説明

高温に対して抵抗性の酸化クロム形成性基材上の保護被覆のための材料、その製造方法及び使用

本発明は、酸化クロム形成性基材の上に高温抵抗性の保護被覆を形成するための材料、かかる材料の製造方法及び使用に関する。かかる材料は、高温におけるクロム含有合金のためのクロム蒸発保護被覆として用いるのに好適である。本発明の目的は、機械的及び熱的に長期間安定であり、燃料電池の運転温度における高い導電性を確保する、高温抵抗性の酸化クロム形成性合金のための保護層として用いるための材料を提供することである。本発明によれば、この材料は、スピネル相、及び好ましくはマンガン含有酸化物によって形成される酸化物第2相を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化クロム形成性基材の上に高温に対して抵抗性の保護層を形成するための材料、製造方法、及びこれらの材料の使用に関する。これは、高温操作におけるクロム含有合金のためのクロム蒸着層として用いるのに好適である。
【0002】
本発明による材料は、高温燃料電池において用いるのに特に有利で好適である。既に述べられているように、この材料は550〜1000℃の範囲であってよい高温において用いることができる。
【背景技術】
【0003】
高温燃料電池を用いて化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができる。
これに関し、カソード/電解質/アノードユニットは、燃料電池の中心的な機能部材であり、2つの電極−カソード及びアノード−を含み、これらは酸素伝導性電解質によって互いに分離されている。
【0004】
技術的用途のためにに許容しうる電圧レベルを達成するためには、個々のセルを直列に一緒に接続しなければならない。平面的な概念においては、所謂インターコネクター又はバイポーラ板をこれらの個々のセルの間に設置しなければならず、これらを用いて電極へのガスの送入及び個々のセルの互いの間の接触が行なわれる。
【0005】
バイポーラ板は、高温において可能な限り導電性及び耐酸化性でなければならない。更に、燃料電池の他の部品との良好な熱機械的適合性を確保するために、金属インターコネクターの熱膨張率は比較的低くなければならない。
【0006】
多数の制約のために、インターコネクターを製造するためには非常に僅かな材料しか考慮に入れることができない。したがって、特に平面高温燃料電池において用いるためには、高いクロム含量を有するインターコネクター材料(これらは、例えばクロムベースの合金又はフェライト鋼(クロムを含む鉄ベースの合金)である)が主として考慮に入れられている。
【0007】
しかしながら、これらの材料には、そこに存在する酸化雰囲気下で上昇した運転温度においてはインターコネクターの表面上に酸化クロム(III)(Cr)の層が形成されるという問題が生じる。
【0008】
酸化クロムは、高温において酸素及び水蒸気と反応し、三酸化クロム:CrO及び酸化水酸化クロム:CrO(OH)/CrO(OH)が形成される。これらの新しく形成されるクロムを含む化合物は、燃料電池の運転温度において高い蒸気圧を有し、したがってカソード中に容易に移動することができる。これらのCr種はそこでカソード材料と反応し、その組成を変化させ、長期的にはカソードの触媒活性の低下を引き起こす。これは燃料電池の特性の損失に大きく寄与する。
【0009】
クロムの蒸発を防ぐか又は最小にするための異なる材料及び方法が従来技術から公知である。インターコネクターの表面を所謂保護層で被覆する技術によって、この点での最良の結果が達成されている。
【0010】
インターコネクターは、例えばLaCrOのようなランタンを含む材料で被覆される。LaCrOのようなランタンを含む化合物は、保護層として金属表面上に直接施されるか、又はLa、LaBのような化合物を反応性の層として施してそれらを運転中に酸化クロムと反応させてLaCrOにする。この方法は、LaCrO層中に微小割れが形成される可能性があり、したがってクロムの蒸発に対する十分な保護を確保することができないという欠点を有する。
【0011】
更なる変法は、カソード材料と類似のクロムを含まないペロフスカイト層でインターコネクターを被覆することである。この層は、保護及びカソードコンタクトの両方に役立つ。しかしながら、これらは、層とインターコネクターとの間の境界においてクロムベースの新しい化合物が形成され、そこで成長する可能性があり、かかる層によって接触抵抗の大きな低下が引き起こされ、したがって燃料電池の大きな劣化も引き起こされるという欠点を有する。
【0012】
