説明

高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法

【課題】本発明の方法は、高嵩密度でかつ蛍光ムラの発生を抑制した洗剤組成物を製造することを課題とする。
【解決手段】本発明は、
(A)蛍光増白剤を除いた洗剤成分を噴霧乾燥することにより、噴霧乾燥粒子を調製する工程、及び
(B)調製した噴霧乾燥粒子、ノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤を捏和して混合物を得る工程、及び
(C)次いで前記混合物を粉砕する工程、
を含む洗剤組成物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵩密度の高い粒子状洗剤組成物を製造する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
衣料用洗剤の製造方法は、界面活性剤やビルダー等を水とともに混合したスラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得た後、造粒工程により粒子の嵩密度を高め、その後酵素等の他の成分と混合し、高嵩密度洗剤を得ることが一般的な方法である。
しかし近年、従来から必要とされている蛍光増白剤を配合した洗剤に加えて、蛍光増白剤を配合しない無蛍光の洗剤が望まれている。このような無蛍光の洗剤は、淡色や生成りといった衣類に対して使用した場合に、その色を維持することを目的として使用される。
蛍光増白剤を配合した洗剤を製造した後に無蛍光の洗剤を製造する際には、蛍光増白剤混入の危険がある。蛍光増白剤混入の危険性を減らすには、スラリー配合槽や乾燥塔といった大容量設備を使用する噴霧乾燥粒子製造ラインでの蛍光増白剤の配合を避け、製造工程の後半で添加することが望ましい。即ち、造粒工程以降で蛍光増白剤を添加することが望まれている。
蛍光増白剤を製造工程の後半で添加する試みは、種々検討されている。蛍光増白剤を攪拌造粒時に粉体で添加する方法や(特許文献1)、エチレングリコールやポリエチレングリコールに溶解し、溶液として混合する方法なども開示されている(特許文献2)。また、蛍光増白剤分散液を粉末洗剤に噴霧添加する方法もなされている(特許文献3、4)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−152198号公報
【特許文献2】特開2006−143812号公報
【特許文献3】特開2005−171149号公報
【特許文献4】特開2005−146101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来技術を用いた場合には、蛍光ムラの問題が生じるに至った。蛍光ムラとは、洗浄時に淡色系衣類の一部に蛍光増白剤が局所的に沈着し、白いスポットが生成することである。
特に近年、洗濯機の大型化やドラム型洗濯機の普及に伴い、浴比の低下及び機械力がかかりにくい部分の発生を原因とした、蛍光ムラのリスクが増大している。さらに、温水や残り湯を洗濯水として利用する場合には、洗濯水温が高くなることで洗剤の溶解性が上昇し、局所的に蛍光増白剤濃度が高くなる部分が発生することに起因する蛍光ムラのリスクがさらに増大する。
従って、これらの問題を解決できる洗剤の製造方法が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、洗剤組成物を特定の方法により製造することで上記問題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(A)蛍光増白剤を除いた洗剤成分を噴霧乾燥することにより、噴霧乾燥粒子を調製する工程、及び
(B)調製した噴霧乾燥粒子、ノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤を捏和して混合物を得る工程、及び
(C)次いで前記混合物を粉砕する工程、
を含む洗剤組成物の製造方法の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の方法により、無蛍光の洗剤を製造する際に、蛍光増白剤がコンタミネーションするリスクを回避することができ、効率よく蛍光洗剤及び無蛍光洗剤を製造できる。
また、本発明の方法により製造した蛍光洗剤組成物は、流動性、洗い上がりの白さ等通常の洗剤に求められる性能を維持しつつ、蛍光ムラの発生を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の方法は、上記のように(A)、(B)及び(C)の3つの工程を含む。各工程の具体的な内容について、以下に説明する。
工程(A)
工程(A)は、蛍光増白剤を除いた洗剤成分を噴霧乾燥して、噴霧乾燥粒子を調製する工程である。
ここで、本発明において「蛍光増白剤を除いた洗剤成分」とは、洗剤成分のうち蛍光増白剤以外の成分から選択される材料を意味する。従って、工程(A)において使用される「洗剤成分」は、洗剤組成物に必要とされる材料のうち、工程(B)で使用する蛍光増白剤及びノニオン界面活性剤を除いた全ての成分であってもよいし、蛍光増白剤を除いた洗剤成分から選択される1以上の成分であってもよい。工程(A)で使用される洗剤成分は、例えば界面活性剤、ビルダー等が挙げられるが、これらに限定されない。また、各材料の配合比率についても特に限定されず、本発明の目的を妨げない範囲で、任意に組み合わせることができる。
噴霧乾燥粒子を製造する方法は、洗剤組成物の製造の分野において通常用いられるいずれの方法であってもよい。例えば、蛍光増白剤を除いた洗剤成分を水に分散・溶解してスラリーを作成し、作成したスラリーを、噴霧乾燥塔を用いて噴霧乾燥することにより製造することができる。噴霧乾燥の際の条件は、使用する材料の量、種類等に基づいて、適宜変更することが可能である。
本発明において作成される噴霧乾燥粒子の粒子径は、特に規定されないが、100〜600μmであってもよい。
【0008】
工程(B)
工程(B)は、工程(A)において調製した噴霧乾燥粒子、ノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤を捏和して、混合物を得る工程である。本方法において捏和を採用しているのは、蛍光剤を偏在せずに微分散するのに適しているからである。
本発明において、噴霧乾燥粒子と蛍光増白剤を捏和混合する際に、ノニオン界面活性剤を使用するのは、通常粉末である蛍光増白剤を分散させる際の分散効率を上げるためである。分散効率を上げることで、粒子中における蛍光増白剤を均一に微分散し、蛍光ムラの発生を防止することができる。
本発明において、ノニオン界面活性剤は、工程(B)において使用する材料の合計質量に対して、2〜15質量%、好ましくは4〜10質量%、さらに好ましくは5〜9質量%の範囲で添加される。ノニオン界面活性剤の添加量を2質量%以上とすることにより、捏和混合時において蛍光増白剤を良好に分散し、蛍光ムラが発生するリスクを減少させることができる。一方15質量%以下とすることにより、得られる洗剤粒子の粉体物性(例えば流動性等)を低下させることなく、良好な洗剤組成物を得ることができる。
