetranitrate)、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、リドフラジン、塩酸ミオフラジン、ミキシジン、モルシドミン、ニコランジル、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトログリセリン、塩酸オクスプレノロール、ペントリトール、マレイン酸ペルヘキシリン、プレニルアミン、硝酸プロパチル(propatyl nitrate)、塩酸テロジリン、トラモロール、ベラパミル);利尿薬(ヒドロクロロチアジドとスピロノラクトンとの組み合わせ生成物およびヒドロクロロチアジドとトリアムテレンとの組み合わせ生成物)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
本発明の組成物、治療用組み合わせまたは治療方法は、ヒトにおいて血中のグルコースレベルを低下させるための1つ以上の抗糖尿病性医薬をさらに含み得る。有用な抗糖尿病性医薬としては、エネルギー摂取を低下させるかまたは食欲を抑制する薬物、エネルギー消費を増加させる薬物および栄養素分配剤が挙げられるが、これらに限定されない。適切な抗糖尿病性医薬としては、スルホニルウレア(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパマイド、グリアミリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリブリド(glyburide)、グリベンクラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド(例えば、レパグリニド(repaglinide)およびナテグリニド)、ビグアニド(例えば、メトホルミンおよびブホルミン)、α−グルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース、ミグリトール、カミグリボース(camiglibose)、およびボグリボース)、特定のペプチド(例えば、アムリンチド(amlintide)、プラミンチド(pramintide)、エクセンジン(exendin)、およびGLP−1アゴニスト性ペプチド)およびインスリンの腸送達のための経口投与可能なインスリンまたはインスリン組成物が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、上記抗糖尿病性医薬の総投薬は、1回の用量または2〜4回に分割された用量で、0.1〜1,000mg/日の範囲にわたり得る。
【0155】
本発明の組成物、治療用組み合わせまたは治療方法は、1つ以上のアルツハイマー病のための処置をさらに含み得、その処置は、式(I)の化合物とは化学的に異なる。アルツハイマー病を処置することにおいて有用であり得る適切な処置の非限定的な例としては、以下のうちの1つ以上の投与が挙げられる:コリンエステラーゼインヒビター、ムスカリン性レセプターアゴニスト、M2ムスカリン性レセプターアンタゴニスト、アセチルコリン放出刺激剤、コリン取り込み刺激剤、ニコチン性コリン作用性レセプターアゴニスト、抗Aβワクチン、γ−セクレターゼインヒビター、β−セクレターゼインヒビター、アミロイド凝集インヒビター、アミロイド前駆体タンパク質アンチセンスオリゴヌクレオチド、モノアミン再取り込みインヒビター、ヒト幹細胞、遺伝子治療、ヌートロピック剤(nootropic agent)、AMPAレセプターリガンド、増殖因子または増殖因子レセプターアゴニスト、抗炎症剤、フリーラジカル捕捉剤、抗酸化剤、スパーオキシドジスムターゼ刺激剤、カルシウムチャネル遮断薬、アポトーシスインヒビター、カスパーゼインヒビター、モノアミンオキシダーゼインヒビター、エストロゲンおよびエストロゲンレセプターリガンド、NMDAレセプターアンタゴニスト、Jun N末端キナーゼ(JNK)インヒビター、銅/亜鉛キレート剤、5−HT1a レセプターアゴニスト、NGF刺激剤、神経保護因子、H3ヒスタミンレセプターアンタゴニスト、カルパインインヒビター、ポリADPリボースポリメラーゼインヒビター、プロリルエンドペプチダーゼインヒビター、カルシウム調節因子、副腎皮質刺激ホルモン放出因子レセプターアンタゴニスト、副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合タンパク質インヒビター、GABA調節因子、GABA−Aレセプターアンタゴニスト、GABA−Bレセプターアンタゴニスト、ニューロイムノフィリン(neuroimmunophilin)リガンド、シグマレセプターリガンド、ガラニンレセプターリガンド、イミダゾリン/αアドレナリン作用性レセプターアンタゴニスト、血管作用性腸ペプチドレセプターアンタゴニスト、ベンゾジアゼピンレセプター逆アゴニスト、カンナビノイドレセプターアゴニスト、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンレセプターアゴニスト、プロテインキナーゼCインヒビター、5−HT3レセプターアンタゴニスト、プロスタグランジンレセプターアンタゴニスト、トポイソメラーゼIIインヒビター、ステロイドレセプターリガンド、一酸化窒素調節因子、RAGEインヒビター、ドーパミンレセプターアゴニスト、およびこれらの組み合わせ。
【0156】
上記の薬理学的薬剤または治療剤のいずれかの混合物は、本発明の組成物および治療的組み合わせにおいて使用され得る。
【0157】
本発明の薬学的処置組成物(処方物または医薬品)および治療的組み合わせは、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア、1つ以上の賦形剤および/または1つ以上の添加剤をさらに含み得る。本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、指定された成分を指定された量で含む生成物、および指定された量の指定された成分の組み合わせから、直接にかまたは間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図されている。
【0158】
薬学的に受容可能なキャリアの非限定的な例としては、固体および/または液体(例えば、エタノール、グリセロール、水などが挙げられる。上記処置組成物中のキャリアの量は、上記処置組成物または治療的組み合わせの総重量の約5〜約99重量%にわたり得る。適切な薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤の非限定的な例としては、無毒の適合性充填剤、結合剤(例えば、デンプン)、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、嬌味嬌臭剤、増粘剤、着色剤、乳化剤などが挙げられる。賦形剤または添加剤の量は、上記処置組成物または治療的組み合わせの総重量の約0.1〜約90重量%にわたり得る。当業者は、キャリア、賦形剤および添加剤(存在する場合)の量が、変化し得ることを理解する。
【0159】
