説明

高分子樹脂粒子の連続製造装置及び高分子樹脂粒子の連続製造方法

【課題】重合性単量体と特定の連鎖移動定数を示す連鎖移動剤を含有する油滴分散液を作製し、この油滴分散液と重合開始剤とを管型重合反応装置に連続して送り込み、プラグフローさせながら重合を進めることにより、分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を連続して製造できる高分子樹脂粒子の連続製造装置及び連続製造方法の提供。
【解決手段】油滴分散液作製装置を用いて体積基準におけるメディアン径(D50)50nm〜500μmの重合性単量体と連鎖移動剤とからなる油滴の分散液を作製し、該油滴分散液中と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込み、高分子樹脂粒子を作製する装置において、前記連鎖移動剤は、その連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示すものであり、前記管型重合反応装置に油滴分散液と重合開始剤を連続して送り込み、プラグフローさせながら重合して高分子樹脂粒子を作製する高分子樹脂粒子の連続製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子樹脂粒子の連続製造装置及び高分子樹脂粒子の連続製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
連続重合して樹脂粒子を製造する反応装置では、製造される樹脂粒子の分子量分布や粒径分布をシャープにするために反応装置内の滞留時間を均一にする必要がある。
【0003】
そのため、プラグフロー性が高い管型重合反応装置を用いた樹脂粒子の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
そのプラグフロー性を確保するために管型重合反応装置の管内における進行方向の液混合を極力なくすことが必要となるため、管型重合反応装置の管内に撹拌翼などの混合装置を付与することは望ましくない。
【特許文献1】特開2004−250627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、重合性単量体が水系分散媒中に分離したままで混合装置のない管型重合反応装置に供給すると、重合性単量体を油滴状態に形成できないため所望の重合反応が行われず、分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を連続して製造できていないのが現状である。
【0006】
本発明は、重合性単量体と特定の連鎖移動定数を示す連鎖移動剤を含有する油滴分散液を作製し、この油滴分散液と重合開始剤を管型重合反応装置に連続して送り込み、プラグフローさせながら重合を進めることにより、分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を連続して製造できる高分子樹脂粒子の連続製造装置及び高分子樹脂粒子の連続製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
【0008】
1.重合性単量体と連鎖移動剤からなる溶液を界面活性剤水溶液中に油滴分散液作製装置を用いて分散し、油滴径が体積基準におけるメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴分散液を作製する手段、
油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込む手段、
管型重合反応装置内で油滴中の重合性単量体を重合して高分子樹脂粒子を作製する手段、
重合して作製された高分子樹脂粒子を排出する手段
を有する高分子樹脂粒子の連続製造装置において、
前記連鎖移動剤は、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示すものであり、
前記管型重合反応装置内に油滴分散液と重合開始剤を連続して送り込み、管型重合反応装置の管中をプラグフローさせながら重合して高分子樹脂粒子を作製する
ことを特徴とする高分子樹脂粒子の連続製造装置。
【0009】
2.前記高分子樹脂粒子は、その重量平均分子量Mwが10,000〜200,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2〜4であることを特徴とする前記1に記載の高分子樹脂粒子の連続製造装置。
【0010】
3.重合性単量体と連鎖移動剤からなる溶液を界面活性剤水溶液中に油滴分散液作製装置を用いて分散し、油滴径が体積基準におけるメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴分散液を作製する工程、
油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込む工程、
管型重合反応装置内で油滴中の重合性単量体を重合して高分子樹脂粒子を作製する工程、
重合して作製された高分子樹脂粒子を排出する工程
を有する高分子樹脂粒子の連続製造方法において、
前記連鎖移動剤は、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示すものであり、
前記管型重合反応装置内に油滴分散液と重合開始剤を連続して送り込み、管型重合反応装置の管中をプラグフローさせながら重合して高分子樹脂粒子を作製する
ことを特徴とする高分子樹脂粒子の連続製造方法。
【0011】
