説明

高周波重畳レベルの設定方法及び光ディスク再生装置

【課題】出力が大きい400nm付近の大電流駆動レーザーダイオードの高周波重畳駆動時の重畳効果のバラツキを抑えて安定性を損なうことなく確実に重畳効果を得ること。
【解決手段】制御部8は、一般にレーザーダイオードのΔIopがレーザーダイオードのローパワーリニアリティーに左右される事に着目し、使用するレーザーダイオードと標準のレーザーダイオードとのリニアリティーとの差を検出算出して補正係数を出し、この補正係数を設定したかったΔIopに掛け算した値に高周波重畳レベルを調整することによって、高周波発振回路4から出力回路1への高周波重畳レベルの設定を行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクにレーザー光を照射してデータを再生する光ディスク再生装置に係り、特に再生時にレーザーダイオードを駆動する電流に重畳する高周波電流レベルの設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク記録再生装置はレーザーダイオード(LD)から出射されるレーザー光を光ディスクに照射してデータの記録再生を行う。通常、書き込み時はレーザーダイオードをDC駆動するが、再生時に高周波重畳駆動して戻り光や、LD温度変化による波長飛びでのノイズの増大を抑制している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
光ディスク再生装置の再生時に用いるLDの従来の高周波重畳レベルの設定には、光発信器(OSC)による観測調整ではなく、図12のように高周波重畳電流のオン/オフで変化するIL特性のLD駆動電流の直流分の差分電流による間接調整方法が使われている。この差分電流は、LDの使用動作点ではΔIop、Ith付近ではΔIthと呼ばれる。高周波重畳は発光スペクトラムを拡散して、戻り光や波長飛びを抑制するもので、そのレベルは大きい方が効果は大きい。しかし、400nmのレーザーを用いるブルーレイディスク装置では光のエネルギーが高い為、ピークパワーを大きくすると再生時に記録したデータを劣化させてしまい、安定性(stability)を損なってしまう。ブルーレイディスク(400nm ディスク)の規格では、前記ピークパワーは再生平均パワーの7倍以下となっている。
【特許文献1】特開2000−149302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、400nm LDの出力が50mW(パルス)と小さいうちは、Ithは小さくそのバラツキも小さいためΔIopの固定調整で設計仕様を満足していた。ここへ来て、2層ディスクの記録が要求され、LDの出力が150mW(パルス)となり、図13の様に150mwのLDでは50mWのLDに比べてIthは大きくなり、そのバラツキも大きくなってきている。その結果、固定調整では高周波重畳効果がバラツキ、ピークパワーの倍数は図14の様に2〜5倍となって高周波重畳の掛らない物が出てきてしまい、新たな調整方法が求められてきている。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、出力が大きい400nm付近の大電流駆動レーザーダイオードの高周波重畳駆動時の重畳効果のバラツキを抑え、安定性を損なうことなく確実に高周波重畳効果を得ることができる高周波重畳レベルの設定方法並びにこの設定方法を用いた光ディスク再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、光ディスク再生装置の再生時に、レーザーダイオードを駆動する電流に高周波重畳する際の高周波重畳レベルの設定方法であって、標準のレーザーダイオードで戻り光の影響を抑圧でき、且つ所定の余裕値を加算したΔIopを求めて調整の設定値とし、また、使用するレーザーダイオードのILリニアリティーを測定し、標準レーザーダイオードのILリニアリティーとの比率から補正値を算出した後、前記求めたΔIopにこの補正値を乗算して得られる値を有するような高周波重畳レベルに設定する。
【0007】
また、本発明の光ディスク再生装置の再生時に、レーザーダイオードを駆動する電流に高周波重畳する際の高周波重畳レベルの設定方法であって、標準のレーザーダイオードの高周波重畳時の発光ピークパワーが所定倍となるようなΔIopが得られるように高周波重畳電流レベルを調整した後、使用するレーザーダイオードのIthと前記標準のレーザーダイオードのIthを測定して両Ith電流値の差分電流値を求め、この差分電流値に補正係数を掛けた電流を前記調整して得た高周波重畳電流レベルに加減算して前記使用するレーザーダイオードの高周波重畳電流レベルとする。
