説明

高周波モジュール

【課題】積層体内に形成したインダクタ間の電磁界結合を抑制し、小型でありながら所望の特性が得られる高周波モジュールを実現する。
【解決手段】スイッチ素子SWICの共通端子PIC0を始点としてインダクタL2を積層体900の天面から見て時計回りで螺旋状に巻回するように形成した場合に、送信信号の入力端である第1個別外部端子PMtLおよび第2個別外部端子PMtHを始点として、インダクタGLt2,DLt2を積層体900の天面から見て時計回りで螺旋状に巻回するように形成し、インダクタGLt1,DLt1も積層体900の天面から見て時計回りで螺旋状に巻回するように形成する。すなわち、インダクタL2,GLt1,GLt2,DLt1,DLt2の発生する磁界の方向が全て同じになるように、各インダクタを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の通信信号を共通アンテナで送受信する高周波モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、それぞれに異なる周波数帯域を利用した複数の通信信号を共通アンテナで送受信する高周波モジュールが各種考案されている。このような高周波モジュールとして、例えば、特許文献1に記載の高周波モジュールがある。
【0003】
特許文献1に記載の高周波モジュールは、所定の内層電極パターンを有する積層体と、該積層体の天面に実装されたスイッチ素子およびSAWフィルタを備える。スイッチ素子は、アンテナに接続する共通端子と、複数の通信信号の送信回路もしくは受信回路にそれぞれ接続する個別端子とを備える。スイッチ素子は、制御信号に基づいて、複数の個別端子のいずれかを共通端子へ接続することで、各送信回路もしくは受信回路とアンテナとを切り替えて接続する。
【0004】
このような積層体を用いた高周波モジュールの場合、スイッチ素子やSAWフィルタのような実装部品を除く回路構成は、積層体内に形成された内層電極パターンで実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−10995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、高周波モジュールを小型化すると、これら内層電極パターンで実現される回路素子間で電磁界結合してしまう。例えば、一つの通信信号を伝送する伝送系路上の複数のインダクタが電磁界結合したり、スイッチ素子の共通端子側の回路のインダクタと、スイッチ素子の個別端子側の回路のインダクタとが電磁界結合したり、異なる複数の伝送系路上にそれぞれ接続されるインダクタが電磁界結合したりする。このような場合、所望とする伝送特性を得ることができなくなることがある。例えば、一つの送信回路上に直列接続される2倍高調波用のローパスフィルタのインダクタと、3倍高調波用のローパスフィルタのインダクタとが電磁界結合し、当該送信回路を伝送する通信信号の2倍高調波および3倍高調波を十分に減衰できなくなってしまうことがある。また、アンテナ側整合回路用に用いられるインダクタが送信回路上に直列接続される2倍高調波用のローパスフィルタのインダクタあるいは3倍高調波用のローパスフィルタのインダクタと電磁界結合し、当該送信回路を伝送する通信信号の高調波が十分減衰できなくなってしまうことがある。
【0007】
本発明の目的は、積層体内に形成したインダクタ間の電磁界結合を抑制し、小型でありながら所望の特性が得られる高周波モジュールを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、アンテナに接続するアンテナ接続用外部端子、および複数の通信信号を送信するための送信回路および受信するための受信回路がそれぞれに接続された複数の個別外部端子を備えた積層体と、該積層体に実装され、アンテナ接続用外部端子に接続する共通端子と、複数の個別外部端子に接続する複数の個別端子とを備えたスイッチ素子と、を備える高周波モジュールに関する。この高周波モジュールは、積層体内に形成され、複数の個別端子と複数の個別外部端子との間にそれぞれ個別に直列接続される複数の個別端子側のインダクタを備える。これら複数の個別端子側のインダクタは、積層体を積層方向に沿って見た状態で重ならず、且つ発生する磁界の方向が一致するように、積層体内に形成されている。
【0009】
この構成では、それぞれの個別端子側のインダクタ同士の磁界結合を大幅に抑制できる。これにより、各インダクタが設計通りに作用し、所望の伝送特性が実現される。
【0010】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールは、アンテナ接続用外部端子と共通端子との間に直列接続されたアンテナ側のインダクタを備える。アンテナ側のインダクタと、複数の個別端子側のインダクタは、積層体を積層方向に沿って見た状態で重ならず、且つ発生する磁界の方向が一致するように、積層体内に形成されている。
【0011】
この構成では、アンテナ側のインダクタと個別端子側のインダクタとの磁界結合を大幅に抑制できる。これにより、スイッチ素子のアンテナ側も個別端子側も各インダクタが設計通りに作用し、所望の伝送特性が実現される。
【0012】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールでは、複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンは、積層体の複数の同一層に形成されている。
