説明

高分子電解質膜

【課題】
本発明は高分子電解質膜に係り、特に水素イオン伝導性物質としてスルホン化ポリスルホンケトン共重合体にフッ素系高分子を導入し、膜・電極界面の接着力を向上させる燃料電池用高分子電解質膜を提供する。
【解決手段】
本発明で提案されたスルホン化ポリスルホンケトン共重合体は、芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位及び、繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有するスルホン化ポリスルホンケトン共重合体を含む高分子電解質膜であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高分子電解質膜に係り、より詳しくは、膜・電極界面の接着力を向上させるために、高分子電解質膜に電極と常用性が良い物質を添加することにより、膜・電極界面の安定性が改善される高分子電解質膜に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報通信技術の急速な発達により多様な製品が開発されながら、携帯電話、ノートブック、PDA、デジタルカメラ、カムコーダーなどの携帯用電子機器関連技術が急激に成長している。このような携帯用電子機器関連技術の発展はより多くの情報を要求する消費者の嗜好を充足させるために、携帯用電子機器の高機能化を行っている。
しかし、これらの高機能化は多くのエネルギーを消耗するため長時間の連続使用に制約を受け、結果的にこれらにエネルギーを供給する装置が電子機器製品の性能を左右する核心技術要素となっている。このような技術的要求は、米国、日本などの多くの先進国で燃料電池関連技術に対して更に活発な研究、開発をさせる原動力となっている。
【0003】
燃料電池は化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換させる装置であり、燃料極では燃料の酸化反応が起き、酸素極では酸素の還元反応が起きる。燃料電池の基本構造は、触媒を担持した燃料極、酸素極そして、2つの電極の間に電解質膜を入れて製造された膜・電極接合体で構成されている。
膜・電極接合体において電解質膜は触媒の作用によって燃料極から酸素極まで水素イオンを伝達する役割と、燃料が酸素と直接混ざらないようにする隔膜の役割を担当する。
現在、高分子電解質燃料電池の電解質膜として主に使用される物質は、水和安定性が優れており、水素イオン伝導度が優れたフッ素系高分子のナフィオンである。しかし、ナフィオンは単価が高く、寸法安定性が優れておらず、高温(80℃)で水素イオン伝導度が減少し、更に直接メタノール燃料電池に適用した場合、メタノール透過度が高いという短所のため、実用化が困難である。
【0004】
これにより、フッ素系高分子であるナフィオンに代替するため、高温で使用が可能でありながら相対的にメタノール透過度が低い、新しい炭化水素系水素イオン伝導性物質に対する研究が活発に行われている。
その代表的な例として、ポリイミド、ポリエーテル・エーテル・ケトン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾイミダゾールなどがある。特許文献1参照。
しかし、上記の代替高分子電解質膜も水和時に含水量が高く、寸法安定性が落ちるだけでなく、水素イオン伝導度が低く、膜・電極界面の安定性が低いため、高分子電解質燃料電池の優れた性能を具現することが難しい。特に、セル性能の向上及び長期安定性の確保のために、これら代替電解質の膜・電極界面の安定性が改善された新しい物質の開発が要求されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−5308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点を鑑みてなされたものであり、膜・電極界面の接着力の向上のために、高分子電解質膜に電極と常用性が良い物質を添加することにより、膜・電極界面の安定性が改善された高分子電解質膜を提供することにある。
【0007】
より具体的には、水和による寸法安定性が優れ、水素イオン伝導度が改善され、膜・電極界面の安定性が優れた高分子電解質膜と、その形成材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明は、芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位及び前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、前記芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有するスルホン化ポリスルホンケトン共重合体である水素イオン伝導性炭化水素系高分子に、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレンの単量体からなる高分子の単独または2種以上の混合物である、スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比0.01〜50重量%であるポリマーブレンドを導入することを特徴とする。
【0009】
より詳しくは、本発明の前記芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式1に表され、前記芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式2に表され、前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位は下記化学式3に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式4に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式5に表されることを特徴とする。

