説明

高圧ガス貯蔵タンクの応力補償

熱交換機等のその場熱管理機器が内部に設置された高圧ガス貯蔵タンクであって、タンク内部におけるその場機器の移動が2つの次元において制限され、タンクに対する、若干量の長手方向変位及び/又は或る程度の軸線回転が軸部と受容部との装着によって可能になる。タンクの軸線に沿う長手方向移動及び或る程度の回転は、その場装置の一方の端部又はその場装置のそれぞれの端部において行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクの補給中、放出中及び環境暴露中に生じる熱応力及び機械応力、並びにタンクの補給及び放出に関係する圧力変化と、タンク内の応力に影響を及ぼすタンクの周囲環境の温度の増減とによって生じる熱応力及び機械応力を補償することによって、水素及びCNGガス燃料又は任意の他の工業用ガス用の高圧貯蔵タンクの性能を向上させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、水素、圧縮天然ガス(CNG)、又は、燃料電池若しくは内燃機関に給電するために使用される他のガスを使用する自動車において、現行では、約5000psi(水素の場合)及び3600psi(CNGの場合)の範囲の最大圧力に維持されている搭載用タンク内に燃料を貯蔵する。水素及びCNGの使用がさらに普及し、タンク及び圧縮機がより高い圧力用に開発されているため、約10000psi以上の範囲のより高い圧力が予見される。その場技術は、タンク内の高圧ガスと、タンクの周囲環境との間の熱エネルギーを管理するために開発されてきている。工業用ガスの高圧貯蔵の一般的な分野では、応力現象が、満タン状態中及び補給中の圧縮と、ガスの消費中及び空状態中の減圧と、タンクが配置される環境の周囲温度の変化との結果として生じる。
【0003】
本明細書では、水素動力車両に適合しているタンクに対する言及は、CNG(圧縮天然ガス)動力車両、及び他の工業用ガス用の高圧貯蔵タンクと合わせた本発明の使用にも相関する。例示として、水素を本明細書及び実施例において言及する。しかし、「水素」は、ほとんどの場合、CNG及び工業用ガスと互換性があることを意図されている用語であり、これら全てを「ガス」又は「高圧ガス」と称する。本発明を説明する実施例を、水素及び天然ガス動力車両タンクに使用するために展開したが、説明される技術のより広範な適用には、空気を含む、高圧下で貯蔵される任意の工業用ガスが含まれ得る。したがって、本明細書は、輸送燃料に限定されるものではない。水素燃料電池車両に加えて、高圧貯蔵タンクは、本発明が同様に適用可能である水素内燃機関分野においても必要である。
【0004】
本発明は、任意の工業用ガスの高圧貯蔵に適合可能である。本明細書において説明するシステムを、水素及びCNG動力車両に対する特定の用途に関して展開したが、本発明には本質的に、任意の工業用圧力容器充填用途に本発明を使用することを妨げる限定は存在しない。高圧ガス貯蔵容器(又はタンク)に水素が充填されると、貯蔵タンク内で加圧されているガスは、ガス自体からの化学的エネルギー(車両を駆動する際に消費される)、並びにガスが補給及び貯蔵される高い圧力に関係する機械的エネルギー及び熱的エネルギー(熱力学では内部エネルギーUと呼ばれる)といったいくつかのエネルギー形態を含むものとして特徴付けられ得る。
【0005】
ガスに関係する熱エネルギーによって搭載用タンクの内部及び外部の温度変動が生じ、この温度変動は、圧力変動に加えて、タンクを構成する物理的構成要素と、補給手順におけるタンク内への高圧ガスの導入に関連する熱エネルギーを管理するタンク内に設置されたその場装置を構成する物理的構成要素の膨張及び収縮の結果として、タンクシステム内に機械応力を生じさせる。高い圧力自体が、タンク構成要素における応力誘引因子でもある。
【0006】
高圧燃料補給工程中、タンク圧力の増大によるガス圧縮(すなわち、エンタルピーHの形態から内部エネルギーUへのエネルギー変換)及びこの補給工程に影響を及ぼす他の燃料補給パラメータの結果として、搭載用タンクの内部(すなわち、補給ガス)が加熱される。燃料補給後、熱がタンクの壁を通して周囲環境へ移動するにつれて、あるいは、車両運転中に燃料ガスが消費されるにつれて、タンク内の温度及び圧力は徐々に減少する。タンクの満タン補給圧力の実現には、一般的に、燃料補給中の温度上昇を相殺する補償が必要とされる。ある形態では、タンクに入れられて貯蔵される燃料の充填(これは圧力によって測定される)は、最初は、タンクの最適な設計圧力を上回っている。別の形態では、ガスが予備冷却されている。さらに別の形態では、緩慢な充填速度が採用される。いずれの場合も、機械的応力がタンクの構成要素に誘起されるであろう。タンク内のガスの満タン状態と空状態との間でタンク組立体に生じる温度変化及び圧力変化に関連する応力因子の結果として、その場熱交換器又は他の熱管理装置と、搭載用高圧燃料貯蔵タンクとの相対的な軸線方向変位又は回転が生じる。したがって、タンクの内部及び周囲環境に誘起される応力に対して、機械的な補償システムが望まれている。
