説明

高尿酸血症の治療のためのペンタジエン酸誘導体の使用

高尿酸血症、および/または1つもしくは複数の関連する障害もしくは疾患を予防または治療するための、かつ/または対象の血清尿酸値を低下させるための医薬品を調製する際の式(I)のペンタジエン酸誘導体の使用。こうしたペンタジエン酸誘導体を含む予防および/または治療用の医薬組成物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強力な経口用の低尿酸血症剤として確認されたペンタジエン酸誘導体を使用して、血漿尿酸濃度を低下させ、痛風に関連する病態を治療する方法に関する。
【0002】
本発明はまた、こうした方法用の医薬品を調製するためのこうした誘導体の使用、およびこうした目的の新規な医薬品にも関する。
【背景技術】
【0003】
尿酸は、ヒトにおけるプリンヌクレオチド異化作用の最終産物である。ヒト以外のほとんどの哺乳動物は、酵素ウリカーゼを発現し、この酵素は尿酸をさらにアラントインにまで分解する。したがって、男性および閉経前の女性における統計的に正常な尿酸濃度(それぞれ1デシリットル当たり7mg、すなわち1リットル当たり420μmol、および1デシリットル当たり6mg、すなわち1リットル当たり360μmol)は、in vitroでの尿酸塩の溶解度の限界(37度で1デシリットル当たり約7mg)に近く、微妙な生理的尿酸バランスを強いている。尿酸は、弱い有機酸である。pH7.40、温度37℃の血清状態では、尿酸の約98%は、尿酸一ナトリウムとしてイオン化されている。
【0004】
ヒトにおける高尿酸血症は、一般的であり、年齢の増加、多様な病理学的状態、およびある種の薬物の使用と共により一般的になる。血清尿酸値の増加は、尿酸産生の増大および/または尿酸の腎排泄の低下に起因する可能性がある。尿酸の過剰産生は、過剰な食事性プリン摂取、特異的な疾患状態(悪性腫瘍、乾癬)、ATPの代謝回転の増大、または遺伝性酵素欠損に関係する可能性がある。過少な尿酸の腎排泄は、腎臓の尿酸処理の欠陥、尿酸塩の糸球体ろ過の低下、または近位尿細管による再吸収−分泌の変化に関係する可能性がある。
【0005】
高尿酸血症は、西洋諸国の男性の少なくとも1パーセントが罹患している一般的な医学的問題であり、痛風につながる可能性のある代謝障害である。尿酸の濃度が増加すると、尿酸結晶の沈殿および尿酸の組織沈着が生じて、痛風の他の徴候、すなわち急性の炎症性関節炎の発作、関節内およびその周囲における尿酸結晶の結節性沈着、慢性関節炎、腎実質における尿酸結晶の沈着、および尿石症(すべて、単独でまたは組み合わせて)をもたらす可能性がある。痛風性関節炎の罹患率は、血清尿酸値が1デシリットル当たり7〜8.9mgの対象では5倍上昇し、血清尿酸値が1デシリットル当たり少なくとも9mg(1リットル当たり530μmol)の対象では最高で50倍まで上昇する。痛風の患者は、腎不全および末期腎疾患を発症する可能性がある。「痛風腎」と称される腎疾患は、慢性の間質性腎障害を特徴とし、これは尿酸一ナトリウムの骨髄性沈着(medullary deposition)によって促進される。痛風の患者の大多数(80〜90%)では、血清尿酸値の増加は、尿酸の腎排泄の減少に関係している。
【0006】
一方、薬剤(すなわち、利尿薬、免疫抑制薬、細胞毒性薬)に関係する、または多様な病状(すなわち、様々な腎障害、骨髄増殖性疾患、インスリン抵抗性に関連する病態、移植レシピエントの病態)に関係する二次性高尿酸血症は、腎臓機能を悪化させて慢性および急性腎不全を生じる可能性もある。また尿酸の過剰産生および酸性尿は、シュウ酸カルシウム尿石症の危険性を増大させる。
【0007】
高尿酸血症および痛風のすべての臨床データおよび処置は、Oxford Textbook of Clinical Nephrology、The Kidney(BrennerおよびRector著)、Renal Pathology with Clinical and Functional Correlations、Rheumatology、Principles of Internal Medicine(Harrison著)、The Pharmacological Basis of Therapeutics(GoodmanおよびGilman著)、およびTerkeltaub R.A.のGout:Clinical Practiceにおける参考文献によって裏付けされる。
【0008】
高尿酸血症およびその心臓血管系に対する影響が、最近新たに関心を呼んでいる。尿酸と心血管疾患の関係は、少なくとも20件の疫学的および臨床上の研究で調べられている。高尿酸血症は、長期にわたる心血管機能障害を伴う。尿酸の上昇は、高血圧症、虚血性心疾患、および脳卒中の発現の危険性を増大させる、代謝異常症候群の一般的な特徴であることが最近の疫学研究で示された。高尿酸血症が、心血管疾患の危険因子(因果的役割)であるのか、それとも代謝異常症候群のマーカー部分にすぎないのかは、なお論争中である(S.ワタナベら)。
【0009】
痛風の処置には、急性関節炎の炎症および尿石症の治療だけでなく、再発性疾患および進行を予防する目的で尿酸濃度を低下させることも含まれる。急性の痛風性関節炎に対する利用可能なあらゆる全身療法(非ステロイド系抗炎症薬、全身性コルチコステロイド、およびコルチン)は、著しい潜在的に激しい副作用を有し、そのため、その使用が禁忌となる可能性があり、また特に血清尿酸値が1デシリットル当たり9mg(1リットル当たり530μmol)を超える対象において、代替治療、ならびに血漿尿酸濃度を低下させることによる発生および再発の予防の必要性が正当化される可能性がある。血漿尿酸を飽和レベルより低下させるには、いくつかの治療方針のいずれかが必要となる可能性がある。キサンチン酸化酵素阻害薬(例えば、アロプリノール)を使用すると、尿酸の産生が低下するが、例えば過敏症および有害な薬物−薬物相互作用の誘発を含めた、しばしば治療の中断が当然になるのに十分な激しい副作用をも伴う。尿酸排泄薬を使用すると、尿酸の排泄が増加し、それにより血漿濃度が低下する。それらのうちで、プロベネシッド、スルフィンピラゾン、およびベンズブロマロンが、最もよく知られている。すべてが、普遍的に利用可能なわけではなく、多くの副作用または禁忌がある。尿酸排泄薬としてのペルオキシソーム増殖−活性化受容体の活性化剤が、国際公開WO00/47209号で提案されている。トログリタゾンなど、このクラスのいくつかのインスリン感受性増強剤が、欧州特許出願公開第0919232号で高尿酸血症およびそれに関連する障害を予防または治療するために提案されている。高尿酸血症と心血管疾患の可能な関係については、ほとんど分かっておらず、高尿酸血症とこうした疾患の関連は、インスリン抵抗性と関係があると言われている(Wortmann RL、Gout and hyperuricemia Curr.Opin.Rheumatol、2002年、5月、14(3)、281〜6頁)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、より強力で安全な低尿酸血症剤(尿酸排泄剤を含めた)についてさらに調査して、既存の方法に勝る利点を与える新規な治療上の処置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