本発明の処置組成物は、任意の従来の投薬形態、好ましくは経口投薬形態(例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、カシェ剤、懸濁剤または液剤)で投与され得る。その処方物および薬学的組成物は、従来どおりの薬学的に受容可能な技術および従来どおりの技術を用いて調製され得る。投薬処方物の調製のいくつかの例が、以下に提供される。
【0160】
以下の処方物は、本発明の投薬形態を例示する。その処方物では、用語「活性化合物I」は、本明細書中上記の式Iの化合物を示す。
【0161】
(例)
錠剤
番号 成分 mg/錠剤
1 活性化合物I 20
2 ラクトース一水和物NF 55
3 微結晶セルロースNF 20
4 ポビドン(K29−32)USP 4
5 クロスカルメロースナトリウムNF 8
6 ラウリル硫酸ナトリウム 2
7 ステアリン酸マグネシウムNF 1
合計 110。
【0162】
(製造方法)
適切なミキサーの中で項目番号4を精製水と混合して結合剤溶液を形成する。流動床加工機の中で項目1、2、6および項目5の一部に結合剤溶液、次いで水を噴霧し、上記成分を顆粒化する。流動化を継続しその湿った顆粒を乾燥させる。その乾燥した顆粒をふるいにかけ、項目番号3および項目5の残りをブレンドする。項目番号7を添加し、混合する。その混合物を、錠剤成型機で適切な大きさおよび適切な重量に圧縮する。
【0163】
本発明は、上記の状態を処置すること(例えば、活性成分の組み合わせを用いた処置により(そこではその活性成分は別々に投与され得る)、血漿ステロール(特に、コレステロール)の濃度またはレベルを低下させること)に関するので、本発明はまた、別々の薬学的組成物を合わせてキット形態にする工程に関する。つまり、2つの別々の単位(少なくとも1つの式(I)の化合物を含む薬学的組成物および上に記載されたような少なくとも1つの他の治療剤を含む別の薬学的組成物)が合わされたキットが企図される。そのキットは、好ましくはその別々の構成成分の投与のための指示書を備える。このキット形態は、その別々の構成成分が異なる投薬形態(例えば、経口および非経口)で投与されなければならない場合、または異なる投薬間隔で投与される場合に、特に有利である。
【0164】
本発明の処置組成物および治療的組み合わせは、以下の実施例で示されるように、哺乳動物において、コレステロールの腸での吸収を阻害し得、そして状態、例えば脈管の状態(例えば、アテローム性硬化症、高コレステロール血症およびシトステロール血症)、発作、肥満の処置および/または予防ならびに哺乳動物、特に哺乳動物においてコレステロールの血漿レベルの低下において有用であり得る。
【0165】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物および治療的組み合わせは、ステロール吸収を阻害し得るかまたはフィトステロール(例えば、シトステロール、カンペステロールスチグマステロールおよびアベノステロール)、5α−スタノール(例えば、コレスタノール、5α−カンペスタノール、5α−シトスタノール)、コレステロールおよびこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステロールの血漿濃度を低下させ得る。血漿濃度は、そのような処置を必要とする哺乳動物に、上記式(I)の化合物を含む、有効量の少なくとも1種の処置組成物または治療組合せを投与することにより、低下され得る。ステロールの血漿濃度の低下は、約1〜約70%の範囲、好ましくは約10〜約50%の範囲にわたり得る。血清総血中コレステロールおよび総LDLコレステロールを測定する方法は、当業者に周知であり、例えば、PCT WO99/38498の11頁(本明細書中に参考として援用される)に開示される方法が挙げられる。血清中の他のステロールのレベルを測定する方法は、H.Gyllingら、「Serum Sterols During Stanol Ester Feeding in Mildly Hypercholesterolemic Population」,J.Lipid Res.40:593−600(1999)(本明細書中に参考として援用される)に開示される。
【0166】
以下の実施例は、本発明を例示しているが、しかしながら、本発明をそれらの詳細へと限定するとして解釈されるべきではない。そうではないと示されない限り、以下の実施例中および本明細書全体を通して、すべての部数および百分率は重量による。
【実施例】
【0167】
(仮想的インビボ評価)
高コレステロール血症のゴールデンシリアンハムスターをインビボモデルとして使用して、コレステロール吸収インヒビターの経口効力およびインビボでの有効性を評価し得る。ハムスターに7日間、コレステロール含有食餌を与え続け、これにより肝臓のコレステリルエステルの増加を引き起こす。腸でのコレステロール吸収を遮断する化合物は、肝臓のコレステリルエステルレベルの蓄積を低下させる。
【0168】
雄性のゴールデンシリアンハムスター(Charles River Labs,Wilmington,MA)に、研究の開始まで、Wayneげっ歯類食餌を与える。研究の開始(1日目)において、動物をいくつかのグループ(1グループあたり4〜6匹)に分け、0.5重量%のコレステロール(Research Diets Inc.,New Brunswick,NJ)を補充した食餌を与える。1つのグループのハムスターは、体重1kgあたり3mgの式(II)、(III)、(IV)または(V)の化合物のいずれか1種の投薬を、1日目に始まり、7日間、毎日1回、0.2mlのトウモロコシ油中の経口栄養を介して受取る。コントロールグループのハムスターは、偽薬のトウモロコシ油を、同量、同スケジュールで受取る。7日目に、肝臓試料を神経脂質分析のために採取する。肝臓の試料を脂質抽出する。脂質抽出物を、窒素下で乾燥して、HPLC試料バイアル中へ入れ、ヘキサンに再懸濁し、Zorbax Sil(4.6×25cm)シリカカラムへ注入する。クロマトグラフィーを、98.8%ヘキサンおよび1.2%イソプロパノールを含む無勾配(isocratic)移動相を、毎分2mlの流速で用いて実施する。脂質を、206nmでの吸光度で検出し、溶出プロフィールのコンピューター積分(System Gold,Beckman)により定量し得る。コレステロール濃度を、既知量のコレステロールを用いる標準曲線から誘導される応答係数の使用により決定し得る。肝臓由来の試料のコレステリルエステル含量は、既知量のオレイン酸コレステリルを用いて構築された標準曲線から導出され得る。オレイン酸コレステリルを標準として使用し得る。なぜなら、これは、肝臓に存在する主要なコレステリルエステル種であり、この特定のコレステリルエステルは、肝臓に存在するすべてのコレステリルエステルに対する荷重平均に近い吸光係数を有するからである。
【0169】
肝臓のコレステリルエステル蓄積の低下を、コレステロール吸収阻害のマーカーとして利用する。
【0170】
上記の実施形態に対して、その幅広い発明の概念から逸脱することなく、変更がなされ得ることが当業者により理解される。それゆえに、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲により規定されるような、本発明の精神および範囲内にある改変物を包含することが意図されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】