4.前記高分子樹脂粒子は、その重量平均分子量Mwが10,000〜200,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2〜4であることを特徴とする前記3に記載の高分子樹脂粒子の連続製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の高分子樹脂粒子の連続製造装置及び高分子樹脂粒子の連続製造方法は、重合性単量体と特定の連鎖移動定数を示す連鎖移動剤を含有する油滴分散液を作製し、この油滴分散液と重合開始剤とを管型重合反応装置に連続して送り込み、プラグフローさせながら重合を進めることにより、分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を連続して製造できる優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明者らは、管型重合反応装置を用いて分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子(以下、単に樹脂粒子ともいう)を連続して製造する製造装置及び製造方法について検討を行った。
【0014】
検討の結果、
1.重合性単量体と連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示す連鎖移動剤を溶解した溶液を界面活性剤水溶液中に機械式分散機を用いて分散し、油滴径がメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴分散液を作製する手段
2.油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に連続して送り込む手段、
3.油滴分散液と重合開始剤溶液の混合液をプラグフローさせながら所望の重合度まで重合反応を行い樹脂粒子を作製する手段
4.重合完了後の樹脂粒子を含有する溶液を取り出す手段
により分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を連続して製造できることを見出した。
【0015】
本発明においては、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1の連鎖移動剤を用いることを特徴としている。
【0016】
連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示す連鎖移動剤を用いると、重合反応中に重合性単量体の連鎖移動反応が急激に進むことなく重合初期から重合終了まで均一に進むので、プラグフローの終了時点まで所望の重合反応が進む。
【0017】
その結果、分子量分布や粒度分布がシャープな高分子樹脂粒子を得ることができる。
【0018】
本発明においては、重合単量体と連鎖移動剤を含有する油滴分散液を用い、反応開始時からその全量を管型重合反応装置に供給して重合反応を行っている。そのため、連鎖移動定数が大きすぎると、重合初期に連鎖移動反応が過剰に起こり連鎖移動剤が消費されつくすとともに、多くの低分子量体が生成する。そして、連鎖移動剤が消費されつくした状態の重合後期では連鎖移動が起こらずに高分子量体が生成する。そのため、低分子量体と高分子量体を含んだ分子量分布の広い高分子樹脂粒子が生成してしまう。これらの理由から重合初期での連鎖移動の頻度を抑制し、重合後期まで連鎖移動剤が残存し機能を果たしシャープな分子量分布を得るために、連鎖移動定数が17.1以下の連鎖移動剤を用いる。
【0019】
一方、連鎖移動定数(Cx)が1.9以上の連鎖移動剤を用いることにより、連鎖移動剤としての機能を果たすことができ分子量を制御することができる。更に、重合完了時に未反応の連鎖移動剤が存在せず臭気の問題も発生させない。
【0020】
本発明においては、重合単量体と連鎖移動剤を含有する油滴分散液と重合開始剤を管型重合反応装置内に連続して送り込み重合反応を行い樹脂粒子を作製する。前述の管型重合反応装置内には撹拌機能を備えていないので、送り込まれた油滴分散液の分散状態が一度壊れると再分散することは不可能である。そのため、油滴分散液中の油滴径は管型重合反応装置内で安定に分散維持できるメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴径に調製しておく必要がある。
【0021】
以下、本発明の連続製造装置について詳細に説明する。
【0022】
〈連続製造装置〉
図1は、油滴分散液作製装置と管型重合反応装置を用いた樹脂粒子の連続製造装置の一例を示す模式図である。
【0023】
図1において、1は油滴分散液投入部、2は重合開始剤溶液投入部、3は重合して得られた樹脂粒子の取り出し部、4は管型重合反応装置、5はプラグフロー部、6は重合性単量体と連鎖移動剤を溶解したタンク、7は界面活性剤溶液タンク、8は加熱装置、9は油滴分散液作製装置、10は油滴分散液ストックタンク、11−1と11−2はバルブ、12−1と12−2と12−3と12−4は定量ポンプ、13は重合開始剤溶液タンク、14は油滴分散液作製装置を示す。
【0024】
〈油滴分散液作製装置〉
油滴分散液作製装置は、重合性単量体と連鎖移動剤を溶解した溶液を、界面活性剤水溶液中に分散し、特定油滴径を有する油滴分散液を作製するのに用いられる。
【0025】
油滴分散液作製装置としては、例えば高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン及び圧力式ホモジナイザーなど機械式分散機を挙げることができる。これらの中では、超音波分散機が目的の油滴径を得られやすく好ましい。
【0026】
油滴の粒径は、超音波分散機の素子形状、出力、油滴を作製するのに用いる溶液処方、界面活性剤水溶液処方により異なるので、油滴分散液作製装置の加工条件は適宜目的の油滴粒径が得られる様調整する。