今回、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化、および糖尿病の治療に使用できるものとして開示されたある種の2,4−ペンタジエン酸誘導体が、強力な高尿酸血症治療薬であることが思いがけなく発見された。
【0012】
こうしたペンタジエン酸誘導体は、1998年12月29日付けのフランス特許出願第98 16574号の優先権を主張する欧州特許出願公開第1,140,893号および米国特許第6,596,758号に開示されており、これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
本発明は、高尿酸血症および/または関連する障害もしくは疾患の予防および/または治療を必要とする対象に、式(I)の少なくとも1種のペンタジエン酸誘導体を有効量投与することによって、高尿酸血症および/または関連する障害もしくは疾患を予防および/または治療する方法を提供する。
【0014】
本発明に従って治療される高尿酸血症に関連する疾患は、痛風、急性の炎症性関節炎、関節内およびその周囲における尿酸結晶の結節性沈着、慢性関節炎、腎実質における尿酸結晶の沈着、尿石症、ならびに痛風性腎障害とも称される関連する腎疾患のうちの1種または複数を含む。
【0015】
本発明によれば、治療することができる高尿酸血症は、一次性高尿酸血症だけではなく、薬剤に関連する高尿酸血症(例えば、利尿薬、細胞毒性薬の免疫抑制薬による)、または多様な病状(例えば、腎障害、骨髄増殖性疾患、インスリン抵抗性および移植レシピエントに関連する病態)に関連する高尿酸血症などの二次性高尿酸血症も含む。
【0016】
本発明の方法に従って治療される対象は、例えば、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、または糖尿病、または糖尿病関連障害など他の疾患または障害に罹患していてもしていなくてもよい。
【0017】
本発明はまた、式(I)の少なくとも1種の2,4−ペンタジエン酸誘導体を対象に血清尿酸値を低下させるのに有効な量だけ投与することによって、対象の血清尿酸値を低下させる方法も提供する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、治療される対象は、治療前の血清尿酸値が、1デシリットル当たり7mg(1リットル当たり420μmol)以上である。
【0019】
好ましくは、治療される病態は、関節もしくは腎臓中の高い尿酸濃度、または1デシリットル当たり9mg(1リットル当たり530μmol)を超える血清濃度によって引き起こされる痛風もしくは何らかの病態である。
【0020】
好ましくは、血清濃度を低下させるために対象に投与される量は、正常な尿酸濃度を実現する量である。
【0021】
必要なら、男性または女性の正常血清濃度から最高で80%低下させた血清濃度を実現することも可能である。
【0022】
本発明の治療は、好ましくは式(I)の2,4−ペンタジエン酸誘導体を経口経路で投与することによって行われるが、例えば、注射や注入など非経口経路を含めた他のどの経路によって行うこともできる。
【0023】
本発明による治療は、好ましくは、有効量の式(I)の2,4−ペンタジエン酸誘導体を1日に1回または2回、投与することによって行われる。
【0024】
治療の期間は、好ましくは長期間正常な酸性尿の血清濃度を得ることを目的として患者の病態に容易に適合させることができる。
【0025】
本発明はまた、高尿酸血症および/または前述の関連する障害もしくは疾患の1つもしくは複数を予防または治療するための、かつ/または対象の血清尿酸値を低下させるための医薬品の調製に式(I)のペンタジエン酸誘導体を使用することを提供する。
【0026】
本発明によれば、好ましくは、この使用により、治療前に血清尿酸値が1デシリットル当たり7mg(1リットル当たり420μmol)以上であり、さらに好ましくは、治療すべき病態が、関節もしくは腎臓中の高い尿酸濃度、または1デシリットル当たり9mg(1リットル当たり530μmol)を超える血清濃度によって引き起こされる痛風または何らかの病態である対象用の医薬品を調製することが可能になる。
【0027】
本発明による使用は、好ましくは、式(I)の2,4−ペンタジエン酸誘導体を経口経路で投与するのに適した医薬品を調製するために行われるが、例えば、注射や注入など非経口経路を含めた他のどの経路によって行うこともできる。
【0028】
好ましくは、本発明による使用により、有効量の式(I)の2,4−ペンタジエン酸または誘導体を1日に1回または2回、投与するための医薬品を調製することが可能になる。
【0029】
本発明はまた、ヒト向けに許容されるビヒクル中に式(I)の少なくとも1種の2,4−ペンタジエン酸誘導体を有効量含む、高尿酸血症および/または前述の関連する疾患もしくは障害の治療用の新規な医薬組成物を提供する。
【0030】
好ましくは、この有効量は、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病の治療に使用される関連する2,4−ペンタジエン酸誘導体の必要とされる量よりもかなり少ない。
【0031】
この有効量は、好ましくは50%より少なく、さらに好ましくは90%、さらには95%より少ない。
【0032】
例えば、成人に投与する1日当たりの投与量中の有効量には、体重1kg当たり0.15〜4mg、より好ましくは0.3〜1mgが含まれる。
【0033】
本発明に従って使用される化合物は、以下の式(I)に相当する。
【0034】
【化1】