本発明において蛍光増白剤は、工程(B)において使用する材料の合計質量に対して、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.03〜0.6質量%、さらに好ましくは0.04〜0.5の範囲で添加される。蛍光増白剤の添加量を0.01質量%以上とすることにより、洗剤組成物において蛍光剤を配合することによる効果を発揮させることができる。一方、1.0質量%以下とすることにより、蛍光ムラの発生するリスクを減少できる。
【0009】
尚、工程(B)おいては、上記乾燥噴霧粒子、ノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤以外の成分を、捏和時に添加することも可能である。これら成分としては、例えばゼオライト、炭酸塩等のビルダー、アニオン活性剤や水等のバインダー物質等が挙げられる。
本発明において使用可能なノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤については、後に説明する。
本発明の捏和は、通常捏和をする際に使用するいずれの機器も使用できる。これら機器の具体的な例としては、例えば連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型等)等が挙げられる。工程(B)においては、例えば、上記連続ニーダーに噴霧乾燥粒子、ノニオン界面活性剤、蛍光増白剤、及び任意でその他界面活性剤や水等のバインダー物質や無機粉体等を供給して捏和を行う。
混練機内部において温度が上昇しすぎるのを防ぐため、混練機のジャケットに冷却水を通しながら捏和を行うことが望ましい。冷却水としては、例えばエチレングリコールの水溶液が好適であり、その濃度は15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%のものを使用する。混練機内における被混練物の制御温度は40〜80℃が好ましい。
【0010】
工程(C)
工程(C)は、工程(B)で得た混合物を押出機のダイス孔から押し出しつつ切断することによりペレット状にし、さらに粉砕して洗剤組成物を得る工程である。尚、前記ペレット状にする工程は、本発明において任意に採用することができ、ペレット状にする工程を採用することで、続く粉砕の工程の効率を上げることができるため好ましい。
押出機としてはスクリュー型押出機が好ましく二軸型がより好ましい。例えば、ペレッターダブル(不二パウダル(株)製、製品名:EXD−100型)、ツインドームグラン(不二パウダル(株)製)等が挙げられる。
ダイス孔径は0.3〜30mmが好ましく、ダイス厚みは5〜50mmが好ましい。ペレット状に成形されたドウ状物の寸法は、直径0.3〜50mm、長さ0.5〜100mmであることが好ましい。
ペレット状に成形されたドウ状物を粉砕装置に供給するとともに、粉砕助剤を添加して粉砕を行う。
粉砕装置としては、ブレードとスクリーンを備えたカッターミルが好ましい。例えば、フィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−6型)等が挙げられる。多段の装置を用いた方が粒度分布がシャープになるため、より好ましい。多段粉砕の場合は下段に行くほどスクリーン径を小さくすることが好ましい。
破砕は装置内に送風しつつ行うことが好ましい。送風温度は10〜20℃が好ましい。送風量は、気/固の比率で1.0〜4.0m3/kgが好ましく、2.5〜3.5m3/kgがより好ましい。
【0011】
尚、本発明における上記粉砕する工程においては、粉砕助剤としてゼオライト、炭酸塩、硫酸塩等を添加することができる。前記粉砕助剤は、粉砕するペレットの合計質量に対して5〜15質量%、好ましくは5〜10質量%、さらに好ましくは5〜8質量%添加することが好ましい。粉砕助剤の添加量を5質量%以上とすることにより、製造時粉砕機や配管への付着を抑制する。一方15質量%以下とすることにより、製造時や洗剤使用時の粉立ちの抑制や粉体の流動性が良好になる。
本発明の方法によって製造された洗剤組成物の平均粒子径は、特に制限されないが、200〜1500μm、好ましくは250〜1000μm、さらに好ましくは300〜700の範囲であってよい。平均粒子径を200μm以上とすることにより、使用時の粉立ちが抑制できる。一方1500μm以下とすることにより、水への溶解性を向上させることができる。
【0012】
かかる洗剤組成物の平均粒子径は、日本薬局方に記載された粒度の試験に準じた篩い分けによる粒度分布から算出される値を示す(特開2004−331816号公報参照)。
具体的には、洗剤組成物について、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、および149μmの9段の篩と、受け皿とを用いて分級操作を行う。分級操作は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の洗剤組成物を入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、aμmよりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算値を「c%」、また、aμmの篩上の質量頻度を「d%」として、次式により平均粒径(質量50%)を求め、かかる粒子の平均粒子径とした。
[式1]

【0013】
また、洗剤組成物は、650〜1200g/L、好ましくは700〜1000g/L、さらに好ましくは750〜950g/Lの嵩密度を有することが好ましい。嵩密度が650〜1200g/Lであることによりハンドリング性、溶解性及び使用性が良好である。さらに、洗剤組成物は、4〜15%、好ましくは5〜13%、さらに好ましくは5〜10%の水分含量を有することが好ましい。水分含量を4%以上とすることにより、溶解性が良好となる。一方15%以下とすることにより、保存安定性が良好である。
本発明においては、上記作成した洗剤組成物に対する後処理として、さらに着色を目的とした染料、香料、付加的な界面活性剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素、ゼオライト及びその他粉末成分等を、攪拌、噴霧等により添加することができる。
尚、洗剤組成物の後処理として、洗剤組成物に対してノニオン界面活性剤を添加することが好ましい。後処理でさらに添加することにより、微粉を減少させて、粉立ちの抑制や粉体流動性を良好にする。また、後処理において前記ノニオン界面活性剤を添加する場合、0.3〜2質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%、さらに好ましくは0.5〜1質量%であることが好ましい。0.3質量%以上とすることにより、粉立ちの抑制や粉体の流動性を良好にする。一方2質量%以下とすることにより、粒子の凝集を抑制する。