【0013】
この構成では、各インダクタが積層体の同一層に形成されることで、積層方向に沿った磁界結合を抑制できる。これにより、インダクタ間の結合を、さらに確実に抑制できる。
【0014】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールでは、アンテナ側のインダクタの内層電極パターンと複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンとは、積層体の複数の同一層に形成されている。積層方向に見た状態でのアンテナ側のインダクタの内層電極パターンと複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンとの間隔は、複数の個別端側のインダクタの内層電極パターンの間隔よりも離間している。
【0015】
この構成では、アンテナ側のインダクタと個別端子側のインダクタとの間の磁界結合が、より一層抑制される。したがって、所定の個別端子側の回路からアンテナへの不要な信号の漏洩を抑制できる。これにより、送信回路から送信信号の2倍高調波や3倍高調波がアンテナ側に漏洩することを抑制できる。また、アンテナからの通信信号がスイッチ素子を介さず、意図しない個別端子側の回路へ回り込むことを抑制できる。これにより、アンテナから所望とする受信回路へ、受信信号を低損失で伝送することができる。
【0016】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールでは、積層体におけるインダクタの内層電極パターンが形成される層の上層および下層に、積層方向から見てインダクタの内層電極パターンの形成領域を含むように形成された内層のグランド電極を備える。内層グランド電極に最も近接するインダクタの内層電極パターンと内層グランド電極との間隔は、複数のインダクタをそれぞれ形成する内層電極パターン同士の間隔よりも短い。
【0017】
この構成では、内層グランド電極で各インダクタが積層方向に挟み込まれ、且つ各インダクタと内層グランド電極が近接することで、各インダクタで発生する磁界の独立性、すなわち各インダクタで発生する磁界間の結合の抑制を、より確実に実現できる。
【0018】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールでは、複数の個別端子側のインダクタは、送信回路に接続されるフィルタ回路のインダクタである。
【0019】
この構成では、上述の個別端子側のインダクタとして、送信回路に接続するフィルタ回路のインダクタを用いた例を示している。送信回路は、パワーの高い送信信号が伝送するため、インダクタ同士が磁界結合しやすくなるが、上述の構成を用いることで、インダクタ同士の磁界結合が抑制される。これにより、送信回路を、所望のフィルタ特性(通過特性、減衰特性)にすることができる。
【0020】
また、この発明の高周波モジュールは次の構成を備えることが好ましい。この高周波モジュールでは、フィルタ回路は、伝送する通信信号の2倍高調波および3倍高調波を減衰させるローパスフィルタである。複数の個別端子側のインダクタは、2倍高調波を減衰させるための直列インダクタと、3倍高調波を減衰させるための直列インダクタである。
【0021】
この構成では、上述の送信回路に適用する場合の、より具体的な回路構成例を示している。このような構成とすることで、送信信号の2倍高調波および3倍高調波の減衰量を、回路設計通りの充分な減衰量で得られる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、小型でありながら所望の特性が得られる高周波モジュールを実現することにある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る高周波モジュール10の回路構成を示すブロック図である。
【図2】高周波モジュール10の外観斜視図および各回路素子の実装状態図である。
【図3】高周波モジュール10の積層図である。
【図4】積層体900内の各インダクタが形成される層の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の第1の実施形態に係る高周波モジュールについて、図を参照して説明する。本実施形態では、GSM(Global System for Mobile)850の通信信号、GSM900の通信信号、GSM1800の通信信号、GSM1900の通信信号の送受信、およびW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)通信システム等のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)通信信号の送受信を行う高周波モジュールについて説明する。なお、本実施形態では三種のUMTS通信信号の送受信回路を備える例を示しているが、これらUMTS通信信号の送受信回路は省略することもできる。
【0025】
まず、本実施形態の高周波モジュール10の回路構成について説明する。図1は本実施形態に係る高周波モジュール10の回路構成を示すブロック図である。
【0026】
スイッチ素子SWICは、単一の共通端子PIC0と、九個の個別端子PIC11−PIC19を備える。スイッチ素子SWICは、グランドGNDに接続するためのグランド用端子PGNDを備える。グランド用端子PGNDは、高周波モジュール10の外部接続用のグランドポート電極PMGNDに接続している。
