説明

高密度ポリエチレン内張り層を有する架橋ポリエチレンパイプ

水中の酸化剤に対して改善された耐性を有する多層PEXパイプを提供する。このパイプは、高密度ポリエチレンの薄い管状コア(内層)および架橋ポリエチレンの外側層を有する。このパイプは、必要に応じて、酸素障壁層(例えば、ポリエチレン−コ−ビニルアルコール(「EVOH」))を有し得、この酸素障壁層は、PEX層から半径方向に外側に連続して配置され得る。このパイプは、飲用水利用および熱水放射加熱システムに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2002年7月23日出願の米国仮特許出願第60/397,862号の本出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、架橋ポリエチレン(「PEX」)パイプ(例えば、配水システム(water distribution system)において、特に、熱水システムにおいて使用される)に関する。PEXパイプは、酸化剤に感受性であり、これは、時間が経つにつれて、プラスチックを通じて拡散し、酸化的分解を引き起こす。PEXパイプのこのような分解は、大気からの酸素との反応、大気からの酸素の拡散によって;ならびに流体中に溶解された酸素のパイプへの拡散とともに、パイプによって運ばれる流体に存在する酸化剤(例えば、塩素および次亜塩素酸)の反応によって生じる。飲用水中に存在する遊離塩素との反応による分解に対する感受性は、Jana Laboratories Inc.,Ontario,CanadaのP.VibienらおよびUniversity of Illinois at Chicago,Chicago,Illinois,U.S.A.のW.Zhouらによる文献(標題「Chlorine Resistance Testing of Cross−linked Polyethylene Piping Materials」)に記載される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(課題)
ポリエチレン(「PE」)配管(piping)は、飲料水用の冷(10℃〜35℃)水システム、約650kPa(80psig)〜1490kPa(200psig)の範囲の高圧での灌漑、および廃水の排水のために一般に使用されており、LLDPE (直鎖状低密度PE)、MDPE(中間密度PE)またはHDPE(高密度PE)の選択は、パイプの使用法の条件によって定められる。架橋PE(「PEXパイプ」)は、家庭用の冷水および熱水(10℃〜115℃)に関して、および放射加熱利用において使用される。約997kPa(130psig)〜約1135kPa(150psig)の範囲の圧力下での100℃を超える温度の水は、パイプを破壊する。水中の塩素および次亜塩素酸に起因する損傷は、それほど多くないにしても、酸素または他の酸化剤のような、パイプ内からのPEXに対する損傷として存在することが見出された。その目的は、長期間(50年まで)にわたり、酸化的損傷に対してPEXパイプを保護することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の背景)
本発明は、架橋ポリエチレン(認識された略語「PEX」)の外側層または外側シースおよび高密度ポリエチレン(「HDPE」)の内層または管状コアを有する可撓性多層配管(一般に「パイプ」といわれる)に関する。ここでコア中のポリマーは、外側シース中のポリマーよりも実質的に高い密度を有する。ポリエチレン(「PE」)は、一般に、その密度が少なくとも0.941g/ccである場合に「高密度ポリエチレン」または「HDPE」であるとみなされる(Kirk & OthmerによるEncyclopedia of Chemical Technology,Vol.17,pg704,1996を参照のこと)。多層パイプの壁は、主にPEXであるので、その多層パイプは、「多層PEXパイプ」といわれる。
【0005】
プラスチック配管は、プラスチックパイプの特定の直径一覧表が示されており、一覧表において、配管の外側直径は、呼びサイズ+3.175mmすなわち0.125インチ(インチ)に等しい。プラスチックパイプ外側直径一覧表は、ANSI B36.10に一致する。便宜上、および共用を重んじて、7mm〜152mmの範囲の呼び直径(nominal diameter)を有するプラスチック配管は、本明細書中以降、「パイプ」といわれる。
【0006】
ポリエチレンを、PEXを製造する種々の架橋プロセスに供することは当該分野で周知である。このような架橋プロセスとしては、過酸化物の添加、AZO化合物の添加、電子ビーム照射、およびシランの添加が挙げられ、これらの各々は、ポリエチレンの特定の物理的および化学的特性を増強することが公知である。特に、架橋は、非架橋ポリエチレンと比較して、最大有用温度を増大させ、クリープを減少させ、耐薬品性を改善し、耐摩耗性を増大し、記憶特性を改善し、耐衝撃性を改善し、耐環境応力われ(environmental stress crack)性を改善することが示された。例えば、米国特許第4,117,195号は、シラングラフト化PEXを使用してPEXパイプを製造するための方法を開示する;米国特許第5,756,023号は、PEXを製造するためのいくつかの方法を開示する;そして米国特許第6,284,178号は、飲料水システムにおいて使用するために適しているように、(ANSI/NSF 61標準を使用して)十分に低いメタノール抽出値を有するPEXを製造するための方法を開示する。