【0014】
本発明で使用される材料の説明
(1)蛍光増白剤
本発明において、蛍光増白剤は、衣類等を洗浄した際の洗い上がりの白度を向上させるために添加される。本発明において、蛍光増白剤は、洗剤に使用できるいずれの蛍光増白剤も使用することができるが、好ましくは、ビフェニル型蛍光増白剤又はアミノスチルベン型蛍光増白剤を使用する。
ビフェニル型蛍光増白剤としては、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムが代表的であり、具体的には、チノパールCBS−X(チバスペシャルティーケミカルズ社製)として市販されているものが挙げられる。
アミノスチルベン型蛍光増白剤としては、4,4’−ビス(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム(ホワイテックスSKC、チノパールDMS−X)又は、4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム(ホワイテックスSA、ホワイテックスSAconc、チノパールAMS−GX)が代表的である。これら化合物は、ホワイテックスSA(住友化学(株)製)、ホワイテックスSAconc(日本化薬(株)製)、ホワイテックスSKC(住友化学(株)製)、チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ社製)、チノパールDMS−X(チバスペシャルティケミカルズ社製)として市販されている。
本発明においては、前記蛍光増白剤のうち4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム又は4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムが特に好ましく使用される。これら蛍光増白剤と後述する様なノニオン界面活性剤を併用することで、洗剤組成物中における蛍光増白剤の分散性が向上し、洗剤組成物を使用した際の蛍光ムラの発生を防ぐことができる。尚、本発明において蛍光増白剤は、最終的に得られる洗剤組成物の全体量に対して0.01〜0.6質量%含まれることが好ましく、0.03〜0.4質量%含まれることが好ましい。
【0015】
(2)ノニオン界面活性剤
本発明で使用できるノニオン界面活性剤は、例えば、以下のものが挙げられる。
(a)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(b)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(c)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば下記一般式(I)で示される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
〔化1〕
1CO(OA)nOR2 …(I)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位を示し、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基を示す。)
(d)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(e)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(f)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(g)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(h)グリセリン脂肪酸エステル。
【0016】
上記のノニオン界面活性剤の中でも、(a)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。(c)のノニオン界面活性剤もまた好ましい。特に、上記式(I)において、R1が炭素数16〜18の脂肪酸残基であり、OAがエチレンオキサイドであり、nが10−20の数であり、R2が炭素数1−4のアルキル基であるのが好ましい。融点が50℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。これらのノニオン界面活性剤は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0017】
このようなノニオン界面活性剤を(B)工程で使用することにより、蛍光増白剤を良好に分散でき、特に蛍光増白剤として4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム又は4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム等と組み合わせて使用することが好ましい。
また、同一又は異なるノニオン界面活性剤を用いる場合に、その全部を(B)工程のみで使用することもできるし、(B)工程で一部を使用すると共にその残りを(A)工程、(C)工程又は後処理で使用することも可能である。
なお、上記の「HLB」とは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」,工業図書株式会社,1991年,第234頁参照)。
また、上記の「融点」とは、JIS K 0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
尚、本発明において上記ノニオン界面活性剤は、最終的に得られる洗剤組成物の全体量に対して2〜10質量%含まれることが好ましく、4〜8質量%含まれることがより好ましく、5〜8質量%含まれることが更に好ましい。
【0018】
(3)その他の成分
本発明の洗剤組成物には、前記蛍光増白剤及びノニオン界面活性剤の他に、必要に応じて、通常、衣料用等の洗浄剤組成物に用いられる洗剤成分等の任意成分を適宜、配合することができる。
具体的には、例えば前記ノニオン界面活性剤以外の界面活性剤、洗浄ビルダー、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、帯電防止剤、表面改質剤、再汚染防止剤、粒子強度保持剤、吸油性担体、粘土鉱物、還元剤、消泡剤、香料類、色素類、柔軟性付与剤等が挙げられ、これらを(A)、(B)又は(C)の各工程、及びその後の後処理において使用することも可能である。