【0027】
スイッチ素子SWICは、駆動電圧印加用端子PICVdd、および複数の制御電圧印加用端子PICVc1,PICVc2,PICVc3,PICVc4を備える。駆動電圧印加用端子PICVddは、高周波モジュール10の外部接続用の電源系ポート電極PMVddに接続している。制御電圧印加用端子PICVc1,PICVc2,PICVc3,PICVc4は、高周波モジュール10の外部接続用の電源系ポート電極PMVc1,PMVc2,PMVc3,PMVc4にそれぞれ接続している。
【0028】
スイッチ素子SWICは、駆動電圧印加用端子PICVddから印加される駆動電圧Vddで駆動する。スイッチIC素子SWICは、複数の制御電圧印加用端子PICVc1,PICVc2,PICVc3,PICVc4にそれぞれ印加される制御電圧Vc1,Vc2,Vc3,VC4の組み合わせにより、単一の共通端子PIC0を、九個の個別端子PIC11−PIC19のいずれか一個に接続する。
【0029】
共通端子PIC0は、ESD回路を兼ねるアンテナ側整合回路11を介して高周波モジュール10のアンテナ接続用外部端子PManに接続している。アンテナ接続用外部端子PManは、外部のアンテナANTに接続している。
【0030】
アンテナ側整合回路11は、アンテナ接続用外部端子PManと共通端子PIC0との間に直列接続されたインダクタL2を備える。インダクタL2のアンテナ接続用外部端子PMan側の端部は、キャパシタC1を介してグランドGNDへ接続されている。インダクタL2の共通端子PIC0側の端部は、主としてESD素子として機能するインダクタL1を介してグランドGNDへ接続されている。
【0031】
第1個別端子PIC11は、送信側フィルタ12Aを介して、高周波モジュール10の第1個別外部端子PMtLに接続している。第1個別外部端子PMtLは、GSM850の送信信号またはGSM900の送信信号が外部から入力される端子である。
【0032】
送信側フィルタ12Aは、第1個別端子PIC11と第1個別外部端子PMtLとの間に直列接続されたインダクタGLt1,GLt2を備える。この際、第1個別端子PIC11側からインダクタGLt1、インダクタGLt2の順に接続されている。インダクタGLt1の第1個別端子PIC11側の端部は、キャパシタGCu1を介してグランドGNDへ接続されている。インダクタGLt1,GLt2の接続点は、キャパシタGCu2を介してグランドGNDへ接続されている。インダクタGLt2の第1個別外部端子PMtL側の端部は、キャパシタGCu3を介してグランドGNDへ接続されている。
【0033】
インダクタGLt1には、キャパシタGCc1が並列接続されている。この並列共振回路の素子値を所定値にすることで、第1個別外部端子PMtLから入力される送信信号、すなわち、GSM850送信信号およびGSM900送信信号の2倍高調波の周波数で大きく減衰する特性を実現する。
【0034】
インダクタGLt2には、キャパシタGCc2が並列接続されている。この並列共振回路の素子値を所定値にすることで、第1個別外部端子PMtLから入力される送信信号、すなわち、GSM850送信信号およびGSM900送信信号の3倍高調波の周波数で大きく減衰する特性を実現する。
【0035】
さらに、送信側フィルタ12Aを構成する各インダクタおよびキャパシタの素子値を所定値にすることで、GSM850の送信信号およびGSM900の送信信号の使用周波数帯域を通過帯域とし、GSM850の送信信号およびGSM900の送信信号の2倍高調波および3倍高調波を含む高周波数帯域を減衰帯域とするフィルタを実現する。
【0036】
第2個別端子PIC12は、送信側フィルタ12Bを介して、高周波モジュール10の第2個別外部端子PMtHに接続している。第2個別外部端子PMtHは、GSM1800の送信信号またはGSM1900の送信信号が外部から入力される端子である。
【0037】
送信側フィルタ12Bは、第2個別端子PIC12と第2個別外部端子PMtHとの間に直列接続されたインダクタDLt1,DLt2を備える。この際、第2個別端子PIC12側からインダクタDLt1、インダクタDLt2の順に接続されている。インダクタDLt1,DLt2の接続点は、キャパシタDCu2を介してグランドGNDへ接続されている。インダクタDLt2の第2個別外部端子PMtH側の端部は、キャパシタDCu3を介してグランドGNDへ接続されている。
【0038】
インダクタDLt1には、キャパシタDCc1が並列接続されている。この並列共振回路の素子値を所定値にすることで、第2個別外部端子PMtHから入力される送信信号、すなわち、GSM1800送信信号およびGSM1900送信信号の2倍高調波の周波数で大きく減衰する特性を実現する。
【0039】
さらに、送信側フィルタ12Bを構成する各インダクタおよびキャパシタの素子値を所定値にすることで、GSM1800の送信信号およびGSM1900の送信信号の使用周波数帯域を通過帯域とし、GSM1800の送信信号およびGSM1900の送信信号の2倍高調波および3倍高調波を含む高周波数帯域を減衰帯域とするフィルタを実現する。
【0040】
第3個別端子PIC13は、SAWデュプレクサDUPLのSAWフィルタSAW1Lの不平衡端子に接続している。SAWフィルタSAW1Lは、GSM850の受信信号の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、平衡−不平衡変換機能を有する。SAWフィルタSAW1の平衡端子は、高周波モジュール10の第3個別外部端子PMrL1に接続している。第3個別外部端子PMrL1は、GSM850の受信信号が出力される端子である。