【0007】
PEXが酸化的分解から保護される必要があることが認識されるが、塩素および次亜塩素酸(HOCl)が、大気中の酸化剤と同様に、それほど多くないにしても、PEXパイプに実際に有害であることもまた周知である。大気の分解物質(degradant)に対してPEXを保護するために、抗酸化剤をPEXに添加する。配水システムにおけるPEX配管を保護することに関する試みは、ほとんどなかった。このシステムにおいて、分解は、大気中の酸素から生じるだけでなく、水からパイプへ移動する、水中の塩素およびHOClからも生じる。
【0008】
配水システムにおける保護を提供するために、コアとしてのPEXおよびPEX層の外側の酸素障壁層を有する多層パイプは、PCT公開WO99/49254に開示される;PEXパイプの機械的制限を克服するために、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)(「EVOH」)の外側層に、接着剤の別の層が接着され、これは、パイプの亀裂を防止することが示される。パイプの亀裂は、他の場合には、パイプが拡張した場合に生じる。過度の実験なくして、組み合わせの有効性を決定することができるに十分な詳細は提供されていない。EVOHは、酸素拡散耐性材料であることが公知であるが、水中で加水分解され、塩素および次亜塩素酸に依る分解に感受性である。
【0009】
米国特許第4,614,208号は、コアとしてのPEXおよび(「EVOH」)の中間層(この中間層は、耐衝撃性ポリエチレンの外側層で覆われている)を有する多層パイプを開示する。
【0010】
保護の重要性を認識したのであれば、非加水分解性ポリマーの管状(または環状)コアを、PEXパイプの内側層に接着され得、従って、塩素および次亜塩素酸の両方からの分解に対してPEXを保護する障壁層を形成し得ることが認識される。しかし、ポリマーが、7mm(0.25インチ)の呼び直径パイプについては0.025mm(1ミル)程度の薄さ、から152mm(6インチ)の呼び直径パイプについては1.52mm(0.06インチ)の厚みの範囲薄切片にいおてこのような特性を提供する示唆は、当該分野にはない。選択されたポリマーがPEXと実質的に同じ押し出し条件下でその厚みで共有押し出しされるという示唆は何らない。
【0011】
前述から、PEXパイプの分解に対処するという問題は、異なった方法で対処されることが明らかである。そのうちのいくつかは、水に故意に添加される塩素の有害な長期の効果に焦点を当てる。HDPEの有効性は、驚くべきものであった。なぜなら、20年を超える長期にわたって、約80℃を上回る高温および約274kPa(25psig)を上回る高圧において、水中の塩素およびHOClによる分解に感受性であるからである;HDPEのより高い結晶化度により、PEXよりも耐酸化性がはるかに高いことも予測される。さらに、80℃でのHDPEの環帯応力(hoop stress)が時間の関数として急激に減少することは等しく周知であり;わずか10時間後に目に見える減少が存在し;その減少は、100時間後に加速し、1000時間の終わりには、HDPEの破損での環帯応力は、8MN/mに近い環帯応力で始まった後で、わずか2MN/mである(H.G.ScottおよびJ.F.Humphriesによる「Novel Crosslinking Method for Polyethylene」,pgs.82−85,Modern Plastics,March 1973を参照のこと)。80℃での環帯応力におけるこの4倍の減少を検討すると、当業者がPEXと組み合わせてHDPEを使用することを考慮する可能性は低い。
【0012】
極めて対照的に、80℃でのPEXの環帯応力は、時間の関数としてゆっくりと減少し;1000時間の最後に、PEXの破損での環帯応力は、約11MN/mの環帯応力で始まった後に、7MN/mである(H.G.ScottおよびJ.F.Humphriesによる「Novel Crosslinking Method for Polyethylene」,pgs.82−85,Modern Plastics,March 1973を参照のこと)。代表的な熱水配管システムは、80℃での操作のために設計されているので、HDPEが寄与する環帯応力の減少とともに考慮されるべき理由は、なおより多く存在する。
【0013】
(発明の要旨)
80℃でのPEXの遙かに低い感受性と比較して、おなじ温度でのHDPEの環帯応力の4倍の減少は、約50年の予測耐用年数を有するPEXパイプにとって許容可能であることが見出される。(i)その期間の間に、水中の塩素および次亜塩素酸に起因する分解に対するHDPEの適切な耐性、および(ii)HDPEの乏しい環帯応力がPEX−HDPE積層体の環帯応力に影響を及ぼさないが、ただしHDPEコアの壁厚は、製造される最も大きな呼び直径(すなわち152mm(6インチ))PEXパイプに対して1.52mm(0.06インチ)未満である。従って、多層化パイプ(PEX壁が、代表的には、その最も内側の管状HDPEコアの壁より約10倍以上厚い)は、パイプ中で運ばれる水中の薬品からの分解に対する優れた保護を提供する。7mm(0.25インチ)および10mm(0.375インチ)の呼び直径を有する非SDR−9(標準直径比)パイプに関して、特定の呼び直径 対 内側管状HDPEコアの最大壁厚の比は、7mmパイプに関して28であり、10mmパイプに関して40である。PEXの最小壁厚は、7mmパイプに関して1.57mmであり、10mmパイプに関して1.78mmである。13mm(0.5インチ)〜152mm(6インチ)の範囲の呼び直径を有するSDR−9パイプに関して、特定の呼び直径最大対内側管状HDPEコアの最大壁厚の比は、52〜100の狭い範囲にあり、PEXの最小壁厚は、13mmパイプに関して1.78mmであり、152mmパイプに関して17.29mmである。
