説明

高密度領域と低密度領域を有するフォーム創傷インサート、創傷ドレッシング、および方法

高密度領域と低密度領域を有するフォーム創傷インサート、創傷インサートの製造方法、創傷治療方法、および創傷治療システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願された米国仮特許出願第61/296,817号明細書の優先権を主張し、その内容全体を本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般に、創傷治癒および創傷治療法に関する。より詳細には、本開示は、流体灌注(fluid−instillation)および陰圧創傷療法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床試験および診療から、組織部位近傍に減圧を提供すると、組織部位における新生組織の増殖が促進され、加速されることが分かった。この現象の応用は多数あるが、減圧の印加は創傷治療に特に成果があった。この治療(医学界では「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、または「真空療法」と称されることが多い)には、治癒の迅速化や肉芽組織形成の促進を含む、多くの利点がある。典型的には、減圧は、創傷インサート(例えば、多孔質パッドまたは他のマニホールドデバイス)を通して組織に印加される。創傷インサートは、典型的には組織に減圧を分配し、組織から吸引される流体を送流することができる気泡または気孔を含有する。創傷インサートは、例えば、ドレープ(例えば、粘着性サージカルドレープ)などの治療を促進する他の構成要素を有する創傷ドレッシングに組み込むことができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、高密度領域と低密度領域(例えば、一体の高密度領域と低密度領域)を有する創傷インサート、創傷ドレッシング、創傷インサートの製造方法、および創傷治療方法を含む。
【0005】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、厚い部分と薄い部分を有するフォームの少なくとも一部を圧縮して、圧縮されたフォームが実質的に一定の厚みを有するようにし、且つ厚い部分の密度が薄い部分の密度より大きくなるようにするステップ;および外部圧縮力が存在しなくてもフォームが実質的に圧縮されたままとなるように、圧縮されたフォームを処理するステップを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、処理するステップは、圧縮されたフォームを加熱してフォームの弾性を低下させるステップを含む。幾つかの実施形態では、フォームを圧縮する前、厚い部分と薄い部分の密度は実質的に同じである。
【0007】
幾つかの実施形態では、処理するステップは、フォームの少なくとも一部に分配されているコーティングを活性化させるステップを含む。幾つかの実施形態では、コーティングは、フォームとコーティングを加熱することにより活性化される。幾つかの実施形態では、コーティングは接着剤を含む。幾つかの実施形態では、コーティングは架橋性ポリマーを含み、活性化させるステップは、コーティングを光と高温の少なくとも1つに暴露し、架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるステップを含む。
【0008】
幾つかの実施形態は、さらに、フォームを冷却するステップを含み、冷却するステップは、圧縮されたフォームを処理した後に行われる。
【0009】
幾つかの実施形態では、厚い部分の圧縮厚みは、薄い部分の非圧縮厚みに実質的に等しい。幾つかの実施形態では、圧縮された後、フォームは異方性を示す。
【0010】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域を含むフォームを提供するステップ;フォームの少なくとも一部を圧縮して、フォームが実質的に一定の厚みを有するようにし、且つ厚い領域の密度が薄い領域の密度より大きくなるようにするステップ;フォームの弾性を低下させるのに十分な高温にフォームを加熱するステップ;および圧縮された部分が実質的に圧縮されたままとなるように、フォームを冷却するステップを含む。
【0011】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、フォームの少なくとも一部を圧縮し、フォームが実質的に一定の厚みを有するようにするステップ;フォームの弾性を低下させるのに十分な高温にフォームを加熱するステップ;および圧縮された部分が実質的に圧縮されたままとなるように、フォームを冷却するステップを含み、圧縮される前、フォームは、実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域(例えば、一体の厚い領域と薄い領域)を含み、圧縮された後、厚い領域の密度は薄い領域の密度より大きくなる。
【0012】
幾つかの実施形態では、フォームは連続気泡フォームを含む。幾つかの実施形態では、フォームは親水性(または疎水性)フォームを含む。幾つかの実施形態では、圧縮される前、フォームの厚い領域の非圧縮厚みは、薄い領域の非圧縮厚みより大きく、厚い部分の圧縮厚みは薄い部分の非圧縮厚みに実質的に等しい。幾つかの実施形態では、圧縮された後、フォームは異方性を示す。
【0013】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域を含むフォームを提供するステップ;フォームの少なくとも一部を圧縮して、フォームが実質的に一定の厚みを有するようにし、且つ厚い領域の密度が薄い領域の密度より大きくなるようにするステップ;および外部圧縮力が存在しなくても圧縮された部分が少なくとも部分的に圧縮されたままとなるように、フォームの少なくとも一部に分配されているコーティングを活性化させるステップを含む。
【0014】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、フォームの少なくとも一部を圧縮し、フォームが実質的に一定の厚みを有するようにするステップ;外部圧縮力が存在しなくても圧縮された部分が少なくとも部分的に圧縮されたままとなるように、フォームの少なくとも一部に分配されているコーティングを活性化させるステップを含み、圧縮される前、フォームは、実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域(例えば、一体の厚い領域と薄い領域)を含み、圧縮された後、厚い領域の密度は薄い領域の密度より大きくなる。
【0015】
幾つかの実施形態では、コーティングは接着剤を含む。幾つかの実施形態では、コーティングは架橋性ポリマーを含み、活性化させるステップは、コーティングを光と高温の少なくとも1つに暴露し、架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるステップを含む。
【0016】
本創傷インサートの幾つかの実施形態は、創傷ドレッシングに使用され、高密度領域と低密度領域を有するフォームを備える。幾つかの実施形態では、フォームは親水性フォームを含む。幾つかの実施形態では、高密度領域と低密度領域は、交互に配列されている。幾つかの実施形態では、高密度領域と低密度領域は、格子模様に配置されている。
【0017】
本創傷ドレッシングの幾つかの実施形態は、陰圧創傷療法を使用する創傷治癒に用いられ、本創傷インサートのいずれかと;ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、ドレッシングが貼付される創傷に隣接する患者の皮膚に連結されるドレープとを備える。
【0018】