【0041】
第4個別端子PIC14は、SAWデュプレクサDUPLのSAWフィルタSAW2Lの不平衡端子に接続している。第4個別端子PIC14とSAWフィルタSAW2Lとを接続する伝送線路とグラント電位との間には、整合用のインダクタL3が接続されている。SAWフィルタSAW2Lは、GSM900の受信信号の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、平衡−不平衡変換機能を有する。SAWフィルタSAW2Lの平衡端子は、高周波モジュール10の第4個別外部端子PMrL2に接続している。第4個別外部端子PMrL2は、GSM900の受信信号が出力される端子である。
【0042】
第5個別端子PIC15は、SAWデュプレクサDUPHのSAWフィルタSAW1Hの不平衡端子に接続している。第5個別端子PIC15とSAWフィルタSAW1Hとを接続する伝送線路とグラント電位との間には、整合用のインダクタL4が接続されている。SAWフィルタSAW1Hは、GSM1800の受信信号の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、平衡−不平衡変換機能を有する。SAWフィルタSAW1Hの平衡端子は、高周波モジュール10の第5個別外部端子PMrH1に接続している。第5個別外部端子PMrH1は、GSM1800の受信信号が出力される端子である。
【0043】
第6個別端子PIC16は、SAWデュプレクサDUPHのSAWフィルタSAW2Hの不平衡端子に接続している。第6個別端子PIC16とSAWフィルタSAW2Hとを接続する伝送線路とグラント電位との間には、整合用のインダクタL5が接続されている。SAWフィルタSAW2Hは、GSM1900の受信信号の周波数帯域を通過帯域とするフィルタであり、平衡−不平衡変換機能を有する。SAWフィルタSAW2Hの平衡端子は、高周波モジュール10の第6個別外部端子PMrH2に接続している。第6個別外部端子PMrH2は、GSM1900の受信信号が出力される端子である。
【0044】
第7個別端子PIC17は、高周波モジュール10の第7個別外部端子PMu1に接続している。第7個別外部端子PMu1は、第1のUMTS通信信号を入出力するための端子である。第8個別端子PIC18は、高周波モジュール10の第8個別外部端子PMu2に接続している。第8個別外部端子PMu2は、第2のUMTS通信信号を入出力するための端子である。第9個別端子PIC19は、高周波モジュール10の第9個別外部端子PMu3に接続している。第9個別外部端子PMu3は、第3のUMTS通信信号を入出力するための端子である。
【0045】
このような高周波モジュール10を以下の構造で実現する。図2は本実施形態に係る高周波モジュール10の構造を説明するための図であり、図2(A)が外観斜視図、図2(B)が天面実装図である。図3は高周波モジュール10の積層図である。
【0046】
高周波モジュール10は積層体900を備える。積層体900の天面には、SAWデュプレクサDUPL,DUPHおよびスイッチ素子SWICが実装されている。また、積層体900の天面には、インダクタL1,L3を実現する実装型インダクタ素子が実装されている。
【0047】
積層体900は、誘電体層を所定数積層してなり、内層電極パターンにより、高周波モジュール10における上述の実装型の各回路素子を除く部分を実現している。また、本実施形態では詳細な配置パターンを図示していないが、積層体900の底面には、上述の外部接続用のポート電極がそれぞれ、所定配列で形成されている。
【0048】
積層体900は、図3に示すように、14層の誘電体層を積層してなり、各誘電体層には高周波モジュール10を構成するための所定の電極パターンが形成されるとともに、層間を接続するビア電極が形成されている。ビア電極は、図3の各層に示す丸印で表されている。なお、以下では、最上層を第1層PL1として、下層側になるほど数値が増加し、最下層を第14層PL14として説明する。
【0049】
最上層ある第1層PL1の天面、すなわち積層体900の天面には、SAWデュプレクサDUPL,DUPH、スイッチ素子SWIC、およびインダクタL1,L3を実装するための素子実装用電極が形成されている。
【0050】
第2層PL2、第3層PL3、および第4層PL4の天面には引き回しパターン電極が形成されている。第5層PL5の天面には内層のグランド電極GNDが略全面に形成されている。
【0051】
第6層PL6の天面には、キャパシタGCu1,GCu3の一方の対向電極が形成されている。これらキャパシタGCu1,GCu3の他方の対向電極は、第5層PL5のグランド電極GNDである。
【0052】
第7層PL7の天面には、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5をそれぞれ構成する線状電極パターンが形成されている。
【0053】
第8層PL8および第9層PL9の天面にも、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5をそれぞれ構成する線状電極パターンが形成されている。
【0054】
第10層PL10の天面には、インダクタGLt1,GLt2,L2,L4,L5をそれぞれ構成する線状電極パターンが形成されている。