【0019】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、通常、洗浄剤組成物に用いられる界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)が併用できる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、以下の(1)〜(12)に示すものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)アルキレンオキサイドを平均0.5〜10モル付加した、炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸塩又は炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸塩(AES);ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とが混在したもの(モル比でEO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(6)アルキレンオキサイドを平均3〜30モル付加した、炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルフェニルエーテル硫酸塩又は炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルフェニルエーテル硫酸塩;ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はEOとPOとが混在したもの(モル比でEO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(7)アルキレンオキサイドを平均0.5〜10モル付加した、炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテルカルボン酸塩又は炭素数10〜20の直鎖若しくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテルカルボン酸塩;ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、又はEOとPOとが混在したもの(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和若しくは不飽和α−スルホ脂肪酸塩又はそのメチル、エチル若しくはプロピルエステル(α−SF又はMES)。
(10)長鎖モノアルキルリン酸塩、長鎖ジアルキルリン酸塩又は長鎖セスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩又はポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
上記のアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。なかでも、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
上記アニオン界面活性剤のなかでも、LAS又はABS、α−SF又はMES、石鹸が好ましく、LAS、MES、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(好ましくは、ナトリウム塩又はカリウム塩)がより好ましい。
アニオン界面活性剤は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
アニオン界面活性剤の含有量は、本発明の洗剤組成物中、1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、洗浄力が向上する傾向にある。
【0020】
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。なかでも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばイミダゾリン系の両性界面活性剤、アミドベタイン系の両性界面活性剤等を挙げることができる。具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
【0021】
(洗浄ビルダー)
洗浄ビルダーとしては、有機ビルダーおよび無機ビルダーが挙げられる。
有機ビルダーとしては、例えばニトリロトリ酢酸塩(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、エチレンジアミンジコハク酸塩(EDDS)、β−アラニンジ酢酸塩(β−ADAA)、アスパラギン酸ジ酢酸塩(ASDA)、メチルグリシンジ酢酸塩(MGDA)、エチルグリシンジ酢酸塩(EGDA)、イミノジコハク酸塩(IDS)等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩(HIDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ若しくはジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、水溶性アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体若しくは共重合体又はそれらの塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体若しくは共重合体又はそれらの塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物、カルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
なかでも、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、質量平均分子量が1000を超えるポリアクリル酸塩、水溶性アクリル酸−マレイン酸共重合体塩が好ましい。
【0022】
無機ビルダーとしては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、結晶性層状ケイ酸ナトリウム、非結晶性層状ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ性塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の中性塩;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;一般式x1(M2O)・Al22・y1(SiO2)・w1(H2O)(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x1、y1およびw1は各成分のモル数を示し、一般的にはx1は0.7〜1.5の数、y1は0.8〜6.0の数、w1は任意の正数を示す。)で表される結晶性アルミノケイ酸塩;一般式x2(M2O)・Al23・y2(SiO2)・w2(H2O)(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x2、y2およびw2は各成分のモル数を示し、一般的にはx2は0.7〜1.2の数、y2は1.6〜2.8の数、w2は0又は任意の正数を示す。)で表される無定形アルミノケイ酸塩;一般式x3(N2O)・Al23・y3(SiO2)・z3(P25)・w3(H2O)(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x3、y3、z3およびw3は各成分のモル数を示し、一般的にはx3は0.2〜1.1の数、y3は0.2〜4.0の数、z3は0.001〜0.8、w3は0又は任意の正数を示す。)で表される無定形アルミノケイ酸塩等が挙げられる。