本創傷インサート(例えば、創傷ドレッシングに使用される)の幾つかの実施形態は、高密度領域と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有するフォーム(例えば、滅菌フォーム)を備える。幾つかの実施形態では、フォームは、本方法のいずれかにより形成される。幾つかの実施形態では、フォームは親水性(または疎水性)フォームを含む。幾つかの実施形態では、高密度領域と低密度領域は交互に配列されている。幾つかの実施形態では、高密度領域と低密度領域は格子模様に配置されている。
【0019】
本創傷ドレッシングの幾つかの実施形態は、患者の創傷上に配置されるように構成された創傷インサートであって、高密度領域と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有するフォーム(例えば、滅菌フォーム)を備える創傷インサートと;ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、創傷に隣接する患者の皮膚に連結されるように構成されたドレープとを備える。
【0020】
本創傷治療方法の幾つかの実施形態は、創傷インサートを患者の創傷上に配置するステップであって、創傷インサートが高密度領域と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有する滅菌(例えば、滅菌)フォームを備えるステップ;および、ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、創傷に隣接する皮膚にドレープを連結するステップを含む。幾つかの実施形態は、さらに、創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するステップを含む。幾つかの実施形態では、陰圧を印加するステップは、創傷ドレッシングに連結される真空源を作動させるステップを含む。幾つかの実施形態は、さらに、創傷ドレッシングを通して創傷に流体を送達するステップを含む。幾つかの実施形態では、流体を送達するステップは、創傷ドレッシングに連結される流体源を作動させるステップを含む。
【0021】
本システムおよび/または方法のいずれかの実施形態はいずれも、前述のステップ、要素、および/または特徴のいずれかを、備える/含む/含有する/有するのではなく、それらからなってもよい、または本質的になってもよい。従って、請求項のいずれかにおいて、前述のオープンエンドの連結動詞のいずれかの代わりに「からなる」または「から本質的になる」という用語を使用し、特定の請求項の範囲を、オープンエンドの連結動詞を使用した場合の範囲から変更することができる。
【0022】
前述および他の実施形態に関する詳細を下記に記載する。
【0023】
以下の図面は例示の目的で示しているのであって、本発明を限定するものではない。簡潔に且つ明瞭にするため、特定の構造の全ての特徴が、その構造が記載されている全ての図に常に標示されているわけではない。同一の参照番号は、必ずしも同一の構造を表示するわけではない。むしろ、同じ参照番号は、非同一の参照番号の場合と同様に、類似の特徴または類似の機能を有する特徴を表示するのに使用される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本創傷インサートの1つを有し、創傷部位および創傷治療装置に連結された本創傷ドレッシングの一実施形態の側面図を示す。
【図2】図2は、図1の創傷インサートの拡大側面図を示す。
【図3】図3は、本創傷ドレッシングおよび/または創傷インサートを備えるおよび/またはそれらに連結するおよび/またはそれらに使用することができる創傷治療装置の一実施形態の概略ブロック図を示す。
【図4】図4は、本創傷インサートの一実施形態の端面図を示す。
【図5】図5は、本創傷インサートの別の実施形態の端面図を示す。
【図6】図6は、非圧縮形態と圧縮形態の本創傷インサートの一実施形態の端面写真を示す。
【図7】図7は、圧縮形態の図6の創傷インサートの上面写真を示す。
【図8】図8Aは、本創傷インサートの実施形態を通る流体移動と、従来技術の創傷インサートを通る流体移動の前方監視赤外線FLIR画像を示す。図8Bは、本創傷インサートの実施形態を通る流体移動と、従来技術の創傷インサートを通る流体移動の前方監視赤外線FLIR画像を示す。
【図9】図9は、レーザー法により切断された本創傷インサートの実施形態に適したフォームを示す。
【図10】図10は、低密度領域に沿った創傷インサートの引裂を示す本創傷インサートの一実施形態の上面図を示す。
【図11】図11は、円形状の本創傷インサートの1つの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
「連結された」という用語は、接続されていることと定義されるが、それは必ずしも直接的であるとは限らず、また必ずしも機械的であるとは限らない;「連結された」2つのものは、互いに一体になっていてもよい。「1つの(a)」および「1つの(an)」という用語は、特記しない限り、1つ以上と定義される。「実質的に」、「ほぼ」および「約」という用語は、当業者に理解されるように、必ずしも完全とは限らないが概ね明記されている通りであると定義される。
【0026】
「備える(comprise)」(および、「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などの備えるの任意の形態)、「有する(have)」(および、「有する(has)」および「有する(having)」などの有するの任意の形態)、「含む(include)」(および、「含む(includes)」および「含む(including)」などの含むの任意の形態)ならびに「含有する(contain)」(および、「含有する(contains)」および「含有する(containing)」などの含有するの任意の形態)という用語は、オープンエンドの連結動詞である。そのため、1つ以上のステップを「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法は、それらの1つ以上のステップを具備するが、それらの1つ以上のステップだけを具備することに限定されない。同様に、1つ以上の要素を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」創傷ドレッシングは、それらの1つ以上の要素を具備するが、それらの要素だけを具備することに限定されない。例えば、創傷インサートとドレープとを備える創傷ドレッシングでは、創傷ドレッシングは明記された要素を含むが、それらの要素だけを有することに限定されない。例えば、このような創傷ドレッシングは、創傷治療装置に連結されるように構成された接続パッドも含んでもよい。
【0027】
さらに、特定の方式で構成されているデバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、明記された方式以外の方式で構成されてもよい。
【0028】
ここで図面、より詳細には図1を参照すると、本創傷治療システム10の1つの一実施形態が示されている。図示されている実施形態では、装置10は、創傷治療装置14と、導管22により装置14に連結された創傷ドレッシング18とを備える。図示するように、ドレッシング18は、患者30の創傷26に連結されるように構成されている(および、連結された状態で示されている)。より詳細には、図示されている実施形態では、ドレッシング18は、創傷インサート34とドレープ38とを備える。図示するように、創傷インサート34は創傷26上に(例えば、創傷面42上にまたは創傷面42に隣接して)配置されるように構成されている(および、配置された状態で示されている)、および/または、ドレープ38は、ドレープ38が創傷インサート34と創傷26を被覆し、ドレープ38と創傷26(例えば、創傷面42)との間に空間50を形成するように、創傷26に隣接する患者の皮膚46に連結されるように構成されている(および、連結された状態で示されている)。