【0010】
前記式において、M、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、Kは−CO−、−CO−CO−及び

からなる群から選択される少なくとも1種のケトンであり、Xは−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−C(CH−及び−C(CF−からなる群から選択される少なくとも1種であり、R、R、R、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、a、b及びcは各々独立的に0〜4の整数であり、x及びx’は各々独立的に0〜3の整数、y及びy’は各々独立的に1〜4の整数、x+y及びx’+y’は各々独立的に1〜4の整数である。
【0011】
更に、本発明の前記ポリスルホンケトン共重合体は下記化学式6または化学式7に表される分子構造を含むことを特徴とする。

【0012】
前記式において、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、M、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、a及びbは各々独立的に0〜4の整数であり、x及びx’は各々独立的に0〜3の整数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る高分子電解質膜は、燃料の透過度が低く、水素イオン伝導度が優れたスルホン化された炭化水素系列の高分子物質に、膜・電極界面の接着力の向上のために常用性が良い物質を添加することにより、膜・電極界面の安定性が改善される優れた高分子物質を導入する。この結果、水素イオン伝導度は減少するが、膜・電極界面の接着力が向上し、炭化水素高分子MEAの長期安定性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の高分子電解質膜は、芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位及び前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、前記芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有するスルホン化ポリスルホンケトン共重合体である水素イオン伝導性炭化水素系高分子に、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレンの単量体からなる高分子の単独または2種以上の混合物であるポリマーブレンドを導入する。
【0015】
本発明はより具体的に、燃料電池用高分子電解質膜の製造方法において、燃料の透過度が低く、水素イオン伝導度が優れたスルホン化された炭化水素系列の高分子物質に、膜・電極界面の接着力を向上させるため、常用性が良い物質を添加し、膜・電極界面の安定性が改善された優れた高分子物質を導入する。
【0016】
前記スルホン化された炭化水素系高分子物質の使用可能な例として、一般的な高分子ではない、用途に合わせて設計されて合成した芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位、及び前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、前記芳香族スルホン繰り返し単位、及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有するスルホン化ポリスルホンケトン共重合体を提供する。
【0017】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体は、芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位、及び前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、前記芳香族スルホン繰り返し単位、及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種以上がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する。
【0018】
本発明の界面安定性の向上のために導入される高分子物質の使用可能な具体的な例として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンまたはトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンの単量体からなる高分子を、単独または2種以上の混合物をブレンドして使用する。
しかし、寸法安定性が優れた高分子物質である場合、前記例に限定されるわけではない。
【0019】
前記寸法安定性が優れた高分子物質を導入することにより、膜・電極界面の安定性が確保され、長期安定性が改善される効果をもたらす。
【0020】
前記スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子に導入する寸法安定性が優れた高分子物質は、スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%を添加することが好ましい。
万一、50重量%を超過する場合、高分子電解質複合膜の水素イオン伝導度が低く、0.01重量%未満の場合、界面安定性が向上されない。しかし、これは本発明の好ましい実施のために可能な範囲を例示しただけであり、必ずしも前記範囲に限定されるわけではない。
【0021】
更に詳しくは、芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうちスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する繰り返し単位は1〜50モル%であることを特徴とする高分子電解質膜に関する。
【0022】
前記スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する繰り返し単位のモル分率は、前記芳香族スルホン繰り返し単位、及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち1〜50モル%であることが好ましく、30〜50であることが更に好ましい。前記繰り返し単位のモル数が1モル%以上である場合、十分な水素イオン伝導性を得ることができ、50モル%以下である場合、構造的安定性を確保することができる。
【0023】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体において、前記芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式1に表され、前記芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式2に表され、前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位は下記化学式3に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式4に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式5に表されることが好ましい。

【0024】
前記式において、M、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、
Kは−CO−、−CO−CO−及び

