説明

高分解能のオーバーラッピングビットセグメント化デジタル‐アナログ変換器

【課題】幾つかある識別可能な特徴及び利点の中で、分解能が高く且つ部品数が少なく、更に単調性レンジを動的に移動させ、あるビット値の遷移をまたぐように単調性レンジを移動させるMビットのDACを提供する。
【解決手段】コントローラがMビットの入力を受け、これに応答して、Sビットの高レンジDACに供給するためのSビットの上側レンジ二進データと、Rビットの低レンジDACに供給するためのRビットの下側レンジ二進データとを発生する。このコントローラは、Mビットの入力における遷移点を検出し、これに応答して、Sビットデータの少なくとも1つの最下位ビットに等しい遷移データをSビットデータに加算するとともに、Rビットのデータから遷移データに等しい値を減算する。遷移点及び遷移データを検出して、Rビットデータのフルスケール値でこのような遷移を回避する点において加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、一般的には、デジタル‐アナログ変換器(DAC)に関するものであり、特に、帰還ループ内のセグメント化したDACに関するものである。
【背景技術】
【0002】
DACは広い使用レンジを有しており、そのうちの或るものには特定の性能条件が課せられている。例えば、DACはしばしば、DAC及びアナログ‐デジタル変換器(ADC)をそれぞれ必要とするアナログデバイス及びデジタルデバイスの直列配置構成を有する1つ以上のループを具える帰還システムに用いられている。説明上、“アナログ”とは、連続時間及び連続値を意味し、“デジタル”とは、離散時間及び離散値を意味する。
【0003】
このようなシステムの1つの代表的な例は、Nビットのアナログ‐デジタル変換器(ADC)でアナログシステム状態(例えば、システム出力)をサンプリングし、デジタル状態をデジタル基準データと比較し、デジタルエラーデータを発生させるものである。このデジタルエラーデータは、デジタル制御プロセッサにより帰還機能を通じて変換されて、Mビットのシステム制御データを発生するようにしうる。ここで、NはMに等しくしうる。デジタル制御入力データは、MビットDACによりアナログ制御信号に変換され、このアナログ制御信号がシステムに入力される。
【0004】
デジタル制御プロセッサは、エラーを低減させるように、システム状態をエラーの方向とは逆の方向に進める値を有するMビットのシステム制御データを発生する。帰還ループが適正に設計されており、このループを形成するデバイスが適正に機能していれば、エラーの大きさを低減させる方向にシステム状態を進めるための、エラー検出と、制御データの計算と、システムへの制御データの入力との反復により、基準状態の許容範囲内の基準状態の位置にかかわらず且つシステムの初期状態にかかわらず、システムを最終的に基準状態に到達させる。しかし、ループが適正に設計されていないか、又はループ中のある構成素子が、ある種の理想的でない動作を有する場合には、システムは例えば、基準点よりも高く、続いて基準点よりも低くに過補正する周期的な発振状態に入るおそれがある。
【0005】
帰還ループに用いるためのDACの選択は、上述したシステム基準を考慮して行われている。このような選択に関係するDACパラメータには、ビット分解能と、変換速度と、(この変換速度に関連する)設定時間と、単調性とが含まれる。
【0006】
DACのビット分解能によれば、部分的に、システムが基準信号に整合する精度に関して上限を確立している。単調性は、基準信号へのシステムの能力集中、すなわち、“ロック”を確立するか、又はこれに影響を及ぼすとともに、初期状態から基準状態までの、又は基準状態に向かう移動におけるシステムの過渡動作に影響を及ぼす。他の選択要素には、例えば、価格と、電力量と、面積及び体積量とが含まれる。
【0007】
種々の中で3つの一般的なDACアーキテクチュアを選択するに、その各々には、これを帰還DACとして使用することに関連する既知の利点とともに欠点又は制限がある。
【0008】
このような1つのアーキテクチュアは、重み付けされた二進MビットDACである。二進MビットDACは一般に、M個の入力ビットの各々に対し1つの電圧/電流源で構成されており、これらはそれぞれビット位置に応じて指数関数的に重み付けされている。重み付けされた4ビットの二進DACは、例えば、4つの重み付けされた電流源で、すなわち、“1”を20、すなわち、1つのLSB単位の電流に変換するLSB電流源と、“1”を21 、すなわち、2つのLSB単位の電流に変換する次に高位のビットの電流源と、…、“1”を23 、すなわち、8つのLSB単位の電流に変換するMSB電流源とで構成されている。
【0009】
重み付けされた二進DACの利点は、部品数が少なくなるということである。その理由は、このDACはM個の入力ビットの各々に対し1つのみの電流源しか必要としない為である。
【0010】
しかし、重み付けされた二進MビットDACは、そのM個の電流源に対し厳密な精度条件を有し、これは、Mが線形的に増大するのに応じて(2を底とする)指数関数的に高くなる。この精度が満足されないと、その結果としてDAC動作は非単調性となる。すなわち、Mビットのデジタル入力の値をある値に増大させても、DACの出力電流は増大せずに、減少してしまう場合がある。このような特性を有するDACは、これが帰還ループの一部である場合には、状態値を過補正又は消失させる為に、システムを、基準点を中心とする連続発振、又は“ハンチング”状態にするおそれがある。
【0011】
精度条件の厳密性を以下に例示する。“1”のLSB値に対し1つのLSB単位の電流を発生する理想的なLSB電流源を有する、重み付けされた4ビット二進DACを仮定する。又、この例は、以下の不正確な電流源、すなわち、LSB電流の3/4だけ低い電流を生じるMSB電流源と、LSB電流の1/2だけ高い電流を生じる、MSBから2番目(MSBの次)の電流源と、LSB電流の1/4だけ高い電流を生じる、MSBから3番目の電流源とを有するものとする。入力が“0111”である場合、その結果のDACの出力電流は、MSB−1及びMSB−2の電流源の上述した不正確性の為に、LSB電流の3/4だけ高い電流、すなわち、十進値の7ではなく十進値の7・3/4の値の電流をとなる。しかし、入力値が1つのLSBだけ増大して“1000”に変化すると、出力電流は、上述した例ではMSB電流源が3/4LSBだけ不正確となる為に、十進値の8単位の電流に変化せずに、十進値の7・1/4に変化する。従って、この例では、二進入力において1つのLSBだけ増大することにより、DAC出力電流を増大させずに、DAC出力電流を十進値の7・3/4から十進値の7・1/4に減少させる。
【0012】
“サーモメータDAC”と称するDACの他のアーキテクチュアは、互いに並列に接続されているとともにオン‐オフスイッチを介して電流加算デバイスに接続されている2M −1個の等しい値の電流源のスタックを用いるMビットDACを構成する。M〜2M −1ラインの二進デコーダは、Mビットの二進入力を、2M −1個のオン‐オフスイッチの1つにそれぞれ接続された2M −1本の制御ラインに変換する。説明例として、4ビットサーモメータDACが、それぞれオン‐オフスイッチを有する15個の電流源(オーバーフローを含める場合には16個の電流源)を具えているものとする。Mビットの二進入力が、十進値の7を表す“0111”であるとすると、二進デコーダは、代表的に2M −1個の1ビット電流源の下部の7個の電流源のみをスイッチ‐オンさせることにより、制御ラインのうちの対応する7本の制御ラインをオン状態とる。Mビット入力が1つのLSBだけ増大させて十進値の“8”を表す場合、二進デコーダは2M −1本の制御ラインのうちの追加の1本の制御ラインをオン状態とし、1つのLSBの電流を出力に加える。従って、上述したDACは“サーモメータ”DACと称される。