なかでも、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウムが好ましい。
【0023】
(酵素)
酵素としては、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等を用いることができる。
プロテアーゼの具体例としては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名、昭和電工(株)製);マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム(以上、商品名;ジェネンコア社製);KAP(商品名、花王(株)製)、特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼK−14、K−16等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名、昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼが挙げられる。
アミラーゼの具体例としては、ターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、マキサミル(Maxamyl)(商品名、ジェネンコア社製)、プルラナーゼアマノ(商品名、天野製薬社製)、DB−250、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ(以上、商品名;クルード又は結晶化品が生化学工業社より発売)等が挙げられる。
セルラーゼの具体例としては、セルザイム、ケアザイム(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、KAC500(商品名、花王(株)製)、特開昭63−264699号公報の請求項4に記載のセルラーゼ等が挙げられる。
【0024】
実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。尚、以下の実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、以下に記載する「%」及び「部」は、他に記載のない限りそれぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。さらに、表中の各成文の中で、界面活性剤とゼオライト及びMA剤は純分としての配合量、その他はそのものとしての配合量を示す。
【実施例】
【0025】
実施例で用いた原料
蛍光増白剤:4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(商品名:チノパールCBS−X、チバスペシャルティケミカルズ)/4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウム(商品名:チノパールAMS−GX、チバスペシャルティケミカルズ)=1/1(質量比)の混合物。
ノニオン界面活性剤A:ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90質量%)。
ノニオン界面活性剤B:ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均5モル付加体であり、エチレンオキサイド3〜7モル付加体が全体の90%以上のもの(純分90質量%)。
MES:炭素数14の炭化水素基を有する化合物と、炭素数16の炭化水素基を有する化合物と炭素数18の炭化水素基を有する化合物との混合割合が質量比で10:80:10のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩の水溶液(ライオン(株)製;AI濃度=70質量%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等である。)。ここで、「AI」とは、MES中に含まれる、界面活性剤としての機能を有する化合物を示す。MES中には、通常、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩のほか、副生物としてα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩が含まれる。α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩と同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、AI濃度は、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩と、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度を意味する。
【0026】
LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(LAS−H 純分96質量%)]を、界面活性剤組成物の調製時に48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和した化合物。表1中の配合量は、LAS−Naとしての値(質量%)を示す。
LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(LAS−H 純分96質量%)]を、界面活性剤組成物の調製時に48質量%水酸化カリウム水溶液で中和した化合物。表1中の配合量は、LAS−Kとしての値(質量%)を示す。
石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67質量%、タイター:40〜45℃;脂肪酸組成:C12 11.7質量%、C14 0.4質量%、C16 29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)0.7質量%、C18F1(オレイン酸)56.8質量%、C18F2(リノール酸)1.2質量%;分子量:289)。
ゼオライト:A型ゼオライト(商品名:シルトンB、水澤化学(株)製;純分80質量%)。
MA剤:アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(商品名:アクアリックTL−400、日本触媒(株)製;純分40質量%水溶液)。
亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)。
硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)。
炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製;平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm3)。
炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm3)。
【0027】
被覆無機粒子:以下に示す第1〜3工程で調製される炭酸ナトリウム 85質量%、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩 3質量%、ラウリン酸 7質量%、水、その他残部、からなる表面処理無機粒子。
(第1工程)
鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工(株))に、炭酸ナトリウムを投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後に、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩水溶液を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒間噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。
なお、第1工程で調製された粒子において、該粒子全量に対する水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、水分量を10質量%以下に調整した。
(第2工程)
引き続き、プローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒間噴霧添加し、被覆操作を行った。そして、引き続き、30秒間撹拌を続け、粒子を得た。
(第3工程)
次いで、得られた粒子を、流動層(製品名:Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、(株)パウレックス製)に充填し、充填後、15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。
流動層内風速は、流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。
得られた粒子を、目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する表面処理無機粒子(被覆無機粒子)を得た。
【0028】
過炭酸ナトリウム:三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D、有効酸素量13.2%、平均粒子径760μm
ラウリン酸:日本油脂(株)製、商品名:NAA−122;融点43℃。
香料A:特開2002−146399号公報 [表11]〜[表18]に示す香料組成物A。
香料B:特開2002−146399号公報 [表11]〜[表18]に示す香料組成物B。
酵素粒子:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX100T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=4/1/3/2(質量比)の混合物。
【0029】
漂白活性化剤造粒物
はじめに漂白活性化剤4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの合成を、原料として4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学(株)製 試薬)、N,N−ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製 試薬)、ラウリン酸クロライド(東京化成工業(株)製 試薬)、アセトン(関東化学(株)製 試薬)を用い、以下の方法で行った。
予め脱水処理した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム3000g(15.3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド9000g中に分散させ、スターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド3347g(15.3mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了後3時間反応を行い、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg)、100℃で留去した。アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶を行って精製し、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た。収率は90%であった。
次に以下の方法で漂白活性化剤造粒物を調製した。
上記の方法で合成した70質量部4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、PEG(商品名:ポリエチレングリコール#6000M(ライオン(株)製))20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(商品名:リポランPJ−400(ライオン(株)製))5質量部の割合で合計5000gになるようにホソカワミクロン社製エクストルード・オーミックスEM−6型(商品名)に投入し、混練押し出しすることにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品(60℃)を、ホソカワミクロン社製フィッツミルDKA−3型(商品名)に導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5質量部を同様に供給し、粉砕して平均粒子径約700μm の漂白活性化剤造粒物Aを得た。
【0030】
洗剤組成物の調製
洗剤組成物の調製方法1(本発明の方法)
以下の手順で実施例1〜8の洗剤組成物を調製した。
工程(A)
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(表3に記載する添加量より2.0部の捏和時添加用、5.0部の粉砕助剤用、1.5部の表面被覆用の各A型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。尚、工程(A)における、各実施例の配合量は、以下の表1に示してある。
【表1】

【0031】
工程(B)
MESの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