【0014】
酸化剤、特にパイプ内に運ばれる塩素および次亜塩素酸による酸化攻撃に対する改善された耐性を有する主なPEXパイプを提供するために、PEXパイプは、HDPEの薄壁内側管状コアの上に押し出し成形されるかまたはこのコアにメルト接着される。
【0015】
少なくとも2層(二重層パイプ)を有する多層PEXパイプを形成するための一工程プロセスは、一般に製造される7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有するHDPEの内側管状コア(最小の比(28)は、最小直径の非SDR−9配管(7mmまたは0.25インチ)に起因し、最大(100)は、最大直径SDR−9パイプに起因する)を有するパイプを生じる。ただし、PEXおよびHDPEは、同様の温度条件下(すなわち、互いに50℃内)で共有押し出しされる。HDPEの薄い環状コアは、多層化パイプの環帯応力を有意に減少することなく、酸化剤(例えば、塩素および次亜塩素酸)による攻撃に対する改善された耐性を提供する。すなわち、環帯応力は、15%未満だけ減少する。このHDPEの薄い環状コアは、必須なことには、PEX単独の壁厚の要件に合わなければならないので、重要なことには、製造される多層化PEXパイプの壁厚全体に関する。そのPEXの厚みは、配管コードによって特定され、薄い環状層の断面は、実質的に均一な、すなわち、13mm〜51mm呼び直径の範囲のパイプに関する壁厚において±0.05mm未満の分散を有することが必須である。
【0016】
架橋されていないHDPEは有効であるものの、架橋HDPEは、本明細書中で使用される一工程プロセスにおいて押し出し成形不能であるように重度に架橋されなければ、等しく有効である。所望であれば、HDPEは、パイプが形成された後、例えば、適切な強度の電子ビームで照射することによって、重度に架橋され得る;次いで、得られた重度に架橋されたパイプは、2工程プロセスにおいて二層化パイプに形成され得る。このプロセスにおいて、架橋されたHDPEパイプは、PEXがHDPEの上に押し出し成形されるダイへとスリーブとして進められ、ただし、パイプの相対的硬直性(inflexibility)は、許容される。
【0017】
これらおよび他の目的は、HDPEの内側管状コアおよびPEXの少なくとも1つの外側層を有する多層パイプを共有押し出し成形することによって達成される。ここでこのHDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有し、連続外側層は、PEXである。
【0018】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
PEXの外側層およびHDPEの管状コア(SDR−9であってもなくても)を有する特定の多層パイプは、水中の塩素およびHOClに耐性であり、従来のPEXパイプと実質的に同じ外側直径を有する。その押し出し物は、1.57mm(0.062インチ)〜1.78mm(0.070インチ)の範囲の壁厚を有する非SDR−9パイプについてそれぞれ約7mm(0.25インチ)〜10mm(0.375インチ)の範囲の呼び直径を有する;そしてASTM F876およびF877において特定されるように、約1.78mm(0.070インチ)〜17.29mm(0.681インチ)の範囲の壁厚を有するSDR−9パイプについては、それぞれ13mm(0.5インチ)〜152mm(6インチ)の範囲の呼び直径を有する。壁厚は、特定の呼び直径に依存する;新規なパイプの全体の寸法は、選択された環境におけるその用途に対して設定された仕様を満たす;コアの厚みは、各場合において、飲料水中に存在する酸化剤によるPEX外側層の酸化的分解を実質的に無効にするに十分である。管状コアの壁厚は、半径方向において測定され、PEXの連続外側シースの壁厚は、PEXの1以上の層であろうとなかろうと、特定の呼び直径を有するパイプについての配管コードによって命じられる最小壁厚と少なくとも同程度の厚みである。
【0019】
図4を参照すると、82℃(180°F)の水が保持される、種々の型のポリエチレンから製造されるパイプのASTM D2837によって特定されるように、測定される環帯応力が示される。種々の時間間隔でのHDPEパイプの環帯応力を示す点を通ってフィットされた連続曲線は、環帯応力が試験が開始された直ぐ後に目に見える減少を示し、わずか10時間後に15%減少し;40時間の最後には、HDPEの破損での環帯応力は、8MN/mに近い環帯応力で開始した後、わずか3MN/mであることが認められた。これらの結果により、Scottら(前出)によって得られが結果が確認される。ここで二重層化パイプについての曲線を参照すると、1500時間後ですら、HDPEの内側コアに起因する環帯応力の目に見える減少は全くないことが認められる。