からなる群から選択される少なくとも1種のケトンであり、
Xは−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−C(CH−及び−C(CF−からなる群から選択される少なくとも1種であり、
、R、R、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
a、b及びcは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は各々独立的に0〜3の整数、y及びy’は各々独立的に1〜4の整数、x+y及びx’+y’は各々独立的に1〜4の整数である。
【0025】
前記置換基に対する定義は以下で言及する全ての化学式に同一に適用される。
【0026】
本発明のポリスルホンケトン共重合体は下記化学式6または化学式7に表される分子構造を含むことがイオン伝導性及び構造的安定性の側面で更に好ましい。

【0027】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体は重量平均分子量が10,000〜200,000であることが機械的強度及び水素イオン伝導性の側面で好ましく、30,000〜150,000であることが更に好ましい。
【0028】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体は線形の高分子であるか、分岐形高分子であり、下記化学式8〜15に表される化合物から誘導された分岐単位(branching unit)を更に含む分岐形高分子であることが好ましい。


【0029】
本発明の分岐形スルホン化ポリスルホンケトン共重合体がより優れた機械的物性を持つためには、前記分岐単位が前記残りの繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物の反復単位の総量に対して0.1モル%以上含むことが好ましく、過度の架橋による加工性の低下を防ぐためには1モル%以下で含まれることが好ましい。
【0030】
本発明の分岐形スルホン化ポリスルホンケトン共重合体は下記化学式16または17に表される分子構造を含む分岐形高分子であるスルホン化ポリスルホンケトン共重合体であることが更に好ましい。

【0031】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体は水素イオン伝導性を有する高分子電解質の使用が可能であり、特に燃料電池用高分子電解質膜の形態で使用が可能である。
【0032】
本発明によるスルホン化ポリスルホンケトンを含む高分子電解質は非常に高い水素イオン伝導度を示し、メタノール透過率も著しく低下することが分かる。
【0033】
特に、分岐形スルホン化ポリスルホンケトン共重合体は主鎖の間隔が狭くなるため、比較的大きい分子が通過することができない。従って、本発明により製造された分岐形スルホンケトン高分子は薄膜製造のためのフィルム成形性が優れ、酸化還元に対して安定性を見せる。
【0034】
より具体的には、本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体を含む高分子電解質膜は、水素イオン伝導度が1.5×10−4S/cm以上であることが好ましく、1.5×10−4〜1×10−1S/cmであることが好ましく、メタノール透過率が1.0×10−6cm/sec以下であることが好ましく、1×10−9〜1×10−6cm/secであることが更に好ましい。
前記水素イオン伝導度とメタノール透過率の範囲を満足する場合、直接メタノール燃料電池用(DMFC)高分子電解質として十分な効果を表す。
【0035】
本発明は前記スルホン化ポリスルホンケトン共重合体はスルホン化またはスルホン化されていない芳香族スルホンモノマー、スルホン化またはスルホン化されていない芳香族ケトンモノマー及びジヒドロキシ基モノマーを含むモノマー混合物からなることを特徴とする高分子電解質膜に関する。
【0036】
本発明のスルホン化ポリスルホンケトン共重合体はスルホン化またはスルホン化されていない芳香族スルホンモノマー、スルホン化またはスルホン化されていない芳香族ケトンモノマー及びジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物を有機溶媒の存在下で縮合反応をさせる方法で製造され、この時、前記芳香族スルホンモノマー及び芳香族ケトンモノマーのうち少なくとも1種がスルホン化されたものが好ましい。
【0037】
前記モノマー混合物の具体的な例としては、
a)芳香族スルホンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
b)芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
c)スルホン化芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
d)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
e)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、または
f)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物がある。
【0038】
前記モノマー混合物の中で前記芳香族スルホンモノマーは下記化学式18に表され、前記芳香族ケトンモノマーは下記化学式19に表され、前記芳香族ジヒドロキシモノマーは下記化学式20に表され、前記スルホン化芳香族スルホンモノマーは下記化学式21に表され、前記スルホン化芳香族ケトンモノマーは下記化学式22に表されることが好ましい。