【0029】
装置14は、例えば、創傷ドレッシング18に(例えば、導管22を介して)陰圧を印加するように作動可能となる(および/または作動する)ように構成された真空源と、創傷ドレッシング18に(例えば、導管22を介して)流体(例えば、薬液、抗菌液、および/または洗浄液などの灌注流体)を送達するように作動可能となる(および/または作動する)ように構成された流体源とを備えてもよい。システム10を、従来技術に記載のものに類似の様々な構成および/または方法のいずれかで実行するおよび/または作動させるおよび/または患者30に連結することができる。例えば、KCI USA,Inc.(San Antonio,Texas,U.S.A.)および/またはその子会社および関連会社(総称して「KCI」)を通しておよび/またはそれらから様々な創傷療法システムおよび構成要素が市販されている。
【0030】
導管22は、1本のシングルルーメン導管(例えば、真空源および/または流体源と装置14との間で切り替えられる)を備えてもよく、または複数のシングルルーメン導管もしくは1本のマルチルーメン導管を備えてもよく、例えば、創傷ドレッシング18への流体の送達および/または陰圧の印加を個々におよび/または同時に行うことができるようになっていてもよい。さらに、導管22は、例えば、陰圧の印加および/または流体送達用の第1のルーメンと、ドレープ38と表面42との間の圧力または陰圧を検知するために(1つ以上の)圧力センサに連結される他の少なくとも1つのルーメンとを備えてもよい。幾つかの実施形態では、導管22は、複数のルーメン(例えば、陰圧の印加および/または流体送達用の中心ルーメンと、中心ルーメンに隣接してまたはその周囲に配置される1つ以上の周囲ルーメンとを有し、ドレープ38と表面42との間の(例えば、空間50内の)圧力または陰圧を検知するために圧力センサに周囲ルーメンを連結することができるようになっている単一の導管におけるようなもの)を備えてもよい。ルーメンは、中心ルーメンと、中心ルーメンの周囲に放射状に配置された他のルーメンとを有するように配置されても、または他の適した配置に配置されてもよい。ルーメンは、また、別々の導管内に設けられてもよい。図示されている実施形態では、システム10は、さらに、導管22に連結されるように構成された(および、連結された状態で示されている)創傷ドレッシング接続パッド54を備える。適した接続パッド54の一例は、KCIから市販されている「V.A.C. T.R.A.C.(登録商標)Pad」である。適したドレープ38の一例には、KCIから市販されている「V.A.C.(登録商標)ドレープ」が挙げられる。
【0031】
ここで図2を参照すると、創傷インサート34の側面図が示されている。創傷インサート34は、上面100、下面104、側面108、112および内容積116を有する。創傷インサート34の一面しか示していないが、創傷インサート34は、図示されている面に対して垂直に延びる深さを有する三次元の長方形の体積を備えることが、当業者には分かるであろう。他の実施形態では、創傷インサート34は、例えば、円柱状の形状、奇抜な形状などの任意の適した形状を有してもよく、または創傷(例えば、26および/または創傷面42)の不規則な形状に適合するように切り整えられてもよい。創傷インサート34は、例えば、連続気泡フォーム(網状になっていてもよい)などのフォームを備えてもよい。
【0032】
本創傷治療方法の実施形態は、システム10の一実施形態の概略ブロック図を示す図3を参照すると、さらによく理解することができる。図示されている実施形態では、創傷ドレッシング18は装置14に連結され、装置14は、導管208によりキャニスタ204(例えば、創傷ドレッシング18からの滲出物などを受け入れるように構成されている)に連結された真空源200(例えば、真空ポンプなど)を備える。図示されている実施形態では、装置14は、さらに、導管220および/またはT継手224により導管208に連結された第1の圧力トランスデューサ216と、導管232によりキャニスタ204および/または創傷ドレッシング18に連結された第2の圧力トランスデューサ228とを有する圧力センサ212を備える。圧力センサ212は、創傷ドレッシング18内および/または創傷ドレッシング18、圧力センサ212および/または真空源200に連結された様々なルーメン(例えば、導管内の)のいずれかの中の陰圧を検知するように構成されている。
【0033】
図示されている実施形態では、装置14は、さらに、導管232に連結された圧力解放弁236を備える。さらに、図示されている実施形態では、キャニスタ204および真空源200は、導管240により創傷ドレッシング18に連結される、および/または、キャニスタ204は、液体または固体粒子が導管208に入ることを防止するため、キャニスタ204の出口またはその近傍にフィルタ244を備えてもよい。フィルタ244は、例えば、水性および/または油性液体がフィルタの表面でビーズ状になるように疎水性および/または親油性の細菌フィルタを含んでもよい。装置14は、典型的には、作動中、真空源200が、フィルタ244での圧力損失がさほど大きくないフィルタ244を通して十分な気流を供給するように(例えば、圧力損失が、真空源200から創傷ドレッシング18への陰圧の印加に実質的に干渉しないように)構成される。
【0034】
図示されている実施形態では、装置14は、さらに、例えば、T継手または他の適した継手256などにより導管240に連結される導管252により、創傷ドレッシング18に連結される流体源248を備える。幾つかの実施形態では、創傷ドレッシング18と真空源200との、または創傷ドレッシング18と流体源248との連通を選択的に可能にすることができるように、T継手256は切替弁などを備えてもよい。幾つかの実施形態では、装置14は真空源200と流体源248の一方しか備えない。流体源248だけを備える装置14の実施形態では、キャニスタ204および/または圧力センサ212も省くことができる。図示されているものなどの様々な実施形態では、導管232および/または導管240および/または導管252は結合されてもよい、および/または、図1を参照して前述されているように、単一のマルチルーメン導管に含まれてもよい。幾つかの実施形態では、流体源248は、創傷ドレッシング18に直接連結される(例えば、導管252は一端が、接続パッド54などを介して創傷ドレッシング18に連結され、導管252は他端が流体源248に連結され;導管252はT継手256には連結されない)。
【0035】
図3に示すものなどの様々な実施形態で、装置14は、キャニスタ内の液体がフィルタ244を閉塞するレベルに達するとすぐに、導管208内に非常に大きい陰圧(または負圧)が発生し、トランスデューサ216によって検知されるように構成されてもよい。トランスデューサ216は、このような圧力変化をキャニスタが一杯であると解釈し、これを、キャニスタ204を空にするおよび/または交換する必要があるというLCDのメッセージおよび/またはブザーで合図する、および/または、真空源200を自動的に遮断するまたは動作不能にする回路に接続されてもよい。
【0036】