また、スピネル化合物それ自体も保護層のための有効な材料として好適である。スピネル保護層の生成は、マンガン、ニッケル、又はコバルトなどの、酸化性雰囲気下でクロムと一緒に塩基性材料からスピネル層を形成することのできるマイクロ合金元素のような鋼のいずれかを用いることによって行う。また、スピネル化合物は、マンガンを含み、酸化クロムとの反応の下でスピネル化合物を生成する層を施すことによって形成することもできる。これらのクロムスピネル構造の形成によって、明らかにクロムの蒸発の減少が得られる。しかしながら、これは、クロムを含むスピネル層を通るクロムの拡散が未だ起こるので、燃料電池の劣化のない長い運転寿命を確保するのには未だ十分ではない。更に、スピネル相中におけるそれらの高いCr部分のために、酸化Cr(VI)及び水酸化クロム種が放出され続ける可能性がある。
【0013】
それにもかかわらず、クロムを含まないスピネル化合物が保護層材料として用いられている。而して、例えばそれらの中にCo、Cu、及び/又はMnを含む酸化物を、酸化クロム形成性基材の上に施し、1000℃に加熱することによって、Co3−x−yCuMn(ここで、0<x<1.5、0<y<3、及び(x+y)<3である)の組成の気密のクロムを含まないスピネル層を基材の表面上に形成することが、DE−10306647から公知である。
【0014】
而して、例えば一方では(マンガン、マグネシウム、バナジウム)の群からの元素、及び(コバルト、ニッケル、鉄、銅、又はバナジウム)の群からの更なる元素を含むスピネル層が、酸化クロム形成性基材の上に形成され、1000℃以下の温度においても基材からのクロムの蒸発を防ぐ気密層を有利に形成することも公知である。
【0015】
5重量%未満の濃度のマンガン又はマグネシウムと、コバルト、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、チタン、スズ、又はバナジウムの群からの少なくとも2種類の金属のような合金を更に含むCr又はFeCr基材上に、酸化クロム形成性合金を、600℃〜1000℃の温度において、酸化運転条件下で被覆することによって、良好な導電性を有する薄いクロムを含まない気密の酸化物スピネル相が形成されることが、DE−10 2005 015 755−A1から公知である。CoCuMn3−x−y、NiCuMn3−x−y、CoFeMn3−x−y、FeCuMn3−x−y(ここで、0≦x≦2、0≦y≦1、及び(x+y)<3である)が可能なスピネル層として挙げられている。
【0016】
しかしながら、基材材料の1以上の成分をベースとする保護層を形成するための反応は、これらが基材材料の組成を変化させるという欠点を有する。
更に、マンガンはインターコネクターのアノード側からも激しく蒸発することが公知である(Journal of the Electrochemical Society 154-4 (2007), p.A295〜A306)。これにより、インターコネクター材料中のスピネル形成材料が迅速に消費される可能性があり、そのために表面上に生成する保護層がクロムの蒸発を確実且つ持続的に防ぐのには十分に均一且つ厚くなくなる。
【0017】
1つの構成成分が欠如することは、しばしばスピネル化合物に加えて外部相が形成されることを誘起する。これらはまた、化合物の機械的強度の低下を引き起こし、そのために特に熱負荷により層中に修復できない割れを引き起こす。これにより、クロムの蒸発及び長期運転における燃料電池の迅速な劣化が増加する。
【0018】
更に、保護層材料及び合金の熱膨張率を互いに適合させることはしばしば困難である。これにより、燃料電池の熱サイクル化中に保護層において割れが生成し、これにより層の緊密性が低下する。
【0019】
この分野における全ての発明のアプローチは、適合した熱膨張率及び良好な導電性を有する可能な限り気密の保護層を具現化することを含む。しかしながら、気密の保護層を具現化することは、一般に技術的に非常に厳しくコストが高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】DE−10306647
【特許文献2】DE−10 2005 015 755−A1
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Journal of the Electrochemical Society 154-4 (2007), p.A295〜A306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、本発明の目的は、長期間熱的及び機械的に安定であり、燃料電池の運転温度において高い導電性を確保する、高温抵抗性の酸化クロム形成性合金のための保護層として施すための材料を提供することである。
【0023】