【0039】
前記式において、
、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、
Kは−CO−、−CO−CO−及び

からなる群から選択される少なくとも1種のケトンであり、
Xは−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−C(CH−及び−C(CF−からなる群から選択される少なくとも1種であり、
Yは各々独立的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン族元素であり、
、R、R、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
a、b及びcは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は独立的に0〜3の整数、y及びy’は独立的に1〜4の整数、x+y及びx’+y’は各々独立的に1〜4の整数である。
【0040】
前記モノマー混合物の縮合反応の条件は通常的なエーテル化反応の条件と同一であり、本発明では特別に限定しないため、これに対する詳しい説明は省略する。
【0041】
更に、本発明の分岐形スルホン化ポリスルホンケトン共重合体は前記a)〜f)のモノマー混合物に前記化学式8〜15に表される化合物からなる群から選択される1種以上の多官能性モノマーを更に添加して重合することにより製造される。
前記多官能性モノマーの添加量は先に記載された分岐単位の含量に準する。
【0042】
本発明に使用した高分子電解質複合膜の厚さは乾燥状態で5〜200μmであり、好ましくは5〜100μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
【0043】
一方、本発明は前記で製造した高分子電解質膜を含有する燃料電池を含む。
【0044】
本発明のより詳しい理解のために、前記製造段階がより具体化された好ましい実施例を通して本発明の内容を詳しく説明する。但し、これらの実施例は本発明の内容を理解するために提示するだけであり、本発明の権利範囲はこれら実施例に限定されない。
【実施例】
【0045】
実施例1:スルホン化ポリスルホンケトン共重合体を有する高分子電解質膜の製造
スルホン化ポリスルホンケトン共重合体の合成
100mLの3口フラスコにディーン・スタークトラップとコンデンサーを設置し、ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン0.005mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン(3,3’−disodiumsulfonyl−4,4’−difluorophenylsulfone)0.005molをN−メチルピロリドン(NMP)15mLに溶かした後、トリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を添加した。
CO 0.026molを入れ、70℃まで温度を上げた後、トルエン10mLを添加し、5時間還流反応し、生成された水を除去した。
水を除去した後、温度を160℃まで上昇させながらトルエンを除去し、トルエンを除去した後にも160℃で約6時間反応してスルホン化ポリスルホンケトン共重合体を製造した。
前記製造されたスルホン化ポリスルホンケトン共重合体を水とメタノールの混合液(体積比3:7)200mLに沈殿させて固体を得た。前記得られた固体の粘度は約0.3〜0.5g/dLであった。
【0046】
PVDFが0.5重量%である高分子電解質膜の製造
前記で得られた高分子を溶剤に10重量%で溶かした後、フッ化ポリビニリデン(PVDF)をスルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子対比0.5重量%を導入し、スルホン化ポリスルホンケトン共重合体高分子とフッ化ポリビニリデンを混合した。
均一に混合された後、ガラス板上でドクターブレードで鋳造した。これを50℃のオーブンで72時間乾燥した後、蒸留水に含浸させてスルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子とフッ化ポリビニリデンのブレンド膜を得て、その後、再び100℃の真空オーブンで24時間乾燥して最終的にスルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子とフッ化ポリビニリデンのブレンド膜を得た。
【0047】
実施例2:PVDFが1重量%である高分子電解質膜の製造
スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比フッ化ポリビニリデンの含量を1重量%で導入したことを除外し、前記実施例1と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法でブレンド膜を製造した。
【0048】
実施例3:PVDFが1.5重量%である高分子電解質膜の製造
スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比フッ化ポリビニリデンの含量を1.5重量%で導入したことを除外し、前記実施例1と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法でブレンド膜を製造した。
【0049】
実施例4:PVDFが2.5重量%である高分子電解質膜の製造
スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比フッ化ポリビニリデンの含量を2.5重量%で導入したことを除外し、前記実施例1と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法でブレンド膜を製造した。
【0050】
実施例5:PVDFが5重量%である高分子電解質膜の製造
スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比フッ化ポリビニリデンの含量を5重量%で導入したことを除外し、前記実施例1と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法でブレンド膜を製造した。
【0051】
実施例6:4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが0.006molである高分子電解質の製造
ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン0.006mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.004mol及びトリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を使用したことを除外し、実施例1と同様の方法でスルホン化ポリスルホンケトンと高分子電解質膜を製造した。前記実施例1〜5と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法で複合膜を製造した。
【0052】
実施例7:4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが0.007molである高分子電解質膜の製造
ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン0.007mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.003mol及びトリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を使用したことを除外し、実施例1と同様の方法でスルホン化ポリスルホンケトンと高分子電解質膜を製造した。前記実施例1〜5と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法で複合膜を製造した。
【0053】
実施例8:4,4’−ジフルオロベンゾフェノンが0.008molである高分子電解質膜の製造
ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン0.008mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.002mol及びトリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を使用したことを除外し、実施例1と同様の方法でスルホン化ポリスルホンケトンと高分子電解質膜を製造した。前記実施例1〜5と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法で複合膜を製造した。
【0054】
実施例9:4,4’−ジフルオロフェニルスルホンが0.006molである高分子電解質膜の製造
ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.006mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.004mol及びトリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を使用したことを除外し、実施例1と同様の方法でスルホン化ポリスルホンケトンと高分子電解質膜を製造した。前記実施例1〜5と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法で複合膜を製造した。
【0055】
実施例10:4,4’−ジフルオロフェニルスルホンが0.007molである高分子電解質膜の製造
ビスフェノールA 0.01mol、4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.007mol、3,3’−スルホン酸二ナトリウム−4,4’−ジフルオロフェニルスルホン0.003mol及びトリス−4−ヒドロキシフェニルエタン0.00002mol(ビスフェノールAの0.2mol%)を使用したことを除外し、実施例1と同様の方法でスルホン化ポリスルホンケトンと高分子電解質膜を製造した。前記実施例1〜5と同様の構成成分及び組成を使用し、同一の方法で複合膜を製造した。
【0056】
比較例
比較例1:スルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子電解質膜
ビクトレックス社(英)の前記製造したスルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子を溶剤に10重量%で溶かした後、ガラス板上でドクターブレードで鋳造した。これを50℃のオーブンで72時間乾燥した後、蒸留水に含浸させてスルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子膜を得て、その後、再び50℃の真空オーブンで24時間乾燥して最終的にスルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子電解質膜を得た。
【0057】
比較例2:スルホン化されたポリ・エーテル・エーテル・ケトン高分子電解質膜
実施例1で燃料電池を導入しない高分子電解質膜を製造した。
【0058】
試験例
試験例1:高分子電解質膜の水素イオン伝導度の測定
前記の実施例1〜5と比較例2で製造した高分子電解質膜の水素イオン伝導度は、ソーラトン社(英)のインピーダンス・スペクトロスコピーで測定し、その結果を図1のグラフに表した。インピーダンスの測定条件は、周波数を1Hzから1MHzまで設定して測定した。
水素イオン伝導度の測定は、面内方式で測定し、全ての試験は試料が完全に含湿された状態で行われた。