装置14は、また、陰圧(または負圧)を(例えば、連続的に、間欠的に、および/または定期的に)創傷部位に印加するように、および/またはリリーフ弁236で創傷部位の圧力を迅速に大気圧にすることができるように構成されてもよい。従って、装置14が、例えば、10分間隔で圧力を解放するようにプログラムされている場合、この間隔でリリーフ弁236は規定の時間、開放し、創傷部位の圧力を等しくした後、閉鎖して陰圧を回復することができる。創傷部位に一定の陰圧を印加する場合、弁236は大気へのまたは大気からの漏洩を防止するために閉鎖したままとなることが分かるであろう。この状態では、ポンプ200を連続的に運転するおよび/または作動させることなく、時々または定期的に運転しておよび/または作動させて創傷部位に陰圧を維持し、所望のレベルの陰圧(即ち、大気圧未満の所望の圧力)を維持し、それをトランスデューサ216で検知することが可能である。これにより電力が節約され、機器がその電池による電力供給で長時間作動することが可能となる。
【0037】
ここで、図4〜図7を参照すると、本創傷インサートの幾つかの実施形態の様々な図が示されている。図4は、厚い領域304と薄い領域308を含むフォーム300の端面図を示す。図示されている実施形態では、厚い領域304と薄い領域308は一体になっている(即ち、単一のフォーム片に含まれ、その中に画成されている)。図示するように、フォームは実質的に圧縮されておらず、そのため厚い領域304と薄い領域308の密度は実質的に同じである。フォーム300は、連続気泡フォーム(網状になっていてもよい)を含んでもよく、および/または、親水性および/または疎水性であってもよい。フォーム300は台形の形状を有し、その厚い部分304はそれぞれ、薄い部分308の両面に台形の形状を有する。より詳細には、厚い部分304はそれぞれ上面312と下面316を有し、それぞれが薄い部分308から延びる台形の形状を有する。他の実施形態では、厚い部分304は、薄い部分308の一面からしか延びなくてもよい(例えば、上面312または下面316だけを有する)。他の実施形態では、各厚い部分304の上面および/または下面312、316は、フォーム300を圧縮する、処理する、または本開示に記載のように使用することを可能にする任意の形状、例えば、正方形、長方形、三角形、弓形、または半円形などを有してもよい。
【0038】
厚い領域304の厚み320は、薄い領域308の厚み324より大きいまたは厚い。例えば、厚い領域304の厚み320は、薄い領域308の厚み324の120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、および/または400パーセントのいずれかに等しい、それより大きい、それより小さい、またはそれらの間であってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、厚み320は厚み324の200〜300パーセントであり、そのため厚み320に圧縮されると、厚い領域304の密度は薄い領域308の密度の2〜3倍になる。厚い領域304は、また、基部幅328(厚い領域304の基部と薄い領域308の頂部で測定される)と、頂部幅332も有する。図示されている実施形態では、頂部幅332は基部幅328より小さく、より詳細には、頂部幅332は基部幅328の70〜80パーセントである。他の実施形態では、頂部幅332は、基部幅328の0、10、20、30、40、50、60、70、80、90、および/または100パーセントのいずれかに等しい、それより小さい、それより大きい、またはそれらの間であってもよい。さらに、図示されている実施形態では、薄い領域308の幅336は、厚い領域304の基部幅328の30〜40パーセントである。他の実施形態では、幅336は、基部幅328の10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、および/または200パーセントのいずれかに等しい、それより大きい、それより小さい、またはそれらの間であってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、幅336は、幅328の20〜50パーセントであり、そのため圧縮されると、フォーム300は、低密度領域の方が高密度領域よりも少なくなり、高密度領域が大きい創傷領域から流体を吸い上げまたは吸引し、低密度領域が創傷面への陰圧の連通を可能にするようになっている。
【0039】
図5は、厚い領域354と薄い領域358を含む別のフォーム350の端面図を示す(図示されている実施形態では、厚い領域と薄い領域354、358は単一のフォーム片に含まれ、その中に画成されている)。図示されるように、フォーム350は実質的に圧縮されておらず、そのため厚い領域354と薄い領域358の密度は実質的に同じである。フォーム350は、連続気泡フォーム(網状になっていてもよい)、例えば、親水性(または疎水性)フォームなどを含む。フォーム350は鋸歯状の形状を有し、その厚い部分354はそれぞれ薄い部分358の両面に三角形の形状を有する。より詳細には、厚い部分354はそれぞれ上面362と下面366を有し、それぞれが薄い部分358から延びる三角形の形状を有する。他の実施形態では、厚い部分354は、薄い部分358の一面からしか延びていなくてもよい(例えば、上面362または下面366だけを有する)。他の実施形態では、各厚い部分354の上面および/または下面362、366は、フォーム300を圧縮する、処理する、または本開示に記載のように使用することを可能にする任意の形状、例えば、正方形、長方形、弓形、または半円形などを有してもよい。
【0040】
厚い領域354の厚み370は、薄い領域358の厚み374より大きいまたは厚い。例えば、厚い領域354の厚み370は、薄い領域358の厚み374の120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、および/または400パーセントのいずれかに等しい、それより大きい、それより小さい、またはそれらの間であってもよい。厚い領域354は、また、基部幅378(厚い領域354の基部と薄い領域358の頂部で測定される)も有する。図示されている実施形態では、厚い部分354は実質的に三角形の形状を有し、そのため薄い部分358から最も遠い点における各厚い部分の幅(頂部幅)が実質的にゼロとなっている。図示されている実施形態では、薄い領域358の幅386は、厚い領域354の基部幅378の30〜40パーセントである。他の実施形態では、幅386は、基部幅378の10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、および/または200パーセントのいずれかに等しい、それより大きい、それより小さい、またはそれらの間であってもよい。
【0041】
図6は、図4のものなどの非圧縮形態と、フォーム300が創傷インサート34aとして構成されている圧縮形態におけるフォーム300の端面斜視写真を示す。図6を参照すると分かるように、創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、フォーム(例えば、フォーム300)の少なくとも一部を圧縮し(および/またはフェルト化し)、フォームが実質的に一定の厚み(例えば、厚み400)を有するようにするステップを含む。幾つかの実施形態は、外部圧縮力が存在しなくてもフォームが実質的に圧縮されたままとなるように、圧縮されたフォームを処理する(例えば、熱を加える、または塗布されたコーティングを活性化させることにより)ステップを含む。例えば、幾つかの実施形態では、処理するステップは、フォームの弾性を低下させるのに十分な高温にフォーム(例えば、フォーム)を加熱するステップを含む。例えば、フォームの弾性は低下するおよび/または緩和されるが、フォームの溶融温度より低い温度に(例えば、フォームが高温により分解されないように)フォームを加熱してもよい。このようにして、熱および圧力(圧縮力)を使用してフォームに圧縮永久歪を生じさせ、フォーム中に発現する圧縮応力を緩和することができる。一般に、高温を使用して圧縮永久歪を達成する。フォーム材料の例としては、ポリウレタン(例えば、ポリエーテルおよび/またはポリエステル)を挙げることができ、それは疎水性であっても、または親水性であってもよい。