この点に関し、この材料の熱膨張率は、組成を僅かに変動させることによって熱膨張率に関してインターコネクターのために必要な理想的な範囲(TECRT..1000℃=9.8〜12.4ppm/K)に設定することができる。更に、この材料は、気相中のクロム種に関してゲッタリング作用を与えることができ、それにより低い多孔度の保護層を用いて保護効果を確保することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的は、材料に関しては請求項1の特徴によって達成される。これは請求項9による方法を用いて製造することができ、好適な使用は請求項17に示す。
本発明の有利な態様及び更なる改良は、従属項において示される特徴を用いて達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明にしたがって合成した材料のX線回折図である。
【図2】図2は、異なる化合物に関する温度依存性導電度のダイアグラムである。
【図3】図3は、合金鋼:Crofer22APU及びDucrolloyに関する温度と材料の熱膨張率との関係を再現するダイアグラムである。
【図4】図4aは、粉砕パターンとしての層のデザインであり;図4bは、熱処理後の基材:Crofer22APU上の層系のEDXスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
したがって、本発明によれば、スピネル相及び第2相から形成され、スピネル相が好ましくはニッケル−銅−マンガン/鉄化合物によって形成され、第2相が酸化物、好ましくはマンガン酸化物によって形成されている、酸化物セラミック焼結材料を提供することが提案される。
【0027】
本発明の材料のために用いるスピネル構造を有するニッケル−銅−マンガン/鉄化合物をベースとする相は、十分に高い導電性を有しており、これは示された高温においても保持される(図2)。高い導電性のために、この材料は同時に、高温燃料電池のカソード/電解質/アノードユニットのカソード表面のためのコンタクト層として用いることができる。而して、850℃の温度、即ち高温燃料電池の運転温度範囲において少なくとも10S/cm、好ましくは少なくとも80S/cmの導電度が達成される。
【0028】
これはまた、インターコネクターのために用いる材料の熱膨張率を考慮すると、熱膨張率にも当てはまる(図3)。これにより、広く用いられている熱条件におけるインターコネクター材料に関する構造体の十分に高い機械的安定性が確保される。
【0029】
更に、マンガン酸化物をベースとする第2相は、示されている高い温度及び現在用いられている酸化運転雰囲気において解離されたクロム含有酸化物と反応する特性を有しており、これにより揮発性のクロム種に対する更なる保護が確保される。これにより、カソードへのクロムの昇華、及びその結果として起こるカソード又はカソード/電解質界面のクロムによる被毒を有効に防ぐことができる。
【0030】
マンガン酸化物をベースとする第2相の更なる有利性は以下のものである。これは、合金に必要な成分(Mn)の源として用いることができる。Mnの蒸発のために、インターコネクターのアノード側においてMnの消耗が起こる可能性がある。このプロセスの運転温度においてカソード側からアノード側へのMnの拡散を相当に最小化することができる。
【0031】
本発明によれば、第2相は材料中に低い割合でしか存在しない。第2相とクロムを含む酸化物との間の反応は、長期間運転における材料の電気的及び機械的特性に対していかなる実質的な効果も有しない。
【0032】
本発明による材料は、例えば、空気を含む雰囲気又は酸素中での熱処理における固体反応によって、酸化銅(II)(CuO)、酸化ニッケル(II)(NiO)、及び酸化マンガン(III)(Mn)/酸化鉄(III)(Fe)から、又はこれらを用いて形成することができる。これに関し、これらは粉末として用いる。
【0033】
これに関し、CuOは粉末混合物中に0〜100モル%の割合で含まれ、NiOは0〜100モル%の割合で含まれ、Feは0〜100モル%の割合で含まれ、Mnは0〜100モル%の割合で含まれる。Mnの割合は、好ましくは1〜100モル%の範囲である。
【0034】
基材上への適用は、例えば、熱噴射を用いるか又は真空中での被覆プロセスによって行うこともできる。後者は、例えばそれ自体公知のPVD法又はCVD法を用いて行うことができる。これに関し、好適な標的は粉末から製造することができ、このようにして被覆することができる。
【0035】
酸化物の対応部分は、例えば遊星ボールミル内で注意深く長時間撹拌/均質化することによって予備処理する。
これに関し、製造プロセスにおいては、予備処理において更なる媒体が存在するかどうかを監視しなければならない。驚くべきことに、粉末中にエタノールを混合することによって、CuOとNiOとの比に基づいて単相又は二相の材料を得ることができることが見出された。第2の相(第2相)の割合は、アルコール/エタノールを更に用いることによって増加させることができる。