【0055】
第11層PL11の天面には、キャパシタGCc1,GCc2,DCc1の一方の対向電極が形成されている。
【0056】
第12層PL12の天面には、キャパシタGCu2,DCc1,DCu2,C1の一方の対向電極が形成されている。なお、キャパシタGCu2の一方の対向電極は、キャパシタGCc1,GCc2の他方の対向電極としても機能している。
【0057】
第13層PL13の天面には、略全面に内層のグランド電極GNDが形成されている。このグランド電極GNDは、キャパシタGCu2,DCc1,DCu2,C1の他方の対向電極としても機能している。
【0058】
最下層である第14層の底面、すなわち積層体900の底面には、第1個別外部端子PMtLから第9個別外部端子PMu3を構成する電極と、アンテナ接続用外部端子PManを構成する電極と、外部接続用グランド電極とが配列形成されている。これらの電極は、上述の各層の電極パターンとともに、図1に示した回路を実現するように、配列形成されている。
【0059】
このような構成において、内層電極パターンによる各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5は、次に示すような具体的構成で実現されている。図4は積層体900内の各インダクタが形成される層の拡大平面図である。
【0060】
図4に示すように、各インダクタGLt1,GLt2は、第7層PL7、第8層PL8、第9層PL9、および第10層PL10に形成された線状電極パターンおよび、層間を接続するビア電極で構成されている。
【0061】
インダクタGLt2は、第7層PL7では、天面から見て、第1個別外部端子PMtLに接続する側の端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第1個別外部端子PMtLに接続する側と反対側の端部は、第7層PL7を貫通するビア電極を介して、第8層PL8のインダクタGLt2を構成する線状電極パターンに接続される。
【0062】
インダクタGLt2は、第8層PL8では、天面から見て、第7層PL7からのビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第7層PL7を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第8層PL8を貫通するビア電極を介して、第9層PL9のインダクタGLt2を構成する線状電極パターンに接続される。
【0063】
インダクタGLt2は、第9層PL9では、天面から見て、第8層PL8を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第8層PL8を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第9層PL9を貫通するビア電極を介して、第10層PL10のインダクタGLt2を構成する線状電極パターンに接続される。
【0064】
インダクタGLt2は、第10層PL10では、天面から見て、第9層PL9を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第9層PL9を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、インダクタGLt1を構成する線状電極パターンに接続される。
【0065】
このように、インダクタGLt2は、積層体900の天面から見て、第7層PL7から第10層PL10に向かって、時計回りに巻回する形状からなる。
【0066】
インダクタGLt1は、第10層PL10では、天面から見て、インダクタGLt2に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。このインダクタGLt2に接続する側と反対側の端部は、第9層PL9を貫通するビア電極を介して、第9層PL9のインダクタGLt1を構成する線状電極パターンに接続される。
【0067】
インダクタGLt1は、第9層PL9では、天面から見て、第9層PL9を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第9層PL9を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第8層PL8を貫通するビア電極を介して、第8層PL8のインダクタGLt1を構成する線状電極パターンに接続される。
【0068】
インダクタGLt1は、第8層PL8では、天面から見て、第8層PL8を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第8層PL8を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第7層PL7を貫通するビア電極を介して、第7層PL7のインダクタGLt1を構成する線状電極パターンに接続される。
【0069】
インダクタGLt1は、第7層PL7では、天面から見て、第7層PL7を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第7層PL7を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第1個別端子PIC11に接続される。
【0070】