によって表される化合物、または式(I)の該化合物の薬学的に受容可能な異性体、塩、溶媒和物もしくはエステルであって、
ここで、上式(I)において:
X、YおよびZは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして各々は、独立して−CH−、−CH(アルキル)−および−C(アルキル)−からなる群より選択され;
およびQは、同じであってもまたは異なっていてもよく、そして各々は、独立してH、−(C〜C30アルキレン)−G、−OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)NR、および−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、該置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0〜2、−N(S(O)0〜2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0〜2NR、−S(O)0〜2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、該置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0〜2、−N(S(O)0〜2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0〜2NR、−S(O)0〜2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、へテロシクリル、へテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
は、1〜5個の置換基であり、該置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、−(C〜C30アルキレン)−G、−(C〜C10アルキレン)−OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)R、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)OR、−CH=CH−C(O)R、−CH=CH−C(O)OR、−C≡C−C(O)OR、−C≡C−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)R、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−CN、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)NRNRC(O)OR、−O−(C〜C10アルキレン)−C(O)(アリール)−N−N=N、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)OR、−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−(C〜C10アルキレン)−OC(O)NR、−NO、−(C〜C10アルキレン)−NR、−O−(C〜C10アルキレン)−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRC(O)NR、−NRS(O)0〜2、−N(S(O)0〜2、−CHNOR、−C(O)NR、−C(O)NRNR、−S(O)0〜2NR、−S(O)0〜2、−O−C(O)−(C〜C10アルキレン)−C(O)NR、−OC(O)−(C〜C10アルキレン)−NRC(O)O−(アルキルアリール)、−P(O)(OR10、−(C〜C10アルキレン)−OSi(アルキル)、−CF、−OCF、ハロ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルコキシアルコキシ、アルコキシカルボニルアルコキシ、アルコキシアリールアルコキシ、アルコキシイミノアルキル、アルキルジオイル、アリルオキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アロイル、アロイルオキシ、アロイルアロイルオキシ、アリールアルコキシカルボニル、ベンゾイルベンゾイルオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、ジオキソラニル、へテロシクリル、へテロシクリルアルキル、へテロシクリルカルボニル、へテロシクリルカルボニルアルコキシおよび−L−Mからなる群より選択され;
ここで、必要に応じて、Q、Q、Q、QおよびQの−(C〜C30アルキレン)−ラジカルの1つ以上の炭素原子は、独立して−O−、−C(O)−、−CH=CH−、−C≡C−、N(アルキル)−、−N(アルキルアリール)−または−NH−により置換され;
Gは、糖残基、二糖残基、三糖残基、四糖残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基、2〜9個のアミノ酸を含むオリゴペプチド残基、トリアルキルアンモニウムアルキルラジカルおよび−S(O)−OHからなる群より選択され、ここで必要に応じて、Gの該糖残基、二糖残基、三糖残基、四糖残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基またはオリゴペプチド残基は、−L−Mで置換され;
Lは、
【化2】