【0027】
油滴は、分散した状態で体積基準メディアン径(D50)で50nm〜500μmのものが用いられる。好ましくは70nm〜300μmである。上記範囲に油滴径を調製することにより分散液中で油滴を安定に維持することができる。
【0028】
油滴径の測定は、光散乱法、レーザー回折散乱法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により行うことができる。具体的な粒径測定装置としては、マイクロトラックMT3300(日機装社製)を用いることができる。
【0029】
〈管型重合反応装置〉
本発明で用いる管型重合反応装置は、大きく分けて
1.油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込む部分(図1の1と2)
2.送り込まれた液を加熱装置で加熱しながらプラグフローさせ、重合反応を行い樹脂粒子を作製する部分(図1の5)
3.樹脂粒子を含む溶液を取り出す部分(図1の3)
からなる装置である。
【0030】
図1に示す管型重合反応装置の各サイズの一例を下記に示す。
【0031】
管径D(内径):0.01m
管長L :20m
管厚 :0.001m
管長L/管径D(内径)=2000
尚、プラグフロー性を維持するには反応装置内の軸方向流れの乱れを抑制し一様な流れにする必要がある。そのためには乱れを作り出す原因となりうるものを排除する必要がある。例えば、反応装置内の温度ムラは熱対流を引き起こすため、管長L/管径Dを大きくし伝熱面積を増やすことにより反応装置内の温度の均一化を図ったり、反応装置内壁の表面形状を均一にするなどして、軸方向流れが一様になるよう管型重合反応装置を設計することが好ましい。
【0032】
管型重合反応装置を用いて樹脂粒子を作製する条件は、管型重合反応装置内の滞留時間、反応重合温度及び原料供給速度を目的の樹脂粒子が得られる設定して行う。具体的には下記の様な条件内で設定することが好ましい。
【0033】
管型重合反応装置内の滞留時間:5〜200min(好ましくは10〜120min)
反応重合温度 :60〜98℃
原料供給速度 :4〜160cm3/min
尚、上記重合条件は、重合性単量体、連鎖移動剤、界面活性剤、重合開始剤の種類や用いる量等により適宜設定される。
【0034】
次に、本発明に係る樹脂粒子の連続製造法について説明する。
【0035】
本発明に係る樹脂粒子は、
1.重合性単量体と連鎖移動剤を混合溶解してタンクに保管する工程
2.界面活性剤を水に溶解してタンクに保管する工程
3.重合性単量体と連鎖移動剤を混合溶解した溶液と界面活性剤水溶液をバルブを介して油滴分散液作製装置に投入し、分散装置により油滴径が50nm〜500μmの油滴分散液を作製する工程
4.油滴分散液をストックタンクに一次保管する工程
5.ストックタンクの油滴分散液と重合開始剤を溶解した溶液をバルブを介して管型重合反応装置に連続的に導入し、導入後、管型重合反応装置内の滞留時間、反応重合温度(T)、原料供給速度等を制御して連続重合を行い樹脂粒子を作製する工程
6.樹脂粒子を含有する溶液を、排出口から取り出す工程
を経て作製される。
【0036】
本発明に係る樹脂粒子は、重合性単量体と連鎖移動剤を含有する溶液を界面活性剤溶液中に分散して油滴を作製し、この油滴を重合開始剤の作用により重合して作製したものである。
【0037】
以下、樹脂粒子の作製に用いる重合性単量体、連鎖移動剤、界面活性剤、重合開始剤について説明する。
【0038】
(重合性単量体)
本発明に係る樹脂粒子は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものである。前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
【0039】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0040】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官係数性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0041】
本発明に係る樹脂粒子は、前述の重合性単量体を重合して生成されるが、重合開始時に使用可係数なラジカル重合開始剤には以下のものがある。具体的には、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げられる。
【0042】
(連鎖移動剤)
樹脂粒子を形成する際に使用される連鎖移動剤としては、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1のものであり、好ましくは2.0〜14.0のものである。
【0043】
連鎖移動定数(Cx)が上記範囲の連鎖移動剤を用いると、管型反応装置内で目的とする重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、即ちMw/Mn比の樹脂粒子を作製するのに有効に作用する。
【0044】
ここで、連鎖移動定数とは、ラジカル重合における連鎖移動の反応速度定数と成長反応の速度定数の比率のことをいう。連鎖移動定数は、下記式により定義されるものである。
【0045】
【数1】

【0046】
(式中、Cxは連鎖移動定数
ktr,xは連鎖移動反応速度定数
kiは連鎖反応開始時の反応速度定数
kpは成長反応速度定数
Pn・は鎖長n個のポリマーラジカル(n=1、2、3・・・・・)
RXは連鎖移動剤
Mは重合性単量体
X・は連鎖移動ラジカル
を表す)