フォームの弾性が低下する、および/または圧縮力が存在しなくてもフォームが実質的に圧縮されたままとなるように所望の「永久歪」を達成するために、温度は、華氏158度〜華氏482度の範囲(例えば、使用される特定のフォームに応じて、華氏140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500度のいずれかに等しい、それより大きい、それより小さい、またはそれらの間)とすることができる。フォームは、また、導入された永久歪の保持を助けるため、冷却サイクルを経てもよい。例えば、フォームは、室温または周囲温度より低温に(例えば、華氏0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70度のいずれかに等しい、それより小さい、それより大きい、またはそれらの間の温度にまたはその温度で)冷却されてもよい。創傷インサートを形成する本方法の幾つかの実施形態では、フォーム(例えば、フォーム300)を2枚の熱板または熱盤の間に(例えば、熱板または熱盤プレス内に、および/または熱板がフォームの弾性を低下させるのに十分な温度に加熱される場所に)配置し;プレスを作動させて熱板を互いの方に(例えば、厚い部分304の厚み320に垂直に)移動させ、フォームが所望の全厚または圧縮度に圧縮されるようにする。このようなプレスは、電動式、機械式、および/または油圧式であってもよい。適している可能性がある他のフォームは、架橋および/または非架橋ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ならびに、アクリロニトリルブタジエン(NBR)、ポリクロロプレン(PCPまたはCR)、エチレンプロピレンゴム(EPR&EPDM)、シリコーン、およびフルオロカーボンポリマーなどのエラストマーが挙げられる。
【0042】
創傷インサートを製造する本方法の幾つかの実施形態は、圧縮力が存在しなくてもフォームの圧縮された部分が室温で(例えば、華氏72度の温度で)実質的に圧縮されたままとなるように、(フォームを加熱した後)フォームを冷却するステップも含む。他の実施形態では、フォームを冷却するステップは、華氏10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、および/または150度のいずれかに等しい、それより小さい、それより大きい、またはそれらの間の温度または温度範囲で、圧縮力が存在しなくても圧縮された部分が実質的に圧縮されたままとなるように、フォームに塗布されたコーティングを冷却するステップを含む。幾つかの実施形態では、圧縮される前、フォーム(例えば、300)は、実質的に同じ密度を有する厚い領域(例えば、304)と薄い領域(例えば、308)、および/または図4および図6を参照してフォーム300または350に関して前述した他のいずれかの特徴を含み;圧縮された後、厚い領域(例えば、304)の密度は薄い領域(例えば、304)の密度より大きくなる。
【0043】
フォーム中の厚い領域と薄い領域(例えば、304、308および354、358)は、例えば、レーザー切断などの任意の適した方法で形成されてもよい。例えば、図9は、本実施形態の幾つかの前駆体となり得る形態の、レーザー切断により格子模様に切断されたフォームシートの写真を示す。例えば、図示されている実施形態では、フォームシートの一部を格子模様に沿って除去し、前述の厚い部分と薄い部分を画成してもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、圧縮されたフォーム300の厚み400が薄い部分308の予備圧縮厚み324に実質的に等しくなるように、フォームを圧縮する。他の実施形態では、圧縮されたフォーム300(創傷インサート34a)の厚み400が予備圧縮された薄い部分308の厚み324の50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、および100パーセントのいずれかに等しい、それより小さい、それより大きい、またはそれらの間となるように、フォームを圧縮する。他の実施形態では、厚い部分304だけが圧縮され、圧縮されたフォーム300(創傷インサート34a)の厚み400が予備圧縮された薄い部分308の厚み324より大きくなるように、フォーム300を圧縮する。
【0045】
創傷インサートを製造する本実施形態の他の実施形態は、フォーム(例えば、300)の少なくとも一部を圧縮し、フォーム(例えば、300)が実質的に一定の厚み(例えば、400)を有するようにするステップを含む。幾つかの実施形態では、フォームを処理するステップは、室温(例えば、華氏72度の温度)などで、外部圧縮力が存在しなくても圧縮された部分が少なくとも部分的に圧縮されたままとなる(例えば、実質的に圧縮されたままとなる)ように、フォーム(例えば、300)の少なくとも一部に塗布されるまたは分配されるコーティング(例えば、接着剤などの液状コーティング)を活性化させるステップを含む。例えば、幾つかの実施形態では、コーティングを活性化させて(例えば、乾燥または紫外線で活性化させて)、フォームの圧縮を実質的に維持することができるように、フォームの圧縮前または圧縮後に、フォームにコーティング(例えば、接着剤または架橋性ポリマー流体)を塗布してもよい。他の実施形態では、コーティングを活性化させるステップは、華氏10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、および/または150度のいずれかに等しい、それより小さい、それより大きい、またはそれらの間の温度または温度範囲で、圧縮力が存在しなくても圧縮された部分が実質的に圧縮されたままとなるように、コーティングを活性化させるステップを含む。幾つかの実施形態では、圧縮される前、フォーム(例えば、300)は、実質的に同じ密度を有する厚い領域(例えば、304)と薄い領域(例えば、308)、および/または図4および図6を参照してフォーム300または350に関して前述した他のいずれかの特徴を含み;圧縮された後、厚い領域(例えば、304)の密度は薄い領域(例えば、304)の密度より大きくなる。
【0046】
幾つかの実施形態では、圧縮されたフォーム300の厚み400が薄い部分308の予備圧縮厚み324に実質的に等しくなるように、フォームを圧縮する。このような実施形態では、フォームにコーティングを噴霧することにより、フォームをコーティングに浸漬することにより、および/またはフォームにコーティングを分散させる他のいずれかの適した方法などにより、フォームにコーティングを分散させてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、転移温度(例えば、融点、ガラス転移温度など)が比較的低温(例えば、フォーム単独より低温)で現れる、または乾燥時に剛性を発現する材料をフォームにコーティングしてもよい。幾つかの実施形態では、比較的低温で(例えば、加熱することなく)フォームを圧縮する(および/または圧縮永久歪を生じさせる)ことができ、フォームをその圧縮された形態に保つように、コーティングが冷却または乾燥時に剛性になるまたは他に耐膨張性になるように、コーティングを構成することができる。例えば、フォームを圧縮する前に厚い部分に液状接着剤を塗布し、圧縮力を取り除く前に乾燥させて、乾燥した接着剤が圧縮厚みから膨張し難くなるようにしてもよい。他の実施形態では、圧縮が可逆的になる(例えば、少なくとも部分的におよび/または完全に可逆的になる)ようにフォームに圧縮永久歪を生じさせるようにコーティングを構成し、フォームが温まる時または水を吸収する時、フォームが膨張できる(例えば、創傷内または創傷上に配置後)ようにしてもよい。幾つかの実施形態では、コーティングは架橋性ポリマーを含み、および/または活性化させるステップは、コーティングを光および/または高温(例えば、周囲温度より高温、例えば、架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるのに十分な温度)に暴露させ、架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるステップを含む。