【0008】
これにより、高周波重畳の発光ピークパワー倍率のバラツキを押さえ、戻り光の影響を排除し、且つpeaピークパワーを最小限とする事でリードスタビリティーを確保することができる。
【発明の効果】
【0009】
ΔIopがレーザーダイオードのローパワーリニアリティーに左右される事に着目し、使用するレーザーダイオードと標準のレーザーダイオードとのリニアリティーとの差を検出算出して、補正係数を出し、設定したかったΔIopに掛け算した値に高周波重畳レベルの調整を行うことによって、出力が大きい400nm付近の大電流駆動レーザーダイオードの高周波重畳駆動時の重畳効果のバラツキを抑え、安定性を損なうことなく確実に高周波重畳効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高周波重畳レベルの設定方法を説明するためのレーザー駆動回路の構成を示した回路図である。レーザー駆動回路は、レーザーダイオードLDを駆動する出力回路1、出力回路1にドライブ電流を与える電流スイッチ回路2、電流スイッチ回路2のドライブ電流を制御するレーザーパワー制御回路3、高周波電流を電流スイッチ回路2に出力する高周波発振回路4、レーザーダイオードLDの発光パワーを記憶するレーザーパワーメモリ5、レーザーパワーメモリ5から読み出したパワー値をアナログ信号に変換してレーザーパワー制御回路3に与えるD/A変換回路6、制御部8からの指示に従って回路の状態を示す各種値を保持する状態保持回路7、高周波重畳レベル調整時の制御を行う制御部8を有して構成されている。
【0012】
次に本実施形態の高周波重畳レベル調整時の動作について説明する。制御部8により駆動回路が読み出しモードとなると、レーザーパワーメモリ5からリードパワーデータが出力され、それがD/A変換回路6によりアナログ値となってレーザーパワー制御回路3の基準値(REF)として与えられる。レーザーパワー制御回路3は、フロントモニターフォトダイオードFFDからのレーザーダイオードLDの実際の発光出力に対応したモニター信号を入力し、これと前記REFとの誤差信号が0になるようなドライブ信号を電流スイッチ回路2を通して出力回路1に出力する。出力回路1は入力されるドライブ信号を電流増幅してレーザーダイオードLDに出力する。レーザーダイオードLDの発光出力はFFDでモニターされて、前記モニター信号となってレーザーパワー制御回路3にフィードバックされる。このフィードバックループによりモニター信号がREFになるようにレーザーダイオードLDの発光出力が調整される。
【0013】
その後、制御部8は高周波発振回路4のレベルを変化させながら高周波電流をオン/オフし、出力回路1の電流をモニターする。制御部8は高周波発振回路4のオンオフ毎の電流値を取り込み、オンオフ時の電流差分(ΔIop)を設定値することによって、レーザーダイオードLDの駆動電流に重畳する高周波電流重畳レベルを最適値に設定する。
【0014】
本方法は間接調整法の利点を生かしつつ、レーザーダイオードのバラツキによるピークパワーレベルを補正しようとするもので、ΔIopがレーザーダイオードのローパワーリニアリティーに左右される事に着目し、標準のレーザーダイオードとのリニアリティーとの差を検出算出して補正係数を出し、この補正係数を設定したかったΔIopに掛け算した値に高周波重畳レベルの調整を行うものである。
【0015】
図2は、高周波重畳によるΔIopの発生を説明するもので、本来の高周波重畳波は正弦波であるが矩形波としてある。DC発光では、Iop(mA)を与えRp(read パワー)を得る。発光時はDC点灯の2倍強で発光し、発光停止時にはIthより小さくなる50%の矩形波で駆動すると、発光の平均パワーはDC発光と同じとなり、平均電流はΔIopだけ小さくなる。つまり、Ith以下の電流は発光に対して無効な電流でありIopを低減できる事となる。言い換えれば、ILの非線形部を利用するとΔIopを発生する。
【0016】
図3はレーザーダイオードのローパワー部のリニアリティーを測定する動作を説明する図で、レーザーダイオードのリードパワー出力をP2として基準に取り、この基準から上下に等しい間隔離れたパワーP1,P3を設定して、各パワーに対応するレーザーダイオードLDに流れる順電流をIf1,If2,If3とすれば、このレーザーのリニアリティーLは、L=(If2−If3)/(If1−If2)で表現できる。