尚、連鎖移動定数は、下記に示す様に、連鎖移動剤と重合性単量体の減少差の比率(減少差度)で表現することも可係数であり、この場合、下記式より算出される。尚、下記式で得られる連鎖移動定数の値は、上記式で算出される連鎖移動定数と同値のものとなる。
【0047】
Cx=dlog[RSH]/dlog[M]
(式中、RSHは連鎖移動剤の残存濃度、Mは重合性単量体の残存濃度、Cxは連鎖移動定数を表す)
本発明における連鎖移動定数は、重合性単量体がスチレン(50℃)である場合の連鎖移動定数である。
【0048】
実際には、連鎖移動定数としては、文献値(例えば、POLYMER HANDBOOK)や連鎖移動剤を販売しているメーカーが提供する値を使用することができる。
【0049】
但し、文献値が無い場合には、実験により算出することもできる。方法としては、0点を含む連鎖移動剤濃度を4点以上とり、その各濃度の連鎖移動剤存在下で、開始剤とAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を用い、60℃でスチレンのバルク重合を行う。
【0050】
このときの連鎖移動剤の減少量を、キャリラリーカラム:HR−1により求め、重合性単量体添加率及びポリマーの分子量はGPCにより求めて、連鎖移動定数を算出する。
【0051】
本発明で用いられる連鎖移動剤としては、50℃における連鎖移動定数が1.9〜17.1を示すものであれば特に限定されるものではなく、例えば、
1−オクタンチオール 16.0
エタンチオール 17.1
t−オクチルメルカプタン 4.3
t−ドデシルメルカプタン 5.0
ベンツチアゾール 2.1
等を挙げることができる。
【0052】
連鎖移動剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し、0.5〜5.0質量%が好ましい。
【0053】
(重合開始剤)
本発明では、上記重合性単量体の重合に使用する重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や過酸化水素等の無機系過酸化物を用いることが可係数である。これらの無機系過酸化物の中でも過酸化水素が好ましい。
【0054】
また、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩等の有機系の重合開始剤を使用することも可能である。
【0055】
重合開始剤の量は、重合性単量体100質量部に対し、0.1〜10.0質量%が好ましい。
【0056】
(界面活性剤)
また、重合性単量体と連鎖移動剤を含有する溶液を水溶液中に油滴として分散する際に使用される界面活性剤は特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
【0057】
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
【0058】
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
【0059】
次に、樹脂粒子の特性について説明する。
【0060】
(重量平均分子量、数平均分子量Mnの比)
本発明の連続製装置を用いて重合して得られる樹脂粒子は、重量平均分子量Mwが10,000〜200,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2〜4と、重合度のそろったものを得ることができる。
【0061】
樹脂粒子の分子量は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)をカラム溶媒として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することが可能である。
【0062】
具体的には、測定試料を1mgに対してTHFを1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組み合わせなどを挙げることができる。
【0063】
検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、或いはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
【0064】
(樹脂粒子の粒径、変動係数、平均円形度)
また、得られる樹脂粒子の粒径としては、体積基準におけるメディアン径(D50)で50nm〜500μmのものを得ることができる。ここで、体積基準におけるメディアン径(D50)とは、一定体積の樹脂粒子を粒径の大きい順または小さい順にカウントしたとき、カウント数(累積値)が全粒子数の50%に相当する樹脂粒子の粒径のことをいうものである。
【0065】
また、得られた樹脂粒子は、これを構成する樹脂粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(以下、CV値ともいう)が2〜20%であるものを得ることができる。変動係数が上記範囲であると、シャープな粒度分布の樹脂粒子となる。
【0066】
尚、樹脂粒子の体積基準の粒度分布における変動係数は、以下の式より算出される。
【0067】
変動係数(CV値)(%)=体積基準の粒度分布における標準偏差/体積基準におけるメディアン径(D50)×100
本発明に係る樹脂粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)や変動係数(CV値)は、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
【0068】