からなる群より選択され;
ここで、Meはメチルであり;
Mは、以下:
【化3】

【化4】

、該部分(M1)〜(M9)の薬学的に受容可能な塩、ならびに該部分(M1)〜(M9)の遊離の酸からなる部分の群より選択され;
およびRは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立して水素、アルキルおよびアリールからなる群より選択され;
、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、各々は、独立して水素、アルキル、アリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され;ならびに
各Rは、独立してアルキル、アリール、またはアリールアルキルであり、
各R10は、独立してHまたはアルキルであり;
qは、0または1であり;
rは、0または1であり;
m、nおよびpは、独立して0、1、2、3または4から選択され;ただし、qおよびrのうちの少なくとも1つは1であり、そしてm、n、p、qおよびrの合計は、1、2、3、4、5または6であり;そして、pが0でありそしてrが1である場合、m、qおよびnの合計は、1、2、3、4または5であり;
x1は、1〜10であり;
x2は、1〜10であり;
x3は、1〜10であり;
x4は、1〜10であり;
x5は、1〜10であり;
x6は、1〜10であり;
x7は、1〜10であり;
x8は、1〜10であり;
x9は、1〜10であり;
x10は、1〜10であり;ならびに
x11は、1〜10であり;
ただし、Q、Q、Q、QおよびQのうちの少なくとも1つは−L−Mであるか、またはGの該糖残基、二糖残基、三糖残基、四糖残基、糖酸、アミノ糖、アミノ酸残基もしくはオリゴペプチド残基は、−L−Mで置換される、化合物。
【請求項2】
m、nおよびrは各々0であり、qは1であり、pは2であり、かつZは−CH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
m、nおよびrは各々0であり、qは1であり、pは2であり、かつZは−CH−であり、Qは−ORであり、ここで、Rは水素であり、かつQはフッ素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが、各々、好ましくは水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびQが、各々、独立して−OR、−O(CO)R、−O(CO)OR、および−O(CO)NRからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、ハロまたは−ORである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、−ORであり、ここで、RがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
、Q、Q、QまたはQが、−L−Mである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
、Q、Q、QまたはQが、−(C〜C30アルキレン)−Gである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、ここでGが、以下:
【化5】

