説明

高洗浄力の研磨材含有洗浄剤

【課題】切削油や粘度の高いグリース類等の頑固な汚れを除去する効果が求められる物体や人体に対して安全で簡単に洗浄できる研磨材含有洗浄剤の提供。
【解決手段】
略球体が凝集または連結してなる不規則な形状を持つ多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤。該研磨材はかさ密度が0.01以上0.35g/cm3以下であることが好ましく、研磨材の材料としては、ポリエチレンやポリビニルアルコール等の有機系、無水ケイ酸やケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機系、結晶セルロースやキトサン等の高分子類、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の生分解性研磨材、コットンやレーヨン等の繊維、クルミ殻や貝殻等の天然系、食塩や砂糖等の食品調味料等を用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略球体が物理的ないし化学的に凝集または連結してなる不規則な形状を持つ多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、研磨材含有洗浄剤は強力な汚れ落しとして日常雑貨や化粧品分野、工業分野等で広く一般的に使用されている。
通常、研磨材含有洗浄剤は溶剤や界面活性剤等が洗浄成分として、また、有機や無機、天然系粒子が研磨材として単独あるいは組合せて配合されており、それらに関連する発明も多数報告されている。例えば、特許文献1には界面活性剤と研磨材との併用について記載されているが、界面活性剤を使用すると環境負荷の低減や皮膚に対して低刺激であるが低い洗浄力であることが一般的に知られている。洗浄力不足を補う目的で特許文献2には染料補助剤としてグリコール系溶剤や酢酸エステル系溶剤が、特許文献3にはテルペン炭化水素およびテルペンアルコールが溶剤としてそれぞれ併用されていることが記載されている。
【0003】
しかし、溶剤を使用すると洗浄力は向上するが皮膚刺激や環境に対して問題が発生すると言われている。また、特許文献1および3には無機系研磨材は洗浄力は高いが配水管に詰まったり皮膚に傷をつけると言った問題があることから適度な粒径の有機系研磨材や生分解性スクラブ材は高い洗浄力とスクラブ感を付与することが記載されているが、金属加工時に使用される切削油等の汚れやグリース類等の粘度が高い汚れが付着した固体表面や人体に対して十分な洗浄力を有しておらず、スクラブ感も物足りないと言われていた。
このように、研磨材含有洗浄剤は強力な汚れ落しとして日常雑貨や化粧品分野、工業分野等で広く一般的に使用されているが、一長一短であるのが現状である。
【0004】
【特許文献1】特開平2−80497号公報
【特許文献2】特開平10−204491号公報
【特許文献3】特開平10−25239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は硬質表面や人体に付着した汚れを除去するのに適した高い洗浄力を有し、スクラブ感および洗浄中や洗浄後のサッパリ感を向上させた使用感に優れた研磨材含有洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、略球体が物理的ないし化学的に凝集または連結してなる不規則な形状を持つ多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤が、前記の目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記に示す通りである。
【0007】
1.略球体が凝集または連結してなる多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤
2.研磨材のかさ密度が0.01以上0.35g/cm3以下であることを特徴とする前記1に記載の研磨材含有洗浄剤
3.硬質表面の洗浄に用いられることを特徴とする前記1又は2に記載の研磨材含有洗浄剤。
4.人体の清浄に用いられることを特徴とする前記1又は2に記載の研磨材含有洗浄剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明の略球体が物理的ないし化学的に凝集または連結してなる不規則な形状を持つ多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤はスクラブ感が良好で固体表面や人体に付着した金属加工時に使用される切削油やグリース類等の粘度が高い汚れに対して十分な洗浄力を有する。更に驚くべきことに本発明の研磨材含有洗浄剤は高洗浄力でありながら洗浄中、洗浄後のヌメリ感が少なくサッパリ感を付与する効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の、略球体が凝集または連結してなる多孔質状の研磨材とは、立体顕微鏡(オリンパス社製:SZH)で観察した時、ランダムに写真を撮った一例を図1、2に、キーエンス社製のリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800で観察した時、ランダムに写真を撮った一例を図3に示すが、このような形状のものであれば何でも良い。その凝集または連結の仕方は物理的な結合に基づくものでも、化学的な結合に基づくものでもいずれでも良い。また、略球体が凝集または連結してなる研磨材は略球体と略球体の間に隙間が存在するので多孔質状の形状であると言える。