【0007】
通常、充填圧力は5000psi以下である。圧力が3600psi及び5000psiを超え、10000psiに近づくか又はこれを超えると、燃料補給工程において短時間でタンクの満タン燃料補給を行うに当たり、その場装置によるガス冷却が重要な因子となる。また、圧力が高くなるにつれ、熱及び圧力により誘発される応力の補償がより重要なものとされる。よって、搭載用タンクの高圧満タン状態及び空状態によって誘起される物理的応力を管理することがシステムにとって必要となる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、高圧燃料タンク又は他の工業用ガス補給システムにおいて熱的差異及び機械的差異によって生じる応力効果を改善するシステムを提供する。タンク内のガスの満タン状態と空状態との間にタンク及び熱交換器組立体に生じる温度変化及び圧力変化に関連する応力因子の結果として、その場熱交換器又は他の熱管理装置と、搭載用高圧燃料貯蔵タンクとの間の相対的な軸線方向変位又は回転の影響に対処することが目的である。
【0009】
したがって、本発明は、タンクの補給中、放出中及び環境暴露中に生じる熱応力及び機械応力、並びにタンクの補給及び放出に関連する圧力変化と、タンク中の応力に影響を及ぼすタンクの周囲環境の温度の増減とによって生じる熱応力及び機械応力を補償することによって、水素及びCNGガス燃料又は任意の他の工業用ガスのための高圧貯蔵タンクの性能を向上させることが意図されている。
【0010】
本発明は、熱交換器等のその場熱管理機器を高圧燃料ガス貯蔵タンクの内部において該タンクに固定するが、その場機器の軸線方向位置をタンクの両端部で制限しないように、その場機器をタンクに取り付け、それによって、熱交換器とタンクとの間の若干量の長手方向変位及び/又は軸線回転を可能にする。タンクの軸線に沿う或る程度の長手方向移動及び或る程度の回転は、その場装置の一方の端部又は両端部において可能である。
【0011】
本発明は、熱交換器内及び/又はタンク内の圧力変化、熱交換器及び/又はタンクの温度変化、運転中又は部品取り付け中にタンクに印加される力、運転中に受ける振動、熱交換器及び/又はタンクの製造のばらつき、取り付け中又は取り付け後のタンクのいずれかの端部にあるタンク栓に印加されるトルク、及び熱交換器内又はタンク内のクリープ又は経時的な応力緩和、といった因子(しかし、因子はこれらに限定されるものではない。)によって生じるような、熱交換器とタンクとの相対的な軸線方向変位又は回転の原因を改善することを意図されている。タンクの軸線に沿うその場熱管理機器の線形変位と、タンクの中心軸線を中心としたその場熱管理機器の角度変位とは、熱応力、機械応力、及び圧力による応力の影響を補償するための制御方法において可能である。以下に、図面と照らし合わせて検討する好ましい実施例において、本発明をより十分に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】代表的な高圧ガス貯蔵タンクが晒されている環境の相対的な温度変化及び圧力変化を示す水素タンクの高速充填高圧テスト補給から導出された、ガス温度T(摂氏度)及びガス相対圧力Pを時間に対してプロットしたグラフである。
【図2】搭載用高圧ガス燃料貯蔵タンクから熱を排出するために使用される、熱吸収フィンを有する中央ヒートパイプが設けられたその場ヒートパイプ装置の一例を示す。ヒートパイプシステムの一端部のみがタンクに固定されている。
【図3】熱の排出のために冷却システムと接続するように搭載用タンク内部に配置されているその場熱管理用のコイル及びフィンシステムの一例を示す。システムの両端部がタンクに固定されている。
【図4A】代表的な高圧ガス貯蔵タンクを示す。
【図4B】本発明において使用される端部キャップ構成の一例を示す。
【図4C】その場熱管理装置において軸線に沿うその場装置に許されている線形変位を示す。
【図4D】その場熱管理装置において軸線に沿うその場装置に許されている角度変位を示す。
【図5】図4Bに示す軸線5←→5に沿う直線断面図である。
【図6A】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図6B】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図6C】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図6D】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図6E】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図6F】本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。