測定手順としては、樹脂粒子0.02gを、界面活性剤溶液20ml(樹脂粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、樹脂粒子分散液を作製する。この樹脂粒子ー分散液を、サンプルスタンド内の電解液「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカーに、測定濃度8%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャー径は700μmのものを使用する。
【0069】
また、得られる樹脂粒子の平均円形度は、0.916〜0.955のものが得られる。ここで、樹脂粒子の円形度は、下記式より算出される。すなわち、
円形度=(粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、個々の樹脂粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
【0070】
樹脂粒子の円形度を測定する装置としては、例えば、「FPIA−2100(Sysmex社製)」が挙げられる。FPIA−2100を用いた測定では、樹脂粒子を界面活性剤入りの水溶液で馴染ませ、超音波分散処理を1分間行って樹脂粒子を分散させた後、FPIA−2100を用いて測定を行う。測定条件は、HPF(高倍率撮像)モードに設定してHPF検出数を3000〜10000個の適正濃度にして測定するものである。
【0071】
本発明の樹脂粒子の連続製造装置は、上記のような体積基準におけるメディアン径(D50)、CV値及び樹脂粒子の平均円形度の値を有する樹脂粒子を作製するのに適している。
【0072】
本発明で作製した樹脂粒子は、例えば、トナー、液晶のスペーサー等に用いることができる。
【実施例】
【0073】
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0074】
《実施例1》
前記図1に示す連続樹脂粒子製造装置を用い、下記手順で樹脂粒子を作製した。
【0075】
(1)界面活性剤溶液の調製
下記材料を混合溶解して界面活性剤溶液を調製した。
【0076】
ドデシル硫酸ナトリウム 0.82質量部
イオン交換水 539.18質量部
(2)重合性単量体溶液の調製
下記材料を混合溶解して重合性単量体溶液を調製した。
【0077】
スチレン 67.7質量部
n−ブチルアクリレート 19.9質量部
メタクリル酸 10.9質量部
オクチルメルカプタン 2.2質量部(Cx4.3)
(3)油滴分散液の調製
上記で調製した重合性単量体溶液を界面活性剤溶液中に、機械式分散機「USホモジナイザー300T型」(日本精機製作所製)を用いて油滴径が100nmとなるように分散し、油滴分散液を調製した。
【0078】
(4)重合開始剤溶液の調製
下記材料を混合溶解して重合開始剤溶液を調製した。
【0079】
重合開始剤(過硫酸カリウム) 9.2質量部
イオン交換水 200質量部
(5)重合工程
前記図1に示す連続樹脂製造装置の管型重合反応装置の管径、管長、管厚が下記のサイズの管型重合反応装置を準備した。
【0080】
管径D(内径):0.01m
管長L :20m
管厚 :0.001m
上記で調製した油滴分散液を、図1に示す管型重合反応装置4の油滴分散液投入部1から、16.8cm3/minの速度で連続投入し、重合開始剤溶液投入部2から重合開始剤溶液を3.2cm3/minの速度で連続投入し、プラグフロー部5の内部温度が80℃、滞留時間が40minになるよう設定し、連続して重合を行い、樹脂粒子を作製した。これを「樹脂粒子1」とする。
【0081】
《実施例2》
実施例1で用いた管型重合反応装置の管径、管長、管厚を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を作製した。これを「樹脂粒子2」とする。
【0082】
管径D(内径):0.005m
管長L :40m
管厚 :0.001m
《実施例3》
実施例1で用いた連鎖移動剤「オクチルメルカプタン」を、「ベンゾチアゾール,2,2′−ジチオビス−」に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子3」を作製した。
【0083】
《実施例4》
実施例1で用いた連鎖移動剤「オクチルメルカプタン」を、「エタンチオール」に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子4」を作製した。
【0084】
《実施例5》
機械式分散機「USホモジナイザー300T型」(日本精機製作所製)の条件を変更して油滴径が50nmの油滴分散液を調製した。
【0085】
実施例1において用いた油滴径が100nmの油滴分散液を、上記で調製した油滴径が50nmの油滴分散液に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子5」を作製した。
【0086】
《実施例6》
機械式分散機「USホモジナイザー300T型」(日本精機製作所製)の条件を変更して油滴径が500nmの油滴分散液を調製した。
【0087】
実施例1において用いた油滴径が100nmの油滴分散液を、上記で調製した油滴径が500nmの油滴分散液に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子6」を作製した。
【0088】
《比較例1》
実施例1で用いた連鎖移動剤「オクチルメルカプタン」を、「p−トルエンチオール」に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子7」を作製した。
【0089】
《比較例2》
実施例1で用いた連鎖移動剤「オクチルメルカプタン」を、「n−オクチルメルカプタン」に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子8」を作製した。