一方、本発明における研磨材の製造方法は特に限定されるものでなく、造粒、成型、金型成型、合成、切り抜き等何でも良い。本発明の略球体とは特に限定されるものでないが、大まかな球体、角が少ない球体、金平糖の形状をした球体、ブドウ房の形状をした球体等何でも良い。
【0010】
また、本発明における研磨材は500μm以下の略球体が2個以上、物理的ないし化学的に凝集または連結してなる不規則な形状を持つ多孔質状であれば高い洗浄力およびスクラブ感が良好な研磨材含有洗浄剤が得られる。好ましくは0.0001〜100μmの略球体が5個以上であれば本発明の効果は充分に発揮される。一方、本発明の研磨材の粒子径は特に限定されるものでないが、水:80部、界面活性剤(第一工業製薬株式会社製ノイゲンXL−80):10部、略球体:10部を混合攪拌分散させた後、JIS規格のふるいで濾過を行い乾燥させて粒径を測定する時、粒子径分布は1〜600μm、好ましくは10〜500μm、更に好ましくは20〜425μmであれば、洗浄力が高くスクラブ感が良好で洗浄中、洗浄後のサッパリ感を付与する研磨材含有洗浄剤が得られる。
なお、本発明の研磨材の粒子径とは特に限定されるものでなく長さ、直径、幅、高さ等何でも良い。
【0011】
更に本発明における研磨材は特に限定されるものでないが、例えばポリエチレンやポリビニルアルコール等の有機系、無水ケイ酸やケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機系、結晶セルロースやキトサン等の高分子類、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の生分解性研磨材、コットンやレーヨン等の繊維、クルミ殻や貝殻等の天然系、食塩や砂糖等の食品調味料等をあげることができる。特にかさ密度が小さい研磨材はグリース類の汚れに対する洗浄力が高く好ましい。
【0012】
特に有機系、無機系、高分子系、生分解性研磨材等が洗浄力やスクラブ感等から好ましい。更に例えば、ティコナジャパン株式会社製のGUR2122(ポリエチレン)や旭化成ケミカルズ社製のセオラスTG−101(セルロース)、発泡スチロール等が特に好ましく、1種単独あるいは2種以上組み合わせて高い洗浄力にしたり、スクラブ感を向上させたり、洗浄中、洗浄後のサッパリ感を付与することができる。
【0013】
本発明で用いられる研磨材のかさ密度は0.35g/cm3以下の多孔質状であれば、高い洗浄力やスクラブ感、洗浄中、洗浄後の使用感も向上する。特にかさ密度は0.01〜0.32g/cm3が好ましく、更に0.10〜0.30g/cm3が好ましく、特に0.15〜0.28g/cm3が好ましい。
一方、略球体が観察されず、略球体の凝集連結がないと判断されるもの、あるいは多孔質状でないものはいずれも、洗浄力が弱く、スクラブ感も乏しくなるので好ましくない。
【0014】
また、本願明細書でいう硬質表面とは日常生活していると汚れが付着する表面のことを言う。例えば、ネジ、金属加工品、ステンレスや机、樹脂、陶器、人工大理石、フローリング、眼鏡のフレームやレンズ、電話機、ガラス、レーザー、材木、皮、動物、金属等である。本発明の研磨材含有洗浄剤は、特にネジや金属加工品に付着した切削油やグリース類、土汚れ、カーボン等の汚れを落とすのに適している。
更に、本発明の研磨材含有洗浄剤は毛髪を含む人体に用いることもでき、特に人体の皮脂や人体に付着した切削油やグリース類、土汚れ、カーボン等の汚れを落とすのに適している。
【0015】
本発明において使用される洗浄成分は界面活性剤、溶剤等の洗浄力を有するものであれば何でも良く特に限定されるものでない。
例えば陽イオン性界面活性剤としてはステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等の脂肪族アミン塩、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム等のアルキル4級アンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピジニウム、塩化アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム等の環式4級アンモニウム塩等が挙げられる。この中でも特に好ましいカチオン系界面活性剤として塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム等のアルキル4級アンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピジニウム、塩化アルキルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム等の環式4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0016】
両イオン性界面活性剤としてはラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。この中でも特に好ましい両性界面活性剤としてラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン2ナトリウム等のグリシン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アシル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のラウリルアミノプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0017】