からなる群より選択され、
ここで、R、RおよびRは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立してH、−OH、ハロ、−NH、アジド、アルコキシアルコキシまたは−W−R30からなる群より選択され;
Wは、独立して−NH−C(O)−、−O−C(O)−、−O−C(O)−N(R31)−、−NH−C(O)−N(R31)−および−O−C(S)−N(R31)−からなる群より選択され;
2aおよびR6aは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立してH、アルキル、アセチル、アリールおよびアリールアルキルからなる群より選択され;
3a、R4a、R5a、R7a、R3bおよびR4bは、同じであってもまたは異なっていてもよく、各々は、独立してH、アルキル、アセチル、アリールアルキル、−C(O)アルキルおよび−C(O)アリールからなる群より選択され;
30は、独立して、R32置換T、R32置換T−アルキル、R32置換アルケニル、R32置換アルキル、R32置換シクロアルキルおよびR32置換シクロアルキルアルキルからなる群より選択され;
31は、独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
Tは、独立してフェニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびピリジルからなる群より選択され;
32は、1〜3個の置換基であって、該置換基は、各々、独立してH、ハロ、アルキル、−OH、フェノキシ、−CF、−NO、アルコキシ、メチレンジオキシ、オキソ、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、−N(CH、−C(O)−NHアルキル、−C(O)−N(アルキル)、−C(O)−アルキル、−C(O)−アルコキシおよびピロリジニルカルボニルからなる群より選択されるか;あるいは、R32は共有結合であり、かつR31、それが結合する窒素およびR32は、ピロリジニル基、ピペリジニル基、N−メチル−ピペラジニル基、インドリニル基もしくはモルホリニル基、または、アルコキシカルボニル置換ピロリジニル基、アルコキシカルボニル置換ピペリジニル基、アルコキシカルボニル置換N−メチルピペラジニル基、アルコキシカルボニル置換インドリニル基もしくはアルコキシカルボニル置換モルホリニル基を形成する、化合物。
【請求項11】
請求項10に記載の化合物であって、ここで、Gが、以下:
【化6】

から選択され、ここで、Acはアセチルであり、そしてPhはフェニルである、化合物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物であって、必要に応じて、Q、Q、Q、QおよびQの前記−(C〜C30アルキレン)−ラジカルの1つ以上の炭素原子が、独立して−O−で置換される、化合物。
【請求項13】
Lが以下、
【化7】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Lが以下、
【化8】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Mが以下、
【化9】

(M1)またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Mが以下、
【化10】

(M2)またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Mが以下、
【化11】

(M3)またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
Mが以下、
【化12】

(M4)またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Mが以下、
【化13】

(M7)またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
以下、
【化14】

からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
被験体において、脈管状態、糖尿病、肥満、発作を処置もしくは予防し、哺乳動物の血漿中のステロール濃度もしくはスタノール濃度を低下させ、脱髄を予防し、またはアルツハイマー病を処置し、ならびに/あるいはアミロイドβペプチドのレベルを調節するための薬学的組成物であって、該組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中に、治療的有効量の請求項1に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項22】
薬学的に受容可能なキャリア中に、コレステロールを低下する有効量の請求項1に記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
【請求項23】
被験体において、脈管状態、糖尿病、肥満、発作を処置もしくは予防し、哺乳動物の血漿中のステロール濃度もしくはスタノール濃度を低下させ、脱髄を予防し、またはアルツハイマー病を処置し、あるいはアミロイドβペプチドのレベルを調節するための方法であって、該方法は、そのような処置を必要とする被験体に、請求項1に記載の化合物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項24】
コレステロールのレベルを低下させる処置を必要とする哺乳動物の血漿中のコレステロールのレベルを低下させる方法であって、該方法は、請求項1に記載の化合物の薬学的有効量を投与する工程を包含する、方法。

【公表番号】特表2007−524597(P2007−524597A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509018(P2006−509018)
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/006428
【国際公開番号】WO2004/081003
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】