式中、Xは、OまたはSを表し、
Aは、二価の基−(CH2s−CO−(CH2t−、または二価の基−(CH2s−CR34−(CH2t−のいずれかを表し、これらの基中でs=t=0であり、あるいはsとtのうちの一方は、値が0であり、もう一方は、値が1であり、R4は、水素原子または(C1〜C15)アルキル基を表し、
1およびR2は、それぞれ独立に、以下に定義されるZ鎖;水素原子;(C1〜C18)アルキル基;(C2〜C18)アルケニル基;(C2〜C18)アルキニル基;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された(C6〜C10)アリール基;あるいはハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された、O、N、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む単環または二環式(C4〜C12)ヘテロアリール基を表し、
3およびR4は、それぞれ独立に、R1およびR2について上記に示したZ鎖以外のいずれか1つの意味をとり、あるいは
3とR4が一緒になって、ハロゲン原子で、または場合によってハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C2〜C6)アルキレン鎖を形成し、
Rは、ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルコキシカルボニル基;Ra−CO−NH−またはRabN−CO−基[式中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルキル;水素原子;(C6〜C10)アリールまたは(C6〜C10)アリール(C1〜C5)アルキル(このアリール部分は、ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換される);ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された(C3〜C12)シクロアルキルを表す];場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルキル基;場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルコキシ;ならびにアリール、シクロアルキル、およびシクロアルケニル部分が、ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリール、(C6〜C10)アリール(C1〜C5)アルキル、(C6〜C10)アリールオキシ、(C3〜C12)シクロ−アルキル、(C3〜C12)シクロアルケニル、(C3〜C12)シクロアルキルオキシ、(C3〜C12)シクロアルケニロキシ、または(C6〜C10)アリールオキシカルボニル;−OHから選択され、
pは、0、1、2、3、または4を表し、
Zは、次式の基を表し、
【0035】
【化2】