陰イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及びその塩等のアルキルエーテルカルボン酸型アニオン系界面活性剤、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアスパラギン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩等のN−アシル有機酸塩型アニオン系界面活性剤、α―オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型アニオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩等の硫酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等のリン酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類等が挙げられる。この中でも特に好ましいアニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸及びその塩等のアルキルエーテルカルボン酸型アニオン系界面活性剤、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルアスパラギン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩等のN−アシル有機酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類等を挙げることができる。
【0018】
非イオン性界面活性剤としてはレシチン、高分子乳化剤、グリセリン脂肪酸エステル、親油型モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ等のポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール類、モノステアリン酸エチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル:C14の2級アルコール)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル:C8のゲルベアルコール)、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルキル:C10のゲルベアルコール)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルキル:C12の2級アルコール)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド類、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等を挙げることができる。
この中でも特に好ましい非イオン性界面活性剤としてレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、親油型モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル類、モノオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、デカオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類等を挙げることが出来る。
これらの界面活性剤は1種単独あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
【0019】
本発明に使用できる溶剤として低級アルコールは炭素数1〜4の水溶性アルコール類であり具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−メトキシイソプロパノール等のモノオール類やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1、2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−ブチンジオール等のジオール類やグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール等のポリオールが挙げられる。
これらの低級アルコールは1種単独あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
また、界面活性剤1種類あるいは2種以上と溶剤1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることもできる。
【0020】
一方、本発明の研磨材含有洗浄剤は、発明の効果を阻害しない範囲において通常に用いられる油脂類や防腐剤、香料、その他の成分を添加剤として併用することが出来る。
【0021】