【0017】
図4はサンプルレーザーダイオードの小パワー領域のIL カーブで、図の右のレーザーダイオードの様に、L=B/Aとして図から係数を求めると、No1=2.1、No2=1.3、No3=1.5、No5=1.2となる。最小のレーザーダイオードには補正をかけないので、1.2で除すれば、No1=1.75、No2=1.1、No3=1.25、No5=1.0となる。SLD3234では、ΔIop=0.4mAとしているので、No1=0.7mA、No2=0.44mA、No3=0.5mAにすれば良い事となる。
【0018】
上記した高周波重畳レベルの設定動作を図1を用いてさらに具体的に説明する。制御部8は駆動回路を高周波重畳レベル調整モードとし、レーザーダイオードLDの出力をP1,P2,P3と変化させ、各パワーのときのレーザーダイオードLDを流れる順電流f1,If2,If3を読み出す。その後、制御部8は、((If2−If3)/(If1−If2))/標準レーザーダイオードの(If2−If3)/(If1−If2)を計算する。次に制御部8はこの計算結果に、従来の設定目標値のΔIopに掛け算して得た値を新たな設定目標値とする。さらに、制御部8は高周波発振回路4のレベルを変化させながら高周波電流をオン/オフし、その時の出力回路1の出力電流を取り込み、高周波電流オン/オフの電流差分(ΔIop)を設定値にすることにより、高周波重畳レベルを最適値に設定する。
【0019】
本実施形態によれば、使用するレーザーダイオードのΔIopがレーザーダイオードのローパワーリニアリティーに左右される事に着目し、標準のレーザーダイオードとのリニアリティーとの差を検出算出して、補正係数を出し、この補正係数を設定したかったΔIopに掛け算した値に高周波重畳レベルを設定することによって、高周波重畳の発光ピークパワー倍率のバラツキを押さえ、戻り光の影響を排除し、且つピークパワーを最小限とする事でリードスタビリティーを確保することができる。
【実施例2】
【0020】
次に本発明の第2の実施形態に係る高周波重畳レベルの設定方法を説明するが、レーザー駆動回路の構成は第1の実施形態と同様であるため、第1図を用いて以下説明する。制御部8により駆動回路が読み出しモードとなると、レーザーパワーメモリ5からリードパワーデータが出力され、それがD/A変換回路6によりアナログ値となってレーザーパワー制御回路3の基準値(REF)として与えられる。レーザーパワー制御回路3は、フロントモニターフォトダイオードFFDからのレーザーダイオードLDの実際の発光出力に対応したモニター信号を入力し、これと前記REFとの誤差信号が0になるようなドライブ信号を電流スイッチ回路2を通して出力回路1に出力する。出力回路1は入力されるドライブ信号を電流増幅してレーザーダイオードLDに出力する。レーザーダイオードLDの発光出力はFFDでモニターされて、前記モニター信号となってレーザーパワー制御回路3にフィードバックされる。このフィードバックループによりモニター信号がREFになるようにレーザーダイオードLDの発光出力が調整される。
【0021】
その後、制御部8は高周波発振回路4のレベルを変化させながら高周波電流をオン/オフし、出力回路1の電流をモニターする。制御部8は高周波発振回路4のオンオフ毎の電流値を取り込み、オンオフ時の電流差分(ΔIop)を設定値することによって、レーザーダイオードLDの駆動電流に重畳する高周波電流重畳レベルを最適値に設定する。
【0022】
ここで、上記高周波重畳レベルの調整法について説明する。本方法は間接調整法の利点を生かし、レーザーダイオードLDのバラツキによるピークパワーレベルを補正しようと
するもので、レーザーダイオードLDのIthとΔIopに相関関係がある事に着目し、Ithに対するΔIopの補正式に乗っ取って重畳レベルの調整を行うものである。補正式は、使用するIthの異なった多数のレーザーダイオードにおいて、ピークパワーレベルの倍数が3.5となるΔIopを測定し、このΔIop に基づいて、レーザーダイオードの重畳レベル補正式を作る。
【0023】
図5は大出力レーザーの低出力部のIL特性を示した特性図である。図のA,B,Cの比較から判るように、低出力部のILはIthの増加に従って非線形部が大きくなって行く傾向にある。A部、C部はLDの変調特性にILカーブを追加したもので、変調正弦波はこの様なILカーブを乗算したものとなる。C部のLDでは、LD発光領域でも大きなΔIopを発生する。
【0024】