[式中、nは、1または2であり、
R’基は、それぞれ独立に、水素原子;(C1〜C5)アルキル基;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリール基;あるいはハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された、O、N、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む単環または二環式(C4〜C12)ヘテロアリール基を表し、
Yは、−OH;(C1〜C5)アルコキシ;または―NRcd基を表し(式中、RcおよびRdは、それぞれ独立に、水素原子;(C1〜C5)アルキル;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C3〜C8)シクロアルキル;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリールを表し);
あるいは、Yは、次式のグルコミン酸を表す]
【0036】
【化3】

当然のことながら、R1とR2のただ一方のみがZ鎖を表す。
【0037】
本発明はまた、分子中に存在する官能基に応じて、こうした化合物と薬剤として許容される酸または塩基との塩、およびこうした化合物のエステルをも目的とする。
【0038】
式(I)の化合物が、酸性官能基、例えば、カルボキシル官能基を含む場合、後者は、無機または有機塩基との塩を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
有機または無機塩基との塩の例として、金属、特にアルカリ、アルカリ土類および遷移金属(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなど)と、またはアンモニア、第二級アミン、第三級アミン(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなど)などの塩基と、または塩基性アミノ酸と、またはオサミン(メグルミンなど)と、またはアミノアルコール(3−アミノブタノールや2−アミノエタノールなど)と形成される塩を挙げることができる。
【0040】
式(I)の化合物が、塩基性官能基、例えば、窒素原子を含む場合、後者は、有機または無機酸との塩を形成することができる。
【0041】
有機または無機酸との塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸二水素、マレイン酸塩、フマル酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩である。
【0042】
本発明はまた、ピクリン酸、シュウ酸、または光学活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、カンファースルホン酸など、式(I)の化合物の適切な分離または適切な結晶化を可能にする塩を包含する。
【0043】
式(I)は、式(I)の化合物のあらゆる種類の幾何異性体および立体異性体を包含する。
【0044】
本発明によれば、「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなど直鎖または分岐状の炭化水素を含む基を示す。
【0045】
アルキル基が、1個または複数のハロゲン原子で置換されている場合、パーフルオロアルキル、特にペンタフルオロエチルまたはトリフルオロメチルを表すことが好ましい。
【0046】
「アルコキシ」という用語は、上記で定義したアルキル基に酸素原子が結合したものを示す。その例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、およびヘキシルオキシ基である。
【0047】
「アルキレン基」という用語は、直鎖または分岐状アルキレン基、すなわち直鎖または分岐状の二価のアルキル鎖である二価の基を意味することを理解されたい。
【0048】
「シクロアルキル」という用語は、単環式でも多環式でもよく、3〜12個、好ましくは3〜8個の炭素原子を有する飽和炭化水素を含む基を示す。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどの単環シクロアルキル基が、より特に好ましい。
【0049】
本発明によれば、「シクロアルケニル」という用語は、1個または複数の二重結合を有するシクロアルキル基を意味することを理解されたい。
【0050】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味することを理解されたい。
【0051】
「アリール」という用語は、フェニルやナフチルなど6〜10個の炭素原子を有する単環または二環式芳香族炭化水素を含む基を表す。
【0052】
「単環または二環式ヘテロアリール」という用語は、1個または複数の環内ヘテロ原子を有する単環または二環式芳香族基を示す。その例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、キノリル、キノリジニル、イコキノリル(iqoquinolyl)、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、プテリジニル、およびベンゾキセピニル基である。
【0053】
好ましいヘテロアリールは、4〜10個の炭素原子および1〜2個のヘテロ原子を含む。
【0054】
アルケニルおよびアルキニル基は、複数の不飽和結合を含むことができる。
【0055】
アルケニル基は、エチレン型の不飽和結合を含み、アルキニル基は、アセチレン型の不飽和結合を含む。
【0056】
(C6〜C10)アリール、(C3〜C8)シクロアルキル、ヘテロアリール、およびシクロアルケニル基は、場合によっては置換される。「ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された」という表現は、前記アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、およびシクロアルケニル基が、
− ハロゲン原子、
− 1個または複数のハロゲン原子で場合によっては置換されたアルキル基、および
− 1個または複数のハロゲン原子で場合によっては置換されたアルコキシ基から選択される1つまたは複数の置換基で、場合によっては置換されていることを示す。
【0057】
同様に、アルキレン鎖は、置換されている場合、ハロゲン原子および場合によってはハロゲン化されているアルコキシ基から選択される1つまたは複数の同一または異なっている置換基を有することができる。
【0058】
「場合によってはハロゲン化された」という表現は、本発明においては、1個または複数のハロゲン原子で場合によっては置換されていることを意味する。
【0059】
本発明においては、「ベンゾオキセピン」という用語は、次式のベンゾ[b]オキセピン構造を示すのに使用されている。
【0060】
【化4】