本発明に併用しうる成分として炭酸カルシウム、タルク、マイカ、カオリン、ラウロイルリジン、二酸化チタン、二酸化亜鉛等の粉末成分;ホホバ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、月見草油、ミンク油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、トーモロコシ油、カカオ油、ヤシ油、コメヌカ油、オリーブ油、アーモンド油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、パーム油、パーム核油、卵黄油、ラノリン、スクワレン等の天然動植物油脂類、合成トリグリセライド;スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン等の炭化水素類;カルナバウロウ、パラフィンワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キヤンデリラワックス、ラノリン等のワックス類;セタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、軟質ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸類;コレステリル−オクチルドデシル−ベヘニル等のコレステロールおよびその誘導体;イソプロピルミリスチン酸、イソプロピルパルミチン酸、イソプロピルステアリン酸、2エチルヘキサン酸グリセロール、ブチルステアリン酸、リノール酸エチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリトリトールエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等の極性オイル;その他、メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサンエマルション、高重合メチルポリシロキサン(1)および(2)、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン(2)等、更にはアミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、片末端反応性シリコーン、異種官能基変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、親水性特殊変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸含有シリコーン、フッ素変性シリコーン等の各種誘導体を含むシリコーン類;を挙げることが出来る。
【0022】
また、その他添加剤としてパラアミノ安息香酸およびその誘導体、ホモメチル−7N−アセチルアラントイラニレート、ブチルメトキシベンゾイルメタン、ジ−パラメトキシケイ皮酸ーモノー2ーエチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート等のパラメトキシケイ皮酸誘導体、アミルサリシレート等のサリチル酸誘導体、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル、酢酸液状ラノリン、コガネバナ根抽出エキス、トリアニリノ−p−カルボエチルヘキシルオキシ−トリアジン等の紫外線吸収剤;アルブチン、コウジ酸、リン酸アスコルビン酸マグネシウムなどのアスコルビン酸およびその誘導体、グルタチオン、甘草エキス、チョウジエキス、茶抽出物、アスタキサンチン、牛胎盤エキス、トコフェロールおよびその誘導体、トラネキサム酸およびその塩、アズレン、γ−ヒドロキシ酪酸等の美白成分;マルチトール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリコール等の多価アルコール、ピロリドンカルボン酸ソーダ、乳酸ソーダ、クエン酸ソーダなど有機酸およびその塩、ヒアルロン酸ソーダなどヒアルロン酸およびその塩、酵母および酵母抽出液の加水分解物、酵母培養液、乳酸菌培養液など醗酵代謝産物;エチレンジアミン四酢酸およびその塩類、ヒドロキシエチレンジアミン3酢酸およびその塩類、リン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルコン酸、ポリリン酸塩類、メタリン酸塩類などの金属イオン封鎖剤;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸等の酸化防止剤;安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデレン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル類及びその塩等の有機酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロロチモール、クロロフェネシン、クロロクレゾール、ジクロロキシレノール、ジクロロベンジルアルコール、チオビスクロロフェノール、チモール、トリクロロカルバニリド、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、ナトリウムフェノキシド、パラクロロフェノール、ハロカルバン、フェニルエチルアルコール、フェニルフェノール、フェニルフェノールナトリウム、フェノキシエタノール、フェノール、フェキサクロロフェン、ベンジルアルコール等のフェノール類、塩化ステアリルジメチルベンジルアルコール、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ドミフェン、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等の4級アンモニウム塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等の両性界面活性剤、プラトニン、ピオニン、ルミネキス、感光素NK143等の感光素、茶エキス、ヒノキキチオール、リンゴエキス、ポリリジン等の抗菌活性を持つ植物抽出液、その他グルタラール、クロラミンT、クロルヘキシジン、ジイセチオン酸ジプロモプロパミジン、ジンクピリチオン、トリクロサン、ピリチオンNa、フルフラール、クロラミンT等が挙げられる。