高洗浄性歯磨剤組成物
少量の比較的小粒径の高洗浄性研磨剤を含み、口腔ケア活性成分を用いない歯磨剤組成物。この歯磨剤は、カプセル封入し、場合によっては歯ブラシの頭部上に配置することができる。この歯磨剤を用いることによって、少量の高洗浄性研磨剤が歯に供給され、ステイン除去効能を有する。一形態においては、歯磨剤組成物は、経口的に許容できるキャリア、及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量は2mg〜8mgであり、研磨剤は3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%は16μmより小さい寸法を有し、組成物は口腔ケア活性成分を含まない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2009年7月31日出願の米国仮特許出願61/230,321(参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]幾つかの態様は、少量の比較的小粒径の高洗浄性研磨剤を含み、抗菌薬、フッ化物、及び他の口腔ケア活性成分を用いない歯磨剤組成物に関する。特に、良好なステイン除去性を有する歯磨剤組成物に関する。本歯磨剤組成物は、カプセル封入組成物、固体の菓子組成物、ガムなどの形態であってよく、場合によっては歯ブラシ具の毛材内に配置することができる。
【背景技術】
【0002】
[0003]通常の研磨剤としては、例えばシリカゲル、ケイ酸、又は沈降シリカの形態のシリカ、アルミナ、不溶性ホスフェート、炭酸カルシウム、尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物のような樹脂研磨剤などが挙げられる。研磨剤として有用な不溶性のホスフェートの中には、オルトホスフェート、ポリメタホスフェート、及びピロホスフェートがある。代表例は、ジカルシウムオルトホスフェート二水和物、カルシウムピロホスフェート、β−カルシウムピロホスフェート、トリカルシウムホスフェート、カルシウムポリメタホスフェート、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)、テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP)、及び不溶性のナトリウムポリメタホスフェートである。通常は、1種類以上の研磨剤は、通常は組成物の5重量%〜70重量%、例えば10重量%〜50重量%、又は15重量%〜30重量%の研磨的に有効な全量で歯磨剤中に存在させる。研磨剤の平均粒径は、一般に0.1〜30μm、例えば1〜20μm、又は5〜15μmである。
【0003】
[0004]合成的に製造されたシリカは、今日の多くの歯磨剤配合物中の一成分として重要な役割を果たす。かかるシリカは、グリセリン、ソルビトール(又はキシリトール)、増粘剤、洗浄剤、着色物質及び香味物質、並びに場合によってはフッ化物及び他の活性成分などの他の歯磨剤成分と相溶性の比較的安全で非毒性の成分であり、そのために、シリカは歯を清浄化し、歯垢及び食物滓を除去するための研磨剤として機能する。
【0004】
[0005]研磨剤として、シリカは歯の外表面を汚れ除去し且つ物理的にスクラビングする。このスクラビング作用によって、歯を覆い、コーヒー、茶、及びベリー類のような食品、並びに煙草の煙、カチオン性抗菌剤、及び色素産生菌によって染色及び変色されるようになることが知られている唾液タンパク質で形成される有機膜(即ちペリクル)が除去される。染色ペリクルのかかる物理的除去は、毎日起こる望ましくない表面の染色及び変色を除去する簡単で有効な手段である。更に、ペリクルのかかる物理的除去によって、ペリクル表面上の歯垢細菌も除去される。
【0005】
[0006]合成シリカとしては、シリケート水溶液を強い鉱酸で中和することによって製造されるシリカゲル及び沈降シリカの両方が挙げられる。シリカゲルの製造においては、シリカヒドロゲルを形成し、これを次に通常は洗浄して低塩含量にする。洗浄したヒドロゲルは、所望の寸法に粉砕するか、又は最終的にその構造がもはや収縮の結果として変化しない点まで乾燥することができる。かかる合成シリカを製造する際には、その目的は、歯のエナメル質及び他の口腔組織に対する損傷を最小にして最大の洗浄(即ち染色ペリクルの除去)を与える研磨剤を得ることである。歯科研究者は、これらの目的を満足する合成シリカを確認することに継続して関心を持っている。
【0006】
[0007]米国特許4,153,680及び英国特許出願2,038,303Aは両方とも、シリカヒドロゲル又は水和シリカゲルの歯磨剤用研磨剤としての一般的な使用を開示する。米国特許4,632,826は、水和シリカゲルを弱か焼アルミナ研磨剤と組み合わせて用いて配合研磨剤系を形成することを開示する。米国特許4,943,429、5,176,899、及び5,270,033は、水和シリカゲルを含む別の研磨剤のリストを与える。
【0007】
[0008]米国特許5,939,051は、低研磨性を有するシリカゲル及び高洗浄性生成物を用いて製造される歯磨剤組成物を開示する。しかしながら、シリカゲルは、低い研磨性を達成するために2〜4ミクロンの低い粒径分布を有する。このような小粒径のシリカゲルの製造は、多量のエネルギーを消費し、比較的高コストである。
【0008】
[0009]米国特許5,658,553及び5,651,958は、高い洗浄性、及びそれらの低い放射性象牙質研磨(RDA)値によって示される低い研磨性を有する沈降シリカ及びシリカゲルの組み合わせを含む歯磨剤組成物を開示する。米国特許5,651,958及び5,658,553に記載されているシリカの低い研磨性のために、この組成物は本質的に制限された洗浄性能を有する。
【0009】
[0010]RDA値は、歯磨剤配合物の研磨性を定める歯科技術において認識されている方法であり、Hefferren, Journal of Dental Research, vol.55, 4版, 1976年7〜8月, pp.563-573によって示され、Wasonの米国特許4,340,583、4,420,312、及び4,421,527に記載されているAmerican Dental Associationによって推奨されている方法にしたがって求められる。
【0010】
[0011]歯磨剤組成物のRDA値を110より高く増加させても、ペリクル洗浄比(PCR)(標準試料に対する茶及びコーヒーによる歯のステインを除去する効能を測定するために用いられる生体外方法)によって測定される歯磨剤の洗浄性能の対応する増加はもたらさないことが歯科技術において公知である。ここで示すPCR値は、"In Vitro Removal of Stain with Dentifrice", G.K. Stookeyら, J. Dental Research, 61, 123-9, 1982に記載されている方法の修正法によって得られる。ここで用いるPCR法の修正法は、米国特許5,658,553及び5,651,958に記載されている。この修正法においては、まず透明なペリクル物質をウシの歯に適用し、これを次にペリクル物質、並びに茶、コーヒー、及びFeCl3の組み合わせによって染色するが、これに対してStookeyらによって記載されている元々の方法においては、ペリクル及びステインの両方を同時に適用する。
【0011】
[0012]「高洗浄性」シリカと呼ばれるシリカ粒子は公知であり、例えば7,306,788、7,267,814、6,896,876、6,669,929に記載されている。これらの多くは、J. M. Huber(Havre de Grace, Md. USA)から商業的に入手でき、Zeodentの商品名で販売されている。他のシリカは、例えば米国特許出願公開2009/0010973、2006/0008423、2006/0008422、2005/0129628に記載されているように、通常のシリカの一部を置き換えてそれらの洗浄効能を向上又は促進させることを目的とするものである。
【0012】
[0013]歯ブラシ具の毛材内に配置されている固体、半固体、又はカプセル封入組成物の形態の歯磨剤組成物は公知である。Colgate WISPは1つのかかる用具である。Wisp用具は、毛材内に配置されているゼラチンカプセル封入液体組成物を含む小型の歯ブラシ具(長さ約8.9cm(3.5インチ))である。液体カプセルは、使用の際に水又はすすぎを必要としないで清涼味を勢いよく放出する。Wispは一回使用した後に廃棄するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許4,153,680
【特許文献2】英国特許出願2,038,303A
【特許文献3】米国特許4,632,826
【特許文献4】米国特許4,943,429
【特許文献5】米国特許5,176,899
【特許文献6】米国特許5,270,033
【特許文献7】米国特許5,939,051
【特許文献8】米国特許5,658,553
【特許文献9】米国特許5,651,958
【特許文献10】米国特許4,340,583
【特許文献11】米国特許4,420,312
【特許文献12】米国特許4,421,527
【特許文献13】7,306,788
【特許文献14】7,267,814
【特許文献15】6,896,876
【特許文献16】6,669,929
【特許文献17】米国特許出願公開2009/0010973
【特許文献18】米国特許出願公開2006/0008423
【特許文献19】米国特許出願公開2006/0008422
【特許文献20】米国特許出願公開2005/0129628
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Hefferren, Journal of Dental Research, vol.55, 4版, 1976年7〜8月, pp.563-573
【非特許文献2】"In Vitro Removal of Stain with Dentifrice", G.K. Stookeyら, J. Dental Research, 61, 123-9, 1982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
[0014]必ずしも練り歯磨又はゲルとして用いることを意図せず、必ずしも口腔ケア活性成分を含まず、ステインを除去し歯を清浄化するのに有効である歯磨剤組成物を提供する必要性が未だ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[0015]ここに記載する種々の態様は、向上したステイン除去性及び歯洗浄効能を有する歯磨剤組成物を提供することによって上述の必要性を満足するものである。
[0016]一形態によれば、経口的に許容できるキャリア及び少量の比較的小粒径の研磨剤を含み、好ましくは抗菌剤、フッ化物、及び他の口腔ケア活性成分を用いない歯磨剤組成物が提供される。本組成物は、ゲル、固体として存在させることができ、ゼラチンカプセル内に封入することができ、或いは水性又は無水組成物として存在させることができる。
【0017】
[0017]他の形態によれば、歯磨剤組成物は、歯ブラシ具の毛材内に配置されている固体又はカプセル封入組成物として与えられる。好ましい形態においては、本組成物は、一回使用した後に歯ブラシ具を廃棄するように設計されている。
【0018】
[0018]更に他の形態によれば、経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によってはアルコール加工助剤を混合して液体組成物を生成させ、液体組成物に少量の小粒径研磨剤を加えることを含む歯磨剤組成物の製造方法が提供される。他の態様においては、歯磨剤組成物はゼラチンの外側カプセル内に封入されており、カプセル封入中にアルコール加工助剤が組成物から除去される。他の形態においては、カプセル封入された組成物を次に歯ブラシ具の毛材内に配置する。
【0019】
[0019]一態様においては、経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量は2mg〜8mgであり、研磨剤は3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有しており、粒子の少なくとも90重量%は16μmより小さい寸法を有しており、組成物は口腔ケア活性成分を含まない歯磨剤組成物が提供される。
【0020】
[0020]他の態様においては、経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によっては加工助剤を混合して液体混合物を形成し、液体混合物に、口腔ケア活性成分を混合又は添加しないで、3〜7μmの範囲の平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有する1〜10重量%の研磨剤を加えることを含む歯磨剤組成物の製造方法が提供される。
【0021】
[0021]他の態様においては、柄部;柄部に取り付けられており、外表面、及び外表面から外側に伸長する複数の歯洗浄部材を有する頭部;及び、頭部上に配置されており、経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量は2mg〜8mgであり、研磨剤は3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有しており、粒子の少なくとも90重量%は16μmより小さい寸法を有する歯磨剤組成物;を含む歯ブラシが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】[0022]図1は、一態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを含む口腔ケア歯ブラシの正面図である。
【図2】[0023]図2は図1の歯ブラシの側面図である。
【図3】[0024]図3は、図1の歯ブラシの背面図である。
【図4】[0025]図4は、図1の口腔ケア歯ブラシの頭部の断面図である。
【図5】[0026]図5は、他の態様による歯磨剤組成物を含む貯留部を含む口腔ケア歯ブラシの側面部分断面図である。
【図6】[0027]図6は、包装又は陳列状態の一態様による複数の歯ブラシを示す正面図である。
【図7】[0028]図7は、付属品と共に包装又は陳列されている状態の一態様による単一の歯ブラシを示す正面図である。
【図8】[0029]図8は、焦点を当て且つ明瞭にする目的で洗浄部材の一部のみを実線で示す一態様による口腔ケア歯ブラシの頭部の側面図である。
【図9】[0030]図9は、更なる態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを含む口腔ケア歯ブラシの頭部の斜視図である。
【図10】[0031]図10は、図9の頭部の平面正面図である。
【図11】[0032]図11は、更に他の態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを保持するように適合されている歯ブラシの頭部の斜視図である。
【図12】[0033]図12は、図11の頭部の平面正面図である。
【図13】[0034]図13は、図11の頭部の断面側面図である。
【図14】[0035]図14は、更に他の態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを保持するように適合されている頭部を有する歯ブラシの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0036]全体にわたって用いる範囲は、その範囲内のありとあらゆる値を記載するための簡略記載として用いる。この範囲内の全ての値は範囲の終端として選択することができる。更に、ここで引用する全ての参照文献はそれらの全部を参照として本明細書中に包含する。本開示における定義と引用された参照文献のものにおいて不一致がある場合には、本開示が支配する。更に、本組成物及び方法は、ここに記載する要素を含み、これらから実質的に構成し、またはこれらから構成することができる。
【0024】
[0037]他に示さない限りにおいて、この箇所及び明細書中の他の箇所で示す全てのパーセント及び量は、重量%を指すものと理解しなければならない。与えられている量は、物質の活性重量に基づくものである。ここで特定の値を示すことは、その値に測定における誤差を計上した変動率を増減したものを示すことを意図する。例えば、10%の量には、当業者に認識され理解される測定における誤差の程度を考慮して9.5%又は10.5%を含ませることができる。
【0025】
[0038]ここで用いる「処置」又は「処置する」という用語は、予防を含むと意図される。この用語には、口臭に関する改善、予防、並びに症状及び/又は影響の緩和が含まれる。「予防する」又は「予防」という用語は、組成物を予め投与して口臭を未然に防止又は緩和することを指す。口臭の処置のための組成物(本方法クレームが関係する)の当業者は、「予防」という用語が絶対的な用語ではないことを認識する。むしろ、この用語は、疾病の徴候又は重症度を減少させるための組成物の予防投与を指すと理解され、これは意図される意味である。
【0026】
[0039]化合物の「経口的に許容できる量」とは、かかる量を含む組成物を嚥下しないでここで与える口腔表面へ適用するのに十分な時間口腔内に保持した場合に哺乳動物に対して有害でない量である。一般に、かかる量の化合物は、組成物を意図せずに嚥下しても有害ではない。「経口的に許容できるキャリア」とは、かかるキャリアを嚥下しないで口腔内に保持する組成物中で用いた場合に哺乳動物に対して有害でない任意のビヒクル又はキャリアを示す。
【0027】
[0040]練り歯磨き及びゲルのような配合歯磨剤は、それぞれが1つ又は複数の所望の特性に寄与する複数の機能性及び活性の成分を含む。適当に配合された歯磨剤は、口腔の健康を促進するために習慣的に用いるのに好適である。機能性添加剤としては、他の成分を分散し、活性及び機能性の物質を口腔表面に供給する発泡剤、及び歯の表面上の歯石の形成を阻止する歯石制御薬、並びに香味料及び顔料のような美容機能成分が挙げられる。活性成分としては、使用によってフッ化物イオンの源を与える抗齲蝕剤が挙げられる。種々の組成物はまた、例えば表面上の歯垢の形成を減少させる抗菌性を有する化合物又は成分も含む。更なる活性成分としては、歯肉炎のような疾病を予防及び処置するための抗炎症性を有するものが挙げられる。好ましい歯磨剤組成物は、香味料及び顔料の他には上述の口腔ケア活性成分を含まない。