【図7A】タンクの一端部において、ねじ接続部材による、又は熱システムをタンクの一端部にしっかりと固定する均等物による熱システムのタンクへの固定を示す。
【図7B】タンク20の一端部において、接続部材が熱管理装置44の一端部の全ての軸線方向の移動を強固に制限していることを示す。
【図7C】タンク20の一端部において、接続部材が熱管理装置44の一端部の全ての軸線方向の移動を強固に制限していることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
通常、搭載用車両タンクは、半球形状端部を有する円筒形であり、約5000psi〜10000psi以上の高圧ガス量、すなわち、所定の温度での最大定格容量を貯蔵することが可能に設計されている。燃料電池動力車両一台当たりの水素の通常の重量は、約1.6kg〜約10kgの範囲である。しかし、本発明が関与する応力効果は、タンク内の燃料質量には左右されない。燃料補給中、入ってくるガスのエンタルピーがタンク内の内部エネルギーへ変化する結果として、タンク内のガスが加熱される。これは、貫通熱として感知される。これはまた、矢印によって(記号→、→、→等によって)図面に比喩的に示されている。車両用高圧貯蔵タンクは通常、強化カーボンファイバから形成され、一方又は両方の端部にプラスチック製又は他の材料製のライナー及びボスを含む。
【0014】
入ってくるガスの圧縮及び入ってくるガスの温度が高いと、タンク温度が上昇する。実際的な事項として、搭載用タンク内の最大許容設計温度又は圧力を定めることによって、過剰充填が行われようとした際に搭載用タンク設計温度又は圧力を超える満タン補給を防止するようにしてもよい。図1は、水素タンクの高速充填高圧テスト補給から導出された、ガス温度T(摂氏度)、1、及びガス相対圧力P、2を時間に対してプロットしたグラフである。図には、代表的な高圧ガス貯蔵タンクが晒されている環境の相対的な温度変化及び圧力変化が示されている。このように、充填すなわち補給ガスの熱管理に対する必要性が存在する。本発明のシステムは、高圧タンクと、設置されるその場熱管理システムとを備える物理的応力を管理するシステムを提供する。
【0015】
図2の例では、搭載用高圧ガス燃料貯蔵タンク20から熱を排出するために、熱吸収フィンを有する中央ヒートパイプが設けられたその場ヒートパイプ装置23が使用される。弁V1に関係付けられるガス入口21と、弁V2に関係付けられるガス出口弁22とは、一端部のみがタンクのボスに固定されているラジエータ25と繋がっているヒートパイプ出口24を有するシステムに示されている。図3は、タンクから熱を排出するために冷却システムと接続するように搭載用タンク20の内部に配置されているその場熱管理用のコイル及びフィンシステム30の一例を示す。ガス入口弁V1及びガス出口弁V2は、一端部にあるタンクボス31において制御弁CV1及びCV2に関係付けられて示されている。システムは、両端でタンクに固定されている。ボス31の入口/出口側と反対の側にあるタンクの他端部に、熱管理配管システムの端部34を受け入れる凹型内部33を有する端部キャップ、すなわち対向ボス32が示されている。端部キャップの雌ねじ部35は、固定部37のねじの雄ねじ部36及び係止ナット34と協働してタンク20内の固定位置に組立体30を維持する。
【0016】
本発明において、その場熱管理機器は、搭載用高圧燃料ガス貯蔵タンク又は他の工業用ガスタンク内に配置され、その場熱管理機器は、タンクの中心軸線に沿ってタンクの内部に設置されている。熱管理装置は、その場装置の端部でタンクボスの内部に面する側に形成された受容部と、軸部とを備える。軸部は、その場機器とタンクとの長手方向変位及び軸線回転が可能になるように受容部に挿入される。一変形形態では、その場装置の長手方向移動は、タンクの軸線に沿って可能になり、その場装置の或る程度の回転は、タンクの一端部において可能になる。その場装置は、軸部と受容部とを含む端部の反対側のタンクの端部で固定式に取り付けられる。また、軸部及び受容部をタンクのそれぞれの端部に配置して、タンクの軸線に沿ったその場装置の長手方向移動を可能にし、且つタンクの両端部においてその場装置の或る程度の回転を可能にしてもよい。
【0017】
図4Aは、両端部にボス41及び42を有する代表的な高圧ガス貯蔵タンク20を示す。タンクライナー43及び熱管理システム44も示されている。図5Aは、端部キャップ41において使用される端部キャップ構成の一例を示す。図5B及び図5Cはそれぞれ、タンク内の中央に位置するその場熱管理装置の線形軸線に沿うその場装置44に許されている次元的な線形変位及び次元的な角度変位を示す。あり得る3本の物理軸線のうち、端部キャップ41における装置44の移動は、一つの軸線方向に直線的に可能であり、且つ、一つの軸線に角度的に可能である。図4Aに示されている5→←5によって画定されている軸線に沿う長手方向断面図の場合の端部キャップを図5に断面で示す。図5では、ボス要素50bと協働するねじ山52付き端部キャップ50a(端部キャップ50aとボス要素50bとを一緒にして参照符号50とする)は、代表的な熱管理装置の端部キャップ51の雄型拡張部54を受け入れる雌型端部受容開口53を含み、管端部すなわち配管端部55a、55b、55c及び55nが装置用の配管マニホルド内で結合されている。