このように、インダクタGLt1は、積層体900を天面から見て、第10層PL10から第7層PL7に向かって、時計回りに巻回する形状からなる。
【0071】
これにより、図4に示すように、第1個別外部端子PMtLから第1個別端子PIC11へ向かって信号が伝送される場合では、インダクタGLt1,GLt2ともに、第7層PL7から第10層PL10へ向かう方向を軸とする磁界が発生する。
【0072】
また、インダクタDLt1,DLt2は、第7層PL7、第8層PL8、および第9層PL9に形成された線状電極パターンおよび層間を接続するビア電極で構成されている。
【0073】
インダクタDLt2は、第7層PL7では、天面から見て、第2個別外部端子PMtHに接続する側の端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第2個別外部端子PMtHに接続する側と反対側の端部は、第7層PL7を貫通するビア電極を介して、第8層PL8のインダクタDLt2を構成する線状電極パターンに接続される。
【0074】
インダクタDLt2は、第8層PL8では、天面から見て、第7層PL7を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第7層PL7を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第8層PL8を貫通するビア電極を介して、第9層PL9のインダクタDLt2を構成する線状電極パターンに接続される。
【0075】
インダクタDLt2は、第9層PL9では、天面から見て、第8層PL8を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第8層PL8を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、インダクタDLt1を構成する線状電極パターンに接続される。
【0076】
このように、インダクタDLt2は、積層体900を天面から見て、第7層PL7から第9層PL9に向かって、時計回りに巻回する形状からなる。
【0077】
インダクタDLt1は、第9層PL9では、天面から見て、インダクタDLt2に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。このインダクタDLt2に接続する側と反対側の端部は、第8層PL8を貫通するビア電極を介して、第8層PL8のインダクタDLt1を構成する電極パターンに接続される。
【0078】
インダクタDLt1は、第8層PL8では、天面から見て、第8層PL8を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第8層PL8からのビア電極に接続する側と反対側の端部は、第7層PL7を貫通するビア電極を介して、第7層PL7のインダクタDLt1を構成する電極パターンに接続される。
【0079】
インダクタDLt1は、第7層PL7では、天面から見て、第7層PL7を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第7層PL7を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第2個別端子PIC12に接続される。
【0080】
このように、インダクタDLt1は、積層体900を天面から見て、第9層PL9から第7層PL7に向かって、時計回りに巻回する形状からなる。
【0081】
これにより、図4に示すように、第2個別外部端子PMtHから第2個別端子PIC12へ向かって信号が伝送する場合では、インダクタDLt1,DLt2ともに、第7層PL7から第9層PL9へ向かう方向を軸とする磁界が発生する。
【0082】
インダクタL2,L4,L5は、第7層PL7、第8層PL8、第9層PL9、および第10層PL10に形成された線状電極パターンおよび、層間を接続するビア電極で構成されている。
【0083】
インダクタL2は、第7層PL7では、天面から見て共通端子PIC0に接続する側の端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この共通端子PIC0に接続する側と反対側の端部は、第7層PL7の電極を貫通するビア電極を介して、第8層PL8のインタクダL2を構成する電極パターンに接続される。
【0084】
インダクタL2は、第8層PL8では、天面から見て第7層PL7を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第7層PL7を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第8層PL8を貫通するビア電極を介して、第9層PL9のインタクダL2を構成する電極パターンに接続される。
【0085】
インダクタL2は、第9層PL9では、天面から見て第8層PL8を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第8層PL8を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、第9層PL9を貫通するビア電極を介して、第10層PL10のインタクダL2を構成する電極パターンに接続される。
【0086】
インダクタL2は、第10層PL10では、天面から見て第9層PL9を貫通するビア電極に接続する端部から時計回りに回転するように、線状電極パターンが形成されている。この第9層PL9を貫通するビア電極に接続する側と反対側の端部は、アンテナ接続用外部端子PManに接続される。