【0028】
[0041]本記載の全体にわたって、「口腔ケア活性成分」という表現は、口腔ケア処置中に有効な活性成分を与える成分を示す。口腔ケア活性成分としては、発泡剤、抗菌薬、漂白剤、抗歯石薬、抗微生物薬、歯石制御薬、抗炎症薬などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
[0042]第1の形態においては、歯磨剤組成物は、1〜10重量%、好ましくは2.5〜7重量%、最も好ましくは5重量%の高洗浄性研磨剤を含むか、これから実質的に構成されるか、又はこれから構成され、適用あたりに供給される研磨剤の全量は、2mg〜8mg、好ましくは3mg〜6mg、最も好ましくは約4mgの研磨剤である。この高洗浄性研磨剤は経口的に許容できるキャリア中に存在させる。かかる少量の研磨剤は通常はステイン除去効果を有しない(又は非常に少なく非常に僅かなステイン除去しか与えない)と予測されるので、本発明者らは、かかる少量の小粒径研磨剤によって予期しない向上したステイン除去効果が達成されたことを見出した。歯磨剤組成物は、好ましくは、抗菌薬、口臭予防薬、抗齲蝕薬、ペルオキシドのような漂白剤、歯石制御薬などのような口腔ケア活性成分を含まない。
【0030】
[0043]研磨剤は、高洗浄性シリカ、テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP)、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)、及びこれらの混合物から選択することが好ましい。研磨剤は、通常は、2〜18μmの範囲の重量平均粒径を有し、粒子の少なくとも90%は20μmより小さい寸法を有し、シリカ粉末の水性スラリーについて測定して90〜230の放射性象牙質研磨値(RDA)、10重量%の歯科組成物中に含ませた場合に80より大きいペリクル洗浄比(PCR)を有し、PCR:RDAの比が0.4:1乃至1:1未満の範囲であり、1〜20の範囲のプラスチック研磨値(PAV)を有する。
【0031】
[0044]好ましい研磨剤は、比較的少量のシリカを含む歯磨剤において通常のRDA値において示される比較的高いPCR値によって示される特に有効な洗浄能力を有するシリカである。PCR:RDAの比は1未満であるが、RDA値は好ましくはより高いPCR:RDAの比を有する従来のシリカよりも高く、これらの生成物と比較してより高いPCRを同量のシリカを用いて達成することができる。プラスチック研磨値は、シリカによって表面上に形成される擦過の量の測定値であり、したがって歯に対する損傷の可能性を示す。有用なシリカは適度なPAV、しかしながら高いPCRを有し、これは過度の損傷を与えずに良好な洗浄が得られることを示す。
【0032】
[0045]有用なアモルファスシリカは、好ましくは70〜150cm3/100gの範囲の亜麻仁油を用いる吸油量を有し、より好ましくは、吸油量は75〜130cm3/100gの範囲である。また、アモルファスシリカは、好ましくは10〜450m2g−1の範囲のBET表面積を有し、より好ましくは、BET表面積は50〜300m2g−1の範囲である。
【0033】
[0046]シリカの重量平均粒径はMalvern Mastersizerを用いて測定することができ、好ましい材料は5〜10μmの範囲の重量平均粒径を有していてよい。粒径分布、したがって任意の特定の値より小さい寸法を有する粒子の割合は、同じ技術によって測定することができる。アモルファスシリカに関しては、粒子の少なくとも90重量%は好ましくは17μmより小さい寸法を有する。
【0034】
[0047]特定の態様においては、幾つかの態様において有用な研磨剤の重量平均粒径は3〜7μmの範囲であり、粒子の少なくとも90重量%は、16μmより小さく、好ましくは12μmより小さい寸法を有する。
【0035】
[0048]シリカの放射性象牙質研磨値(RDA)は100〜220の範囲の値を有する。より通常的には、RDAは120〜200の範囲の値を有し、しばしばRDAは140より大きい。一般に、15より大きいPAVを有するシリカは120より大きいRDAを有し、17より大きいPAVを有するものは140より大きいRDAを有する。
【0036】
[0049]アモルファスシリカのPCR(10重量%の歯科組成物中で測定)は、85より大きく、好ましくは90より大きく、より好ましくは95より大きい。PCR:RDAの比は、好ましくは0.5:1〜0.9:1の範囲である。
【0037】
[0050]アモルファスシリカは、好ましくは5重量%懸濁液について測定して5〜8の範囲、より好ましくは6〜7.5の範囲のpH値を有する。1000℃における強熱減量によって測定される、歯科組成物中において用いるために好適なアモルファスシリカ上に存在する水の量は、通常は25重量%以下、好ましくは15重量%以下である。通常は、1000℃における強熱減量は4重量%より大きい。
【0038】
[0051]研磨材料に加えて、歯磨剤組成物には、1種類以上の経口的に許容できる香味料、着色剤、甘味料、加工助剤(エタノールのようなアルコール)、及び場合によっては水を含ませることもできる。好ましい経口的に許容できるキャリアとしては、例えば、アルコール、中鎖トリグリセリドなどが挙げられる。最も好ましくは、キャリアは中鎖トリグリセリドであり、組成物の50重量%〜90重量%、より好ましくは60重量%〜80重量%、最も好ましくは約75重量%の量で存在させる。中鎖トリグリセリド(MCT)は、通常は長さが約6〜約12炭素である。中鎖トリグリセリドは植物油であってよい。
【0039】
[0052]顔料及び染料のような着色剤を組成物中において用いることができる。顔料としては、二酸化チタン及び酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー及びピンク、並びに酸化第二鉄のような非毒性の水不溶性無機顔料が挙げられる。顔料は、5〜1000ミクロン、好ましくは250〜500ミクロンの範囲の粒径を有し、0.5〜3重量%の濃度で存在させる。
【0040】
[0053]用いる染料は、一般に、FD&C Red No.3(テトラヨードフルオレセインのナトリウム塩)、FD&C Yellow No.5(4−p−スルホフェニルアゾ−1−p−スルホフェニル−5−ヒドロキシピラゾール−3カルボン酸のナトリウム塩)、FD&C Yellow No.6(p−スルホフェニルアゾ−B−ナフトール−6−モノスルホネートのナトリウム塩)、FD&C Green No.3(エチル−[4−[4−[エチル−[(3−スルホフェニル)メチル]アミノ]フェニル]−(4−ヒドロキシ−2−スルホフェニル)メチリデン]−1−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン]−[(3−スルホフェニル)メチル]アザニウムのジナトリウム塩)、FD&C Blue No.1(インジゴチンのジベンジルジエチルジアミノトリフェニル−カルビノールトリスルホン酸のジナトリウム塩)、及び種々の割合のこれらの混合物のような染料などの、食品及び摂取薬物中における使用に関してFood Drug & Cosmetic Actの下で現在認可されている食品用着色添加剤である。最も有効な結果のための濃度の染料は、全重量の0.0005〜1%の量で歯磨剤組成物中に存在する。
【0041】
[0054]また、任意の好適な香味物質又は甘味物質を第2の歯磨剤成分中に含ませることもできる。好適な香味成分の例としては、例えばスペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、ササフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マヨラナ、シナモンレモン、及びオレンジのオイルのような芳香油、並びにサリチル酸メチルが挙げられる。好適な甘味剤としては、スクロース、スクラロース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラチン、及びナトリウムサッカリンが挙げられる。好適には、香味物質は、5重量%〜25重量%、より好ましくは10重量%〜20重量%、最も好ましくは約15重量%の量で歯磨剤組成物中に含ませる。甘味剤は、歯磨剤成分の0.1〜5重量%、より好ましくは0.25〜2重量%、最も好ましくは約0.5重量%を構成することができる。
【0042】
[0055]種々の態様においては、歯磨剤組成物は比較的少量の水を含む。多くの形態においては、歯磨剤組成物は、現在市販されている配合物に典型的なものよりも少ない量の水を含む。一態様においては、組成物は10重量%未満の水、例えば8重量%未満及び6重量%未満の水を含む。歯磨剤組成物中の水の全量には、一成分として意図的に加えられる水、及び副生成物又は種々の他の成分のための溶媒として存在する水から寄与されるものも含まれる。種々の態様においては、歯磨剤組成物は水を別の成分として加えないで配合される。その結果、歯磨剤組成物の得られる含水量は、種々の成分中に溶媒又は副生成物として存在する残留水から導かれる。上記で議論したように、配合歯磨剤は、一般に10%未満、好ましくは8%未満、より好ましくは6%未満の水を含む。最も好ましくは、組成物に水を加えないが、組成物を構成する個々の成分は水を含んでいてもよい。
【0043】
[0056]経口組成物は、場合によっては1種類以上の他の非活性成分を含む。非限定的な例としては、希釈剤、重炭酸塩、pH調節剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度調節剤、着色剤、甘味料、香味料、及び色素が挙げられる。練り歯磨、歯科用ゲル、及び他の歯磨剤組成物を、公知の原理にしたがってこれら及び場合によっては他の添加剤と配合する。
【0044】
[0057]好ましい形態においては、歯磨剤組成物はゼラチンカプセル中に封入する。ゼラチンカプセル中への液体又は水性組成物の封入は、当該技術において公知で、例えば米国特許4,422,985、4,426,337、5,478,570に記載されている技術を用いて行うことができる。このプロセスは、通常は、歯磨剤組成物の噴流、及び歯磨剤組成物の噴流と共軸の被覆材料(例えばゼラチン)の噴流を形成し、共軸の噴流を(場合によっては第3の共軸加熱部材又は加熱空気と共に)加熱し、これらの成分を冷却液中に導入して、ゼラチンで被覆された歯磨剤組成物から形成されるカプセルを形成することを伴う。歯磨剤中に存在するアルコールは、好ましくはそれぞれの成分の加熱中に蒸発する。好ましくは、ゼラチンは、カプセル化物の全重量の6〜15%、より好ましくは8〜12%、最も好ましくは約9%を構成する。同様に、歯磨剤組成物は、カプセル化物の全重量の85〜94%、より好ましくは88〜92%、最も好ましくは約91%を構成する。
【0045】
[0058]一形態においては、歯磨剤組成物はチューインガムの形態である。歯磨剤組成物のチューインガムへの製剤は、ガムベース、界面活性剤、キレート剤などを用いることによって行うことができる。米国特許5,603,920、6,471,945、6,479,071、6,696,044、7,445,769に開示されている任意の方法を用いてガム組成物を製造することができる。他の形態は、固体又は半固体の菓子製品の形態の歯磨剤組成物を包含する。当業者であれば、ここに与える指針を用いて固体の菓子製品を配合することができる。
【0046】
[0059]幾つかの好ましい態様に関して本組成物を上記に記載した。以下の実施例において更なる非限定的な記載を与える。
【実施例】
【0047】
実施例1:
[0060]引き抜いたウシの歯を用いる手順によってステイン除去性を求める生体外ステイン除去実験を用いて、本発明の組成物を対照組成物と比較した。手順は、Stookeyら, In vitro removal of stain with dentifrices, J. Dent Res 61 (11): 1236-1239, 1982年11月によって記載されているものと同様であった。
【0048】
試料の製造:
[0061]ダイヤモンド切削ディスクを用いて、ウシの永久門歯から一片が4mmの歯のエナメル質の正方形の試料を調製した。成形型を用いて、それぞれのエナメル質の正方形の試料を透明な迅速硬化歯科矯正用樹脂(Ortho-Jet, Lang Dental Mfg. Co., Inc., Wheeling, IL)中に埋封して、唇側面が露出した1.5cm平方のブロックを与えた。歯科用モデルトリマーを用いて、ポリエステルブロックの頂面を、エナメル質の正方形の試料の平らな唇側面と同一平面にして研磨した。次に、全ての研磨跡が除去されるまで、潤滑剤として水を用いて400グリットのエメリー研磨紙上で手によって研磨することによって表面を滑らかにした。最後に、それぞれの歯の試験片の頂面を、綿布上でか焼カオリン(1.2ミクロンの中央粒径)の水スラリーを用いて手で磨いて鏡面仕上げした。仕上げ処理された試験片を解剖顕微鏡下で検査し、エナメル質の表面に欠陥が観察された場合には廃棄した。
【0049】
[0062]エナメル質上に人工的な染色ペリクルを形成するために、試験片を0.2M−HCl中で60秒間エッチングし、次に炭酸ナトリウムの飽和溶液中に30秒間浸漬した。1%のフィチン酸を用いて最終エッチングを60秒間行い、次に試験片を脱イオン水ですすぎ、染色装置に取り付けた。
【0050】
染色装置:
[0063]ペリクル染色装置は、試験片を交互に染色液中に浸漬して空気乾燥するように構成した。装置は、減速ボックスを用いて1.5rpmの一定の速度でロッドを回転させる電動機に接続したテフロンロッド(直径1.9cm(3/4インチ))を支持するアルミニウム基台から構成されていた。ねじ切りされたねじ穴を、ロッドの長さに沿って一定の間隔で離隔させた。まずプラスチックネジの頭部を試験片の背面に接着剤で接着し、次に歯をロッド上にねじ込むことによって、歯の試験片をロッドに取り付けた。ロッドの下側には、ペリクル染色液を保持する取り外し可能な300mLの容量の溝を配した。
【0051】
染色液:
[0064]1.02gのインスタントコーヒー、1.02gのインスタントティー、及び075gの胃ムシン(National Biochemicals Corp., Cleveland, OH)を250mLの滅菌トリプチケースソイブロスに加えることによって、ペリクル染色液を調製した。また、約50mLのMicrococcus leteusの24時間培養物も染色液に加えた。次に、エナメル質の試験片を取り付け、溝内に染色液を備えた装置を37℃のインキュベーター内に配置し、染色液及び空気を通して試験片を連続的に回転させた。所望のレベルのステインが得られるまで、染色液を、連続する7〜10日間の間、24時間毎に1回取り替えた。それぞれの液交換と一緒に、脱イオン水を用いて試験片及び溝をすすぎ、且つブラッシングして、遊離した沈積物を除去した。黄色がかった沈積物が出現したら(3〜5日後)、0.03gのFeCl36H2Oを加えることによって染色液を変化させ、試験片上の染色ペリクル膜が十分に暗色になるまで、これを毎日の液交換と共に継続した。次に、試験片を染色液から取り出し、脱イオン水を用いて十分にブラッシングし、使用するまで保湿装置内で冷却した。
【0052】
ステインの測定:
[0065]Minolta分光光度計を用いて拡散反射吸光度の読み値をとることによって、歯の上の外因性染色ペリクルの明度を測定した。CIELAB色スケール(CIE publication No.15.2 CIE Colorimetry, 2版, Paris: Central Bureau of the CIE, 1986)を用いて、全可視色スペクトルにわたる吸光度測定値を得た。吸光度測定を行う前に、染色されたエナメル質の試験片を室温において30分間空気乾燥した。
【0053】
処置:
[0066]処置のために、試験片を、それぞれの群が同等の平均ベースラインL*a*b*ステインスコア値を有する16個の試験片の2つの同じ群に階層化した。標準的な手動歯ブラシ及び練り歯磨きを評価するように設計されたV−8機械的交差ブラッシング機を用いて試験を行った(Grabenstetter, R.J.ら, The measurement of the abrasion of human teeth by dentifrice abrasives: A test utilizing radioactive teeth. J. Dent. Res. 37:1060-1068, 1958)。用いる小型ミニブラシをColgate WISP製品中に保持するように治具を用いた。
【0054】
[0067]試験前の分光光度計反射吸光度読み値をとった後、それぞれのブラッシングサイクルの前に、歯の試験片を人工唾液中に20分間浸漬した。次に、試験片をV−8機械的交差ブラッシング機上に配置し、試験生成物を用いて歯の試験片を2分間(即ち約300往復)ブラッシングした。機械的変量を最小にするために、それぞれの群に関する歯の試験片をそれぞれの運転中にブラッシングし、全ての生成物が8つの工程全てにおいて2回試験されるまで、試験生成物をそれぞれのブラッシング工程にランダムに割り当てた。合計で14サイクルが完了する(即ち20分間の累積処置時間)まで、それぞれの処理サイクルについて新しいブラシを用いて、このプロセスを歯の試験片について繰り返した。
【0055】
[0068]最終処置サイクルの後、全ての残留ステインを歯から除去するために、歯科用ハンドピースを用いて試験片を磨き、反射吸光度読み値を再びとった。この方法によって、試験生成物によって潜在的に除去することができる染色ペリクルの最大量を算出するのに用いられるそれぞれの試験片に関する固有の値が与えられた。
【0056】
[0069]約65mgの種々の試験組成物(下記に記載)をミニブラシの毛材中に配置することによって、小型歯ブラシを形成した。用いる場合には、研磨剤の量は3〜6mgであった。それぞれの時点に関してΔE値を測定した。次式:
ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2
を用いて、歯の白色度の増分(ΔE)を算出した。
【0057】
[0070]上式中において、ΔEの値がより高いと、達成される歯の白色度のレベルはより高い。複数の歯について複数の読み値をとり、ΔE値の平均を算出した。