【0013】
サーモメータDACは本質的に単調性である為に、このサーモメータDACは特に、帰還配置構成に用いられる。換言すれば、Mビット入力のレンジ全体に亘る全ての値に対し入力値を1つの最下位ビット(LSB)だけ増大(又は減少)させることにより、1つのみのサーモメータ電流源を加える(又は除去する)。従って、加えられた(又は除去された)特定の電流源の相対的な精度にかかわらず、DACの出力電流を増大(又は減少)させる。
【0014】
しかし、サーモメータDACの部品数は多くなり、基本的に1ビットの各増大に対し部品数は二倍となる。説明例として、10ビットのサーモメータDACは十進数で1023個の電流源素子を必要とする。分解能を14ビットに増大させることにより必要となる電流源素子の量は4倍となり、従って、十進数で4196となる。追加の各ビットに対し2倍が維持され、16ビットのサーモメータDACに対し、約64000(64K)個の切換式電流源が必要となる。この部品数によれば、サーモメータDACをある分野にとって非現実的なものとする。
【0015】
しかし、“セグメント化DAC”と称される第3の既知の一般的な種類のDACが存在する。このDACによれば、サーモメータDACの単調性利点の幾らか(全てではない)が得られるとともに、重み付けされた二進DACの単調性欠点の幾らか(全てではない)を回避しうる。
【0016】
従来のMビットのセグメント化DACは、複数個の、代表的には2個のDACより成り、各DACはMビットのブロックを受ける。従来のMビットのセグメント化DACの一例は、Mビットを2つのセグメントに、すなわち、Hビットの上側セグメントとLビットの下側セグメントとに分割している。この場合、Hビットの上側セグメントは、高レベルのDAC(H‐DAC)に供給され、Lビットの下側セグメントは、低レベルのDAC(L‐DAC)に供給され、各DACは、これが受けるセグメント内のゼロでないビットの全てを、Mビット入力内で、二進数の重み付けしたものの合計に相当する電流を発生する。
【0017】
容易に理解しうるように、その動作原理によれば、従来のセグメント化したMビットDAC内のL‐DACのフルレンジは、理想的には正確にH‐DACの1つのLSBにわたり(スパンし)、Lビットがこのスパン内に2L の二進レベルを確立する。H‐DACは2H の増分レベルを提供し、L‐DACは、H‐DACレベルの各々の間に2L のレベルを提供する為、合計の分解能は、2H ×2L =2H+L =2M となる。
【0018】
従来のセグメント化DACの既知の利点は、各DACがMよりも少ないビット数を有する為に、各DACをサーモメータDACとして構成しうるということである。このことは、一例としてMを16ビットとし、この例を8ビットのH‐DAC及び8ビットのL‐DACを用いて従来の2セグメントDACとして構成することにより証明しうる。H‐DAC及びL‐DACの双方は28 −1=255個の電流源を必要とする。255レベルのサーモメータDACは容易に製造でき、且つそのダイ片の寸法は比較的小さくて足りる。従って、H‐DAC及びL‐DACの双方はサーモメータDACとして構成できる為、各DACは本質的に単調性となる。更に、電流源の総数は512にすぎない。比較の目的で、16ビットのDACを1つのサーモメータDACとして構成した場合、電流源の総数は216−1個となり、これはほぼ64000、すなわち、64Kとなる。従って、16ビットのDACを従来の2セグメントで構成するには、16ビットのサーモメータDACとしてのデバイス数の510/64,000、すなわち0.7%で足りる。
【0019】
しかし、従来のセグメント化DACの、長い間の問題点は、その原理から生じるものであり、これは、Mビットの各ビットを重み付けされた電流源として構成する代わりに、Mビットをブロックに分割して各ブロックを重み付けされた電流源として構成することを除いて、重み付けされた二進DACにより用いられているのとほぼ同じ原理により部品数を減少させているということである。従って、最下位ブロックよりも上の如何なるブロックにも対応する全てのDACに対し、その入力ビットにおける1つのLSBの変化に対応するその出力電流の変化を、1つのLSB電流内で、当該ブロックよりも小さい重みを有するビットブロックに対応する全てのDACの合計のフルスケール(全て1)の出力に整合させる必要がある。
【0020】
例えば、従来の2セグメントDACでは、その入力における1つのLSBの変化に応答するH‐DACから出力される電流の変化を、このH‐DACに入力されるあらゆるビットの組み合わせに対し、L‐DACの1つのLSB内でL‐DACのフルスケール電流に整合させる必要がある。従って、H‐DAC及びL‐DACの双方が8ビットであり、L‐DACからの1つのLSBの電流ステップを“q”で表すものとすると、H‐DAC入力における各1ビットの変化によりH‐DAC出力を256q±qだけ変化させる必要がある。この変化が255qであり、しかもL‐DACが完全である場合には、DAC出力は1に応答して変化しない。このような整合が保たれていない場合には、セグメント化DACは、L‐DACの入力がロールオーバーする、すなわち、全て“1”の状態から全て“0”の状態になるビット値遷移点で非単調性を呈し、これによりH‐DACのLSBを1ビットだけ増大(又は減少)させるおそれがある。このことはセグメント化DACのアーキテクチュアにとって特有のことである。
【0021】
図1〜3は、8ビットのH‐DAC(図示せず)と8ビットのL‐DAC(図示せず)とより成る従来のセグメント化された16ビットのDACの模擬の入力‐出力特性において明らかとなるように、既知のセグメント化DACの上述した非単調性を示している。図1〜3のこの模擬は、H‐DACの幾つかの順次のLSBをスパンしているものである。図1は、H‐DACの全てで4つの図示のLSB増分12A、12B、12C及び12Dが同じ高さであり、これらの各々がL‐DACの1つのLSBの精度内でL‐DACのフルレンジL‐RANGEに整合している第1のケースを示している。図2は、十六進数“10”、すなわち、二進数“1010”から十六進数“11”、すなわち、二進数“1011”へ進むH‐DACの二進入力から得られるこのH‐DACの出力のLSB増分12B’が、L‐DACの1つのLSBよりも多い量だけL‐DACのL‐RANGEよりも小さくなっている第2のケースを示している。図3は、図2の増分1212B’と同じ位置におけるH‐DACの出力のLSB増分12B”が、L‐DACの1つのLSBよりも多い量だけL‐DACのL‐RANGEよりも大きくなっている第3のケースを示している。
【0022】