【0087】
このように、インダクタL2は、積層体900を天面から見て、第7層PL7から第10層PL10に向かって、時計回りに巻回する形状からなる。
【0088】
これにより、図4に示すように、共通端子PIC0からアンテナ接続用外部端子PManへ向かって信号が伝送される場合では、インダクタL2によって第7層PL7から第9層PL9へ向かう方向を軸とする磁界が発生する。
【0089】
このように、本実施形態の構成を用いることで、送信側フィルタ12Aを構成する伝送線路に直列のインダクタGLt1,GLt2、送信側フィルタ12Bを構成する伝送線路に直列のインダクタDLt1,DLt2、アンテナ側整合回路11を構成する伝送線路に直列のインダクタL2は、発生する磁界方向が一致するように、積層体900内に形成される。これにより、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2が発生する磁界は互いに独立となり、電磁界結合することが抑制される。したがって、各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2を設計通りの特性で機能させることができる。これにより、送信側フィルタ12A,12Bの2倍高調波の減衰特性および3倍高調波の減衰量を充分に得られる。また、スイッチ素子SWICの個別端子側(送信回路側)とアンテナ接続側との磁界結合を抑制できる。これにより、アンテナで受信した受信信号が送信回路側に漏洩することを抑制できる。これにより、不要な減衰を生じることなく、受信信号を出力することができる。
【0090】
また、上述のように、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5は、第7層、第8層、第9層からなる三層において、同じ層上に形成されている。
【0091】
そして、図4に示すように、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L4,L5は、積層体900を積層方向に沿って見て、重なり合わないように形成されている。
【0092】
このような構成により、各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5が積層方向に沿った電磁界結合をすることを、抑制できる。これにより、上述のインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2の電磁界結合を、さらに確実に抑制することができる。
【0093】
また、図3に示すように、各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5が形成された誘電体層PL7,PL8,PL9,PL10を挟むように、誘電体層PL5,PL13に内層のグランド電極GNDが形成されている。この際、グランド電極GNDは、積層体900を平面視して、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5の形成領域を含むように、形成されている。
【0094】
さらに、誘電体層の厚みを調整することで、誘電体層PL7のインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5の線状電極パターンと誘電体層PL5のグランド電極GNDとの距離、および、誘電体層PL10のインダクタGLt1,GLt2,L2,L4,L5の線状電極パターンと誘電体層PL13のグランド電極GNDとの距離が、各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5の同一層上での平面上の距離よりも近くなるように、積層体900が形成されている。
【0095】
このような構成により、各インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2,L2,L4,L5は、積層方向に沿ってグランド電極GNDに電磁界結合し、それぞれにインダクタで発生する磁界は独立になる。これにより、各インダクタが層内の平面上での相互に電磁界結合することが抑制される。したがって、各インダクタは、設計通りの素子値で機能し、各送信側フィルタ12A,12Bの特性劣化や、送信側回路とアンテナ側の回路との間での2倍高調波や3倍高調波の漏洩、受信信号の送信側回路への漏洩を抑制できる。
【0096】
また、図3,図4の誘電体層PL7,PL8,PL9,PL10に示すように、アンテナ側整合回路11のインダクタL2の線状電極パターンと送信側回路のインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2の線状電極パターンとの平面上の距離を、送信側回路のインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2の線状電極パターン同士の平面上の距離よりも長くする。これにより、アンテナ側整合回路11のインダクタL2と、送信側回路のインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2の電磁界結合をさらに抑制することができる。これにより、送信側回路とアンテナ側の回路との間での2倍高調波や3倍高調波の漏洩、受信信号の送信側回路への漏洩をさらに抑制できる。
【0097】