[0071]それぞれの色ファクター(L*、a*、及びb*)に関する試験前及び試験後の読み値の間の差によって、歯から外因性ステインを除去する試験歯磨剤の能力が示された。データは、以下のように計算し、定義した。
【0058】
除去されたステイン=ベースラインのステイン読み値−処置後の読み値;
得られた全ステイン=試験前ステイン読み値−処置及び磨き後の読み値;
除去された全ステイン%=「除去されたステイン」/「得られた全ステイン」。
【0059】
[0072]生成物によって除去されたステインの割合を計算するためには、歯を研磨して完全に清浄化することによって残留している外因性ステインを全て除去することが必要であった。完全なステイン除去後に得られるΔL*及びΔEスコアは、試験生成物によって除去するための歯の上に得られた外因性ステインの全量を表す。これらのΔL*及びΔEの値をブラッシング処置の後に得られる最終的なΔL*及びΔEスコアと比較することによって、ステイン除去の割合が2つのパラメーターに関して計算された。
【0060】
[0073]本発明の組成物と比較するために用いる対照試料を、下表1に示すように配合した。
【0061】
【表1】
【0062】
[0074]対照試料に高洗浄性研磨剤を加えることによって、本発明による組成物を調製した。例えば、5%高洗浄性シリカ(5%HCS)の組成物を下表2に示すように配合した。
【0063】
【表2】
【0064】
[0075]この組成物をHCS5%と名付けた。研磨剤を変化させた他の組成物を調製し、また、研磨剤を持ちない比較組成物も用いた(WISP配合物と呼ぶ)。AC-43シリカに代えて以下の研磨剤を用いた(又は異なる量を用い、この場合には中鎖トリグリセリドの量を変化させた)。
【0065】
コア組成物中の2.5%高洗浄性シリカ;
コア組成物中の10%高洗浄性シリカ;
コア組成物中の2.5%高洗浄性シリカ+2.5%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
5.0%ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)+10.0%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の2.5%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の5.0%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の10%ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)。
【0066】
[0076]これらの組成物を上記に記載したように試験し、それぞれの組成物に関するΔE値を下表3に与える。
【0067】
【表3】
【0068】
[0077]上表において示すように、非常に少量の高洗浄性研磨剤のみ(適用あたり3〜6mg)を含む組成物は、対照試料と比較すると著しく優れたステイン除去を与えた。当業者は、かかる少量の研磨剤は認められる効果を与えるとは考えず、ましてや研磨剤を用いない対照試料と比較して20%乃至ほぼ60%大きいステイン除去の向上を示す効果を与えるとは考えなかったであろう。
【0069】
[0078]僅か一回の2分間のブラッシングの後、本発明の試料は、対照試料に関する3%と比べて約12%の外因性ステインを除去した。28分間の累積処置の後、本発明の試料は、対照試料に関する20%未満と比べて約40%の外因性ステインを除去した。本発明の試料と対照試料との間の差は統計的に有意であった。
【0070】
歯磨剤を含む歯ブラシ:
[0079]1つの好ましい形態においては、カプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤のいずれかである上述の歯磨剤を、口腔ケア歯ブラシ上に配置する。例えば、歯磨剤を口腔ケア歯ブラシの頭部上に配置することができる。これは、カプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤を、口腔ケア歯ブラシの洗浄部材内又はその間に配置することによって行うことができる。他の態様においては、これは、歯磨剤を口腔ケア歯ブラシの洗浄部材に被覆、含侵、又は他の形態で含ませるか、又は固定することによって行うことができる。これらの概念を、図面を参照して下記により詳細に記載する。かかる歯ブラシ具に適用する場合には、歯磨剤の量は、通常は45mg〜80mg、好ましくは50mg〜75mgの範囲、最も好ましくは約64mgの歯磨剤である。
【0071】
[0080]ここで図1〜4を同時に参照すると、その上に本発明の歯磨剤を配置することができる一態様の口腔ケア歯ブラシが示されている。本発明の歯磨剤がカプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤の形態である場合には、本発明の歯磨剤は、好ましくは歯ブラシの洗浄部材内又はその間のいずれかに配置する。この態様においては、口腔ケア歯ブラシ10は頭部12及び柄部14を含む。頭部12は、詰め替え型頭部であってよく、したがって柄部14に取り外し可能に接続することができ、或いは頭部は柄部14に永久的に接続することができる。
【0072】
[0081]柄部14の大部分及び頭部12の一部は、例えばポリプロピレンのようなプラスチック、樹脂等などの種々の剛性材料から成形することができる。頭部12と反対側の柄部14の末端部は、弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーで形成されている付属品、好ましくは爪楊枝16に接続されている。爪楊枝16は詰め替え型又は交換可能な爪楊枝であってよく、したがって柄部14に取り外し可能に接続することができる。勿論、爪楊枝16は或いは柄部14に永久的に接続することもできる。爪楊枝16は、歯の間を局所洗浄するメカニズムを与える。爪楊枝16を柔軟なエラストマーで形成することによって、歯の間のより快適な隣接歯間洗浄が与えられる。しかしながら、爪楊枝16は、柄部14の主要部と同様の堅い剛性の材料で構成することができ、或いは単純に柄部14の端部に接着又は他の形態で取り付けられているラバー又はエラストマーのピックであってよい。
【0073】
[0082]柄部14の一部18も、弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーから形成することができる。爪楊枝16及び柄部の一部18を形成する熱可塑性エラストマーは、米国特許5,393,796に記載されているSANTOPRENEとして入手できるポリプロピレン及びEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)の混合物から構成される熱可塑性バルカネート(TPV)、又はポリプロピレン及び天然ラバーの混合物から構成される他のTPVであるVYRAMであってよい。SANTOPRENE及びVYRAMのいずれも、Advanced Elastomer Systemsによって市販されているエラストマーである。他の好適なエラストマーとしては、Shellによって市販されているスチレンブロックコポリマー(SBC)のブランドであるKRATON、及び、GLS Corpotationによって市販され、KRATONポリマーを用いて製造される熱可塑性エラストマーであるDYNAFLEX G2706が挙げられる。
【0074】
[0083]柄部14には更に、凹み、隆起部、又はその表面の一部から突き出る突起部を含ませて、それによって柄部14に装飾的な外観及び歯ブラシ10の使用中の柄部14の向上した把持性を与えることができる。凹みは、柄部14の柔軟なエラストマー部分18と同じ材料、或いは柄部14の大部分と同じ材料(例えば、ポリプロピレンのような剛性材料)から形成することができる。柄部14の全部又は一部は、プラスチック、木材、金属、又は生物分解性である種々の天然材料のような任意の好適な材料で構成することができる。好ましくは、柄部14は、柄部14の把持性を促進するために、離れたエラストマー部分18、18の間のその把持部分を、円筒形ではなく概して平坦又は楕円形状で形成する。
【0075】
[0084]図4に示すように、頭部12の毛材又は洗浄部材のブロック22を画定する頭部12の他の部分も、柄部の一部18を形成するのに用いられる熱可塑性エラストマーのような弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーで形成することができる。洗浄部材のブロック22には、以下により完全に記載するように、その表面30内に与えられている1以上の凹み24を、その中に含まれる破裂性の投与具、好ましくはゲルカプセル32に対するクッション効果を与えるその中の開口30と共に含ませることができる。洗浄部材のブロック22は更に、頭部12の外表面から一体で外側に向かって伸長する通常のフィラメント、好ましくはナイロン、又は弾性毛材又は指状部材であってよい多数の洗浄部材26を含む。図4に最も良好に示すような例示されている態様においては、洗浄部材26は全て、洗浄部材のブロック22の外表面から外側に向かって同じ距離伸長して、概して平坦な面を形成している。しかしながら、或いは、洗浄部材26の一部は洗浄部材26の他のものよりも短いか又は長くてもよい。洗浄部材26の可変長を図8において点線で示す先端部26aによって示す。明確にする目的で、且つかかる部材の可変性に焦点を当てるために、洗浄部材26の本体部分26bのみを実線で示す。
【0076】
[0085]ここで用いる「洗浄部材」という用語は、円形の断面形状、又は直線部分又は正弦部分などの任意のタイプの所望の形状で配列されている洗浄部材又はマッサージ部材として包括的な意味で用いるように意図される。洗浄部材の具体的な例示は単に例示の目的のためであると理解すべきである。しかしながら、本発明は、同じか又は異なる構成の種々の組合せ(例えば米国特許5,609,890、5,390,984、及び5,533,791に開示されているステープルインモールドタフティング(IMT)毛材技術)、及び/又は同じか又は異なる毛材(例えば、ナイロン毛材、螺旋毛材、ラバー毛材等)を用いて実施することができる。同様に、図1〜4は頭部12の外表面に対して概して直角である洗浄部材26を示しているが、洗浄部材26の一部又は全部を頭部12の外表面に対して種々の角度で傾斜させることができる。したがって、向上した洗浄、歯の研磨、歯の漂白、歯肉のマッサージ、及び/又はこれらの組合せのような具体的な所期の結果が達成されるように、複数の構造、複数の材料、及び複数の配向の組み合わせを選択することができる。
【0077】
[0086]洗浄部材26は、上記に記載の歯磨剤を含むゲルカプセル32と共に用いるように意図される。言い換えれば、キャリア中に上記記載の所定量の研磨物質を含み、場合によっては香味料、着色剤、甘味料、加工助剤、及び水の任意の1以上と組み合わせた歯磨剤を、ゲルカプセル32内に封入することができる。或いは、歯磨剤組成物が固体歯磨剤又はガム歯磨剤である場合には、それは、ここで示す記載から明らかな方法で洗浄部材26内又はその間に配置することができる。このようにして、洗浄部材26は、歯磨剤を歯に適用したら歯磨剤を補助及び/又は活性化する研磨具として機能させることができる。歯磨剤の研磨及び/又は漂白効果は、洗浄部材26を熱可塑性エラストマーのようなエラストマー材料から形成することによって更に増大させることができる。エラストマー洗浄部材26は、歯の表面に対してスクラビングした際に清拭材として機能する。
【0078】
[0087]他の態様においては、洗浄部材26は不規則な外表面を有する単一の物体の形態である。単一の物体は、家庭の掃除において用いられる「スチールウール」と同様のものであってよく、或いはフック/ループのようなVelco構造の一部であってよい。他の態様においては、洗浄部材26は、向上したステイン除去及び歯洗浄効能を有する歯磨剤組成物のための綿球として用いることができる綿のためのフォームの単一の物体であってよい。かかる態様においては、洗浄部材26に歯磨剤組成物を含侵させることができ、或いは物質を吸収するように洗浄部材26を歯磨剤組成物中に浸漬することができる。
【0079】
[0088]上述したように、洗浄ブロック22には、破裂性ゲルカプセル32のような口腔ケア投与具をその中に受容し且つ保持するように設計されている1以上の凹み24を含ませることができる。破裂性ゲルカプセル32によって上記記載の歯磨剤組成物を封入する。
【0080】
[0089]1以上の凹み24は、洗浄ブロック22から伸長する洗浄部材26をそれに当てると歯科組織に供給されるように、種々の寸法のゲルカプセル32だけでなく、種々の量の歯磨剤組成物を収容するように寸法を変化させることができる。ここに記載するような歯磨剤組成物を含む本発明の歯ブラシを製造し、使用者によって投与具に歯磨剤組成物を再充填して繰り返し使用することができるが、これは好ましくは1以上のゲルカプセル32をその中に含ませて用いられる。最も好ましくは、本組成物は、最も容易に輸送し、使用し、及びその後に廃棄されるように、それと共に供給される単一のゲルカプセル32と共に用いる。しかしながら、交換可能なゲルカプセル32と共に繰り返し用いた後に廃棄することもできる。
【0081】
[0090]凹みは、毛材ブロック22を歯科組織に当ててそれをブラッシングしている間にそれを使用する前に、ゲルカプセル32の早期破裂を起こすことなくゲルカプセル32を受容し保持するように寸法及び形状が定められたクッション付きソケット28の形態であることが好ましい。クッションソケット28、開口30、及び毛材ブロック22を構成する材料によって、ゲルカプセル32が使用前に破裂することを阻止するゲルカプセル32のためのクッション効果が与えられる。
【0082】
[0091]ゲルカプセル32によって、本発明の歯磨剤組成物が歯ブラシ頭部12の洗浄部材26上に保持され、適用される。好ましくは、ゲルカプセル32は、歯に対してスクラビングした際に容易に崩壊又は破裂するか、或いは使用者の唾液と混合されると溶解する脆弱な薄い壁部を有するゲルカプセルである。ゲルカプセル32を構成する材料は、歯ブラシの使用者によって摂取することができるものであり、ゲルカプセル32を吐き出すための水、流し台、又は汚物容器の必要性が排除される。歯磨剤組成物は、歯ブラシ10が使用状態になるまでゲルカプセル32内に保持される。好ましくは、ゲルカプセル32は完全に密封して、歯磨剤組成物が使用するまで新しく保持されることを助ける。
【0083】
[0092]使用に際しては、ゲルカプセル32を歯に対して押し付けて、破裂又は崩壊又は溶解させて、歯磨剤組成物を洗浄部材26上に供給する。次に、使用者は歯ブラシ10で彼らの歯をブラッシングすることができる。また、使用者は、ブラッシングの前又は後のいずれかに爪楊枝16を用いて歯の間の洗浄することもできる。使用者が歯ブラシ10を使用した後は、歯ブラシ10を容易に且つ経済的に廃棄することがでるが、歯ブラシ10は上記に記載したように再使用可能であってもよいので、これは必須ではない。
【0084】
[0093]1つの好ましい形態においては、頭部12、柄部14、及び爪楊枝16を含む歯ブラシ10の全体の構造は、歯ブラシの製造において通常用いられる従来の二成分射出成形操作を用いて1つの一体構造として成形する。これによって、歯ブラシ10を経済的且つ迅速に製造することができる。歯ブラシ10は種々の寸法及びディメンションを有していてよいが、歯ブラシ10は小さい外形を有し、頭部12は一度に1つの歯を覆うのに十分に小さく、柄部14は従来の毎日使う歯ブラシの柄部よりも細くすることが好ましい。これにより、歯ブラシ10は容易に携帯でき、又は省スペース型である。
【0085】
[0094]歯ブラシ10は、家から離れて且つ上水道から離れている際に用いることができる形態で人の歯をブラッシングする美容的利益などの多くの利益を与える。歯ブラシ10によって達成される美容的利益としては、爪楊枝16による歯の間の滓の洗浄、洗浄部材26及び歯磨剤組成物による広い歯表面の洗浄及び/又は漂白、並びに歯磨剤組成物が上記に記載の香味料又は甘味料を含む場合には息清涼化が挙げられる。
【0086】
[0095]美容的利益としては、移動状況における向上したステイン除去及び歯洗浄効能を更に挙げることができる。例えば、コーヒー又は茶を飲んだ後に、これらの飲料に起因することが知られている歯のステインを減少させるために、歯磨剤組成物を含むゲルカプセル32を有する歯ブラシ10を用いることができる。更に、歯ブラシ10はコーヒー及び茶のステインの影響を最も受けやすい歯の部分である前歯の前面を洗浄するのに特に適しているので、ステイン除去効能が更に向上する。
【0087】
[0096]美容的利益に加えて、歯ブラシ10はまた、迅速且つ経済的に製造される安価な歯ブラシの形態の経済的利益も与える。歯ブラシ10はまた、練り歯磨き、水、口内洗浄薬、及びこれらを保持する容器の必要性なしに口腔の健康を維持するためのメカニズムも与える。而して、歯ブラシ10はまた使用するのに非常に便利である。
【0088】
[0097]図1〜4は手動操作型の使い捨て歯ブラシを示しているが、頭部が洗浄部材を支持する1以上の電動の可動部分を含むように本発明を実施することもできる。かかる可動部分は回転状に振動させるか、又は頭部の縦軸に対して縦方向に直線的に振動させるか、又は頭部の縦軸に対して横方向又は横断方向に直線的に振動させることができる。可動部分は、頭部の外表面に向かう方法及びそれから離れる方向で内外に振動させることができる。可動部分は、頭部の外表面に対して前後に揺動させることができる。可動部分は、振動させるのではなく、同じ方法に連続的に回転させることができる。可動部分に所望の動きを与えるために任意の好適な駆動機構を用いることができる。複数の可動部分を用いる場合には、可動部分の全部が同じタイプ及び方向の動きを有していてよく、或いは異なる動きの組合せを用いることができる。或いは、歯ブラシに圧電結晶のような振動素子を単純に含ませて、使用中に頭部12を振動させることができる。
【0089】
[0098]一形態によれば、洗浄部材は、経済的に適切な堅さを与えるように、ナイロンのような通常の材料並びに複数の材料の組合せで構成される毛材の形態であってよい。好ましくは、洗浄部材は、TPEのような可撓性の弾性材料、並びにLLDPE(線状低密度ポリエチレン)若しくはEVA(エチレン酢酸ビニル)若しくはTPEのようなより安価な材料で構成する。洗浄部材は、TPEと、LLDPE、EVA、又はポリプロピレンのいずれかのブレンドで構成することができる。好ましくは、2種類の材料を混合して600MPa未満のスティフネスを与える。複数の材料のブレンドは、減少したコストを与えながら通常のナイロン毛材の特性を与える。例えば、通常の毛材タフティングの代わりに射出成形を用いることによってより低い製造コストが得られる。或いは、弾性材料は、硬質TPE(即ち80のショアA硬度)、直鎖LLDPE、又は直鎖EVAのような単一の材料であってよい。