【0020】
好ましい実施形態において、HDPE内側コアの壁は、約0.95〜0.96g/cmの範囲の密度を有する市販のHDPEから押し出し成形される。HDPEの密度が高くなるほど、その結晶化度は高くなる。
【0021】
そのHDPE内側コアは、既知の処理エイド(processingaid)、安定化剤、抗酸化剤、オゾン分解防止剤などを含む。これらは、10ppmから、HDPE100重量部あたり約7重量部までの量で存在し得る。好ましい一番目の抗酸化剤は、ヒンダードフェノールであり(Irganox(登録商標)1010、1076およびB215として市販されるものが挙げられる);二番目の抗酸化剤としては、Irgafos(登録商標)168およびIrganox(登録商標)PS802として市販されているものが挙げられ、熱処理安定化剤として機能する;色素としては、二酸化チタンおよびカーボンブラックが挙げられ;そして潤滑剤としては、フッ素化されたフローエイド(flow aid)が挙げられる。
【0022】
PEX外側シースは、好ましくは、ASTM D2765に従って測定されるように、65%を超えるゲルレベルに架橋されたPEX、およびより好ましくは、70%を超えるゲルレベルに架橋されたPEXである。
【0023】
PEXにおける架橋は、反応性官能基によってまたはラジカル反応によってかのいずれかで化学的に生成され得る;前者は、代表的には、シラン架橋によって行われる一方、後者は、例えば、Engelプロセスにおけるように、照射もしくは過酸化架橋剤のいずれかによって行われる。照射架橋は、代表的には、臨界的制御による電子ボンバードメントによって室温にて起こる。最も好ましいのは、別個の押し出し成形プロセスにおいてPE骨格上にグラフト化されたビニルアルコキシシラン基での架橋である。グラフト化PEのペレットは、触媒、安定化剤、色素、処理エイド、抗酸化剤などを含むマスターバッチと混合され、押し出し成形されて、部分的に架橋したPEパイプが得られる。このパイプは、水に曝されることによってさらに架橋される。
【0024】
PEXを生成するための好ましいプロセスは、SioplasプロセスおよびMonosilプロセスとして当該分野で公知であり、Sioplasプロセスが好ましい。Sioplasプロセスにおいて、ポリエチレン樹脂は、金属化され、ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリエトキシシランは、触媒(例えば、過酸化物開始剤)とともにその金属化ポリエチレンに添加される。機能的反応部位は、それによって、ポリエチレンポリマー鎖上に形成され、このポリエチレンポリマー鎖において、架橋が生じ、代表的には、水分に曝すことにより生じる。グラフト化樹脂は、ペレット化され、ホイルが内張りされたバッグのような容器中に、後に使用するために保存されて、樹脂を水分から保護し得る。
【0025】
触媒を含むマスターバッチ(「触媒マスターバッチ」)は、グラフト化樹脂と混合される前に調製される。このマスターバッチは、代表的には、所定の量のPE;触媒(例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ);一番目の酸化剤(例えば、Irganox(登録商標)1010、1076およびB215として市販されているヒンダードフェノール);および二番面の酸化剤(Irgafos(登録商標)168、およびIrganox(登録商標)PS 802として市販される)を含む。さらに、ヒンダードアミン光(UV)安定化剤(例えば、Tinuvin(登録商標)111および色素(例えば、二酸化チタンおよびカーボンブラック)もまた使用され得る。その触媒マスターバッチは、代表的には、従来の押し出し成形機中でのグラフト化樹脂との混合を容易にするためにペレット化される。
【0026】
そのグラフト化樹脂および触媒バスターバッチは、通常、特定の比にて合わされ、溶融され、共に混合されて、押し出し成形される。そのグラフト化ポリエチレン樹脂および触媒マスターバッチが共に混合される場合、シラングラフト部位でのポリエチレンの架橋が加速する。材料出口および押し出し成形機は、代表的には冷却される。
【0027】
本発明の多層パイプを製造するために、共有押し出し成形プロセスが使用される。共有押し出し成形プロセスにおいて、2以上の押し出し成形機が使用され、それは、パイプにおける材料または層各々につき1つの押し出し成形機である。2重層パイプに関して、2つの押し出し成形機が使用され;三重層パイプに関しては、3つの押し出し成形機が使用される。この押し出し成形機は、代表的には、互いから90°で配置される。複数の押し出し成形機は、多層パイプダイヘッド(例えば、Rollepaalから市販され、彼らの販売用パンフレットにおいて示されるような)へと供給する。
【0028】