図1の試験結果から分かるように、スルホン化された高分子に添加したフッ化ポリビニリデンの含量が増加するほど水素イオン伝導度は減少する。
これはフッ化ポリビニリデンが増加するほど水素イオン伝導度に影響を及ぼす含水量が減少し、水素イオン伝導チャンネルの不連続性により、高分子電解質膜の水素イオン伝導度が減少するものである。
しかしながら、図1に表される程度のイオン伝導度の減少は、実際の応用における高分子電解質膜の伝導度で許容される数値範囲に該当する。
【0059】
試験例2:製造された高分子電解質膜の寸法安定性の測定
前記実施例1〜5で製造した高分子電解質膜の寸法安定性は、水和前後の寸法変化の比率で測定し、その結果を図2のグラフに示した。
図2の結果から分かるように、寸法安定性はスルホン化された高分子にフッ化ポリビニリデンの添加量が増加するほど安定した。
含水量が高いスルホン化された高分子に、水に対する寸法安定性が優れたフッ化ポリビニリデンを添加することにより、高分子電解質複合膜の寸法安定性が向上することが分かる。
このような寸法安定性の増加は膜・電極界面の安定性の向上をもたらす。
【0060】
試験例3:高分子電解質膜の初期性能及び長期安定性の比較
前記の実施例1と比較例1で製造した高分子電解質膜の初期性能及び長期安定性の結果を図3及び図4のグラフに示した。
一般的な炭化水素高分子電解質膜である比較例1の場合、3日目の性能が急激に減少したことを確認することができた。初期性能に比べて3日目のセル性能が20%減少した。
これに比べ、実施例1の場合、初期性能と3日目の性能が似ていた。これは膜・電極界面の安定性の確保を通して、初期長期安定性が確保されたためである。
【0061】
実施例4:高分子電解質膜の初期性能及び長期安定性の比較
前記の実施例1と比較例2で製造した高分子電解質膜の初期性能及び長期安定性の結果を図5及び図6のグラフに示した。
一般的な炭化水素高分子電解質膜である比較例2の場合、8日目の性能が急激に減少したことを確認することができた。初期性能に比べて8日目のセル性能が30%減少した。
これに比べ、実施例1の場合、初期性能と8日目の性能が似ていた。これは膜・電極界面の安定性の確保を通して、初期長期安定性が確保されたためである。
【0062】
試験例5:SEM断面の比較
前記の実施例1と比較例2で製造した高分子電解質膜の長期安定性を評価した後、SEMの断面写真を測定し、結果を図7に示した。
比較例2の場合、膜・電極の脱離が発生することを確認することができた。膜・電極の脱離により、界面抵抗が増加してセル性能が減少する。
実施例1の場合、SEMの結果から分かるように、膜・電極界面の接着力が維持されることを確認することができた。界面接着力が向上され、長期安定性が確保されたと見られる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は高分子電解質膜に係り、高分子電解質膜に電極と常用性が良い物質を添加することにより、膜・電極界面の接着力・安定性が改善される、燃料電池用高分子電解質膜の分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1〜5により製造された高分子電解質膜の水素イオン伝導度を示すグラフである。
【図2】実施例1〜5により製造された高分子電解質膜の寸法安定性を示すグラフである。
【図3】実施例1により製造された高分子電解質膜の長期安定性を示すグラフである。
【図4】比較例1により製造された高分子電解質膜の長期安定性を示すグラフである。
【図5】実施例1により製造された高分子電解質膜の長期安定性を示すグラフである。
【図6】比較例2により製造された高分子電解質膜の長期安定性を示すグラフである。
【図7】実施例1と比較例2により製造された高分子MEAのSEM断面写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族スルホン繰り返し単位、芳香族ケトン繰り返し単位、及び前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位を含み、前記芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうち少なくとも1種がスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有するスルホン化ポリスルホンケトン共重合体である水素イオン伝導性炭化水素系高分子に、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレンの単量体からなる高分子の単独または2種以上の混合物である、スルホン化されたポリスルホンケトン共重合体高分子対比0.01〜50重量%であるポリマーブレンドを導入することを特徴とする高分子電解質膜。
【請求項2】
前記芳香族スルホン繰り返し単位及び芳香族ケトン繰り返し単位のうちスルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する繰り返し単位は、1〜50モル%であることを特徴とする、請求項1記載の高分子電解質膜。
【請求項3】
前記芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式1に表され、前記芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式2に表され、前記繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位は下記化学式3に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族スルホン繰り返し単位は下記化学式4に表され、スルホン酸またはスルホン酸塩置換基を有する芳香族ケトン繰り返し単位は下記化学式5に表されることを特徴とする、請求項1記載の高分子電解質膜。