【0090】
[0099]洗浄部材は任意の所望の形状のものであってよい。例えば、洗浄部材は、それらの長さの全体にわたって均一な直径を有する円筒形のものであってよい。或いは、洗浄部材は、頭部22からその外側の洗浄端部まで伸長するそれぞれの洗浄部材の基根部からの先細り形状であってよい。好ましい実施は小さく軽量の歯ブラシを与えることであるので、歯ブラシ10の種々の部品の寸法は好ましくは小さい。而して、例えば、洗浄部材26のそれぞれは、洗浄ブロック12の外表面から外側に、10mm以下、好ましくは8mm以下、最も好ましくは6mm以下の距離伸長していてよい。先細りの洗浄部材を用いる場合には、基根部の直径は1.5mm以下、好ましくは1mm以下、最も好ましくは0.7mm以下、又は0.5mm以下、又は0.3mm以下でなければならない。次に、直径は、洗浄部材の基部から6mm以下の距離において0.2mm以下まで寸法減少していてよい。基根部の直径の上方の距離位置における直径の先細りの関係は、10mm以下の距離において1mm以下、好ましくは8mm以下の距離において0.6mm以下、最も好ましくは6mm以下の距離において0.2mm以下の範囲であってよい。好ましくは、歯ブラシ10全体の長さは、12.7cm(5インチ)以下、好ましくは10.2cm(4インチ)以下、より好ましくは9.5、7.6、又は6,4cm(3.75又は3又は2.5インチ)以下であり、5.1〜10.1cm(2〜4インチ)の範囲であってよい。
【0091】
[0100]図1及び4において示すように、洗浄部材26は頭部12内に洗浄領域を画定しており、投与具32がこの洗浄領域内に取り付けられている。洗浄部材26は、好ましくは、図4において示すように、洗浄ブロック22から外側に向かって伸長して、ゲルビーズ又はカプセル32の外表面とほぼ同一平面上になっている。しかしながら、図8に示すように洗浄部材が投与具32よりも長い距離か又は少ない距離伸長するように本発明を実施することもできる。歯ブラシ10は小さく且つ軽量であるように意図されるので、歯ブラシ10は3g以下の重量であることが好ましい。小さい寸法とは、成人の使用者の掌内に完全に握ることができるようなものである。頭部12は、個々の歯、又は個々の歯及び歯間領域の寸法に対応する寸法のものである。頭部12は任意の好適な形状で構成することができ、好ましくは、13mm以下、好ましくは12mm以下、最も好ましくは11mm以下の最大横寸法又は直径を有する円形又は楕円形のものである。頭部12が非円形のものである場合には、その最大横寸法は14mmである。
【0092】
[0101]図2において示すように、頭部12は、好ましくは柄部14の縦軸に対して0°〜90°の角度である。好ましい角度は20°〜70°であり、より好ましくは30°〜60°である。洗浄部材26は、頭部12の外表面に対して直角であってよく、或いは60°〜90°の範囲、又は75°〜90°の範囲のように外表面に対して所定の角度であってもよい。
【0093】
[0102]一形態においては、洗浄部材26は、上記で議論した歯磨剤組成物を毛管作用によって吸収することができる中空毛材のような中空のものであってよい。洗浄部材26を用いて歯磨剤組成物を投与する1形態においては、カプセル32のような更なる投与具の必要なしに洗浄部材26それ自体を口腔ケア投与具とみなすことができる。この形態においては、好ましくは、歯ブラシ10の使用前に上記記載の歯磨剤組成物を洗浄部材26内に配置する。洗浄部材に関して特定のパラメーター及び特徴が与えられる場合には、他の洗浄部材がこれらのパラメーター及び特徴を含まないように本発明を実施することができる。
【0094】
[0103]図5は、柄部14が上記記載の歯磨剤組成物をその中に含ませることができる中空室46を有する他の形態を示す。室46は、頭部12に向かって伸びて洗浄領域内の頭部12の外表面において複数の分岐49で終わる流路48に通じている。室又は貯留部46内に配置されている口腔ケア物質を投与するために、柄部14は十分な弾性を有しているので、柄部を搾って、それによって歯磨剤組成物を柄部14から頭部12に強制的に送って、投与孔又は1以上の投与開口中に送ることができる。
【0095】
[0104]図9及び10は、頭部60が外表面62、外表面62の一部から伸長する複数の洗浄部材64、及び外表面62の他の部分から伸長する隆起ソケット68を有する他の態様による頭部60を示す。ソケット68は、好ましくは外表面62と同じ材料から形成されており、好ましくは成形などによって外表面62と共に一体成形されている。ソケット68は、直立壁69によって外表面62に対して外側に伸長しており、ここで議論するビーズ又はカプセル70のような口腔ケア投与具を収容する収容部を含む。カプセル70は、好ましくは記載する歯磨剤組成物を封入する。隆起ソケット68は、カプセル70を洗浄部材64の端部に近接して配置して、カプセル70と使用者の歯との間の接触を促進させ、ブラッシングプロセスの始めにカプセル70が破裂するのを促進させる。ソケットはまた、カプセル70を上記で議論したように洗浄部材64を超えて配置して、使用者の歯との更により大きく迅速な接触を促進させることができる。
【0096】
[0105]洗浄部材64には、図1に示す円形構造のような上記で議論した種々の構造を含ませることができる。図10は、洗浄部材64がソケット68の周囲に複数の同心環状に配置されている(65a、65b、65c)楕円構造の例を示す。かかる環の1つは、頭部60の外表面62の上端及び下端61、63に沿って画定されている部分環部分65d、65eから構成され、部分65d、65eが増加した効能のために洗浄部材の領域の大部分を超えて伸長する洗浄端を与えるように設計されている所謂パワーチップの同等品を含む部分環である。
【0097】
[0106]歯ブラシ10及びその種々の部品を形成するために任意の好適な方法を用いることができる。例えば、多成分射出成形を用いて、洗浄部材26及び頭部12及び/又は柄部14のような種々の部品を一体結合させることができる。これは、自動又は多工程プロセスで行うことができる。柄部14を回転ブロー成形して、図5に示す態様において使用することができる中空の絞り柄部を形成することができる。
【0098】
[0107]図6〜7は、歯ブラシを包装する異なる方法を示す。例えば図6に示すように、単一のパッケージ50に、全てが同じか又は互いに異なっていてよい複数の歯ブラシ10を含ませることができる。パッケージ50は、パッケージを陳列の目的で吊下することができる穴52を含んでいてよいブリスター包装のような任意の通常の構造のものであってよい。
【0099】
[0108]図7は、パッケージ54が1以上の歯ブラシ10及び付属品又は投与具又は他の部品であってよい複数の他の部品56を含む変形を示す。部品としては、上記記載の歯磨剤組成物を含む交換可能なカプセルを挙げることができる。好ましくは、パッケージ50又は54は気密シールして新しさを確保する。かかる気密シールは、湿分がゲルカプセル32に到達してカプセル32を破裂させるのを阻止するために特に望ましい。
【0100】
[0109]図11は、頭部又は支持部80が楕円形状を有していてよく、上記に記載の歯磨剤組成物の充填歯磨剤のビーズ又はカプセル(図には示していない)のような口腔ケア投与具を使用前に所定位置に保持する突起又は付勢部材のような一連の保持部材81を有していてよい他の変形を示す。保持部材81は、ビーズ又はカプセルを口腔ケア部材(例えば毛材26)の領域に対してより高い位置に保持して、ビーズ、投与具、又はカプセル32のより多くの表面領域を使用者の唾液に曝露させて、「口あたり」を向上させ、ビーズ、投与具、又はカプセルの溶解を促進させるのを助けることができる。示されているように、保持部材81は、ビーズ、投与具、又はカプセルを毛材26の遠位端の下方に保持して、ビーズ、投与具、又はカプセルを毛材26の領域内に沈下させて保持して、毛材が毛材の遠位端においてビーズ、投与具、又はカプセルを超えて伸長するようにすることができる。
【0101】
[0110]保持部材81は、毛材26と同じ材料で形成することができ、或いは毛材26よりも大きな剛性を有する異なる材料で形成することができる。1つの構造においては、保持部材81は、図1〜4において上記したような柄部14のエラストマー部分18と同じ材料で形成することができる。
【0102】
[0111]用いる保持部材81の数は、ビーズ又はカプセルのタイプ、及び保持力補助の量によって変化させることができる。図12において示すように、ビーズ又はカプセルの周縁の周りの4つの主要点において4つの保持部材81を用いることができる。勿論、より多いか又はより少ない保持部材81を用いることができる。例えば、幾つかの態様においては周縁の周りの三角形の点において3つの保持部材81を用いることができ、一方、他の態様においては周縁の周りに5、6、又はそれ以上の突起物を用いることができる。保持部材81は、ビーズ又はカプセルが毛材26に対して中心位置に保持される配置することができる。
【0103】
[0112]また図12に示すように、毛材26をそれらの直近端において直径を変化させて、領域の異なる区域内の毛材が、毛材の縦軸から測定して異なる厚さ及び剛性又は軸方向剛性を有するようにすることができる。かかる構造においては、内側又は中央領域の毛材26bは外側又は周縁領域の毛材26cよりも剛性である。支持部80の毛材26は、図11に示すようにそれらの遠位端に向かって先細りにすることができる。
【0104】
[0113]図12を参照すると、毛材26の領域の変動する剛性の配列によって、効率的な洗浄のためにブラッシング操作中に歯磨剤組成物の漸増放射流制御を行うための構造が形成される。保持部材81の周囲の毛材は独立して可撓性である。この点に関し、ブラッシング操作中において、より剛性の毛材26bの自由端(例えば先端)は、それらのそれぞれの縦軸に対して、外側の毛材26c(例えば周縁付近の毛材)よりも屈曲が少ない。したがって、より剛性の毛材の減少した動的曲げ又は動きによって、歯磨剤の一部がブラシ頭部の中央領域内でより長く留まる。
【0105】
[0114]支持部80の掃去又は振動運動によって、保持されている歯磨剤組成物の一部が支持部80の外側領域に移動する。外側の毛材26cはより剛性が小さいが、それらの縦軸に対する動的曲げによって、更に外側毛材によって支持部80の中央領域からの歯磨剤組成物の一部が受容される。このようにして、毛材領域によって、歯磨剤又は口腔ケア物質の外側毛材への限られた制御された流れが与えられ、より大きな使用者の快適さ及び口腔組織の向上した洗浄を与えるのに十分な可撓性が保持される。
【0106】
[0115]図11〜14を参照すると、1つの構造においては、凹み部又は空洞100が支持部80内の投与具32の下方に与えられている。図13及び14において明らかなように、凹み部100は、内部領域内で保持部材81の下方及び間に配置されている凹んだ構造又は半球状の構造であってよい。凹んだ構造が示されているが、三角柱、正四角柱、又は直方体のような凹み部100に関する他の形状も可能である。凹み部100は、投与具32からの歯磨剤組成物の一部を保持して、ブラッシング中の歯磨剤組成物の有益な洗浄効果を延長するように働く。この点に関し、支持部80の掃去又は振動運動によって、保持された歯磨剤組成物の一部が支持部80の内部領域の毛材26bに移動する。
【0107】
[0116]1つの構造においては、保持部材81は支持部80から上向きに伸びる円柱状の構造である。保持部材81は、ビーズ又はカプセルを所定位置に保持することを更に補助するために内側に湾曲させることができる。図13は、かかる湾曲した保持部材81を示す拡大断面図を示す。かかる湾曲した保持部材81は、保持のためにビーズ又はカプセル32の直径の中間よりも多く、上(又は視野角によって下)に伸びる長さを有していてよい。したがって、保持部材の長さ部分は、保持のために支持部80の縦軸に対して鋭角に配置することができる。保持部材81の組み合わせによって、投与具32を所定位置に保持する圧縮力が与えられる。内側に配置される接触面85は概して滑らかであり、投与具32が使用前に早期破裂するのが確実に阻止される(図11参照)。また、接触面85の滑らかで湾曲した特徴によって、投与具32の表面上への圧力の概して均一な分配が与えられる。したがって、この構造によって投与具32の表面上への薄壁応力が減少し、投与具32が使用前に早期破裂するのが確実に阻止される。例えば、輸送操作中に歯ブラシ上に作用する衝撃力を消散させることができる。
【0108】
[0117]保持部材81は、ブラッシング中にビーズ又はカプセルが破裂するのを助けることができ、遠位端82において平坦な表面を有して、この目的のためにビーズ又はカプセルに対する角端83を形成することができる。図12及び13を参照すると、毛材26の一部を保持部材81から伸長させることができる。この構造においては、毛材の基部の一部は保持部材81の後部/背部から伸長する。これによってコンパクトな省スペース型の頭部構造が与えられ、また、毛材領域における歯磨剤組成物の流れ制御の有益性も与えられる。
【0109】
[0118]図13において示すように、ブロック22は上記で議論した毛材26の一部又は全部と同じ材料で形成することができ、これは柄部14の他の部分とは異なる材料であってよい。或いは、柄部14及びブロック22を同じ材料で形成し、毛材26を異なる材料で形成することができる。
【0110】
[0119]図14は、図11〜13に示す頭部又は支持部構造を有する歯ブラシの横断面図を示す。支持部80は柄部に対して10°の角度で傾斜させることができ、これは従前の図面において示すものよりも小さい角度で傾斜している頭部を示す。8°〜12°の範囲の角度によって使用者のブラッシング技術の向上を助けることができる。図13と同様に、図14も材料の配列の例を示しており、ここではブロック22は毛材26の一部又は全部及び柄部の一部と同じ材料で形成することができる。或いは、柄部をブロック22及び/又は毛材26と同じ材料で形成することができる。
【0111】
[0120]したがって、幾つかの態様においては、口腔ケア具には、歯磨剤組成物を有する破裂可能な投与具を、記載した部品及び材料の結合ユニット又は種々の他の組合せとして含ませることができる。歯ブラシは、歯の間を洗浄することができる爪楊枝を有していてよい。ここで記載した歯磨剤組成物のような歯磨剤又は他の口腔ケア物質を含む投与具は、歯磨剤組成物を歯に投与するための歯ブラシの毛材又は洗浄部材の部分の中に接続することができる。1つの構造においては、口腔ケア部材は、支持部の内部領域に近接した投与具から放出される歯磨剤組成物の放射流を遅延させて、内部領域から離れた箇所での口腔ケア物質の放射流を増加させるように構成する。
【0112】
[0121]本発明を種々の好ましい形態に関して上記に記載したが、本発明は開示された態様に限定されないと理解すべきである。当業者が想到するであろう変更及び修正も、特許請求の範囲において規定される発明の一部である。
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2009年7月31日出願の米国仮特許出願61/230,321(参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]幾つかの態様は、少量の比較的小粒径の高洗浄性研磨剤を含み、抗菌薬、フッ化物、及び他の口腔ケア活性成分を用いない歯磨剤組成物に関する。特に、良好なステイン除去性を有する歯磨剤組成物に関する。本歯磨剤組成物は、カプセル封入組成物、固体の菓子組成物、ガムなどの形態であってよく、場合によっては歯ブラシ具の毛材内に配置することができる。
【背景技術】
【0002】
[0003]通常の研磨剤としては、例えばシリカゲル、ケイ酸、又は沈降シリカの形態のシリカ、アルミナ、不溶性ホスフェート、炭酸カルシウム、尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物のような樹脂研磨剤などが挙げられる。研磨剤として有用な不溶性のホスフェートの中には、オルトホスフェート、ポリメタホスフェート、及びピロホスフェートがある。代表例は、ジカルシウムオルトホスフェート二水和物、カルシウムピロホスフェート、β−カルシウムピロホスフェート、トリカルシウムホスフェート、カルシウムポリメタホスフェート、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)、テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP)、及び不溶性のナトリウムポリメタホスフェートである。通常は、1種類以上の研磨剤は、通常は組成物の5重量%〜70重量%、例えば10重量%〜50重量%、又は15重量%〜30重量%の研磨的に有効な全量で歯磨剤中に存在させる。研磨剤の平均粒径は、一般に0.1〜30μm、例えば1〜20μm、又は5〜15μmである。
【0003】
[0004]合成的に製造されたシリカは、今日の多くの歯磨剤配合物中の一成分として重要な役割を果たす。かかるシリカは、グリセリン、ソルビトール(又はキシリトール)、増粘剤、洗浄剤、着色物質及び香味物質、並びに場合によってはフッ化物及び他の活性成分などの他の歯磨剤成分と相溶性の比較的安全で非毒性の成分であり、そのために、シリカは歯を清浄化し、歯垢及び食物滓を除去するための研磨剤として機能する。
【0004】
[0005]研磨剤として、シリカは歯の外表面を汚れ除去し且つ物理的にスクラビングする。このスクラビング作用によって、歯を覆い、コーヒー、茶、及びベリー類のような食品、並びに煙草の煙、カチオン性抗菌剤、及び色素産生菌によって染色及び変色されるようになることが知られている唾液タンパク質で形成される有機膜(即ちペリクル)が除去される。染色ペリクルのかかる物理的除去は、毎日起こる望ましくない表面の染色及び変色を除去する簡単で有効な手段である。更に、ペリクルのかかる物理的除去によって、ペリクル表面上の歯垢細菌も除去される。
【0005】