ダイヘッドの長手軸の長さに沿った複数のゾーンの各々の温度は、形成される積層体を徐々に加熱するように、各ゾーンの温度を調節することを可能にする。第1の押し出し成形機は、PEXをダイヘッドにおける第1のポートへ流し、そして第2の押し出し成形機は、HDPEをダイヘッドにおける第2のポートへ流す。第2のポートから、HDPEは、内側環状ゾーンと開放連絡状態にある分配枝(distribution branch)へ、次いで、切頭円錐マンドレルの上を流れる。第1のポートから、PEXは、外側環状ゾーンと開放連絡状態にある分配枝へと流れ、次いで、HDPEは、マンドレルの上を流れる。HDPEの管状内側コアは、形成される外側PEXパイプの内側表面と接触し、二重層管状積層体が形成され、この積層体において、2層がともにメルト接着されるか、または粘着により接着され、その結果、接着剤は必要でない。その円筒形状および所定のサイズを保持するために、二重層パイプは、そのメルト温度未満に冷却されるときに、サイジングブロックを通過する。共有押し出しの分野は、周知の技術であり、簡潔さのために、本明細書中で詳細に記載される必要はない。
【0029】
一旦二重層パイプが押し出し成形されると、PEX層の架橋が、水分に曝すことによって、所望のレベル(通常、約70〜85%ゲルレベル)まで完了される。水分への曝露は、大気中の水分(湿気)によってであり得;架橋は、熱水または水蒸気を使用することによって加速され得る。
【0030】
前述の説明において、PEXといわれる材料は、混合および押し出し成形のときに部分的に架橋され得るが、パイプが形成された後に所望のレベルにまでさらに架橋される。
【0031】
本発明は、図面を参照することによってよりよく理解され、図面において、図1は、HDPEの内側管状コア層12およびPEXの単一層の外側シース14を有する二重層パイプ10を示す。
【0032】
図2を参照すると、HDPEの内側コア22と、それぞれ連続してメルト接着された、各々、内側層22から連続して半径方向に外側に、第1のPEXの外側層24および第2の外側層26を含む外側シースを有する三重層パイプ20が示され、第2のPEXの層26が最も外側である。最も外側の層26の機能は、第1の層24を強化することに加えて、特定の利用(例えば、熱水)のためのパイプの1つの区分を、別の利用(例えば、冷水)のための別の区分から区別することである。例えば、異なってカラーコードが付けられた、実質的に同じ密度のPEX(各々、選択された色の色素で着色されている)を使用して、第2の層26を生成することは望ましい。第2の層26は、赤い色素で着色されて、熱水を運ぶためのパイプを示し得、そして青い色素で着色されて、冷水を運ぶためのパイプを示し得る。このようにして、パイプの設置が容易になる。
【0033】
図3を参照すると、代表的には、25mm(1インチ)呼び直径より大きい、5つの連続層(各々は、前の層と連続しており、コアは、最も内側のHDPEの層32である)を有する大きな直径のパイプ30の実施形態が示される。PEXの中間層34は、コア32の外側表面にメルト接着され、EVOHの酸素障壁層38は、PEX層の外側表面に接着剤層36で接着される。そのEVOH層38は、水ボイラーに対して有害であることが公知の大気中の気体(特に酸素)の移動を弱める。
【0034】
EVOHの外側シースを有する多層パイプを製造するために、共有押し出しプロセスが使用される。この共有押し出しプロセスにおいて、4つまたは5つの押し出し機械が使用され、層として押し出されるべき異なる材料各々につき1つの押し出し機械が使用される。特別に設計されたダイは、
5つの押し出し機械からの押し出し成形物を受容し、各々の押し出し成形物は、図3に例示される5つの層のうちの1つを形成する。ダイの設計は、一般に、Rollepaalダイに設計に類似している。
【0035】
EVOHは、都合のよい障壁層38を提供するが、その材料の選択は、制限的に重要ではなく、任意の押し出し成形可能な、有効な酸素障壁材料が、EVOHの代わりになり得る。より良好な保護のために、EVOH、または両方の層38および40は、アルミニウム箔または酸素の拡散に対する障壁を示すポリエチレン以外の材料で置換され得る。あるいは、EVOHによって提供されるものに加えて、アルミニウム箔(示さず)が、適切な接着剤40でEVOHの上に接着して固定され得、この接着剤は、そのアルミニウムをEVOHに接着し得る。
【0036】
図1〜3に示されるような多層パイプは、それぞれ、7mm(0.25インチの非SDR−9)から約152mm(6インチのSDR−9)の最大の範囲の呼び直径および約1.57mm(0.062インチ)〜約17.29mm(0.681インチ)の範囲の壁厚を有する。パイプの呼び直径およびその内径は、その呼び直径のパイプに関するPEXの最小外径および最大外径であるように、配管コードによって規定される。従って、内側HDPE層の最大壁厚は、パイプの最小内径、PEXの最小厚、および最大外径によって規定され、そのコードによって特定される。このことは、以下の寸法適合を参照することによってよりよく理解され得る。
【0037】
(寸法適合)
以下の寸法(括弧中インチで示される)は、PEX単独の壁を有する特定のSDR−9 PEXパイプに対してASTM F−876およびF−877によって特定される:
【表A】

【0038】
前述の寸法は、2.47mmの最小PEX壁厚および2.72mmの最大PEX壁厚を特定し;従って、二重層PEX/HDPEパイプにおいて、内側HDPE層の最大壁厚は、0.25mm(10ミル)である。
【0039】
HDPEの最小壁厚は、求められる保護の程度および望ましいHDPEの望ましい最小の実質的に均一な壁厚を押し出す技術的可能性によって規定される。