図1を参照するに、16ビット入力の1つのLSBにより表される電流が“q”である場合には、H‐DACのLSBは256qとなり、セグメント化DAC全体のレンジは65536qとなる。図示のように、デジタル入力が十六進数の“1000”である場合には、H‐DACのDAC出力はq単位の電流のアナログ値“4096”であり、一方、L‐DACの電流はゼロである。入力が十六進数(Hexadecimal )の“10FF”(以後“10FFH”と称する)から“1100H”に変化すると、H‐DACに対する入力はH‐DACの1つのLSBだけ増大して“11”となり、一方、L‐DACに対する入力は“00”にロールオーバーする。その結果、図1のH‐DACはL‐DACに整合したLSBを有する為に、H‐DACの出力は256qだけ増大し、一方、L‐DACの電流は255qだけ減少する。これにより、16ビット入力における1つのLSBの増大を表す、qのセグメント化DACの純増をもたらす。このことを、位置14と、入力が“10FFH”から“1100H”に進んだ後の位置とにおける(1つの電流単位qだけ離間された)L‐DACレンジの隣接端により示されている。
【0023】
しかし、H‐DACのLSBをL‐DACの全レンジに正確に等しくすることは、種々の理由で、少なくとも製造品の代表的な制約の中でしばしば殆ど不可能となる。従って、サブDACの双方(すなわち、H‐DAC及びL‐DAC)がサーモメータDACにより得られる単調性であっても、全体としてのDACはその全レンジに亘って単調性とならない。
【0024】
図2は、図1に模擬として示すのと同じ標準のセグメント化された16ビットDACの模擬の入力‐出力特性を示すものであって、256qだけ離間したアナログ値を有する必要があるH‐DACの順次のLSB“10H”及び“11H”間のスパン12B’が、qよりも多い値だけ256q、すなわち、L‐DACのフルレンジよりも小さくなっている第2のケースのシナリオの例を示す。図から明らかなように、“10H”から“11H”に進むH‐DACの1つのLSBからの電流増大が256qよりもかなり小さい為に、H‐DACの入力のこの1つのLSBは、L‐DACの入力を全て“00”にするロールオーバーにより得られる255qの減算よりもかなり小さくなる。その結果、H‐DACの全出力は、増大することなく、“10FFH”から“1100H”に進む入力に応答して量“セグメントエラー”だけ減少する。当業者にとって周知のように、例えば、周波数ロックループデジタル制御発振器(図2に図示せず)のようなある種の帰還ループ内のDACの上述したような非単調性は、システムをこれらのセグメント点、すなわち、H‐DACの各1つのLSBの増大(又は減少)点を中心として発振させるおそれがある。
【0025】
図3は、図1及び2に対し模擬したのと同じ標準のセグメント化した16ビットDACの模擬の入力‐出力特性を示すものであって、“10H”から“11H”に進むH‐DAC入力からの電流の増大を表すH‐DACの1つのLSB14’が256qよりもかなり大きくなり、このH‐DAC入力の1つのLSBが、L‐DACの入力を全て“00”にするロールオーバーにより得られる255qの減算よりもかなり大きくなる第3のケースのシナリオを示している。その結果、H‐DACの全出力はqだけではなく、それよりもかなり大きな量“セグメントスキップエラー”だけ増大する。このことは、量“セグメントスキップエラー”内の出力レンジが失われ、これにアクセスできないということを意味する。従って、DACの精度が失われ、更に例えば、FLLの出力周波数のような制御システムの状態も失われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
幾つかある識別可能な特徴及び利点の中で、分解能が高く且つ部品数が少なく、更に単調性レンジを動的に移動させ、あるビット値の遷移をまたぐように単調性レンジを移動させる(このようにしないとビット値の遷移は非単調性の原因となる)MビットのDACを提供するオーバーラッピングセグメント化DACを含む種々の代表的な例の概要を以下に説明する。この概要では、種々の代表的な例の幾つかの態様を強調し導入する為に、説明の簡単化及び省略を行なうものであるが、これにより本発明の範囲を制限するものではない。当業者が本発明のこれらの例の概念を構成及び利用しうるようにするのに充分にするこれらの代表的な例の詳細な説明は後に行う。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の一例によれば、Sビットの上側レンジHR‐DACとRビットの下側レンジLR‐DACを有するダイナミックレンジの単調性MビットDACであって、S+RをMよりも大きくし、LR‐DACをSビットのHR‐DACの少なくとも2つの最下位ビット(LSB)電流を等しくするフルスケール出力を有するように構成した当該単調性MビットDACを提供する。
【0028】
本発明の1つの態様によれば、移動セグメントデコーダにより、Mビット入力を、HR‐DACに対してはSビット入力に、LR‐DACに対してはRビット入力に変換し、この変換によりHR‐DAC及びLR‐DACに対するそれぞれの入力を二進演算でMビット入力値に加算されるように設定するが、従来のセグメント化DACではHR‐DACのLSBをトグリングする点を超える値の範囲としうる動作点にLR‐DAC入力を設定する。
【0029】
この1つの態様に加えるに、動作点をRビットの下側レンジ内で異なる点に移動させるための遷移点は、Rビットの下側レンジに沿って選択し且つ維持させるものであり、且つこれらの遷移点は、Sビットの上側レンジ入力のLSBの遷移点間に常に保つがこれらの後者の遷移点とは整列させない。1つの態様によれば、移動セグメントデコーダにより、Mビット入力の下側のRビットが遷移点を超えた時を検出し、これに応答して、Sビットの上側レンジに対し1つ以上のLSBを加算又は減算するとともにRビットの下側レンジに対し対応する値を減算又は加算して、Rビットの下側レンジ内の新たな動作レンジにおいてではあるが、Sビット及びRビットの合計値を同じにする。
【0030】
1つの態様によれば、RビットのLR‐DACのフルレンジが、従って、SビットレンジとRビットレンジとのオーバーラップが、SビットのHR‐DACの4つのLSBをスパンしうるようにする。
【0031】
1つ以上の例による1つの態様には、上側のSビットのHR‐DACと、下側のMRビットのミッドレンジM‐DACとのトップレベル対を有するマルチレベルのサブレンジング型装置を含め、下側のMRビットのミッドレンジM‐DACは、SBビットの上側の低レベルDAC及びRBレベルの下側の低レベルDACで構成する。
【0032】
1つ以上の例の種々の態様によれば、幾つかある特徴及び利点の中で特に、不安定な又は永続的な発振状態に固定されないようにしうるシステム帰還ループに配置しうるダイナミックレンジの単調性MビットDACを提供する。
【0033】
1つ以上の例の種々の態様によれば、幾つかある特徴及び利点の中で特に、動作点であって、この動作点の付近で、システムの初期状態にかかわらず且つ値の所定の範囲内の基準値にかかわらずDACを単調性とする当該動作点に自動的に収束するようになるシステム帰還ループ内に配置しうるオーバーラッピングセグメントダイナミックレンジの単調性MビットDACを提供する。
【0034】
1つ以上の例の種々の態様によれば、幾つかある特徴及び利点の中で特に、LR‐DACとHR‐DACとの間の整合条件を著しく減少させる。
【0035】
種々の代表的な例及び態様の進歩及び特徴の上述した要約例は、実現可能な上述した利点に限定するものではない。種々の例の他の利点は、以下に図面に関して詳細に説明する実施例及び態様から明らかとなるであろう。又、当業者は、本発明の開示を読むことにより、特許請求の範囲の技術的範囲内の他の変形及び更なる適用を容易に特定しうるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、8ビットのH‐DACと8ビットのL‐DACとより成る従来のセグメント化された16ビットのDACの模擬の入力‐出力特性を示す線図であり、LSBの各々がL‐DACの1つのLSB内でL‐DACのフルレンジに整合しているH‐DACの幾つかの順次のLSBのスパンを示している。