[0006]合成シリカとしては、シリケート水溶液を強い鉱酸で中和することによって製造されるシリカゲル及び沈降シリカの両方が挙げられる。シリカゲルの製造においては、シリカヒドロゲルを形成し、これを次に通常は洗浄して低塩含量にする。洗浄したヒドロゲルは、所望の寸法に粉砕するか、又は最終的にその構造がもはや収縮の結果として変化しない点まで乾燥することができる。かかる合成シリカを製造する際には、その目的は、歯のエナメル質及び他の口腔組織に対する損傷を最小にして最大の洗浄(即ち染色ペリクルの除去)を与える研磨剤を得ることである。歯科研究者は、これらの目的を満足する合成シリカを確認することに継続して関心を持っている。
【0006】
[0007]米国特許4,153,680及び英国特許出願2,038,303Aは両方とも、シリカヒドロゲル又は水和シリカゲルの歯磨剤用研磨剤としての一般的な使用を開示する。米国特許4,632,826は、水和シリカゲルを弱か焼アルミナ研磨剤と組み合わせて用いて配合研磨剤系を形成することを開示する。米国特許4,943,429、5,176,899、及び5,270,033は、水和シリカゲルを含む別の研磨剤のリストを与える。
【0007】
[0008]米国特許5,939,051は、低研磨性を有するシリカゲル及び高洗浄性生成物を用いて製造される歯磨剤組成物を開示する。しかしながら、シリカゲルは、低い研磨性を達成するために2〜4ミクロンの低い粒径分布を有する。このような小粒径のシリカゲルの製造は、多量のエネルギーを消費し、比較的高コストである。
【0008】
[0009]米国特許5,658,553及び5,651,958は、高い洗浄性、及びそれらの低い放射性象牙質研磨(RDA)値によって示される低い研磨性を有する沈降シリカ及びシリカゲルの組み合わせを含む歯磨剤組成物を開示する。米国特許5,651,958及び5,658,553に記載されているシリカの低い研磨性のために、この組成物は本質的に制限された洗浄性能を有する。
【0009】
[0010]RDA値は、歯磨剤配合物の研磨性を定める歯科技術において認識されている方法であり、Hefferren, Journal of Dental Research, vol.55, 4版, 1976年7〜8月, pp.563-573によって示され、Wasonの米国特許4,340,583、4,420,312、及び4,421,527に記載されているAmerican Dental Associationによって推奨されている方法にしたがって求められる。
【0010】
[0011]歯磨剤組成物のRDA値を110より高く増加させても、ペリクル洗浄比(PCR)(標準試料に対する茶及びコーヒーによる歯のステインを除去する効能を測定するために用いられる生体外方法)によって測定される歯磨剤の洗浄性能の対応する増加はもたらさないことが歯科技術において公知である。ここで示すPCR値は、"In Vitro Removal of Stain with Dentifrice", G.K. Stookeyら, J. Dental Research, 61, 123-9, 1982に記載されている方法の修正法によって得られる。ここで用いるPCR法の修正法は、米国特許5,658,553及び5,651,958に記載されている。この修正法においては、まず透明なペリクル物質をウシの歯に適用し、これを次にペリクル物質、並びに茶、コーヒー、及びFeCl3の組み合わせによって染色するが、これに対してStookeyらによって記載されている元々の方法においては、ペリクル及びステインの両方を同時に適用する。
【0011】
[0012]「高洗浄性」シリカと呼ばれるシリカ粒子は公知であり、例えば7,306,788、7,267,814、6,896,876、6,669,929に記載されている。これらの多くは、J. M. Huber(Havre de Grace, Md. USA)から商業的に入手でき、Zeodentの商品名で販売されている。他のシリカは、例えば米国特許出願公開2009/0010973、2006/0008423、2006/0008422、2005/0129628に記載されているように、通常のシリカの一部を置き換えてそれらの洗浄効能を向上又は促進させることを目的とするものである。
【0012】
[0013]歯ブラシ具の毛材内に配置されている固体、半固体、又はカプセル封入組成物の形態の歯磨剤組成物は公知である。Colgate WISPは1つのかかる用具である。Wisp用具は、毛材内に配置されているゼラチンカプセル封入液体組成物を含む小型の歯ブラシ具(長さ約8.9cm(3.5インチ))である。液体カプセルは、使用の際に水又はすすぎを必要としないで清涼味を勢いよく放出する。Wispは一回使用した後に廃棄するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許4,153,680
【特許文献2】英国特許出願2,038,303A
【特許文献3】米国特許4,632,826
【特許文献4】米国特許4,943,429
【特許文献5】米国特許5,176,899
【特許文献6】米国特許5,270,033
【特許文献7】米国特許5,939,051
【特許文献8】米国特許5,658,553
【特許文献9】米国特許5,651,958
【特許文献10】米国特許4,340,583
【特許文献11】米国特許4,420,312
【特許文献12】米国特許4,421,527
【特許文献13】7,306,788
【特許文献14】7,267,814
【特許文献15】6,896,876
【特許文献16】6,669,929
【特許文献17】米国特許出願公開2009/0010973
【特許文献18】米国特許出願公開2006/0008423
【特許文献19】米国特許出願公開2006/0008422
【特許文献20】米国特許出願公開2005/0129628
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Hefferren, Journal of Dental Research, vol.55, 4版, 1976年7〜8月, pp.563-573
【非特許文献2】"In Vitro Removal of Stain with Dentifrice", G.K. Stookeyら, J. Dental Research, 61, 123-9, 1982
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
[0014]必ずしも練り歯磨又はゲルとして用いることを意図せず、必ずしも口腔ケア活性成分を含まず、ステインを除去し歯を清浄化するのに有効である歯磨剤組成物を提供する必要性が未だ存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[0015]ここに記載する種々の態様は、向上したステイン除去性及び歯洗浄効能を有する歯磨剤組成物を提供することによって上述の必要性を満足するものである。
[0016]一形態によれば、経口的に許容できるキャリア及び少量の比較的小粒径の研磨剤を含み、好ましくは抗菌剤、フッ化物、及び他の口腔ケア活性成分を用いない歯磨剤組成物が提供される。本組成物は、ゲル、固体として存在させることができ、ゼラチンカプセル内に封入することができ、或いは水性又は無水組成物として存在させることができる。
【0017】
[0017]他の形態によれば、歯磨剤組成物は、歯ブラシ具の毛材内に配置されている固体又はカプセル封入組成物として与えられる。好ましい形態においては、本組成物は、一回使用した後に歯ブラシ具を廃棄するように設計されている。
【0018】
[0018]更に他の形態によれば、経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によってはアルコール加工助剤を混合して液体組成物を生成させ、液体組成物に少量の小粒径研磨剤を加えることを含む歯磨剤組成物の製造方法が提供される。他の態様においては、歯磨剤組成物はゼラチンの外側カプセル内に封入されており、カプセル封入中にアルコール加工助剤が組成物から除去される。他の形態においては、カプセル封入された組成物を次に歯ブラシ具の毛材内に配置する。
【0019】
[0019]一態様においては、経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量は2mg〜8mgであり、研磨剤は3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有しており、粒子の少なくとも90重量%は16μmより小さい寸法を有しており、組成物は口腔ケア活性成分を含まない歯磨剤組成物が提供される。
【0020】
[0020]他の態様においては、経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によっては加工助剤を混合して液体混合物を形成し、液体混合物に、口腔ケア活性成分を混合又は添加しないで、3〜7μmの範囲の平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有する1〜10重量%の研磨剤を加えることを含む歯磨剤組成物の製造方法が提供される。
【0021】
[0021]他の態様においては、柄部;柄部に取り付けられており、外表面、及び外表面から外側に伸長する複数の歯洗浄部材を有する頭部;及び、頭部上に配置されており、経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量は2mg〜8mgであり、研磨剤は3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有しており、粒子の少なくとも90重量%は16μmより小さい寸法を有する歯磨剤組成物;を含む歯ブラシが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】[0022]図1は、一態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを含む口腔ケア歯ブラシの正面図である。
【図2】[0023]図2は図1の歯ブラシの側面図である。
【図3】[0024]図3は、図1の歯ブラシの背面図である。
【図4】[0025]図4は、図1の口腔ケア歯ブラシの頭部の断面図である。
【図5】[0026]図5は、他の態様による歯磨剤組成物を含む貯留部を含む口腔ケア歯ブラシの側面部分断面図である。
【図6】[0027]図6は、包装又は陳列状態の一態様による複数の歯ブラシを示す正面図である。
【図7】[0028]図7は、付属品と共に包装又は陳列されている状態の一態様による単一の歯ブラシを示す正面図である。
【図8】[0029]図8は、焦点を当て且つ明瞭にする目的で洗浄部材の一部のみを実線で示す一態様による口腔ケア歯ブラシの頭部の側面図である。
【図9】[0030]図9は、更なる態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを含む口腔ケア歯ブラシの頭部の斜視図である。
【図10】[0031]図10は、図9の頭部の平面正面図である。
【図11】[0032]図11は、更に他の態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを保持するように適合されている歯ブラシの頭部の斜視図である。
【図12】[0033]図12は、図11の頭部の平面正面図である。
【図13】[0034]図13は、図11の頭部の断面側面図である。
【図14】[0035]図14は、更に他の態様による歯磨剤組成物を含むカプセルを保持するように適合されている頭部を有する歯ブラシの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0036]全体にわたって用いる範囲は、その範囲内のありとあらゆる値を記載するための簡略記載として用いる。この範囲内の全ての値は範囲の終端として選択することができる。更に、ここで引用する全ての参照文献はそれらの全部を参照として本明細書中に包含する。本開示における定義と引用された参照文献のものにおいて不一致がある場合には、本開示が支配する。更に、本組成物及び方法は、ここに記載する要素を含み、これらから実質的に構成し、またはこれらから構成することができる。
【0024】
[0037]他に示さない限りにおいて、この箇所及び明細書中の他の箇所で示す全てのパーセント及び量は、重量%を指すものと理解しなければならない。与えられている量は、物質の活性重量に基づくものである。ここで特定の値を示すことは、その値に測定における誤差を計上した変動率を増減したものを示すことを意図する。例えば、10%の量には、当業者に認識され理解される測定における誤差の程度を考慮して9.5%又は10.5%を含ませることができる。
【0025】
[0038]ここで用いる「処置」又は「処置する」という用語は、予防を含むと意図される。この用語には、口臭に関する改善、予防、並びに症状及び/又は影響の緩和が含まれる。「予防する」又は「予防」という用語は、組成物を予め投与して口臭を未然に防止又は緩和することを指す。口臭の処置のための組成物(本方法クレームが関係する)の当業者は、「予防」という用語が絶対的な用語ではないことを認識する。むしろ、この用語は、疾病の徴候又は重症度を減少させるための組成物の予防投与を指すと理解され、これは意図される意味である。
【0026】
[0039]化合物の「経口的に許容できる量」とは、かかる量を含む組成物を嚥下しないでここで与える口腔表面へ適用するのに十分な時間口腔内に保持した場合に哺乳動物に対して有害でない量である。一般に、かかる量の化合物は、組成物を意図せずに嚥下しても有害ではない。「経口的に許容できるキャリア」とは、かかるキャリアを嚥下しないで口腔内に保持する組成物中で用いた場合に哺乳動物に対して有害でない任意のビヒクル又はキャリアを示す。
【0027】
[0040]練り歯磨き及びゲルのような配合歯磨剤は、それぞれが1つ又は複数の所望の特性に寄与する複数の機能性及び活性の成分を含む。適当に配合された歯磨剤は、口腔の健康を促進するために習慣的に用いるのに好適である。機能性添加剤としては、他の成分を分散し、活性及び機能性の物質を口腔表面に供給する発泡剤、及び歯の表面上の歯石の形成を阻止する歯石制御薬、並びに香味料及び顔料のような美容機能成分が挙げられる。活性成分としては、使用によってフッ化物イオンの源を与える抗齲蝕剤が挙げられる。種々の組成物はまた、例えば表面上の歯垢の形成を減少させる抗菌性を有する化合物又は成分も含む。更なる活性成分としては、歯肉炎のような疾病を予防及び処置するための抗炎症性を有するものが挙げられる。好ましい歯磨剤組成物は、香味料及び顔料の他には上述の口腔ケア活性成分を含まない。
【0028】
[0041]本記載の全体にわたって、「口腔ケア活性成分」という表現は、口腔ケア処置中に有効な活性成分を与える成分を示す。口腔ケア活性成分としては、発泡剤、抗菌薬、漂白剤、抗歯石薬、抗微生物薬、歯石制御薬、抗炎症薬などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
[0042]第1の形態においては、歯磨剤組成物は、1〜10重量%、好ましくは2.5〜7重量%、最も好ましくは5重量%の高洗浄性研磨剤を含むか、これから実質的に構成されるか、又はこれから構成され、適用あたりに供給される研磨剤の全量は、2mg〜8mg、好ましくは3mg〜6mg、最も好ましくは約4mgの研磨剤である。この高洗浄性研磨剤は経口的に許容できるキャリア中に存在させる。かかる少量の研磨剤は通常はステイン除去効果を有しない(又は非常に少なく非常に僅かなステイン除去しか与えない)と予測されるので、本発明者らは、かかる少量の小粒径研磨剤によって予期しない向上したステイン除去効果が達成されたことを見出した。歯磨剤組成物は、好ましくは、抗菌薬、口臭予防薬、抗齲蝕薬、ペルオキシドのような漂白剤、歯石制御薬などのような口腔ケア活性成分を含まない。
【0030】
[0043]研磨剤は、高洗浄性シリカ、テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP)、ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)、及びこれらの混合物から選択することが好ましい。研磨剤は、通常は、2〜18μmの範囲の重量平均粒径を有し、粒子の少なくとも90%は20μmより小さい寸法を有し、シリカ粉末の水性スラリーについて測定して90〜230の放射性象牙質研磨値(RDA)、10重量%の歯科組成物中に含ませた場合に80より大きいペリクル洗浄比(PCR)を有し、PCR:RDAの比が0.4:1乃至1:1未満の範囲であり、1〜20の範囲のプラスチック研磨値(PAV)を有する。
【0031】
[0044]好ましい研磨剤は、比較的少量のシリカを含む歯磨剤において通常のRDA値において示される比較的高いPCR値によって示される特に有効な洗浄能力を有するシリカである。PCR:RDAの比は1未満であるが、RDA値は好ましくはより高いPCR:RDAの比を有する従来のシリカよりも高く、これらの生成物と比較してより高いPCRを同量のシリカを用いて達成することができる。プラスチック研磨値は、シリカによって表面上に形成される擦過の量の測定値であり、したがって歯に対する損傷の可能性を示す。有用なシリカは適度なPAV、しかしながら高いPCRを有し、これは過度の損傷を与えずに良好な洗浄が得られることを示す。
【0032】
[0045]有用なアモルファスシリカは、好ましくは70〜150cm3/100gの範囲の亜麻仁油を用いる吸油量を有し、より好ましくは、吸油量は75〜130cm3/100gの範囲である。また、アモルファスシリカは、好ましくは10〜450m2g−1の範囲のBET表面積を有し、より好ましくは、BET表面積は50〜300m2g−1の範囲である。
【0033】
[0046]シリカの重量平均粒径はMalvern Mastersizerを用いて測定することができ、好ましい材料は5〜10μmの範囲の重量平均粒径を有していてよい。粒径分布、したがって任意の特定の値より小さい寸法を有する粒子の割合は、同じ技術によって測定することができる。アモルファスシリカに関しては、粒子の少なくとも90重量%は好ましくは17μmより小さい寸法を有する。
【0034】
[0047]特定の態様においては、幾つかの態様において有用な研磨剤の重量平均粒径は3〜7μmの範囲であり、粒子の少なくとも90重量%は、16μmより小さく、好ましくは12μmより小さい寸法を有する。