工程(A)で得た噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0部のA型ゼオライト、1.0部の噴霧添加用(ノニオン界面活性剤Aとノニオン界面活性剤Bを混合したものの1.0部)を除く残りのノニオン界面活性剤、蛍光増白剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分6%の混合物を得た。尚、工程(B)における各実施例の配合量は、以下の表2に示してある。尚、表2の水分は、噴霧乾燥粒子等の工程(B)で使用する原料からの持込み水と添加水の合計である。
【表2】

【0032】
工程(C)
工程(B)で得た混合物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレットを得た。
次いで、得られたペレットに粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を5.0部添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。
【0033】
後処理
上記得られた粉末を、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、1.5部の微粉A型ゼオライトを加え、1.0部のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して粒子を得た。
得られた粒子の一部を着色するために、当該粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧した(平均粒子径500μm、嵩密度0.84g/cm3)。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、上記で得られた粒子と、被覆無機粒子、亜硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤造粒物及び酵素を表3に示す組成となるように添加し、5分間混合し洗剤組成物を得た。
【0034】
粒状洗剤組成物の調製方法2(蛍光増白剤を粉体ブレンドする方法:比較例1)
下記表3に示す組成に従って、以下の手順で比較例1の粒状洗剤組成物を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(表3の添加量から2.0部の捏和時添加用、5.0部の粉砕助剤用、1.5部の表面被覆用の各A型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
MESの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
【0035】
上述の噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0部のA型ゼオライト、1.0部の噴霧添加用(ノニオン界面活性剤Aとノニオン界面活性剤Bの混合したものの1.0部)を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を5.0部添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、1.5部の微粉A型ゼオライトを加え、1.0部のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して粒子を得た。
【0036】
得られた粒子の一部を着色するために、界面活性剤含有粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧し、界面活性剤含有粒子(平均粒子径500μm、嵩密度0.84g/cm3)を得た。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、上記で得られた界面活性剤含有粒子と、被覆無機粒子、亜硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤造粒物、酵素及び蛍光増白剤を表3に示す組成となるように添加し、5分間混合し洗剤組成物を得た。
【0037】
洗剤組成物の調製方法3(蛍光増白剤を噴霧添加する方法:比較例2)
下記表3に示す組成に従って、以下の手順で比較例2の洗剤組成物を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(表3の添加量から2.0部の捏和時添加用、5.0部の粉砕助剤用、1.5部の表面被覆用の各A型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、MESの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
上述の噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0部のA型ゼオライト、1.0部の噴霧添加用(ノニオン界面活性剤Aとノニオン界面活性剤Bの混合したものの1.0部)を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
【0038】
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を5.0部添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、蛍光増白剤20部に対してポリエチレングリコール(関東化学、平均分子量20000)50部、水30部をホモミキサーにより分散して得られた蛍光増白剤/ポリエチレングリコール分散液を蛍光増白剤量が表中の噴霧添加量となるように噴霧した後、1.5部の微粉A型ゼオライトを加え、1.0部のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して粒子を得た。
得られた粒子の一部を着色するために、界面活性剤含有粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧し、界面活性剤含有粒子(平均粒子径500μm、嵩密度0.84g/cm3)を得た。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、上記で得られた界面活性剤含有粒子と、被覆無機粒子、亜硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤造粒物及び酵素を表に示す組成となるように添加し、5分間混合し洗剤組成物を得た。
【0039】
洗剤組成物の調製方法4(攪拌増粒時に蛍光増白剤を添加する方法:比較例3)
下記表3に示す組成に従って、以下の手順で比較例3の洗剤組成物を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(表3の添加量から7.0部の蛍光増白剤添加攪拌時に使用する用、2.0部の攪拌混合時用の各A型ゼオライトを除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、水分3%、嵩密度が0.40g/cm3、平均粒子径が300μmの噴霧乾燥粒子を得た。