本発明によれば、Aが以下の基を表す化合物が好ましい。
【0061】
−(CH2s−CR34−(CH2t
(式中、s、t、R3、およびR4は、式(I)について上記で定義した通りである)。
【0062】
式(I)の化合物の別の好ましいグループは、
・ Xが、Oを表し、
Aが、−CR34−、または置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1およびR2が、それぞれ独立に、Z;H;(C1〜C15)アルキル;(C1〜C15)アルケニル;または(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、ハロゲン原子、もしくは−CF3で場合によっては置換されたフェニルを表し、
3が、R1およびR2について上記に示したZ以外のいずれか1つの意味をとり、
Rが、(C1〜C9)アルキル;(C1〜C5)アルコキシ;ハロゲン原子、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、−CF3、または−OCF3で場合によっては置換されたフェニルまたはフェニルカルボニル;ハロゲン原子;−CF3、および−OCF3から選択され、
Zが、次式の基を表し、
【0063】
【化5】

式中、nが、1を表し、
R’が、(C1〜C5)アルキルを表す化合物から構成される。
【0064】
こうした化合物のうちで、
Xが、Oを表し、
Aが、−CR34−を表し、
Zが、次式を表す化合物、
【0065】
【化6】

・ あるいは
Xが、Oを表し、
Aが、置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1およびR2が、それぞれ独立に、Z、水素原子、または(C1〜C5)アルキルを表し、好ましくはR1がZを表し、好ましくはR2が水素原子を表す化合物が好ましい。
【0066】
3およびR4は、それぞれ独立にR1およびR2について上記に示したZ以外のいずれか1つの意味をとり、
好ましくは、R3およびR4は、それぞれ独立に、(C1〜C5)アルキル基、より好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、最も好ましくはメチルを表す。
【0067】
Zは、次式を表し、
【0068】
【化7】

R’は、(C1〜C5)アルキル、特にメチルまたはフェニル、好ましくはメチルを表す。
【0069】
Yの好ましい意味は、
−OH、
−(C1〜C5)アルコキシ、ならびに
−NRcdであり、式中、RcおよびRdは式(I)について上記で定義した通りである。
【0070】
非常に好ましくは、Yは、−OH、または−(C1〜C5)アルコキシ、特に、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、最も好ましくはエトキシを表す。
【0071】
好ましくは、Rは、(C1〜C5)アルコキシ、特に、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、好ましくはメトキシを表す。
【0072】
同様に、pは、値が0、1、または2であることが好ましい。好ましくは、pは、1または2、最も好ましくは1を表す。
【0073】
特定の好ましい化合物のグループは、以下の化合物から構成される。
【0074】
[Xが、Oを表し、
Aが、置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1がZであり、R2がHであり、
3およびR4が、それぞれ独立に(C1〜C5)アルキル基を表し、
Rが、(C1〜C5)アルコキシであり、
Zが、次式を表し、
【0075】
【化8】