【図2】図2は、H‐DACのLSBの同じ描写スパンに亘っているが、LSBの1つがL‐DACの1つのLSBよりも多い量だけL‐DACのフルレンジよりも小さくなっている、従来のセグメント化16ビットDACの図1の例の第2のシナリオの模擬入力‐出力特性を示す線図である。
【図3】図3は、H‐DACのLSBの同じ描写スパンに亘っているが、LSBの1つがL‐DACの1つのLSBよりも多い量だけL‐DACのフルレンジよりも大きくなっている、従来のセグメント化16ビットDACの図1の例の第3のシナリオの模擬入力‐出力特性を示す線図である。
【図4】図4は、8ビットのH‐DACと7ビットのL‐DACとより成り、L‐DACのフルスケール電流をH‐DACの2つのLSBに等しくした、一実施例による代表的な14ビットのオーバーラップセグメントアーキテクチュア(“OSA”)DACを有する代表的なシステムを示す機能的なブロック線図である。
【図5】図5は、H‐DACのLSBが、L‐DACの1つのLSBの単位の電流内の精度でL‐DACのフルレンジ電流に等しい増分電流変化を生じるようにした第1のケースのシナリオにおける、H‐DACの2つの理想的なLSBのL‐DACフルレンジを有する一実施例による一例のOSADACの模擬のデジタル入力‐電流出力特性を示す線図である。
【図6】図6は、図4のOSAL‐DACのL‐DACレンジを有するOSADACの模擬のデジタルデジタル入力‐電流出力特性を示すとともに、図示の部分は、H‐DACの2つの順次のLSBが、L‐DACの1つのLSB単位の電流よりも多い量だけL‐DACのフルレンジ電流よりも小さくした増分電流差を生じるようにした第2のケースのシナリオを呈するレンジ内のH‐DACの順次のLSBを示している線図である。
【図7】図7は、図4のOSAL‐DACのL‐DACレンジを有するOSADACの模擬のデジタルデジタル入力‐電流出力特性の一部を示すとともに、図示の部分は、H‐DACの2つの順次のLSBが、L‐DACの1つのLSB単位の電流よりも多い量だけL‐DACのフルレンジ電流よりも大きくした増分電流差を生じるようにした第3のケースのシナリオを呈するレンジ内のH‐DACの順次のLSBを示している線図である。
【図8】図8は、H‐DACの4つのLSBをスパンするL‐DACを有することを除いて図4の例の実施例による、一例のOSADACの模擬のデジタル入力‐電流出力の一特性の一部分の例を示す線図である。
【図9】図9は、1つ以上の代表的な実施例によるOSADACのマルチレベルサブDACの一態様の1つの2レベル例を構成するシステムの一例を示す機能的なブロック線図である。
【図10】図10は、特定の構成例において、種々の代表的な実施例の1つ以上によるOSADACの一例を有するようにした一実施例による一例のデジタル周波数ロックループ(DFLL)を示す機能的なブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
代表的な実施例の種々の例を、特定の例示的構成配置を参照して説明する。これらの特定の例は、当業者が本発明の概念を充分理解し、これらの実施例を実施しうるように当業者を援助するように選択した説明上の目的のみに対するものである。しかし、本発明の実施例の範囲及び実施範囲は、これらの特定の例示に限定されるものではない。
【0038】
項目の相対的寸法及び配置は、構造の項目の相対量又は機能の相対的重要度を必ずしも表すものではないという点で、図面は、実際のものに正比例して描いておらず、図面に表す主題を明瞭に示すように任意にするか又は選択することができる。
【0039】
本発明の開示を読むことにより当業者にとっても理解されるように、当業者にとって周知であり、且つ当業者が本発明の開示を読んで本発明の実施例を実行するために選択及び適用するアルゴリズム、プロトコル及びハードウェア技術の種々の細部は省略し、新規な特徴及び態様を不明瞭にすることを回避する。同様に、細部を含める場合には、これらの細部は完全なものではなく、実施例の特定の特徴及び態様に関する点のみで説明しているにすぎないことは事例関係から当業者にとって容易に理解されるであろう。
【0040】
例示的な実施例及び態様を別々に又はある相違を有するものとして説明する。しかし、別々の説明又は相違の説明は必ずしも、それぞれの実施例又は態様が互いに排他的であることを意味するものではない。例えば、1つの実施例に関して説明した特定の特性、機能又は特徴は他の実施例に含めるか又は適応させることができる。
【0041】
1つの一般的な実施例の1つの態様によれば、移動単調性レンジデコーダにより、Mビット入力を、Sビットの高レンジDAC(HR‐DACと称する)に対するSビット入力と、Rビットの低レンジDAC(LR‐DACと称する)に対するRビット入力とに変換する。SビットとRビットとの合計は値QだけMよりも大きく、Qは少なくとも1である。S及びRは、必ずしも等しくする必要はない。LR‐DACはQビットだけHR‐DACに“オーバーラップ”する。オーバーラップするビット数に関連して、LR‐DACのフルスケールレンジはHR‐DACの少なくとも2ビットをスパンする。数Qは、LR‐DACのフルレンジだけスパンされたHR‐DACのLSBの個数の、2を底とするlog である。LR‐DACのフルスケールだけスパンされたHR‐DACのLSBの更なる個数は、2の累乗、すなわち、2、4、8、…としうる。
【0042】
後に詳細に説明するように、オーバーラップにより、如何なるMビット入力に対しても、HR‐DAC及びLR‐DACへの入力に対する唯一でない解決策であって、LR‐DAC電流に加算されたHR‐DAC電流の総計を、Mビット入力を正確に表す電流に等しくする解決策を提供するものである。
【0043】
1つの一般的な実施例によれば、移動単調性レンジデコーダにより、遷移点をLR‐DACの入力レンジ内に維持し、ここで、このデコーダがHR‐DACを1ビットだけ増大(又は減少)させ、このような遷移点に応じてそれぞれHR‐DAC及びLR‐DACに対する入力を設定する。このことが、L‐DACのロールオーバー点でL‐DACを遷移、すなわち、ロールオーバーし、このL‐DACの入力を全て1から全て0にし、従って、H‐DACを1つのLSBだけ遷移させる従来のセグメント化DACと著しく相違するものである。
【0044】
上述した1つの態様に加えて、動作点をRビットの下側レンジ内の異なる点に移動させるために、HR‐DACに対するSビット入力及びLR‐DACに対するRビット入力の計算に用いる遷移点を選択するとともに、Rビットの下側レンジに沿って維持させる。これらの遷移点は常に、Sビットの上側レンジの入力のLSBの遷移点間にあるようにするとともに、これらの後者の遷移点と整列されないようにするのが好ましい。1つの態様によれば、移動セグメントデコーダにより、Mビット入力の下側のRビットが遷移点に対する他の所定の関係を超える又は満足する時を検出し、これに応答して、1つ以上のLSBをSビットの上側レンジに対し加算又は減算するとともに、これに対応する値をRビットの下側レンジに対し加算又は減算して、Rビットの下側レンジ内の新たな動作レンジにおいてではあるが、Sビット及びRビットの合計値を同じにする。この動作レンジは、Mビット入力が、HR‐DACのLSBをトグリングすることなしに、例えば、HR‐DACの1つのLSBよりも大きい値の範囲となるようにしうる。