また、上述の実施形態では、スイッチ素子SWICの共通端子PIC0を始点としてインダクタL2を積層体900の天面側から底面側へ時計回りで螺旋状に巻回するように形成した場合に、送信信号の入力端である第1個別外部端子PMtLおよび第2個別外部端子PMtHを始点として、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を積層体900の天面側から底面側へ時計回りで螺旋状に巻回するように形成した。しかしながら、インダクタL2を反時計回りで同様の螺旋状にした場合に、インダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2を全て積層体900の天面側から底面側へ反時計回りで螺旋状に巻回するように形成してもよい。すなわち、アンテナ側の信号伝送経路に直列接続されるインダクタL2で発生する磁界の方向と、送信側回路内の信号伝送経路に直列接続されたインダクタインダクタGLt1,GLt2,DLt1,DLt2で発生する磁界の方向が同じになるように、各インダクタを構成する線状電極パターンの旋回方向を決定すればよい。
【符号の説明】
【0098】
10:高周波モジュール、11:アンテナ側整合回路、12A,12B:送信回路側フィルタ、900:積層体、SWIC:スイッチIC素子、DUP1,DUP2−デュプレクサ、SAW1L,SAW2L,SAW1H,SAW2H−SAWフィルタ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナに接続するアンテナ接続用外部端子、および複数の通信信号を送信するための送信回路および受信するための受信回路がそれぞれに接続された複数の個別外部端子を備えた積層体と、
該積層体に実装され、前記アンテナ接続用外部端子に接続する共通端子と、前記複数の個別外部端子に接続する複数の個別端子とを備えたスイッチ素子と、を備える高周波モジュールであって、
前記積層体内に形成され、前記複数の個別端子と前記複数の個別外部端子との間にそれぞれ個別に直列接続される複数の個別端子側のインダクタ、を備え、
該複数の個別端子側のインダクタは、前記積層体を積層方向に沿って見た状態で重ならず、且つ発生する磁界の方向が一致するように、前記積層体内に形成されている、高周波モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の高周波モジュールであって、
前記アンテナ接続用外部端子と前記共通端子との間に直列接続されたアンテナ側のインダクタを備え、
前記アンテナ側のインダクタと、前記複数の個別端子側のインダクタは、前記積層体を積層方向に沿って見た状態で重ならず、且つ発生する磁界の方向が一致するように、前記積層体内に形成されている、高周波モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の高周波モジュールであって、
前記複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンは、前記積層体の複数の同一層に形成されている、高周波モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の高周波モジュールであって、
前記アンテナ側のインダクタの内層電極パターンと前記複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンとは、前記積層体の複数の同一層に形成されており、
積層方向に見た状態での前記アンテナ側のインダクタの内層電極パターンと前記複数の個別端子側のインダクタの内層電極パターンとの間隔は、前記複数の個別端側のインダクタの内層電極パターンの間隔よりも離間している、高周波モジュール。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の高周波モジュールであって、
前記積層体における前記インダクタの内層電極パターンが形成される層の上層および下層に、積層方向から見て前記インダクタの内層電極パターンの形成領域を含むように形成された内層のグランド電極を備え、
前記内層グランド電極に最も近接する前記インダクタの内層電極パターンと前記内層グランド電極との間隔は、複数のインダクタをそれぞれ形成する内層電極パターン同士の間隔よりも短い、高周波モジュール。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の高周波モジュールであって、
前記複数の個別端子側のインダクタは、前記送信回路に接続されるフィルタ回路のインダクタである、高周波モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の高周波モジュールであって、
前記フィルタ回路は、伝送する通信信号の2倍高調波および3倍高調波を減衰させるローパスフィルタであって、
前記複数の個別端子側のインダクタは、前記2倍高調波を減衰させるための直列インダクタと、前記3倍高調波を減衰させるための直列インダクタである、高周波モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−169798(P2012−169798A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28060(P2011−28060)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】