式中、R’は、メチルまたはフェニルを表し、yは、(C1〜C5)アルコキシを表す]
本発明の特に有利な実施形態によれば、上記で定義した好ましいグループの化合物は、pおよびYが上記の意味の1つを有するものである。
【0076】
好ましい化合物の例として、以下の化合物、
−(2E,4E)−5−(2−ペンチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2−ペンチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−6−メトキシ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−[2−(ノン−6−エニル)−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(4−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(6−ノニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(6−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−ノニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−ウンデカニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,−4E)−5−(5−メチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−4−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;および[sic]
−(2E,4E)−5−(2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−4−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−7−(パラ−クロロ−ベンゾイル)ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7,8−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フルオロ−8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フルオロ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3,7−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(9−メトキシ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
およびそのエチルエステルなど、薬剤として許容されるそのエステルを挙げることができる。
【0077】
本発明による方法で投与され、本発明による医薬品の調製に使用され、新規な医薬品の有効成分として含まれる最も好ましい化合物は、(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸(化合物A)、または薬剤として許容されるその塩もしくはエステル、中でもそのエチルエステルである。
【0078】
式(I)の化合物は、欧州特許出願公開第1,140,893号または米国特許第6,596,758号に記載される方法の1つを使用して調製することができる。
【0079】
本発明はさらに、1種または複数の製薬上許容されるビヒクルと組み合わせて、上記で定義した式(I)の化合物を本発明による薬剤として有効な量だけ含む薬剤組成物に関する。
【0080】
こうした組成物は、速放性もしくは徐放性の顆粒、硬ゼラチンカプセルもしくは錠剤の形で経口的に、注射溶液の形で静脈内に、接着性経皮デバイスの形で経皮的に、または液剤、クリーム、もしくはゲルの形で局所的に投与することができる。
【0081】
経口投与用固形組成物は、賦形剤、および、適切なら結合剤、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、または矯味剤(flavor enhancer)を有効成分に添加し、この混合物を錠剤、コーティング錠剤、顆粒、散剤、またはカプセルとして成形することによって調製される。
【0082】
賦形剤の例には、ラクトース、トウモロコシ澱粉、スクロース、グルコース、ソルビトール、結晶性セルロース、および二酸化ケイ素が含まれ、結合剤の例には、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルエーテル)、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガカントゴム、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、およびペクチンが含まれる。潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、および硬化植物油が含まれる。着色剤は、医薬品に使用することが承認されているどんな着色剤でもよい。矯味剤の例には、ココアパウダー、ハーブの形のミント、芳香粉末(aromatic powder)、油状のミント、ボルネオール、およびシナモン粉末が含まれる。もちろん、錠剤または顆粒を、糖、ゼラチンなどで適切にコーティングすることができる。
【0083】
本発明の化合物を有効成分として含む注射剤形は、適切なら、前記化合物を、pH調節剤、緩衝剤、懸濁化剤、可溶化剤、安定化剤、等張化剤、および/または保存剤と混合し、この混合物を従来の方法に従って静脈内、皮下、または筋肉内注射用の形に変換することによって調製される。適切なら、得られた注射剤形を、従来の方法によって凍結乾燥することができる。
【0084】
懸濁化剤の例には、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチル−セルロース、アラビアゴム、トラガカント粉末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタンが含まれる。
【0085】
可溶化剤の例には、ポリオキシエチレン、ポリソルベート80、ニコチンアミド、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン油、およびヒマシ油脂肪酸のエチルエステルで凝固させたヒマシ油が含まれる。
【0086】
さらに、安定化剤には、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、およびエーテルが含まれ、保存剤には、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェニル、クレゾール、およびクロロクレゾールが含まれる。
【0087】
本発明に有用な化合物の例を表1に示す。
【0088】
【表1−1】

【0089】
【表1−2】

【0090】
【表1−3】

【0091】
【表1−4】

【0092】
【表1−5】

【0093】
【表1−6】

【0094】
【表1−7】

他の化合物の実施例を以下の表2に示す。
【0095】
【表2−1】

【0096】
【表2−2】

【0097】
【表2−3】

【0098】
【表2−4】

【0099】
【表2−5】

【0100】
【表2−6】

【0101】
【表2−7】

【0102】
【表2−8】

【0103】
【表3−1】

【0104】
【表3−2】

【0105】
【表3−3】

【0106】
【表3−4】

【0107】
【表3−5】

【0108】
【表3−6】

【0109】
【表3−7】

【0110】
【表3−8】

【0111】
【表3−9】

次に、本発明を、化合物Aに関して説明する。
【実施例】
【0112】
実施例1
健常な男性ボランティアにおける化合物Aの低尿酸血症効果
48人の健常な男性ボランティアに、EMDまたはプラセボを朝に1回投与として経口投与した。1日1回、50mg、100mg、200mg、400mg、800mg、および1200mgの6種の用量を投与した。各用量グループにおいて、6人の対象者に化合物Aを投与し、2人の対象者にプラセボを投与した。すべての用量グループにおいて、血漿尿酸濃度を評価した。
【0113】
化合物Aを投与されたすべての対象において、すべての用量グループで、24時間後に用量に依存した血漿尿酸濃度の低下が観察された。血漿尿酸濃度の低下は、テストされた最低の用量(50mg)では約45%であり、最大の効果(80%)は、800mgの用量で観察された。プラセボでは変化は観察されなかった。
【0114】
実施例2
16人の健常な男性ボランティアに、EMDまたはプラセボを朝に1回投与として経口投与し(1日目)、続いて3日後から7日間(4日目〜10日目)繰返し投与した。1日1回、100mgおよび200mgを投与した。各用量グループにおいて、6人の対象者に化合物Aを投与し、2人の対象者にプラセボを投与した。プラセボでは変化は観察されなかった。
【0115】
【表4】




【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】化合物Aを投与されている対象における、薬剤摂取(1回投与量)前および24時間後の各用量グループの平均血漿尿酸濃度。
【図2】化合物Aを繰返し投与されている対象における、時間および薬剤服用量の関数としての用量グループごとの平均血漿尿酸濃度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高尿酸血症、および/または1つもしくは複数の関連する障害もしくは疾患を予防または治療するための、かつ/または対象の血清尿酸値を低下させるための医薬品を調製する際の式(I)のペンタジエン酸誘導体、
【化1】