【0045】
下側のDACを部分的にオーバーラップする上側のDACのSビット及びRビットレンジ内の動作状態にMビット入力状態を移動させるための、HR‐DACに対するSビット入力とLR‐DACに対するRビット入力との上述した計算は、従来のセグメント化したMビットDACとは基本的に相違するものである。従来の構成では、Mビット入力のうちの上側のHビットセグメント及び残りのLビットセグメントがそれぞれ供給されるHビットのH‐DAC及びLビットのL‐DACがあり、L‐DACは、Lビットセグメントのフルスケールが正確にH‐DACの1つのLSBをスパンし、全ての1からの1ビット遷移が1つの許容目的(全てをゼロにする)を有し、遷移はHR‐DACのLSBのトグリングと必ず一致するように重み付けされている。
【0046】
この一般的な実施例により得られる種々の利点及び特性の中には、その新規なオーバーラッピングセグメント化構成により、従来のセグメント化DACでは例えば、Mビット入力の単なる1つのLSBの発振によりHR‐DACのLSBのトグリングを、このトグリングの増大なしに生ぜしめるであろう点の前後で、Mビット入力を変化させる利点及び特性がある。
【0047】
この構成によれば更に、他の利点の中で、帰還構成において帰還発振のおそれなく、基準信号にかかわらず且つこの基準信号に対するシステムの初期状態にかかわらず、安定動作点に収束するDACが得られるという利点がもたらされる。
【0048】
図4は、代表的な一実施例によるオーバーラッピングセグメントアーキテクチュア(OSA)DAC100を示す機能的ブロック線図である。この図4を参照するに、本例のDAC100は、所定のMビットデータMINを受ける移動単調性レンジコンバータ102を有する。このコンバータ102は、Sビットの高レベルDAC(HR‐DAC)106に供給されるビット値SINを有するSビットの高レベルDAC入力104を発生するとともに、Rビットの低レベルDAC(LR‐DAC)110に供給されるRビットの低レベルDAC入力108(RIN)を発生する。HR‐DAC106のアナログ電流出力SOUT と、RビットのLR‐DAC110のアナログ電流出力ROUT とは電流加算デバイス112に供給される。この電流加算デバイスの出力は、Mビットの入力値MINをMOUT 電流に変換したものである。
【0049】
SビットのHR‐DAC106の内部のアーキテクチュアとRビットのLR‐DAC110の内部のアーキテクチュアとは、必ずしもそうではないが同じとしうる。これらの各々は、例えば、当業者により容易に構成しうる従来のサーモメータDACとしうる。Mビットの所定の所望分解能に対するS及びRのそれぞれの値は、所望のオーバーラップビット数に応じた設計的選択事項である。このことは、ここの開示を読んだ当業者にとって容易に理解しうることである。更に、SビットのHR‐DAC106及びRビットのLR‐DAC110の少なくとも一方は、S及びRのビット数に応じて重み付けされた二進DACとして構成しうる。
【0050】
図4に示すようなOSADACの一具体的構成例は、8ビットであるSビットのHR‐DAC106と、7ビットであるRビットのLR‐DAC110であって、このLR‐DACのフルレンジをHR‐DAC106の2つのLSBステップに等しくして14ビットのDACをもたらすことを意味する1ビットのオーバーラップを有する当該LR‐DAC110とを有する。従って、HR‐DAC106は、7つの独自のビットと1つの共有ビットとを有するものと見なすことができ、同様に、LR‐DAC110は6つの独自のビットと1つの共有ビットとを有しうる。図4のLR‐DAC110により1つのLSBから発生される電流を1つのqとして表すことにより、8ビットのLR‐DAC110のフルレンジはHR‐DAC106の2つのLSBステップである為に、分解能は15ビットではなく14ビットであり、従って、LR‐DAC110は、HR‐DACに対し256ではなく128qの追加の量子化ステップを提供する。
【0051】
図4に示す例のOSADAC100に関する動作の一例を部分的に図5に示す。横軸MXは、移動単調性レンジコンバータ102への16ビット入力MINを十六進形式で示しており、縦軸AYは、加算デバイス112から出力されるアナログ電流を示している。この例は、SIN及びRINを発生させてLR‐DAC110の遷移点及びHR‐DAC106のLSBのトグリングを制御するようにする移動単調性レンジコンバータ102の動作原理を示す。しかし、図5に示す動作は、1ビットをオーバーラップさせて15ビットのOSADACを形成するようにした8ビットのLR‐DAC及び8ビットのHR‐DACを仮定しているものである。
【0052】
図5を参照するに、移動単調性レンジコンバータ102が、HR‐DACに供給されるSINをスナップショットの描写前に十六進数10にトグリングしたものとする。次に、1つのLSBステップを繰り返すことにより、MIN値を増大させ、この値は十六進数1000から始め、十六進数10FFで終了させるものとする。更に、1つの追加のLSBによりMIN値を増大させるものとする。これにより、MIN値の下側の8ビットをこれらの全て1の状態から全て0の状態にロールオーバーさせるとともに、MINの上側の8ビットセグメントのLSBをトグリングする。しかし、移動単調性レンジコンバータ102はLR‐DAC110に供給されるRINビットをロールオーバーさせず、HR‐DAC106に供給されるSINビットのLSBをトグリングしない。その代わり、従来のセグメント化DACにおけるように1つのLSBではなく、HR‐DAC106の2つのLSBをLR‐DAC110がスパンするという事実を含めるようにプログラミング又は構成した移動単調性レンジコンバータ102により、RINを0111から1000に簡単に増大させる。換言すれば、10FFのMIN値ではHR‐DAC106の1つのLSBはLR‐DACの128ステップにすぎない為、LR‐DAC110は、図5における点MPにおいてレンジの丁度1/2位置となる。
【0053】
1つ以上の代表的な実施例による15ビットのOSADACの上述した動作例に続いて説明するに、MINが十六進の10FFから十六進の1100になった後には、このMINが十六進の1171に達するまでこのMINをステップ的に増大し続けるものとする。ここで、RINのレンジを有するこのRINが図5に示すTR1の点にある。このTR1は、これをHR‐DAC106に供給されるSINビットのLSBをトグリングするのに用いるために、移動単調性レンジコンバータ102内に遷移点として記憶されているか又は導入されるものとする。本例のTR1はRIN値のレンジ内の十六進数F1である。この十六進数F1のTR1は、遷移点の一例にすぎない。本発明の開示を読んだ当業者にとって容易に理解しうるように、他の遷移点を用いうるものである。
【0054】
1つ以上の代表的な実施例による15ビットのOSADACの上述した動作例に続いて更に説明するに、MINが十六進の10FFから十六進の1100になった後には、移動単調性レンジコンバータ102により、RINが遷移点TR1に到達したことに応答して、1つのLSBをSINに加算する。しかし、本例のLR‐DAC110は8ビットDACであるが、HR‐DAC106とで1ビットだけオーバーラップしている為に、上述したことによりHR‐DAC106の電流出力を256qではなく、128qだけ増大させる。従って、移動単調性レンジコンバータ102によりこの値をRINから減算し、DACの連続線形変換特性を維持するようにする。この移動単調性レンジコンバータ102は、この減算を、単に、二進値“11110001”である十六進数F1から二進数“10000000”を減算することにより実行し、図5に示すように、二進値“01110001”、すなわち十六進数71を得る。