【0036】
固体反応は、800℃の温度において既に開始させることができ、粉末成分の焼結は少なくとも1000℃の温度において行う。また、製造プロセスにおいては、より低い温度(<1000℃)及びより高い温度(>1200℃)において合成される材料は多相であり、その結果、熱的及び化学的に不安定であるので、規定の焼結温度を監視することも重要である。合成を1100℃±10℃で行うと特に好ましいことが示された。
【0037】
複数の出発化合物を用いるモル比は、好ましくは、化学量論式:(CuO)(NiO)(Mn(Fe1−zに関し、銅については0.0〜1.0(CuO)、ニッケルについては0.0〜1.0(NiO)、マンガンについては0.0〜1.0(Mn)、及び鉄については0.0〜1.0である。
【0038】
以下において幾つかの態様を参照して本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0039】
実施例1:
2.0モル%より低い第2相の割合を有する化合物の製造:
2.0268gのCuO、1.2688gのNiO、及び6.7044gのMn((CuO)0.6(NiO)0.4(Mn)の成分比に相当する)を計量し、遊星ボールミル内において24時間かけて均質化した。均質の粉末を篩別し、1100℃の温度において15時間カ焼した。
【0040】
このようにして製造した材料は、Cu0.6Ni0.4Mnのスピネル相の組成を有していた。これに関し、第2相:(MnO1−y+(CuO/NiO)(1<x<1.5及び0<y<0.5)の割合は2.0モル%より低かった。
【0041】
実施例2:
2.0〜5.0モル%の第2相の割合を有する化合物の製造:
2.0268gのCuO、1.2688gのNiO、及び6.7044gのMn((CuO)0.6(NiO)0.4(Mn)の成分比に相当する)を計量し、10mLのエタノールを加え、遊星ボールミル内において24時間かけて均質化を行った。均質の粉末を70℃の温度において乾燥した後、篩別した。篩別された粉末を、1100℃の温度において15時間カ焼した。
【0042】
このようにして製造した材料は、Cu0.6Ni0.4Mnのスピネル相の組成を有していた。これに関し、第2相:(MnO1−y+(CuO/NiO)(1<x<1.5及び0<y<0.5)の割合は2.0〜5.0モル%に達した。
【0043】
実施例3:
2.0モル%より低い第2相の割合を有する材料を製造するために、2.6893gのCuO、0.6313gのNiO、6.3382gのMn、及び0.6748gのFeを計量して、(CuO)0.8(NiO)0.2(Mn0.95(Fe0.1の成分の比を得た。混合物に10mLのエタノールを加え、遊星ボールミル内において24時間かけて均質化した。次に、70℃の温度において乾燥を行った。次に、篩別した粉末を、1100℃の温度における熱処理に15時間かけた。このようにして得られた材料は、Cu0.8Ni0.2Mn0.9Fe0.1のスピネル相の組成を有していた。これに関し、第2相:(MnO1−y+(CuO/NiO)(1<x<1.5及び0<y<0.5)の割合は2.0モル%より低かった。
【0044】
図1に示されるX線ダイアグラムによって、1100℃において焼結した材料の相組成は製造方法によって定まることが明らかになる。ダイアグラム1及び2は、それぞれ実施例1及び2にしたがって製造された(CuO)0.6(NiO)0.4(Mn)の化学量論を有する化合物に対応する。
【0045】
図2によるダイアグラムにおいて、異なるCuO/NiOの比を有する(CuO)(NiO)(Mn)の化合物に関する温度と導電度との関係が示される。
特別の鋼:Crofer22APU及びDucrolloy合金に関して、CuO/NiOの異なる比を有する(CuO)(NiO)(Mn)の0〜900℃の温度範囲における熱膨張率が図3において示されるダイアグラムから示され、運転温度においてはこれらの材料の熱膨張率おける僅かな差しか存在せず、このため高温燃料電池と組み合わせて用いてもこれらを問題なく互いと組み合わせて用いることができることが明らかになる。
【0046】
図4は、空気中850℃において100時間熱処理した後の、保護層で被覆した基材上に形成される層系の典型的なデザインを示す。実施例1による材料を、ロール塗布によってCrofer22APU基材に施した。O、Cr、Mn、Fe、Cu、Niに関する関連するEDXスペクトル元素プロファイル(図4b)によって、層構造が明確に示される。
【0047】
基材(領域1)と保護層との間の境界において、薄いクロム/マンガン混合酸化物層(領域2)が形成された。本発明による材料を含む外側層(領域3)は、EDXを用いて検出しうる割合のクロムを含んでいなかった。