前記式において、M、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、
Kは−CO−、−CO−CO−及び

からなる群から選択される少なくとも1種のケトンであり、
Xは−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−C(CH−及び−C(CF−からなる群から選択される少なくとも1種であり、
、R、R、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
a、b及びcは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は各々独立的に0〜3の整数、y及びy’は各々独立的に1〜4の整数、x+y及びx’+y’は各々独立的に1〜4の整数である。
【請求項4】
前記ポリスルホンケトン共重合体は下記化学式6または化学式7に表される分子構造を含むことを特徴とする、請求項1記載の高分子電解質膜。

前記式において、
、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、
a及びbは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は各々独立的に0〜3の整数である。
【請求項5】
前記ポリスルホンケトン共重合体は下記化学式8〜15に表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の多官能性モノマーから誘導された分岐単位(branching unit)を更に含む分岐形高分子であることを特徴とする、請求項1記載の高分子電解質膜。


【請求項6】
前記分岐単位は、前記芳香族ケトン及び芳香族スルホン繰り返し単位をエーテル結合で連結する芳香族化合物繰り返し単位に対して0.1〜1モル%で含まれることを特徴とする、請求項5記載の高分子電解質膜。
【請求項7】
前記ポリスルホンケトン共重合体は下記化学式16または17に表される分子構造を含む分岐形高分子であることを特徴とする、請求項5記載の高分子電解質膜。


、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
a及びbは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は各々独立的に0〜3の整数である。
【請求項8】
前記スルホン化ポリスルホンケトン共重合体はスルホン化またはスルホン化されていない芳香族スルホンモノマー、スルホン化またはスルホン化されていない芳香族ケトンモノマー及びジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物からなることを特徴とする、請求項1記載の高分子電解質膜。
【請求項9】
前記モノマー混合物は、
a)芳香族スルホンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
b)芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
c)スルホン化芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
d)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、
e)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物、または
f)芳香族スルホンモノマー、芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族ケトンモノマー、スルホン化芳香族スルホンモノマー及び芳香族ジヒドロキシモノマーを含むモノマー混合物であることを特徴とする、請求項8記載の高分子電解質膜。
【請求項10】
前記芳香族スルホンモノマーは下記化学式18に表され、前記芳香族ケトンモノマーは下記化学式19に表され、前記芳香族ジヒドロキシモノマーは下記化学式20に表され、前記スルホン化芳香族スルホンモノマーは下記化学式21に表され、前記スルホン化芳香族ケトンモノマーは下記化学式22に表されることを特徴とする、請求項9記載の高分子電解質。


前記式において、
、M、M及びMは各々独立的に水素、ナトリウム、リチウム及びカリウムからなる群から選択される1種以上であり、
Kは−CO−、−CO−CO−及び

からなる群から選択される少なくとも1種のケトンであり、
Xは−O−、−S−、−NH−、−SO−、−CO−、−C(CH−及び−C(CF−からなる群から選択される少なくとも1種であり、
Yは各々独立的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも1種のハロゲン族元素であり、
、R、R、R、R、R及びRは各々独立的に酸素、窒素及び硫黄からなるヘテロ原子を含む炭素数5〜30である芳香族環、及び炭素数1〜30であるアルキル置換体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
a、b及びcは各々独立的に0〜4の整数であり、
x及びx’は独立的に0〜3の整数、y及びy’は独立的に1〜4の整数、x+y及びx’+y’は各々独立的に1〜4の整数である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270078(P2009−270078A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184138(P2008−184138)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(502307139)株式会社東進セミケム (1)
【Fターム(参考)】