【0055】
移動単調性レンジコンバータ102により実行される上述した遷移動作を図5にNPとしてグラフ線図的に示す。
【0056】
図5につき上述した動作例では、HR‐DAC106のLSBの全てがLR‐DAC110のフルレンジの1/2に整合されているものと仮定した。従って、この仮定は、種々の実施例の種々の特性及び利点を明示するものではない。
【0057】
特に、HR‐DAC106のようなデバイスを実際に構成する場合に、1つのLSBの増大が正確にLR‐DACレンジの半分にならなくなるおそれのあるような誤りが存在する可能性がある。換言すれば、HR‐DAC106の1つのLSBが128q以外となるおそれがある。このような誤りの例には、名目上LR‐DAC110に整合する128qではなく138q又は108qであるHR‐DACの1つのビットが含まれる可能性がある。しかし、上述した説明から理解されるように、代表的な実施例によるOSADACは、特に閉ループ帰還システムに設けた場合、単調性動作レンジに収束し、従って、システムの安定性及び精度は悪化しない。上述した特性を示すとともに利用する1つの特定の適用例は、デジタル周波数ロックループ(DFLL)である。
【0058】
これらの不整合は2つの異なる態様で生じるおそれがある。第1の態様では、H‐DACの1つのステップが正常値よりも小さくなるおそれがある。第2の態様では、H‐DACの1つのステップが正常値よりも大きくなるおそれがある。
【0059】
図6は、H‐DACのステップ(10H〜11H)を正常値のほぼ半分としうる第1のケースの極限状況を示す。これはH‐DACに対する極めて大きい不整合である。この場合、入力10F1Hが1171Hに移動されると、アナログ出力は、L‐DACのレンジの約1/4である大きな降下を呈する。次に、DFLLは、ループが閉となると、出力を、元の10F1Hの入力に類似するアナログ出力を有するほぼ11B1Hに調整する。
【0060】
11B1Hは中央部にもある為、DFLLはこの点の付近に安全にロックしうる。元の10F1Hは、下側の8ビットセグメント点の端部にあまりにも接近しすぎていた為、DFLLをロックさせるための安全な点でなかったこと明らかである。
【0061】
図8は、H‐DACの1つのステップが正常値よりも大きい第2のケースの例を示す。この場合、調整は第1のケースに類似する。図8に示すように、H‐DACのステップ(10H〜11H)は正常値のほぼ1.5倍としうる。調整は、“10F1H→1171H→1131H”として、如何なるアナログ出力も欠落しないようにすることができる。
【0062】
L‐DACのレンジ全体はH‐DACの2ビットに等しい為、DAC全体の全分解能は丁度15ビット(7+8)である。1ビットを犠牲にすることにより、2つのサブDAC間の整合条件は1つのLSBから少なくとも64LSB(L‐DACのレンジの1/4)に緩和される。
【0063】
上述した概念は更に、以下に説明する実施例にも適用しうる。
【0064】
図7は、2ビットを犠牲にしてサブDACに対する更に緩和された整合条件を得るようにしたケースを示す。この場合、L‐DACの全レンジはH‐DACの4LSBに等しい。1つのLSBが1つのqであるものとすると、L‐DACの全レンジは256qである。H‐DACの1つのLSBは丁度64qである為、セグメント化したDACの全レンジは16384qである。
【0065】
他の代表的な実施例では、より多くのビットの分解能を得るために、多段型のマルチセグメント化DACを採用する。基本的な形態では、本発明の代表的な一実施例により、上述した実施例のLR‐DACのようなサブDACを、代表的な1つ以上の実施例による他のオーバーラップセグメントアーキテクチュア、すなわちOSAのDACとして構成しうる。
【0066】
図9は、1つ以上の代表的な実施例によるOSADACの1つのマルチレベルサブDAC態様の1つの2レベル例900を提供する1つの例示的システムの一機能ブロック線図を示す。
【0067】
この図9を参照するに、本例のシステム900は、2レベル二進木アーキテクチュアとして説明でき、木の各レベルは2つの分岐、すなわち、上側分岐及び下側分岐を有し、各上側分岐は従来のDACにでき、各下側分岐自体はOSADACとしうる。
【0068】
引き続き図9を参照するに、特定の例のシステム900では、移動単調性レンジコンバータ902がMビット入力を受けて、上側レンジSビットHR‐DAC904に供給されるSビットデータと、下側レンジRビットデコーダ908に供給されるRビットデータ907とを発生する。下側レンジRビットデコーダは第2レベルの制御機能を有する。この制御機能は、その動作原理において、移動単調性レンジコンバータ902と同じとしうるが、中間レベルレンジのS’ビットDAC(MH‐DAC)910へのS’ビット入力と、低レンジのR’ビットDAC(LR‐DAC)912へのR’ビット入力とを発生する。サブDAC910及び912は、第1の電流加算デバイス914に給電する。この第1の電流加算デバイス914及びSビット上側レンジDAC906の出力は第2の電流加算デバイス916に給電し、このデバイス916がDAC出力を出力する。当業者にとって容易に理解しうるように、サンプル‐ホールドデバイス(図示せず)及び他の時間整合回路を必要としうる。
【0069】
引き続き図9を参照するに、3つのサブDAC906、910及び912の各々は8ビットのDACとすることができる。一構成例では、1ビットのオーバーラップを用いて、サブDAC910がHR‐DAC906の2つのLSBに等しくなるとともに、サブDAC912がサブDAC910の2つのLSBに等しくなるようにすることができる。このようにすることにより、22ビット(7+7+8ビット)の分解能のDACが得られるようにしうる。当業者にとって明らかなように、追加のレベルにより遅延を生ぜしめることができるが、これらの追加のレベルは、従来の設計方法と、当業者にとって既知のコンピュータシミュレーションツールとを用いて容易に特徴付けることができる。
【0070】
一実施例によれば、上述した1つ以上の代表的な実施例によるMビットのOSAを、説明のために例えば、デジタル周波数ロックループ(“DFLL”)とする帰還ループ内に用いうるようにする。一実施例によるMビットのOSADACは、基準のシステム状態と検出したシステム状態との間の差を表す、例えば、従来のADCにより発生させうるMビットのエラーサンプルを受けるようにしうる。OSADACは、このMビットのエラーサンプルに応答して、システム制御電流を発生させ、この電流をシステムに入力させる。
【0071】
図10は、デジタル制御入力端1002Aを有するデジタル制御発振器(DCO)ブロック1002より成る一例のデジタル周波数ロックループ(DFLL)1000を示しており、このブロック1002はその出力端1002Bにおいて、例えば、ωをラジアン/秒とし、tを秒で表したSOSC(ωt)のアナログ発信器信号と、周波数ωを表すデジタル信号FDCO とを出力する。DCO1002自体は、従来のDCOのアーキテクチュア及びハードウェアに応じて構成でき、すなわち、デジタル制御入力を受け、この入力をアナログ制御信号(図10に図示せず)に変換し、このアナログ制御信号を例えば、発振器(図10に図示せず)の電圧又は電流制御リアクタンス素子(例えば、バラクタ)に入力させて周波数ω又はその整数倍の周波数であって(サイクル・トゥ・サイクルジッタを低減させる目的で)分周した周波数を有する信号を発生させるMビットのDACと、FDCO を発生させるも、従来のDACを図4に応じてOSAと置き換えるように変更したMビットのADCとを有するようにしうる。図示の例の周波数は、400MHzの内部DCO発振器周波数であり、これを2分周して200MHzのDFLL出力周波数を発生させる。