【0048】
クロムを含む保護層のための本発明による材料は、それらの化学的、熱的、及び電気的特性のために、高温燃料電池において用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピネル相及び酸化物第2相から形成されていることを特徴とする、高温に対して抵抗性の酸化クロム形成性基材上の保護層のための材料。
【請求項2】
スピネル相がニッケル−銅−マンガン/鉄化合物で形成されている、請求項1に記載の材料。
【請求項3】
スピネル相が(CuNi1−x(Mn1−zFeの組成を有する酸化物で形成されている、請求項1又は2のいずれかに記載の材料。
【請求項4】
スピネル相が(CuNi1−x(Mn1−zFe(ここで、0≦x≦1.0、0.8≦y≦1.2、及び0.0≦z≦1.0である)の組成を有する酸化物で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の材料。
【請求項5】
第2相がマンガンを含む酸化物で形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の材料。
【請求項6】
第2相が0.1〜20体積%の割合で含まれている、請求項1〜5のいずれかに記載の材料。
【請求項7】
第2相がスピネル相中に均一に分配されている、請求項1〜6のいずれかに記載の材料。
【請求項8】
第2相が(MnO1−y+(CuO/NiO)(ここで、1<x<1.5及び0<y<0.5である)の組成で形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の材料。
【請求項9】
850℃の温度において少なくとも10S/cmの導電度を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の材料。
【請求項10】
材料を形成するために、酸化物:CuO、NiO、Fe、及びMnから形成される粉末混合物を均質化予備処理にかけ、次に1000℃〜1200℃の範囲の温度における熱処理にかけることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の材料の製造方法。
【請求項11】
均質化予備処理を粉砕によって行う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
0〜100モル%のCuO、0〜100モル%のNiO、0〜100モル%のFe、及び0〜100モル%のMnの割合を有する粉末混合物を用いる、請求項10又は11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
熱処理においてスピネル相及び第2相が反応によって形成される、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
均質化予備処理においてアルコールを粉末混合物に加える、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
アルコールを50重量%の割合で加える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
均質化予備処理の後に粉末混合物を基材の表面に施し、次に熱処理によって基材上の保護層の形成を行う、請求項9〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
均質化予備処理の後に、熱噴射を用いるか又は真空中での被覆プロセスを用いて粉末混合物を基材の表面に施す、請求項9〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
保護層を製造するため、並びに高温燃料電池用のカソード−電解質−アノードユニットのカソードの電気接触のための、請求項1〜9のいずれかに記載の材料の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−523823(P2010−523823A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502416(P2010−502416)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000685
【国際公開番号】WO2008/125103
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507241894)フラオンホファー−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファオ (14)
【Fターム(参考)】