{式中、
Xは、OまたはSを表し、
Aは、二価の基−(CH2s−CO−(CH2t−、または二価の基−(CH2s−CR34−(CH2t−のいずれかを表し、これらの基中でs=t=0であり、あるいはsとtの一方は、値が0であり、もう一方は、値が1であり、R4は、水素原子または(C1〜C15)アルキル基を表し、
1およびR2は、それぞれ独立に、以下に定義されるZ鎖;水素原子;(C1〜C18)アルキル基;(C2〜C18)アルケニル基;(C2〜C18)アルキニル基;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された(C6〜C10)アリール基;あるいはハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された、O、N、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む単環または二環式(C4〜C12)ヘテロアリール基を表し、
3およびR4は、それぞれ独立に、R1およびR2について上記に示したZ鎖以外のいずれか1つの意味をとり、あるいは
3とR4が一緒になって、ハロゲン原子で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C2〜C6)アルキレン鎖を形成し、
Rは、ハロゲン原子;シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルコキシカルボニル基;Ra−CO−NH−またはRabN−CO−基[式中、RaおよびRbは、それぞれ独立に、場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルキル;水素原子;(C6〜C10)アリールもしくは(C6〜C10)アリール(C1〜C5)アルキル(前記アリール部分は、ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換される);ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル[sic]基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された(C3〜C12)シクロアルキルを表す];場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルキル基;場合によってはハロゲン化された(C1〜C18)アルコキシ;ならびにアリール、シクロアルキル、およびシクロアルケニル部分が、ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリール、(C6〜C10)アリール(C1〜C5)アルキル、(C6〜C10)アリールオキシ、(C3〜C12)シクロアルキル、(C3〜C12)シクロアルケニル、(C3〜C12)シクロアルキルオキシ、または(C3〜C12)シクロアルケニロキシ;−OHから選択され、
pは、0、1、2、3、または4を表し、
Zは、次式の基を表し、
【化2】

(式中、nは、1または2であり、
R’基は、それぞれ独立に、水素原子;(C1〜C5)アルキル基;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリール基;あるいはハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキル基で、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシ基で場合によっては置換された、O、N、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む単環または二環式(C4〜C12)ヘテロアリール基を表し、
Yは、−OH;(C1〜C5)アルコキシ;または−NRcd基を表し、式中、RcおよびRdは、それぞれ独立に、水素原子;(C1〜C5)アルキル;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C3〜C8)シクロアルキル;ハロゲン原子で、場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルキルで、または場合によってはハロゲン化された(C1〜C5)アルコキシで場合によっては置換された(C6〜C10)アリールを表し、
あるいは、Yは、次式のグルコミン酸を表す)
【化3】

当然のことながら、R1とR2のただ一方のみが、Z鎖である}ならびに薬剤として許容されるそれと酸もしくは塩基との塩、またはエステルの使用。
【請求項2】
Aは、二価の基の−(CH2S−CR34−(CH2t−を表し、式中、s、t、R3、およびR4は請求項1で定義した通りであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Xが、Oを表し、
Aが、−CR34−、または置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1およびR2が、それぞれ独立に、Z;H;(C1〜C15)アルキル;(C2〜C15)アルケニル;または(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、ハロゲン原子、もしくは−CF3で場合によっては置換されたフェニルを表し、
3およびR4が、それぞれ独立に、R1およびR2について上記に示したZ以外のいずれか1つの意味をとり、
Rが、(C1〜C9)アルキル;(C1〜C5)アルコキシ;ハロゲン原子、(C1〜C5)アルキル、(C1〜C5)アルコキシ、−CF3、または−OCF3で場合によっては置換されたフェニルまたはフェニルカルボニル;ハロゲン原子;−CF3、および−OCF3から選択され、
Zは、次式の基を表し、
【化4】

(式中、nは、1を表す)
R’は、(C1〜C5)アルキルまたは(C6〜C10)アリールを表すことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
Xが、Oを表し、
Aが、置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1およびR2が、それぞれ独立に、Z、水素原子、または(C1〜C5)アルキルを表し、
3およびR4が、それぞれ独立に、R1およびR2について上記に示したZ以外のいずれか1つの意味をとり、
Zが、次式を表し、
【化5】