【0072】
以下に詳細に説明するように、上述した代表的な実施例によるOSADACによりもたらされた前述した移動単調性レンジによれば、図10に示すようなDELLにおいて、自己修正式の帰還を提供し、これにより、高レンジDAC(例えば、図4のHR‐DAC106)のLSBが低レンジDAC(例えば、LR‐DAC110)のフルスケールに不整合であり、帰還ループの1回の反復によりDAC出力を非単調性変化させるおそれがある場合でも、DFLLが基準周波数にロックされるようにする。
【0073】
引き続き図10を参照するに、前述したように、DCO1002は、8ビットであるSビットのHR‐DAC106と、7ビットであるRビットのLR‐DAC110であって、1ビットのオーバーラップを有し、従って、14ビットのDAC分解能Mをもたらす当該LR‐DAC110とを有する。デジタル信号FDCO は、例えば、カウンタ(図示せず)としうる1/FREF ディバイダに帰還され、その出力信号が加算器1008により、整数Nによる除算から減算されてその差分が発生され、この差分が加算器1010の1つのポート(別途番号付けをしていない)に入力される。加算器1010の出力(別途番号付けをしていない)は遅延器1012に入力され、遅延出力(別途番号付けをしていない)がDCO1002の制御入力端1002Aに入力されるとともに、加算器1010に帰還されて減算器1008により発生される差分と加算される。
【0074】
図10に示す例のDFLL1000によるDFLLの一動作例は、図6及び7につき説明しうる。
【0075】
最初に図6を参照するに、この図6は、十六進の“10”から十六進の“11”へのHR‐DAC106のステップが正常値の丁度半分である極限状態を示している。このような大きな不整合は、本発明の代表的な実施例によるOSADACのHR‐DAC106及びLR‐DAC110を実現する際に考慮される従来のSビット及びRビットのDAC間に生じるおそれがある。図6に示すように、この遷移点で、移動単調性レンジデコーダ102は十六進の“10F1”を十六進の“1171”に移動させる。従って、アナログ出力は、LR‐DAC110のフルスケールの約1/4である大きな降下を呈する。
【0076】
この図6に示す場合に、図10の例のDFLL1000を参照するに、ループ1000が閉じられると、このループは出力を、ほぼ、元の十六進の“10F1”に近い十六進の“11B1”に調整する。LR‐DAC110への入力である十六進の“11B1”の十六進値“B1”は、DAC110の中央部にある為、図10のDFLLはほぼこの点の付近に安全にロックしうる。一方、DCO1002のOSADAC内の移動単調性レンジデコーダ102は、十六進の“10F1”の元の動作点が8ビットセグメントの端部に近くなかった為に、この動作点はロックするためのDFLLに対する安全点でなかったことを検出する。従来のDFLLは、これが従来のセグメント化したDACを有する為、上述した特徴を有さず、従って、図6に示すような不整合が生じた場合に、不整合点で永続的な発振を生じるおそれがある。
【0077】
上述した例の適用は、DFLLシステムに関連するものであった。しかし、本発明は、種々の実施例によるOSADACを用いうる“システム”の範囲に限定されるものではない。一例として、“システム”はサーボモータとしうる。或いはまた、“システム”をADCとすることができ、本発明の開示を読んだADC及びDACの当業者により理解されるように、このADCを校正するのに“エラー”を用いうる。
【0078】
本発明の代表的な実施例を、特にその代表的な態様を参照して詳細に説明したが、本発明の他の実施も可能であり、その詳細もその種々の自明の観点で変更させることができる。当業者にとって容易に明らかとなるように、本発明の精神及び範囲内に保たれる限り、上述した実施例を種々に変形及び変更させることができる。
【0079】
従って、上述した開示及び図面は本発明の説明の目的のみのものであり、本発明を決して限定するものではなく、本発明は請求の範囲によってのみ規定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mビットの二進入力を受け、これに対応するデジタル‐アナログ変換器電流を発生するオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器であって、このオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器が、
前記Mビットの二進入力を受け、これに応答してSビットの上側レンジセグメント二進入力及びRビットの下側レンジセグメント二進入力を発生させるコントローラであって、R+SをMよりも大きくし、前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力の最上位ビットが2M-1 である二進数の重みを有し、2R である二進数の重みを前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力の最下位ビットの二進数の重みの少なくとも2倍とした当該コントローラと、
前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力を受け、これに応答して、このSビットの上側レンジセグメント二進入力のビットの加算した二進数の重みに、ある定数をもって比例する高レンジデジタル‐アナログ変換器電流を発生するように構成したSビット高レンジデジタル‐アナログ変換器と、
前記Rビットの下側レンジセグメント二進入力を受け、これに応答して、このRビットの下側レンジセグメント二進入力のビットの加算した二進数の重みに、前記定数をもって比例する低レンジデジタル‐アナログ変換器電流を発生するように構成したRビット低レンジデジタル‐アナログ変換器と、
前記高レンジデジタル‐アナログ変換器電流と前記低レンジデジタル‐アナログ変換器電流とを加算する電流加算器と
を具えるオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器。
【請求項2】
請求項1に記載のオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器において、前記コントローラは、前記Mビットの二進入力の値内での遷移点を検出し、これに応答して、前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力に、このSビットの上側レンジセグメント二進入力の最下位ビット位置の少なくとも重みに等しい遷移量を加算するとともに、この遷移量を前記Rビットの下側レンジセグメント二進入力から減算するように構成されているオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器。
【請求項3】