図6はΔIopで高周波重畳レベルを設定した時の高周波重畳電流で、ΔIop=0.4mAとしたときのIthの異なるLDの高周波重畳電流を測定した場合の特性図である。同じΔIop:0.4mAを発生する高周波重畳電流はIthの大きなLD程減少する。
【0025】
図7は発光のピークパワーが4倍となる時の高周波重畳電流を測定した場合の特性図である。高周波重畳電流で見ると、出力パワーに依存するが、ほぼ一定となるので、定電流でよいことがわかる。
【0026】
図8は重畳レベルの設定方法を説明するもので、同一のピークパワーを発生させる重畳レベルの設定は、図に示すごとく、ΔIop=0.4mAの設定電流に補正電流を加減算すればよい事が判る。
【0027】
上記検討から、補正を15mV/mA(ΔIth)とした場合、ピークパワーは大体3倍〜4.5倍に収まっていて、Ith=50mAでも緩和振動を十分検知できる波形となっていることが測定の結果判っている。これにより、戻り光の影響も受けず、リード時の安定性(read stability)も確保される。Ith=40mAを原点とした補正なので、Ith=40mAより小さいと、負補正で振幅が小さくなり、大きいと正補正で大きくなる。
【0028】
以上の様に、高周波重畳時のピークパワーを管理するには、LDに流れる高周波重畳電流を管理すれば良いが、実際の光ピックアップでは、周波数減衰とバラツキを伴うので現実には不可能である。ΔIopでの調整はこれらの要因を含めた結果での調整方法であり、なんらかの形で補正が出来れば、ピーク パワーを管理できる事となる。図9、10は、15mV(SG補正レベル)/mA(ΔIth)の補正を行った測定データをまとめたもので、ピークパワーはかなり改善されている。特に図10はこの時同時に測定したΔIopで補正した高周波重畳電流は、ΔIopの多項式に整合している。従って、過補正にならないためには、6.5mWのΔIop/Ithを設定目標値とすれば良い。こうすれば、伝送系やLDの周波数特性を含んだ調整となる。
【0029】
ΔIop設定値 = 0.00186X2−0.1217X−2.2813
【0030】
なお、高周波重畳は深く掛けた方が戻り光にたいする抑制は強いが、400nm LDの場合いRINが−125dBと大きいため、あるレベル以上の重畳はノイズに埋もれて無意味となり、且つリードスタビリティーを損なう原因となっている。以下種々の測定結果3.5倍程度で十分な事が判った。
【0031】
本実施形態によれば、標準レーザーダイオードのΔIop(重畳発光のピークパワーが3.5倍となる値)設定値を得るように高周波重畳レベルを調整した後、使用するレーザーダイオードのIth電流値と標準レーザーダイオードのIthとの差分電流を求め、この差分電流に補正係数を掛けて得た高周波重畳電流を前記調整して得た高周波重畳電流レベルに加減算する事で、高周波重畳レベルの調整を行っているため、高周波重畳の発光ピークパワー倍率のバラツキを押さえ、戻り光の影響を排除し、且つピークパワーを最小限とする事でリードスタビリティーを確保することができる。
【実施例3】
【0032】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示した部分概略ブロック図である。光ディスク記録再生装置は、レーザー駆動回路(LDドライバ)11から出力されるレーザーダイオード駆動DC電流に高周波発信器12から出力される高周波電流を重畳し(再生時のみ)、この高周波電流重畳DC電流によりレーザーダイオードLDを駆動する。書き込み時はレーザー駆動回路11により別途与えられる書き込み信号を増幅し、これをレーザーダイオードLDに出力することによりブルーレイディスクに書き込みが行われる。このレーザーダイオードLDより発光されたレーザー光の一部はフォトダイオードPDにより受光され、その受光電流がAPCエラーアンプ13に入力される。APCエラーアンプ13はLDの受光平均パワーが所定の設定値となるようにレーザー駆動回路11の出力を制御する。レーザーダイオードLDから出力されたレーザーダイオードが図示されない光学系を通して図示されない光ディスクに照射され、データの記録再生が行われるが、データの記録再生系は周知の回路であるため、図示は省略した。
【0033】
本実施形態によれば、レーザーダイオードLDがブルーレイディスク用でその発光パワー大きな場合でも、第1の実施形態の高周波重畳レベルの調整方法を採ることにより、高周波重畳駆動時の重畳効果のバラツキを抑えて安定性を損なうことなく確実な高周波重畳効果を得ることができる。
【0034】