一方、MESの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤を添加し、水分を10%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
【0040】
前述の噴霧乾燥粒子及び蛍光増白剤(攪拌造粒添加量)を、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、ジャケットには80℃の温水を10L/分の流量で流しながら、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。そこに予め80℃に加温しておいた上記で調製したMESとノニオン界面活性剤混合濃縮物を2分間かけて投入した。その後に5分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(7.0部)を投入して2分間撹拌することによって粒子を得た。
得られた粒子と、粉末A型ゼオライトの一部(2.0部)をVブレンダーで混合し、香料を噴霧した後、界面活性剤含有粒子の一部を着色するために、アニオン界面活性剤含有粒子の調製方法1と同様の方法で色素の20%水分散液を噴霧し、界面活性剤含有粒子(平均粒子径500μm、嵩密度0.8g/cm3)を得た。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、上記で得られた界面活性剤含有粒子と、被覆無機粒子、亜硫酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤造粒物及び酵素を表に示す組成に従って5分間混合し洗剤組成物を得た。
【0041】
上記得られた実施例及び比較例の洗剤組成物を、以下の方法で評価した。尚、評価結果は、表3に示してある。
<蛍光ムラ評価法>
内径9.3cmのシャーレに6cm×6cmの油化協布(無蛍光綿布、(財)洗濯科学協会より購入)をいれ、その上に洗剤組成物6.7gを直径5cmの円状になるように置く。その後、15℃の水道水 3mlを静かに注ぎいれる。1分静置後、Haier社製全自動電気洗濯機(JW−Z23A)を用いて、水温20℃の水道水10Lに上記の洗剤を置いた油化協布を綿タオル5枚(68g/枚)と共に投入し、10分間洗浄、1分脱水後、3分間すすぎ、1分脱水。油化協布を取り出し、室温で乾燥したのち、評価を行った。
UVランプを照射して、目視観察を行い、下記評価基準でパネラー10人による評価を行った。
0:白く抜けた部分が全くない
1:部分的に白く抜けた部分がある
2:洗剤を静置した円状全体がうっすらと白く抜けている
3:洗剤を静置した円状全体がはっきりと白く抜けている
とし、10人の合計点が0〜8のとき○、9〜15のとき△、16〜23のとき×、24〜30のとき××とした。
【0042】
<流動性の評価方法(安息角)>
筒井理化学器械(株)製、ターンテーブル形安息角測定器を用いて安息角を測定した。
60度以上のとき×、50度以上60度未満のとき△、50度未満のとき○とした。
【0043】
<洗い上がり白度評価法>
Haier社製全自動電気洗濯機(JW−Z23A)を用いて、水温20℃の水道水10Lに評価サンプル6.7gを溶かした後、10cm*10cmの油化協布((財)洗濯科学協会)を綿タオル5枚(68g/枚)と共に投入し、10分間洗浄、1分脱水後、3分間すすぎ、1分脱水。これを3回繰り返した後、油化協布を取り出し、室温で乾燥したのち、評価を行った。
D65光源下で目視観察を行い、下記評価基準でパネラー10人による評価を行った。
0:洗浄処理前布の方が白い
1:洗浄処理前布と同等
2:洗浄処理前布より白い
3:洗浄処理前布より明らかに白い
とし、10人の合計点が21〜30のとき○、11〜20のとき△、0〜10のとき×とした。
























【0044】
【表3】

尚、上記表3における水分とは、最終的に得られた洗剤組成物に含まれる水分のことを指す。
【0045】
本発明の範囲に属する実施例1〜8については、粒子の流動性及び洗い上がりの白さ等の洗剤組成物に必要とされる性能を保持しつつ、蛍光ムラを防止できることが、上記結果より明らかである。
これに対して、比較例1〜3においては、粒子の流動性及び洗い上がりの白さが、実施例と比較して大きく変わらないのに対し、蛍光ムラの発生が実施例と比較して激しいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の方法により、従来から洗剤組成物に対して要求される性能を満たしつつ、蛍光ムラの発生を抑えた、高嵩密度の洗剤組成物を製造することが可能となる。また、本発明に関する洗剤組成物の製造方法は、洗剤組成物の製造工程の後期に蛍光増白剤を添加することができるため、無蛍光洗剤を製造する際に、蛍光増白剤のコンタミネーションを起こすおそれがなく、蛍光洗剤及び無蛍光洗剤を効率よく作り分けることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)蛍光増白剤を除いた洗剤成分を噴霧乾燥することにより、噴霧乾燥粒子を調製する工程、及び
(B)調製した噴霧乾燥粒子、ノニオン界面活性剤及び蛍光増白剤を捏和して混合物を得る工程、及び
(C)次いで前記混合物を粉砕する工程、
を含む洗剤組成物の製造方法。
【請求項2】
工程(B)において使用する材料の合計質量に対して、蛍光増白剤が0.01〜1.0質量%及びノニオン界面活性剤が2〜15質量%含まれる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ノニオン界面活性剤が、炭素数6〜22の脂肪族アルコールに対して、炭素数2〜4のアルキレンオキシドを、平均3〜30モル付加したポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテルである、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
蛍光増白剤が、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム又は4,4’−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸ジナトリウムである、請求項1〜3のいずれか1項に記載する製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造された洗剤組成物。

【公開番号】特開2008−163100(P2008−163100A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351922(P2006−351922)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】