【0047】
適したコーティングの例としては、n−メチロールアクリルアミド(NMA)を含有する架橋性ポリマーが挙げられる。NMAは、他の多くのモノマー(アクリルおよびビニルなど)と共重合され得るモノマーである。加熱(例えば、約140℃に)すると、NMAはそれ自体および他のヒドロキシル含有基(例えば、カルボキシル)と反応する。同様に、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および/またはフェノールホルムアルデヒドをそれ自体および他のヒドロキシル含有ポリマーと反応させ、架橋を形成することができる。他の架橋剤としては、例えば、高温でヒドロキシル含有ポリマーと反応してそれらを架橋させる変性エチレン尿素を挙げることができる。他の架橋剤としては、高温でほとんどのポリマーを架橋させる過酸化物を挙げることができる。また、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するポリマーを組み合わせ、加熱時に、ポリエステル架橋を形成してもよい。さらに、室温では反応性が低く、加熱時に迅速に反応して、架橋を有するエポキシポリマーを形成するエポキシプレポリマーを使用してもよい。同様に、高温で且つヒドロキシル基、アミン、または水分の非存在下でのみ著しく迅速に反応するポリマーイソシアネートを使用してもよい。
【0048】
図7は、創傷インサート34a(圧縮されたフォーム300)の側面図を示す。図示するように、厚い領域304のフォーム材料が小さい空間に圧縮されるため、圧縮後、厚い領域304の密度は増加する。そのため、創傷インサート304は、高密度領域404と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域408とを有する圧縮されたフォーム300(少なくとも部分的に圧縮されている−薄い部分308は全く圧縮されていなくてもよい)を備える。より詳細には、図示されている実施形態では、高密度領域404と低密度領域は交互に配列されている。他の実施形態では、高密度領域404と低密度領域は任意の適した模様、例えば、格子模様などに配置されてもよい。本創傷インサートは、前述の本方法のいずれかにより形成されてもよい。
【0049】
高密度領域(例えば、404)と低密度領域(例えば、408)の組み合わせは協働して、本創傷インサートに様々な特性を付与する。例えば、高密度領域の方が、総気泡サイズが小さく、気泡密度が高いため、高密度領域は吸上機能が改善されており、より効率的に流体を移送する(例えば、低密度領域よりも効率的に創傷面から流体を吸引するおよび/または流体源から創傷面に流体を連通させる。高密度領域は、また、一般に低密度領域よりも機械的強度が高く、そのため低密度領域および/または創傷インサート全体に構造的支持を提供することができる(例えば、創傷インサートが低密度領域に平行ではない方向で引裂抵抗を有するようになる)。さらに、低密度領域の方が有効気泡または気孔サイズが大きく、そのため低密度領域の方が閉塞し難い。とりわけ、陰圧を印加して流体および/または滲出物を創傷から創傷インサートを通して吸引する場合、低密度領域の方が気孔サイズが大きいため、低密度領域を通して流体を吸引する方が、高密度領域を通して流体を吸引するよりも高速で行うことができ、そのため粒子状および顆粒状物質は低密度におよび/または低密度を通して吸引され、高密度領域での閉塞の可能性が抑えられるおよび/または低減する。幾つかの実施形態では、親水性材料でフォームをコーティングし、創傷インサートの吸上特性を改善することもできる。
【0050】
低密度領域は、創傷ドレッシングが曲がるおよび/または他に創傷に追従することを可能にするように構成されてもよい。例えば、創傷インサートが2つに折られるように、および/または創傷インサートが他の器材(プレートまたはピンなど)に追従するように、低密度領域が比較的曲がり易く(および/または、創傷インサートを低密度領域に沿って曲げるまたは折り畳むとき比較的弾性が低く)なっていてもよい。典型的な単一密度のフォーム創傷インサートは等方性であり、そのため陰圧下では、典型的な単一密度のフォーム創傷インサートは全方向で比例して収縮することになる。収縮時、創閉鎖を機械的に助けるように本創傷インサートを構成することができるように、本創傷インサートは異方性となるように構成される。例えば、低密度領域408は、高密度領域よりも低密度である(そのため、陰圧下での圧縮が大きくなる)。このようなものとして、図7の実施形態において、創傷インサート34aに陰圧を印加すると、低密度領域408は高密度領域404より大きく収縮し、そのため高密度領域404が互いに引き寄せられ、創傷インサート34aは長手方向より横方向に(領域404、408の列に垂直に)収縮することになる。記載するように、本創傷インサートはこのような異方性を有するように構成されてもよく、本方法は、創傷に陰圧を加えるおよび/または創傷に流体を送達すると同時に、このような異方性を使用して創閉鎖を機械的に助ける、および/または創傷(例えば、創傷面)に他の治療的力(strain)を加えることができる。例えば、他の実施形態では、陰圧下で創傷インサートが横方向にそれ自体の中心の方に内側に収縮するように、本創傷インサートは、交互の、順次大きくなる閉環状の高密度領域404と低密度領域408を有するように構成されてもよい。
【0051】
図8Aおよび図8Bは、本創傷インサートの改善された吸上特性または「濡れ」性を示す。より詳細には、図8Aに、従来の創傷インサート34、図4のフォーム300(台形またはテーパ状の方形歯状の(squaretooth)形状を有する)から形成された創傷インサート34a、および図5のフォーム350(三角形の鋸歯状の形状を有する)から同様に形成された創傷インサート34bの前方監視赤外線(FLIR)画像を示す。図8Aは、流体が創傷インサート34、34a、および34bのそれぞれの下端に送達される前の初期時間における創傷インサートを示し;図8Bは、流体が創傷インサート34、34a、および34bのそれぞれの下端に送達された後の創傷インサートを示す。図示するように、本創傷インサート34aおよび34bは、流体をその下端から各長さを通して、従来の創傷インサート34よりも迅速に吸い上げる。本創傷インサートのこのような改善された吸い上げは、創傷インサート34aおよび34bが親水性フォームを備えるまたは親水性コーティングでコーティングされる場合、さらに顕著になり得る。幾つかの実施形態では、フォームの個々の領域またはフォーム全体の親水性または疎水性を向上させるために、厚い部分304、薄い部分308、高密度領域404、および/または低密度領域408に(圧縮前または圧縮後に)コーティングおよび/または印刷を施してもよい。このようなコーティングされた領域は、抗生物質または閉塞低減剤などの他の添加剤を含有してもよい、および/またはそれらでコーティングされていてもよい。
【0052】