尚、本発明は上記実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。例えば上記実施形態では制御部8は装置内にある構成であったが、高周波重畳レベルは装置の製造時に一度だけ設定する場合が通例なので、制御部8は外部にあっても同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る高周波重畳レベルの設定方法を説明するためのレーザー駆動回路の構成を示した回路図である。
【図2】高周波重畳によるΔIopの発生を説明する図である。
【図3】レーザーダイオードのローパワー部のリニアリティーを測定する動作を説明する図である。
【図4】サンプルレーザーダイオードのローパワー領域のIL特性を示した特性図である。
【図5】大出力レーザーの低出力部のIL特性を示した特性図である。
【図6】Ithの異なるLDの重畳電流を測定した場合の特性図である。
【図7】発光のピークが4倍となるLDの重畳電流を測定した場合の特性図である大出力レーザーの低出力部のIL特性を示した特性図である。
【図8】重畳レベルの設定方法を説明する図である。
【図9】15mV(SG補正レベル)/mA(ΔIth)の補正を行った測定データをまとめた図である。
【図10】15mV(SG補正レベル)/mA(ΔIth)の補正を行った測定データをまとめた図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示した部分概略ブロック図である。
【図12】高周波重畳とIL特性を示した特性図である。
【図13】レーザーダイオードLDの出力パワーに対するIthとバラツキ傾向例を示した図である。
【図14】高周波重畳発光波形の大小の例(ΔIop=0.4mA時)を示した特性図である。
【符号の説明】
【0036】
1……出力回路、2……電流スイッチ回路、3……レーザーパワー制御回路、4……高周波発振回路、5……レーザーパワーメモリ、6……D/A変換回路、7……状態保持回路、8……制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク再生装置の再生時に、レーザーダイオードを駆動する電流に高周波重畳する際の高周波重畳レベルの設定方法であって、
標準のレーザーダイオードで戻り光の影響を抑圧でき、且つ所定の余裕値を加算したΔIopを求めて調整の設定値とし、また、使用するレーザーダイオードのILリニアリティーを測定し、標準レーザーダイオードのILリニアリティーとの比率から補正値を算出した後、前記求めたΔIopにこの補正値を乗算して得られる値を有するような高周波重畳レベルに設定することを特徴とする高周波重畳レベルの設定方法。
【請求項2】
光ディスク再生装置の再生時に、レーザーダイオードを駆動する電流に高周波重畳する際の高周波重畳レベルの設定方法であって、
標準のレーザーダイオードの高周波重畳時の発光ピークパワーが所定倍となるようなΔIopが得られるように高周波重畳電流レベルを調整した後、使用するレーザーダイオードのIthと前記標準のレーザーダイオードのIthを測定して両Ith電流値の差分電流値を求め、この差分電流値に補正係数を掛けた電流を前記調整して得た高周波重畳電流レベルに加減算して前記使用するレーザーダイオードの高周波重畳電流レベルとすることを特徴とする高周波重畳レベルの設定方法。
【請求項3】
前記高周波重畳時のピークパワーは3倍から3.5倍前後であることを特徴とする請求項1または2記載の高周波重畳レベルの設定方法。
【請求項4】
レーザーダイオードから発光するレーザーを光ディスクに照射することによってデータの記録再生を行う光ディスク再生装置であって、
再生時にレーザーダイオードを駆動する電流に高周波重畳する際の高周波重畳レベルの設定は、標準のレーザーダイオードで戻り光の影響を抑圧でき、且つ所定の余裕値を加算したΔIopを求めて調整の設定値とし、また、使用するレーザーダイオードのILリニアリティーを測定し、標準レーザーダイオードのILリニアリティーとの比率から補正値を算出した後、前記求めたΔIopにこの補正値を乗算して得られる値を有するような高周波重畳レベルに設定することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記レーザーダイオードは、ブルーレイディスク記録再生用のレーザーダイオードであることを特徴とする請求項4記載の光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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