請求項2に記載のオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器において、前記コントローラは、前記Mビットの二進入力の値内での遷移点を検出し、前記遷移量を前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力に加算するとともに、この遷移量を前記Rビットの下側レンジセグメント二進入力から減算して、前記Rビットの下側レンジセグメント二進入力が所定の動作範囲内に維持されるように構成されているオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器。
【請求項4】
請求項1に記載のオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器において、前記Rビット低レンジデジタル‐アナログ変換器は、全てのビットが1であるフルスケールのRビット入力に応答してフルスケールの低レンジ電流を発生し、前記Sビット高レンジデジタル‐アナログ変換器の電流出力は、前記Sビットの上側レンジセグメント二進入力の2つの最下位ビットの変化に応答して、前記フルスケールの低レンジ電流の半分に等しい量だけ変化するようになっているオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器。
【請求項5】
Mビットのデータを受け、Sビットの上側セグメントデータ及びRビットの下側セグメントデータを発生させるデコーダと、
前記Sビットの上側セグメントデータを、このSビットの上側セグメントデータの二進値に比例するS電流に変換するSビットサブデジタル‐アナログ変換器と、
前記Rビットの下側セグメントデータを、このRビットの下側セグメントデータの二進値に比例するR電流に変換するRビットサブデジタル‐アナログ変換器と、
前記Rビットの下側セグメントデータの二進値に比例する前記R電流と前記Sビットの上側セグメントデータの二進値に比例する前記S電流とを受け、その合計に基づいて出力デジタル‐アナログ変換器電流を発生する電流加算器と
を具えるオーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器であって、
S+RをMよりも大きくし、
前記デコーダは、全てのビットが1である状態を含まない所定の範囲内にRビットの下側セグメント二進信号の値を維持し、
このデコーダは、Sビットの上側セグメント二進信号とRビットの下側セグメント二進信号との合計が所定のMビットの二進信号に等しくなるように、Sビットの上側セグメント二進信号とRビットの下側セグメント二進信号とを発生させるようにした、
オーバーラッピングセグメント化Mビットデジタル‐アナログ変換器。
【請求項6】
Mビットのデジタル制御入力を受け、これに応答して、ある周波数を有する出力信号を発生するように構成したデジタル制御発振器と、
前記出力信号をサンプリングし、前記ある周波数を表す帰還データを発生するように構成した帰還センサと、
基準周波数データを受け、この基準周波数データを前記ある周波数と比較し、この基準周波数データと前記ある周波数との差を表すエラーデータを発生させ、このエラーデータに基づいて前記Mビットのデジタル制御入力を発生させるように構成した帰還コントローラと
を具えるデジタル周波数ロックループであって、
前記デジタル制御発振器は、前記Mビットのデジタル制御入力のデータを受け、これに応答してアナログ制御データを発生するオーバラッピングセグメントMビットデジタル‐アナログ変換器と、前記アナログ制御データに基づいてある周波数を有するアナログ信号を発生するように構成したアナログ発振器とを具えており、
前記オーバラッピングセグメントMビットデジタル‐アナログ変換器は、
Mビットのデータを受け、Sビットの上側セグメントデータ及びRビットの下側セグメントデータを発生するデコーダと、
前記Sビットの上側セグメントデータを、このSビットの上側セグメントデータの二進値に比例するS電流に変換するSビットサブデジタル‐アナログ変換器と、
前記Rビットの下側セグメントデータを、このRビットの下側セグメントデータの二進値に比例するR電流に変換するRビットサブデジタル‐アナログ変換器と、
前記Rビットの下側セグメントデータの二進値に比例する前記R電流と前記Sビットの上側セグメントデータの二進値に比例する前記S電流とを受け、その合計に基づいて出力デジタル‐アナログ変換器電流を発生する電流加算器と
を具えており、
S+RをMよりも大きくし、
前記デコーダは、全てのビットが1である状態を含まない所定の範囲内にRビットの下側セグメント二進信号の値を維持し、
このデコーダは、Sビットの上側セグメント二進信号とLビットの下側セグメント二進信号との合計が所定のMビットの二進信号に等しくなるように、Rビットの下側セグメント二進信号とSビットの上側セグメント二進信号とを発生させるようにした、
デジタル周波数ロックループ。
【請求項7】
基準周波数のデータを受けて、この基準周波数にロックされた周波数を有する出力信号を発生させる周波数ロックループを制御する方法であって、この方法が、
前記出力信号をサンプリングして、前記基準周波数にロックされた前記周波数を表す帰還データを発生させるステップと、
前記帰還データ及び前記基準周波数に基づいて、前記基準周波数にロックされた前記周波数と前記基準周波数との差を表すエラーデータを発生させるステップと、
前記エラーデータに基づいてMビットのデジタル制御発振器の制御データ信号を発生させるステップと、
前記Mビットのデジタル制御発振器の制御データ信号をデジタル制御発振器のアナログ制御信号に変換するステップと、
前記デジタル制御発振器のアナログ制御信号に少なくとも部分的に基づいて周波数を与えるアナログ発振信号を発生させるステップと、
このアナログ発振信号に基づいて前記出力信号を発生させるステップと
を具えており、
前記Mビットのデジタル制御発振器の制御データ信号をデジタル制御発振器のアナログ制御信号に変換する前記ステップが、
Sビット上側レンジ動作点及びRビット下側レンジ動作点を有し、S+RをMよりも大きくした動作点データを発生させるステップと、
Sビット上側レンジ動作点を上側レンジ動作電流に変換するステップと、
Rビット下側レンジ動作点を下側レンジ動作電流に変換するステップと、
前記上側レンジ動作電流と前記下側レンジ動作電流との合計に基づいて前記デジタル制御発振器のアナログ制御信号を発生させるステップと
を有しており、
前記Rビット下側レンジ動作点のフルスケール値に相当する前記下側レンジ動作電流は、1つの最下位ビットのSビット上側レンジ動作点に相当する前記上側レンジ動作電流の少なくとも2倍とし、
動作点データを発生させる前記ステップは、前記Sビット上側レンジ動作点と前記Rビット下側レンジ動作点とを発生させて、Rビット動作点をRビット値のフルスパン内の所定の動作レンジ内に維持させるようにする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−147116(P2011−147116A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−261714(P2010−261714)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(507219491)エヌエックスピー ビー ヴィ (657)
【氏名又は名称原語表記】NXP B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 60, NL−5656 AG Eindhoven, Netherlands
【Fターム(参考)】