ここで、図10〜11を参照すると、本創傷インサートの他の特徴を示す、本創傷インサートの実施形態が示されている。図10は、創傷インサート34の上面の写真を示す。創傷インサート34は異方性を有するように構成されている。より詳細には、高密度領域404の方が低密度領域408よりも引張強度が大きく、図示するように、創傷インサートは低密度領域408に沿って引裂できるようになっている。より詳細には、創傷インサート34に引裂力を加える(例えば、2つの高密度領域404を互いに離れる方向に引っ張ることにより)と、フォームは、他のどの方向よりも、高密度領域の間の低密度領域408に沿って引裂し易い。このようなものとして、低密度領域408は、別にフォームを穿孔する必要なく(例えば、製造コストおよび複雑さを低減し、穿孔プロセスにより形成され得る切屑をなくす)、方向性のある引裂を可能にする比較的弱いゾーンと記載することができる。低密度領域408は、図示される実施形態では列状に設けられているが、他の実施形態では低密度領域は任意の適した配置で設けられてもよい。例えば、本創傷インサートは、低密度領域408と高密度領域404を交互の、順次大きくなる長方形(例えば、正方形)、環(例えば、円)、または格子縞模様の形態で含むことができる。
【0053】
図11は、創傷インサート34aの一部の写真を示し、より詳細には、単一の高密度領域404を含むように引裂されたまたは他の方法で分離された高密度領域404と、高密度領域404に隣接する隣接低密度領域408の部分とを示す。図示するように、高密度領域408は、様々な形状に圧縮されるのに十分な機械的強度および/または耐久性がある。例えば、図示されている実施形態では、高密度領域404は、円形の形状になるように渦巻状にされたものである。さらに、フォームを破壊することなくおよび/またはフォームの粒子が創傷の中でなくなることなく、高密度領域404をトンネルタイプの創傷に挿入する、および/またはトンネルタイプの創傷から除去することができるように、単一の高密度領域404(および隣接低密度領域の隣接する部分)を創傷インサート34から引裂しても、または取り出してもよい。
【0054】
本創傷ドレッシングの幾つかの実施形態は、患者(例えば、30)の創傷(例えば、26)上に、および/または創傷面(例えば、42)上にまたはそれと接触して配置されるように構成された創傷ドレッシング(例えば、34a、34bなどの本創傷ドレッシングのいずれか)を含み、創傷インサートは、高密度領域(例えば、404)と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域(408)とを有するフォーム(例えば、300)を備える。幾つかの実施形態では、フォームは滅菌されている(例えば、微生物および/または細菌を実質的に含まない)。幾つかの実施形態は、さらに、ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように(例えば、図1に示すものなどのように)、患者の皮膚(例えば、46)に連結されるように構成されたドレープ(例えば、38)を備える。
【0055】
本創傷治療方法の幾つかの実施形態は、創傷インサート(例えば、34a、34bなどの本創傷インサートのいずれか)を患者(例えば、30)の創傷(例えば、26)上に配置するステップを含み、創傷インサートは、高密度領域(例えば、404)と、高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域(408)とを有するフォーム(例えば、300)を備える。幾つかの実施形態では、フォームは滅菌されている(例えば、微生物および/または細菌を実質的に含まない)。幾つかの実施形態は、さらに、ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、ドレープ(例えば、38)を創傷に隣接する皮膚(例えば、46)に連結するステップを含む。幾つかの実施形態は、創傷ドレッシングを通して(例えば、創傷インサートを通して)創傷に陰圧を印加するステップを含む。幾つかの実施形態では、創傷に陰圧を印加するステップは、創傷ドレッシングに連結される真空源(例えば、図1の装置14、または図3の真空源200)を作動させるステップを含む。幾つかの実施形態は、創傷ドレッシングを通して創傷に流体を送達するステップを含む。幾つかの実施形態では、流体を送達するステップは、創傷ドレッシングに連結される流体源(例えば、図3の流体源248)を作動させるステップを含む。
【0056】
本創傷治療システムの幾つかの実施形態は、システム10のいずれかの実施形態(またはシステム10のいずれかの実施形態の構成要素の任意の部分集合)、および本創傷インサートおよび/または創傷ドレッシングの1つ以上を備える。
【0057】
本明細書に記載のデバイス、システム、および方法の様々な例示的実施形態は、開示されている特定の形態に限定されるものではない。むしろ、それらは、特許請求の範囲に入る全ての変更形態および代替形態を含むものとする。
【0058】
ミーンズ−プラス−ファンクションまたはステップ−プラス−ファンクションの限定がそれぞれ「〜の手段」または「〜のステップ」の語句を使用する特定の請求項に明示的に記載されない限り、請求項はこのような限定を含むことを意図しておらず、またそのように解釈されるべきではない。
【0059】
前述の利益および利点は、一実施形態に関することもあれば、幾つかの実施形態に関することもあることが分かるであろう。さらに、特記しない限り、「1つの(an)」ものを指す場合、それは、それらのものの1つ以上を指すことが分かるであろう。
【0060】
本明細書に記載の方法のステップは、適宜、任意の適した順番で行われても、または同時に行われてもよい。
【0061】
適宜、前述の実施例のいずれかの態様を、記載されている他の実施例のいずれかの態様と組み合わせて、同等のまたは異なる特性を有し、同じまたは異なる問題に対処する他の実施例を構成することもできる。
【0062】
好ましい実施形態の上記の説明は、例示として記載しているに過ぎず、当業者によって様々な変更が行われ得ることが分かるであろう。上記明細書、実施例、およびデータは、例示的実施形態の構造および使用について完全に説明する。様々な実施形態をある程度詳細に、または1つ以上の個々の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷インサートの製造方法であって、
厚い部分と薄い部分とを有するフォームの少なくとも一部を圧縮し、前記圧縮されたフォームが実質的に一定の厚みを有するように、且つ前記厚い部分の密度が前記薄い部分の密度より大きくなるようにするステップ;および
外部圧縮力が存在しなくても前記フォームが実質的に圧縮されたままとなるように、前記圧縮されたフォームを処理するステップ;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、処理するステップが、前記圧縮されたフォームを加熱して、前記フォームの弾性を低下させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記フォームを圧縮する前、前記厚い部分と薄い部分の密度が実質的に同じであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、処理するステップが、前記フォームの少なくとも一部に分配されているコーティングを活性化させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記フォームと前記コーティングを加熱することにより、前記コーティングが活性化されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法において、前記コーティングが接着剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、前記コーティングが架橋性ポリマーを含み、活性化させるステップが、前記コーティングを光と高温の少なくとも1つに暴露し、前記架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法において、
前記フォームを冷却するステップ;
をさらに含み、