この中でも特に好ましい防腐剤として安息香酸及びその塩、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル類、塩化セチルピリジウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、茶エキス、ヒノキキチオール、リンゴエキス、ポリリジン、トリクロサン等の抗菌・防腐剤;αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)グリチルレチン酸およびその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモールイノシトール、サポニン類(キラヤサポニン、アズキサポニン、ヘチマサポニン等)トラネキサム酸、パントテルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、セファランジン、プラセンタエキス、センブリエキス、セファランチン、ビタミンEおよびその誘導体、ガンマーオリザノールなどの血行促進剤;トウガラシチンキ、ショオウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジルエステルなどの局所刺激剤、各種ビタミンやアミノ酸などの栄養剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤;酸化亜鉛、硫酸亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、スルホ石炭酸亜鉛、タンニン酸などの収斂剤;メントール、カンフルなどの清涼剤;抗ヒスタミン剤;トコフェロール類、BHA、BHT、没食子酸、NDGAなどの酸化防止剤等の各種薬剤サッカロマイセスなどの酵母、糸状菌、バクテリア、牛胎盤、人胎盤、人臍帯、酵母、牛コラーゲン、牛乳由来蛋白、小麦、大豆、牛血液、ブタ血液、鶏冠、カミツレ、キュウリ、コメ、シアバター、シラカバ、茶、トマト、ニンニク、ハマメリス、バラ、ヘチマ、ホップ、モモ、アンズ、レモン、キウイ、ドクダミ、トウガラシ、クララ、ギシギシ、コウホネ、セージ、ノコギリ草、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、アロエベラ、オウゴン、オウバク、コウカ、ベニバナ、サンシン、シコン、タイソウ、チンピ、ニンジン、ヨクイニン、ハトムギ、クチナシ、サワラ等の動植物・微生物およびその一部から有機溶媒、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコール等で抽出または加水分解して得た天然エキス;色素;香料;精製水等を配合することができる。
これらの添加剤は1種単独あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
【実施例】
【0023】
下記に本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例、比較例で使用する原料名(略称)研磨材名称(略称)は下記の通りである。
POE(6)POP(2)アルキルエーテル:第一工業製薬株式会社製ノイゲンXL−60(以下、XL−60と略す)。
POE(5)POP(2)アルキルエーテル:第一工業製薬株式会社製ノイゲンLP−70E(以下、LP−70と略す)。
ポリエチレン1:ティコナジャパン株式会社製GUR2122(以下、GUR2122と略す)。
ポリエチレン2:ティコナジャパン株式会社製GUR4150(以下、GUR4150と略す:図4)。
ポリエチレン3:旭化成ケミカルズ社製SH810(以下、サンファインと略す:図5)。
カルボキシビニルポリマー:BFGoodrich社製カーボポール941(以下、カーボポール)。
25重量%W/W水酸化ナトリウム:純正化学株式会社製25重量%W/W水酸化ナトリウム(以下、25重量%水酸化Naと略す)。
【0024】
実施例、比較例中で行う性能評価試験方法は下記の通りである。
(研磨材の形状)
研磨材(実施例、比較例においてはポリエチレン1〜3)を立体顕微鏡(オリンパス社製:SZH)で観察しランダムに写真を撮った時の形状を多孔質状か非多孔質状かを目視判定する。
(かさ密度)
研磨材(実施例、比較例においてはポリエチレン1〜3)をDIN 53466法(ドイツ工業規格)で測定を行った。
【0025】
(洗浄力の評価)
カーボンブラック(東海カーボン SEAST・KH N−339)1部に対してシリコングリース(信越化学工業株式会社製 HIVAC−G)10部を良く混ぜたものを、5cm四方に切り取った白色の人工皮(ソフトセメリー1003 カラー:1)に0.1gを塗り、その上に洗浄液(研磨材含有洗浄剤等)を0.5g滴下した後、縦5回横5回縦5回横5回ずつ指で洗浄し水道水で洗い流す。人工皮に残ったカーボンブラックの程度を色差計(スギ試験機械株式会社製:カラーコンピューターSM−T)のL値にて判定する。評価基準は下記の通りである。