R’が、メチルまたはフェニルを表す、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
1が、Zを表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
2が、水素原子を表す、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
Yが、(C1〜C5)アルコキシを表す、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
Yが、−OH;(C1〜C5)アルコキシ;または−NRcdを表し、式中、RcおよびRdが請求項1で定義した通りである、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
R’が、メチルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
Rが、(C1〜C5)アルコキシである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
pが、0、1、または2を表す、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
Xが、Oを表し、
Aが、置換されていないメチレン基がXに結合した−CH2−CR34−を表し、
1がZであり、R2がHであり、
3およびR4が、それぞれ独立に(C1〜C5)アルキル基を表し、
Rが、(C1〜C5)アルコキシであり、
Zが、次式を表し
【化6】

式中、R’は、メチルまたはフェニルを表し、yは、(C1〜C5)アルコキシを表す請求項1に記載の使用。
【請求項13】
前記誘導体が、
−(2E,4E)−5−(2−ペンチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2−ペンチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−6−メトキシ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−[2−(ノン−6−エニル)−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(4−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(6−ノニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(6−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−ノニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−ウンデカニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(2−フェニル−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,−4E)−5−(5−メチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−4−イル)−3−メチル−ペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;および
−(2E,4E)−5−(2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−4−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2Z,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7,8−ジメトキシ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−7−(パラ−クロロ−ベンゾイル)ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−クロロ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7,8−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フルオロ−8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フルオロ−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−トリフルオロメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3,7−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
−(2E,4E)−5−(9−メトキシ−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾオキセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸;
および薬剤として許容されるそのエステルからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
治療される高尿酸血症に関連する疾患が、痛風、急性の炎症性関節炎、関節内およびその周囲における尿酸結晶の結節性沈着、慢性関節炎、腎実質における尿酸結晶の沈着、尿石症、ならびに痛風性腎障害とも称される関連する腎疾患のうちの1種または複数を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項15】
治療される高尿酸血症が、一次性高尿酸血症、ならびに薬剤に関連する高尿酸血症(例えば、利尿薬、細胞毒性薬の免疫抑制薬による)、または多様な病状(例えば、腎障害、骨髄増殖性疾患、インスリン抵抗性および移植レシピエントに関連する病態)に関連する高尿酸血症などの二次性高尿酸血症を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項16】
治療前の血清尿酸値が、1デシリットル当たり7mg(1リットル当たり420%m)以上である対象用の医薬品を調製するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
【請求項17】
治療される病態が、関節もしくは腎臓中の高い尿酸濃度、または1デシリットル当たり9mg(1リットル当たり530μmol)を超える血清濃度によって引き起こされる痛風もしくは何らかの病態である、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
式(I)の2,4−ペンタジエン酸誘導体を経口経路で投与するのに適した医薬品を調製するための、請求項1から17のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
有効量の式(I)の2,4−ペンタジエン酸または誘導体を1日に1回または2回投与するための医薬品を調製するための、請求項1から18のうちのいずれか一項に記載の使用。
【請求項20】
前記ペンタジエン酸誘導体の量が、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病の治療に使用されるような関連する誘導体に必要とされる量よりも実質的に少ない、請求項1から19のいずれか一項に記載の使用。
【請求項21】
前記量が、少なくとも50%だけ少ない、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記量が、少なくとも90%だけ少ない、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記ペンタジエン酸誘導体の量が、ヒトの体重1Kg当たり0.15〜4mgである、請求項1から20のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
前記量が、ヒトの体重1Kg当たり0.3〜1.0mgである、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記誘導体が、(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ−キセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸、または薬剤として許容されるその塩もしくはエステル、とりわけそのエチルエステルである、請求項1から24のうちの一項に記載の使用。
【請求項26】
ヒト向けに許容されるビヒクル中に、請求項1から13のいずれか一項で定義した少なくとも1種の2,4−ペンタジエン酸誘導体の有効量を含む、高尿酸血症および/または前記関連する疾患もしくは障害の治療のための、および/または血清尿酸値を低下させるための新規な医薬組成物。
【請求項27】
前記有効量は、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病の治療に使用される関連する2,4−ペンタジエン酸誘導体の必要とされる量よりも実質的に少ない、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記有効量が、少なくとも50%だけ少ない、請求項27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記有効量が、少なくとも90%だけ少ない、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
成人に投与する1日当たりの投与量中の有効量が、体重1kg当たり0.15〜4mgである請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記有効量が、体重1Kg当たり0.3〜1.0mgである、請求項26から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
経口投与用に配合された、請求項26から31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記誘導体が、(2E,4E)−5−(3,3−ジメチル−7−メトキシ−2,3−ジヒドロベンゾ−キセピン−5−イル)−3−メチルペンタ−2,4−ジエン酸、または薬剤として許容されるその塩もしくはエステル、とりわけそのエチルエステルである、請求項26から32のいずれか一項に記載の医薬品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−512267(P2007−512267A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540224(P2006−540224)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012381
【国際公開番号】WO2005/053676
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】