冷却するステップが前記圧縮されたフォームを処理した後に行われることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法において、前記厚い部分の圧縮厚みが、前記薄い部分の非圧縮厚みに実質的に等しいことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法において、圧縮された後、前記フォームが異方性を示すことを特徴とする方法。
【請求項11】
創傷ドレッシングに使用される創傷インサートであって、
高密度領域と低密度領域を有するフォーム;
を備えることを特徴とする創傷インサート。
【請求項12】
請求項11に記載の創傷インサートであって、前記フォームが親水性フォームを含むことを特徴とする創傷インサート。
【請求項13】
請求項11に記載の創傷インサートであって、前記高密度領域と低密度領域が交互に配列されていることを特徴とする創傷インサート。
【請求項14】
請求項11に記載の創傷インサートであって、前記高密度領域と低密度領域が格子模様に配置されていることを特徴とする創傷インサート。
【請求項15】
陰圧創傷療法を使用する創傷治癒に用いられる創傷ドレッシングであって、
請求項11〜14のいずれか1項に記載の創傷インサートと;
ドレープが前記創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、ドレッシングが貼付される創傷に隣接する患者の皮膚に連結されるドレープと;
を備える創傷ドレッシング。
【請求項16】
創傷インサートの製造方法であって、
フォームの少なくとも一部を圧縮して、前記フォームが実質的に一定の厚みを有するようにし、且つ前記厚い領域の密度が前記薄い領域の密度より大きくなるようにするステップ;
前記フォームの弾性を低下させるのに十分な高温に前記フォームを加熱するステップ;および
前記圧縮された部分が実質的に圧縮されたままとなるように、前記フォームを冷却するステップ;
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域を含むフォームを提供するステップ、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、圧縮される前、前記フォームが、実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、前記フォームが連続気泡フォームを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記フォームが親水性フォームを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法において、圧縮される前、前記フォームの前記厚い領域の非圧縮厚みが、前記薄い領域の非圧縮厚みより大きく、前記厚い部分の圧縮厚みが前記薄い部分の非圧縮厚みに実質的に等しいことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、圧縮された後、前記フォームが異方性を示すことを特徴とする方法。
【請求項23】
創傷インサートの製造方法であって、
フォームの少なくとも一部を圧縮して、前記フォームが実質的に一定の厚みを有するようにし、且つ前記厚い領域の密度が前記薄い領域の密度より大きくなるようにするステップ;および
外部圧縮力が存在しなくても前記圧縮された部分が少なくとも部分的に圧縮されたままとなるように、前記フォームの少なくとも一部に分配されているコーティングを活性化させるステップ;
を含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、圧縮される前、前記フォームが実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
実質的に同じ密度を有する厚い領域と薄い領域とを含むフォームを提供するステップ、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、前記コーティングが接着剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法において、前記コーティングが架橋性ポリマーを含み、活性化させるステップが、前記コーティングを光と高温の少なくとも1つに暴露し、前記架橋性ポリマーの少なくとも一部を架橋させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
創傷ドレッシングに使用される創傷インサートであって、
高密度領域と、前記高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有するフォーム;
を備える創傷インサート。
【請求項29】
請求項28に記載の創傷インサートであって、前記フォームが請求項16に記載の方法により形成されることを特徴とする創傷インサート。
【請求項30】
請求項28に記載の創傷インサートであって、前記フォームが親水性フォームを含むことを特徴とする創傷インサート。
【請求項31】
請求項28に記載の創傷インサートであって、前記高密度領域と低密度領域が交互に配列されていることを特徴とする創傷インサート。
【請求項32】
請求項28に記載の創傷インサートであって、前記高密度領域と低密度領域が格子模様に配置されていることを特徴とする創傷インサート。
【請求項33】
患者の創傷上に配置されるように構成された創傷インサートであって、高密度領域と、前記高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有するフォームを備える創傷インサートと;
ドレープが前記創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、創傷に隣接する患者の皮膚に連結されるように構成されたドレープと;
を備える創傷ドレッシング。
【請求項34】
創傷インサートを患者の創傷上に配置するステップであって、前記創傷インサートが、高密度領域と、前記高密度領域の密度よりも密度が低い低密度領域とを有するフォームを備えるステップ;および
ドレープが創傷インサートと創傷を被覆し、ドレープと創傷との間に空間を形成するように、創傷に隣接する皮膚にドレープを連結するステップ;
を含む創傷治療方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、
前記創傷ドレッシングを通して創傷に陰圧を印加するステップ;
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、陰圧を印加するステップが、前記創傷ドレッシングに連結される真空源を作動させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項34に記載の方法であって、
前記創傷ドレッシングを通して創傷に流体を送達するステップ;
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、流体を送達するステップが、前記創傷ドレッシングに連結される流体源を作動させるステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2013−517097(P2013−517097A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550075(P2012−550075)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2011/021658
【国際公開番号】WO2011/090991
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(505167473)ケーシーアイ ライセンシング インク (19)
【Fターム(参考)】