【0035】
[0048]シリカの放射性象牙質研磨値(RDA)は100〜220の範囲の値を有する。より通常的には、RDAは120〜200の範囲の値を有し、しばしばRDAは140より大きい。一般に、15より大きいPAVを有するシリカは120より大きいRDAを有し、17より大きいPAVを有するものは140より大きいRDAを有する。
【0036】
[0049]アモルファスシリカのPCR(10重量%の歯科組成物中で測定)は、85より大きく、好ましくは90より大きく、より好ましくは95より大きい。PCR:RDAの比は、好ましくは0.5:1〜0.9:1の範囲である。
【0037】
[0050]アモルファスシリカは、好ましくは5重量%懸濁液について測定して5〜8の範囲、より好ましくは6〜7.5の範囲のpH値を有する。1000℃における強熱減量によって測定される、歯科組成物中において用いるために好適なアモルファスシリカ上に存在する水の量は、通常は25重量%以下、好ましくは15重量%以下である。通常は、1000℃における強熱減量は4重量%より大きい。
【0038】
[0051]研磨材料に加えて、歯磨剤組成物には、1種類以上の経口的に許容できる香味料、着色剤、甘味料、加工助剤(エタノールのようなアルコール)、及び場合によっては水を含ませることもできる。好ましい経口的に許容できるキャリアとしては、例えば、アルコール、中鎖トリグリセリドなどが挙げられる。最も好ましくは、キャリアは中鎖トリグリセリドであり、組成物の50重量%〜90重量%、より好ましくは60重量%〜80重量%、最も好ましくは約75重量%の量で存在させる。中鎖トリグリセリド(MCT)は、通常は長さが約6〜約12炭素である。中鎖トリグリセリドは植物油であってよい。
【0039】
[0052]顔料及び染料のような着色剤を組成物中において用いることができる。顔料としては、二酸化チタン及び酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー及びピンク、並びに酸化第二鉄のような非毒性の水不溶性無機顔料が挙げられる。顔料は、5〜1000ミクロン、好ましくは250〜500ミクロンの範囲の粒径を有し、0.5〜3重量%の濃度で存在させる。
【0040】
[0053]用いる染料は、一般に、FD&C Red No.3(テトラヨードフルオレセインのナトリウム塩)、FD&C Yellow No.5(4−p−スルホフェニルアゾ−1−p−スルホフェニル−5−ヒドロキシピラゾール−3カルボン酸のナトリウム塩)、FD&C Yellow No.6(p−スルホフェニルアゾ−B−ナフトール−6−モノスルホネートのナトリウム塩)、FD&C Green No.3(エチル−[4−[4−[エチル−[(3−スルホフェニル)メチル]アミノ]フェニル]−(4−ヒドロキシ−2−スルホフェニル)メチリデン]−1−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン]−[(3−スルホフェニル)メチル]アザニウムのジナトリウム塩)、FD&C Blue No.1(インジゴチンのジベンジルジエチルジアミノトリフェニル−カルビノールトリスルホン酸のジナトリウム塩)、及び種々の割合のこれらの混合物のような染料などの、食品及び摂取薬物中における使用に関してFood Drug & Cosmetic Actの下で現在認可されている食品用着色添加剤である。最も有効な結果のための濃度の染料は、全重量の0.0005〜1%の量で歯磨剤組成物中に存在する。
【0041】
[0054]また、任意の好適な香味物質又は甘味物質を第2の歯磨剤成分中に含ませることもできる。好適な香味成分の例としては、例えばスペアミント、ペパーミント、ウインターグリーン、ササフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マヨラナ、シナモンレモン、及びオレンジのオイルのような芳香油、並びにサリチル酸メチルが挙げられる。好適な甘味剤としては、スクロース、スクラロース、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラチン、及びナトリウムサッカリンが挙げられる。好適には、香味物質は、5重量%〜25重量%、より好ましくは10重量%〜20重量%、最も好ましくは約15重量%の量で歯磨剤組成物中に含ませる。甘味剤は、歯磨剤成分の0.1〜5重量%、より好ましくは0.25〜2重量%、最も好ましくは約0.5重量%を構成することができる。
【0042】
[0055]種々の態様においては、歯磨剤組成物は比較的少量の水を含む。多くの形態においては、歯磨剤組成物は、現在市販されている配合物に典型的なものよりも少ない量の水を含む。一態様においては、組成物は10重量%未満の水、例えば8重量%未満及び6重量%未満の水を含む。歯磨剤組成物中の水の全量には、一成分として意図的に加えられる水、及び副生成物又は種々の他の成分のための溶媒として存在する水から寄与されるものも含まれる。種々の態様においては、歯磨剤組成物は水を別の成分として加えないで配合される。その結果、歯磨剤組成物の得られる含水量は、種々の成分中に溶媒又は副生成物として存在する残留水から導かれる。上記で議論したように、配合歯磨剤は、一般に10%未満、好ましくは8%未満、より好ましくは6%未満の水を含む。最も好ましくは、組成物に水を加えないが、組成物を構成する個々の成分は水を含んでいてもよい。
【0043】
[0056]経口組成物は、場合によっては1種類以上の他の非活性成分を含む。非限定的な例としては、希釈剤、重炭酸塩、pH調節剤、発泡調節剤、増粘剤、粘度調節剤、着色剤、甘味料、香味料、及び色素が挙げられる。練り歯磨、歯科用ゲル、及び他の歯磨剤組成物を、公知の原理にしたがってこれら及び場合によっては他の添加剤と配合する。
【0044】
[0057]好ましい形態においては、歯磨剤組成物はゼラチンカプセル中に封入する。ゼラチンカプセル中への液体又は水性組成物の封入は、当該技術において公知で、例えば米国特許4,422,985、4,426,337、5,478,570に記載されている技術を用いて行うことができる。このプロセスは、通常は、歯磨剤組成物の噴流、及び歯磨剤組成物の噴流と共軸の被覆材料(例えばゼラチン)の噴流を形成し、共軸の噴流を(場合によっては第3の共軸加熱部材又は加熱空気と共に)加熱し、これらの成分を冷却液中に導入して、ゼラチンで被覆された歯磨剤組成物から形成されるカプセルを形成することを伴う。歯磨剤中に存在するアルコールは、好ましくはそれぞれの成分の加熱中に蒸発する。好ましくは、ゼラチンは、カプセル化物の全重量の6〜15%、より好ましくは8〜12%、最も好ましくは約9%を構成する。同様に、歯磨剤組成物は、カプセル化物の全重量の85〜94%、より好ましくは88〜92%、最も好ましくは約91%を構成する。
【0045】
[0058]一形態においては、歯磨剤組成物はチューインガムの形態である。歯磨剤組成物のチューインガムへの製剤は、ガムベース、界面活性剤、キレート剤などを用いることによって行うことができる。米国特許5,603,920、6,471,945、6,479,071、6,696,044、7,445,769に開示されている任意の方法を用いてガム組成物を製造することができる。他の形態は、固体又は半固体の菓子製品の形態の歯磨剤組成物を包含する。当業者であれば、ここに与える指針を用いて固体の菓子製品を配合することができる。
【0046】
[0059]幾つかの好ましい態様に関して本組成物を上記に記載した。以下の実施例において更なる非限定的な記載を与える。
【実施例】
【0047】
実施例1:
[0060]引き抜いたウシの歯を用いる手順によってステイン除去性を求める生体外ステイン除去実験を用いて、本発明の組成物を対照組成物と比較した。手順は、Stookeyら, In vitro removal of stain with dentifrices, J. Dent Res 61 (11): 1236-1239, 1982年11月によって記載されているものと同様であった。
【0048】
試料の製造:
[0061]ダイヤモンド切削ディスクを用いて、ウシの永久門歯から一片が4mmの歯のエナメル質の正方形の試料を調製した。成形型を用いて、それぞれのエナメル質の正方形の試料を透明な迅速硬化歯科矯正用樹脂(Ortho-Jet, Lang Dental Mfg. Co., Inc., Wheeling, IL)中に埋封して、唇側面が露出した1.5cm平方のブロックを与えた。歯科用モデルトリマーを用いて、ポリエステルブロックの頂面を、エナメル質の正方形の試料の平らな唇側面と同一平面にして研磨した。次に、全ての研磨跡が除去されるまで、潤滑剤として水を用いて400グリットのエメリー研磨紙上で手によって研磨することによって表面を滑らかにした。最後に、それぞれの歯の試験片の頂面を、綿布上でか焼カオリン(1.2ミクロンの中央粒径)の水スラリーを用いて手で磨いて鏡面仕上げした。仕上げ処理された試験片を解剖顕微鏡下で検査し、エナメル質の表面に欠陥が観察された場合には廃棄した。
【0049】
[0062]エナメル質上に人工的な染色ペリクルを形成するために、試験片を0.2M−HCl中で60秒間エッチングし、次に炭酸ナトリウムの飽和溶液中に30秒間浸漬した。1%のフィチン酸を用いて最終エッチングを60秒間行い、次に試験片を脱イオン水ですすぎ、染色装置に取り付けた。
【0050】
染色装置:
[0063]ペリクル染色装置は、試験片を交互に染色液中に浸漬して空気乾燥するように構成した。装置は、減速ボックスを用いて1.5rpmの一定の速度でロッドを回転させる電動機に接続したテフロンロッド(直径1.9cm(3/4インチ))を支持するアルミニウム基台から構成されていた。ねじ切りされたねじ穴を、ロッドの長さに沿って一定の間隔で離隔させた。まずプラスチックネジの頭部を試験片の背面に接着剤で接着し、次に歯をロッド上にねじ込むことによって、歯の試験片をロッドに取り付けた。ロッドの下側には、ペリクル染色液を保持する取り外し可能な300mLの容量の溝を配した。
【0051】
染色液:
[0064]1.02gのインスタントコーヒー、1.02gのインスタントティー、及び075gの胃ムシン(National Biochemicals Corp., Cleveland, OH)を250mLの滅菌トリプチケースソイブロスに加えることによって、ペリクル染色液を調製した。また、約50mLのMicrococcus leteusの24時間培養物も染色液に加えた。次に、エナメル質の試験片を取り付け、溝内に染色液を備えた装置を37℃のインキュベーター内に配置し、染色液及び空気を通して試験片を連続的に回転させた。所望のレベルのステインが得られるまで、染色液を、連続する7〜10日間の間、24時間毎に1回取り替えた。それぞれの液交換と一緒に、脱イオン水を用いて試験片及び溝をすすぎ、且つブラッシングして、遊離した沈積物を除去した。黄色がかった沈積物が出現したら(3〜5日後)、0.03gのFeCl36H2Oを加えることによって染色液を変化させ、試験片上の染色ペリクル膜が十分に暗色になるまで、これを毎日の液交換と共に継続した。次に、試験片を染色液から取り出し、脱イオン水を用いて十分にブラッシングし、使用するまで保湿装置内で冷却した。
【0052】
ステインの測定:
[0065]Minolta分光光度計を用いて拡散反射吸光度の読み値をとることによって、歯の上の外因性染色ペリクルの明度を測定した。CIELAB色スケール(CIE publication No.15.2 CIE Colorimetry, 2版, Paris: Central Bureau of the CIE, 1986)を用いて、全可視色スペクトルにわたる吸光度測定値を得た。吸光度測定を行う前に、染色されたエナメル質の試験片を室温において30分間空気乾燥した。
【0053】
処置:
[0066]処置のために、試験片を、それぞれの群が同等の平均ベースラインL*a*b*ステインスコア値を有する16個の試験片の2つの同じ群に階層化した。標準的な手動歯ブラシ及び練り歯磨きを評価するように設計されたV−8機械的交差ブラッシング機を用いて試験を行った(Grabenstetter, R.J.ら, The measurement of the abrasion of human teeth by dentifrice abrasives: A test utilizing radioactive teeth. J. Dent. Res. 37:1060-1068, 1958)。用いる小型ミニブラシをColgate WISP製品中に保持するように治具を用いた。
【0054】
[0067]試験前の分光光度計反射吸光度読み値をとった後、それぞれのブラッシングサイクルの前に、歯の試験片を人工唾液中に20分間浸漬した。次に、試験片をV−8機械的交差ブラッシング機上に配置し、試験生成物を用いて歯の試験片を2分間(即ち約300往復)ブラッシングした。機械的変量を最小にするために、それぞれの群に関する歯の試験片をそれぞれの運転中にブラッシングし、全ての生成物が8つの工程全てにおいて2回試験されるまで、試験生成物をそれぞれのブラッシング工程にランダムに割り当てた。合計で14サイクルが完了する(即ち20分間の累積処置時間)まで、それぞれの処理サイクルについて新しいブラシを用いて、このプロセスを歯の試験片について繰り返した。
【0055】
[0068]最終処置サイクルの後、全ての残留ステインを歯から除去するために、歯科用ハンドピースを用いて試験片を磨き、反射吸光度読み値を再びとった。この方法によって、試験生成物によって潜在的に除去することができる染色ペリクルの最大量を算出するのに用いられるそれぞれの試験片に関する固有の値が与えられた。
【0056】
[0069]約65mgの種々の試験組成物(下記に記載)をミニブラシの毛材中に配置することによって、小型歯ブラシを形成した。用いる場合には、研磨剤の量は3〜6mgであった。それぞれの時点に関してΔE値を測定した。次式:
ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2
を用いて、歯の白色度の増分(ΔE)を算出した。
【0057】
[0070]上式中において、ΔEの値がより高いと、達成される歯の白色度のレベルはより高い。複数の歯について複数の読み値をとり、ΔE値の平均を算出した。
[0071]それぞれの色ファクター(L*、a*、及びb*)に関する試験前及び試験後の読み値の間の差によって、歯から外因性ステインを除去する試験歯磨剤の能力が示された。データは、以下のように計算し、定義した。
【0058】
除去されたステイン=ベースラインのステイン読み値−処置後の読み値;
得られた全ステイン=試験前ステイン読み値−処置及び磨き後の読み値;
除去された全ステイン%=「除去されたステイン」/「得られた全ステイン」。
【0059】
[0072]生成物によって除去されたステインの割合を計算するためには、歯を研磨して完全に清浄化することによって残留している外因性ステインを全て除去することが必要であった。完全なステイン除去後に得られるΔL*及びΔEスコアは、試験生成物によって除去するための歯の上に得られた外因性ステインの全量を表す。これらのΔL*及びΔEの値をブラッシング処置の後に得られる最終的なΔL*及びΔEスコアと比較することによって、ステイン除去の割合が2つのパラメーターに関して計算された。
【0060】
[0073]本発明の組成物と比較するために用いる対照試料を、下表1に示すように配合した。
【0061】
【表1】
【0062】
[0074]対照試料に高洗浄性研磨剤を加えることによって、本発明による組成物を調製した。例えば、5%高洗浄性シリカ(5%HCS)の組成物を下表2に示すように配合した。
【0063】
【表2】
【0064】
[0075]この組成物をHCS5%と名付けた。研磨剤を変化させた他の組成物を調製し、また、研磨剤を持ちない比較組成物も用いた(WISP配合物と呼ぶ)。AC-43シリカに代えて以下の研磨剤を用いた(又は異なる量を用い、この場合には中鎖トリグリセリドの量を変化させた)。
【0065】
コア組成物中の2.5%高洗浄性シリカ;
コア組成物中の10%高洗浄性シリカ;
コア組成物中の2.5%高洗浄性シリカ+2.5%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
5.0%ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)+10.0%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の2.5%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の5.0%テトラナトリウムピロホスフェート(TSPP);
コア組成物中の10%ナトリウムトリポリホスフェート(STPP)。
【0066】
[0076]これらの組成物を上記に記載したように試験し、それぞれの組成物に関するΔE値を下表3に与える。
【0067】
【表3】
【0068】
[0077]上表において示すように、非常に少量の高洗浄性研磨剤のみ(適用あたり3〜6mg)を含む組成物は、対照試料と比較すると著しく優れたステイン除去を与えた。当業者は、かかる少量の研磨剤は認められる効果を与えるとは考えず、ましてや研磨剤を用いない対照試料と比較して20%乃至ほぼ60%大きいステイン除去の向上を示す効果を与えるとは考えなかったであろう。
【0069】
[0078]僅か一回の2分間のブラッシングの後、本発明の試料は、対照試料に関する3%と比べて約12%の外因性ステインを除去した。28分間の累積処置の後、本発明の試料は、対照試料に関する20%未満と比べて約40%の外因性ステインを除去した。本発明の試料と対照試料との間の差は統計的に有意であった。
【0070】
歯磨剤を含む歯ブラシ:
[0079]1つの好ましい形態においては、カプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤のいずれかである上述の歯磨剤を、口腔ケア歯ブラシ上に配置する。例えば、歯磨剤を口腔ケア歯ブラシの頭部上に配置することができる。これは、カプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤を、口腔ケア歯ブラシの洗浄部材内又はその間に配置することによって行うことができる。他の態様においては、これは、歯磨剤を口腔ケア歯ブラシの洗浄部材に被覆、含侵、又は他の形態で含ませるか、又は固定することによって行うことができる。これらの概念を、図面を参照して下記により詳細に記載する。かかる歯ブラシ具に適用する場合には、歯磨剤の量は、通常は45mg〜80mg、好ましくは50mg〜75mgの範囲、最も好ましくは約64mgの歯磨剤である。