【0040】
以下の例は、PEXパイプの2つの区分を提供し、これは、同じ呼び直径、内側HDPE層0.05mm(2ミル)厚を有する第1の区分、および内側HDPE層0.010mm(4ミル)厚を有する第2の区分を有する;そして各内側層の厚みは、必要とされる誤差(tolerance)がコード許容可能であるように維持されるべきである場合に効果を有する。
【表B】

【0041】
半径方向において測定された高密度ポリエチレンの管状コア内側層の壁厚は、好ましくは、約0.025mm(1ミル)から(代表的には、25mmの呼び直径未満の小さな直径のパイプに関して)から約0.50mm(20ミル)まで(呼び直径が約152mmまでの大きな直径のパイプに関して)の範囲である。
【0042】
そのPEXパイプは、連続して押し出し成形され、従って、任意の長さであり、そのパイプは、ついで、大きなスプールにコイル状に巻かれ、そのスプールから、パイプはほどかれ、特定の長さに切断され;あるいは、その押し出し成形物は、望ましい長さの区分に切断される。そのパイプは、市販され、かつ当該分野で周知であるような、標準的なクリンプ型の付属品を使用して組み立てられ得る。
【0043】
(実施例1)
二重層パイプ(図1に例示される)を、非架橋HDPE内側層およびPEX外側層を共有押し出しすることによって製造した。25.4mm(1インチ)押し出し成形ダイの内部構成要素を、二層配管構造を可能にするようにプレートを形成することによって修正した。そのパイプ構造を、より厚い架橋可能シラングラフト化PE外側層の内側に薄いHDPE層を押し出し成形するように設定した。
【0044】
市販のシラングラフト化PE基剤樹脂(AT Plastics製のFlexet 5100)(ASTM D1505に従って測定された0.945g/cmの密度およびASTM D1238(190℃および21.6Kg)に従って測定された35g/10分のメルトインデックスを有する)を、市販の触媒マスターバッチ(AT Plastics製のFlexet 728)(ASTM D1238(190℃および2.16Kg)に従って測定された1.5g/10分のメルトインデックスおよびASTM D1505に従って測定された0.935g/cmの密度を有する)と混合した。この混合物は、96重量%のシラングラフト化PEおよび4重量%の触媒マスターバッチを含んでいた。このブレンドを、2 1/2インチのDavis−Standard単一スクリュー押し出し成形機に位置づけたホッパーに供給した。この押し出し成型機械に、汎用目的のポリオレフィンプロセシングスクリューおよびブレーカープレートを備え付けた。処理条件を、以下の表Iにおいて示す。
【0045】
【表1】

1 1/2インチのDavis−Standard(一般名)単一スクリュー押し出し成型機械を使用して、HDPE内側層を押し出し成形した。HDPE基剤樹脂は、ASTM D4883に従って測定すると、0.953g/cmの密度を有した。0.044重量%の青色色素を、HDPE中に存在させた。
【0046】
HDPEのペレットを、押し出し成形機に位置づけたホッパーに供給する。この押し出し成形機に、汎用目的のポリオレフィンプロセシングスクリューおよびブレーカープレートを備え付ける。処理条件を、以下の表IIに示す。
【0047】
【表2】

平均内側層厚0.006インチ(0.15mm)および平均外側層厚0.108インチ(2.74mm)を有する二重層パイプを、40kg/時間の速度で共有押し出しした。その平均外径は、1.298インチ(33.0mm)であった。
【0048】
その共有押し出ししたパイプを、82℃に設定した水浴中に16時間入れ、PEX外側層をさらに架橋した。従って、最終的なパイプは、ASTM D2765に従って測定する場合に、70%より大きいゲル含有量を有するPEX外側層を有する。
【0049】
保護HDPE内側層を有する二重層パイプを、同一の処方および類似の寸法の単一層PEXパイプと、酸化耐性について比較した。両方のサンプルを、2800時間にわたって、NSF P171耐塩素プロトコルに従って、以下の条件で非常に酸化的環境に曝した:105℃、57psi、4.0ppm 遊離塩素およびpH=6.8。半径方向シェービング(radial shaving)を行って、パイプの内側表面から、0.020インチおよび0.040インチの深さで削った。3つのサンプルを、0.020インチ深さで採取し、2つのサンプルを、0.040インチの深さで採取した。次いで、これらのサンプルを、ASTM D−3895に従って、酸素誘導時間について試験した。相対酸化比(relative oxidative ratio)(半径方向深さXでの内張有りパイプのOIT/半径方向深さXでの内張なしパイプのOIT)を、以下の表IIIに示す:
【0050】
【表3】

その相対酸化比は、両方の半径方向深さにおいて1より大きく、これは、HDPE内張りパイプが内張りなしパイプより良好な酸化耐性を有するという証拠である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明の前述およびさらなる目的は、本発明の好ましい実施形態の模式的例示に付随して、以下の詳細な説明を参照して最もよく理解される。ここで、類似の参照番号の例示は、類字の要素を指す。