【0090】
《比較例3》
機械式分散機「USホモジナイザー300T型」(日本精機製作所製)の条件を変更して油滴径が50nmの油滴分散液を調製した。
【0091】
実施例1において用いた油滴径が100nmの油滴分散液を、上記で調製した油滴径が40nmの油滴分散液に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子9」を作製した。
【0092】
《比較例4》
機械式分散機「USホモジナイザー300T型」(日本精機製作所製)の条件を変更して油滴径が550nmの油滴分散液を調製した。
【0093】
実施例1において用いた油滴径が100nmの油滴分散液を、上記で調製した油滴径が550nmの油滴分散液に変更した以外は実施例1と同様にして「樹脂粒子10」を作製した。
【0094】
表1に、実施例及び比較例の「樹脂粒子」の作製に用いた油滴分散液の油滴径、連鎖移動剤、管型重合反応装置の設定条件を示す。
【0095】
【表1】

【0096】
表2に、得られた樹脂粒子のMw、Mw/Mn、粒径、CV値、粒径/CV値を示す。
【0097】
【表2】

【0098】
実施例1〜6で得られた「樹脂粒子1〜6」は、重量平均分子量(Mw)が10,000〜200,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜4、体積基準におけるメディアン径(D50)が50nm〜500μm、樹脂粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が2〜20%、平均円形度が0.916〜0.955の範囲に入っているのに対し、比較例1〜4の「樹脂粒子7〜10」はMw、Mw/Mn、粒径、CV値、平均円形度の何れかが外れていることがわかる。
【0099】
尚、Mw、Mw/Mn、粒径、CV値、平均円形度は前記の方法で測定して得られた値である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】油滴分散液作製装置と管型重合反応装置を用いた樹脂粒子の連続製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0101】
1 油滴分散液投入部
2 重合開始剤溶液投入部
3 重合して得られた樹脂粒子の分散液取り出し部
4 管型重合反応装置
5 プラグフロー部
6 重合性単量体と連鎖移動剤を溶解したタンク
7 界面活性剤溶液タンク
8 加熱装置
9 油滴分散液作製装置
10 油滴分散液ストックタンク
11−1、11−2 バルブ
12−1、12−2、12−3、12−4 定量ポンプ
13 重合開始剤溶液タンク
14 機械式分散機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性単量体と連鎖移動剤からなる溶液を界面活性剤水溶液中に油滴分散液作製装置を用いて分散し、油滴径が体積基準におけるメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴分散液を作製する手段、
油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込む手段、
管型重合反応装置内で油滴中の重合性単量体を重合して高分子樹脂粒子を作製する手段、
重合して作製された高分子樹脂粒子を排出する手段
を有する高分子樹脂粒子の連続製造装置において、
前記連鎖移動剤は、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示すものであり、
前記管型重合反応装置内に油滴分散液と重合開始剤を連続して送り込み、管型重合反応装置の管中をプラグフローさせながら重合して高分子樹脂粒子を作製する
ことを特徴とする高分子樹脂粒子の連続製造装置。
【請求項2】
前記高分子樹脂粒子は、その重量平均分子量Mwが10,000〜200,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2〜4であることを特徴とする請求項1に記載の高分子樹脂粒子の連続製造装置。
【請求項3】
重合性単量体と連鎖移動剤からなる溶液を界面活性剤水溶液中に油滴分散液作製装置を用いて分散し、油滴径が体積基準におけるメディアン径(D50)50nm〜500μmの油滴分散液を作製する工程、
油滴分散液と重合開始剤溶液を管型重合反応装置に送り込む工程、
管型重合反応装置内で油滴中の重合性単量体を重合して高分子樹脂粒子を作製する工程、
重合して作製された高分子樹脂粒子を排出する工程
を有する高分子樹脂粒子の連続製造方法において、
前記連鎖移動剤は、連鎖移動定数(Cx)が1.9〜17.1を示すものであり、
前記管型重合反応装置内に油滴分散液と重合開始剤を連続して送り込み、管型重合反応装置の管中をプラグフローさせながら重合して高分子樹脂粒子を作製する
ことを特徴とする高分子樹脂粒子の連続製造方法。
【請求項4】
前記高分子樹脂粒子は、その重量平均分子量Mwが10,000〜200,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が2〜4であることを特徴とする請求項3に記載の高分子樹脂粒子の連続製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−29984(P2009−29984A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197204(P2007−197204)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】