【0071】
[0080]ここで図1〜4を同時に参照すると、その上に本発明の歯磨剤を配置することができる一態様の口腔ケア歯ブラシが示されている。本発明の歯磨剤がカプセル封入歯磨剤、固体歯磨剤、又はガム歯磨剤の形態である場合には、本発明の歯磨剤は、好ましくは歯ブラシの洗浄部材内又はその間のいずれかに配置する。この態様においては、口腔ケア歯ブラシ10は頭部12及び柄部14を含む。頭部12は、詰め替え型頭部であってよく、したがって柄部14に取り外し可能に接続することができ、或いは頭部は柄部14に永久的に接続することができる。
【0072】
[0081]柄部14の大部分及び頭部12の一部は、例えばポリプロピレンのようなプラスチック、樹脂等などの種々の剛性材料から成形することができる。頭部12と反対側の柄部14の末端部は、弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーで形成されている付属品、好ましくは爪楊枝16に接続されている。爪楊枝16は詰め替え型又は交換可能な爪楊枝であってよく、したがって柄部14に取り外し可能に接続することができる。勿論、爪楊枝16は或いは柄部14に永久的に接続することもできる。爪楊枝16は、歯の間を局所洗浄するメカニズムを与える。爪楊枝16を柔軟なエラストマーで形成することによって、歯の間のより快適な隣接歯間洗浄が与えられる。しかしながら、爪楊枝16は、柄部14の主要部と同様の堅い剛性の材料で構成することができ、或いは単純に柄部14の端部に接着又は他の形態で取り付けられているラバー又はエラストマーのピックであってよい。
【0073】
[0082]柄部14の一部18も、弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーから形成することができる。爪楊枝16及び柄部の一部18を形成する熱可塑性エラストマーは、米国特許5,393,796に記載されているSANTOPRENEとして入手できるポリプロピレン及びEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)の混合物から構成される熱可塑性バルカネート(TPV)、又はポリプロピレン及び天然ラバーの混合物から構成される他のTPVであるVYRAMであってよい。SANTOPRENE及びVYRAMのいずれも、Advanced Elastomer Systemsによって市販されているエラストマーである。他の好適なエラストマーとしては、Shellによって市販されているスチレンブロックコポリマー(SBC)のブランドであるKRATON、及び、GLS Corpotationによって市販され、KRATONポリマーを用いて製造される熱可塑性エラストマーであるDYNAFLEX G2706が挙げられる。
【0074】
[0083]柄部14には更に、凹み、隆起部、又はその表面の一部から突き出る突起部を含ませて、それによって柄部14に装飾的な外観及び歯ブラシ10の使用中の柄部14の向上した把持性を与えることができる。凹みは、柄部14の柔軟なエラストマー部分18と同じ材料、或いは柄部14の大部分と同じ材料(例えば、ポリプロピレンのような剛性材料)から形成することができる。柄部14の全部又は一部は、プラスチック、木材、金属、又は生物分解性である種々の天然材料のような任意の好適な材料で構成することができる。好ましくは、柄部14は、柄部14の把持性を促進するために、離れたエラストマー部分18、18の間のその把持部分を、円筒形ではなく概して平坦又は楕円形状で形成する。
【0075】
[0084]図4に示すように、頭部12の毛材又は洗浄部材のブロック22を画定する頭部12の他の部分も、柄部の一部18を形成するのに用いられる熱可塑性エラストマーのような弾性で柔軟な熱可塑性エラストマーで形成することができる。洗浄部材のブロック22には、以下により完全に記載するように、その表面30内に与えられている1以上の凹み24を、その中に含まれる破裂性の投与具、好ましくはゲルカプセル32に対するクッション効果を与えるその中の開口30と共に含ませることができる。洗浄部材のブロック22は更に、頭部12の外表面から一体で外側に向かって伸長する通常のフィラメント、好ましくはナイロン、又は弾性毛材又は指状部材であってよい多数の洗浄部材26を含む。図4に最も良好に示すような例示されている態様においては、洗浄部材26は全て、洗浄部材のブロック22の外表面から外側に向かって同じ距離伸長して、概して平坦な面を形成している。しかしながら、或いは、洗浄部材26の一部は洗浄部材26の他のものよりも短いか又は長くてもよい。洗浄部材26の可変長を図8において点線で示す先端部26aによって示す。明確にする目的で、且つかかる部材の可変性に焦点を当てるために、洗浄部材26の本体部分26bのみを実線で示す。
【0076】
[0085]ここで用いる「洗浄部材」という用語は、円形の断面形状、又は直線部分又は正弦部分などの任意のタイプの所望の形状で配列されている洗浄部材又はマッサージ部材として包括的な意味で用いるように意図される。洗浄部材の具体的な例示は単に例示の目的のためであると理解すべきである。しかしながら、本発明は、同じか又は異なる構成の種々の組合せ(例えば米国特許5,609,890、5,390,984、及び5,533,791に開示されているステープルインモールドタフティング(IMT)毛材技術)、及び/又は同じか又は異なる毛材(例えば、ナイロン毛材、螺旋毛材、ラバー毛材等)を用いて実施することができる。同様に、図1〜4は頭部12の外表面に対して概して直角である洗浄部材26を示しているが、洗浄部材26の一部又は全部を頭部12の外表面に対して種々の角度で傾斜させることができる。したがって、向上した洗浄、歯の研磨、歯の漂白、歯肉のマッサージ、及び/又はこれらの組合せのような具体的な所期の結果が達成されるように、複数の構造、複数の材料、及び複数の配向の組み合わせを選択することができる。
【0077】
[0086]洗浄部材26は、上記に記載の歯磨剤を含むゲルカプセル32と共に用いるように意図される。言い換えれば、キャリア中に上記記載の所定量の研磨物質を含み、場合によっては香味料、着色剤、甘味料、加工助剤、及び水の任意の1以上と組み合わせた歯磨剤を、ゲルカプセル32内に封入することができる。或いは、歯磨剤組成物が固体歯磨剤又はガム歯磨剤である場合には、それは、ここで示す記載から明らかな方法で洗浄部材26内又はその間に配置することができる。このようにして、洗浄部材26は、歯磨剤を歯に適用したら歯磨剤を補助及び/又は活性化する研磨具として機能させることができる。歯磨剤の研磨及び/又は漂白効果は、洗浄部材26を熱可塑性エラストマーのようなエラストマー材料から形成することによって更に増大させることができる。エラストマー洗浄部材26は、歯の表面に対してスクラビングした際に清拭材として機能する。
【0078】
[0087]他の態様においては、洗浄部材26は不規則な外表面を有する単一の物体の形態である。単一の物体は、家庭の掃除において用いられる「スチールウール」と同様のものであってよく、或いはフック/ループのようなVelco構造の一部であってよい。他の態様においては、洗浄部材26は、向上したステイン除去及び歯洗浄効能を有する歯磨剤組成物のための綿球として用いることができる綿のためのフォームの単一の物体であってよい。かかる態様においては、洗浄部材26に歯磨剤組成物を含侵させることができ、或いは物質を吸収するように洗浄部材26を歯磨剤組成物中に浸漬することができる。
【0079】
[0088]上述したように、洗浄ブロック22には、破裂性ゲルカプセル32のような口腔ケア投与具をその中に受容し且つ保持するように設計されている1以上の凹み24を含ませることができる。破裂性ゲルカプセル32によって上記記載の歯磨剤組成物を封入する。
【0080】
[0089]1以上の凹み24は、洗浄ブロック22から伸長する洗浄部材26をそれに当てると歯科組織に供給されるように、種々の寸法のゲルカプセル32だけでなく、種々の量の歯磨剤組成物を収容するように寸法を変化させることができる。ここに記載するような歯磨剤組成物を含む本発明の歯ブラシを製造し、使用者によって投与具に歯磨剤組成物を再充填して繰り返し使用することができるが、これは好ましくは1以上のゲルカプセル32をその中に含ませて用いられる。最も好ましくは、本組成物は、最も容易に輸送し、使用し、及びその後に廃棄されるように、それと共に供給される単一のゲルカプセル32と共に用いる。しかしながら、交換可能なゲルカプセル32と共に繰り返し用いた後に廃棄することもできる。
【0081】
[0090]凹みは、毛材ブロック22を歯科組織に当ててそれをブラッシングしている間にそれを使用する前に、ゲルカプセル32の早期破裂を起こすことなくゲルカプセル32を受容し保持するように寸法及び形状が定められたクッション付きソケット28の形態であることが好ましい。クッションソケット28、開口30、及び毛材ブロック22を構成する材料によって、ゲルカプセル32が使用前に破裂することを阻止するゲルカプセル32のためのクッション効果が与えられる。
【0082】
[0091]ゲルカプセル32によって、本発明の歯磨剤組成物が歯ブラシ頭部12の洗浄部材26上に保持され、適用される。好ましくは、ゲルカプセル32は、歯に対してスクラビングした際に容易に崩壊又は破裂するか、或いは使用者の唾液と混合されると溶解する脆弱な薄い壁部を有するゲルカプセルである。ゲルカプセル32を構成する材料は、歯ブラシの使用者によって摂取することができるものであり、ゲルカプセル32を吐き出すための水、流し台、又は汚物容器の必要性が排除される。歯磨剤組成物は、歯ブラシ10が使用状態になるまでゲルカプセル32内に保持される。好ましくは、ゲルカプセル32は完全に密封して、歯磨剤組成物が使用するまで新しく保持されることを助ける。
【0083】
[0092]使用に際しては、ゲルカプセル32を歯に対して押し付けて、破裂又は崩壊又は溶解させて、歯磨剤組成物を洗浄部材26上に供給する。次に、使用者は歯ブラシ10で彼らの歯をブラッシングすることができる。また、使用者は、ブラッシングの前又は後のいずれかに爪楊枝16を用いて歯の間の洗浄することもできる。使用者が歯ブラシ10を使用した後は、歯ブラシ10を容易に且つ経済的に廃棄することがでるが、歯ブラシ10は上記に記載したように再使用可能であってもよいので、これは必須ではない。
【0084】
[0093]1つの好ましい形態においては、頭部12、柄部14、及び爪楊枝16を含む歯ブラシ10の全体の構造は、歯ブラシの製造において通常用いられる従来の二成分射出成形操作を用いて1つの一体構造として成形する。これによって、歯ブラシ10を経済的且つ迅速に製造することができる。歯ブラシ10は種々の寸法及びディメンションを有していてよいが、歯ブラシ10は小さい外形を有し、頭部12は一度に1つの歯を覆うのに十分に小さく、柄部14は従来の毎日使う歯ブラシの柄部よりも細くすることが好ましい。これにより、歯ブラシ10は容易に携帯でき、又は省スペース型である。
【0085】
[0094]歯ブラシ10は、家から離れて且つ上水道から離れている際に用いることができる形態で人の歯をブラッシングする美容的利益などの多くの利益を与える。歯ブラシ10によって達成される美容的利益としては、爪楊枝16による歯の間の滓の洗浄、洗浄部材26及び歯磨剤組成物による広い歯表面の洗浄及び/又は漂白、並びに歯磨剤組成物が上記に記載の香味料又は甘味料を含む場合には息清涼化が挙げられる。
【0086】
[0095]美容的利益としては、移動状況における向上したステイン除去及び歯洗浄効能を更に挙げることができる。例えば、コーヒー又は茶を飲んだ後に、これらの飲料に起因することが知られている歯のステインを減少させるために、歯磨剤組成物を含むゲルカプセル32を有する歯ブラシ10を用いることができる。更に、歯ブラシ10はコーヒー及び茶のステインの影響を最も受けやすい歯の部分である前歯の前面を洗浄するのに特に適しているので、ステイン除去効能が更に向上する。
【0087】
[0096]美容的利益に加えて、歯ブラシ10はまた、迅速且つ経済的に製造される安価な歯ブラシの形態の経済的利益も与える。歯ブラシ10はまた、練り歯磨き、水、口内洗浄薬、及びこれらを保持する容器の必要性なしに口腔の健康を維持するためのメカニズムも与える。而して、歯ブラシ10はまた使用するのに非常に便利である。
【0088】
[0097]図1〜4は手動操作型の使い捨て歯ブラシを示しているが、頭部が洗浄部材を支持する1以上の電動の可動部分を含むように本発明を実施することもできる。かかる可動部分は回転状に振動させるか、又は頭部の縦軸に対して縦方向に直線的に振動させるか、又は頭部の縦軸に対して横方向又は横断方向に直線的に振動させることができる。可動部分は、頭部の外表面に向かう方法及びそれから離れる方向で内外に振動させることができる。可動部分は、頭部の外表面に対して前後に揺動させることができる。可動部分は、振動させるのではなく、同じ方法に連続的に回転させることができる。可動部分に所望の動きを与えるために任意の好適な駆動機構を用いることができる。複数の可動部分を用いる場合には、可動部分の全部が同じタイプ及び方向の動きを有していてよく、或いは異なる動きの組合せを用いることができる。或いは、歯ブラシに圧電結晶のような振動素子を単純に含ませて、使用中に頭部12を振動させることができる。
【0089】
[0098]一形態によれば、洗浄部材は、経済的に適切な堅さを与えるように、ナイロンのような通常の材料並びに複数の材料の組合せで構成される毛材の形態であってよい。好ましくは、洗浄部材は、TPEのような可撓性の弾性材料、並びにLLDPE(線状低密度ポリエチレン)若しくはEVA(エチレン酢酸ビニル)若しくはTPEのようなより安価な材料で構成する。洗浄部材は、TPEと、LLDPE、EVA、又はポリプロピレンのいずれかのブレンドで構成することができる。好ましくは、2種類の材料を混合して600MPa未満のスティフネスを与える。複数の材料のブレンドは、減少したコストを与えながら通常のナイロン毛材の特性を与える。例えば、通常の毛材タフティングの代わりに射出成形を用いることによってより低い製造コストが得られる。或いは、弾性材料は、硬質TPE(即ち80のショアA硬度)、直鎖LLDPE、又は直鎖EVAのような単一の材料であってよい。
【0090】
[0099]洗浄部材は任意の所望の形状のものであってよい。例えば、洗浄部材は、それらの長さの全体にわたって均一な直径を有する円筒形のものであってよい。或いは、洗浄部材は、頭部22からその外側の洗浄端部まで伸長するそれぞれの洗浄部材の基根部からの先細り形状であってよい。好ましい実施は小さく軽量の歯ブラシを与えることであるので、歯ブラシ10の種々の部品の寸法は好ましくは小さい。而して、例えば、洗浄部材26のそれぞれは、洗浄ブロック12の外表面から外側に、10mm以下、好ましくは8mm以下、最も好ましくは6mm以下の距離伸長していてよい。先細りの洗浄部材を用いる場合には、基根部の直径は1.5mm以下、好ましくは1mm以下、最も好ましくは0.7mm以下、又は0.5mm以下、又は0.3mm以下でなければならない。次に、直径は、洗浄部材の基部から6mm以下の距離において0.2mm以下まで寸法減少していてよい。基根部の直径の上方の距離位置における直径の先細りの関係は、10mm以下の距離において1mm以下、好ましくは8mm以下の距離において0.6mm以下、最も好ましくは6mm以下の距離において0.2mm以下の範囲であってよい。好ましくは、歯ブラシ10全体の長さは、12.7cm(5インチ)以下、好ましくは10.2cm(4インチ)以下、より好ましくは9.5、7.6、又は6,4cm(3.75又は3又は2.5インチ)以下であり、5.1〜10.1cm(2〜4インチ)の範囲であってよい。
【0091】
[0100]図1及び4において示すように、洗浄部材26は頭部12内に洗浄領域を画定しており、投与具32がこの洗浄領域内に取り付けられている。洗浄部材26は、好ましくは、図4において示すように、洗浄ブロック22から外側に向かって伸長して、ゲルビーズ又はカプセル32の外表面とほぼ同一平面上になっている。しかしながら、図8に示すように洗浄部材が投与具32よりも長い距離か又は少ない距離伸長するように本発明を実施することもできる。歯ブラシ10は小さく且つ軽量であるように意図されるので、歯ブラシ10は3g以下の重量であることが好ましい。小さい寸法とは、成人の使用者の掌内に完全に握ることができるようなものである。頭部12は、個々の歯、又は個々の歯及び歯間領域の寸法に対応する寸法のものである。頭部12は任意の好適な形状で構成することができ、好ましくは、13mm以下、好ましくは12mm以下、最も好ましくは11mm以下の最大横寸法又は直径を有する円形又は楕円形のものである。頭部12が非円形のものである場合には、その最大横寸法は14mmである。
【0092】
[0101]図2において示すように、頭部12は、好ましくは柄部14の縦軸に対して0°〜90°の角度である。好ましい角度は20°〜70°であり、より好ましくは30°〜60°である。洗浄部材26は、頭部12の外表面に対して直角であってよく、或いは60°〜90°の範囲、又は75°〜90°の範囲のように外表面に対して所定の角度であってもよい。
【0093】
[0102]一形態においては、洗浄部材26は、上記で議論した歯磨剤組成物を毛管作用によって吸収することができる中空毛材のような中空のものであってよい。洗浄部材26を用いて歯磨剤組成物を投与する1形態においては、カプセル32のような更なる投与具の必要なしに洗浄部材26それ自体を口腔ケア投与具とみなすことができる。この形態においては、好ましくは、歯ブラシ10の使用前に上記記載の歯磨剤組成物を洗浄部材26内に配置する。洗浄部材に関して特定のパラメーター及び特徴が与えられる場合には、他の洗浄部材がこれらのパラメーター及び特徴を含まないように本発明を実施することができる。
【0094】
[0103]図5は、柄部14が上記記載の歯磨剤組成物をその中に含ませることができる中空室46を有する他の形態を示す。室46は、頭部12に向かって伸びて洗浄領域内の頭部12の外表面において複数の分岐49で終わる流路48に通じている。室又は貯留部46内に配置されている口腔ケア物質を投与するために、柄部14は十分な弾性を有しているので、柄部を搾って、それによって歯磨剤組成物を柄部14から頭部12に強制的に送って、投与孔又は1以上の投与開口中に送ることができる。