【図1】図1は、HDPEの内側管状コアおよびPEXの外側層を有する二重層パイプの一定縮尺ではない断面図である。
【図2】図2は、HDPEの内側管状コアおよびPEXの連続外側層を有する三重層パイプの一定縮尺ではない断面図であり、その最も外側の層は、所定のコードに従って、染められているかまたは着色されている(すなわち色づけされている)。
【図3】図3は、HDPEの内側管状コア、PEXの中間層(HDPEコアの外側表面に密着して接着されている)、およびエチレンビニルアルコールコポリマー(「EVOH」)の外側障壁層(PEX層の外側表面に接着剤層で接着された)を有する5層パイプの、一定縮尺ではない断面図である。
【図4】図4は、SDR−9寸法に一致する、(i)13mm呼び直径のHDPEパイプの単層に関する時間の関数としての環帯応力、(ii)13mm呼び直径のPEXパイプの単層に関する時間の関数としての環帯応力、および(iii)内側管状コアがHDPEであり(0.05mmの壁厚を有する)、外側連続層がPEXである2層パイプに関する時間の関数としての環帯応力を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層架橋ポリエチレン(「PEX」)パイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプ呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(「HDPE」)の内側管状コアであって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径SDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア;および
(b)該内側コア層の外表面と連続した、少なくとも部分的に架橋されたポリエチレンの少なくとも1層の外側管状シース、
を備える、多層架橋ポリエチレン(「PEX」)パイプ。
【請求項2】
請求項1に記載の多層パイプであって、前記HDPEは、約0.950〜約0.963g/cmの範囲の密度を有し、前記PEXは、少なくとも65%のゲルレベルに架橋されている、多層パイプ。
【請求項3】
請求項2に記載の多層パイプであって、前記内側コアは、7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲の呼び直径を有するパイプに関して、少なくとも0.025mm(1ミル)〜約1.52mm(0.06インチ)壁厚を有する、多層パイプ。
【請求項4】
請求項3に記載の多層パイプであって、前記内側コアは、13mm(0.5インチ)〜25mm(1インチ)の範囲の呼び直径を有するパイプに関して、約0.05mm(2ミル)〜0.1mm(4ミル)の範囲の壁厚を有し、前記ゲルレベルは70%より大きい、多層パイプ。
【請求項5】
請求項2に記載の多層パイプであって、前記PEXの外側シースは、過酸化物の添加、電子ビーム照射、AZO化合物の添加、およびシラングラフト化プロセスから選択される方法によって架橋される、多層パイプ。
【請求項6】
請求項5に記載の多層パイプであって、前記シラングラフト化プロセスは、SioplasプロセスまたはMonosilプロセスから選択される、多層パイプ。
【請求項7】
請求項3に記載の多層パイプであって、前記シースは、連続内層および互いにPEXメルト接着された外側連続層を備え、該外側層は、カラーコードが付けられている、多層パイプ。
【請求項8】
3層PEXパイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径のSDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)該コア層の半径方向に外側に連続して配置された少なくとも65%のゲルレベルを有する、架橋ポリエチレン(PEX)の中間管状層;および
(c)少なくとも65%のゲルレベルを有するPEXの外側管状層であって、ここで該外側管状層は、選択された業務において設置するためにカラーコードが付けられている、外側管状壁、
を備える、多層パイプ。
【請求項9】
多層パイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径SDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)該コア層から半径方向に外側に連続して配置された、少なくとも65%のゲルレベルを有する架橋ポリエチレン(PEX)の中間管状層;
(c)該中間層から半径方向に外側に配置されたポリエチレン以外の材料の酸素障壁、
を備える、多層パイプ。
【請求項10】
多層パイプを製造するプロセスであって、該プロセスは、
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径よりも約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径のSDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)接着剤を使用せずに、内側コア層の外側表面にメルト接着された架橋可能ポリエチレンの少なくとも1層の外側管状コア、
を共有押し出し成形する工程、および
少なくとも65%のゲル含有量を有するように、少なくとも該外側層を架橋する工程、