【0018】
図6Aは、タンクの中心軸線上に設置される代表的なその場システムを示しており、ここでは、44が熱管理システムであり、60が、システムをタンクの一端部に動かないように固定する端部接合部材である(システムの構成要素51及び54は、図5を参照して示し且つ上記で説明した同じ参照符号の拡張部及びキャップに相当する)。図6Cは、その場装置の配管システムの反対端部用の固定された端部受容部の詳細を示す。図7A、図7B、図7C、図7D、図7E及び図7Fは、本発明の熱管理装置取付システムと共に使用される要素を示す。図7Aは、タンク20の一端部で、ねじ接続部材による、又はタンクの一端部にシステムをしっかりと固定する均等物による、熱システム44の端部構成要素60のタンクへの固定を示している。接続部材は、タンクの一端部に設置された熱管理装置が図7B及び図7Cに示されている全ての自由度へ移動することを強固に制限する。
【0019】
したがって、本発明による代表的なガス貯蔵タンク及びその場熱管理システムは、図において参照符号によってそれぞれ示されている以下の部品から成る。図4Aにおける高圧ガス貯蔵タンク20、図2及び図3においてそれぞれ23及び30で示されているような熱システム設計に従う複数の部品から成る組立体を備える図4Aにおけるその場熱管理システム44、タンクの両端部の入口栓41(図4Aに示されているように固定されている)及び50(図4B及び図5に示されているように相補的な端部キャップ)、図6Fに示されているようなガス循環用の戻りマニホルド51、図6Eにおいて前後を示されている熱交換器キャップ55、図6Dにおいて前後を示されている、入口又は入口−出口マニホルド60、及び図5に示されている戻りキャップ組立体の軸部54。このようにして、その場熱管理機器を取り付けるシステムが提供され、そのシステムは、その場機器をタンクの内部において該タンクに固定するがその場機器の軸線方向位置を拘束しないので、熱交換器とタンクとの若干量の長手方向変位又は軸線回転が可能になる。タンクの軸線に沿う或る程度の長手方向移動及び或る程度の回転は、タンク内に位置するその場装置のいずれか一方の端部で、又は両端部で実行される。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の産業上の利用可能性は、タンクの補給中、放出中及び環境暴露中に生じる熱応力及び機械応力、並びにタンクの補給及び放出に関連する圧力変化と、タンク内の応力に影響を及ぼす、タンクの周囲環境の温度の増減とによって生じる熱応力及び機械応力を補償することによる、水素及びCNGガス燃料又は任意の他の工業用ガスのための高圧貯蔵タンクの性能の向上に関する。応力現象は、満タン状態中及び補給中の圧縮と、ガスの消費中及び空状態中の減圧と、タンクが配置された環境の周囲温度の変化との結果として生じる。上記に関係する原因によって誘起される物理的応力を管理することが、システムにとって必要である。本発明は、熱交換器内及び/又はタンク内の圧力変化、熱交換器及び/又はタンクの温度変化、運転中又は部品取り付け中にタンクに印加される力、運転中に受ける振動、熱交換器及び/又はタンクの製造のばらつき、取り付け中又は取り付け後のタンクのいずれかの端部にあるタンク栓に印加されるトルク、熱交換器内又はタンク内のクリープ又は経時的な応力緩和、及び高い圧力それ自体、といった因子(しかし、因子はこれらに限定されるものではない。)によって生じるような、熱交換器とタンクとの相対的な軸線方向変位又は回転の原因を改善することを意図されている。本発明は、このような応力に対して機械的な補償システムを提供することによって、耐久性、回復力及び効率を向上させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ガス貯蔵タンクであって、
筒状円筒形タンクと、
前記タンクの内部に、前記タンクの中心軸線に沿って延在して設置されたその場熱管理装置と、
前記タンクの一端部において前記タンクの外部から前記タンクを通って前記タンクの前記内部へ延在して、前記その場装置を前記タンクの前記中心軸線に沿って所定位置に確保するボスと、
前記ボスと前記その場装置との間に配置されて、協働する軸部及び受容部とを備え、