【0095】
[0104]図9及び10は、頭部60が外表面62、外表面62の一部から伸長する複数の洗浄部材64、及び外表面62の他の部分から伸長する隆起ソケット68を有する他の態様による頭部60を示す。ソケット68は、好ましくは外表面62と同じ材料から形成されており、好ましくは成形などによって外表面62と共に一体成形されている。ソケット68は、直立壁69によって外表面62に対して外側に伸長しており、ここで議論するビーズ又はカプセル70のような口腔ケア投与具を収容する収容部を含む。カプセル70は、好ましくは記載する歯磨剤組成物を封入する。隆起ソケット68は、カプセル70を洗浄部材64の端部に近接して配置して、カプセル70と使用者の歯との間の接触を促進させ、ブラッシングプロセスの始めにカプセル70が破裂するのを促進させる。ソケットはまた、カプセル70を上記で議論したように洗浄部材64を超えて配置して、使用者の歯との更により大きく迅速な接触を促進させることができる。
【0096】
[0105]洗浄部材64には、図1に示す円形構造のような上記で議論した種々の構造を含ませることができる。図10は、洗浄部材64がソケット68の周囲に複数の同心環状に配置されている(65a、65b、65c)楕円構造の例を示す。かかる環の1つは、頭部60の外表面62の上端及び下端61、63に沿って画定されている部分環部分65d、65eから構成され、部分65d、65eが増加した効能のために洗浄部材の領域の大部分を超えて伸長する洗浄端を与えるように設計されている所謂パワーチップの同等品を含む部分環である。
【0097】
[0106]歯ブラシ10及びその種々の部品を形成するために任意の好適な方法を用いることができる。例えば、多成分射出成形を用いて、洗浄部材26及び頭部12及び/又は柄部14のような種々の部品を一体結合させることができる。これは、自動又は多工程プロセスで行うことができる。柄部14を回転ブロー成形して、図5に示す態様において使用することができる中空の絞り柄部を形成することができる。
【0098】
[0107]図6〜7は、歯ブラシを包装する異なる方法を示す。例えば図6に示すように、単一のパッケージ50に、全てが同じか又は互いに異なっていてよい複数の歯ブラシ10を含ませることができる。パッケージ50は、パッケージを陳列の目的で吊下することができる穴52を含んでいてよいブリスター包装のような任意の通常の構造のものであってよい。
【0099】
[0108]図7は、パッケージ54が1以上の歯ブラシ10及び付属品又は投与具又は他の部品であってよい複数の他の部品56を含む変形を示す。部品としては、上記記載の歯磨剤組成物を含む交換可能なカプセルを挙げることができる。好ましくは、パッケージ50又は54は気密シールして新しさを確保する。かかる気密シールは、湿分がゲルカプセル32に到達してカプセル32を破裂させるのを阻止するために特に望ましい。
【0100】
[0109]図11は、頭部又は支持部80が楕円形状を有していてよく、上記に記載の歯磨剤組成物の充填歯磨剤のビーズ又はカプセル(図には示していない)のような口腔ケア投与具を使用前に所定位置に保持する突起又は付勢部材のような一連の保持部材81を有していてよい他の変形を示す。保持部材81は、ビーズ又はカプセルを口腔ケア部材(例えば毛材26)の領域に対してより高い位置に保持して、ビーズ、投与具、又はカプセル32のより多くの表面領域を使用者の唾液に曝露させて、「口あたり」を向上させ、ビーズ、投与具、又はカプセルの溶解を促進させるのを助けることができる。示されているように、保持部材81は、ビーズ、投与具、又はカプセルを毛材26の遠位端の下方に保持して、ビーズ、投与具、又はカプセルを毛材26の領域内に沈下させて保持して、毛材が毛材の遠位端においてビーズ、投与具、又はカプセルを超えて伸長するようにすることができる。
【0101】
[0110]保持部材81は、毛材26と同じ材料で形成することができ、或いは毛材26よりも大きな剛性を有する異なる材料で形成することができる。1つの構造においては、保持部材81は、図1〜4において上記したような柄部14のエラストマー部分18と同じ材料で形成することができる。
【0102】
[0111]用いる保持部材81の数は、ビーズ又はカプセルのタイプ、及び保持力補助の量によって変化させることができる。図12において示すように、ビーズ又はカプセルの周縁の周りの4つの主要点において4つの保持部材81を用いることができる。勿論、より多いか又はより少ない保持部材81を用いることができる。例えば、幾つかの態様においては周縁の周りの三角形の点において3つの保持部材81を用いることができ、一方、他の態様においては周縁の周りに5、6、又はそれ以上の突起物を用いることができる。保持部材81は、ビーズ又はカプセルが毛材26に対して中心位置に保持される配置することができる。
【0103】
[0112]また図12に示すように、毛材26をそれらの直近端において直径を変化させて、領域の異なる区域内の毛材が、毛材の縦軸から測定して異なる厚さ及び剛性又は軸方向剛性を有するようにすることができる。かかる構造においては、内側又は中央領域の毛材26bは外側又は周縁領域の毛材26cよりも剛性である。支持部80の毛材26は、図11に示すようにそれらの遠位端に向かって先細りにすることができる。
【0104】
[0113]図12を参照すると、毛材26の領域の変動する剛性の配列によって、効率的な洗浄のためにブラッシング操作中に歯磨剤組成物の漸増放射流制御を行うための構造が形成される。保持部材81の周囲の毛材は独立して可撓性である。この点に関し、ブラッシング操作中において、より剛性の毛材26bの自由端(例えば先端)は、それらのそれぞれの縦軸に対して、外側の毛材26c(例えば周縁付近の毛材)よりも屈曲が少ない。したがって、より剛性の毛材の減少した動的曲げ又は動きによって、歯磨剤の一部がブラシ頭部の中央領域内でより長く留まる。
【0105】
[0114]支持部80の掃去又は振動運動によって、保持されている歯磨剤組成物の一部が支持部80の外側領域に移動する。外側の毛材26cはより剛性が小さいが、それらの縦軸に対する動的曲げによって、更に外側毛材によって支持部80の中央領域からの歯磨剤組成物の一部が受容される。このようにして、毛材領域によって、歯磨剤又は口腔ケア物質の外側毛材への限られた制御された流れが与えられ、より大きな使用者の快適さ及び口腔組織の向上した洗浄を与えるのに十分な可撓性が保持される。
【0106】
[0115]図11〜14を参照すると、1つの構造においては、凹み部又は空洞100が支持部80内の投与具32の下方に与えられている。図13及び14において明らかなように、凹み部100は、内部領域内で保持部材81の下方及び間に配置されている凹んだ構造又は半球状の構造であってよい。凹んだ構造が示されているが、三角柱、正四角柱、又は直方体のような凹み部100に関する他の形状も可能である。凹み部100は、投与具32からの歯磨剤組成物の一部を保持して、ブラッシング中の歯磨剤組成物の有益な洗浄効果を延長するように働く。この点に関し、支持部80の掃去又は振動運動によって、保持された歯磨剤組成物の一部が支持部80の内部領域の毛材26bに移動する。
【0107】
[0116]1つの構造においては、保持部材81は支持部80から上向きに伸びる円柱状の構造である。保持部材81は、ビーズ又はカプセルを所定位置に保持することを更に補助するために内側に湾曲させることができる。図13は、かかる湾曲した保持部材81を示す拡大断面図を示す。かかる湾曲した保持部材81は、保持のためにビーズ又はカプセル32の直径の中間よりも多く、上(又は視野角によって下)に伸びる長さを有していてよい。したがって、保持部材の長さ部分は、保持のために支持部80の縦軸に対して鋭角に配置することができる。保持部材81の組み合わせによって、投与具32を所定位置に保持する圧縮力が与えられる。内側に配置される接触面85は概して滑らかであり、投与具32が使用前に早期破裂するのが確実に阻止される(図11参照)。また、接触面85の滑らかで湾曲した特徴によって、投与具32の表面上への圧力の概して均一な分配が与えられる。したがって、この構造によって投与具32の表面上への薄壁応力が減少し、投与具32が使用前に早期破裂するのが確実に阻止される。例えば、輸送操作中に歯ブラシ上に作用する衝撃力を消散させることができる。
【0108】
[0117]保持部材81は、ブラッシング中にビーズ又はカプセルが破裂するのを助けることができ、遠位端82において平坦な表面を有して、この目的のためにビーズ又はカプセルに対する角端83を形成することができる。図12及び13を参照すると、毛材26の一部を保持部材81から伸長させることができる。この構造においては、毛材の基部の一部は保持部材81の後部/背部から伸長する。これによってコンパクトな省スペース型の頭部構造が与えられ、また、毛材領域における歯磨剤組成物の流れ制御の有益性も与えられる。
【0109】
[0118]図13において示すように、ブロック22は上記で議論した毛材26の一部又は全部と同じ材料で形成することができ、これは柄部14の他の部分とは異なる材料であってよい。或いは、柄部14及びブロック22を同じ材料で形成し、毛材26を異なる材料で形成することができる。
【0110】
[0119]図14は、図11〜13に示す頭部又は支持部構造を有する歯ブラシの横断面図を示す。支持部80は柄部に対して10°の角度で傾斜させることができ、これは従前の図面において示すものよりも小さい角度で傾斜している頭部を示す。8°〜12°の範囲の角度によって使用者のブラッシング技術の向上を助けることができる。図13と同様に、図14も材料の配列の例を示しており、ここではブロック22は毛材26の一部又は全部及び柄部の一部と同じ材料で形成することができる。或いは、柄部をブロック22及び/又は毛材26と同じ材料で形成することができる。
【0111】
[0120]したがって、幾つかの態様においては、口腔ケア具には、歯磨剤組成物を有する破裂可能な投与具を、記載した部品及び材料の結合ユニット又は種々の他の組合せとして含ませることができる。歯ブラシは、歯の間を洗浄することができる爪楊枝を有していてよい。ここで記載した歯磨剤組成物のような歯磨剤又は他の口腔ケア物質を含む投与具は、歯磨剤組成物を歯に投与するための歯ブラシの毛材又は洗浄部材の部分の中に接続することができる。1つの構造においては、口腔ケア部材は、支持部の内部領域に近接した投与具から放出される歯磨剤組成物の放射流を遅延させて、内部領域から離れた箇所での口腔ケア物質の放射流を増加させるように構成する。
【0112】
[0121]本発明を種々の好ましい形態に関して上記に記載したが、本発明は開示された態様に限定されないと理解すべきである。当業者が想到するであろう変更及び修正も、特許請求の範囲において規定される発明の一部である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量が2mg〜8mgであり、研磨剤が3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有し、組成物が口腔ケア活性成分を含まない歯磨剤組成物。
【請求項2】
経口的に許容できるキャリアがトリグリセリドを含む、請求項1に記載の歯磨剤。
【請求項3】
適用あたりに供給される研磨剤の全量が3〜6mgである、請求項1〜2のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項4】
5重量%〜25重量%の香味物質及び0.1重量%〜5重量%の甘味剤を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項5】
歯磨剤組成物が、約75重量%のトリグリセリド、約15重量%の香味料、約5重量%の研磨剤、約0.5重量%の甘味料、及び約4.5重量%のエタノールを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項6】
歯磨剤がカプセル封入されている、請求項1〜5のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項7】
歯磨剤がゼラチン内にカプセル封入されている、請求項6に記載の歯磨剤。
【請求項8】
経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によっては加工助剤を混合して液体混合物を形成し、液体混合物に、口腔ケア活性成分を混合又は添加しないで、3〜7μmの範囲の平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有する1〜10重量%の研磨剤を加えることを含む、歯磨剤組成物の製造方法。
【請求項9】
歯磨剤組成物をゼラチンカプセル内に封入することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法にしたがって製造されるカプセル封入歯磨剤組成物。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤組成物を、2mg〜8mgの研磨剤を歯に供給するように歯に適用することを含む、歯からステインを除去する方法。
【請求項12】
柄部;
柄部に取り付けられている、外表面、及び外表面から外側に伸長する複数の歯洗浄部材を有する頭部;及び
頭部上に配置されている請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤組成物;
を含む歯ブラシ。
【請求項13】
洗浄部材内に配置されており、歯磨剤組成物を含む投与具を更に含む、請求項12に記載の歯ブラシ。
【請求項14】
投与具がカプセルであり、歯磨剤組成物がカプセル内に液体形態で封入されている、請求項13に記載の歯ブラシ。
【請求項15】
洗浄部材が弾性材料で構成されている、請求項12〜14のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項16】
歯磨剤組成物がゼラチンカプセル内に封入されており、ゼラチンカプセルが洗浄部材内に配置されてそれに取り囲まれており、洗浄部材が弾性である、請求項12に記載の歯ブラシ。
【請求項17】
洗浄部材が歯磨剤組成物を含む、請求項12に記載の歯ブラシ。
【請求項1】
経口的に許容できるキャリア及び1〜10重量%の研磨剤を含み、適用あたりに供給される研磨剤の全量が2mg〜8mgであり、研磨剤が3〜7μmの範囲の重量平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有し、組成物が口腔ケア活性成分を含まない歯磨剤組成物。
【請求項2】
経口的に許容できるキャリアがトリグリセリドを含む、請求項1に記載の歯磨剤。
【請求項3】
適用あたりに供給される研磨剤の全量が3〜6mgである、請求項1〜2のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項4】
5重量%〜25重量%の香味物質及び0.1重量%〜5重量%の甘味剤を更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項5】
歯磨剤組成物が、約75重量%のトリグリセリド、約15重量%の香味料、約5重量%の研磨剤、約0.5重量%の甘味料、及び約4.5重量%のエタノールを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項6】
歯磨剤がカプセル封入されている、請求項1〜5のいずれかに記載の歯磨剤。
【請求項7】
歯磨剤がゼラチン内にカプセル封入されている、請求項6に記載の歯磨剤。
【請求項8】
経口的に許容できるキャリア、香味料、甘味料、及び場合によっては加工助剤を混合して液体混合物を形成し、液体混合物に、口腔ケア活性成分を混合又は添加しないで、3〜7μmの範囲の平均粒径を有し、粒子の少なくとも90重量%が16μmより小さい寸法を有する1〜10重量%の研磨剤を加えることを含む、歯磨剤組成物の製造方法。
【請求項9】
歯磨剤組成物をゼラチンカプセル内に封入することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法にしたがって製造されるカプセル封入歯磨剤組成物。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤組成物を、2mg〜8mgの研磨剤を歯に供給するように歯に適用することを含む、歯からステインを除去する方法。
【請求項12】
柄部;
柄部に取り付けられている、外表面、及び外表面から外側に伸長する複数の歯洗浄部材を有する頭部;及び
頭部上に配置されている請求項1〜7のいずれかに記載の歯磨剤組成物;
を含む歯ブラシ。
【請求項13】
洗浄部材内に配置されており、歯磨剤組成物を含む投与具を更に含む、請求項12に記載の歯ブラシ。
【請求項14】
投与具がカプセルであり、歯磨剤組成物がカプセル内に液体形態で封入されている、請求項13に記載の歯ブラシ。
【請求項15】
洗浄部材が弾性材料で構成されている、請求項12〜14のいずれかに記載の歯ブラシ。
【請求項16】
歯磨剤組成物がゼラチンカプセル内に封入されており、ゼラチンカプセルが洗浄部材内に配置されてそれに取り囲まれており、洗浄部材が弾性である、請求項12に記載の歯ブラシ。
【請求項17】
洗浄部材が歯磨剤組成物を含む、請求項12に記載の歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−500969(P2013−500969A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522916(P2012−522916)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043007
【国際公開番号】WO2011/014415
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043007
【国際公開番号】WO2011/014415
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】
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