を包含する、プロセス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層架橋ポリエチレン(「PEX」)パイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプ呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(「HDPE」)の内側管状コアであって、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア;および
(b)該内側コア層の外表面と連続した、少なくとも部分的に架橋されたポリエチレンの少なくとも1層の外側管状シース、
を備える、多層架橋ポリエチレン(「PEX」)パイプ。
【請求項2】
請求項1に記載の多層パイプであって、前記HDPEは、約0.950〜約0.963g/cmの範囲の密度を有し、前記PEXは、少なくとも65%のゲルレベルに架橋されている、多層パイプ。
【請求項3】
請求項2に記載の多層パイプであって、前記内側コアは、7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲の呼び直径を有するパイプに関して、少なくとも0.025mm(1ミル)〜約1.52mm(0.06インチ)壁厚を有する、多層パイプ。
【請求項4】
請求項3に記載の多層パイプであって、前記内側コアは、13mm(0.5インチ)〜25mm(1インチ)の範囲の呼び直径を有するパイプに関して、約0.05mm(2ミル)〜0.1mm(4ミル)の範囲の壁厚を有し、前記ゲルレベルは70%より大きい、多層パイプ。
【請求項5】
請求項2に記載の多層パイプであって、前記PEXの外側シースは、過酸化物の添加、電子ビーム照射、AZO化合物の添加、およびシラングラフト化プロセスから選択される方法によって架橋される、多層パイプ。
【請求項6】
請求項5に記載の多層パイプであって、前記シラングラフト化プロセスは、SioplasプロセスまたはMonosilプロセスから選択される、多層パイプ。
【請求項7】
請求項3に記載の多層パイプであって、前記シースは、連続内層および互いにPEXメルト接着された外側連続層を備え、該外側層は、カラーコードが付けられている、多層パイプ。
【請求項8】
3層PEXパイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径のSDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)該コア層の半径方向に外側に連続して配置された少なくとも65%のゲルレベルを有する、架橋ポリエチレン(PEX)の中間管状層;および
(c)少なくとも65%のゲルレベルを有するPEXの外側管状層であって、ここで該外側管状層は、選択された業務において設置するためにカラーコードが付けられている、外側管状壁、
を備える、多層パイプ。
【請求項9】
多層パイプであって、該パイプは、以下:
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径より約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、比28は、小直径の非SDR−9配管に起因し、比100は、より大きな直径SDR−9パイプに起因し、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)該コア層から半径方向に外側に連続して配置された、少なくとも65%のゲルレベルを有する架橋ポリエチレン(PEX)の中間管状層;
(c)該中間層から半径方向に外側に配置されたポリエチレン以外の材料の酸素障壁、
を備える、多層パイプ。
【請求項10】
多層パイプを製造するプロセスであって、該プロセスは、
(a)7mm(0.25インチ)〜152mm(6インチ)の範囲のパイプの呼び直径よりも約28〜100倍小さい最大壁厚を有する高密度ポリエチレン(HDPE)の内側管状コア層であって、ここで該HDPEは、0.941g/cc〜0.963g/ccの範囲の密度を有する、内側管状コア層;
(b)接着剤を使用せずに、内側コア層の外側表面にメルト接着された架橋可能ポリエチレンの少なくとも1層の外側管状コア、
を共有押し出し成形する工程、および
少なくとも65%のゲル含有量を有するように、少なくとも該外側層を架橋する工程、
を包含する、プロセス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−502019(P2006−502019A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−523119(P2004−523119)
【出願日】平成15年7月11日(2003.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/021870
【国際公開番号】WO2004/009356
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(505026538)ノベオン アイピー ホールディングス コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】