前記軸部と前記受容部とのうちの一方は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの一方の一端部に配置され、前記軸部と前記受容部とのうちの他方は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの他方の一端部に配置され、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの前記一方の前記一端部に配置された前記軸部は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの前記他方の前記一端部に配置された前記受容部に挿入されて、それによって、a)前記その場装置と前記ボスとの間の線形変位、及びb)前記タンクの前記中心軸線を中心とした前記その場装置の或る程度の軸線回転を可能にすることを特徴とする高圧ガス貯蔵タンク。
【請求項2】
前記軸部及び前記受容部は、円筒形状であり、前記軸部の外径は、前記受容部の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記軸部は、前記受容部の深さよりも短い長さ分だけ前記受容部内に延在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタンク。
【請求項4】
前記その場装置の前記線形変位は、前記タンクの前記中心軸線に沿ってのみ可能であり、且つ、前記その場装置の回転移動は、前記タンクの前記中心軸線に沿ってのみ可能であることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項5】
前記その場装置の一端部は、前記軸部と前記受容部とのうちの前記一方を有する前記タンクの前記一端と反対側の前記タンクの端部にあるボスに固定して取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4に記載のタンク。
【請求項6】
高圧ガス貯蔵タンクであって、
筒状円筒形タンクと、
該タンクの内部に、前記タンクの中心軸線に沿って延在して設置されたその場熱管理装置と、
前記タンクの両端部のそれぞれにおいて前記タンクの外部から前記タンクを通って前記タンクの前記内部へ延在して、それぞれが前記その場装置の一端部を前記タンクの前記中心軸線に沿って所定位置に確保するボスと、
前記タンクの前記両端部のそれぞれにおいて前記その場装置のそれぞれの端部と前記ボスとの間に配置されて、協働する軸部及び受容部とを備え、
前記軸部と前記受容部とのうちの一方は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの一方の一端部に配置され、前記軸部と前記受容部とのうちの他方は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの他方の一端部に配置され、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの前記一方の前記一端部に配置された前記軸部は、前記その場装置と前記ボスの前記内部に面する側部とのうちの前記他方の前記一端部に配置された前記受容部に挿入されて、それによって、a)前記その場装置と前記ボスとの間の線形変位、及びb)前記タンクの前記中心軸線を中心とした前記その場装置の或る程度の軸線回転を可能にすることを特徴とする高圧ガス貯蔵タンク。
【請求項7】
前記軸部及び前記受容部は、円筒形状であり、該軸部の外径は、該受容部の内径よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のタンク。
【請求項8】
前記軸部は、該受容部の深さよりも短い長さ分だけ前記受容部内に延在していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のタンク。
【請求項9】
前記その場装置の前記線形変位及び前記その場装置の回転移動は、それぞれ、前記タンクの前記中心軸線に沿ってのみ可能であることを特徴とする請求項6に記載のタンク。
【請求項10】
前記その場装置の1)前記線形変位及び2)前記回転移動のそれぞれは、前記タンクの幾何学形状の3つの次元に対して2つの次元において制限されていることを特徴とする請求項1又は請求項4又は請求項6又は請求項9に記載のタンク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図6E】
image rotate

【図6F】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate


【公表番号】特表2010−519465(P2010−519465A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549601(P2009−549601)
【出願日】平成20年2月11日(2008.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/001796
【国際公開番号】WO2008/100473
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】