×:45以下
○:46〜60
◎:61以上
【0026】
(スクラブ感の評価)
手の平に洗浄液(研磨材含有洗浄剤等)3.0gを取り、両手でよく馴染ませた時に感じるスクラブ感(ジャリジャリした感じ)を官能評価で判定を行った。判定基準は下記の通りである。
×:スクラブ感を少なく感じる
○:スクラブ感を普通に感じる
◎:スクラブ感を非常に感じる
【0027】
(洗浄中、洗浄後のサッパリ感の評価)
手の平に洗浄液(研磨材含有洗浄剤等)3.0gを取り、両手で20秒間、手全体に良く馴染ませた後、予め用意しておいた2リットルの水が入ったビーカーの中で10秒間、水洗する。更に別に用意しておいた2リットルの水が入ったビーカーの中で10秒間、水洗し洗浄中のサッパリ感を官能評価で判定を行った。その後、キムタオルで水気を拭きとり手を乾燥させ洗浄後のサッパリ感を官能評価で判定を行った。判定基準は下記の通りである。
×:サッパリ感を少なく感じる
○:サッパリ感を普通に感じる
◎:サッパリ感を非常に感じる
【0028】
[実施例1]
GUR2122:4重量%とLP−70:12重量%と精製水とカーボポール941(0.3〜0.5重量%の範囲)と25重量%W/W水酸化ナトリウム(0.5〜1.0重量%の範囲)を添加して粘度3500〜4500cps(B型粘度計 NO.4 60rpm2分間)、pH7.7〜8.3(JIS Z 8802)になるように調整し全体を100重量%として、研磨材含有洗浄剤を得た。この研磨材含有洗浄剤の評価を上記方法で行った。性能評価試験結果を表1に示す。
【0029】
[実施例2]
GUR2122:8重量%とXL−60:12重量%と精製水とカーボポール941(0.3〜0.5重量%の範囲)と25重量%W/W水酸化ナトリウム(0.5〜1.0重量%の範囲)を添加して粘度3500〜4500cps(B型粘度計 NO.4 60rpm2分間)、pH7.7〜8.3(JIS Z 8802)になるように調整し全体を100重量%として、研磨材含有洗浄剤を得た。この研磨材含有洗浄剤の評価を上記方法で行った。性能評価試験結果を表1に示す。
【0030】
[比較例1]
GUR4150:4重量%とLP−70:12重量%と精製水とカーボポール941(0.3〜0.5重量%の範囲)と25重量%W/W水酸化ナトリウム(0.5〜1.0重量%の範囲)を添加して粘度3500〜4500cps(B型粘度計 NO.4 60rpm2分間)、pH7.7〜8.3(JIS Z 8802)になるように調整し全体を100重量%として、研磨材含有洗浄剤を得た。この研磨材含有洗浄剤の評価を上記方法で行った。性能評価試験結果を表1に示す。なお、GUR4150を立体顕微鏡(オリンパス社製:SZH)で観察した時、ランダムに写真を撮った一例を図4に示す。図4を見ると、複雑な形状をしているが、よく見ると略球体は観察されず、凝集構造でも多孔質でもないことがわかる。
【0031】
[比較例2]
サンファイン:8重量%とXL−60:12重量%と精製水とカーボポール941(0.3〜0.5重量%の範囲)と25重量%W/W水酸化ナトリウム(0.5〜1.0重量%の範囲)を添加して粘度3500〜4500cps(B型粘度計 NO.4 60rpm2分間)、pH7.7〜8.3(JIS Z 8802)になるように調整し全体を100重量%として、研磨材含有洗浄剤を得た。この研磨材含有洗浄剤の評価を上記方法で行った。性能評価試験結果を表1に示す。なお、サンファインを立体顕微鏡(オリンパス社製:SZH)で観察した時、ランダムに写真を撮った一例を図5に示す。図5を見ると、表面がデコボコしているが、よく見ると略球体は観察されず、凝集構造でも多孔質でもないことがわかる。
【0032】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、切削油や粘度の高いグリース類、人体に付着した皮脂、土汚れ、カーボンブラック等の頑固な汚れを除去する研磨材含有洗浄剤として最適である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明で用いる研磨材の形状の例を示す図である。
【図2】本発明で用いる研磨材の形状の例を示す図である。
【図3】本発明で用いる研磨材の形状の例を示す図である。
【図4】比較例で用いた研磨材の形状を示す図である。
【図5】比較例で用いた研磨材の形状を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略球体が凝集または連結してなる多孔質状の研磨材を配合してなる研磨材含有洗浄剤。
【請求項2】
研磨材のかさ密度が0.01以上0.35g/cm3以下であることを特徴とする請求項1に記載の研磨材含有洗浄剤。
【請求項3】
硬質表面の洗浄に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨材含有洗浄剤。
【請求項4】
人体の清浄に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨材含有洗浄剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−77311(P2007−77311A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268193(P2005−268193)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】